ヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジ
【課題】カラー剤を塗布して汚れたブラシ部の根元まで洗浄容易となるほか、洗浄液に浸け置いてまとめ洗いができるなど洗浄効果と作業性を向上できる。とりわけ、ワンタッチでブラシ部を着脱可能となり、ブラシ部のみの交換も可能なため、経済的にも環境保護の面でも優れている。
【解決手段】ブラシ本体5とブラシ本体5に取り付けられたブラシ部3とを備え、ブラシ部3がブラシ本体5に着脱可能であるヘアダイブラシ1として構成されている。
【解決手段】ブラシ本体5とブラシ本体5に取り付けられたブラシ部3とを備え、ブラシ部3がブラシ本体5に着脱可能であるヘアダイブラシ1として構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、毛髪にカラー剤を塗布するためにヘアダイブラシが使用されている。
【0003】
これまでのヘアダイブラシとしては、櫛を備える櫛タイプ(所謂2wayブラシ)のもの、或いは、刷毛櫛を備えないはけタイプのものが見られるが、いずれのヘアダイブラシも、カラー剤を毛髪に塗布するために使用されるという点で共通する。
【0004】
ところで、このような従来のヘアダイブラシを使用して毛髪カラー剤を毛髪に塗布する場合、ブラシの根元にカラー剤が付着してしまい、洗浄しづらいという問題が生じていた。すなわち、ブラシを構成する毛或いはブリッスルが表面に露出している箇所では、その根元部分も表面に露出し洗浄可能ではあるが、その表面に露出した毛或いはブリッスルに隠れた、奥まった位置に配置される(植毛される)毛或いはブリッスの根元は、前述の表面に露出した毛或いはブリッスルによって洗浄の際に遮蔽されるため、清掃、洗浄(以下適宜「洗浄等」という)しづらいという問題が生じている。
【0005】
たとえば、図10A、10Bに示されるような従来のヘアダイブラシでは、表面に露出した毛或いはブリッスルなどの根元(たとえば、X1,X2に位置する毛或いはブリッスルなどの根元)に付着したカラー剤を洗浄等することは容易でなくても可能であるが、表面に露出せずに奥まった箇所に植毛されている毛或いはブリッスルなどの根元(たとえば、X3に位置する毛或いはブリッスルなどの根元)では、清掃、洗浄時にX1,X2に位置する毛或いはブリッスルに遮蔽されてしまい、邪魔となり洗浄等が十分できなかった。そのため、カラー剤が付着したままの状態となり、その結果、次にその従来のヘアダイブラシを再び使用する際に、洗浄等が不十分で残留したままのカラー剤が、いわゆる「だま」となりやすく、カラー剤を毛髪に均質に塗布できないといった弊害を生じさせやすい。或いは、そのような「だま」が毛髪に付着してしまう虞も高く支障が生じやすいといった問題が生じていた。したがって、このような支障を避けるために、1回使用する毎に、ヘアダイブラシを使い捨てして、新しいヘアダイブラシにより塗布作業を行うことも通常行われているが、コスト面及び環境面からも好ましくなく、早急な改善が求められている。
【0006】
このような問題に対して、以下のような特許文献1、2がある。
【0007】
特許文献1では、ブラシ毛間に毛髪が挟まりにくく、小さな力でブラッシングができ、ブラシ毛が頭皮に到達しやすいヘアブラシを提供することを目的に、ブラシ部を構成する毛或いはブリッスルを押さえて二つ折りにして植毛する、所謂ブラシ機構を備えるブラシが開示されている。
【0008】
さらに、特許文献2では、付着した髪の毛やゴミが簡単に除去できると共に、その後の手入れが容易である掃除具付きヘアブラシを提供することを目的に、ブラシ根元に回動部材を組み込み、これを押し上げて回動させる所謂回動機構を備えるブラシが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−319217号公報
【特許文献2】実用新案登録第3140806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1では、ブラシ部をブラシ本体(ブラシ部を除いたブラシの残部)に着脱可能とするものではなく、ブラシ部のみをブラシ本体から取り外して洗浄等するものではない。すなわち、特許文献1では、清掃、洗浄する場合には、ブラシ本体と一体化した状態で、その作業を行う必要があるため、清掃、洗浄作業に効率が悪いものとなっている。とくに、カラー剤を塗布するためのヘアカラー剤用塗布ブラシでは、カラー剤が液体等からなるため、ブラシ表面に付着するだけでなく、折り重なったブラシの内部に配置される毛或いはブリッセルの根元部分に付着しやすく、そのような付着を除去するには、水又は洗浄液で濯ぐ必要がある。しかし、特許文献1に開示されるブラシでは、前述のような折り重なったブラシの内部に配置される毛或いはブリッスルの根元部分には、水又は洗浄液を十分当てづらいものとなっており、清掃、洗浄が不十分となりやすい。
【0011】
また、特許文献2では、回動機構は備えているものの、結局の所、ブラシ根元に付着した毛髪や毛あるいはブリッスルは固定されており、取り外し不可能に構成されているため、毛又はブリッスルを備えるブラシ部をのみを外して清掃、洗浄できないため、同様に毛或いはブリッセルの根元部分には、水又は洗浄液を十分に当てづらく、清掃、洗浄が不十分となりやすい。
【0012】
このように、特許文献1、2では、カラー剤を塗布して汚れたブラシ部、とくに奥まった位置に植毛されている毛あるいはブリッスルの根元等を十分に清掃、洗浄できず、清掃、洗浄作業も非効率なものとなっており、更なる改良が求められている。
【0013】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ブラシ本体とブラシ本体に取り付けられたブラシ部とを備え、ブラシ部がブラシ本体に着脱可能に構成されることにより、カラー剤を塗布して汚れたブラシ部の根元まで清掃、洗浄容易となるほか、洗浄液に浸け置いてまとめ洗いができるなど洗浄効果と作業性を向上できるヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジを提供するものである。とりわけ、ブラシ部をカートリッジタイプとすることにより、ワンタッチでブラシ部を着脱可能となり、ブラシ部のみの交換も可能なため、経済的にも環境保護の面でも優れている。さらに、ブラシ部、及びブラシ本体を容易に清掃できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明により、以下のヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジが提供される。
【0015】
[1] ブラシ本体と前記ブラシ本体に取り付けられたブラシ部とを備え、前記ブラシ部が前記ブラシ本体に着脱可能であるヘアダイブラシ。
【0016】
[2] 前記ブラシ部が、ブラシ本体に固定棒を介して押圧固定される[1]に記載のヘアダイブラシ。
【0017】
[3] 前記ブラシ部は、複数の毛束或いはブリッスルを支持する支持部を備え、前記ブラシ本体に装着前では前記複数の毛束或いはブリッスルが前記支持部の両側に支持されながら前記支持部と共に展開され、前記ブラシ本体に装着後では、前記毛束或いはブリッスルが前記支持部の両側を基点としてU字状に起毛される[1]又は[2]に記載のヘアダイブラシ。
【0018】
[4] 前記ブラシ部が、前記ブラシ本体に装着前後を通して立体的に起毛されている[1]又は[2]に記載のヘアダイブラシ。
【0019】
[5] 前記支持部には、複数の毛束或いはブリッスルの根元が露出可能な開閉機構が設けられている[3]又は[4]に記載のヘアダイブラシ。
【0020】
[6] 前記ブラシ本体には、前記ブラシ部を装着するための装着溝が形成されている[1]〜[5]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0021】
[7] 前記ブラシ部及び前記ブラシ本体の、夫々の当接面が滑らかな曲面を少なくとも備えている[1]〜[6]のいずれかにヘアダイブラシ。
【0022】
[8] 前記装着溝は、前記ブラシ部が前記装着溝の長さ方向にスライド可能になるように形成されている[1]〜[7]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0023】
[9] さらに、前記ブラシ本体にはロック機構が設けられ、前記ブラシ部をロック可能である[6]〜[8]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0024】
[10] 前記固定棒が、前記ブラシ本体の一端を支点として回動可能に構成されるとともに、前記ブラシ部を押圧固定可能に形成されている[6]〜[9]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0025】
[11] 前記支持部には前記固定棒が組み込まれて一体化形成され、或いは、前記支持部が前記固定棒を兼ねた形状として形成されている[6]〜[9]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0026】
[12] [1]〜[11]のいずれかに記載のヘアダイブラシを構成する前記ブラシ部であるブラシカートリッジ。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ブラシ本体とブラシ本体に取り付けられたブラシ部とを備え、ブラシ部がブラシ本体に着脱可能に構成されることにより、カラー剤を塗布して汚れたブラシ部の根元まで清掃、洗浄容易となるほか、洗浄液に浸け置いてまとめ洗いができるなど洗浄効果と作業性を向上できるヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジを提供できるといった優れた効果を奏するものである。とりわけ、ブラシ部をカートリッジタイプとすることにより、ワンタッチでブラシ部を着脱可能となり、ブラシ部のみの交換も可能なため、経済的にも環境保護の面でも優れている。さらに、ブラシ部、及びブラシ本体を容易に清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明のヘアダイブラシの一実施形態を示す模式図であって、正面図である。
【図1B】図1Aのヘアダイブラシの模式図であって、装着部を部分的に拡大するとともに一部省略して示した斜視図である。
【図1C】図1Aのヘアダイブラシの模式図であって、ブラシ部を部分的に拡大するとともに一部省略して示した側面図である。
【図1D】図1Aのヘアダイブラシの模式図であって、ブラシ部を部分的に拡大するとともに一部省略して示した斜視図である。
【図2】ブラシ部を部分的に拡大するとともに一部省略して示した斜視図であって模式図である。
