説明

プロジェクタ装置

【課題】 光源内での光軸合わせが不要なプロジェクタ装置を提供する。
【解決手段】 光源から射出された光を画像データに基づいて変調する二次元光変調器110と、この二次元光変調器110により変調された光を拡大投写する投写光学系130とを有するプロジェクタ装置200において、前記光源が、少なくとも赤色光、緑色光および青色光のそれぞれの反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cを同一方向に光を射出するように連結してなる積層型発光ダイオード装置100から構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を投写して例えばスクリーン等に表示するプロジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光源から射出された光束を、例えばDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス:登録商標)等の光変調器を用いて変調し、変調光束を投写レンズを用いてスクリーン上に拡大投写するプロジェクタ装置が知られている。この種のプロジェクタ装置においては、光源として、超高圧水銀灯やキセノンランプ等の白色の放電灯が用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、プロジェクタ装置は、三原色に対応する赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の画像を1フレームの間に時分割で投写するのが一般的であり、光源として白色光を用いた場合には、この白色光をR、G、Bの3色に分割するためのフィルター部材を光源と光変調器との間に介挿させる必要があり、装置構成が煩雑になるといった問題があった。
そこで、従来、赤色、緑色、青色のそれぞれの発光ダイオードを有して光源を構成したプロジェクタ装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】特開2005−148298号公報
【特許文献2】特開2003−186110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、赤色、緑色、青色のそれぞれの発光ダイオードを光源とする従来の技術にあっては、各発光ダイオードから照射された光を合成するためにクロスダイクロイックプリズムを用い、このクロスダイクロイックプリズムの3面の各面に1つずつ発光ダイオードを対向配置する構成としているため、各発光ダイオードをプロジェクタ装置内に配設する際に、それぞれの発光ダイオードの光軸を同軸に合わせるのが困難であるといった問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、光源内での光軸合わせが不要なプロジェクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、光源から射出された光を画像データに基づいて変調する変調器と、この変調器により変調された光を拡大投写する投写光学系とを有するプロジェクタ装置において、前記光源が、少なくとも赤色光、緑色光および青色光のそれぞれの反射型発光ダイオードユニットを同一方向に光を射出するように連結してなる積層型発光ダイオード装置から構成されていることを特徴とする。
【0005】
また本発明は、上記発明において、光軸が同軸となるように連結する連結部材を介して前記反射型発光ダイオードユニットのそれぞれが互いに連結されていることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、上記発明において、赤色光、緑色光および青色光のそれぞれの反射型発光ダイオードユニットのうちの少なくとも2つ以上を同時に点灯させて、赤色、緑色および青色以外の色の画像を投写することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記発明において、前記積層型発光ダイオード装置は、赤色光、緑色光および青色光以外の光を発光する反射型発光ダイオードユニットがさらに連結されてなることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記発明において前記反射型発光ダイオードユニットのそれぞれは、中空状のホルダケースと、前記ホルダケース内に対向配置された発光素子およびダイクロイックミラーとを有し、前記発光素子から照射された光を前記ダイクロイックミラーが反射して前記ホルダケースの一方の開口から射出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光源として、少なくとも赤色光、緑色光および青色光のそれぞれの反射型発光ダイオードユニットを同一方向に光を射出するように連結してなる積層型発光ダイオード装置を用いる構成としたため、プロジェクタ装置内に光源を配設する際に、反射型発光ダイオードユニットのそれぞれの光軸を合わせるための作業が不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施の形態]
図1は本発明の一実施の形態を示すプロジェクタ装置200の構成を模式的に示す図である。この図に示すように、プロジェクタ装置200は、光束を射出する光源としての積層型発光ダイオード装置100と、光束を変調する二次元光変調器110と、積層型発光ダイオード装置100から射出された光束を二次元光変調器110に導く照射光学系120と、二次元光変調器110にて変調された変調光束を投写する投写光学系130と、プロジェクタ装置200の動作制御を実行する制御装置140とを備えている。
