説明

ヘアードライヤー

【課題】落下衝撃などが作用するような場合でも、ファンブレードがファンケースで傷付けられるのを確実に防止してヘアードライヤーの運転騒音を低下する。
【解決手段】本体ケース1の内部に、送風ファン12およびモーター13と、ファンケース18と、ヒーターユニット14とが配置してある。ファンケース18は、本体ケース1に設けた凹部壁19で保持固定する。凹部壁19の外面に中間ケース9を外嵌固定して、送風ファン12の周囲を、ファンケース18と、凹部壁19と、中間ケース9とで三重に囲む。以て、凹部壁19の内底と中間ケース9との間に、外部衝撃を吸収する緩衝空間Sを形成し、中間ケース9が外部衝撃を受けて変形するような場合に、中間ケース9の変形を緩衝空間Sで吸収して、外力がファンケース18におよぶのを阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体ケースのケース構造に特長があるヘアードライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアードライヤーにおける運転騒音の低下(静音化)を目的とするヘアードライヤーは、例えば特許文献1に公知である。そこでは、本体ケースの吸込口にベルマウス状の吸込口リングを配置して主吸込流路を構成し、さらに吸込口リングの周囲に副吸込流路を形成することにより、吸込口リングの出口近傍における渦の発生を解消し、運転騒音を低下している。なお、副吸込流路から吸い込まれる空気の流れは、吸込口リングを勢いよく通過する空気流の負圧作用によって形成される。
【0003】
本発明においては、送風ファンを囲むケース構造を3重構造として運転騒音を低下させるが、この種のケース構造は先の特許文献1に開示されている。詳しくは、送風ファンの周囲をファンケースで囲み、ファンケースに後ケースを外嵌し、後ケースに前ケースの後端を外嵌装着している。後ケースと前ケースとの間には装飾シートが介装してある。ただし、ファンケースと後ケースと前ケースの三者は殆ど隙間のない状態で嵌合してあり、そのため最外面の前ケースに外力が作用するとき、外力が後ケースを介してファンケースに伝わってしまう。
【0004】
【特許文献1】特開平9−164014号公報(段落番号0014、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、吸込口リングの周囲に副吸込流路を設けるヘアードライヤーによれば、吸込口リングの出口近傍での渦の発生を解消して運転騒音を低下できる。しかし、送風ファンを高速回転して送風能力を向上するヘアードライヤーにおいては、送風ファンの風切り音と振動騒音とが異常に増加するため、先のような騒音対策はもちろんであるが、さらに効果的な騒音対策が必要となる。
【0006】
送風ファンによる風切り音は、ファンブレードの先端の回転軌跡とファンケースとの隙間を極力小さくすることで抑止できる。しかし、隙間寸法が小さくなると、本体ケースに落下衝撃が加わるような場合に、ファンケースがたわみ変形してファンブレードを傷付けるおそれがある。ファンブレードの一部が変形あるいは欠落すると、送風能力が低下するのはもちろん騒音量も増加する。
【0007】
本発明の目的は、落下衝撃などの大きな外力が作用するような場合でも、ファンブレードがファンケースで傷付けられるのを確実に防止しながら、運転騒音を低下できるヘアードライヤーを提供することにある。本発明の目的は、送風ファンの風切り音の低下と、吸い込み空気の流れの円滑化とを実現し、さらに送風ファンの吸込口の側における渦の発生を解消して運転騒音を低下できるヘアードライヤーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のヘアードライヤーは、中空筒状の本体ケース1の内部に、送風ファン12およびモーター13と、送風ファン12の周囲を囲むファンケース18と、ヒーターユニット14とが配置してある。ファンケース18は、本体ケース1に設けた凹部壁19で保持固定する。凹部壁19の凹部開口の外面に中間ケース9を外嵌固定して、送風ファン12の周囲を、ファンケース18と、凹部壁19と、中間ケース9とで三重に囲む。以て、凹部壁19の内底と中間ケース9との間に、外部衝撃を吸収する緩衝空間Sを形成することを特徴とする。
【0009】
本体ケース1は、二分割された左右一対の主ケース7・7を接合して構成する。主ケース7・7のいずれか一方にファンケース18を締結固定する。
【0010】
接合された両主ケース7・7の一端を、凹部壁19の外面に外嵌固定した筒状の中間ケース9で分離不能に固定する。
【0011】
凹部壁19に隣接して、中間ケース9を装着するための段部32を形成する。この段部32に無端リング状の装飾リング68と、中間ケース9の一端に設けた嵌合壁35とを外嵌固定する。
【0012】
凹部壁19の吸込口側の後端壁19cに後ケース10を外嵌装着して、主ケース7・7を中間ケース9と後ケース10とで分離不能に固定する。
【0013】
中間ケース9と後ケース10とを内外に嵌係合する状態で接合して、中間ケース9の吸込口側の接合端36を後ケース10で支持する。
【0014】
後ケース10の内面に吸い込み空気を整流する整流筒40を一体に形成し、整流筒40の外端に吸込口45を開口する。
【0015】
