説明

プロンプター装置

【課題】演者の自然な目線を維持した状態で、装置を小型化にでき、かつ、撮影カメラのレンズに入射する光を減じることがないプロンプター装置を提供すること。
【解決手段】プロンプター装置1は、駆動源6と、伝達手段7と、直線ガイド8と、移動本体8Aと、第1表示画面3及び第2表示画面4を有する表示画面2と、第1回転機構9と、第2回転機構11と、回転軸5hを有する開閉支持部材5とを備え、前記表示画面が開閉支持部材を介して開閉自在に前記移動本体に設けられ、前記第1回転機構が移動本体を直線ガイドの軸周りに所定角度回転させ、前記第2回転機構が、表示画面の水平状態において前記第1表示画面及び前記第2表示画面を二つに折畳んだ閉状態から、前記垂直状態において前記第1表示画面及び前記第2表示画面を同一平面となる開状態に前記回転軸を所定角度回転させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影カメラに取付けて使用するプロンプター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スタジオ等により演者を撮影カメラで撮影する場合、演者のセリフをプロンプター装置に表示しながら行なう場合がある。ここで使用されるプロンプター装置は、カメラの直前に配置され、演者のセリフを表示画面に表示することで、演者がカメラ目線でセリフを述べることができるように構成されており、様々なものが提案されている。
【0003】
プロンプター装置は、一例として、撮影カメラのレンズの直前に配置され、また、小型のカメラを支持して移動させることができる雲台装置についても知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
例えば、プロンプター装置は、撮影カメラのレンズの直前に配置され、ハーフミラーを設けた上蓋と、この上蓋を開閉自在に支持する角度調整機構と、この角度調整機構を支持する底蓋と、この底蓋に設けた液晶パネルとを備えている。そして、プロンプター装置は、前記ハーフミラーが設けられている上蓋を、液晶パネルが設けられている底蓋に対して、当該ハーフミラーによる画像の反射方向にスライド自在に設けた構成としている(特許文献1)。
【0004】
また、その他の例として、テレビカメラ用プロンプター装置が提案されている。このテレビカメラ用プロンプター装置は、テレビカメラのグリップ部に着脱自在に支持される支持アームと、この支持アームの先端側に設けた保持部と、この保持部に設けた表示器と、この表示器からの画像を被写体側に反射させ、かつ、テレビカメラのレンズ部へ外光を入射させる位置に設けたハーフミラーを有するハーフミラーアタッチメント、を備えている。そして、前記表示器は、表示する画像となる原稿のミラー画像を表示するための画像反転回路が設けられているものである(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−112073号公報
【特許文献2】特開平08−136850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のプロンプター装置では、以下に示すような問題点が存在した。
従来のプロンプター装置では、レンズの直前に配置するため、ハーフミラーを傾斜した状態で支持する構成を必要とし、かつ、ハーフミラーを介して原稿文字等の画像を演者に表示するための表示器を別構成として必要とするために、全体が大型化してしまう。
【0007】
また、従来のプロンプター装置では、ハーフミラーを使用することから、撮影カメラに入力する入射光が減少してしまうため、プロンプター装置を使用している撮影カメラで撮影したときの映像との差が生じ、場合によってはその差の補正をすることが必要になってしまった。
【0008】
本発明は、前記した問題点に鑑み創案されたものであり、演者の自然な目線を維持した状態で、装置全体を小型化にでき、かつ、撮影カメラのレンズに入射する光を減じることがないように構成したプロンプター装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するため、本発明に係るプロンプター装置は次のような構成とした。すなわち、プロンプター装置は、被写体を撮影する撮影カメラの上面に設置されるプロンプター装置であって、前記撮影カメラの上面に設置される台座と、この台座に設けた駆動源と、この駆動源の駆動力を直線方向に伝達する伝達手段と、この伝達手段に並列に配置されて直線方向に案内する直線ガイドと、この直線ガイドに挿通して案内され前記伝達手段に接続継手を介して接続されて移動する移動本体と、第1表示画面及び第2表示画面が水平状態において対面した二つに折畳まれて閉じた閉状態、及び、前記第1表示画面及び前記第2表示画面が垂直状態において同一平面となるように開いた開状態となるように開閉支持部材を介して開閉自在に前記移動本体に設けられた表示画面と、前記移動本体を前記直線ガイドの一端側から他端側に移動したときに前記移動本体を直線ガイドの軸周りに所定角度回転させ前記表示画面を水平状態から垂直状態にさせる第1回転機構と、前記移動本体側に設けられ、前記水平状態において前記第1表示画面及び前記第2表示画面を二つに折畳んだ閉状態から、前記垂直状態において前記第1表示画面及び前記第2表示画面を同一平面となる開状態にさせる第2回転機構と、を備え、前記開閉支持部材は、前記第1表示画面の下端を支持する一側支持部と、前記第2表示画面の下端を支持すると共に、前記移動本体に支持される他側支持部と、を有し、前記一側支持部は、前記他側支持部側に突出して形成した一側係合部を、前記他側支持部に形成した他側係合部に回転軸を介して係合させ、前記第2回転機構を、前記回転軸を軸周りに所定角度回転させる位置に設けた構成とした。
【0010】