【0011】
積層型発光ダイオード装置100は、三原色に対応する赤色光(R)、緑色光(G)および青色光(B)を選択的、或いは、幾つかの色光(全ての色光の場合を含む)を同時に射出するものである。具体的には、積層型発光ダイオード装置100は、赤色光(R:波長660nm)を射出する反射型発光ダイオードユニット10A、緑色(G:波長525nm)を射出する反射型発光ダイオードユニット10Bおよび青色(B:波長470nm)を射出する反射型発光ダイオードユニット10Cを備え、これらの反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cが、それぞれ同一方向に光束を射出するように積層するように連設され、制御装置140の制御の下、各色光を選択的、または、幾つかの色光(全ての色光の場合を含む)を射出する。なお、この積層型発光ダイオード装置100の具体的な構成については後に詳述する。
【0012】
二次元光変調器110は、積層型発光ダイオード装置100から射出された光束を制御装置140の制御に基づいて変調し、この変調光束を投写光学系130に入射させるものであり、本実施の形態では、二次元光変調器110としてDMDが用いられている。詳述すると、DMDは、2次元的に配列した各ピクセルがミクロンサイズのマイクロミラーから構成され、各ピクセルごとにマイクロミラーの傾きが制御され、当該マイクロミラーによる反射光の反射角度を変化させることによってオン/オフ状態を作り、所定の方向に反射された光だけが投写光学系130に入射して投写画像として投写される。このとき、1つのピクセルは投写画像の1画素分を担当し、投写すべき画像データに基づいて制御装置140が各ピクセルのマイクロミラーのオン/オフ制御(角度制御)を実行する。
【0013】
照射光学系120は、積層型発光ダイオード装置100と二次元光変調器110との間に配置され、積層型発光ダイオード装置100から射出された光束を二次元光変調器110の反射領域の全面に均一な光量で照射するものである。具体的には、照射光学系120は、積層型発光ダイオード装置100から射出された光束の輝度(光量)を分散するための複数のフライアレイレンズ121と、これらのフライアレイレンズ121を通過した光束を絞るための集光レンズ122と、この集光レンズ122を通過した光束を上記二次元光変調器110の反射領域に導く一対の反射鏡123、124とを有して構成されている。なお、照射光学系120の構成は、積層型発光ダイオード装置100から射出された光束を、二次元光変調器110の反射領域の全面に均一な光量で照射することが可能であれば、任意の構成を採用することが可能である。
【0014】
投写光学系130は、二次元光変調器110により変調された光束を、本プロジェクタ装置200の正面に配置されたスクリーン400に向けて拡大投写するものであり、R、G、Bの各色光における色収差等によって投写画像が不鮮明になるのを防止すべく複数の集光素子を光軸方向に配置した組レンズとして構成されている。
【0015】
制御装置140は、積層型発光ダイオード装置100の発光を制御する発光制御部141と、二次元光変調器110を制御する二次元光変調器制御部142とを有している。発光制御部141は、反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cに点灯制御信号Cm−r、Cm−g、Cm−bを出力して、それぞれの反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cを所定周期ごとに順次点灯させるものである。
【0016】
また、二次元光変調器制御部142は、本プロジェクタ装置200に接続されたコンピュータ300(デジタルビデオカメラ等の画像出力機能を備えた他の電子機器であっても良い)から出力される画像データに基づいて、二次元光変調器110に対して変調制御信号Cm−dを出力して、各マイクロミラーのオン/オフを制御し積層型発光ダイオード装置100から射出された光束を変調するものである。
なお、二次元光変調器制御部142は発光制御部141の発光制御と同期して二次元光変調器110を制御するが、その詳細についは後述する。
【0017】
さて、上述のように、本実施の形態では、光源として積層型発光ダイオード装置100を用いており、この積層型発光ダイオード装置100の構成について以下に詳述する。
図2は積層型発光ダイオード装置100の正面および側面を示す概略図であり、図3はその側断面の概略図である。
積層型発光ダイオード装置100の各反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cは、図3に示すように、発光半導体素子たる発光ダイオード2と、この発光ダイオード2を支持するリードフレーム1と、発光ダイオード2の発光面2Aに対向配置された反射鏡たるダイクロイックミラー3と、後段の反射型発光ダイオードユニット10との連結される連結材4とを備え、これらが円筒状(断面角形の筒状でも良い)のホルダケース5に内設されている。このホルダケース5はアルミニウムなどの高熱伝導性を有する金属材から形成され、その外周面(外側面)に多数の放熱フィン7を有する放熱部5Cが形成されている。
【0018】