後ケース10は、整流筒40と、整流筒40の周囲を囲む外筒壁41と、外筒壁41の基端に張り出し形成される接合座42とを一体に備えている。整流筒40の出口端は、送風ファン12のファンブレード12aの回転領域に近接する状態で配置する。
【0016】
後ケース10の外筒壁41に吸引開口55を形成する。整流筒40の出口端をファンケース18の内部に臨ませて、整流筒40と外筒壁41との間に、外部空気を吸引開口55から吸引誘導する誘引通路54を形成する。
【0017】
後ケース10の接合座42の周縁に、外筒壁41の基端部を囲む短筒壁43を形成し、短筒壁43と外筒壁41との間に、これら両者41・43と接合座42とを繋ぐ一群のリブ44を周方向へ一定間隔おきに形成する。
【0018】
凹部壁19の内底に装飾体33を配置する。中間ケース9を透明ないし半透明のプラスチック材で形成して、装飾体33を中間ケース9を介して視認できるようにする。装飾体33はシート材で形成し、凹部壁19の内底に巻装する。
【0019】
中間ケース9の内面及び外面のいずれかにレンズ面37を形成する。
【0020】
中間ケース9の内部に切換えスイッチ90を配置する。中間ケース9を本体ケース1で回転変位可能に支持して、先の切換えスイッチ90を中間ケース9で切り換え操作できるようにする。
【0021】
ファンケース18は、送風ファン12の周囲を囲む円筒状の導風筒21と、モーター13が装着されるホルダー筒22と、ホルダー筒22の周囲を囲む円筒状の中間筒23と、導風筒21と中間筒23とを繋ぐ整流翼24を一体に備えている。中間筒23の外直径と、送風ファン12のファンボス12bの周縁直径とをほぼ同じに設定する。中間筒23とホルダー筒22との間に、送風ファン12から送出される乾燥風の一部を通過させる通風路28を形成する。
【0022】
中間筒23とホルダー筒22とは、通風路28の出口寄りに配置したリブ29で連結する。
【0023】
リブ29は径方向の第1リブ29aと、軸方向の第2リブ29bとで構成する。中間筒23またはホルダー筒22と第2リブ29bとの間に、髪受部30を形成する。
【発明の効果】
【0024】
本発明においては、本体ケース1の内部に送風ファン12やモーター13などが配置してあるヘアードライヤーにおいて、ファンケース18を本体ケース1に設けた凹部壁19で保持固定し、さらに、凹部壁19の外面に中間ケース9を外嵌固定することにより、送風ファン12の周囲を、ファンケース18の導風壁21と、凹部壁19と、中間ケース9とで三重に囲むようにするので、騒音が送風ファン12の周囲を囲むケース構造から漏れ出るのを防止できる。
【0025】
また、ケース内方へ凹む凹部壁19の内底と中間ケース9との間に、外部衝撃を吸収する緩衝空間Sを大きく形成するので、落下衝撃などの強い外力を受けた中間ケース9が変形したとしても、中間ケース9の変形を緩衝空間Sで確実に吸収して、それ以上衝撃力が凹部壁19やファンケース18に伝わるのを防止できる。しかも、変形しにくく構造強度に優れた凹部壁19で外力の対抗することができる。したがって、本発明によれば、ファンブレード12aの先端の回転軌跡と導風筒21との隙間が充分に小さく設定してあったとしても、ファンブレード12aがファンケース18の導風筒21で傷付けられるのを確実に防止しながら、送風ファン12による風切り音の発生を抑止できる。
【0026】
本体ケース1が、二分割された左右一対の主ケース7・7を接合して構成してあると、主ケース7・7のいずれか一方に、ヒーターユニット14やファンケース18を組み付けた後、他方の主ケース7を組み付けて、本体ケース1の内部に組まれる各部材を本体ケース1と一体化できるので、ヒーターユニット14や、送風ファン12およびモーター13が組み込まれたファンケース18を、主ケース7に対してより少ない手間で簡便に組み付けることができる。
【0027】
接合された両主ケース7・7の一端を、凹部壁19の外面に外嵌固定した筒状の中間ケース9で分離不能に固定するケース構造によれば、中間ケース9を所定の組み付け位置に嵌係合するだけで主ケース7・7の後端を分離不能に固定保持でき、例えば両主ケース7・7の筒壁の接合縁同士をビスなどで締結固定する場合に比べて、ケース構造を簡便化しながら両主ケース7・7を確実に固定保持できる。因みに、本体ケース1とグリップ3とは図2に示すビス6で連結され、これに伴い両主ケース7・7は結果的にビス6で締結固定されることになるが、この固定構造は先に説明した「両主ケース7・7の筒壁の接合縁同士をビスなどで締結固定する場合」には含まないこととする。
【0028】
凹部壁19に隣接して、中間ケース9を装着するための段部32を形成し、この段部32に無端リング状の装飾リング68と、中間ケース9の一端に設けた嵌合壁35とを外嵌装着するケース構造によれば、中間ケース9に加えて、無端リング状の装飾リング68によっても左右の主ケース7・7を分離不能に固定保持できるので、さらに確実に両主ケース7・7を固定保持できる。また、異なる色に着色された複数種のプラスチック材で形成した装飾リング68を用意しておけば、印象が異なるヘアードライヤーのシリーズ商品を簡便に製造できるうえ、本体ケース1のデザイン効果を高めることができる。
【0029】
凹部壁19の吸込口側の後端壁19cに後ケース10を外嵌装着して、主ケース7・7を中間ケース9と後ケース10とで分離不能に固定するケース構造によれば、主ケース7・7を中間ケース9だけで固定保持する場合に比べて、両主ケース7・7をさらに確実に分離不能に固定保持して、送風ファン12の周囲を囲むケース構造の構造強度をさらに向上でき、例えば、ヘアードライヤーを使用するときに両主ケース7・7ががたついて騒音を発生するのを防止できる。
