説明

ヘッドクランプ機構およびリライタブルカードプリンタ

【課題】リライタブルカード1の書き換えを複数のヘッド6により行う機構において、低コストを図るとともに、搬送方向の長さを短くして装置サイズを小さくし、搬送時間も短くする。
【解決手段】モータギア20と噛み合う2個のアイドルギア22と、モータ位置を基準として対称に配置された2本のカムシャフト18に、アイドルギア22と噛み合うギア19と、モータ位置を基準として互いに対称となるように備えたカム18を、同軸上にそれぞれ備え、モータ位置を基準として対称に配置され先端部を下降させる方向に付勢された2個のプレスホルダ11を備え、それぞれ、プレスホルダ11の後端部にカム18と当接するローラ13を配置し、プレスホルダ11の先端部にヘッド6を配置し、略中央に回動支軸となる支点シャフト15を配置し、モータ21の回転によるカム18とローラ13の当接位置の変化によりそれぞれのヘッド6を互い違いに駆動させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷内容を書き換え可能なカード(以下、「リライタブルカード」という)の書き換えを複数のヘッドによって行うヘッドクランプ機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、リライタブルカードのヘッドクランプ機構は、所定の加熱により印刷を行うサーマルヘッドと、印刷されたものを所定の加熱により消去する消去ヘッドを搬送路上に並べて配置した構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、印刷領域が異なる複数のカードの書き換えを行う場合、例えば、リライタブルカードのほぼ全域を印刷領域とする大エリアカードと、一部の領域を印刷領域とする小エリアカードの書き換えを行う装置では、不要な領域まで加熱しないようにするために、図9に示した消去部を大エリア用と小エリア用とそれぞれ設け、図8のように並べた構成としていた。
【0004】
すなわち、図右端から矢印Xinのように搬入される1はリライタブルカード、2はフィードローラおよびプレッシャローラからなる搬送ローラである。そして、54sは小エリアカードの消去部、54bは大エリアカードの消去部であり、それぞれ小エリアカード用消去ヘッド6sと大エリアカード用消去ヘッド6bがあり、各消去ヘッド6s、6bの手前には、消去ヘッド6s、6bの上昇、下降のタイミングを制御するためのセンサ8s、8bがそれぞれ具備されている。
【0005】
小エリアカード消去部54sおよび大エリアカード消去部の構成は図9に示した構成となっており、消去ヘッド6の幅以外は同じ構成となっている。
【0006】
小エリアカード用消去ヘッド6sは、プレスホルダ11sの先端に固定されており、プレスホルダ11sの後方下側には図示しないセンサが具備されており、プレスホルダ11sの回動による当該センサの遮光を検知してプレスホルダ11s、すなわち消去ヘッド6sの上昇および下降位置を検出する。
【0007】
そして、プレスホルダ11sの後方両端にはローラ13sが回転自在に配置されている。また、支点シャフト15sの両端はフレーム14sに固定されていて、プレスホルダ11sの回転支点となっており、支点シャフト15sの同軸上に図示しないヘッドスプリング等が取り付けられていて矢印Dのように消去ヘッド6sを常に下降方向に付勢するようになっている。
【0008】
また、カムシャフト58の両端がフレーム14sに支持され、一端にギア19sが固着されている。そして、モータギア20sが固着されたモータ21sはフレーム14sに固定され、モータギア20sとギア19sが噛み合っている。
【0009】
以上の構成により、従来のヘッドクランプ機構は、以下のように動作する。この動作を図10ないし図12の動作説明図を用いて以下説明する。まず、図示しない上位装置より印刷書き換えの指示があると、矢印Xin方向より搬入されてきたリライタブルカード1を搬送ローラ2により小エリアカード消去部54sに搬送する。このときのヘッドクランプ機構の状態は、図10の状態となっている。
【0010】
そして、上位装置からの指示が小エリアカードの書き換えの場合は、搬送されてきたリライタブルカード1の先端をセンサ8sにて検知し、一定量、リライタブルカード1を搬送した後、図11右側のようにモータ21sを矢印B方向に回転させる。
【0011】
すると、モータギア20sと噛み合って回転するギア19sが矢印C方向に回転し、連れ回りによりカム58sも矢印C方向に回転し、カム58sと当接しているローラ13sの位置が上側にシフトする。そして、プレスホルダ11sの先端すなわち、消去ヘッド6sがヘッドスプリング等により矢印D方向に付勢されているので、消去ヘッド6sが下降する。