かかる構成により、プロンプター装置は、駆動機構の駆動源を作動させ伝達手段を介して接続継手に接続されている直線ガイドの移動本体を一端側(他端側)から他端側(一端側)に向かって移動させる。そして、プロンプター装置は、移動本体が一端側(他端側)から他端側(一端側)に移動することで、移動本体に開閉支持部材を介して設けた表示画面の第1表示画面及び第2表示画面を移動させ、第1回転機構により移動本体を所定角度回転させることで、第1表示画面及び第2表示画面を水平状態から垂直状態に立上げ、さらに、第2回転機構により第1表示画面を第2表示画面の対面している二つ折畳んだ閉状態から、第1表示画面及び第2表示画面が同一平面となるように開状態に作動する。この第2回転機構による閉状態から開状態にするときに、移動本体に支持されている開閉支持部材の他側支持部の他側係合部に回転軸を介して一側支持部の一側係合部が係合しているので、第2回転機構により回転軸が所定角度回転させられることで、一側支持部が支持している第1表示画面が閉状態から開状態に動作する。
【0011】
さらに、本発明に係るプロンプター装置において、前記第1回転機構は、前記移動本体部に設けたカムガイドピンと、このカムガイドピンに対向する位置で前記カムガイドピンを案内するカムガイド溝を形成したガイド溝形成体と、を備え、前記ガイド溝形成体が、前記直線ガイドに沿った位置に設置された構成とした。
【0012】
かかる構成により、プロンプター装置は、移動本体が直線ガイドに沿って移動するときに、移動本体に設けたカムガイドピンがカムガイド溝に沿って移動することで、移動本体が所定角度回転することができる。そのため、移動本体に設けた開閉支持部材の他側支持部が水平状態から垂直状態に立上ることで、表示画面を垂直状態に立上らせている。
【0013】
また、プロンプター装置において、前記第2回転機構は、前記開閉支持部材の回転軸の下端に設けた第1傘歯車と、前記移動本体部に設けられ前記第1傘歯車に噛合する第2傘歯車とを備える構成とした。
【0014】
かかる構成により、プロンプター装置は、移動本体が直線ガイドに沿って移動して第1回転機構により所定角度回転したときに、回転軸の下端に設けた第2回転機構の第1傘歯車が、移動本体に設けた第2傘歯車の回転により所定角度回転することで、回転軸に設けた一側支持部を作動させ第1表示画面を第2表示画面から離間しながら同一平面状となるように開状態にする。
【0015】
さらに、プロンプター装置において、前記接続継手は、着脱自在に設けた接続ピンを介して接続される構成としてもよい。
かかる構成により、プロンプター装置は、接続ピンを外した状態では、作業者が手動で移動本体を直線ガイドに沿って移動させることで、表示画面を水平状態の閉状態から、垂直状態の開状態に開いて表示させることができるようになる。
【0016】
そして、プロンプター装置において、前記移動本体は、弾性部材により前記直線ガイドの一端側に付勢されるように設置され、前記弾性部材は、前記直線ガイドに沿って並列して配置され、前記接合継手にその一端を係合し、その他端を前記台座側に設けた取付部に係合し、前記移動本体は、前記弾性部材により前記直線ガイドの一端側に付勢されることで、支持している表示画面が垂直状態になる方向に付勢されている構成とした。
【0017】
かかる構成において、プロンプター装置は、駆動モータにより移動本体を移動させるときに、表示画面を水平状態から垂直状態に立ち上げるトルクが大きくかかる場合に、弾性部材により補助されて移動本体を移動させることができる。
【0018】
また、プロンプター装置において、前記台座は、取付手段により前記撮影カメラのレンズカバーの上面に着脱自在に設定され、前記取付手段は、前記台座と前記レンズカバーの上面の間に設けた振動防止部材と、前記台座の一側面及び他側面に設けた取付係合部と、この一側面の取付係合部に係合して前記レンズカバーの下端に沿って前記他側面の取付係合部に係合され前記台座を固定する係合バンドとを備える構成とした。
【0019】
かかる構成において、プロンプター装置は、振動防止部材により駆動機構で発生した振動を吸収して撮影カメラ側に伝えることがなく、係合バンドで簡単に撮影カメラのレンズカバーの上面に着脱自在に設置することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るプロンプター装置は、以下に示すような優れた効果を奏するものである。
プロンプター装置は。撮影カメラの上面に表示画面が水平状態から駆動機構を介して立ち上がる構成であるため、従来のハーフミラーを使用するものと比較して小型化でき、また、撮影カメラに入射する光を減じることもなく、演者の視線を自然に保った状態で、演者に文字等の画像を表示することができる。
【0021】
プロンプター装置は、折畳まれた第1表示画面及び第2表示画面が開いて一つの表示画面として表示することができるので、レンズカバーの上面のエリアに収納するときにはコンパクトに収納でき、表示するときにはレンズカバーの幅を超えて大きく表示することが可能となる。
【0022】
プロンプター装置は、第1回転機構をカムガイドピン及びカムガイド溝とすることで、移動本体が直線ガイドに沿って移動しながら、移動本体を所定角度に回転させることができる。そのため、プロンプター装置は、表示画面の移動と所定角度の回転する動作を併せて行なうことで表示画面の水平状態及び垂直状態になるまでの時間を短くすることができる。
【0023】
プロンプター装置は、第2回転機構を第1傘歯車及び第2傘歯車にすることで、移動本体が直線ガイドに沿って移動しながら、移動本体を所定角度回転させるときに、第1表示画面を閉状態から第2表示画面と同一平面となる開状態にすることが可能となる。そのため、プロンプター装置は、表示画面の移動と、水平状態及び垂直状態と、閉状態及び開状態とを併せて行なうことができ、表示画面の収納、表示をする動作を連続して更に短時間で行なうことができる。
【0024】