【0030】
中間ケース9と後ケース10とを内外に嵌係合する状態で接合して、中間ケース9の吸込口側の接合端36を後ケース10で支持すると、中間ケース9の前後端を主ケース7の段部32と後ケース10とで両持ち支持して、組み付け状態における中間ケース9を強固に固定支持でき、さらに外部の力を受けて中間ケース9が変形する際に、外力を後ケース10で分散させてファンケース18に到達するを良く防止できる。
【0031】
後ケース10の内面に吸い込み空気を整流する整流筒40を一体に形成し、整流筒40の外端に吸込口45を開口するヘアードライヤーによれば、先に説明したように送風ファン12による風切り音を低下できることに加えて、整流筒40で整えられて加速された空気の流を送風ファン12に吸い込ませることにより、送風ファン12の吸込口側における風切り音の発生を抑止できる。整流筒40を後ケース10と一体に形成するので、整流筒40が独立部品として形成してある場合に比べて、ヘアードライヤーの部品の加工および組み立てに要する手間を削減して製造コストを削減できる。
【0032】
整流筒40と、整流筒40の周囲を囲む外筒壁41と、外筒壁41の基端に張り出し形成される接合座42などで後ケース10を構成し、組み付け状態において、整流筒40の出口端が送風ファン12のファンブレード12aの回転領域に近接する状態で配置してあると、整流筒40で整流された吸い込み空気をファンブレード12aの近傍ぎりぎりまで移行案内できるので、送風ファン12の吸込口側における風切り音の発生をさらに確実に抑止して、送風ファン12による運転騒音を削減できる。
【0033】
整流筒40の出口端をファンケース18の内部に臨ませて、整流筒40と外筒壁41との間に、外部空気を吸引開口55から吸引誘導する誘引通路54を形成し、外筒壁41に吸引開口55を形成したヘアードライヤーによれば、送風ファン12による吸い込み空気流の誘引作用によって、外部空気を吸引開口55と誘引通路54を介して導入することにより、整流筒40の出口端の近傍において負圧作用で渦が生じるのを解消して、渦の発生に伴う騒音の発生を抑止できる。つまり、先に説明したファンケース18の内部における送風ファン12による風切り音の低下と、送風ファン12の吸込口側における風切り音の発生を防止できることに加えて、整流筒40の出口端の近傍における渦による騒音の発生を防止して、全体としてヘアードライヤーの運転騒音を低下し、静音化を実現できる。
【0034】
後ケース10の接合座42の周縁に短筒壁43を形成し、短筒壁43と外筒壁41との間に、これら両者41・43と接合座42とを繋ぐ一群のリブ44を周方向へ一定間隔おきに形成したヘアードライヤーによれば、一群のリブ44を付加することで短筒壁43および外筒壁41と接合座42との構造強度を格段に向上でき、したがって、中間ケース9及び凹部壁19と後ケース10との連結部分の強度を高めて、ファンブレード12aと導風壁21との隣接隙間が小さい場合でも、ファンケース18の導風壁21の変形を良く防止することができる。また、一群のリブ44を付加することで後ケース10の構造強度を向上して、片持ち支持される整流筒40を外筒壁41で確りと保持できるので、整流筒40の前端開口がファンブレード12aの回転領域に接近配置してある場合にも、整流筒40がファンブレード12aに接触するのを確実に防止できる。
【0035】
中間ケース9を透明ないし半透明のプラスチック材で形成し、凹部壁19の内底に装飾体33を巻装したヘアードライヤーによれば、透明ないし半透明の中間ケース9を介してケース内部に配置した装飾体33を視認することになるので、装飾体33の呈色状態や模様などをより深みのある状態で視認でき、ヘアードライヤーの外観上の印象を多様化できる。必要に応じて装飾体33を交換するだけで、ヘアードライヤーの見かけの印象を大幅に変更できる。さらに、装飾体33はファン騒音がケース外面へ向かって漏れ出ようとするときの遮蔽体として機能できる。
【0036】
中間ケース9の内面及び外面のいずれかにレンズ面37が形成してあると、使用者の見る位置や見る角度によって装飾体33の見え方が異なり、さらに凸レンズや凹レンズのレンズ効果によって装飾体33の呈色状態や模様などの見え方をさらに多様化して、ヘアードライヤーの外観上の印象をさらに興趣に富むものとすることができる。
【0037】
中間ケース9を本体ケース1で回転変位可能に支持して、中間ケース9の内部に配置した切換えスイッチ90を中間ケース9で切り換え操作できるようにしたヘアードライヤーによれば、中間ケース9を回転操作することで、切換えスイッチ90を切り換えてヘアードライヤーの運転状態を変更でき、グリップ3に全ての切換えスイッチが集約してある場合に比べて、ヘアードライヤーの運転状態の切り換えを両方の手で簡便に行うことができる。
【0038】
送風ファン12の周囲を囲む導風筒21と、モーター13を装着するためのホルダー筒22と、ホルダー筒22の周囲を囲む中間筒23と、導風筒21と中間筒23とを繋ぐ整流翼24などでファンケース18を構成し、中間筒23の外直径と、送風ファン12のファンボス12bの周縁直径とをほぼ同じに設定すると、ファンボス12bの周縁と中間筒23とが殆ど段差のない状態で隣接するので、ファンブレード12aで押出された乾燥風を中間筒23の周面に沿って流動させて、ファンブレード12aの前端周縁の近傍に渦が生じるのを避けながら乾燥風の流れを整えることができる。
