説明

ヘアーキャップ

【課題】頭部装着部を有する頭部へ被せるキャップ本体と、該キャップ本体の頭部への注入を目的とする注入部、前記キャップ本体の一部に設けられた手袋部とよりなる、被りながら頭部に作業を施すことができるヘアーキャップを提供する。
【解決手段】開口状態となった頭部装着部を有する頭部へ被せるキャップ本体と、該キャップ本体の頭部への注入を可能とする位置に設けられた注入部と、前記キャップ本体の一部に設けられた開口部からキャップ本体内へ連続して設けられた、手を挿入した状態で頭部への手作業を可能とするように設けられた手袋部とよりなることを特徴とするヘアーキャップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被りながら頭部に作業を施すことが出来るヘアーキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、染髪等の際に衣服への汚れ防止として肩にかけるヘアーケープがあった。又、髪への作業用として手にはめる手袋があった。染髪後の浸透や蒸らし等のための髪封入目的としてヘアーキャップがあった。
【発明の開示】

【発明が解決しようとする問題】
【0003】
それには、次のような問題点があった。
(ィ)染髪等の際、各工程の目的に対応して異なる複数の物品が必要であった。又、工程間での着脱作業が必要となっていた。
(ロ)染髪等の際、汚れても良い服に着替えたり、汚れても良い場所を選んだりする準備がわずらわしかった。又、染液等が髪に浸透するまでの時間を汚れても良い服を着たままで居ることは不都合があった。
(ハ)染髪等の際、肩にかけたヘアーケープに付いた染液等は下に流れ落ちて服や床を汚していた。又、肩にヘアーケープをかけていても染液等を髪に馴染ませる作業で染液等が飛び散り、服、床、壁などを汚していた
(ニ)染髪等の際、手袋をはめると手の汚れは防げるが染液等が飛び散ることは防げないので、服、床、壁などを汚していた。染液等を髪に馴染ませる作業で手袋が汚れた後は、他の作業に移る前に手袋を脱ぐ必要があった。又、汚れた手袋を脱ぐ際に手等を汚していた。
(ホ)染髪等の際、染髪後の浸透や蒸らし等のためにヘアーキャップを被るので、染液等を髪に馴染ませる作業で染液等が飛び散ることは防げなかった。又、染髪後に被るため、ヘアーキャップの表面を汚していた。
本発明は、以上の問題点を解決する為のものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
開口状態となった頭部装着部を有する頭部へ被せるキャップ本体と、該キャップ本体の頭部への注入等を可能とする位置に設けられた注入部と、前記キャップ本体の一部に設けられた開口部からキャップ本体内へ連続して設けられ手を挿入した状態で頭部への手作業を可能とするように設けられた手袋部とよりなるヘアーキャップ。
【発明の効果】
【0005】
染髪等の際、各工程の目的に対応して異なった複数の物品を用意し使い分けたり、工程間での着脱作業の必要が無くなり、本発明一つのみを被ったままで一連の作業を連続して行うことができ、きわめて便利である。
染髪等の準備として汚れても良い服に着替えたり、汚れても良い場所を選んだりする必要がなく、被ってすぐに作業を始めることができる。被りながら頭部に作業を施すことが出来るため、染髪等の際に染液等が飛ぶ散ることがなく手や服、床、壁などを汚さない。キャップ本体に手袋部を延設したことで、煩わしい手袋の着脱作業の必要が無く、手を汚すことが無い。従来のように染液等を髪に馴染ませた後でヘアーキャップを被ったりタオルを巻く必要が無く、被ったままの状態で染液等が髪に浸透するまでの時間を待つことが出来る。
頭部装着部に液だれ防止手段を設けることで、より汚れを防ぐことが出来る。
注入部に開閉手段を設けることで、液等の逆流を防ぐことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図1から図6を示しながら説明する。
本発明は図1に示すようにキャップ本体(1)と、キャップ本体(1)に形成された二つの手袋部(2)と、キャップ本体(1)に形成された注入部(3)とより構成される。
本発明においては、上記各構成を形成するために、図2aに示すように表シート(7)と、図2bに示すように裏シート(8)が利用される。両シートともキャップを構成するために必要な防水性のシートが利用される。
表シート(7)は底辺中央が若干切り込まれた湾曲形状となっており、頭部の前半分を覆う表基体部の左右に手袋の反面を形成する手袋部形成部(9)が設けられている。また、表基体の上部には長方形状の注入部形成部(10)が設けられたものである。
裏シート(8)は底辺中央が若干下方へ膨らんだ湾曲形状となっており、頭部の後半分を覆う裏基体部の左右に手袋の反面を形成する手袋部形成部(9)が設けられている。また、後基体部の上部には長方形状の注入部形成部(10)と、注入部形成部に連続して開閉機構を形成するための折り返し部形成部(11)が設けられたものである。