【0012】
なお、このときの消去ヘッド6sの下降位置は図示しないセンサにて監視し、消去ヘッド6sがリライタブルカード1と当接する位置まで下降させ、印刷領域に記録された印刷データを消去する。
【0013】
そして、印刷領域分の消去が完了すると、モータ21sを矢印B方向とは逆に回転させ、消去ヘッド6sを上昇させ、前記センサにより上昇位置を検知し所定の位置にてモータ21sを停止させ、図10の状態に戻す。
【0014】
そして、リライタブルカード1を排出口30側に搬送し、大エリアカード消去部54bを通過させ、サーマルヘッド23により所望の印刷を行い、排出口30から矢印Xout方向に排出して書き換え処理を終了する。
【0015】
一方、上位装置からの指示が大エリアカードの書き換えの場合は、小エリアカード消去部54sを通過して搬送されてきたリライタブルカード1の先端をセンサ8bにて検知し、一定量、リライタブルカード1を搬送した後、図12左側のようにモータ21bを矢印B方向に回転させる。
【0016】
すると、モータ21bが矢印B方向に回転すると、モータギア20bと噛み合って回転するギア19bが矢印C方向に回転し、連れ回りによりカム58bが矢印C方向に回転し、カム58bと当接しているローラ13bの位置が上側にシフトする。そして、プレスホルダ11bの先端すなわち、消去ヘッド6bがヘッドスプリング等により矢印D方向に付勢されているので、消去ヘッド6bが下降する。
【0017】
なお、このときの消去ヘッド6bの下降位置は図示しないセンサにて監視し、消去ヘッド6bがリライタブルカード1と当接する位置まで下降させ、印刷領域に記録された印刷データを消去する。
【0018】
そして、印刷領域分の消去が完了すると、モータ21bを矢印B方向とは逆に回転させ、消去ヘッド6bを上昇させ、前記センサにより上昇位置を検知し所定の位置にてモータ21bを停止させ、図10の状態に戻す。
【0019】
そして、リライタブルカード1を排出口30方向に搬送し、サーマルヘッド23により所望の印刷を行い、排出口30から矢印Xout方向に排出して書き換え処理を終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開2001−88331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、上記従来のヘッドクランプ機構では、消去ヘッドを上昇および下降させる駆動源として小エリアカード用と大エリアカード用とそれぞれモータを備える必要があるため、コストが高くなるという問題があった。また、長い搬送路が必要となり搬送方向の装置サイズが大きくなり、搬送時間も長くなるといった問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、正転逆転駆動可能なモータと、前記モータのシャフトと同軸上に備えたモータギアと噛み合う2個のアイドルギアと、前記モータ位置を基準として対称に配置された2本のカムシャフトに、前記アイドルギアとそれぞれ噛み合うギアと、前記モータ位置を基準として互いに対称となるように備えたカムを、同軸上にそれぞれ備え、前記モータ位置を基準として対称に配置され、先端部を下降させる方向に付勢された2個のプレスホルダを備え、それぞれ、当該プレスホルダの後端部に前記カムと当接するローラを配置し、当該プレスホルダの先端部にヘッドを配置し、略中央に回動支軸となる支点シャフトを配置し、前記モータの回転による前記カムと前記ローラの当接位置の変化により前記それぞれのヘッドを互い違いに駆動させるようにした。
【発明の効果】
【0023】
本発明のヘッドクランプ機構によれば、正転逆転駆動可能なモータと、前記モータのシャフトと同軸上に備えたモータギアと噛み合う2個のアイドルギアと、前記モータ位置を基準として対称に配置された2本のカムシャフトに、前記アイドルギアとそれぞれ噛み合うギアと、前記モータ位置を基準として互いに対称となるように備えたカムを、同軸上にそれぞれ備え、前記モータ位置を基準として対称に配置され、先端部を下降させる方向に付勢された2個のプレスホルダを備え、それぞれ、当該プレスホルダの後端部に前記カムと当接するローラを配置し、当該プレスホルダの先端部にヘッドを配置し、略中央に回動支軸となる支点シャフトを配置し、前記モータの回転による前記カムと前記ローラの当接位置の変化により前記それぞれのヘッドを互い違いに駆動させるようにしたので、低コストが図れるとともに、搬送方向の長さを短くすることもでき装置サイズを小さくし、搬送時間も短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1のヘッドクランプ機構の構成図である。
