説明

ヘアアイロン装置

【課題】アイロン掛け工程の煩雑な繰り返しが不要になるアイロン機構を備えるヘアアイロン装置を提供する。
【解決手段】アイロン機構は、髪収容部によって離間され互いに一列に配置された複数の弓状に形成されている歯24と、良伝熱性の材料からなる第2の整形部品29と、第2の整形部品29と並んで配置され隣の歯24に向かって可動する良伝熱性の材料からなる第1の整形部品27と、電気加熱装置とを備えることで、第1の整形部品27と第2の整形部品29の間にヘア整形スリットを形成するために第1の整形部品27が隣の歯24に向かって移動すると、第1の整形部品27の少なくとも一部が隣の歯24の弓状部によって囲まれる領域に収容され、ヘア整形工程が整形される髪または髪房について常に同じになることが保証され、アイロン掛けの結果が改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ1つの髪収容部によって離間され、互いに一列に配置された歯と、各歯に配置され、髪収容部を囲む別の歯に対して可動に配置された、少なくとも1つの第1の整形部品と、髪収容部を囲む別の歯に配置された第2の整形部品とを含み、髪収容部の2つの整形部品の間に、ヘア整形スリットが形成されるようになっている、櫛状に形成されたアイロン機構を備える、ヘアアイロン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアアイロン装置、いわゆるストレートナは、櫛状に形成されたアイロン機構を装備することができる。この種のヘアアイロン装置のアイロン機構は、互いに離間する歯から形成された櫛列を有し、互いに間隔をおいて配置された、隣接する2つの歯が1つの髪収容部を囲む。ヘアアイロン掛け工程のために各髪収容部が、または各髪収容部を囲む2つの歯の少なくとも一方が第1の整形部品を有する。この第1の整形部品は、髪収容部を囲む別の歯に対して可動に支承されている。各髪収容部の第1の整形部品には、第2の整形部品が配置されている。ヘア整形工程のための負荷が与えられた状態で、互いに作用する2つの整形部品の間に1つのヘア整形スリットがあり、この整形スリット内にアイロン掛けすべき髪房が装入される。この種のアイロン掛けは、アイロン掛けすべき髪部分の毛根側の端部にヘアアイロン装置を当て、アイロン機構の髪収容部に髪房を装入し、髪収容部によって把持された髪房を、アイロン機構を通すことによって行われる。典型的には、髪をアイロン掛けする人が、アイロン掛けすべき髪が生えている頭部に対して、アイロン装置を適切に動かすことによって行われる。
【0003】
公知のヘアアイロン装置によれば、可動に支承された第1の整形部品が、それぞれ個別に、歯にばねで支承されている。この種のヘアアイロン装置では、ヘア整形スリットへの髪房の装入が、第1の整形部品に作用するばねエレメントの力に抗して行われる。髪または個々の髪房が、複数のヘア整形スリット中に存在するとき、アイロン掛け動作が実行される。このとき、個々の第1の整形部品に作用するばね力が、髪のアイロン掛け工程に作用する力を決定する。第2の整形部品は支持部となる。ヘアアイロン掛け工程に必要な熱を提供するために、公知のヘアアイロン装置は温風送風機を有しており、その温風流がアイロン機構に導入される。アイロン機構自体は、固定されている歯の根元領域に空気出口を有し、そこから出る温風流が整形すべき髪に到達する。
【0004】
特許文献1により、上位概念による別のヘアアイロン装置が公知となっている。このヘアアイロン装置は、第1の整形部品がウェブによって互いに結合されており、この整形部品が整形部品ユニットとして、全体で、復帰ばねの力に抗して固定した歯に対して動くことができる点で、上述したヘアアイロン装置とは異なっている。この場合、調整エレメントによって、整形部品ユニットをヘア整形スリットを開放する位置に置くことができるようにされている。この利点は、それぞれのヘア整形スリットに装入すべき髪房を取り込むのが簡単であることである。その上、この構成では復帰力、すなわちヘアアイロン掛け工程のために髪に作用する力を調整することができる。この公知のヘアアイロン装置も、髪の整形に必要な熱を供給するための温風送風機を有する。
【0005】
