説明

プロセス監視装置および保守品管理方法

【課題】メンテナンス情報を容易に構築することができるプロセス監視装置を提供する。
【解決手段】プリンタ2等のメンテナンスの監視を行うプロセス監視装置1において、外部からプリンタ2等のメンテナンス情報を読み取るメモリ読み取りソフトウエア16と、メモリ読み取りソフトウエア16にて読み取ったメンテナンス情報をハードウエアメンテナンス情報データベース13に格納するためのハードウエアメンテナンス情報読み取りソフトウエア15と、ハードウエアメンテナンス情報データベース13からメンテナンス情報を抽出して監視画面11に表示させるための表示ソフトウエア12とを備え、メモリ読み取りソフトウエア16は、プロセス監視装置1に接続されている外部のプリンタ2等のメモリ21からメンテナンス情報を読み取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オペレータが資料を探すことなく保守品のメンテナンス情報を容易に知ることができ、うっかりして交換時期を過ぎてしまう等の事故の発生を抑制することができるプロセス監視装置および保守品管理方法に関するものである
【背景技術】
【0002】
従来のプロセス監視装置はハードディスク等に格納されたハードウエアメンテナンス情報があり、この情報を監視画面に表示したり、プリンタに印字したり、フロッピー(登録商標)ディスクに転送したりすることにより、オペレータが資料を探すことなく交換時期等のメンテナンス情報を知ることができ、うっかりして交換時期を過ぎてしまう等の事故が抑制されている(例えば、特許文献1参照)。また、メンテナンスプロバイダにメンテナンスサーバを持ち、メンテナンスプロバイダを介して設備ユーザと設備ベンダを接続し、設備ベンダからメンテナンスプロバイダにメンテナンス情報を提供してもらい、メンテナンスサーバにメンテナンス情報を自動で構築するものである(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開7−44224号公報
【特許文献2】特開2001−257788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先の従来のプロセス監視装置は、ハードディスク等に格納されたハードウエアメンテナンス情報が必要で、プロセス監視装置において用いられる保守品のメンテナンス情報はベンダからユーザに紙等で提供されるのが一般的であり、紙等でできた各保守品のメンテナンス情報の一覧表から、手入力等により手動でデータを入力してデータベースを作成しなければならなく、コストがかかるという問題点があった。
【0005】
また、後の従来の場合は、メンテナンスプロバイダにメンテナンスサーバを持ち、メンテナンスプロバイダを介して設備ユーザと設備ベンダを接続し、設備ベンダからメンテナンスプロバイダにハードウエアメンテナンス情報を提供してもらい、メンテナンスサーバ内に総合ハードウエアメンテナンス情報を自動で構築することが可能であるが、この場合、メンテナンスプロバイダを介して設備ユーザと設備ベンダとを接続しなければならず、大がかりなシステムとなり、構築のためのイニシャルコストがかかり、接続のための通信費用やプロバイダとの契約費用等のランニングコストがかかるという問題点があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、設備ユーザと設備ベンダとを接続することなく、メンテナンス情報を容易に構築することができるプロセス監視装置および保守品管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のプロセス監視装置は、
被メンテナンス装置のメンテナンスの監視を行うプロセス監視装置において、
上記プロセス監視装置の外部から上記被メンテナンス装置のメンテナンス情報を読み取る読み取りソフトウエアと、
上記読み取りソフトウエアにて読み取った上記メンテナンス情報をメンテナンス情報データベースに格納するための格納ソフトウエアと、
上記メンテナンス情報データベースから上記メンテナンス情報を抽出して監視画面に表示させるための表示ソフトウエアとを備え、
上記読み取りソフトウエアは、上記プロセス監視装置に接続されている外部の上記被メンテナンス装置、あるいは、上記プロセス監視装置に接続されている外部の読み取り装置から上記メンテナンス情報を読み取るものである。
【0008】
この発明のプロセス監視装置を用いた保守品管理方法は、
上記読み取りソフトウエアが外部から上記メンテナンス情報を読み取り、