【0039】
中間筒23を設けた分だけ整流翼24の径方向長さを短くして、整流翼24の振動騒音を抑止することができる。さらに、中間筒23とホルダー筒22との間に通風路28を形成することにより、送風ファン12から送出される乾燥風の一部を、通風路28を介して中間筒23の前端側へ送給案内でき、これにより、中間筒23と通風路28の出口端の近傍が負圧状態になって渦が発生するのを確実に防止して、渦に伴う運転騒音を低下できる。
【0040】
中間筒23とホルダー筒22とが通風路28の出口寄りに配置したリブ29で連結してあると、通風路28を通過する乾燥風によって運ばれてきた髪をリブ29で受け止めて、髪がヒーターユニット14の側へ流動するのを阻止できる。したがって、髪がヒーターの熱で焼かれて異臭が発生するのを防止できる。
【0041】
径方向の第1リブ29aと、軸方向の第2リブ29bとでリブ29を構成し、中間筒23またはホルダー筒22と第2リブ29bとの間に髪受部30を形成すると、通風路28を通過する乾燥風によって運ばれてきた髪が髪受部30に堆積することがあったとしても、通風路28の全体が堆積した髪で塞がれるのを確実に防止して、第2リブ29bで通気隙間を確保できる。したがって、通風路28に入り込んだ乾燥風は、第2リブ29bで確保された隙間を介して通風路28を通り抜けることができるので、髪が髪受部30に堆積した状態であっても、中間筒23と通風路28の出口端の近傍に渦が発生するのを確実に防止して、渦に伴う運転騒音を低下できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
(実施例) 図1ないし図10は本発明に係るヘアードライヤーの実施例を示す。図2においてヘアードライヤーは、左右に長い中空筒状の本体ケース1と、その前端に着脱自在に装着されるノズル2と、本体ケース1の下面後側に設けたグリップ3とを有する。グリップ3の前面上下には、ヒーターユニット14への通電状態を切り換えるスイッチボタン4と、風量を三段階に切り換えるスイッチノブ5とが設けてあり、これらのスイッチボタン4、およびスイッチノブ5で切り換え操作されるスイッチ4a・5aがグリップ3の内部に組み込んである。スイッチボタン4用のスイッチ4aは、常態においてオン状態になっており、スイッチボタン4を押し込み操作するとオフ状態に切り換わって、ヒーターユニット14への通電を停止できる。本体ケース1とグリップ3とはビス6で相対回転可能に連結してあり、これによりグリップ3は実線で示す使用姿勢と、想像線で示す折り畳み姿勢とに回転変位できる。
【0043】
スイッチノブ5は、下端のオフ位置から上方へ向かってスライド変位させることにより、弱風、強風、ターボの順にスイッチ5aを切り換えて、モーター13の駆動回転数を大小に変更できる。このときマイナスイオン発生器15も同時に駆動される。マイナスイオン発生器15は専用のスイッチをオン操作することで駆動してもよい。
【0044】
本体ケース1は左右に二分割される主ケース7を基本構造体として構成する。詳しくは、図3および図4に示すように主ケース7に加えて、主ケース7の前端、および後端に外嵌装着される前ケース8、および中間ケース9と、中間ケース9の後端に係合装着される後ケース10などで本体ケース1を構成している。本体ケース1の内部には、軸流型の送風ファン12と、送風ファン12を回転駆動するモーター13と、ヒーターユニット14と、マイナスイオン発生器15とが吸込口45の側から吹出口16の側へ向かって記載順に配置してある。
【0045】
上記のように構成したヘアードライヤーの運転騒音を低下するために、図1に示すように、送風ファン12の周囲をファンケース18と、主ケース7の後端に設けた凹部壁19と、中間ケース9とで三重に囲んで、凹部壁19と中間ケース9との間に緩衝空間Sを設ける。さらに、後ケース10に整流筒40を設け、整流筒40の外側に外部空気を吸引誘導する誘引通路54を設ける。
【0046】
図1、図4および図5に示すように、ファンケース18は、送風ファン12の周囲を囲む円筒状の導風筒21と、モーター13が装着されるホルダー筒22と、ホルダー筒22の周囲を囲む円筒状の中間筒23と、導風筒21と中間筒23とを放射状に繋ぐ12個の整流翼24とを一体に備えている。導風筒21を凹部壁19の内面前後に設けた抱持リブ25にあてがい、導風筒21の外面上下に設けた締結座をビス26で片方の主ケース7に締結することにより、ファンケース18を主ケース7と一体化できる。
【0047】
中間筒23の外直径と、送風ファン12のファンボス12bの周縁直径とは同じに設定して、両者12b・23を段差のない状態で隣接させる。これは、ファンブレード12aで押し出された乾燥風を中間筒23の周面に沿って流動させて、ファンブレード12aの前端周縁の近傍に渦が生じるのを避けながら乾燥風の流れを整え、さらに中間筒23を設けた分だけ整流翼24の径方向長さを短くして、整流翼24のびびり騒音(振動)を抑止するためである。なお、中間筒23の外直径とファンボス12bの周縁直径とは、ほぼ同じであってもよい。
【0048】