櫛状に形成されたアイロン機構を有する、前記形式のヘアアイロン装置では、ヘア整形工程で、髪房またはその一部がヘア整形スリットから絶えず飛び出してしまい、したがってアイロン掛けされないか、または少なくとも十分にはアイロン掛けされないことが判明している。そのため、所望するすべての髪にアイロン掛けするためには、アイロン掛けを何度も繰り返さなければならない。
【0006】
整形すべき髪に空気流によって熱が供給される場合、この空気流が整形すべき髪を加熱するだけでなく、温風流が髪を乾燥させる。ただし、整形すべき髪を急速に乾燥させるのは望ましくないこともある。
【0007】
前記形式のヘアアイロン装置の他に、ピンセット状に互いに当接された、2つのアームからなるヘアアイロン装置も使用される。この場合、各アームが他方のアームに向いた整形部品を有する。この整形部品は、ストレートナのコンセプトでは、平坦な表面をもつプレート状に形成されている。アイロン掛けすべき髪に作用する力は、使用者の手動の閉鎖動作によって生じる閉鎖力によってアームにもたらされる。このヘアアイロン装置では、ヘア整形面が比較的大きいので、典型的なアイロン掛け動作が実行される間に、個々の髪房がヘア整形スリットから飛び出すおそれがない。しかし、このヘアアイロン装置では、ヘア整形スリットに取り込まれる髪房が多すぎないように注意すべきである。しかし、櫛状に形成されたアイロン機構を有する前記のヘアアイロン機構では、この機構により髪房の分割が行われるので、通常は生じない。
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1721539号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上記で論じた従来技術から出発して、本発明の基礎となる課題は、冒頭に述べたヘアアイロン装置を、冒頭に引用した従来技術について指摘した欠点が少なくとも大幅に回避されるように改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば上記課題は、冒頭に述べた上位概念に基づくヘアアイロン装置であって、整形部品の間にあるヘア整形スリットが、整形部品の少なくともヘア整形位置において、互いに歯を接続する髪収容部の境界部の方向にアンダーカットされている、ヘアアイロン装置によって解決される。
【0011】
このヘアアイロン装置では、2つの整形部品によってそれぞれ囲まれるヘア整形スリットが、アンダーカットされて形成されている。このアンダーカットは、歯の間に延在する髪収容部の境界部の方向に延びている。したがってヘア整形スリットは、狭窄個所の後で、ヘア整形スリットに取り込むべき髪の方向に拡大している。したがって、整形すべき髪房は、アイロン掛け工程のために、歯の先端部に向かう方向で先細になっているヘア整形スリット内に存在する。このため、公知のヘアアイロン装置とは異なり、2つの整形部品間にあるヘア整形スリットは、基本的に、ヘアアイロン掛け工程の際に、両方の整形部品が部分的に当接することによって互いに閉じられる。
【0012】
余りに多くの髪房がヘア整形スリットに取り込まれたために、ヘア整形スリットが髪房の装入後に完全に閉じない場合には、アイロン装置によって髪が梳かれるヘア整形工程中に、ヘア整形スリットの閉鎖を妨げていた髪が、ヘア整形スリットから飛び出るようになる。その結果、十分な数の髪が整形スリットから再び引き抜かれた後、整形スリットは2つの整形部品の相互当接により、アンダーカットを形成する狭窄個所の領域で閉じられる。ヘア整形スリット内にある過大な量の髪房を、規定の量に適合させる工程は、典型的には、最初の短い髪アイロン掛け動作の進行中にすでに調整されるので、ヘア整形スリット内に残った他の髪の整形工程は損なわれない。したがって、このヘアアイロン装置ではヘア整形工程が、整形される髪または髪房について常に同じ、少なくとも近似的に同じになることが同時に保証される。このため、アイロン掛けの結果が改善される。典型的には、アイロン掛け工程の頻繁な繰り返しが不要になる。
【0013】
ヘア整形スリットまたはヘア整形スリットを囲む整形部品のこのようなコンセプトは、可動の整形部品が互いに独立に、それぞれ1つの歯の内部で支承されているヘアアイロン装置にも、また可動の髪整形部品が1つの整形部品ユニットにまとめられているヘアアイロン装置にも適している。
【0014】