上記格納ソフトウエアが上記外部読み取りソフトウエアの読み取った上記メンテナンス情報を読み取りメンテナンス情報データベースに格納し、
上記表示ソフトウエアが上記メンテナンス情報データベースから上記メンテナンス情報を抽出して監視画面に表示するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明のプロセス監視装置は、
被メンテナンス装置のメンテナンスの監視を行うプロセス監視装置において、
上記プロセス監視装置の外部から上記被メンテナンス装置のメンテナンス情報を読み取る読み取りソフトウエアと、
上記読み取りソフトウエアにて読み取った上記メンテナンス情報をメンテナンス情報データベースに格納するための格納ソフトウエアと、
上記メンテナンス情報を格納する上記メンテナンス情報データベースと、
上記メンテナンス情報データベースから上記メンテナンス情報を抽出して監視画面に表示させるための表示ソフトウエアとを備え、
上記読み取りソフトウエアは、上記プロセス監視装置に接続されている外部の上記被メンテナンス装置、あるいは、上記プロセス監視装置に接続されている外部の読み取り装置から上記メンテナンス情報を読み取るので、
メンテナンス情報を容易に構築することができる。
【0010】
この発明のプロセス監視装置を用いた保守品管理方法は、
上記読み取りソフトウエアが外部から上記メンテナンス情報を読み取り、
上記格納ソフトウエアが上記読み取りソフトウエアの読み取った上記メンテナンス情報を読み取りメンテナンス情報データベースに格納し、
上記表示ソフトウエアが上記メンテナンス情報データベースから上記メンテナンス情報を抽出して監視画面に表示するので、
メンテナンス情報を容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1のプロセス監視装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2のプロセス監視装置の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3のプロセス監視装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1におけるプロセス監視装置の構成を示すブロック図である。図において、プロセス監視装置1は、被メンテナンス装置としてのプリンタ2およびシーケンサ・コントローラ類3などのメンテナンスの監視を行うものである。ここではプリンタ2およびシーケンサ・コントローラ類3はプロセス監視装置1の外部にて接続されている。また、プリンタ2およびシーケンサ・コントローラ類3は、それぞれ内蔵のメモリ21、31を備え、それぞれには例えばそれぞれの交換時期などのメンテナンスに必要になるメンテナンス情報をベンダにて既に格納されている。
【0013】
そして、プロセス監視装置1は、外部からプリンタ2およびシーケンサ・コントローラ類3のメモリ21、31に格納されているメンテナンス情報を読み取る読み取りソフトウエアとしてのメモリ読み取りソフトウエア16と、メモリ読み取りソフトウエア16にて読み取ったメンテナンス情報を後述するメンテナンス情報データベースに格納するための格納ソフトウエアとしてのハードウエアメンテナンス情報読み取りソフトウエア15と、メンテナンス情報を格納するメンテナンス情報データベースとしてのハードウエアメンテナンス情報データベース13と、ハードウエアメンテナンス情報データベース13からメンテナンス情報を抽出して監視画面11に表示させるための表示ソフトウエア12と、プロセス監視装置1に関する使用開始時期などの管理情報が格納されている管理情報データベース14とを備えている。
【0014】
次に上記のように構成された実施の形態1のプロセス監視装置の保守品管理方法について説明する。まず、プリンタ2やシーケンサ・コントローラ類3がプロセス監視装置1に外部にて接続される。次に、メモリ読み取りソフトウエア16が、プリンタ2やシーケンサ・コントローラ類3内にある、メンテナンス情報が格納されているメモリ21、31から、各保守品に関するメンテナンス情報を読み取る。次に、ハードウエアメンテナンス情報読み取りソフトウエア15がメモリ読み取りソフトウエア16にて読み取ったメンテナンス情報を、プロセス監視装置1のハードディスク等のハードウエアメンテナンス情報データベース13に保存する。そして、表示ソフトウエア12は、ハードウエアメンテナンス情報データベース13のメンテナンス情報に基づき、管理情報データベース14の管理情報を参照して、次の部品交換時期等を算出する。そして、算出された交換時期等の内容を監視画面11上にメッセージとして表示し、オペレータにハードウエアメンテナンス情報データベース13に格納されているメンテナンス情報を通知する。