中間筒23とホルダー筒22との間には、送風ファン12から送出される乾燥風の一部を通過させて、中間筒23と通風路28の出口端の近傍に渦が発生するのを防ぐための通風路28が形成してある。中間筒23とホルダー筒22とは、通風路28の出口寄りに配置したリブ29で連結されて一体化してある。リブ29は、通風路28の出口寄りに設けられて、中間筒23とホルダー筒22とを径方向に繋ぐ6個の第1リブ29aと、第1リブ29aの吸込口側の端部に隣接し、さらにホルダー筒22の外面に沿って連出される軸方向の第2リブ29bとで構成する。
【0049】
このように、第1リブ29aとは別に第2リブ29bを設けることによって、第2リブ29bと中間筒23と第1リブ29aとの三者間に、通風路28に吸い込まれた髪を受け止める髪受部30が形成される。髪受部30に侵入した髪は第1リブ29aで受け止められて堆積する。しかし、髪受部30に髪が堆積したとしても、乾燥風は第2リブ29bで確保された隙間を介して通風路28を通り抜けることができるので、中間筒23と通風路28の出口端の近傍に渦が発生するのを確実に防止して運転騒音を低下できる。
【0050】
図3に示すように、接合された主ケース7・7は、吹出口16の側へ向かって先すぼまり状に形成してあり、吸込口側の端部に凹部壁19が周回状に形成され、凹部壁19に隣接して中間ケース9を装着するための段部32が周回状に形成してある。図1の拡大図に示すように、凹部壁19は、円筒状の筒壁19aと、筒壁19aの前後端にフランジ状に張り出される前端壁19bおよび後端壁19cとで構成されており、前端壁19bに連続して先の段部32が形成してある。
【0051】
筒壁19aの前後寸法は、送風ファン12の前後寸法より僅かに大きく設定してある。ファンボス12bの先端から基端部分の回転領域を完全に覆うためである。凹部壁19の内底、つまり筒壁19aの外面には装飾体33が巻装してある。装飾体33は帯状のプラスチックシート材の外面に虹彩模様を印刷して形成してあり、シート端部どうしが接着固定してあって、ファン騒音の遮蔽体を兼ねている。装飾体33は本体ケース1の色に応じて複数種を用意することができる。段部32の直径寸法と、後端壁19cの張り出し縁の直径寸法は同じに設定してある。
【0052】
中間ケース9は前後面が開口する円筒体からなり、その前端に嵌合壁35が筒内面側へ向かって張り出され、その後端に後ケース10で支持される接合端36が段落ち状に形成してある(図1参照)。中間ケース9の全体は、例えば靭性に優れた透明のポリカーボネイトで形成されていて、先の装飾体33を中間ケース9の外面から視認できる。また、中間ケース9の内面に、凸レンズからなるレンズ面37(図6参照)の一群を一定間隔おきに形成して、個々のレンズ面37ごとに装飾体33の虹彩模様の見え方が異なるようにしてある。このように多数個のレンズ面37が中間ケース9の周方向へ連続形成してあると、ヘアードライヤーが動くたびに、レンズ面37での光の反射作用も相俟って装飾体33の虹彩模様がきらきらと輝いて見え、興趣に富む装飾効果を発揮できる。なお、各レンズ面37の光学的特性は同じである。
【0053】
図1、図7および8に示すように、後ケース10は、内面中央の整流筒40と、整流筒40の周囲を囲む外筒壁41と、外筒壁41の基端に張り出し形成される接合座42と、接合座の周縁から後ろ向きに連出されて外筒壁41の基端部を囲む短筒壁43と、短筒壁43と外筒壁41とを放射状に繋ぐ一群のリブ44を一体に備えている。整流筒40の後端に吸込口45が開口され、その外面に粗いフィルターを兼ねる部分球面状の吸込グリル46が装着してある。整流筒40の入口端は部分円弧状に丸めてある。
【0054】
図7に示すように後ケース10は、凹部壁19の後端壁19cに4個のビス48で締結固定する。そのために、後端壁19cに外嵌接合する段部49(図1参照)を接合座42に凹み形成し、後端壁19cに形成したボス50と、接合座42のボス穴51とを係合させて、後ケース10を凹部壁19に対して位置決めし、ビス48をボス50にねじこんでいる。接合座42の周縁寄りには、先の中間ケース9に設けた接合端36と係合する接合溝52が周回状に凹み形成してある。
【0055】
整流筒40の出口近傍における渦の発生を防止して運転騒音を低下するために、後ケース10を後端壁19cに組み付けた状態において、整流筒40と外筒壁41との間に誘引通路54を形成している。さらに、外筒壁41の基端周囲に沿って、外部空気を吸い込むための一群の吸引開口55を一定間隔おきに形成している。組み付け状態における整流筒40の出口端は、ファンケース18の導風筒21の内部に臨ませてあり、これにより整流筒40の出口端を送風ファン12のファンブレード12aの回転領域に近接させている(図1参照)。
【0056】
ヒーターユニット14は、3個の絶縁板57を*字状に組み、その周囲にニクロム線58を螺旋状に巻装し、絶縁板57の周囲に先すぼまり状の絶縁筒59と、絶縁筒59の外面を覆う薄鋼板製の補強筒とを外嵌して構成してある。絶縁板57の前部中央に、マイナスイオン発生器15を収容するための前切欠部61が形成され、絶縁板57の後部中央には、モーター13の前部を受け入れる後切欠部62が形成してある。絶縁筒59および補強筒は、ヒーターユニット14の輻射熱を遮断する断熱体として機能しており、これにより主ケース7が熱くなるのを防止できる。
【0057】