可動に支承された第1の整形部品の高さを、ヘア整形工程のために、できるだけ十分利用できるようにするために、ヘア整形スリットの開口部つまりアンダーカットを形成する狭窄個所は、典型的には整形部品の歯の上側の終端領域に存在する。ただし、髪房をヘア整形スリットに導入しやすくするために、可動の整形部品は狭窄個所の方向に傾斜した斜面を備えている。
【0015】
例示的な一実施形態によれば、可動の整形部品は、少なくとも1つのウェブによって互いに結合され、剛直な整形部品ユニットを形成している。この整形部品ユニットは、固定の歯に対して可動に支承されている。このような整形部品ユニットを、伝熱性の良い材料、例えばアルミニウム合金等から例えばダイカスト工程で作製すると、特に好適である。整形部品ユニットの一部分として、整形部品を加熱するための電気加熱装置を設けることができる。この構成においては、ヘア整形工程に必要な熱を整形すべき髪に当てるために、温風流を準備する必要がない。この構成では、ヘア整形スリットに取り込まれた髪房が、加熱された第1の整形部品によって直接加熱される。このようなコンセプトのヘアアイロン装置は、構造的に比較的小型な設計とすることができるという利点を有する。電気加熱装置としては、例えば、整形部品を互いに結合する少なくとも1つのウェブに取り付けられたPTC加熱素子が適している。良伝熱性という特性により、整形部品ユニットを、したがってこのユニットに属する整形部品を、迅速かつ均等に加熱することが可能となる。原理的には、対応する位置に別の電気抵抗加熱器を配置することもできる。さらにダイカスト法で作製された整形部品ユニットでは、電気抵抗加熱素子を整形部品に組み込むことも可能であり、加熱素子はさらに、整形部品ユニットによって取り囲まれる。この構成により、個々の整形部品の迅速な加熱が可能になる。代替の構成では、整形部品ユニットに組み込まれる、典型的には、鋳込まれる電気加熱素子が、個々の整形部品を結合する1つまたは複数のウェブ内に配置される。
【0016】
第1の整形部品と連携する第2の整形部品としては、それぞれの髪収容部を基準にして、第1の整形部品に対向する歯を用い、または少なくとも部分的に用いることができる。別の実施形態によれば、第2の整形部品は、第1の整形部品に対向する歯内に収容されたエレメントとなっている。このエレメントも、1つまたは複数のウェブによって形成された整形部品ユニットとすることができる。この構成では、この第2の整形部品も伝熱性の良い材料、例えばアルミニウム合金で、例えばダイカスト法で作製するのが目的に適っている。この構成では、第2の整形部品にも上述した第1の整形部品と同様のコンセプトの加熱器を装備することができる。この構成では、互いに連携してヘア整形スリットを形成する2つの整形部品がそれぞれ加熱される。しかし原理的には、2つの整形部品の一方だけを加熱しても十分である。この場合、加熱されない他方の整形部品は非使用時には、典型的には、ばねバイアスによって整形部品に当接する別の整形部品によって加熱され、その結果、ヘア整形工程のためにヘア整形スリットを形成する2つの整形部品が加熱される。
【0017】
本発明のさらなる利点および構成は、添付図面を参照して行う2つの実施形態についての以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態による櫛状に形成されたアイロン機構を備えるヘアアイロン装置を示す図である。
【図2】図1のアイロン装置のアイロン機構の拡大側面図である。
【図3】図1のアイロン装置のアイロン機構の拡大平面図である。
【図4】ヘアアイロン位置におけるアイロン機構の互いに可動な部分を備える、図2のアイロン機構の拡大図である。
【図5】図2のアイロン機構の断面図である。
【図6】ヘアアイロン装置のための、別の構成によるアイロン機構の主要エレメントを示す図である。
【図7】図6のアイロン機構の構造に関与するコンポーネントを示す展開斜視図である。
【図8】図6のアイロン機構の可動整形部品を第1の位置で示す断面図である。
【図9】図8のアイロン機構の、ラインB−Bに沿った断面図である。
【図10】図8のアイロン機構の、ラインC1−C1に沿った断面図である。