プロンプター装置は、接続継手の接続ピンを外すことで、移動本体を直線ガイドに沿って手動で移動させて表示画面を収納、表示させることが可能となる。
また、プロンプター装置は、振動防止部材を介して取付手段によりレンズカバーの上面に着脱自在に設定できるので、駆動機構の振動を振動防止体で吸収することができ、必要に応じて撮影カメラに設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るプロンプター装置を撮影カメラに設置した状態を模式的に示す斜視図である。
【図2】(a)、(b)は、本発明に係るプロンプター装置の表側から表示画面を表示した状態及び収納した状態を示す斜視図である。
【図3】(a)、(b)は、本発明に係るプロンプター装置の裏側から表示画面を表示した状態及び収納した状態を示す斜視図である。
【図4】(a)、(b)は、本発明に係るプロンプター装置の開閉支持部材及び移動本体との関係を一部切欠いて示す正面図及び分解正面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明に係るプロンプター装置の第2回転機構の作動状態を、一部を省略して示す斜視図である。
【図6】本発明に係るプロンプター装置の駆動機構を、一部を省略して示す平面図である。
【図7】(a)、(b)は、本発明に係るプロンプター装置の螺合移動体と接続継手との関係を模式的に示す分解斜視図及び平面図である。
【図8】(a)〜(d)は、本発明に係るプロンプター装置の第1回転機構の作動状態を、一部を省略して模式的に示す斜視図である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明に係るプロンプター装置の駆動機構の作動状態を正側から模式的に示す斜視図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明に係るプロンプター装置の駆動機構の作動状態を裏側から模式的に示す斜視図である。
【図11】(a)、(b)は、本発明に係るプロンプター装置の使用状態を模式的に示す側面図である。
【図12】(a1)〜(d1)は、本発明に係るプロンプター装置の閉状態から開状態になる動作を表側から模式的に示す斜視図、(a2)〜(d2)は、本発明に係るプロンプター装置の閉状態から開状態になる動作を裏側から模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るプロンプター装置について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、プロンプター装置1は、撮影カメラ60のカメラカバー61の上面に着脱自在に設置して使用され、演者のセリフ等を表示画面2に表示するものである。
図1に示すように、プロンプター装置1は、ここでは、振動防止部材50を介して取付手段40によりカメラカバー61の上面に設置されている。なお、取付手段40は、筐体30の一側面に設けた取付係合部31及び筐体30の他側面に設けた取付係合部32に係合バンド40を介して取り付けるように構成されている。また、振動防止部材50は、一般的なポリウレタン等により肉厚に形成されて振動を吸収する部材である。さらに、プロンプター装置1は、撮影カメラ60において、ここではレンズ62のカメラカバー61の上面に設置する例として説明するが、有効な設置面があれば、撮影カメラ60のどの位置であっても構わない。
【0027】
図2に示すように、プロンプター装置1は、底面に台座30aを有する筐体30と、その筐体30内に収納され台座30aの所定の位置に設けた駆動回路等の制御機構20と、この制御機構20に隣り合う位置で台座30aに設けられ、制御機構20により制御される駆動機構10と、この駆動機構10により立上がった垂直状態及び収納された水平状態となるように動作する表示画面2とを備えている。なお、表示画面2は、水平状態である収納されているきに、筐体30の蓋(図示せず)に当接する姿勢となる。
【0028】
そして、駆動機構10は、ここでは、駆動源としての駆動モータ6と、伝達手段としての送りねじ機構7と、直線ガイド8と、この直線ガイド8に沿って案内される移動本体8Aと、この移動本体8Aの移動に伴って表示画面2を立上り及び立下りさせる第1回転機構(クランク機構)9と、表示画面2を開閉させる第2回転機構11と、を備えている。なお、駆動機構10は、表示画面2を立上らせる方向に付勢するコイルスプリングである弾性部材(例えばコイルスプリング)12を設けている。
【0029】
表示画面2は、第1表示画面3及び第2表示画面4を備え、第1表示画面3及び第2表示画面4を開閉支持部材5により隣接して設けた構成としている。
第1表示画面3及び第2表示画面4は、それぞれ枠体3a,4aに液晶等の表示面3b,4bが設けられたものである。この第1表示画面3及び第2表示画面4は、制御機構20に接続される配線(図示せず)及び表示画面2に表示される文字、図形等の表示データを接続コード33により外部から指令を受けて表示するようにしている。また、後記する駆動機構10も外部からの指令により駆動するように構成されている。
【0030】
なお、表示画面2は、第1表示画面3及び第2表示画面4を一体の表示面として扱うことができるように設定されており、例えば、文字を横方向に表示する場合には、第1表示画面3の左上から第2表示画面4の右上が、文書の第1行目となるように表示させることができるように設定されている。また、表示画面2は、例えば、文字を縦方向に表示する場合には、第2表示画面4の右上が文頭となり、第1表示画面3の左下が文末になるように表示させることができるように設定されている。
【0031】
表示画面2は、その互いに隣接して上端となる位置に設けた上部開閉支持具5Aと、その下端となる位置に設けた下部開閉支持具5Bを備える開閉支持部材5により後記する移動本体8Aに支持されている。