ヒーターユニット14を片方の主ケース7の内面に設けた抱持リブ63(図4参照)にあてがい、ヒーターユニット14の前後を、吹出口16の内部に固定した吹出グリル67と、ファンケース18とで遊動不能に固定することにより、ヒーターユニット14を主ケース7と一体化できる。この状態の絶縁筒59の入口端は導風筒21の出口に段差のない状態で連続している。
【0058】
マイナスイオン発生器15を前切欠部61に組み付けた後、図9に示すようにヒーターユニット14をファンケース18に接続し、これら両者を片方(右半側)の主ケース7に組み、ファンケース18を主ケース7にビス26で締結する。次に、他方(左半側)の主ケース7を被せ付け、両主ケース7の前部に前ケース8を外嵌する。さらに、ケース後部の段部32に装飾リング68と、中間ケース9の嵌合壁35とを外嵌し、最後に、後ケース10を先に説明したようにビス48で凹部壁19の後端壁19cに締結することにより、一対の主ケース7・7を分離不能に一体化できる。
【0059】
装飾リング68は無端状のリング体からなり、中間ケース9と協同して、一対の主ケース7・7を分離不能に保持固定する。装飾リング68を主ケース7とは異なる色に着色された複数種のプラスチック材で成形することにより、本体ケース1のデザイン効果を高め、さらに印象が異なるヘアードライヤーのシリーズ商品を簡便に製造できる。
【0060】
組み付け状態における中間ケース9の接合端36は、後ケース10の接合溝52で係合支持されていて、送風ファン12の周囲が、ファンケース18の導風筒21と、凹部壁19と、中間ケース9とで三重に囲まれる。また、左右に分割された後端壁19cは、段部49によって分離不能に保持されている。
【0061】
上記のように各部材を主ケース7・7に組み付けた状態においては、図1に示すように中間ケース9の筒壁と凹部壁19の筒壁19aとの間に、外部衝撃を吸収する緩衝空間Sが形成される。緩衝空間Sの径方向の寸法は、主ケース7の後部周壁と段部32との段差寸法に、凹部壁19の凹み寸法を加えた合計寸法から、中間ケース9の周壁の厚みを差し引いた寸法に一致しており、本体ケース1(主ケース7)の厚み寸法より充分に大きく設定してある。この実施例では、本体ケース1の前後中央付近の厚み寸法を2.5mmとするとき、緩衝空間Sの径方向の寸法を前記寸法の2倍の5.0mmとした。
【0062】
上記のように、緩衝空間Sの径方向の寸法が充分に大きく設定してあると、落下衝撃などの強い外力を受けた中間ケース9が内凹み状に変形したとしても、中間ケース9の変形を緩衝空間Sで吸収して、それ以上衝撃力が凹部壁19やファンケース18に伝わるのを防止できる。また、主ケース7や後ケース10を介して凹部壁19に衝撃力が伝播したとしても、断面凹字状の周回壁からなる凹部壁19の構造強度が充分に大きいため、その筒壁19が内向きに変形することはない。
【0063】
したがって、ファンブレード12aの先端の回転軌跡と導風筒21との隙間が小さく設定してあったとしても、導風筒21が変形してファンブレード12aが傷付くのを確実に防止できる。これにより、ファンブレード12aの先端の回転軌跡と導風筒21との隙間を極力小さくすることができ、その結果、送風ファン12による風切り音の発生を抑止して、その分だけヘアードライヤーの運転騒音を低下できる。
【0064】
送風ファン12で生起した乾燥風とともに、マイナスイオンを毛髪に送給するために、吹出グリル67の内面中央に臨む位置にマイナスイオン発生器15を配置している。マイナスイオン発生器15は、左右一対の中央電極70と、リング状の周囲電極71と、これら両者70・71を支持する電極ホルダー72と、電極ホルダー72の後端に固定される樹脂モールド73などで構成する。電極ホルダー72には、両電極70・71を絶縁遮断する左右一対の誘電筒74が隣接形成してある。
【0065】
マイナスイオン発生器の周囲は円筒状の絶縁枠76で囲まれている。これにより、絶縁枠76の周囲を流れる温度の低い乾燥風を、吹出口16寄りに配置したマイナスイオン発生器15の周囲を包む状態で流動案内し、マイナスイオン発生器15から放出されたマイナスイオンと混ざり合った状態で吹出口16から送出することができる。
【0066】
樹脂モールド73は、整流回路およびパルス発生回路と、パルス発生回路で調整されたパルス電流を昇圧するトランスなどの、イオン発生回路を構成する部品を樹脂中に封入して1個の部品としてまとめたものである。先の中央電極70と周囲電極71との間に、イオン発生回路で生成された高電圧を印加することによりコロナ放電を生じさせて、マイナスイオンを生成し放出することができる。コロナ放電によりマイナスイオン化した空気中の酸素は、ヒーターユニット14で加熱されていない冷風中の水分子と結合して、吹出グリル67、およびノズル2を介して送出されて毛髪に水分を送給する。
【0067】
ノズル2は、側面から見て鳥の嘴を開いたような形状の筒ケースからなり、その内部中央に主としてマイナスイオンを含む乾燥風を、加熱乾燥風と分別して送給するためのガイド筒80が設けてある(図10参照)。ノズル2は吹出口16の周囲壁に外嵌装着されて、前ケース8と隣接している。このように、吹出口16の周囲壁に外嵌装着したノズル2は、本体ケース1からの脱落を防ぐ必要上吹出口16の周囲壁に対してきつめに嵌合してあり、加えてその周囲が筒面で形成されていて掴み所がないこともあって取り外しにくい。
【0068】