【図3A】ブラシ部の別の形態を示すものであって、展開した状態を模式的示した平面図である。
【図3B】図3Aのブラシ部と、本発明のヘアダイブラシの一部を模式的に示すものであって、発明のヘアダイブラシに装着される状態を示す斜視図である。
【図3C】図3Aのブラシ部が起立した状態で本発明のヘアダイブラシに装着される状態を模式的示した斜視図である。
【図3D】図3Cに示される矢印Q方向からみた、ブラシ部と、本発明のヘアダイブラシとの一部を模式的に示す側面図である。
【図3E】固定棒と、ブラシ本体に形成されるロック機構の一部とを模式的に示す部分拡大斜視図である。
【図3F】図3Eの固定棒と、ブラシ本体に形成されるロック機構の一部とを模式的に示す部分拡大断面図である。
【図3G】図3Fの固定棒と、ブラシ本体に形成されるロック機構の一部とを模式的に示すとともに、ロック機構から固定棒を取り外す(ロック解除する)際の状態を示す部分拡大断面図である。
【図3H】図3Fの固定棒と、ブラシ本体に形成されるロック機構の一部とを模式的に示すとともに、ロック機構から固定棒を取り外す(ロック解除する)際の状態を示す部分拡大断面図である。
【図4】ブラシ部と本発明のヘアダイブラシの一部を模式的に示すものであって、ブラシ本体に固定棒の一体を支持させる回動機構を設けた状態を示す斜視図である。
【図5A】ブラシ部を構成する支持部に設けた開閉機構を模式的に示す平面図であって、展開図である。
【図5B】図5Aの開閉機構を開閉させて、ブラシ部を構成する毛(毛束)又はブリッセルの根元を露出させた状態を模式的に示す平面図であって、展開図である。
【図6】ブラシ部の別の形態を模式的に示す平面図であって、ブラシ本体へ装着前ブラシ部(の支持部に)固定棒を一体化させた状態を示す展開図である。
【図7A】本発明のヘアダイブラシの別の実施形態を示す模式図であって、正面図である。
【図7B】図7Aのヘアダイブラシのブラシ本体に、ブラシ部を取り付ける状態を模式的に示す分解斜視図である。
【図7C】図7Bのブラシ本体及びブラシ部を部分的に拡大するとともに、一部省略して模式的に示す分解斜視図である。
【図7D】ブラシ部の別の形態と、装着溝を示す斜視図であって、一部省略して模式的に示す図である。
【図7E】ブラシ部の別の形態と、装着溝を示す斜視図であって、一部省略して模式的に示す図である。
【図7F】ブラシ部の別の形態と、装着溝を示す斜視図であって、一部省略して模式的に示す図である。
【図8A】ブラシ部及びブラシ本体の別の形態を斜視図であって、ブラシ部の球状突起をブラシ本体の差込み口に挿入する前の状態を模式的に示す図であって、一部省略して示す斜視図である。
【図8B】図8Aのブラシ部の球状突起をブラシ本体の差込み口に挿入した後の状態を模式的に示す図であって、一部省略して示す斜視図である。
【図9A】図8A、8Bのブラシ部及びブラシ本体の一部拡大図であって、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図9B】図8A、8Bのブラシ部及びブラシ本体の別の形態であって、夫々を一部拡大するとともに、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図9C】図9Aのブラシ部及びブラシ本体の一部拡大図であって、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図9D】図9Bのブラシ部及びブラシ本体の一部拡大図であって、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図10A】従来のヘアダイブラシを部分的に拡大し、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図10B】図10Aの従来のヘアダイブラシを、部分的に拡大し一部省略してZ方向から見た状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明のヘアダイブラシ、ブラシカートリッジを実施するための形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備えるヘアダイブラシ、ブラシカートリッジを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0030】
[1]本発明のヘアダイブラシの構成:
本発明のヘアダイブラシは、図1A、図7Aに示されるように、ブラシ本体5とブラシ本体5に取り付けられたブラシ部3とを備え、ブラシ部3がブラシ本体5に着脱可能であるヘアダイブラシ1(1A,1B)として構成されている。
【0031】
[1−1]ブラシ部:
本実施形態におけるブラシ部は、ブラシ本体に着脱可能である。洗浄の際に、ブラシ部をブラシ本体から取り外して洗浄できるため、ブラシ本体、特にブラシの根元(ブラシを構成する毛或いはブリッスルを支持する支持部11との境界近傍にある毛或いはブリッスルの一部(図2参照))に付着したカラー剤を容易に洗浄できる。ここで、ブラシ部は、毛髪を染色するため毛髪カラー剤を含浸させて毛髪に塗布する役割を担うものであるが、従来では、カラー剤の染色力が強いため、ヘアダイブラシの毛或いはブリッスルの根元についたカラー剤が落ちにくく、加えて、ブラシ部がブラシ本体から取り外しができないため、ブラシ部の根元に付着したカラー剤を除去するために洗浄しようとすると、ブラシ本体の取っ手(持ち手)等が邪魔となり、ブラシ部の根元を水又は洗浄液等で濯ぐ際に、十分にブラシ部の根元にあたらず、洗浄しづらい構造となっていた。そこで、本実施形態では、ブラシ部がブラシ本体に着脱可能な構成とすることによって、ブラシ部をブラシ本体から取り外してブラシ部の根元を水又は洗浄液等で十分に濯ぐことができるようにしたため、ブラシ部に付着したカラー剤を容易に洗い落とすことができる。
【0032】
ここで、「ブラシ本体」とは、ブラシ部を除いた全て(ヘアダイブラシからブラシ部を除いた残余)をいい、このブラシ本体には、持ち手などが含まれる。また、「毛髪カラー剤」とは、毛髪を染色するための染色剤であって、赤、青、黄色、緑、ブラウン等毛髪が本来有しない色を着色する染色剤や、白髪染め等公知の染色剤が広く含まれる。
【0033】
具体的には、図1Aに示されるように、ブラシ本体5にブラシ部3が取り付けられているヘアダイブラシ1Aを例示できる。このヘアダイブラシ1Aでは、カラー剤を塗布する際に、ブラシ本体5にブラシ部3を装着し、カラー剤を塗布した後には、ブラシ本体5からブラシ部3を取り外して、ブラシ本体5とは別に、ブラシ部3を水或いは洗浄液に宛がって(浸漬させて)濯ぐ(清掃、洗浄する)ことができる。とりわけブラシ部3の奥に植毛されている毛或いはブリッスルは、図1Dの矢印A、Bに示されるような表面側に植毛されている毛或いはブリッスルと比べて、折り重なった位置に配置され、表面側の毛或いはブリッスルに隠れた毛或いはブリッスル等(図では、矢印A,B間の中央に配置される毛或いはブリッスル)の根元に付着するカラー剤に対しても、水或いは洗浄液を十分に宛がう(浸漬させる)ことが可能となる。さらに、このようにブラシ部を清掃、洗浄した後に、再び、ブラシ部をブラシ本体に装着することで、カラー剤を塗布することができる。
【0034】
なお、このようなヘアダイブラシに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改良等行われたものも広く包含するものである。
【0035】
また、ブラシ部は、複数の毛束或いはブリッスルを支持する支持部を備え、ブラシ本体に装着前では複数の毛束或いはブリッスルが支持部の両側に支持されながら支持部と共に展開され、ブラシ本体に装着後では、毛束或いはブリッスルが支持部の両側を基点としてU字状に起毛されることが好ましい。このように構成されることによって、複数の毛束或いはブリッスルの根元にカラー剤が付着した状態であっても、ブラシ本体からブラシ部を取り外した際に、ブラシ部が展開した状態となるため複数の毛束或いはブリッスルの根元が、より露出しやすくなり、そのより露出した根元を清掃、洗浄しやすくなる。すなわち、ブラシ本体に装着前では、ブラシ部は、複数の毛束或いはブリッスルが支持部の両側に支持されながら支持部と共に展開され、平面状にその形状が保持されるため、清掃、洗浄しやすい状態となり、ブラシ本体に装着後では、毛束或いはブリッスルが支持部の両側を基点としてU字状に起毛するように変形されることで、カラー剤を塗布しやすく、更に装着時にブラシ本体へのブラシ部の取り付けが安定し、がたついて塗布作業に支障が生じることも防ぐことができる。
【0036】
具体的には、ブラシ本体に装着前では、たとえば、図3Aに示されるように、ブラシ部3は、複数の毛束或いはブリッスル13を支持する支持部11を備え、複数の毛束或いはブリッスル13が支持部11の両側に支持されながら支持部と共に展開され、平面状にその形状が保持され、ブラシ本体に装着後では、たとえば、図2に示されるように、毛束或いはブリッスル13が、支持部11の両側(11a,11b)を基点として、U字状に起毛できる。このように、ブラシ部が装着前後(ブラシ本体への着脱前後)で、その形状を(平面的形状―立体的形状)変化させることができるため、使用時には、ブラシ部がU字状の立体的形状となるため、カラー剤を塗布しづらいといった使用感を低減させることもない。さらに、使用後には、ブラシ部をブラシ本体から取り外すことにより、図3Aに示されるように、ブラシ部の毛束或いはブリッスルが支持部に支持されながら展開した状態となり、ブラシ部の毛束或いはブリッスルが支持部に支持されている根元部分を、立体的形状に起毛させた際に、内側に位置する毛束或いはブリッスル(たとえば、図1Dに示される矢印A、B間の中央付近に位置する毛束或いはブリッスル)を、(展開時に)露出でき、加えてブラシ部3の表裏の面(図3Aに示されるブラシ部の表と裏の面)で露出できるため、より洗浄しやすくなる。
【0037】
なお、この装着前に展開し、装着後に立体的形状になるようブラシ部を形成するには、ブラシ部を構成する支持部が、押圧により変形する材質(たとえば、ゴム等の弾性部材、薄いアルミ板、形状記憶合金等)等から形成されることで、後述の固定棒等の物理的な応力を加えると支持部が変形し、展開状態から起毛状態にすることが可能となるブラシ部を形成できる。また、前述のような材質からなる支持部を備えさせ、後述のように装着溝(さらにはロック機構等)をブラシ本体に形成して、前述の展開したブラシ部を人力等によって変形させてもよい。また、ブラシ部が装着前では展開した状態であって、装着時に毛或いはブリッスル等が起毛するように変形させた後、ブラシ部をブラシ本体から取り外した際に、起毛した状態が継続しても、更に人力等によってブラシ部が展開した状態に変形可能であれば、本実施形態の構成に含まれる。