【図11】図8のアイロン機構の可動部品をアイロン位置で示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1において、ヘアアイロン装置1は、ハンドグリップ2に接続されたアイロン機構3を有する。アイロン機構3は電気的に加熱される。ヘアアイロン装置1は電流供給のための電気接続ケーブル4を有する。アイロン機構3は櫛状に設計されており、互いに離間して一列に配置された固定の歯5を有する。アイロン機構3の先端部6に隣接して配置された、歯列の最も外側の歯は別として、各歯5には、可動の第1の整形部品7が設けられている。整形部品7は以下に示すように、1つの共通の整形部品ユニットにまとめられている。整形部品ユニットは、歯列の長手方向に可動であり、図1の例示的実施形態では、キー8として設計された操作エレメントの操作によって、図1に示した位置からハンドグリップ2の方向にその位置を調整することができる。歯5は、アイロン機構3のケーシングの一部分として形成されたカバーシェル9とともに、プラスチック射出成形部品として構成されている。歯5は弓状に設計されており、図2から分かるように第1の整形部品7を囲む。互いに隣接して配置された2つの歯5が髪収容部10を囲む。髪収容部10の一部分が、図2では開放状態で示されているヘア整形スリット11である。このスリットは各第1の整形部品7と、隣接する歯5の整形部品7に向いた側との間に延在する。第1の整形部品7は、整形部品ユニットを構成し、復帰ばねの力に抗してキー8の対応する操作により、位置固定で配置された歯5に対し動かされる。
【0020】
さらに図2から分かるように、第1の整形部品7の隣接する歯5の方を向いた整形表面は、歯5の先端部からヘア整形スリット11の下方境界部14の方向に湾曲しており、狭窄個所12に続いてアンダーカット13を形成している。したがって、髪収容部10は、アンダーカット13及び隣接する2つの歯5の間に延在する、カバーシェル9の一部分によって形成された境界部によって画定される。図2において、この境界部はアンダーカットに関連して参照符号14で示されている。境界部14内に歯の上側終端部15に関連して存在する整形部品7の部分は、整形部品7を収容する歯5の方向に曲がっている。図2に示めす、例示的実施形態では、整形部品7は図に示すように、ヘア整形スリットが開放された位置にあるとき、当該湾曲が歯5によって形成される弓形内に延びるように曲がっている。これによって髪房の、ヘア収容部またはヘア整形スリット11への導入が容易になる。
【0021】
図3のアイロン機構3の平面図から、第1の整形部品7が横の延在方向にウェーブしていることが分かる。このウェーブによって、各整形部品7に2つの整形フランジ16、16.1が形成される。
【0022】
図4は、第1の整形部品7がそれぞれのヘア整形スリット11を閉鎖する位置にあるときのアイロン機構3の部分拡大図を示す。図4に示したこの位置は、アイロン工程中の整形部品7の位置である。ヘア整形スリット11の全体は閉じておらず、狭窄個所12の領域だけが閉じていることが分かる。したがって、ヘア整形スリット11はアンダーカット13を満たす髪に関しては開放されたままであり、このため、アンダーカット13に収容された髪にアイロン掛けのための所望のヘア整形圧が、整形部品を介して作用する。
【0023】
図5から分かるように、歯5は弓状に形成されている。この利点は、整形部品7がヘア整形スリット11の開放位置で、それぞれの整形部品7が配置された歯5に収容されるだけでなく(図1参照)、比較的少量の髪しかヘア整形スリット11に取り込まれていない場合には、隣接する歯5の方を向いた前側が、隣接する歯の裏側に咬合することができることである。
【0024】
図5は、図2に示した開放位置と、図4に示した閉鎖位置との間の位置にある第1の整形部品を示す。図4に示した閉鎖位置では、ヘア整形スリット11のアンダーカット内13に十分な量の髪が取り込まれた場合、整形部品7は隣接する歯5に対向する。したがって整形部品7は、第2の整形部品を形成する隣接する歯側にそれ以上入り込まない。図1から5に示した例示的実施形態では、上述した第1の整形部品7と、この整形部品の方を向いた隣接する歯5の裏側17が連携する。その際、整形フランジ16、16.1を備える整形部品17の整形表面のコンセプトが、ヘア整形が、図5に参照番号18で示すエッジで行われるという目的に役立つ。したがって把持された髪に作用する整形力はこのエッジに集中される。
【0025】