【0015】
上記のように構成された実施の形態1のプロセス監視装置および保守品管理システムは、メンテナンスプロバイダを介して設備ユーザと設備ベンダを接続せずに、大がかりのシステムとならずメンテナンス情報の構築のためのイニシャルコストを抑制し、接続のための通信費用やプロバイダとの契約費用等のランニングコストをかけずに、ハードディスク等にてメンテナンス情報を構築できる。このメンテナンス情報を監視画面に表示したり、プリンタに印字したり、DVD等記憶装置に転送したりすることにより、オペレータが資料を探すことなく交換時期等のメンテナンス情報を知ることができ、うっかりして交換時期を過ぎてしまう等の事故を抑制する。
【0016】
また、様々な分野において、紙面の情報ではなく、データ化された情報を読み込むようにしたものが存在すると考えられる。しかし、プロセス監視装置は、プリンタ、シーケンサ・コントローラ類、受変電盤、自家発電機等、複数のベンダや工場で製作された多くの装置を組み合わせて構築される。よって、都度個別の装置にアクセスして、データ化されたメンテナンス情報を読み込んで確認するのは手間であり、その時期にメンテナンス必要な部品等を、プロセス監視装置を構成する装置全てにアクセスして、データ化されたメンテナンス情報から検索するのは困難という問題点があった。よって本願発明によれば、プロセス監視装置を構成する装置のメンテナンス情報をメンテナンス情報データベースに集めて一元管理することにより、メンテナンス効率を向上出来るという効果がある。
【0017】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2のプロセス監視装置の構成を示した図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。上記実施の形態1では、プリンタ2やシーケンサ・コントローラ類3がプロセス監視装置1に接続された時に、プリンタ2やシーケンサ・コントローラ類3の中にあるメモリ21、31からメンテナンス情報を読み取る場合について示したが、本実施の形態2では、図2に示すように、被メンテナンス装置がプロセス監視装置1に直接接続されていない、例えば、受変電盤4や自家発電機5などについても、ベンダにて既にハードウエアのメンテナンス情報を格納したICメモリ・バーコード等41、51がそれぞれ貼り付けられている。そして、プロセス監視装置1に接続された読み取り装置としてのリーダ6は、ICメモリ・バーコード等41、51からメンテナンス情報を読み取る。そして、プロセス監視装置1は、プロセス監視装置1に接続されている外部のリーダ6からメンテナンス情報を読み取る読み取りソフトウエアとしてのICメモリ・バーコード等リード読み取りソフトウエア17を備えている。
【0018】
次に上記のように構成された実施の形態2のプロセス監視装置の保守品管理方法について説明する。まず、リーダ6がプロセス監視装置1に外部にて接続される。次に、リーダ6が受変電盤4や自家発電機5のICメモリ・バーコード等41、51からメンテナンス情報を読み取る。次に、ICメモリ・バーコード等リード読み取りソフトウエア17が、リーダ6から各保守品に関するメンテナンス情報を読み取る。以下、上記実施の形態1と同様に行うことができる。
【0019】
このように構成された実施の形態2のプロセス監視装置および保守品管理システムは、被メンテナンス装置からメンテナンス情報を読み取る読み取り装置が、プロセス監視装置の外部に接続され、この読み取り装置のメンテナンス情報を読み取ることにより、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0020】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3のプロセス監視装置の構成を示した図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。上記実施の形態1および実施の形態2では、被メンテナンス装置にメンテナンス情報が格納されている場合について示したが、本実施の形態3では、被メンテナンス装置のベンダから、ハードウエアのメンテナンス情報をプロセス監視装置1の指定するフォームにて電子記録媒体としてのDVD等8に格納されている。そして、プロセス監視装置1に接続された読み取り装置としてのDVD等記憶装置7は、DVD等8からメンテナンス情報を読み取る。そして、プロセス監視装置1は、プロセス監視装置1に接続されている外部のDVD等記憶装置7からメンテナンス情報を読み取る読み取りソフトウエアとしてのDVD等記憶装置読み取りソフトウエア18を備えている。