【0038】
また、ブラシ部の毛束或いはブリッスルを支持部に支持させる方法(取り付け方法)は、たとえば、支持部にブラシ部の毛束或いはブリッスルを溶融融着して形成する方法、接着剤等を介して接着する方法等を例示できるが、これらの方法に限定されるものではなく、公知の方法等により支持(取り付け)させてもよい。また、図2に示されるように、ブラシ部に支持させる毛束或いはブリッスルが、支持部の長さ方向を中心として、両方向に対象になるように植毛されているものが好ましいが、これに限定されず非対称に植毛量を調製して植毛されてもよい。
【0039】
さらに、支持部には、複数の毛束或いはブリッスルの根元が露出可能な開閉機構が設けられていることがより好ましい。複数の毛束或いはブリッスルの根元が露出可能な開閉機構が設けられると、洗浄の際に、複数の毛束或いはブリッスルの根元を十分に水或いは洗浄液を宛がう(浸漬させる)ことができ、付着したカラー剤を容易に且つ十分に、清掃し、洗い落とすことができるからである。たとえば、前述のようにブラシ本体に、装着前に展開し、装着後に立体的形状になるようブラシ部として構成される場合、或いは、後述のように、ブラシ本体に装着前後を通して立体的に起毛されているブラシ部として構成される場合にも、開閉機構が設けられることによって、洗浄の際に、水或いは洗浄液を宛がいやすくなり(浸漬させやすくなり)、付着したカラー剤を容易に且つ十分に、清掃し、洗い落とすことができるため好ましい。
【0040】
具体的には、図5A、5Bに示されるような開閉機構を備えるブラシ部を一例として挙げることができる。具体的には、図5Aに示されるような、毛束或いはブリッスルを支持する支持部11の一面11c側が開閉し、支持部に支持される毛束或いはブリッスルが露出するように形成されると、根元部分(支持部材との境界領域にある毛束或いはブリッスル)に付着したカラー剤をより清掃、洗浄しやすくなる。ただし、一面側を開閉可能にする場合には、反対側の面は開放しないように形成されていることが好ましい。毛束或いはブリッスルを確実に支持部材に支持させるためである。なお、この開閉機構は、前述の一面側の一部と、支持部材の残部とをビス等で開閉可能に形成することで、開閉を行うことができるが、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、公知の開閉機構によって行ってもよい。
【0041】
また、ブラシ部が、ブラシ本体に装着前後を通して立体的に起毛されていることも好ましい形態の一つである。少なくとも着脱可能であるため、カラー剤を塗布した使用後にブラシ本体から取り外すことができ、洗浄しやすいといった本発明の効果を奏することができる。
【0042】
具体的には、図2に示すように、装着前後を通してブラシ部3の毛束或いはブリッスル13が、支持部11の両端11a、11bから起毛し、支持部を含めてブラシ部がU字状に起毛しているブラシ3を例示できる。また、図7D〜7Fに示されるようなブラシ部3であってもよい。
【0043】
なお、前述の「立体的に起毛されている」とは、厳密な意味ではなく、支持部を基点に毛束或いはブリッスルが起毛している状態を意味するものであって、たとえば、V字状であっても、緩やかな弧を描いた半弧状であっても(図7D参照)、三角状であっても(図7E参照)であってもよい。さらに、側面視した際に、装着溝と相対する底面側から支持部の一部が、鈍角的に起立する状態であってもよい(図7F参照)。
【0044】
ブラシ部のブラシ本体への装着は、後述するように、ブラシ本体に装着溝を形成して、その溝内にブラシ部に形成する支持部等を挿入して装着するもの、又は、後述の固定棒、ロック機構を用いて装着すると、安定的にブラシ本体に取り付けできる上、着脱容易となるから好ましい。ただし、装着溝を形成せずに、ブラシ本体にロック機構を設けて装着してもよい。
【0045】
[1−2]ブラシ本体:
本実施形態のヘアダイブラシは、ブラシ本体の違いによって、所謂(1)櫛タイプと、(2)はけタイプに大別することができる。
【0046】
[1−2−1]櫛タイプ:
本実施形態におけるヘアダイブラシが、(1)櫛タイプである場合には、たとえば、図1Aに示されるようなヘアダイブラシを例示でき、ブラシ本体5は、ブラシ部3を除いた全て(ヘアダイブラシからブラシ部を除いた残余の部分)となる。ここで、図1Aに示される櫛部7は、ブラシ部3によって、毛髪カラー剤を毛髪に塗布した後に、さらに、この櫛部7によって、毛髪を梳かすことで、頭部表面に位置する毛髪だけでなく、表面に位置する毛髪に隠された毛髪にもカラー剤を十分に塗布できるように、この櫛部を用いて梳かしながら、カラー剤を浸透させる役割を果たすものである。また、持ち手9(9a)は、ヘアダイブラシの持ち手となる。
【0047】
なお、前述の例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、改良等されたものも、本発明に含まれる。
【0048】
[1−2−2]はけタイプ:
本実施形態におけるヘアダイブラシが、(2)はけタイプである場合には、たとえば、図7Aに示されるようなヘアダイブラシを例示でき、ブラシ本体は、ブラシ部3を除いた全て(ヘアダイブラシからブラシ部を除いた残余の部分)となる。ここで、図7Aに示される持ち手9(9b)は、ヘアダイブラシの持ち手である。
【0049】
[1−3]装着溝:
また、ブラシ本体には、ブラシ部を装着するための装着溝が形成されていることが好ましい。このように装着溝が形成されると、ブラシ部をブラシ本体に安定的に保持させやすいため好ましい。装着溝としては、たとえば、ブラシ本体にレール状の凹型溝等を挙げることができる。
【0050】
また、たとえば、装着溝としては、図1Aに示されるようなヘアダイブラシ(櫛タイプ)の場合には、図1B、図1Cに示されるような装着溝15aを例示でき、また、図7Aに示されるようなヘアダイブラシ(はけタイプ)の場合には、図7B、図7Cに示されるような装着溝15bを例示できる。また、このような装着溝を形成する場合には、図1Aに示されるようなヘアダイブラシ(櫛タイプ)の場合には、ブラシ部の支持部が、前述の装着溝に嵌め込み可能となるように、図2に示されるような凸状に形成されていること、或いは、装着前に凸状に変形可能であることが好ましく、図7Aに示されるようなヘアダイブラシ(はけタイプ)の場合にも、図7B、7Cに示されるように、ブラシ部の支持部が凸状に形成されていること、或いは、装着前に凸状に変形可能であることが好ましい。このような例として、図7D、図7E、図7Fのブラシ部を例示できる。なお、前述のような装着溝を、はけタイプ、櫛タイプに適宜組み合わせたものも広く本発明に含まれる。
【0051】
なお、ブラシ部を図7Dに示されるような緩やかな弧を描いた半弧状であるブラシ部3aのように形成する場合に、装着溝を、図7Dに示される装着溝15cのように、緩やかな弧を描いた半弧状に形成することで、ブラシ部の抜けを防ぐことができる。また、同様に、図7Eに示されるような三角状にブラシ部を形成する場合に、装着溝を、図7Eに示される装着溝15dのように、或いは、図7Fに示されるような側面視した際に、装着溝と相対する底面側から支持部の一部が、鈍角的に起立する状態にブラシ部を形成する場合に、装着溝を、図7Fに示されるように形成することで、ブラシ部の抜けを防ぐことができるため好ましい。このように凸状に形成されていること、或いは、装着前に凸状に変形可能であることによって、ブラシ本体へのブラシ部の着脱を容易に行うことができ、更に、ブラシ本体への装着時に安定性を備えることできるため、使い勝手を損なわずに、作業効率を向上させることができる。なお、図7D、図7Eは、ブラシ部を側面方向からみた模式図である。
【0052】
ブラシ部及びブラシ本体の、夫々の当接面が滑らかな曲面を少なくとも備えていることが好ましい。このように形成されることで、装着溝を形成した際のがたつき等の不具合を生じさせず、更に後述の固定棒、ロック機構等により、ブラシ部をブラシ本体に装着した際に、ブラシ部がブラシ本体に分離可能に一体化しやすいため、カラー剤を毛髪に塗布する際に、安定して塗布作業を行うことができる。他方、ブラシ部とブラシ本体との当接面が滑らかな局面を有していないと、塗布作業時に、ブラシ部がブラシ本体から取れてしまったり、取れないまでもがたついたりして安定しないため、使い勝手が悪くなるから好ましくない。
【0053】
さらに、装着溝は、ブラシ部が装着溝の長さ方向にスライド可能になるように形成されていることが好ましい。すなわち、ブラシ本体にはブラシ部がスライド可能になるような装着溝が形成されることで、ブラシ部を装着溝にスライドさせて着脱でき、着脱容易となり、洗浄作業等を向上させることができる。さらに、使い勝手をよくできるため好ましい。
【0054】
[1−4]固定棒:
さらに、ブラシ部が、ブラシ本体に固定棒を介して押圧固定されることが好ましい。このように、固定棒を設けることにより、ブラシ部を確実にブラシ本体に固定できるため、ブラシ部を着脱可能にしたことに伴い、塗布時誤って、ブラシ本体からブラシ部が落下したり、落下に伴い衣服等をカラー剤で汚したり等の支障を防ぐことができるため、好ましい。
【0055】
具体的には、ブラシ部が、ブラシ本体への装着前に図3Aに示されるような展開した状態である場合には、図3Bに示されるような固定棒17を用意する。次に、図3Cに示されるように、ブラシ部をブラシ本体に形成した装着溝に嵌め込みし、ブラシ部を構成する毛束或いはブリッスルの間に、図3Cに図示されるように上部方向から固定棒を押し込み、更に、そのまま装着溝に、毛束或いはブリッスルを介して固定棒を押し込み、図3Dに示されるようにブラシ部を固定する。また、ブラシ部が、ブラシ本体への装着前後を通して、図2に示されるような立体的に起毛した状態である場合には、そのままブラシ部を図1Dに示されるように、装着溝に取り付けて、前述と同様に、図3Cに図示されるようにブラシ部を構成する毛束或いはブリッスルの間に、上部方向から固定棒を押し込み図3Dに示されるように固定するとよい。
【0056】
なお、本実施形態における固定棒の形状としては、ブラシ部をブラシ本体に固定可能な形状であれば特に限定されるものではなく、たとえば、固定棒の断面形状が、円形、楕円形、矩形、三角形等などが広く含まれる。また、固定棒の寸法は、前述と同様に、ブラシ部をブラシ本体に固定可能であれば、ブラシ部をブラシ本体に固定する際に、装着溝に収納できる長さ寸法に形成されてもよいし、固定棒の一部が装着溝に収納されないものであってもよい。また、固定棒の太さ寸法は、装着溝に収納可能な寸法であれば、ブラシ部をブラシ本体に固定する前の断面寸法が装着溝の幅寸法より大きく、ブラシ部をブラシ本体に押圧固定した際の断面寸法が装着溝の幅寸法より小さくなる等のように、ある程度の伸縮性を備えるものであってもよい。
