説明

ヘッドホン収納装置

【課題】収納されたヘッドホンが外部からの力によって破損することがないヘッドホン収納装置を提供する。
【解決手段】ヘッドホン収納装置は、内部にヘッドホンを収納するケース本体200と、該ケース本体における、ヘッドホンを構成するイヤパッドの接触面と対向する側の面に設けられ、空気流動部が形成された板状体300とからなる。前記空気流動部に繋がる空気排出部は、前記ケース本体に前記ヘッドホンが収納された状態において、前記イヤパッドが接触しない位置に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ヘッドホンを収納するヘッドホン収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型音楽再生装置などにより再生される音声を聴取するためにヘッドホンが広く用いられている。携帯型音楽再生装置は屋外に持ち出すことが可能であるため、それに伴いヘッドホンが屋外に持ち出される機会も多い。そのような場合には、ヘッドホンを収納することにより、ヘッドホンの持ち運びを容易にするキャリングケースが用いられることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
持ち運び時に邪魔にならないために、ヘッドホン用のキャリングケースには、できるだけコンパクトにヘッドホンを収納することが要求される。よって、ヘッドホン用キャリングケースにおいては、ヘッドホンを構成する一対のイヤパッドのユーザの側頭部に接触する面(接触面)が対向した状態ではなく、一対のイヤパッドの接触面が同一方向を向いた状態でヘッドホンを収納するのが通常である(先行技術文献なし)。この状態においては、イヤパッドの接触面はキャリングケース内面に接することとなる。
【0004】
しかし、そのようにしてヘッドホンを収納すると、イヤパッドの接触面に形成された開口部がキャリングケースの内面によって塞がれてしまう。そうすると、イヤパッドがキャリングケース外からの力により押圧されると、イヤパッド内の空気が開口部から排出されず、空気はヘッドホンのドライバユニット、回路などを圧迫することとなる。これにより、ヘッドホンが故障してしまうおそれがある。
【0005】
したがって、本技術の目的は、収納されたヘッドホンのイヤパッドに力が加わってもヘッドホンが故障等することがないヘッドホン収納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本技術は、内部にヘッドホンを収納するケース本体と、該ケース本体における、前記ヘッドホンを構成するイヤパッドの接触面と対向する側の面に設けられ、空気流動部が形成された板状体とからなるヘッドホン収納装置である。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、収納されたヘッドホンが外部からの力によって破損することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1Aは、本技術に係るヘッドホン収納装置に収納されるヘッドホンの外観構成を示す図であり、図1Bはヘッドホンの部分拡大図であり、図1Cはイヤパッドの構成を示す図である。
【図2】図2Aは、折り畳まれた状態のヘッドホンの外観構成を示す平面図であり、図2Bは折り畳まれた状態のヘッドホンがヘッドホン収納装置に収納されている状態を示す平面図である。
【図3】図3Aは蓋を閉じた状態のヘッドホン収納装置の外観構成を示す図であり、図3Bは蓋を開いた状態のヘッドホン収納装置の外観構成を示す図である。
【図4】図4は、ヘッドホン収納装置の構成を示す分解斜視図である。
【図5】図5は、ヘッドホンがヘッドホン収納装置に収納された状態を示す図である。
【図6】図6は、本技術の変形例に係るヘッドホン収納装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本技術の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本技術は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.実施の形態>
[1−1.ヘッドホンの構成]
[1−2.ヘッドホン収納装置の構成]
[1−3.ヘッドホン収納装置による効果]