開閉支持部材5は、表示画面2の第1表示画面3及び第2表示画面4とを開閉自在に支持するものである。そして、開閉支持部材5は、表示画面2の上端側に上部開閉支持具5Aを設けると共に、表示画面2の下端側に下部開閉支持具5Bを設けている。なお、第2回転機構11は、開閉支持部材5の回転軸5hに接続されている関係にあるが、先に開閉支持部材5の説明をして後にその構成の説明をする。
【0032】
図2(a)、図3(a)に示すように、開閉支持部材5の上部開閉支持具5Aは、平板の一端を水平方向に折り曲げて第1回動支持部5jとした上部一側支持片5mと、この上部一側支持片5mの第1回動支持部5jに重なる位置に、平板の一端を水平方向に折り曲げて第2回動支持部5kとした上部他側支持片5nとを備えている。そして、第1回動支持部5j及び第2回動支持部5kに支持ピン5pを介在させて第1表示画面3及び第2表示画面4がその支持ピン5pを回転支点として作動できるように構成している。この上部開閉支持具5Aは、第1表示画面3が第2表示画面4に対して後記する第2回転機構11により作動するときに下部開閉支持具5Bの補助としてここでは設けられている。つまり、下部開閉支持具5Bのみでも第1表示画面3の動作を行なう場合に十分な強度を備えていれば、特に必要がないが、動作の安全性を高めるために使用される。
【0033】
図2及び図4(a)、(b)に示すように、下部開閉支持具5Bは、第1表示画面3及び第2表示画面4を開閉自在に支持するものである。この下部開閉支持具5Bは、蝶番状に形成された一方となる一側支持部5B1と、蝶番状に形成された他方となる他側支持部5B2とを備えている。
【0034】
一側支持部5B1は、一側本体部5a、上端部5b、一側係合部5c及び回転軸5hを備えている。一側支持部5B1は、その一側本体部5aの上端部5bが第1表示画面3の下端側となる枠体3aを支持した状態で、一側係合部5cを他側支持部5B2に支持された状態で設置されている。そして、一側支持部5B1は、第1表示画面3が第2表示画面4に対して開閉する方向に回動できるように設けられている。
【0035】
一側支持部5B1の下端側は、他側支持部5B2側に突出して形成された一側係合部5cを備えている。この一側係合部5cは、一つの環状部に形成され、他側支持部5B2の二股となる他側係合部5gの間に入り込んで係合した状態で、回転軸5hを固定するように構成されている。回転軸5hは、キー溝等により一側係合部5cに回転方向に対して固定されており、その上端側をオーリング等により他側係合部5g側に回動自在に支持されている。そのため、一側支持部5B1は、回転軸5hが回転すると、その回転に伴って一側係合部5cも回転することで、回転軸5hの回転方向に作動するように構成されている。
【0036】
また、他側支持部5B2は、他側本体部5d、上端部5e、下端部5f、他側係合部5gを備えている。他側支持部5B2は、その他側本体部5dの上端部5eが第2表示画面の下端側となる枠体4aを支持し、その他側本体部5dの下端部5fを移動本体8Aに支持している。さらに、他側支持部5B2は、一側支持部5B1側に突出するように他側本体部5dから形成された他側係合部5gを備えている。
図4(b)に示すように、他側係合部5gは、一側係合部5cを支持して係合するものである。他側係合部5gは、上下に所定間隔をあけて環状部5g、5gが一側に平行に突出して形成されている。この他側係合部5gの環状部5g、5gは、回転軸5hよりも大きく環の内径が形成されていて、その回転軸5hが挿通された状態で設置できるように構成されている。
【0037】
他側支持部5B2は、以上の構成により、第2表示画面4を支持すると共に、一側支持部5B1を係合して支持することで、第1表示画面3の荷重も支持し、第1表示画面3及び第2表示画面4の全体を移動本体8Aに支持させている。
【0038】
図4(a)、(b)及び図5(a)〜(d)に示すように、第2回転機構11は、第1表示画面3及び第2表示画面4が対面して重なって二つ折畳んで閉じた閉状態から、第1表示画面3と第2表示画面4とが同一平面となるように開いた開状態に作動させるものである。この第2回転機構11は、下部開閉支持具5Bの一側支持部5B1に固定される回転軸5hの一端側に設けた第1傘歯車11aと、この第1傘歯車11aに噛合する第2傘歯車11bと、を備えている。そして、第2傘歯車11bは、その下端部11dが後記する移動本体8Aに固定されている。
【0039】
このように構成された第2回転機構11は、図5(a)、(b)に示すように、移動本体8Aが所定角度回転すると、第2傘歯車11bに噛合している第1傘歯車11aを所定角度回転させ同時に回転軸5hを回転させる。そして、第2回転機構11は、その回転軸5hの回転により一側支持部5B1を作動させることで第1表示画面3を、第2表示画面4に対面させて閉じている閉状態から、離間して開く開状態になるように作動させ、最終的には図5(c)、(d)に示すように、第1表示画面3と第2表示画面4とを同一平面となるように開状態とする。なお、第2回転機構11は、開状態から閉状態にするには、図5(d)から図5(a)に示すように、回転軸5hを回転させることで、第1表示画面3及び第2表示画面4とが同一平面の開状態から対面して二つに折畳まれる閉状態に作動させることができる。
【0040】
図2(a)および図6に示すように、駆動モータ6は、移動本体8Aを直線的に往復移動させるための駆動源として用いられるものである。この駆動モータ6は、設置部材6bにより台座30aから所定高さとなるように固定されている。駆動モータ6の駆動軸6cは、後記する送りねじ機構7の接続部7aに接続されている。この駆動モータ6は、制御機構20からの制御指令により正逆回転が可能なものが使用されている。
【0041】