【0057】
[1−5]ロック機構:
さらに、ブラシ本体にはロック機構が設けられ、ブラシ部をロック可能であることが好ましい。ブラシ本体にロック機構が設けられることによって、装着時ブラシ部を安定的にブラシ本体に取り付けできるため、使用時に不意にブラシ部がブラシ本体から外れること、さらには、ブラシ部が不安定的にブラシ本体に取り付けされて、カラー剤を塗布する際にブラシ部ががたついて塗布作業に支障が生じることもなくなるため好ましい。
【0058】
具体的には、前述のような固定棒をロックできるように、装着溝の長さ方向の両端にロック機構を形成することが好ましい。このように、ロック機構をブラシ本体に設けることにより、固定棒を確実に保持させることができるため、ブラシ部の抜け落ちを防ぐことができる。たとえば、図3Eに示されるように、固定棒17の一端をロック機構19でロックして固定棒を固定する。ロックされた固定棒17は、図3Fに示されるように、ロック機構19に設けられたフランジ部19aにひっかかるため、ロック機構から外れず、固定棒17を介してブラシ部がブラシ本体に固定されることになる。さらに、この固定棒17をロック機構にロックされた状態を解除するには、図3Gに示されるように、フランジ部19aの他端側に形成されるフランジ部19bを下側に押すことにより、フランジ部19aが固定棒17から上方側に持ち上がることで離れるため、図3Hに示されるように、固定棒17を装着溝から取りはず事ができ、ブラシ部もブラシ本体から取り外すことができる。
【0059】
なお、前述のフランジ部は、固定棒(固定棒の先端)が引っ掛かるように形成されるものであればよく、また、ロック機構にフランジ部を設ける場合における、固定棒の先端(の形状等)についても、同様に、前述のフランジ部が引っ掛かるように形成されるものであれば、図3E〜図3Hに示されるような形状等に限定されるものではない。
【0060】
また、固定棒が、ブラシ本体の一端を支点として回動可能に構成されるとともに、前記ブラシ部を押圧固定可能に形成されていることも好ましい形態の一つである。このように、ブラシ本体の一端を支点とすることにより、着脱時に固定棒を落としたりすることもなく、スムーズにブラシ部を取り付けることができ、作業性を向上できる。さらに、固定棒が、ブラシ本体の一端を支点として回動可能に構成されるとともに、前記ブラシ部を押圧固定しながら前記装着溝に収納可能に形成されていることも好ましい形態の一つである。装着溝に収納可能に形成されていることによって、過って押圧固定している固定棒の、押圧固定が解除されて、ブラシ部が抜け落ちるなどの弊害を無くすことができる。すなわち、意図的な固定棒の固定解除以外の誤操作を防ぐことができる。
【0061】
具体的には、図4に示されるように、固定棒17が、ブラシ本体5の一端にビス5d等によって回動可能に取り付けられ、ブラシ部3をブラシ本体5に取り付けた後(装着溝が形成されている場合には、装着溝にブラシ部を取り付けた後)、図4に示される矢印方向に固定棒17を回動させて、ブラシ部をブラシ本体5に押圧固定し、装着溝に固定棒を収納すると、カラー剤を塗布する際に、固定棒が邪魔にならず、更に、着脱時に固定棒を落としたりすることもなく、スムーズにブラシ部を取り付けることができ、作業性を向上できる。
【0062】
ただし、固定棒が、後述のようにブラシ部と一体化したものであってもよい。すなわち、ブラシ部には、複数の毛束或いはブリッスルを溶着固定した支持部が形成され、さらに、中央溶着部には固定棒が組み込まれて一体化形成され、或いは、支持部が固定棒を兼ねた形状として形成されているものも好ましい形態の一である。このように構成されることで、ブラシ部を確実にブラシ本体に固定できるため好ましい。
【0063】
たとえば、図6に示されるように、固定棒17をブラシ部3に設けられる支持部の中央に一体化させて、装着時に図2に示されるように、ブラシ部をU字状に変形させて、ブラシ本体に装着させる場合には、装着時に固定棒を過って落としてしまうこともなくなり、ブラシ本体へのブラシ部の装着安定性が向上するため好ましい。
【0064】
[1−6]ブラシ部のその他の構成:
また、ブラシ部の毛あるいはブリッスルが、樹脂或いは金属を樹脂コートした素材から形成されていることも好ましい形態の一つである。本実施形態では、ブラシ部の根元に付着したカラー剤を洗浄しやすいものとなっているが、さらに、ブラシ部の毛あるいはブリッスルが樹脂或いは金属を樹脂コートした素材から形成されることによって、カラー剤が付着しにくくなるため好ましい。
【0065】
また、固定棒の代わりに、ブラシ部の一部にブラシ本体に取り付け可能な突起等を設けて、ブラシ部をブラシ本体に取り付けしてもよい。具体的には、図8A、8B、9A、9B、9C、9Dに示されるように、(ブラシ部の)支持部先端に球状突起を設けて、ブラシ本体側に設けた穴に弊害を無くすことができる。ここで、図8Aは、ブラシ部の球状突起をブラシ本体の差込み口に挿入した後の状態を模式的に示す図であって、一部省略して示す斜視図であり、図8Bは、図8Aのブラシ部の球状突起をブラシ本体の差込み口に挿入した後の状態を模式的に示す図であって、一部省略して示す斜視図である。また、図9A、9Cは、ブラシ本体の支持部先端に形成される差込み口5aを模式的に示すとともに、ブラシ部本体の支持部先端に相対するブラシ部の一部に球状突起4を設けた状態を模式的に示す斜視図であって、一部省略したものである。このように、ブラシ部本体の支持部先端に差込み口5aを形成し、ブラシ部の球状突起4を差込み口5aに圧入することで、ブラシ部が装着溝の長さ方向に固定されやすくなるため、使用時等のブラシ部の抜けを防ぐことができる。また、図9Aに示されるような穴構造からなる差込み口5aに限定されず、たとえば、図9B、9Dに示されるような、(ブラシ本体の支持部先端に形成される)上端部Wのように、一部開口している差込み口5bを形成することも好ましい形態の一つである。このような一部開口している差込み口5bであっても、ブラシ部が装着溝の長さ方向に固定されやすくなり、使用時等のブラシ部の抜けを防ぐことができる。加えて、前述のような図7D〜7Fのブラシ部(ブラシ部3a〜3c)に、このような球状突起4を設け、さらに、ブラシ本体の支持部先端に、図7D〜7Fに示されるような装着溝15c〜15eを設けるとともに、差込み口5a、5bを設けることによって、さらに確実に使用時等のブラシ部の抜けを防ぐことができるため好ましい。
【0066】
[2]ブラシカートリッジ:
さらに、これまで説明したヘアダイブラシを構成する前記ブラシ部は、ブラシカートリッジとして構成されることが好ましい。すなわち、ブラシカートリッジが、前述のようなブラシ部の特徴を備えるものであること好ましい。ブラシ部が交換可能なブラシカートリッジとして構成されることによって、頻繁の使用等によりブラシ部が痛んでしまった場合にも、ブラシ部を交換することで、再び使用できるため、ヘアダイブラシ全体を変えるよりも経済的である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
上述の通り、本発明はヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジに好適に利用できる。すなわち、本発明によれば、カラー剤を塗布して汚れたブラシ部の根元まで洗浄容易となるほか、洗浄液に浸け置いてまとめ洗いができるなど洗浄効果と作業性を向上できるヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジを提供できる。とりわけ、ワンタッチでブラシ部を着脱可能となり、ブラシ部のみの交換も可能なため、経済的にも環境保護の面でも優れたヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジである。
【符号の説明】
【0068】
1A、1B:ヘアダイブラシ、3:ブラシ部、4:(ブラシ部の)球状突起、5:ブラシ本体、5a、5b:差込み口、7:櫛部、9a、9b:取っ手、11:支持部、11a,11b:支持部の両側(支持部の両端)、11c:(支持部の)一面、13:毛束或いはブリッスル、15a,15b:装着溝、17:固定棒、19:ロック機構、19a:フランジ部、A,B,Q,X1、X2、X3:矢印、W:(ブラシ本体の)上端部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、毛髪にカラー剤を塗布するためにヘアダイブラシが使用されている。
【0003】
これまでのヘアダイブラシとしては、櫛を備える櫛タイプ(所謂2wayブラシ)のもの、或いは、刷毛櫛を備えないはけタイプのものが見られるが、いずれのヘアダイブラシも、カラー剤を毛髪に塗布するために使用されるという点で共通する。
【0004】
ところで、このような従来のヘアダイブラシを使用して毛髪カラー剤を毛髪に塗布する場合、ブラシの根元にカラー剤が付着してしまい、洗浄しづらいという問題が生じていた。すなわち、ブラシを構成する毛或いはブリッスルが表面に露出している箇所では、その根元部分も表面に露出し洗浄可能ではあるが、その表面に露出した毛或いはブリッスルに隠れた、奥まった位置に配置される(植毛される)毛或いはブリッスの根元は、前述の表面に露出した毛或いはブリッスルによって洗浄の際に遮蔽されるため、清掃、洗浄(以下適宜「洗浄等」という)しづらいという問題が生じている。
【0005】
たとえば、図10A、10Bに示されるような従来のヘアダイブラシでは、表面に露出した毛或いはブリッスルなどの根元(たとえば、X1,X2に位置する毛或いはブリッスルなどの根元)に付着したカラー剤を洗浄等することは容易でなくても可能であるが、表面に露出せずに奥まった箇所に植毛されている毛或いはブリッスルなどの根元(たとえば、X3に位置する毛或いはブリッスルなどの根元)では、清掃、洗浄時にX1,X2に位置する毛或いはブリッスルに遮蔽されてしまい、邪魔となり洗浄等が十分できなかった。そのため、カラー剤が付着したままの状態となり、その結果、次にその従来のヘアダイブラシを再び使用する際に、洗浄等が不十分で残留したままのカラー剤が、いわゆる「だま」となりやすく、カラー剤を毛髪に均質に塗布できないといった弊害を生じさせやすい。或いは、そのような「だま」が毛髪に付着してしまう虞も高く支障が生じやすいといった問題が生じていた。したがって、このような支障を避けるために、1回使用する毎に、ヘアダイブラシを使い捨てして、新しいヘアダイブラシにより塗布作業を行うことも通常行われているが、コスト面及び環境面からも好ましくなく、早急な改善が求められている。
【0006】
このような問題に対して、以下のような特許文献1、2がある。
【0007】