【図2】実施例1のヘッドクランプ機構の消去部の外観斜視図である。
【図3】実施例1のヘッドクランプ機構の動作説明図である。
【図4】実施例1のヘッドクランプ機構の動作説明図である。
【図5】実施例1のヘッドクランプ機構の動作説明図である。
【図6】実施例2のヘッドクランプ機構の消去エリアと消去ヘッドの位置関係の説明図である。
【図7】実施例2のヘッドクランプ機構の動作フローチャート図である。
【図8】従来のヘッドクランプ機構の構成図である。
【図9】従来のヘッドクランプ機構の消去部の外観斜視図である。
【図10】従来のヘッドクランプ機構の動作説明図である。
【図11】従来のヘッドクランプ機構の動作説明図である。
【図12】従来のヘッドクランプ機構の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。なお、図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0026】
(構成)
図1は実施例1のヘッドクランプ機構の構成を示す図であり、図2は実施例1のヘッドクランプ機構の消去部の構成を示す外観斜視図である。
【0027】
同図に示したように、1はリライタブルカード、2はフィードローラおよびプレッシャローラからなる搬送ローラである。そして、4sは小エリアカードの消去部、4bは大エリアカードの消去部であり、各消去部には、小エリアカード用の消去ヘッド6sと大エリアカード用の消去ヘッド6bがあり、各ヘッドの手前には、消去ヘッドの上昇および下降のタイミングを制御するためのセンサ8s、8bが具備されている。
【0028】
小エリアカード消去部4sおよび大エリアカード消去部の機構構造は図2に示したような構造となっており、駆動源としてモータ21を1台とし、モータ21の駆動力をそれぞれのカード消去部に伝達するためのアイドルギア22s、22bを新たに設けた構成となっている。
【0029】
まず、各カード用消去ヘッド6s、6bは、プレスホルダ11s、11bの先端にそれぞれ固定されており、プレスホルダ11s、11bの後方には図示しないセンサが具備されており、プレスホルダ11s、11bによる当該センサの遮光を検知してプレスホルダ11s、11bの上昇および下降位置を検出する。
【0030】
そして、プレスホルダ11s、11bの後方両端にはそれぞれローラ13sと13bが回転自在に配置されている。また、支点シャフト15s、15bがフレーム14に固定されていて、プレスホルダ11s、11bの回転支点となっており、支点シャフト15s、15bの同軸上に図示しないヘッドスプリング等が取り付けられていて矢印Dのように消去ヘッド6s、6bを常に下降方向に付勢するようになっている。
【0031】
さらに、カムシャフト18の両端がフレーム14に支持され、一端にギア19s、19bがそれぞれ固着されている。そして、モータギア20が固着されたモータ21はフレーム14に固定され、モータギア20が、アイドルギア22Sおよび22bを介してギア19s、19bと噛み合った構成となっている。
【0032】
ここで、図1に示したように、小エリアカード消去部4sのカム18sと大エリアカード消去部4bのカム18bは、180度位相がずれた取り付けとなっており、モータ21を基準として対称の形状となっている。
【0033】
(動作)
以上の構成により実施例1のヘッドクランプ機構は、以下のように動作する。この動作を、図3ないし図5の動作説明図を用いて以下詳細に説明する。
【0034】
まず、図示しない上位装置より印刷書き換えの指示があると、矢印Xin方向より搬送されてきたリライタブルカード1を搬送ローラ2により消去部4sに搬送する。このとき、ヘッドクランプ機構の状態は図3の状態となっている。
【0035】
そして、上位装置からの指示が小エリアカードの書き換えの場合は、搬送されてきたリライタブルカード1の先端をセンサ8sにて検知し、一定量リライタブルカード1を搬送した後、図4のようにモータ21を矢印F方向に回転させる。
【0036】
すると、モータギア20と噛み合ってアイドルギア22sと22bが矢印G方向に回転し、これと噛み合ったギア19sと19bが矢印H方向に回転し、連れ回りによりカム8sと8bが矢印H方向に回転し、カム8bと凸側で当接するローラ13bの位置はそのままとなるが、カム8sと凹側で当接するローラ13sの位置は上側にシフトし、プレスホルダ11sの先端すなわち、消去ヘッド6sがヘッドスプリング等により矢印D方向に付勢されているので、消去ヘッド6sが下降する。