図3(a)、図6及び図7(a)、(b)に示すように、送りねじ機構7(伝達手段)は、駆動モータ6の回転駆動を直線往復方向に変換して伝達させるものである。この送りねじ機構7は、駆動モータ6の駆動回転軸に接続する接続部7aと、この接続部7aの一端側に接続された送りねじ7bと、この送りねじ7bに螺合して当該送りねじ7bに沿って移動する螺子移動体7cと、この螺子移動体7cに設けた接続継手7dと、この接続継手7dを螺子移動体7cに接続するための接続ピン7eと、螺子移動体7cの下端側で送りねじ7bに平行に設けた螺子用ガイド7fと、この螺子用ガイド7fの一端側及び他端側に設けた一端側ストッパ7g及び他端側ストッパ7hを備えている。また、送りねじ機構7は、接続継手7dの位置に後記する弾性部材12の接続治具7jが設けられている。
【0042】
接続部7aは、駆動モータ6の駆動軸と送りねじ7bを接続するものである。この接続部7aは、送りねじ7bを設置面から所定の高さでその設置面に平行に支持しており、駆動軸の回転を送りねじ7bに伝達できるように設置されている。
送りねじ7bは、駆動モータ6の駆動軸の回転により回転するように設置されており、螺合している螺子移動体7cをその回転により直線方向に往復移動させるものである。
【0043】
図7(a)、(b)に示すように、螺子移動体7cは、送りねじ7bに沿って移動することで、後記する直線ガイド8の移動本体8Aを従動させて直線方向に往復移動させるためのものである。螺子移動体7cは、送りねじ7bの回転によりその送りねじ7bに送られて、当該送りねじ7bの一端側及び他端側に向かって移動する。この螺子移動体7cは、螺合部7c、螺子用ガイド係合部7c、ピン受部7c、ストッパ係合部7cを備えている。
【0044】
螺子移動体7cは、送りねじ7bに螺合している螺合部7cより、螺子用ガイド7fの位置に設けた螺子用ガイド係合部7cが移動方向に肉厚に形成されている。螺子移動体7cの螺子用ガイド係合部7cは、送りねじ7bに平行に設けた螺子用ガイド7fに係合した状態で、その螺子用ガイド7fに沿って案内されるように構成している。
ピン受部7cは、直線ガイド8側に螺子用ガイド係合部7c2から突出するように形成されている。このピン受部7cは、この接続ピン7eを接続するためのものである。
螺子用ガイド係合部7cは、その移動方向の他端側に、他端側の移動方向に突出してストッパ係合部7cが設けられている。ストッパ係合部7cは、螺子用ガイド7fの他端側ストッパ7hの内側に嵌り込んで係合するように形成されている。
【0045】
なお、螺子用ガイド7fは、直線的に設けたガイドの一端と他端とに一端側ストッパ7gと他端側ストッパ7hが形成されている。そして、一端側ストッパ7gは、螺子用ガイド係合部7cの一方の側面に当接するように形成されている。また、他端側ストッパ7hは、ストッパ係合部7cを係合して、螺子用ガイド係合部7cの一方の側面が当接するように形成されている。他端側ストッパ7hは、ここでは、図3(b)に示すように、直線的に設けたガイドに直交するようにアーチ状に形成されており、そのアーチ内にストッパ係合部7c(図7(b)参照)を係合するように設置されている。
【0046】
接続継手7dは、螺子移動体7cと移動本体8Aを着脱自在に接続するものである。この接続継手7dは、螺子移動体7c側となる一端に接続ピン7eの接続穴を形成して、移動本体8Aに取付けられ、他端側が移動本体8Aの設置部8aに取付けられている。接続継手7dは、その一端の接続ピン7eを外すと、螺子移動体7cを手動で移動させることができる状態となる。また、接続継手7dは、接続治具7jが設けられている。
【0047】
図7(a)、(b)に示すように、接続治具7jは、後記する弾性部材12の一端を接続するためのものである。この接続治具7jは、L字形状に形成され、接続継手7dに着脱自在に設けられている。なお、この接続治具7jは、その形状及び取付け位置は、特に限定されるものではなく、移動本体8Aあるいは螺子移動体7c側に設けられる構成であっても構わない。
【0048】
弾性部材12は、移動本体8Aを常に他方側に付勢するように設置されている。この弾性部材12は、ここではコイルバネが使用されており、その他端を接続継手7dに設けた接続治具7jに接続し、その一端を筐体30に立設したバネ接続部(取付部)12aに接続されている。この弾性部材12は、移動本体8Aを一端側に付勢しており、つまり、前記した表示画面2が収納状態から立上るようになる方向に常に付勢する状態にしている。
【0049】
直線ガイド8は、表示画面2を開閉するために、送りねじ機構7を介して伝達される直線方向の移動に追随して、直線方向に移動本体8Aを往復移動させるためのものである。この直線ガイド8は、送りねじ7bに平行に設けたガイドバー8bと、このガイドバー8bを所定高さに保持するためにその一端側と他端側に設けたバー保持部8c,8dとを備えている。そして、直線ガイド8は、このバー保持部8c,8dに保持されたガイドバー8bに沿って移動本体8Aを案内して往復移動させるように構成されている。
【0050】
図6及び図7に示すように、移動本体8Aは、表示画面2(第2表示画面4)を支持する本体部8aと、この本体部8aに連続して形成した縮径部8aと、この縮径部8aに連続して形成した、第2傘歯車11bの設置部8aとを備えている。
【0051】
本体部8aは、ここでは円筒形状の外観を備えており、表示画面2を支持する下部開閉支持具5Bを支持するためのものである。この本体部8aは、下部開閉支持具5Bを支持できる大きさを備えていればよく、直方体等の多角形に形成されていてもよい。
縮径部8aは、本体部8aに連続して隣接して同心円となるように形成されている。この縮径部8aは、第2回転機構11の第2傘歯車11bが本体部8aに接触しないで回転できる範囲に設けられている。
【0052】