特許文献1では、ブラシ毛間に毛髪が挟まりにくく、小さな力でブラッシングができ、ブラシ毛が頭皮に到達しやすいヘアブラシを提供することを目的に、ブラシ部を構成する毛或いはブリッスルを押さえて二つ折りにして植毛する、所謂ブラシ機構を備えるブラシが開示されている。
【0008】
さらに、特許文献2では、付着した髪の毛やゴミが簡単に除去できると共に、その後の手入れが容易である掃除具付きヘアブラシを提供することを目的に、ブラシ根元に回動部材を組み込み、これを押し上げて回動させる所謂回動機構を備えるブラシが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−319217号公報
【特許文献2】実用新案登録第3140806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1では、ブラシ部をブラシ本体(ブラシ部を除いたブラシの残部)に着脱可能とするものではなく、ブラシ部のみをブラシ本体から取り外して洗浄等するものではない。すなわち、特許文献1では、清掃、洗浄する場合には、ブラシ本体と一体化した状態で、その作業を行う必要があるため、清掃、洗浄作業に効率が悪いものとなっている。とくに、カラー剤を塗布するためのヘアカラー剤用塗布ブラシでは、カラー剤が液体等からなるため、ブラシ表面に付着するだけでなく、折り重なったブラシの内部に配置される毛或いはブリッセルの根元部分に付着しやすく、そのような付着を除去するには、水又は洗浄液で濯ぐ必要がある。しかし、特許文献1に開示されるブラシでは、前述のような折り重なったブラシの内部に配置される毛或いはブリッスルの根元部分には、水又は洗浄液を十分当てづらいものとなっており、清掃、洗浄が不十分となりやすい。
【0011】
また、特許文献2では、回動機構は備えているものの、結局の所、ブラシ根元に付着した毛髪や毛あるいはブリッスルは固定されており、取り外し不可能に構成されているため、毛又はブリッスルを備えるブラシ部をのみを外して清掃、洗浄できないため、同様に毛或いはブリッセルの根元部分には、水又は洗浄液を十分に当てづらく、清掃、洗浄が不十分となりやすい。
【0012】
このように、特許文献1、2では、カラー剤を塗布して汚れたブラシ部、とくに奥まった位置に植毛されている毛あるいはブリッスルの根元等を十分に清掃、洗浄できず、清掃、洗浄作業も非効率なものとなっており、更なる改良が求められている。
【0013】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ブラシ本体とブラシ本体に取り付けられたブラシ部とを備え、ブラシ部がブラシ本体に着脱可能に構成されることにより、カラー剤を塗布して汚れたブラシ部の根元まで清掃、洗浄容易となるほか、洗浄液に浸け置いてまとめ洗いができるなど洗浄効果と作業性を向上できるヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジを提供するものである。とりわけ、ブラシ部をカートリッジタイプとすることにより、ワンタッチでブラシ部を着脱可能となり、ブラシ部のみの交換も可能なため、経済的にも環境保護の面でも優れている。さらに、ブラシ部、及びブラシ本体を容易に清掃できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明により、以下のヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジが提供される。
【0015】
[1] ブラシ本体と前記ブラシ本体に取り付けられたブラシ部とを備え、前記ブラシ部が前記ブラシ本体に着脱可能であるヘアダイブラシ。
【0016】
[2] 前記ブラシ部が、ブラシ本体に固定棒を介して押圧固定される[1]に記載のヘアダイブラシ。
【0017】
[3] 前記ブラシ部は、複数の毛束或いはブリッスルを支持する支持部を備え、前記ブラシ本体に装着前では前記複数の毛束或いはブリッスルが前記支持部の両側に支持されながら前記支持部と共に展開され、前記ブラシ本体に装着後では、前記毛束或いはブリッスルが前記支持部の両側を基点としてU字状に起毛される[1]又は[2]に記載のヘアダイブラシ。
【0018】
[4] 前記ブラシ部が、前記ブラシ本体に装着前後を通して立体的に起毛されている[1]又は[2]に記載のヘアダイブラシ。
【0019】
[5] 前記支持部には、複数の毛束或いはブリッスルの根元が露出可能な開閉機構が設けられている[3]又は[4]に記載のヘアダイブラシ。
【0020】
[6] 前記ブラシ本体には、前記ブラシ部を装着するための装着溝が形成されている[1]〜[5]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0021】
[7] 前記ブラシ部及び前記ブラシ本体の、夫々の当接面が滑らかな曲面を少なくとも備えている[1]〜[6]のいずれかにヘアダイブラシ。
【0022】
[8] 前記装着溝は、前記ブラシ部が前記装着溝の長さ方向にスライド可能になるように形成されている[1]〜[7]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0023】
[9] さらに、前記ブラシ本体にはロック機構が設けられ、前記ブラシ部をロック可能である[6]〜[8]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0024】
[10] 前記固定棒が、前記ブラシ本体の一端を支点として回動可能に構成されるとともに、前記ブラシ部を押圧固定可能に形成されている[6]〜[9]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0025】
[11] 前記支持部には前記固定棒が組み込まれて一体化形成され、或いは、前記支持部が前記固定棒を兼ねた形状として形成されている[6]〜[9]のいずれかに記載のヘアダイブラシ。
【0026】
[12] [1]〜[11]のいずれかに記載のヘアダイブラシを構成する前記ブラシ部であるブラシカートリッジ。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ブラシ本体とブラシ本体に取り付けられたブラシ部とを備え、ブラシ部がブラシ本体に着脱可能に構成されることにより、カラー剤を塗布して汚れたブラシ部の根元まで清掃、洗浄容易となるほか、洗浄液に浸け置いてまとめ洗いができるなど洗浄効果と作業性を向上できるヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジを提供できるといった優れた効果を奏するものである。とりわけ、ブラシ部をカートリッジタイプとすることにより、ワンタッチでブラシ部を着脱可能となり、ブラシ部のみの交換も可能なため、経済的にも環境保護の面でも優れている。さらに、ブラシ部、及びブラシ本体を容易に清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明のヘアダイブラシの一実施形態を示す模式図であって、正面図である。
【図1B】図1Aのヘアダイブラシの模式図であって、装着部を部分的に拡大するとともに一部省略して示した斜視図である。
【図1C】図1Aのヘアダイブラシの模式図であって、ブラシ部を部分的に拡大するとともに一部省略して示した側面図である。
【図1D】図1Aのヘアダイブラシの模式図であって、ブラシ部を部分的に拡大するとともに一部省略して示した斜視図である。
【図2】ブラシ部を部分的に拡大するとともに一部省略して示した斜視図であって模式図である。
【図3A】ブラシ部の別の形態を示すものであって、展開した状態を模式的示した平面図である。
【図3B】図3Aのブラシ部と、本発明のヘアダイブラシの一部を模式的に示すものであって、発明のヘアダイブラシに装着される状態を示す斜視図である。
【図3C】図3Aのブラシ部が起立した状態で本発明のヘアダイブラシに装着される状態を模式的示した斜視図である。
【図3D】図3Cに示される矢印Q方向からみた、ブラシ部と、本発明のヘアダイブラシとの一部を模式的に示す側面図である。
【図3E】固定棒と、ブラシ本体に形成されるロック機構の一部とを模式的に示す部分拡大斜視図である。
【図3F】図3Eの固定棒と、ブラシ本体に形成されるロック機構の一部とを模式的に示す部分拡大断面図である。
【図3G】図3Fの固定棒と、ブラシ本体に形成されるロック機構の一部とを模式的に示すとともに、ロック機構から固定棒を取り外す(ロック解除する)際の状態を示す部分拡大断面図である。
【図3H】図3Fの固定棒と、ブラシ本体に形成されるロック機構の一部とを模式的に示すとともに、ロック機構から固定棒を取り外す(ロック解除する)際の状態を示す部分拡大断面図である。
【図4】ブラシ部と本発明のヘアダイブラシの一部を模式的に示すものであって、ブラシ本体に固定棒の一体を支持させる回動機構を設けた状態を示す斜視図である。
【図5A】ブラシ部を構成する支持部に設けた開閉機構を模式的に示す平面図であって、展開図である。
【図5B】図5Aの開閉機構を開閉させて、ブラシ部を構成する毛(毛束)又はブリッセルの根元を露出させた状態を模式的に示す平面図であって、展開図である。
【図6】ブラシ部の別の形態を模式的に示す平面図であって、ブラシ本体へ装着前ブラシ部(の支持部に)固定棒を一体化させた状態を示す展開図である。
【図7A】本発明のヘアダイブラシの別の実施形態を示す模式図であって、正面図である。
【図7B】図7Aのヘアダイブラシのブラシ本体に、ブラシ部を取り付ける状態を模式的に示す分解斜視図である。
【図7C】図7Bのブラシ本体及びブラシ部を部分的に拡大するとともに、一部省略して模式的に示す分解斜視図である。
【図7D】ブラシ部の別の形態と、装着溝を示す斜視図であって、一部省略して模式的に示す図である。
【図7E】ブラシ部の別の形態と、装着溝を示す斜視図であって、一部省略して模式的に示す図である。
【図7F】ブラシ部の別の形態と、装着溝を示す斜視図であって、一部省略して模式的に示す図である。
【図8A】ブラシ部及びブラシ本体の別の形態を斜視図であって、ブラシ部の球状突起をブラシ本体の差込み口に挿入する前の状態を模式的に示す図であって、一部省略して示す斜視図である。
【図8B】図8Aのブラシ部の球状突起をブラシ本体の差込み口に挿入した後の状態を模式的に示す図であって、一部省略して示す斜視図である。