そこで、ノズル2の本体ケース1からの取り外し操作を容易化するために、ノズル2と前ケース8の接合縁の左右に分離支援構造を設けている。分離支援構造は、前ケース8及び主ケース7・7の左右両側に膨出形成したカム凸片82と、ノズル2の左右両側に凹み形成されてカム凸片82に密着係合するカム凹部83とで構成する。カム凸片82およびカム凹部83の上下には、それぞれ斜めに傾くカム面84・85が形成してある。したがって、ノズル2の周面を片手で掴んで、左右いずれかへ回転操作すると、両カム面84・85の接合面において発生する回転操作力の分力の作用によって、ノズル2を前ケース8から遠ざかる向きに押し出し操作でき、より小さな力でノズル2を本体ケース1から取り外すことができる。カム面84・85は、部分円弧状の曲面で形成することができる。
【0069】
以上のように、送風ファン12の周囲をファンケース18と凹部壁19と中間ケース9とで三重に囲むことにより、騒音が送風ファン12の周囲を囲むケース構造から漏出るのを防止できる。また、落下衝撃などの強い外力を受けた中間ケース9が変形するような場合に、中間ケース9の変形を緩衝空間Sで吸収して、それ以上衝撃力が凹部壁19やファンケース18に伝わるのを防止できるので、ファンブレード12aの先端の回転軌跡と導風筒21との隙間を充分に小さく設定して、送風ファン12による風切り音の発生を抑止できる。
【0070】
また、後ケース10の内面中央に整流筒40を設けて、整流筒40で整えられ、加速された空気の流を送風ファン12に吸い込ませるので、送風ファン12の吸込口側における風切り音の発生を抑止できる。さらに、整流筒40の外側に外部空気を吸引誘導する誘引通路54を設け、送風ファン12による吸い込み空気流の誘引作用によって、外部空気を誘引通路54を介して導入し、整流筒40の出口端の近傍において負圧作用で渦が生じるのを解消するので、渦の発生に伴う騒音の発生を抑止でき、全体としてヘアードライヤーの運転騒音を低下して静音化を実現できる。
【0071】
左右に二分割された主ケース7・7を、無端リング状あるいは円筒状に形成される、装飾リング68、中間ケース9、後ケース10で幾重にも保持固定するので、送風ファン12を回転駆動するときに主ケース7・7が振動し、がた付くのを防止できる。主ケース7・7の前端に外嵌装着される円筒状の前ケース8も、同様に主ケース7・7の分離を阻止し、さらに両者が振動し、がた付くのを防止することに役立っている。装飾リング68および中間ケース9を、主ケース7と、同ケース7に締結固定される後ケース10とで前後に挟持固定し、さらに中間ケース9の接合端35を後ケース10に設けた接合溝52に係合して、接合端35を内外両面から保持固定するので、送風ファン12を回転駆動するときに装飾リング68および中間ケース9ががた付くのを防止できる。
【0072】
図11は本発明の別の実施例を示す。そこでは中間ケース9を本体ケース1の主ケース7と後ケース10とで回転変位可能に支持する。そのうえで中間ケース9の内部に配置した切換えスイッチ90を、中間ケース9の内部に設けた操作片91でオン状態とオフ状態とに切り換え操作できるようにした。切換えスイッチ90は、例えばマイナスイオン発生装器15の電源スイッチとして使用でき、中間ケース9をオン位置へ回転操作した状態でのみ、マイナスイオン発生装器15を作動させることができる。切換えスイッチ90は、ヒーターユニット14への通電状態を切り換えるスイッチとして使用することができる。
【0073】
上記の実施例以外に、装飾体33は、凹部壁19の筒壁19aに直接印刷された印刷表示で形成することができる。中間ケース9の側に接合溝52を設け、後ケース10の前端に先の接合溝52内に係合する接合端36を形成することができる。吸引開口55は、外筒壁41の基端に形成する必要はなく、外筒壁41の前後方向の中途部に形成することができる。
【0074】
レンズ面37は、中間ケース9の外面、あるいは内外面に形成することができる。一群のレンズ面37の光学的特性は必ずしも一様である必要はなく、必要に応じてレンズ面37の光学的特性は異ならせることができる。髪受部30は、第2リブ29とホルダー筒22との対抗面の間に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】送風ファンとその周囲のケース構造を示す縦断側面図である。
【図2】ヘアードライヤーの側面図である。
【図3】本体ケースの分解側面図である。
【図4】本体ケースの縦断側面図である。
【図5】図4におけるA−A線断面図である。
【図6】図4におけるB−B線断面図である。
【図7】図4におけるC−C線断面図である。
【図8】後ケースの固定構造を示す縦断側面図である。
【図9】主ケースを破断した状態の分解平面図である。
【図10】ノズルの分離支援構造を示す一部破断側面図である。
【図11】中間ケースの別の実施例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0076】
1 本体ケース
7 主ケース
9 中間ケース
10 後ケース
12 送風ファン
13 モーター
14 ヒーターユニット
18 ファンケース
19 凹部壁
21 導風筒
32 段部
S 緩衝空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空筒状の本体ケース(1)の内部に、送風ファン(12)およびモーター(13)と、送風ファン(12)の周囲を囲むファンケース(18)と、ヒーターユニット(14)とが配置されており、