第1の可動整形部品7は、ウェブ20を介して剛直なユニットと互いに結合している。ウェブおよび個々の整形部品7から形成されるこのユニットは、ダイカスト法でアルミニウム合金から作製される。このユニットはキー8により復帰ばね21の力に抗して、ハンドグリップの方向にその位置が調整可能である。キー8が操作されない場合、復帰ばね21が作用してヘア整形スリット11は閉じられる。ヘア整形スリット11を開くためのキー8の操作は、髪房をそれぞれの髪収容部10またはヘア整形スリット11に取り込むという目的に役立つ。
【0026】
整形部品7を結合するウェブ20の底部22には、図示しないが、PTC加熱素子が底部22を加熱する構成で設けられている。このPTC加熱素子の出力は、ハンドグリップ2に配置された調整エレメントにより調整が可能である。ウェブ20および整形部品7に使用される材料の伝熱性が良いので、PTC加熱素子によって発生された熱は、整形部品7の整形表面を加熱するために均等かつ迅速に分散される。
【0027】
図6および7は、別の構成によるアイロン機構23の主要要素を示す。この実施形態では、アイロン機構23は、すでに図1から5の実施形態で説明したコンポーネント、すなわち歯24で形成される歯列と、2つのウェブ26、26.1によって結合された第1の整形部品27とを備える整形部品ユニット25の他に、第2の整形部品ユニット28を有する。第2の整形部品ユニット28は、共通のウェブ30によって互いに結合された個別の整形部品29を有する。整形部品ユニット28は、図に示めす例示的実施形態において、ダイカスト法でアルミニウム合金から作製された整形部品である。
【0028】
整形部品27、29の相互の配置は、図8の断面図から分かる。図8は、整形部品27が開放位置にあるアイロン機構23を示す。整形部品27、29は、弓状に形成された歯24内に収容されている。線B−Bに沿った図9の断面図は、整形部品27の輪郭形状とその寸法が、弓状に形成された歯24の内側外套面に適合されていることを明瞭に示している。このアイロン機構23では、整形部品29が第2の整形部品として働く。図8に示したアイロン機構23は、ヘア整形スリット31を歯24の開放端部の方向に向かって閉じる狭窄個所32が、整形部品27の上側終端部の領域にあり、これによってヘア整形工程に利用可能な、ヘア整形スリット31または整形部品27の高さが大きくなっていることを示している。このアイロン機構23においても、整形部品ユニット25が歯24に対しても、また整形部品29を固定して配置する整形部品ユニット28に対しても、その位置を調整することが可能である。狭窄個所32を閉じるための調整動作は、この例示的実施形態においても、1つまたは複数のばねエレメントの力によって行われる。動作方向を反対にするのは、典型的には手動で操作可能な調整エレメント、例えば、図1から5の例示的実施形態で説明したようなキーの操作によって行われる。
【0029】
アイロン機構23のヘア整形スリット31に髪房が取り込まれると、整形部品27をその開放位置に保持する調整エレメントが解放され、続いて、ヘア整形スリット31が、図11から分かるように閉じられる。このアイロン機構23ではヘア整形工程が、とりわけ整形部品27、29の間で行われる。歯24の内側を向いたエッジは、図1から5の例示的実施形態の場合と同様に、付加的にヘア整形エッジとして働く。
【0030】
整形すべき髪に熱を供給するために、アイロン機構23は図示しない加熱装置を有する。この加熱装置は、例えばヘアアイロン装置1のアイロン機構3の加熱装置と同じような構成とすることができる。この加熱装置により、整形部品ユニット25および/または整形部品ユニット28を加熱することができる。
【0031】
本発明を例示的実施形態に基づいて説明した。該当する特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、当業者には多数のさらなる構成が明らかであり、それらは詳細に示す必要なしに本発明を実現することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ヘアアイロン装置
2 ハンドグリップ
3 アイロン機構
4 接続ケーブル
5 歯
6 先端部
7 整形部品
8 キー
9 カバーシェル
10 髪収容部
11 ヘア整形スリット
12 狭窄個所
13 アンダーカット
14 境界部
15 終端部
16、16.1 整形フランジ
17 裏側
18 エッジ