【図9A】図8A、8Bのブラシ部及びブラシ本体の一部拡大図であって、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図9B】図8A、8Bのブラシ部及びブラシ本体の別の形態であって、夫々を一部拡大するとともに、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図9C】図9Aのブラシ部及びブラシ本体の一部拡大図であって、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図9D】図9Bのブラシ部及びブラシ本体の一部拡大図であって、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図10A】従来のヘアダイブラシを部分的に拡大し、一部省略して模式的に示す斜視図である。
【図10B】図10Aの従来のヘアダイブラシを、部分的に拡大し一部省略してZ方向から見た状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明のヘアダイブラシ、ブラシカートリッジを実施するための形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備えるヘアダイブラシ、ブラシカートリッジを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0030】
[1]本発明のヘアダイブラシの構成:
本発明のヘアダイブラシは、図1A、図7Aに示されるように、ブラシ本体5とブラシ本体5に取り付けられたブラシ部3とを備え、ブラシ部3がブラシ本体5に着脱可能であるヘアダイブラシ1(1A,1B)として構成されている。
【0031】
[1−1]ブラシ部:
本実施形態におけるブラシ部は、ブラシ本体に着脱可能である。洗浄の際に、ブラシ部をブラシ本体から取り外して洗浄できるため、ブラシ本体、特にブラシの根元(ブラシを構成する毛或いはブリッスルを支持する支持部11との境界近傍にある毛或いはブリッスルの一部(図2参照))に付着したカラー剤を容易に洗浄できる。ここで、ブラシ部は、毛髪を染色するため毛髪カラー剤を含浸させて毛髪に塗布する役割を担うものであるが、従来では、カラー剤の染色力が強いため、ヘアダイブラシの毛或いはブリッスルの根元についたカラー剤が落ちにくく、加えて、ブラシ部がブラシ本体から取り外しができないため、ブラシ部の根元に付着したカラー剤を除去するために洗浄しようとすると、ブラシ本体の取っ手(持ち手)等が邪魔となり、ブラシ部の根元を水又は洗浄液等で濯ぐ際に、十分にブラシ部の根元にあたらず、洗浄しづらい構造となっていた。そこで、本実施形態では、ブラシ部がブラシ本体に着脱可能な構成とすることによって、ブラシ部をブラシ本体から取り外してブラシ部の根元を水又は洗浄液等で十分に濯ぐことができるようにしたため、ブラシ部に付着したカラー剤を容易に洗い落とすことができる。
【0032】
ここで、「ブラシ本体」とは、ブラシ部を除いた全て(ヘアダイブラシからブラシ部を除いた残余)をいい、このブラシ本体には、持ち手などが含まれる。また、「毛髪カラー剤」とは、毛髪を染色するための染色剤であって、赤、青、黄色、緑、ブラウン等毛髪が本来有しない色を着色する染色剤や、白髪染め等公知の染色剤が広く含まれる。
【0033】
具体的には、図1Aに示されるように、ブラシ本体5にブラシ部3が取り付けられているヘアダイブラシ1Aを例示できる。このヘアダイブラシ1Aでは、カラー剤を塗布する際に、ブラシ本体5にブラシ部3を装着し、カラー剤を塗布した後には、ブラシ本体5からブラシ部3を取り外して、ブラシ本体5とは別に、ブラシ部3を水或いは洗浄液に宛がって(浸漬させて)濯ぐ(清掃、洗浄する)ことができる。とりわけブラシ部3の奥に植毛されている毛或いはブリッスルは、図1Dの矢印A、Bに示されるような表面側に植毛されている毛或いはブリッスルと比べて、折り重なった位置に配置され、表面側の毛或いはブリッスルに隠れた毛或いはブリッスル等(図では、矢印A,B間の中央に配置される毛或いはブリッスル)の根元に付着するカラー剤に対しても、水或いは洗浄液を十分に宛がう(浸漬させる)ことが可能となる。さらに、このようにブラシ部を清掃、洗浄した後に、再び、ブラシ部をブラシ本体に装着することで、カラー剤を塗布することができる。
【0034】
なお、このようなヘアダイブラシに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改良等行われたものも広く包含するものである。
【0035】
また、ブラシ部は、複数の毛束或いはブリッスルを支持する支持部を備え、ブラシ本体に装着前では複数の毛束或いはブリッスルが支持部の両側に支持されながら支持部と共に展開され、ブラシ本体に装着後では、毛束或いはブリッスルが支持部の両側を基点としてU字状に起毛されることが好ましい。このように構成されることによって、複数の毛束或いはブリッスルの根元にカラー剤が付着した状態であっても、ブラシ本体からブラシ部を取り外した際に、ブラシ部が展開した状態となるため複数の毛束或いはブリッスルの根元が、より露出しやすくなり、そのより露出した根元を清掃、洗浄しやすくなる。すなわち、ブラシ本体に装着前では、ブラシ部は、複数の毛束或いはブリッスルが支持部の両側に支持されながら支持部と共に展開され、平面状にその形状が保持されるため、清掃、洗浄しやすい状態となり、ブラシ本体に装着後では、毛束或いはブリッスルが支持部の両側を基点としてU字状に起毛するように変形されることで、カラー剤を塗布しやすく、更に装着時にブラシ本体へのブラシ部の取り付けが安定し、がたついて塗布作業に支障が生じることも防ぐことができる。
【0036】
具体的には、ブラシ本体に装着前では、たとえば、図3Aに示されるように、ブラシ部3は、複数の毛束或いはブリッスル13を支持する支持部11を備え、複数の毛束或いはブリッスル13が支持部11の両側に支持されながら支持部と共に展開され、平面状にその形状が保持され、ブラシ本体に装着後では、たとえば、図2に示されるように、毛束或いはブリッスル13が、支持部11の両側(11a,11b)を基点として、U字状に起毛できる。このように、ブラシ部が装着前後(ブラシ本体への着脱前後)で、その形状を(平面的形状―立体的形状)変化させることができるため、使用時には、ブラシ部がU字状の立体的形状となるため、カラー剤を塗布しづらいといった使用感を低減させることもない。さらに、使用後には、ブラシ部をブラシ本体から取り外すことにより、図3Aに示されるように、ブラシ部の毛束或いはブリッスルが支持部に支持されながら展開した状態となり、ブラシ部の毛束或いはブリッスルが支持部に支持されている根元部分を、立体的形状に起毛させた際に、内側に位置する毛束或いはブリッスル(たとえば、図1Dに示される矢印A、B間の中央付近に位置する毛束或いはブリッスル)を、(展開時に)露出でき、加えてブラシ部3の表裏の面(図3Aに示されるブラシ部の表と裏の面)で露出できるため、より洗浄しやすくなる。
【0037】
なお、この装着前に展開し、装着後に立体的形状になるようブラシ部を形成するには、ブラシ部を構成する支持部が、押圧により変形する材質(たとえば、ゴム等の弾性部材、薄いアルミ板、形状記憶合金等)等から形成されることで、後述の固定棒等の物理的な応力を加えると支持部が変形し、展開状態から起毛状態にすることが可能となるブラシ部を形成できる。また、前述のような材質からなる支持部を備えさせ、後述のように装着溝(さらにはロック機構等)をブラシ本体に形成して、前述の展開したブラシ部を人力等によって変形させてもよい。また、ブラシ部が装着前では展開した状態であって、装着時に毛或いはブリッスル等が起毛するように変形させた後、ブラシ部をブラシ本体から取り外した際に、起毛した状態が継続しても、更に人力等によってブラシ部が展開した状態に変形可能であれば、本実施形態の構成に含まれる。
【0038】
また、ブラシ部の毛束或いはブリッスルを支持部に支持させる方法(取り付け方法)は、たとえば、支持部にブラシ部の毛束或いはブリッスルを溶融融着して形成する方法、接着剤等を介して接着する方法等を例示できるが、これらの方法に限定されるものではなく、公知の方法等により支持(取り付け)させてもよい。また、図2に示されるように、ブラシ部に支持させる毛束或いはブリッスルが、支持部の長さ方向を中心として、両方向に対象になるように植毛されているものが好ましいが、これに限定されず非対称に植毛量を調製して植毛されてもよい。
【0039】
さらに、支持部には、複数の毛束或いはブリッスルの根元が露出可能な開閉機構が設けられていることがより好ましい。複数の毛束或いはブリッスルの根元が露出可能な開閉機構が設けられると、洗浄の際に、複数の毛束或いはブリッスルの根元を十分に水或いは洗浄液を宛がう(浸漬させる)ことができ、付着したカラー剤を容易に且つ十分に、清掃し、洗い落とすことができるからである。たとえば、前述のようにブラシ本体に、装着前に展開し、装着後に立体的形状になるようブラシ部として構成される場合、或いは、後述のように、ブラシ本体に装着前後を通して立体的に起毛されているブラシ部として構成される場合にも、開閉機構が設けられることによって、洗浄の際に、水或いは洗浄液を宛がいやすくなり(浸漬させやすくなり)、付着したカラー剤を容易に且つ十分に、清掃し、洗い落とすことができるため好ましい。
【0040】
具体的には、図5A、5Bに示されるような開閉機構を備えるブラシ部を一例として挙げることができる。具体的には、図5Aに示されるような、毛束或いはブリッスルを支持する支持部11の一面11c側が開閉し、支持部に支持される毛束或いはブリッスルが露出するように形成されると、根元部分(支持部材との境界領域にある毛束或いはブリッスル)に付着したカラー剤をより清掃、洗浄しやすくなる。ただし、一面側を開閉可能にする場合には、反対側の面は開放しないように形成されていることが好ましい。毛束或いはブリッスルを確実に支持部材に支持させるためである。なお、この開閉機構は、前述の一面側の一部と、支持部材の残部とをビス等で開閉可能に形成することで、開閉を行うことができるが、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、公知の開閉機構によって行ってもよい。
【0041】
また、ブラシ部が、ブラシ本体に装着前後を通して立体的に起毛されていることも好ましい形態の一つである。少なくとも着脱可能であるため、カラー剤を塗布した使用後にブラシ本体から取り外すことができ、洗浄しやすいといった本発明の効果を奏することができる。
【0042】
具体的には、図2に示すように、装着前後を通してブラシ部3の毛束或いはブリッスル13が、支持部11の両端11a、11bから起毛し、支持部を含めてブラシ部がU字状に起毛しているブラシ3を例示できる。また、図7D〜7Fに示されるようなブラシ部3であってもよい。
【0043】
なお、前述の「立体的に起毛されている」とは、厳密な意味ではなく、支持部を基点に毛束或いはブリッスルが起毛している状態を意味するものであって、たとえば、V字状であっても、緩やかな弧を描いた半弧状であっても(図7D参照)、三角状であっても(図7E参照)であってもよい。さらに、側面視した際に、装着溝と相対する底面側から支持部の一部が、鈍角的に起立する状態であってもよい(図7F参照)。