<2.変形例>
【0010】
<1.実施の形態>
[1−1.ヘッドホンの構成]
図1は、ヘッドホン1の外観構成を示す図である。ヘッドバンド2はユーザの頭部に沿うように湾曲状に形成されており、ヘッドホン装着状態においてユーザの頭頂部に接することによりヘッドホン1全体を支持するものである。ヘッドバンド2はプラスチックなどの合成樹脂、金属などを用いて構成されており、所定の剛性および弾性を有することにより可撓性を備えている。これにより、装着時にはハウジング5およびイヤパッド8をユーザの側頭部方向に押圧してヘッドホン1の装着状態を維持することができる。
【0011】
例えば、ヘッドバンド2全体は緩衝材としてのスポンジで覆われており、そのスポンジはさらに合成皮革で覆われている。また、ヘッドバンド全体を緩衝材で覆うのではなく、ヘッドバンド2の内面におけるユーザの頭頂部に当接する部分に緩衝材としてゴム、スポンジなどを設けるようにしてもよい。これにより、硬質のヘッドバンドがユーザの頭部に接触することによる不快感を低減させることができる。また、ヘッドバンド2の略中央に携帯時に折り畳めるようにヒンジを備えるようにしてもよい。
【0012】
スライダ3は、ヘッドバンド2の両端に設けられている。そして、スライダ3にはハンガ4が設けられている。スライダ3はヘッドバンド2内部において摺動可能に構成されている。スライダ3が摺動することにより、ハンガ4をヘッドバンド2に対して下方または上方に移動させることができる。ヘッドホン1の装着時には、ユーザの頭部の大きさや耳と頭頂部との距離などに合わせてスライダ3の伸縮度合いを調整することにより、ハウジング5およびイヤパッド8をユーザの耳に対向する位置に合わせる事ができる。これにより、ユーザは自らの身体的特徴や嗜好に応じた装着感を得ることができる。一方、ヘッドホン1を使用しない場合には、スライダ3を縮めた状態にすることにより、保管スペースを節約することができる。
【0013】
ハンガ4はスライダ3の先端にそれぞれ設けられており、それぞれがハウジング5を回動自在に支持するものである。本実施の形態においては、ハンガ4はスライダ接続部4A、中間部4B、ハウジング支持部4Cおよびヒンジ部4Dにより構成されている。スライダ接続部4Aは上述したスライダ3と接続されている部分である。中間部4Bはスライダ接続部4Aとハウジング支持部4Cとの間に介在するものである。スライダ接続部4Aと中間部4Bとは、ヒンジ4Dを介して接続されている。これにより、ヘッドホン1はヒンジ部4Dを支点としてα方向に折り曲げ可能となっている。
【0014】
ハウジング支持部4Cはハウジング5を回動自在に支持するものである。ハウジング支持部4Cは、二股状に構成されており、一対の先端からそれぞれ内向きに突出する支持ピン(図示せず。)で軸支することによりハウジング5を回動自在に支持する。これにより、ヘッドホン1の装着時においては、ユーザの耳の周囲の形状に合わせてハウジング5の向きが変わるため、ハウジング5をユーザの側頭部の形状に適した状態で耳に対向させることができる。
【0015】
さらに、ハウジング支持部4Cは回転軸(図示せず。)を介して中間部4Bと接続されていることにより、β方向へ回転可能に構成されている。
【0016】
ハウジング5は、内部に音声処理回路、ノイズキャンセリング処理回路、ドライバユニット(いずれも図示せず。)などを収容する収容部として機能するものである。ハウジング5は例えば、プラスチックなどの合成樹脂を用いて形成されている。音声処理回路は例えば、スピーカを駆動する音声信号に対して、信号増幅処理、イコライジング処理などの所定の音声信号処理を施すものである。スピーカは音声処理回路により処理が施された音声信号を音声として出力する音声出力手段である。
【0017】
図1Bに示すように、ハウジング5の側面にはノイズとしての外部音声を集音するためのマイクロホン6が設けられている。例えば、ノイズキャンセリング処理回路において、マイクロホン6で集音された音声の位相を反転させることにより逆位相音を生成し、それを用いることによりノイズキャンセリングが行われる。また、ハウジング5にはノイズキャンセリング機能のオン・オフを切り替えるためのスイッチ7が設けられている。
【0018】