リードフレーム1は、図2に示すように、円環部1Aと、この円環部1Aの中心に配置され、その裏面に上記発光ダイオード2が配置される略円板状の取付部1Bと、円環部1Aから取付部1Bに向けて延びる三本のアーム部1Cとを備え、これらが例えば銅などの高熱伝導性を有する板材を例えば型抜き成形するなどして一体に形成されている。そして、このリードフレーム1が、図3に示すように、発光ダイオード2(発光面2A)を背面側に向けた姿勢でホルダケース5の内周面に設けられた掛止片5Aに掛止される。このとき、リードフレーム1の円環部1Aの側周面がホルダケース5の内側面に密着することで、発光ダイオード2が発する熱がホルダケース5に伝達される。
【0019】
ダイクロイックミラー3は、特定波長帯域の光のみを選択的に反射し、他の波長帯域の光を透過する凹面状の光学反射面3Aを有するものであり、この光学反射面3Aが発光ダイオード2の発光面2Aに対向するように焦点距離調整用スペーサ8を介在させてホルダケース5に内設されている。光学反射面3Aは、対向配置される発光ダイオード2の放射光波長に対して高反射特性を有し、また、この発光ダイオード2の配置位置を焦点とする放物面(回転放物面)または非球面に形成されている。したがって、各反射型発光ユニット10A〜10Cにおいては、発光ダイオード2から放射された光が中心軸Nに対して略平行な光として反射され、ホルダケース5の正面側の開口5Dから中心軸Nに対して略平行な光束として射出される。なお、最後段に位置する反射型発光ユニット10Cにあっては、後段からの光の入射がないためダイクロイックミラー3に代えて通常の凹面状ミラーを設ける構成としても良い。
【0020】
焦点距離調整用スペーサ8は、ダイクロイックミラー3の光学反射面3Aの焦点位置を調整するための樹脂製部材であり、この焦点距離調整用スペーサ8をリードフレーム1とダイクロイックミラー3との間に介在させることで、発光ダイオード2の寸法、特に、LEDチップの高さが製造メーカやその構造(ベアチップや表面実装型チップなど)などにより異なる場合であっても、発光ダイオード2(発光面2A)から光学反射面3Aまでの距離(焦点距離f)を調整し、焦点位置を発光ダイオード2の配置位置に位置合わせが可能になされている。
【0021】
上記連結材4は、例えば樹脂などの電気的絶縁材が円筒状に形成されてなり、図3に示すように、その一端4Aが、ホルダケース5の背面側の開口5Bから後方に向けて光束の射出方向Pと略平行に延出するようにホルダケース5に内設される。そして、連結材4の一端4Aが、後段に連結される反射型発光ダイオードユニット10のホルダケース5の正面側の開口5Dに挿入されてホルダケース5の掛止部5Aに掛止され、反射型発光ダイオードユニット10が連結される。
このとき、連結材4Aは、光束の射出方向Pと略平行に延出しているため、当該連結材4Aにて後段に連結された反射型発光ダイオードユニット10の射出方向を前段のものに合わせることができ、これにより、各反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cの光軸を簡単かつ容易に合わせることができる。
【0022】
次いで、本プロジェクタ装置200の動作について説明する。なお、以下の説明では、プロジェクタ装置200が毎秒あたりに表示する画像のフレーム数は60フレームであるものとする。
本プロジェクタ装置200は、1フレームの画像投写の際に、この画像がR、G、Bの各色に分解されてなるRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを1フレーム(1/60秒)の間に時分割でスクリーン400に順次投写し、人間にはそれぞれの画像がカラー合成されて視認されるようにしている。
【0023】
具体的には、図4に示すように、1フレームが3分割されてR点灯期間Tr、G点灯期間TgおよびB点灯期間Tbが設けられており、発光制御部141はR点灯期間Trにおいて所定電圧または所定のPWM制御がなされた点灯制御信号Cm−rを反射型発光ダイオードユニット10Aに供給することで赤色光を射出させ、これと同様にして、G点灯期間Tgにおいては緑色光、B点灯期間Tbにおいては青色光を時分割に射出させる。したがって、これらR、G、Bの各色の光が1フレームの3倍の周期(1/180秒)で順次発光される。
【0024】
一方、R点灯期間Trにおいては、投写すべき画像データのR成分を示すRプレーンに基づいて二次元光変調器制御部142が変調制御信号Cm−dを二次元光変調器110に出力しており、これにより、当該R点灯期間TrにおいてはR成分のみの画像がスクリーン400上に投写される。また、これと同様にして、点灯期間TgにおいてはG成分のみの画像、B点灯期間TbにおいてはB成分のみの画像を投写される。この結果、1フレームの間には、R、G、Bの各色成分の画像が順次投写され、人間にはそれぞれの色成分の画像がカラー合成されて視認される。
なお、投写画像の輝度を調整する場合には、発光制御部141が各反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cに供給する点灯制御信号Cm−r、Cm−g、Cm−bのそれぞれの電圧値またはPWM制御値(パルス幅など)を変更することで、各反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cが射出する光量を制御する。
【0025】
ここで、本実施の形態では、プロジェクタ装置200の画像投写モードとして、上記R、G、Bの3色だけで画像を投写するモードの他に、これらR、G、Bを適宜組み合わせて成る中間色をR、G、Bの3色に加えて画像を投写する中間色使用モードを有している。なお以下の説明では、中間色として、RおよびGを同時点灯させて黄色を表示する場合を例示するが、他の中間色や白色光を表示するようにしても良い。