そして、本体部8aは、後記する第1回転機構9により所定角度回転するようにガイドバー8bに挿通されている。つまり、本体部8aは、ガイドバー8bに対して回転自在に挿通された状態で、かつ、縮径部8aに対して回転できるように係合された状態で構成されている。縮径部8aの本体部8aとは反対側の位置には、第2傘歯車11bを設けた設置部8aを有している。設置部8aは、縮径部8aと同心円となる外観の一部を備えている。この設置部8aは、接続継手7dの他端側が取付けられており、この設置部8aは、縮径部8aと併せて、ガイドバー8bの軸周りを回転しないように構成されている。したがって、後記する第1回転機構9により所定角度回転するのは、本体部8aのみである。
なお、本体部8aには、後記する第1回転機構9のカムガイドピン9aが設けられている。
【0053】
第1回転機構9は、移動本体8A(本体部8a)を所定角度回転させるものである。この第1回転機構9は、移動本体8A(本体部8a)に設けたカムガイドピン9aと、このカムガイドピン9aを所定方向に移動させるカムガイド溝9bを形成したガイド溝形成体9cとを備えている。そして、カムガイド溝9bは、移動本体8Aで支持している他側支持部5B2を水平状態から垂直状態(垂直状態から水平状態)までその移動本体8Aを90度回転させるように案内するように形成されている。カムガイド溝9bは、ここでは、移動本体8Aの直線ガイド8における一端側では、カムガイドピン9aを移動本体8Aから垂下する位置を一方の溝端として、直線ガイド8における他端に向かうに従ってカムガイドピン9aが徐々に水平になるように曲線をガイド溝形成体9cに形成されている。そして、カムガイド溝9bは、移動本体8Aの直線ガイド8における他端側では、カムガイドピン9aを移動本体8Aが水平とする位置を他方の溝端としてガイド溝形成体9cに形成されている。なお、ガイド溝形成体9cは、カムガイド溝9bを形成している面が筒内周面となる曲面に形成され、その曲面が移動本体8Aに対面するように配置されている。
【0054】
そのため、図8(a)〜(d)に示すように、移動本体8Aがガイドバー8bに沿って一端側から他端側に向かって移動していくと、移動本体8Aに設けたカムガイドピン9aがカムガイド溝9bに沿って本体部8aが移動することで、本体部8aを徐々に回転させるようになる。そして、移動本体8Aがガイドバー8bの他端側まで到達させると、ほぼ90度、本体部8aを回転させることになる。したがって、移動本体8Aの本体部8aが90度回転することで、移動本体8Aに支持されている他側支持部5B2が水平状態から垂直状態になる。
【0055】
第2回転機構11は、すでに説明したように、表示画面2の第1表示画面3を支持する開閉支持部材の回転軸5hの下端に設けた第1傘歯車11aと、この第1傘歯車11aに噛合するように、移動本体8Aの設置部8aに設けた第2傘歯車11bとを備えている。そして、前記第2傘歯車は、設置部8aに第1傘歯車11aを所定角度回転させるのに必要な範囲が固定されている。この第2回転機構11は、第1回転機構9により移動本体8Aが徐々に回転動作することに伴い、第2傘歯車11bに噛合されている第1傘歯車11aが所定角度回転するようになる。
【0056】
なお、図6に示すように、駆動機構10の送りねじ7に隣接してマイクロスイッチ13が配置されている。マイクロスイッチ13は、駆動モータ6により螺子移動体7c(螺子移動体7cの位置から移動本体8Aの位置を推定)が現在どこにあるのかの位置情報を制御機構20側に送るためのものである。マイクロスイッチ13は、送りねじ7bに係合したスイッチ押動片13aと、このスイッチ押動片13aの一方と他方の移動端側に設けたスイッチ部13b及びスイッチ部13cとを備えている。スイッチ押動片13aは、螺子移動体7cに隣接して送りねじ7bに螺合して設けられ、螺子移動体7cと一体で送りねじ7bに沿って移動する。このスイッチ押動片13aは、螺子移動体7cの側面よりも突出した部分が形成され、その突出した部分がスイッチ部13b,13cに接触してスイッチのオンオフのいずれかを行なうことで移動本体8Aの位置を推定できる信号を制御機構20に送るように構成されている。
【0057】
なお、マイクロスイッチ13は、ここでは、制御機構20から駆動モータ6を作動させる信号を受けて作動したときに、スイッチ押動片13aが送りねじ7bに沿って移動してスイッチ部13cを押すことで、移動本体8Aが他端側にあり表示画面2を収納している信号を制御機構20に送るように構成されている。また、マイクロスイッチ13は、制御機構20から駆動モータ6を作動させる信号を受けて駆動モータ6が作動して、スイッチ押動片13aが送りねじ7bに沿って移動しスイッチ部13bを押すことで、移動本体8Aが一端側にあり表示画面2を表示している信号を制御機構20に送るように構成されている。
【0058】
次に、前記したプロンプター装置1の動作について説明する。
はじめに、プロンプター装置1の使用される状態を説明する。図11(a)に示すように、演者は撮影カメラ60に設置したプロンプター装置1の表示画面2を収納した状態においてカメラ目線で撮影されている。そして、図11(b)に示すように、ニュース等を読むときに、プロンプター装置1の表示画面2を表示した状態においてその表示される文字を読みながら演者が撮影されることになる。
【0059】
以下に、プロンプター装置1の表示画面2の動作について、図12(a1)〜(d2)に示すように、表示画面2の全体の動作状態を説明した後に、駆動機構10の各構成と表示画面2との関係を詳細に説明する。なお、図12(a1)〜(d1)と図12(a2)〜(d2)とは、プロンプター装置1を表側及び裏側からみた同じ状態を示している。
図12(a1)、(a2)に示すように、表示画面2は、第1表示画面3及び第2表示画面4が対面した状態で二つに折畳んだ閉状態で水平状態として収納されている。そして、図12(b1)、(b2)、(c1)、(c2)に示すように、駆動機構10の移動本体8Aを他端側から一端側に向かって移動させることで、移動本体8Aに支持されている表示画面2は、徐々に水平状態から立ち上がりながら、第2表示画面4から第1表示画面3が離間して開くように作動する。
【0060】