イヤパッド8は、ウレタンなどの柔軟性を有する素材とその外周を被覆する合成皮革などにより高い気密性および柔軟性を有するように構成されている。イヤパッド8は、ハウジング5におけるユーザの側頭部に対向する側の面に設けられている。
【0019】
イヤパッド8は、ハウジング5とユーザの側頭部との間に介在することにより、ハウジング5とユーザの側頭部間の緩衝部材として機能するものである。すなわち、イヤパッド8は、ヘッドホン1の装着時において、変形しにくい硬い素材で形成されたハウジング5が直接ユーザの側頭部に接してユーザに不快感や痛みを与えることを防止するものである。
【0020】
イヤパッド8は高い気密性を有することにより、低音域の再現性の向上などの音質の向上を図る役割も担う。また、スピーカから出力される音声が外部に漏れることを防ぐ役割も担う。さらに、イヤパッド8は外部からの騒音を遮断してスピーカからの音声を聴取し易くする働きも担う。
【0021】
図1Cに示すように、イヤパッド8は、ユーザの側頭部に接する側の面の略中央に開口部8Aが形成された円筒状に構成されている。開口部8Aを通じてドライバユニットからの音が外部に出力される。また、イヤパッド8が外部から押圧された場合、イヤパッド8内の空気は開口部8Aから外部に排出される。
【0022】
密閉性が高く、さらに、開口部8Aが塞がれていると、イヤパッド8が外部から押圧された場合、空気は開口部8Aから外部に排出されずに、イヤパッド8内で圧縮されてドライバユニットなどに負荷をかけることとなる。これにより、ドライバユニットなどの故障を引き起こされる場合がある。
【0023】
イヤパッド8の開口部8Aを覆うようにネット9が設けられている。ネット9は、ハウジング5に収容されているドライバユニット、音声処理回路などへの塵埃の侵入を防止するためのものである。ネット9は網目状に構成されているため、その存在により開口部8Aからの空気の排出が妨げられることはない。
【0024】
図1Bに示すように、一対のハウジング5、5のうちの一方のハウジング5にはコード接続用の雌型プラグ10が設けられている。雌型プラグ10はハウジング5内部において電気的に音声処理回路に接続されている。
【0025】
コード11は、内部に左チャンネル用導線L、右チャンネル用導線R、グランド線Gなどが挿通しており、ヘッドホン1に音声信号を伝送するためのものである。コード11の一端には雄型プラグ11Aが設けられており、雄型プラグ11Aをハウジング5の雌型プラグ10に挿入することによりコード11がハウジング5に接続される。このように、コード11はハウジング5に対して着脱可能に構成されている。コード11を着脱可能に構成することにより、ヘッドホン1を折り畳んだ収納する際にコード11をヘッドホン1から外すことができる。
【0026】
コード11の他端にはプラグ(図示せず。)が設けられている。そのプラグがMP3プレーヤなどの音声再生装置(図示せず。)に接続されることにより、ヘッドホン1が音声再生装置に接続される。
【0027】
コード11が接続されてない他方のハウジング5内のスピーカを駆動するために、コード11が接続されているハウジング5と、コード11が接続されていない他方のハウジング5との間には、接続コード(図示せず)が設けられている。この接続コードは、コード11またはコード11が接続されたハウジング5内の音声処理回路に接続され、ハンガ4、スライダ3及びヘッドバンド2の内部を挿通して他方のハウジング5内の音声処理回路に接続される。この接続コードによって、コード11が接続されていない他方のハウジング5内の音声処理回路に音声信号が伝送される。ただし、左右両方のハウジング5内の音声処理回路にそれぞれ音声信号を供給するように2本のコードをそれぞれ左右のハウジング5に接続する構成としてもよい。
【0028】
図2Aは、ヘッドホン1が折り畳まれた状態を示す平面図である。上述したように、ハンガ4はヒンジ4Dを支点としてα方向に折り曲げ可能に構成されている。さらに、ハンガ4のハウジング支持部4Cはβ方向に回転可能に構成されている。よって、図2Aに示すように、一対のイヤパッド8、8が対抗した状態ではなく、同一方向を向いた状態にすることができる。このように、イヤパッド8を同一方向に向かせることができることにより、ヘッドホン1を薄い状態にすることができる。これにより、ヘッドホン1をよりコンパクトにキャリングケース100に収納することが可能となる。本実施の形態におけるヘッドホン1は、図2Bに示すように、折り畳まれた状態でキャリングケース100に収納される。キャリングケース100の構成については後述する。