【0026】
図5は、中間色使用モードのタイミングチャートである。この図に示すように、中間色使用モードにあっては、中間色を表示するための中間色発光期間Tcが1フレームに新たに追加される。この中間色発光期間Tcにおいては、発光制御部141は、RおよびGを同時に発光させて、積層型発光ダイオード装置100から黄色光を射出させる。このとき、RおよびGの発光強度を単色発光時と同等とすると、黄色光の強度が他の色光よりも高くなってしまうため、発光制御部141は、点灯制御信号Cm−rおよびCm−gの電圧値またはPWM制御値を単色発光のときと比べて小さくし、これにより、中間色と単色色とのそれぞれの発光強度が同程度となるようにしている。
【0027】
また、コンピュータ300からは、1フレームの間に表示する画像をR、G、Bおよび中間色の各色成分に分解してなるRプレーン、Gプレーン、Bプレーンおよび中間色プレーンのそれぞれのデータが制御装置140に入力されており、中間色発光期間Tcにおいては、二次元光変調器制御部142が、中間色プレーンデータに基づいて二次元光変調器110の変調を制御する。
そして、以上のような制御により、1フレームの間には、R、G、Bおよび中間色の各色成分の画像が順次投写され、R、G、Bの3色により画像を投写した場合に比べて色再現域が広がった画像が投写されることになる。
なお、他の中間色を表示するための発光期間を1フレームの間にさらに追加することで、複数の中間色を投写可能にし、色再現域をより広げることが可能である。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態によれば、赤色光を発光する反射型発光ダイオードユニット10A、緑色光を発光する反射型発光ダイオードユニット10Bおよび青色光を発光する反射型発光ダイオードユニット10Cを有し、それぞれが同一方向に光を射出するように連結されてなる積層型発光ダイオード装置100を光源として用いる構成としたため、プロジェクタ装置200内に光源を配設する際に、反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cのそれぞれの光軸を合わせるための作業が不要となる。また、反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cのそれぞれが連結されて一体になされているため、プロジェクタ装置200に衝撃などが加えられたとしても、反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cのそれぞれの配置位置にばらつき等が生じる事もない。
【0029】
また、本実施の形態によれば、各反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cのそれぞれには、光軸が同軸となるように他の反射型発光ダイオードユニット10を連結する連結材4が設けられているため、反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cのそれぞれを連結して積層型発光ダイオード装置100を組み上げる際の光軸合わせが簡単かつ容易となる。
【0030】
また、本実施の形態によれば、反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cのうちの少なくとも2つ以上を同時に点灯させて、赤色、緑色および青色以外の中間色の画像を投写するようにしたため、色再現域が広げられた鮮やかな投写画像を得ることができる。
【0031】
また、本実施の形態によれば、高熱伝導性を有する金属製の中空状のホルダケース5を有する反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cを、電気的絶縁材からなる連結材4を介して連結する構成としたため、発光ダイオード2の放熱性を高め高出力化が可能になるとともに、反射型発光ダイオードユニット10A〜10C同士の電気的絶縁性を高めることができる。
【0032】
また、本実施の形態によれば、発光ダイオード2を高熱伝導性材から形成されたリードフレーム1に取り付け、このリードフレーム1をホルダケース5に取り付ける構成としたため、発光ダイオード2が発する熱をリードフレーム1を介してホルダケース5に伝達し、当該ホルダケース5から効率良く放熱させることができる。特に、本実施の形態によれば、ホルダケース5の外側面に放熱フィン5Bを形成したため、放熱性をより一層向上させることができる。なお、積層型発光ダイオード装置100に対して冷却風を吹き付けるファンをプロジェクタ装置200内に配設することで、放熱性をさらに高めることも可能である。
【0033】
[第2実施の形態]
上述した第1実施の形態では、積層型発光ダイオード装置100が備える複数の反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cを個別あるいは同時に点灯させて、図6のxy色度図で示した範囲内で表現される色の光を用いて画像を投射していた。これに対して、本実施形態では、図7に示すように、反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cに加え、R、G、Bのそれぞれとは異なる光(以下、「他色光」と言う)を発光する発光ダイオードユニット10Dを更に連結させてなる積層型発光ダイオード装置100Aを光源として用いて、画像を投射する構成としている。