【0044】
ブラシ部のブラシ本体への装着は、後述するように、ブラシ本体に装着溝を形成して、その溝内にブラシ部に形成する支持部等を挿入して装着するもの、又は、後述の固定棒、ロック機構を用いて装着すると、安定的にブラシ本体に取り付けできる上、着脱容易となるから好ましい。ただし、装着溝を形成せずに、ブラシ本体にロック機構を設けて装着してもよい。
【0045】
[1−2]ブラシ本体:
本実施形態のヘアダイブラシは、ブラシ本体の違いによって、所謂(1)櫛タイプと、(2)はけタイプに大別することができる。
【0046】
[1−2−1]櫛タイプ:
本実施形態におけるヘアダイブラシが、(1)櫛タイプである場合には、たとえば、図1Aに示されるようなヘアダイブラシを例示でき、ブラシ本体5は、ブラシ部3を除いた全て(ヘアダイブラシからブラシ部を除いた残余の部分)となる。ここで、図1Aに示される櫛部7は、ブラシ部3によって、毛髪カラー剤を毛髪に塗布した後に、さらに、この櫛部7によって、毛髪を梳かすことで、頭部表面に位置する毛髪だけでなく、表面に位置する毛髪に隠された毛髪にもカラー剤を十分に塗布できるように、この櫛部を用いて梳かしながら、カラー剤を浸透させる役割を果たすものである。また、持ち手9(9a)は、ヘアダイブラシの持ち手となる。
【0047】
なお、前述の例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、改良等されたものも、本発明に含まれる。
【0048】
[1−2−2]はけタイプ:
本実施形態におけるヘアダイブラシが、(2)はけタイプである場合には、たとえば、図7Aに示されるようなヘアダイブラシを例示でき、ブラシ本体は、ブラシ部3を除いた全て(ヘアダイブラシからブラシ部を除いた残余の部分)となる。ここで、図7Aに示される持ち手9(9b)は、ヘアダイブラシの持ち手である。
【0049】
[1−3]装着溝:
また、ブラシ本体には、ブラシ部を装着するための装着溝が形成されていることが好ましい。このように装着溝が形成されると、ブラシ部をブラシ本体に安定的に保持させやすいため好ましい。装着溝としては、たとえば、ブラシ本体にレール状の凹型溝等を挙げることができる。
【0050】
また、たとえば、装着溝としては、図1Aに示されるようなヘアダイブラシ(櫛タイプ)の場合には、図1B、図1Cに示されるような装着溝15aを例示でき、また、図7Aに示されるようなヘアダイブラシ(はけタイプ)の場合には、図7B、図7Cに示されるような装着溝15bを例示できる。また、このような装着溝を形成する場合には、図1Aに示されるようなヘアダイブラシ(櫛タイプ)の場合には、ブラシ部の支持部が、前述の装着溝に嵌め込み可能となるように、図2に示されるような凸状に形成されていること、或いは、装着前に凸状に変形可能であることが好ましく、図7Aに示されるようなヘアダイブラシ(はけタイプ)の場合にも、図7B、7Cに示されるように、ブラシ部の支持部が凸状に形成されていること、或いは、装着前に凸状に変形可能であることが好ましい。このような例として、図7D、図7E、図7Fのブラシ部を例示できる。なお、前述のような装着溝を、はけタイプ、櫛タイプに適宜組み合わせたものも広く本発明に含まれる。
【0051】
なお、ブラシ部を図7Dに示されるような緩やかな弧を描いた半弧状であるブラシ部3aのように形成する場合に、装着溝を、図7Dに示される装着溝15cのように、緩やかな弧を描いた半弧状に形成することで、ブラシ部の抜けを防ぐことができる。また、同様に、図7Eに示されるような三角状にブラシ部を形成する場合に、装着溝を、図7Eに示される装着溝15dのように、或いは、図7Fに示されるような側面視した際に、装着溝と相対する底面側から支持部の一部が、鈍角的に起立する状態にブラシ部を形成する場合に、装着溝を、図7Fに示されるように形成することで、ブラシ部の抜けを防ぐことができるため好ましい。このように凸状に形成されていること、或いは、装着前に凸状に変形可能であることによって、ブラシ本体へのブラシ部の着脱を容易に行うことができ、更に、ブラシ本体への装着時に安定性を備えることできるため、使い勝手を損なわずに、作業効率を向上させることができる。なお、図7D、図7Eは、ブラシ部を側面方向からみた模式図である。
【0052】
ブラシ部及びブラシ本体の、夫々の当接面が滑らかな曲面を少なくとも備えていることが好ましい。このように形成されることで、装着溝を形成した際のがたつき等の不具合を生じさせず、更に後述の固定棒、ロック機構等により、ブラシ部をブラシ本体に装着した際に、ブラシ部がブラシ本体に分離可能に一体化しやすいため、カラー剤を毛髪に塗布する際に、安定して塗布作業を行うことができる。他方、ブラシ部とブラシ本体との当接面が滑らかな局面を有していないと、塗布作業時に、ブラシ部がブラシ本体から取れてしまったり、取れないまでもがたついたりして安定しないため、使い勝手が悪くなるから好ましくない。
【0053】
さらに、装着溝は、ブラシ部が装着溝の長さ方向にスライド可能になるように形成されていることが好ましい。すなわち、ブラシ本体にはブラシ部がスライド可能になるような装着溝が形成されることで、ブラシ部を装着溝にスライドさせて着脱でき、着脱容易となり、洗浄作業等を向上させることができる。さらに、使い勝手をよくできるため好ましい。
【0054】
[1−4]固定棒:
さらに、ブラシ部が、ブラシ本体に固定棒を介して押圧固定されることが好ましい。このように、固定棒を設けることにより、ブラシ部を確実にブラシ本体に固定できるため、ブラシ部を着脱可能にしたことに伴い、塗布時誤って、ブラシ本体からブラシ部が落下したり、落下に伴い衣服等をカラー剤で汚したり等の支障を防ぐことができるため、好ましい。
【0055】
具体的には、ブラシ部が、ブラシ本体への装着前に図3Aに示されるような展開した状態である場合には、図3Bに示されるような固定棒17を用意する。次に、図3Cに示されるように、ブラシ部をブラシ本体に形成した装着溝に嵌め込みし、ブラシ部を構成する毛束或いはブリッスルの間に、図3Cに図示されるように上部方向から固定棒を押し込み、更に、そのまま装着溝に、毛束或いはブリッスルを介して固定棒を押し込み、図3Dに示されるようにブラシ部を固定する。また、ブラシ部が、ブラシ本体への装着前後を通して、図2に示されるような立体的に起毛した状態である場合には、そのままブラシ部を図1Dに示されるように、装着溝に取り付けて、前述と同様に、図3Cに図示されるようにブラシ部を構成する毛束或いはブリッスルの間に、上部方向から固定棒を押し込み図3Dに示されるように固定するとよい。
【0056】
なお、本実施形態における固定棒の形状としては、ブラシ部をブラシ本体に固定可能な形状であれば特に限定されるものではなく、たとえば、固定棒の断面形状が、円形、楕円形、矩形、三角形等などが広く含まれる。また、固定棒の寸法は、前述と同様に、ブラシ部をブラシ本体に固定可能であれば、ブラシ部をブラシ本体に固定する際に、装着溝に収納できる長さ寸法に形成されてもよいし、固定棒の一部が装着溝に収納されないものであってもよい。また、固定棒の太さ寸法は、装着溝に収納可能な寸法であれば、ブラシ部をブラシ本体に固定する前の断面寸法が装着溝の幅寸法より大きく、ブラシ部をブラシ本体に押圧固定した際の断面寸法が装着溝の幅寸法より小さくなる等のように、ある程度の伸縮性を備えるものであってもよい。
【0057】
[1−5]ロック機構:
さらに、ブラシ本体にはロック機構が設けられ、ブラシ部をロック可能であることが好ましい。ブラシ本体にロック機構が設けられることによって、装着時ブラシ部を安定的にブラシ本体に取り付けできるため、使用時に不意にブラシ部がブラシ本体から外れること、さらには、ブラシ部が不安定的にブラシ本体に取り付けされて、カラー剤を塗布する際にブラシ部ががたついて塗布作業に支障が生じることもなくなるため好ましい。
【0058】
具体的には、前述のような固定棒をロックできるように、装着溝の長さ方向の両端にロック機構を形成することが好ましい。このように、ロック機構をブラシ本体に設けることにより、固定棒を確実に保持させることができるため、ブラシ部の抜け落ちを防ぐことができる。たとえば、図3Eに示されるように、固定棒17の一端をロック機構19でロックして固定棒を固定する。ロックされた固定棒17は、図3Fに示されるように、ロック機構19に設けられたフランジ部19aにひっかかるため、ロック機構から外れず、固定棒17を介してブラシ部がブラシ本体に固定されることになる。さらに、この固定棒17をロック機構にロックされた状態を解除するには、図3Gに示されるように、フランジ部19aの他端側に形成されるフランジ部19bを下側に押すことにより、フランジ部19aが固定棒17から上方側に持ち上がることで離れるため、図3Hに示されるように、固定棒17を装着溝から取りはず事ができ、ブラシ部もブラシ本体から取り外すことができる。
【0059】
なお、前述のフランジ部は、固定棒(固定棒の先端)が引っ掛かるように形成されるものであればよく、また、ロック機構にフランジ部を設ける場合における、固定棒の先端(の形状等)についても、同様に、前述のフランジ部が引っ掛かるように形成されるものであれば、図3E〜図3Hに示されるような形状等に限定されるものではない。
【0060】
また、固定棒が、ブラシ本体の一端を支点として回動可能に構成されるとともに、前記ブラシ部を押圧固定可能に形成されていることも好ましい形態の一つである。このように、ブラシ本体の一端を支点とすることにより、着脱時に固定棒を落としたりすることもなく、スムーズにブラシ部を取り付けることができ、作業性を向上できる。さらに、固定棒が、ブラシ本体の一端を支点として回動可能に構成されるとともに、前記ブラシ部を押圧固定しながら前記装着溝に収納可能に形成されていることも好ましい形態の一つである。装着溝に収納可能に形成されていることによって、過って押圧固定している固定棒の、押圧固定が解除されて、ブラシ部が抜け落ちるなどの弊害を無くすことができる。すなわち、意図的な固定棒の固定解除以外の誤操作を防ぐことができる。
【0061】
具体的には、図4に示されるように、固定棒17が、ブラシ本体5の一端にビス5d等によって回動可能に取り付けられ、ブラシ部3をブラシ本体5に取り付けた後(装着溝が形成されている場合には、装着溝にブラシ部を取り付けた後)、図4に示される矢印方向に固定棒17を回動させて、ブラシ部をブラシ本体5に押圧固定し、装着溝に固定棒を収納すると、カラー剤を塗布する際に、固定棒が邪魔にならず、更に、着脱時に固定棒を落としたりすることもなく、スムーズにブラシ部を取り付けることができ、作業性を向上できる。