この表シート(7)と裏シート(8)を図3aに示すように重ね、図3bに示すように裏シート(8)の折り返し部形成部(11)を折り返し位置(12)で折り返した状態で、図3cに示すように底辺部と注入部上辺部以外となる周縁部を接着や熱溶着により接合し接合部(13)としたものである。これにより、下辺部に頭部装着部(5)を有するキャップ本体(1)、キャップ本体(1)に延設された手袋部(2)、折り返し部(4)による開閉機構を有するキャップ本体内部へ通じる円筒状の注入部(3)が形成される。また頭部装着部(5)はゴム(6)が取り付けられ頭の大きさに沿って伸縮するようになっている。
本発明は以上の構造よりなる。
これを使用するときは以下のようになる。
まず、図4aに示すように手袋部(2)をキャップ本体(1)に折り返す。これによりキャップ本体(1)の側面に手挿入用の開口部を有する手袋部(2)がキャップ本体内へ延設された状態となる。次に図4bに示すように、頭部装着部(5)より頭に被り髪の毛をキャップ本体(1)に入れる。頭部装着部(5)は、表シート(7)の底辺中央が若干切り込まれた湾曲形状となっているため、額から耳にかけて髪の生え際の肌に沿って密着することができる。又、裏シート(8)の底辺中央が若干下方へ膨らんだ湾曲形状となっているため、うなじから耳にかけて髪の生え際の肌に沿って密着することができる。注入部(3)より図4cに示すように、染髪等の作業に必要な染液等を入れる。図5に示すように、裏シート(8)の注入部(3)から外側に折り返された折り返し部(4)を、表シート(7)の注入部(3)を覆うように反対側へ折り返し注入部(3)を閉じる。手袋部(2)より手を入れて染液等を髪に馴染ませる等の作業をする。染液等に直接触れずに作業をするので手が汚れない。また、キャップが頭部全体を覆っているため作業中に染液等が飛び散ることがなく、服、床、壁などを汚さない。本発明により染髪等の染液等を髪に馴染ませた後は、染液等が髪に浸透するまで被ったままで待つことが出来る。染髪等の作業が終わり染液等が髪に浸透した後は、本発明を脱いで髪をすすぐ等する。本発明を使用することで、染髪等の作業前に汚れても良い服や場所の準備の必要が無く、被ってすぐに作業ができる。また、各工程で異なった複数の物品を用意する必要や、工程間で着脱の必要も無い。本発明を被ったまま作業が出来るため手や服、床、壁などを汚さない。また、染液等が浸透するまで、被ったままで待つことが出来る。このように本発明を使用することで、辺りを汚さず簡単に染髪等の一連の作業を連続して行うことができ、きわめて便利である。
【0007】
以下、その他の事例について説明する。
液だれをより安全に防ぐために図6に示すように、頭部装着部(5)の内側に液だれ防止ベルト(14)を設けることも可能である。この際、液だれ防止ベルト(14)は髪の生え際の肌に密着するクッション性を備えている。更に、防水性であることが好ましい。又、注入部(3)の開閉機構としても上記事例に限定されるものではなくスライドジッパー(15)等、本発明の目的を達成できるものであれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の正面図
【図2】本発明の形成部材説明図
【図3】本発明の形成工程図
【図4】本発明の使用説明図
【図5】本発明の注入部開閉法説明図
【図6】本発明のその他事例図
【図7】本発明のその他事例の断面図
【符号の説明】
【0009】
1 キャップ本体
2 手袋部
3 注入部
4 折り返し部
5 頭部装着部
6 ゴム
7 表シート
8 裏シート
9 手袋部形成部
10 注入部形成部
11 折り返し部形成部
12 折り返し位置
13 接合部
14 液だれ防止ベルト
15 スライドジッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口状態となった頭部装着部を有する頭部へ被せるキャップ本体と、該キャップ本体の頭部への注入等を可能とする位置に設けられた注入部と、前記キャップ本体の一部に設けられた開口部からキャップ本体内へ連続して設けられ手を挿入した状態で頭部への手作業を可能とするように設けられた手袋部とよりなるヘアーキャップ。
【請求項2】
頭部装着部に液だれ防止手段を備えたことを特徴とする、請求項1記載のヘアーキャップ。
【請求項3】
注入部は開閉手段を備えたものであることを特徴とする、請求項1又は2記載のヘアーキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−130429(P2007−130429A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356906(P2005−356906)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(504134003)
【Fターム(参考)】