【0037】
なお、このときの消去ヘッド6sの下降位置は図示しないセンサにて監視し、消去ヘッド6sがリライタブルカード1と当接する位置まで下降させ、印刷領域に記録された印刷データを消去する。
【0038】
そして、印刷領域分の消去が完了すると、モータ21を矢印F方向とは逆に回転し、消去ヘッド6sを上昇させ、前記センサにより上昇位置を検知し所定の位置にてモータ21を停止させ、図3の状態に戻す。このとき、カム18bとローラ13bの上下方向の当接位置には変化がないので、消去ヘッド6bは、図3の状態のまま維持される。
【0039】
そして、リライタブルカード1を排出口30側に搬送し、大エリアカード消去部4bを通過させ、サーマルヘッド23により所望の印刷を行い、排出口30から矢印Xout方向に排出して書き換え処理を終了する。
【0040】
一方、上位装置からの指示が大エリアカードの書き換えの場合は、小エリアカード消去部4sを通過して搬送されてきたリライタブルカード1の先端をセンサ8bにて検知し、一定量リライタブルカード1を搬送した後、図5のようにモータ21を矢印J方向に回転させる。
【0041】
すると、モータギア20と噛み合ってアイドルギア22sと22bが矢印K方向に回転し、これと噛み合ったギア19sと19bが矢印L方向に回転し連れ回りによりカム8sと8bが矢印L方向に回転し、カム8sと凸側で当接しているローラ13sの位置はそのままとなるが、カム8bと凹側で当接しているローラ13bの位置は上側にシフトし、消去ヘッド6bがヘッドスプリング等により矢印D方向に付勢されているので、消去ヘッド6bが下降する。
【0042】
なお、このときの消去ヘッド6bの下降位置は図示しないセンサにて監視し、消去ヘッド6bがリライタブルカード1と当接する位置まで下降させ、印刷領域に記録された印刷データを消去する。
【0043】
そして、印刷領域分の消去が完了すると、モータ21を矢印J方向とは逆に回転し、消去ヘッド6bを上昇させ、前記センサにより上昇位置を検知し所定の位置にてモータ21を停止させ、図3の状態に戻す。このときカム18sとローラ13sの上下方向の当接位置には変化がないので、消去ヘッド6sは、図3の状態のまま維持される。
【0044】
そして、リライタブルカード1を排出口30側に搬送し、サーマルヘッド23により所望の印刷を行い、排出口30から矢印Xout方向に排出して書き換え処理を終了する。
【0045】
なお、以上の実施例の説明では、大エリアと小エリアの消去ヘッドを1つのモータで駆動する例を説明したが、消去印刷を同時に処理する装置でなければ、前述の構成により消去ヘッドとサーマルヘッドを1つのモータで上下駆動するようにしてもよい。
【0046】
(実施例1の効果)
以上のように実施例1のヘッドクランプ機構によれば、正転逆転駆動可能なモータと、前記モータのシャフトと同軸上に備えたモータギアと噛み合う2個のアイドルギアと、前記モータ位置を基準として対称に配置された2本のカムシャフトに、前記アイドルギアとそれぞれ噛み合うギアと、前記モータ位置を基準として互いに対称となるように備えたカムを、同軸上にそれぞれ備え、前記モータ位置を基準として対称に配置され、先端部を下降させる方向に付勢された2個のプレスホルダを備え、それぞれ、当該プレスホルダの後端部に前記カムと当接するローラを配置し、当該プレスホルダの先端部にヘッドを配置し、略中央に回動支軸となる支点シャフトを配置し、前記モータの回転による前記カムと前記ローラの当接位置の変化により前記それぞれのヘッドを互い違いに駆動させるようにしたので、低コストが図れるとともに、搬送方向の長さを短くすることもでき装置サイズを小さくし、搬送時間も短くすることができる。
【実施例2】
【0047】
(構成)
実施例2のヘッドクランプ機構の構成は、図6を用いて後述するように小エリアの消去ヘッド6sと大エリアの消去ヘッド6bを上側用ヘッド6uと下側用ヘッド6dに置き換えた構成となっており、小エリアの消去ヘッド6sが上側用ヘッド6uに対応し大エリアの消去ヘッド6bが下側用ヘッド6dに対応している。その他の構成は、図1および図2の実施例1のヘッドクランプ機構と同様であるので、簡略化のためにその詳細な説明は省略する。
【0048】
図6は、実施例2のヘッドクランプ機構の消去エリアと消去ヘッドの位置関係を示した図である。同図に示したように、消去ヘッド6d、6uの幅が消去エリアに応じた幅となっている。また、それぞれの消去ヘッド6d、6uの配置は、消去ヘッド幅方向に重なり部分Lfがあり、リライタブルカード1の搬送方向のピッチLgは、消去熱が干渉しない程度の距離として例えば消去エリアLw以上の距離となるように配置されている。