そして、駆動機構10により移動本体8Aが一端側に移動することで、図12(d1)、(d2)に示すように、第1表示画面3と第2表示画面4が同一平面となるように開状態として表示画面2が垂直状態となるように動作する。
なお、プロンプター装置1では、垂直状態として表示している表示画面2は、駆動機構10の移動本体8Aを一端側から他端側に向かって移動させることで、同一平面にある第1表示画面3及び第2表示画面4を二つ折畳みとなる閉状態となるように、図12(d1)、(d2)から図12(a1)、(a2)に示すように、徐々に水平状態になって収納されることになる。
【0061】
このような動作を行うために、駆動機構10と表示画面2との関係を図9及び図10を参照して次に示す。なお、図9(a)〜(d)及び図10(a)〜(d)は、プロンプター装置1を表側及び裏側からみた同じ状態を示している。
図9(a)、図10(a)に示すように、プロンプター装置1は、駆動機構10の駆動モータ6を作動させ、送りねじ7bを回転させて、螺子移動体7cを他端側から一端側に移動させる。そうすると、螺子移動体7cの移動に伴って、接続継手7dに接続されている移動本体8Aがガイドバー8bに沿って移動し、かつ、第1回転機構9のカムガイドピン9aがカムガイド溝9bに沿って移動本体8Aの本体部8aを徐々に回転させるようにする。
【0062】
そのため、移動本体8A(本体部8a)に支持されている第1表示画面3及び第2表示画面4が、図9(b)、図10(b)に示すように、徐々に水平状態から傾斜状態に立ち上がり、移動本体8Aの本体部8aが第1回転機構9により所定角度回転することで、第2回転機構11の第1傘歯車11aが第2傘歯車11bにより所定角度回転する。
【0063】
したがって、第1傘歯車11aの所定角度の回転により回転軸5hが回転することで、その回転軸5hに取り付けられている一側支持部5B1が作動して第1表示画面3が第2表示画面4から離間するように作動する。図9(c)、図10(c)に示すように、さらに、移動本体8Aが移動して本体部8aの回転角度が大きくなることで、第1表示画面3と第2表示画面4が立ち上がり、さらに第1表示画面3から第2表示画面4が開く方向に作動する。
【0064】
図9(d)、図10(d)に示すように、移動本体8Aが一端側に移動することで、移動本体8Aの本体部8aがさらに所定角度回転(ほぼ90度の回転)して、第1表示画面3及び第2表示画面4が同一平面となる開状態になり、垂直状態で表示画面2が表示される。そして、移動本体8Aは、他端側から一端側に移動するときに、常に、弾性部材12により一端側に付勢されているので、駆動モータ6の作動が弾性部材12により補助されている。
また、プロンプター装置1は、移動本体8Aを他端側から一端側に移動させるために、螺子移動体7c及びスイッチ押動片13a(図6参照)も送りねじ7bの一端側に移動しており、このときに、スイッチ押動片13aがスイッチ部13bを押動して移動本体8Aの位置から表示画面2の状態が表示されているのか、あるいは収納されているのかの情報を制御機構20にフィードバックしている。
【0065】
また、プロンプター装置1は、表示画面2が垂直状態で開状態から水平状態で閉状態となるように作動するには、図9(d)、図10(d)〜図9(a)、図10(a)の順となるように、すでに説明した動作と反対の動作を順に行うことで、表示画面2を収納することができる。プロンプター装置1は、移動本体8Aを一端側から他端側に移動させるために、螺子移動体7c及びスイッチ押動片13aも送りねじ7bの他端側に移動しており、スイッチ押動片13aがスイッチ部13cを押動することで表示画面2が収納されている状態であることを制御機構20にフィードバックしている。
【0066】
なお、プロンプター装置1の表示画面2の収納及び表示を行なう場合には、図示しないコントローラから接続コード33を介して制御機構20に指令することで駆動機構10を操作している。そして、プロンプター装置1は、駆動機構10が作動するときに、振動を発生しても振動防止部材50によりその振動を吸収してカメラカバー61側に振動の伝わることを防止しているので、撮影カメラ60の映像に影響を与えることはない。
【0067】
さらに、プロンプター装置1は、表示画面2の収納および表示を行なう場合に、駆動モータ6を使用することなく、カメラマン等の手動により操作することが可能である。すなわち、プロンプター装置1は、接続継手7dの接続ピン7eを外すことで、駆動モータ6からの駆動力の伝達を行なうことなく、手動で移動本体8Aをガイドバー8bに沿って移動させることができる状態となる。プロンプター装置1は、移動本体8Aをガイドバー8bに沿って手動で移動させることで、移動本体8Aを所定角度回転させる第1回転機構9のカムガイドピン9a及びカムガイド溝9b、ならびに、移動本体8Aが所定角度回転することで作動する第2回転機構11の第1傘歯車11a及び第2傘歯車11bが有効に機能する。なお、接続ピン7eを把持して手動で移動本体8Aを移動させるときに、弾性部材12は、常に表示画面2が開状態となるように付勢されている。そのため、表示画面2は、垂直状態となったときにその弾性部材12の付勢力で安定して垂直状態を保つことが可能となる。
【0068】
以上のように構成されたプロンプター装置1は、駆動源となる駆動モータ6の一つにより表示画面2を表示及び収納するために第1表示画面3及び第2表示画面4を開閉自在となるように作動させる構成として説明したが、他の駆動モータを配置して作動させてもよい。つまり、表示画面2を直線ガイド8の一端側から他端側に移動させるものと、表示画面2を水平状態から垂直状態に立上らせる、あるいは、垂直状態から水平状態に収納するために移動本体8Aに設けたものと、垂直状態に立上った表示画面2の第1表示画面3を第2表示画面4から離間して同一平面となるように開状態とさせるように回転軸5hに設けたものと、の3つの駆動モータにより作動させるようにしても構わない。