ファンケース(18)は、本体ケース(1)に設けた凹部壁(19)で保持固定されており、
凹部壁(19)の凹部開口の外面に中間ケース(9)を外嵌固定して、送風ファン(12)の周囲が、ファンケース(18)と、凹部壁(19)と、中間ケース(9)とで三重に囲まれており、
凹部壁(19)の内底と中間ケース(9)との間に、外部衝撃を吸収する緩衝空間(S)が形成してあることを特徴とするヘアードライヤー。
【請求項2】
本体ケース(1)が、二分割された左右一対の主ケース(7・7)を接合して構成されており、
主ケース(7・7)のいずれか一方にファンケース(18)が締結固定してある請求項1記載のヘアードライヤー。
【請求項3】
接合された両主ケース(7・7)の一端が、凹部壁(19)の外面に外嵌固定した筒状の中間ケース(9)で分離不能に固定してある請求項2記載のヘアードライヤー。
【請求項4】
凹部壁(19)に隣接して、中間ケース(9)を装着するための段部(32)が形成されており、
前記段部(32)に無端リング状の装飾リング(68)と、中間ケース(9)の一端に設けた嵌合壁(35)とが外嵌固定してある請求項2または3記載のヘアードライヤー。
【請求項5】
凹部壁(19)の吸込口側の後端壁(19c)に後ケース(10)を外嵌装着して、主ケース(7・7)が中間ケース(9)と後ケース(10)とで分離不能に固定してある請求項2、3または4記載のヘアードライヤー。
【請求項6】
中間ケース(9)と後ケース(10)とが内外に嵌係合する状態で接合されて、中間ケース(9)の吸込口側の接合端(36)が後ケース(10)で支持してある請求項5記載のヘアードライヤー。
【請求項7】
後ケース(10)の内面に吸い込み空気を整流する整流筒(40)が一体に形成されており、
整流筒(40)の外端に吸込口(45)が開口してある請求項5または6記載のヘアードライヤー。
【請求項8】
後ケース(10)が、整流筒(40)と、整流筒(40)の周囲を囲む外筒壁(41)と、外筒壁(41)の基端に張り出し形成される接合座(42)とを一体に備えており、
整流筒(40)の出口端が、送風ファン(12)のファンブレード(12a)の回転領域に近接する状態で配置してある請求項7記載のヘアードライヤー。
【請求項9】
後ケース(10)の外筒壁(41)に吸引開口(55)が形成されており、
整流筒(40)の出口端をファンケース(18)の内部に臨ませて、整流筒(40)と外筒壁(41)との間に、外部空気を吸引開口(55)から吸引誘導する誘引通路(54)が形成してある請求項8記載のヘアードライヤー。
【請求項10】
後ケース(10)の接合座(42)の周縁に、外筒壁(41)の基端部を囲む短筒壁(43)が形成されており、
短筒壁(43)と外筒壁(41)との間に、これら両者(41・43)と接合座(42)とを繋ぐ一群のリブ(44)が周方向へ一定間隔おきに形成してある請求項8または9記載のヘアードライヤー。
【請求項11】
凹部壁(19)の内底に装飾体(33)が配置されており、
中間ケース(9)が透明ないし半透明のプラスチック材で形成されていて、前記装飾体(33)が中間ケース(9)を介して視認できる請求項1〜10のいずれかに記載のヘアードライヤー。
【請求項12】
装飾体(33)がシート材で形成されて、凹部壁(19)の内底に巻装してある請求項11に記載のヘアードライヤー。
【請求項13】
中間ケース(9)の内面及び外面のいずれかにレンズ面(37)が形成してある請求項11または12記載のヘアードライヤー。
【請求項14】
中間ケース(9)の内部に切換えスイッチ(90)が配置されており、
中間ケース(9)が本体ケース(1)で回転変位可能に支持されていて、前記切換えスイッチ(90)を中間ケース(9)で切り換え操作できる請求項11から13のいずれかに記載のヘアードライヤー。
【請求項15】
ファンケース(18)が、送風ファン(12)の周囲を囲む円筒状の導風筒(21)と、モーター(13)が装着されるホルダー筒(22)と、ホルダー筒(22)の周囲を囲む円筒状の中間筒(23)と、導風筒(21)と中間筒(23)とを繋ぐ整流翼(24)を一体に備えており、
中間筒(23)の外直径と、送風ファン(12)のファンボス(12b)の周縁直径とがほぼ同じに設定されており、
中間筒(23)とホルダー筒(22)との間に、送風ファン(12)から送出される乾燥風の一部を通過させる通風路(28)が形成してある請求項1または2記載のヘアードライヤー。
【請求項16】
中間筒(23)とホルダー筒(22)とが、通風路(28)の出口寄りに配置したリブ(29)で連結されている請求項15記載のヘアードライヤー。
【請求項17】
リブ(29)が径方向の第1リブ(29a)と、軸方向の第2リブ(29b)とで構成されており、
中間筒(23)またはホルダー筒(22)と第2リブ(29b)との間に、髪受部(30)が形成してある請求項15または16記載のヘアードライヤー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−67766(P2008−67766A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246851(P2006−246851)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】