20 ウェブ
21 復帰ばね
22 底部
23 アイロン機構
24 歯
25 整形部品ユニット
26、26.1 ウェブ
27 整形部品
28 整形部品ユニット
29 整形部品
30 ウェブ
31 ヘア整形スリット
32 狭窄個所
33 アンダーカット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
櫛状に形成されたアイロン機構(23)を備えるヘアアイロン装置において、アイロン機構(23)は、
それぞれ1つの髪収容部によって離間され、互いに一列に配置された複数の歯(24)であって、それぞれの歯(24)が弓状に形成されている歯(24)と、
それぞれの歯(24)の弓状部によって囲まれる領域に、少なくともその一部が収容されるように配置された、良伝熱性の材料からなる第2の整形部品(29)と、
第2の整形部品(29)と並んで配置され、その外形が歯(24)の弓状部によって囲まれる領域よりも小さく、隣の歯(24)に向かって可動する、良伝熱性の材料からなる第1の整形部品(27)と、
第1の整形部品(27)及び/又は第2の整形部品(29)に直接接続し、第1の整形部品(27)及び/又は第2の整形部品(29)を加熱するための電気加熱装置と、
を備え、
第1の整形部品(27)と第2の整形部品(29)の間にヘア整形スリット(31)を形成するために、第1の整形部品(27)が隣の歯(24)に向かって移動すると、第1の整形部品(27)の少なくとも一部が隣の歯(24)の弓状部によって囲まれる領域に収容されること、
を特徴とするヘアアイロン装置。
【請求項2】
第1の整形部品(27)が隣の歯(24)に向かって移動する前にも、第1の整形部品(27)の少なくとも一部が隣の歯(24)の弓状部によって囲まれる領域に収容されていること、を特徴とする請求項1記載のヘアアイロン装置。
【請求項3】
第1の整形部品(27)が隣の歯(24)に向かって移動する前に、第1の整形部品(27)の第2の整形部品(29)側の面と第2の整形部品(29)の第1の整形部品(27)側の面が、少なくともその一部が接するように配置されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載のヘアアイロン装置。
【請求項4】
第1の整形部品(27)と第2の整形部品(29)とを互いに押し付けるばねをさらに備えたこと、を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のヘアアイロン装置。
【請求項5】
第1の整形部品(27)の第2の整形部品(29)側の面と第2の整形部品(29)の第1の整形部品(27)側の面の、一方が凸形状であり、他方が凹形状であること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のヘアアイロン装置。
【請求項6】
第1の整形部品(27)が、少なくとも1つのウェブ(26、26.1)によって互いに結合されており、歯(24)に対して可動に支承された剛直な整形部品ユニット(25)を形成すること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘアアイロン装置。
【請求項7】
第2の整形部品(29)が、少なくとも1つのウェブ(30)によって互いに結合されていること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のヘアアイロン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−56195(P2013−56195A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−254977(P2012−254977)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2010−220180(P2010−220180)の分割
【原出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【特許番号】特許第5160696号(P5160696)
【特許公報発行日】平成25年3月13日(2013.3.13)
【出願人】(501173793)ダブリュアイケー ファー イースト エルティーディー. (7)