【0034】
すなわち、本プロジェクタ装置200’においては、図8のxy色度図で示すように、反射型発光ダイオードユニット10A〜10Dの4色で合成される範囲内で表現される色を用いて画像を表現させている。具体的には、図9に示すように、1フレームの間に、赤色光を点灯するR発光期間Tr、緑色光を点灯するG発光期間Tg、青色光を点灯するB発光期間Tbおよび他色光を点灯する他色発光期間Tcの4つの期間を設け、それぞれの期間ごとに4つの反射型発光ダイオードユニット10A〜10Dを順次点灯させる。
【0035】
このように、本実施の形態によれば、積層型発光ダイオード装置100に対して、赤色光、緑色光および青色光以外の光を発光する反射型発光ダイオードユニット10Dをさらに連結することで、他の色の画像表示を簡単に行うことができ、色再現域を容易に広げることができる。
【0036】
特に本実施の形態によれば、光源として積層型発光ダイオード装置100が用いられているため、クロスダイクロイックプリズムの周囲に光源を配置してカラー合成する従来のプロジェクタ装置に比べて、他の色の光源となる反射型発光ダイオードユニット10を簡単に追加することが可能となる。
なお、本実施形態では、異なる色を発光する反射型発光ダイオードユニット10Dを1つだけ追加した構成を例示したが、これに限らず、互いに異なる色の光を発光する複数の反射型発光ダイオードユニット10を反射型発光ダイオードユニット10A〜10Cに連結して、より広い色再現域を実現可能な積層型発光ダイオード装置を構成しても良い。
【0037】
なお、上述した各実施の形態はあくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施の形態において、ホルダケース5内に不活性ガスを充填可能に構成し発光ダイオード2等の腐食などによる劣化を防止する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るプロジェクタ装置の構成を示す模式図である。
【図2】積層型発光ダイオード装置の正面および側面を示す図である。
【図3】積層型発光ダイオード装置の断面図である。
【図4】プロジェクタ装置の投写動作を示すタイミングチャートである。
【図5】プロジェクタ装置の中間色使用モード時の投写動作を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の第1実施の形態に係るプロジェクタ装置が表現できる色の範囲を示すxy色度図である。
【図7】本発明の第2実施の形態に係るプロジェクタ装置の構成を示す模式図である。
【図8】本発明の第2実施の形態に係るプロジェクタ装置が表現できる色の範囲を示すxy色度図である。
【図9】同プロジェクタ装置の投写動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1 リードフレーム
2 発光ダイオード
3 ダイクロイックミラー
4 連結材
5 ホルダケース
10、10A〜10D 反射型発光ダイオードユニット
100、100’ 積層型発光ダイオード装置
110 二次元光変調器
130 投写光学系
140 制御装置
200、200’ プロジェクタ装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像データに基づいて変調する光変調器と、この光変調器により変調された光を拡大投写する投写光学系とを有するプロジェクタ装置において、
前記光源が、少なくとも赤色光、緑色光および青色光のそれぞれの反射型発光ダイオードユニットを同一方向に光を射出するように連結してなる積層型発光ダイオード装置から構成されている
ことを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項2】
光軸が同軸となるように連結する連結部材を介して前記反射型発光ダイオードユニットのそれぞれが互いに連結されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ装置。
【請求項3】
赤色光、緑色光および青色光のそれぞれの反射型発光ダイオードユニットのうちの少なくとも2つ以上を同時に点灯させて、赤色、緑色および青色以外の色の画像を投写する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクタ装置。
【請求項4】
前記積層型発光ダイオード装置は、赤色光、緑色光および青色光以外の光を発光する反射型発光ダイオードユニットがさらに連結されてなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクタ装置。
【請求項5】
前記反射型発光ダイオードユニットのそれぞれは、
中空状のホルダケースと、前記ホルダケース内に対向配置された発光素子およびダイクロイックミラーとを有し、前記発光素子から照射された光を前記ダイクロイックミラーが反射して前記ホルダケースの一方の開口から射出する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプロジェクタ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−47261(P2007−47261A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229341(P2005−229341)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】