【0049】
(動作)
以上の構成により実施例2のヘッドクランプ機構は、以下のように動作する。この動作を、前述の図1ないし図6、および図7の動作フローチャート図を用いて以下詳細に説明する。
【0050】
まず、図示しない上位装置よりリライタブルカード1の上半分のエリアAの消去指示があった場合(ステップS01)、図4のようにモータ21を矢印F方向に回転させ、上側消去ヘッド6uを矢印Dのように降下させ(ステップS02)、エリアAの領域を消去する(ステップS03)。
【0051】
同様に、エリアBの消去指示があった場合は(ステップS04)、図5のようにモータ21を矢印J方向に回転させ、下側消去ヘッド6dを矢印Dのように降下させ(ステップS05)、エリアBの領域を消去する(ステップS06)。
【0052】
また、エリアC(全面)の消去指示があった場合は(ステップS07)、まず、図4のようにモータ21を矢印F方向に回転させ、上側消去ヘッド6uを下降させ(ステップS08)、エリアAの領域を消去する(ステップS09)。その後、図5のようにモータ21を矢印J方向に回転させ、下側消去ヘッド6dを下降させ(ステップS10)、エリアBの領域を消去する(ステップS11)。
【0053】
なお、以上の実施例の説明では、所定の重なるエリアを有した上半分と下半分に分割して消去する例を説明したが、上側を1/3、下側を2/3としたりその逆の分割としたり、上側を1/4、下側を3/4としたりその逆の分割をしたりした場合でも、同様に本発明を適用できる。
【0054】
(実施例2の効果)
以上のように実施例2のヘッドクランプ機構によれば、消去ヘッドを、複数のエリアに分割し互いに重なりあうエリアを有するように構成したので、実施例1の効果に加え、比較的安価な短い複数のヘッドにより全エリアの消去も行うことができるようになり、さらに装置コストを安くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上述べたように、本発明は、リライタブルカードの書き換えを複数のヘッドにより行う機構を備えたリライタブルカードプリンタ等に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 リライタブルカード
2 搬送ローラ
4s 小エリアカード消去部
4b 大エリアカード消去部
6s、6b 消去ヘッド
8s、8b センサ
11s、11b プレスホルダ
13s、13b ローラ
15s、15b 支点シャフト
18 カムシャフト
18s、18b カム
19s、19b ギア
20 モータギア
21 モータ
22s、22b アイドルギア
23 サーマルヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正転逆転駆動可能なモータと、
前記モータのシャフトと同軸上に備えたモータギアと噛み合う2個のアイドルギアと、
前記モータ位置を基準として対称に配置された2本のカムシャフトに、前記アイドルギアとそれぞれ噛み合うギアと、前記モータ位置を基準として互いに対称となるように備えたカムを、同軸上にそれぞれ備え、
前記モータ位置を基準として対称に配置され、先端部を下降させる方向に付勢された2個のプレスホルダを備え、それぞれ、当該プレスホルダの後端部に前記カムと当接するローラを配置し、当該プレスホルダの先端部にヘッドを配置し、略中央に回動支軸となる支点シャフトを配置し、
前記モータの回転による前記カムと前記ローラの当接位置の変化により前記それぞれのヘッドを互い違いに駆動させるようにしたことを特徴とするヘッドクランプ機構。
【請求項2】
前記カムは、一方端部を凸形状とし、他方端部を凹形状としたことを特徴とする請求項1記載のヘッドクランプ機構。
【請求項3】
前記2つのヘッドは、互いに異なるエリアを加熱により消去できる消去ヘッドであることを特徴とする請求項1記載のヘッドクランプ機構。
【請求項4】
前記異なるエリアは、広いエリアと狭いエリア、または複数に分割したエリアであることを特徴とする請求項3記載のヘッドクランプ機構。
【請求項5】
前記2つのヘッドは、消去ヘッドとサーマルヘッドであることを特徴とする請求項1記載のヘッドクランプ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−148274(P2011−148274A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13525(P2010−13525)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)