【0062】
ただし、固定棒が、後述のようにブラシ部と一体化したものであってもよい。すなわち、ブラシ部には、複数の毛束或いはブリッスルを溶着固定した支持部が形成され、さらに、中央溶着部には固定棒が組み込まれて一体化形成され、或いは、支持部が固定棒を兼ねた形状として形成されているものも好ましい形態の一である。このように構成されることで、ブラシ部を確実にブラシ本体に固定できるため好ましい。
【0063】
たとえば、図6に示されるように、固定棒17をブラシ部3に設けられる支持部の中央に一体化させて、装着時に図2に示されるように、ブラシ部をU字状に変形させて、ブラシ本体に装着させる場合には、装着時に固定棒を過って落としてしまうこともなくなり、ブラシ本体へのブラシ部の装着安定性が向上するため好ましい。
【0064】
[1−6]ブラシ部のその他の構成:
また、ブラシ部の毛あるいはブリッスルが、樹脂或いは金属を樹脂コートした素材から形成されていることも好ましい形態の一つである。本実施形態では、ブラシ部の根元に付着したカラー剤を洗浄しやすいものとなっているが、さらに、ブラシ部の毛あるいはブリッスルが樹脂或いは金属を樹脂コートした素材から形成されることによって、カラー剤が付着しにくくなるため好ましい。
【0065】
また、固定棒の代わりに、ブラシ部の一部にブラシ本体に取り付け可能な突起等を設けて、ブラシ部をブラシ本体に取り付けしてもよい。具体的には、図8A、8B、9A、9B、9C、9Dに示されるように、(ブラシ部の)支持部先端に球状突起を設けて、ブラシ本体側に設けた穴に弊害を無くすことができる。ここで、図8Aは、ブラシ部の球状突起をブラシ本体の差込み口に挿入した後の状態を模式的に示す図であって、一部省略して示す斜視図であり、図8Bは、図8Aのブラシ部の球状突起をブラシ本体の差込み口に挿入した後の状態を模式的に示す図であって、一部省略して示す斜視図である。また、図9A、9Cは、ブラシ本体の支持部先端に形成される差込み口5aを模式的に示すとともに、ブラシ部本体の支持部先端に相対するブラシ部の一部に球状突起4を設けた状態を模式的に示す斜視図であって、一部省略したものである。このように、ブラシ部本体の支持部先端に差込み口5aを形成し、ブラシ部の球状突起4を差込み口5aに圧入することで、ブラシ部が装着溝の長さ方向に固定されやすくなるため、使用時等のブラシ部の抜けを防ぐことができる。また、図9Aに示されるような穴構造からなる差込み口5aに限定されず、たとえば、図9B、9Dに示されるような、(ブラシ本体の支持部先端に形成される)上端部Wのように、一部開口している差込み口5bを形成することも好ましい形態の一つである。このような一部開口している差込み口5bであっても、ブラシ部が装着溝の長さ方向に固定されやすくなり、使用時等のブラシ部の抜けを防ぐことができる。加えて、前述のような図7D〜7Fのブラシ部(ブラシ部3a〜3c)に、このような球状突起4を設け、さらに、ブラシ本体の支持部先端に、図7D〜7Fに示されるような装着溝15c〜15eを設けるとともに、差込み口5a、5bを設けることによって、さらに確実に使用時等のブラシ部の抜けを防ぐことができるため好ましい。
【0066】
[2]ブラシカートリッジ:
さらに、これまで説明したヘアダイブラシを構成する前記ブラシ部は、ブラシカートリッジとして構成されることが好ましい。すなわち、ブラシカートリッジが、前述のようなブラシ部の特徴を備えるものであること好ましい。ブラシ部が交換可能なブラシカートリッジとして構成されることによって、頻繁の使用等によりブラシ部が痛んでしまった場合にも、ブラシ部を交換することで、再び使用できるため、ヘアダイブラシ全体を変えるよりも経済的である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
上述の通り、本発明はヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジに好適に利用できる。すなわち、本発明によれば、カラー剤を塗布して汚れたブラシ部の根元まで洗浄容易となるほか、洗浄液に浸け置いてまとめ洗いができるなど洗浄効果と作業性を向上できるヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジを提供できる。とりわけ、ワンタッチでブラシ部を着脱可能となり、ブラシ部のみの交換も可能なため、経済的にも環境保護の面でも優れたヘアダイブラシ、及びブラシカートリッジである。
【符号の説明】
【0068】
1A、1B:ヘアダイブラシ、3:ブラシ部、4:(ブラシ部の)球状突起、5:ブラシ本体、5a、5b:差込み口、7:櫛部、9a、9b:取っ手、11:支持部、11a,11b:支持部の両側(支持部の両端)、11c:(支持部の)一面、13:毛束或いはブリッスル、15a,15b:装着溝、17:固定棒、19:ロック機構、19a:フランジ部、A,B,Q,X1、X2、X3:矢印、W:(ブラシ本体の)上端部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシ本体と前記ブラシ本体に取り付けられたブラシ部とを備え、
前記ブラシ部が前記ブラシ本体に着脱可能であるヘアダイブラシ。
【請求項2】
前記ブラシ部が、ブラシ本体に固定棒を介して押圧固定される請求項1に記載のヘアダイブラシ。
【請求項3】
前記ブラシ部は、複数の毛束或いはブリッスルを支持する支持部を備え、
前記ブラシ本体に装着前では前記複数の毛束或いはブリッスルが前記支持部の両側に支持されながら前記支持部と共に展開され、
前記ブラシ本体に装着後では、前記毛束或いはブリッスルが前記支持部の両側を基点としてU字状に起毛される請求項1又は2に記載のヘアダイブラシ。
【請求項4】
前記ブラシ部が、前記ブラシ本体に装着前後を通して立体的に起毛されている請求項1又は2に記載のヘアダイブラシ。
【請求項5】
前記支持部には、複数の毛束或いはブリッスルの根元が露出可能な開閉機構が設けられている請求項3又は4に記載のヘアダイブラシ。
【請求項6】
前記ブラシ本体には、前記ブラシ部を装着するための装着溝が形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項7】
前記ブラシ部及び前記ブラシ本体の、夫々の当接面が滑らかな曲面を少なくとも備えている請求項1〜6のいずれか1項にヘアダイブラシ。
【請求項8】
前記装着溝は、前記ブラシ部が前記装着溝の長さ方向にスライド可能になるように形成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項9】
さらに、前記ブラシ本体にはロック機構が設けられ、前記ブラシ部をロック可能である請求項6〜8のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項10】
前記固定棒が、前記ブラシ本体の一端を支点として回動可能に構成されるとともに、前記ブラシ部を押圧固定可能に形成されている請求項6〜9のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項11】
前記支持部には前記固定棒が組み込まれて一体化形成され、或いは、前記支持部が前記固定棒を兼ねた形状として形成されている請求項6〜9のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のヘアダイブラシを構成する前記ブラシ部であるブラシカートリッジ。
【請求項1】
ブラシ本体と前記ブラシ本体に取り付けられたブラシ部とを備え、
前記ブラシ部が前記ブラシ本体に着脱可能であるヘアダイブラシ。
【請求項2】
前記ブラシ部が、ブラシ本体に固定棒を介して押圧固定される請求項1に記載のヘアダイブラシ。
【請求項3】
前記ブラシ部は、複数の毛束或いはブリッスルを支持する支持部を備え、
前記ブラシ本体に装着前では前記複数の毛束或いはブリッスルが前記支持部の両側に支持されながら前記支持部と共に展開され、
前記ブラシ本体に装着後では、前記毛束或いはブリッスルが前記支持部の両側を基点としてU字状に起毛される請求項1又は2に記載のヘアダイブラシ。
【請求項4】
前記ブラシ部が、前記ブラシ本体に装着前後を通して立体的に起毛されている請求項1又は2に記載のヘアダイブラシ。
【請求項5】
前記支持部には、複数の毛束或いはブリッスルの根元が露出可能な開閉機構が設けられている請求項3又は4に記載のヘアダイブラシ。
【請求項6】
前記ブラシ本体には、前記ブラシ部を装着するための装着溝が形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項7】
前記ブラシ部及び前記ブラシ本体の、夫々の当接面が滑らかな曲面を少なくとも備えている請求項1〜6のいずれか1項にヘアダイブラシ。
【請求項8】
前記装着溝は、前記ブラシ部が前記装着溝の長さ方向にスライド可能になるように形成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項9】
さらに、前記ブラシ本体にはロック機構が設けられ、前記ブラシ部をロック可能である請求項6〜8のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項10】
前記固定棒が、前記ブラシ本体の一端を支点として回動可能に構成されるとともに、前記ブラシ部を押圧固定可能に形成されている請求項6〜9のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項11】
前記支持部には前記固定棒が組み込まれて一体化形成され、或いは、前記支持部が前記固定棒を兼ねた形状として形成されている請求項6〜9のいずれか1項に記載のヘアダイブラシ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のヘアダイブラシを構成する前記ブラシ部であるブラシカートリッジ。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2011−5044(P2011−5044A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152684(P2009−152684)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(596149051)株式会社 菊星 (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(596149051)株式会社 菊星 (23)
【Fターム(参考)】
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