【0069】
また、開閉支持部材5は、回転軸5hが一側支持部5B1に係止されるように設けた構成として説明したが、回転軸5hは、一側支持部5B1の一側係合部及び他側支持部の他側係合部を挿通した状態とし、その上端を第1表示画面の下端に支持させて、その下端に第1傘歯車を設ける構成としても構わない。
【符号の説明】
【0070】
1 プロンプター装置
2 表示画面
3 第1表示画面
3a 枠体
3b 表示面
4 第2表示画面
4a 枠体
5 開閉支持部材
5B1 一側支持部
5B2 他側支持部
5g1 環状部
5A 上部開閉支持具
5B 下部開閉支持具
5a 一側本体部
5b 上端部
5c 一側係合部
5d 他側本体部
5e 上端部
5f 下端部
5g 他側係合部
5h 回転軸
5j 第1回動支持部
5k 第2回動支持部
5m 上部一側支持片
5n 上部他側支持片
6 駆動モータ
7 機構
7c1 螺合部
7c2 螺子用ガイド係合部
7c4 ストッパ係合部
7a 接続部
7c 螺子移動体
7c3 ピン受部
7d 接続継手
7e 接続ピン
7f 螺子用ガイド
7g 一端側ストッパ
7h 他端側ストッパ
7j 接続治具
8 直線ガイド
8a1 本体部
8a2 縮径部
8a3 設置部
8A 移動本体
8b ガイドバー
8c バー保持部
9 第1回転機構
9a カムガイドピン
9b カムガイド溝
9c ガイド溝形成体
10 駆動機構
11 第2回転機構
11a 第1傘歯車
11b 第2傘歯車
11d 下端部
12 弾性部材
13 マイクロスイッチ
13a スイッチ押動片
13b スイッチ部
13c スイッチ部
20 制御機構
30 筐体
30a 台座
31 取付係合部
32 取付係合部
33 係合バンド
34 接続コード
40 取付手段
50 振動防止部材
60 撮影カメラ
61 カメラカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影カメラの上面に設置されるプロンプター装置であって、
前記撮影カメラの上面に設置される台座と、
この台座に設けた駆動源と、
この駆動源の駆動力を直線方向に伝達する伝達手段と、
この伝達手段に並列に配置されて直線方向に案内する直線ガイドと、
この直線ガイドに挿通して案内され前記伝達手段に接続継手を介して接続されて移動する移動本体と、
第1表示画面及び第2表示画面が水平状態において対面した二つに折畳まれて閉じた閉状態、及び、前記第1表示画面及び前記第2表示画面が垂直状態において同一平面となるように開いた開状態となるように開閉支持部材を介して開閉自在に前記移動本体に設けられた表示画面と、
前記移動本体を前記直線ガイドの一端側から他端側に移動したときに前記移動本体を直線ガイドの軸周りに所定角度回転させ前記表示画面を水平状態から垂直状態にさせる第1回転機構と、
前記移動本体側に設けられ、前記水平状態において前記第1表示画面及び前記第2表示画面を二つに折畳んだ閉状態から、前記垂直状態において前記第1表示画面及び前記第2表示画面を同一平面となる開状態にさせる第2回転機構と、を備え、
前記開閉支持部材は、前記第1表示画面の下端を支持する一側支持部と、前記第2表示画面の下端を支持すると共に、前記移動本体に支持される他側支持部と、を有し、前記一側支持部は、前記他側支持部側に突出して形成した一側係合部を、前記他側支持部に形成した他側係合部に回転軸を介して係合させ、
前記第2回転機構を、前記回転軸を軸周りに所定角度回転させる位置に設けたことを特徴とするプロンプター装置。
【請求項2】
前記第1回転機構は、前記移動本体部に設けたカムガイドピンと、このカムガイドピンに対向する位置で前記カムガイドピンを案内するカムガイド溝を形成したガイド溝形成体と、を備え、
前記ガイド溝形成体が、前記直線ガイドに沿った位置に設置されたことを特徴とする請求項1に記載のプロンプター装置。
【請求項3】
前記第2回転機構は、前記開閉支持部材の回転軸の下端に設けた第1傘歯車と、前記移動本体部に設けられ前記第1傘歯車に噛合する第2傘歯車とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロンプター装置。
【請求項4】
前記接続継手は、着脱自在に設けた接続ピンを介して接続されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のプロンプター装置。
【請求項5】
前記移動本体は、弾性部材により前記直線ガイドの一端側に付勢されるように設置され、
前記弾性部材は、前記直線ガイドに沿って並列して配置され、前記接合継手にその一端を係合し、その他端を前記台座側に設けた取付部に係合し、
前記移動本体は、前記弾性部材により前記直線ガイドの一端側に付勢されることで、支持している表示画面が垂直状態になる方向に付勢されていることを特徴とする請求項1に記載のプロンプター装置。
【請求項6】
前記台座は、取付手段により前記撮影カメラのレンズカバーの上面に着脱自在に設定され、
前記取付手段は、前記台座と前記レンズカバーの上面の間に設けた振動防止体と、
前記台座の一側面及び他側面に設けた取付係合部と、この一側面の取付係合部に係合して前記レンズカバーの下端に沿って前記他側面の取付係合部に係合され前記台座を固定する係合バンドとを備えることを特徴とする請求項1に記載のプロンプター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−172083(P2011−172083A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34912(P2010−34912)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(510047100)イー・バレイ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】