【0021】
次に上記のように構成された実施の形態3のプロセス監視装置の保守品管理方法について説明する。まず、DVD等記憶装置7がプロセス監視装置1に外部にて接続される。次に、DVD等記憶装置7がDVD等8からメンテナンス情報を読み取る。次に、DVD等記憶装置読み取りソフトウエア18が、DVD等記憶装置7から各保守品に関するメンテナンス情報を読み取る。以下、上記各実施の形態と同様に行うことができる。
【0022】
このように構成された実施の形態3のプロセス監視装置およびプロセス監視装置の保守品管理システムは、被メンテナンス装置のメンテナンス情報が格納された電子記録媒体を読み取る読み取り装置が、プロセス監視装置の外部に接続され、この読み取り装置のメンテナンス情報を読み取ることにより、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、電子記録媒体のメンテナンス情報を読み取るため、異なるベンダ同士であっても容易に読み取ることが可能となる。
【符号の説明】
【0023】
1 プロセス監視装置、2 プリンタ、3 シーケンサ・コントローラ類、
4 受変電盤、5 自家発電機、6 リーダ、7 DVD等記憶装置、8 DVD等、
11 監視画面、12 表示ソフトウエア、
13 ハードウエアメンテナンス情報データベース、14 管理情報データベース、
15 ハードウエアメンテナンス情報読み取りソフトウエア、
16 メモリ読み取りソフトウエア、
17 ICメモリ・バーコード等リーダ読み取りソフトウエア、
18 DVD等記憶装置読み取りソフトウエア、21 メモリ、31 メモリ、
41 ICメモリ・バーコード等、51 ICメモリ・バーコード等。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被メンテナンス装置のメンテナンスの監視を行うプロセス監視装置において、
上記プロセス監視装置の外部から上記被メンテナンス装置のメンテナンス情報を読み取る読み取りソフトウエアと、
上記読み取りソフトウエアにて読み取った上記メンテナンス情報をメンテナンス情報データベースに格納するための格納ソフトウエアと、
上記メンテナンス情報データベースから上記メンテナンス情報を抽出して監視画面に表示させるための表示ソフトウエアとを備え、
上記読み取りソフトウエアは、上記プロセス監視装置に接続されている外部の上記被メンテナンス装置、あるいは、上記プロセス監視装置に接続されている外部の読み取り装置から上記メンテナンス情報を読み取ることを特徴とするプロセス監視装置。
【請求項2】
請求項1のプロセス監視装置を用いた保守品管理方法において、
上記読み取りソフトウエアが外部から上記メンテナンス情報を読み取り、
上記格納ソフトウエアが上記読み取りソフトウエアの読み取った上記メンテナンス情報をメンテナンス情報データベースに格納し、
上記表示ソフトウエアが上記メンテナンス情報データベースから上記メンテナンス情報を抽出して監視画面に表示することを特徴とする保守品管理方法。
【請求項3】
上記被メンテナンス装置は、上記メンテナンス情報を格納するメモリを有し、
上記読み取りソフトウエアは、上記プロセス監視装置に接続されている外部の上記被メンテナンス装置の上記メモリから上記メンテナンス情報を読み取ることを特徴とする請求項2に記載の保守品管理方法。
【請求項4】
上記被メンテナンス装置は、上記メンテナンス情報を格納するメモリを有し、
上記読み取り装置は、上記被メンテナンス装置の上記メモリから上記メンテナンス情報を読み取り、
上記読み取りソフトウエアは、上記プロセス監視装置に接続されている外部の上記読み取り装置から上記メンテナンス情報を読み取ることを特徴とする請求項2に記載の保守品管理方法。
【請求項5】
上記読み取り装置は、上記被メンテナンス装置の上記メンテナンス情報が格納された電子記録媒体から上記メンテナンス情報を読み取り、
上記読み取りソフトウエアは、上記プロセス監視装置に接続されている外部の上記読み取り装置から上記メンテナンス情報を読み取ることを特徴とする請求項2に記載の保守品管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−61775(P2013−61775A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199543(P2011−199543)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】