【0029】
[1−2.ヘッドホン収納装置の構成]
次に、上述したヘッドホンを収納するヘッドホン収納装置としてのキャリングケース100の構成について説明する。図3はキャリングケース100の外観構成を示す斜視図である。図3Aはキャリングケース100の閉じた状態を示し、図3Bはキャリングケース100の開いた状態を示すものである。
【0030】
キャリングケース100は、ケース本体200と、ケース本体200に設けられた心材としての板状体300と、板状体300をカバーするカバー部400とから構成されている。
【0031】
ケース本体200は、ヘッドホンを収納する収納部210と、収納部210を開閉する蓋部220とから構成されている。収納部210および蓋部220は、例えば厚紙やプラスチックなどのある程度の硬さを有する部材の外面を合成皮革などで覆い、さらに内面を布などで覆うことにより構成されている。
【0032】
収納部210は、平板状の底面部211と、曲面状に形成された側面部212とから、上方が開口するように構成されている。ヘッドホン1のヘッドバンド2が側面部212に沿うように側面部212は曲面状に形成されている。これにより、ヘッドホン1をコンパクトに収納することができる。また、側面部212は図3Bに示すように一方向において開放するように形成されている。
【0033】
蓋部220は、上方において開口している収納部210を開閉するためのものである。蓋部220は、例えば、収納部210の底面部211に縫い合わせることにより結合されている。蓋部220は底面部211との結合部分で折り曲げられることにより収納部210の開口部分に覆いかぶさるようになり、収納部210を閉じる。蓋部220は例えば、ファスナー、ナイロン製の付着テープ、ボタンなどで閉じた状態を維持することができるようにするとよい。なお、蓋部220と収納部210は別部材として構成するのではなく、一部材により一体的に構成してもよい。
【0034】
蓋部220の内面には、例えば、布を縫い付けることなどにより袋部221が設けられている。袋部221には例えば、ヘッドホンから取り外したコード11、電池などを収納することが可能である。なお、蓋部220の縁にゴムなどの弾性体を設けることにより、その弾性力により袋部221が自然に閉じて、蓋部220に収納したコード等が誤って落下してしまうことなどを防止することができる。
【0035】
図4はキャリングケース100を分解した状態を示す斜視図である。キャリングケース100を構成するケース本体200の底面部211上には心材としての板状体300が設けられている。さらに板状体300上にはカバー部400が設けられている。すなわち、キャリングケース100の底面側は三層積層構造となっている。底面部211、板状体300およびカバー部400は例えば、接着剤などにより固着されている。
【0036】
板状体300は例えば、厚紙やプラスチックなどのある程度の硬さを有する部材を用いて構成されており、平板状に形成されている。板状体300はキャリングケース100の形状を保つために設けられるものである。
【0037】
板状体300には一対の溝310、310が形成されている。溝310は特許請求の範囲における空気流動部に相当するものである。溝310の空気流動部としての機能については後述する。さらに、板状体300には一対の溝310、310と繋がるように空気排出部320が形成されている。空気排出部320は、板状体300の一部を切り欠くようにして形成されている。詳しくは後述するが、空気排出部320は溝310を通過した空気が外部へ抜けるための空気抜きとして機能するものである。
【0038】
カバー部400は、布などの通気性を有する材質で構成されている。カバー部400の上面には、上方に向かって起立するように仕切り部410が設けられている。仕切り部410は、収納部210内にヘッドホンを収納した際に一対のハウジング5間に介在することにより、ハウジング5同士が接触して傷つくことを防止するためのものである。
【0039】
[1−3.ヘッドホン収納装置による効果]
図5は、キャリングケース100にヘッドホン1が収納された状態を示す図である。なお、説明の便宜上、カバー部400は除かれており、ヘッドホン1は破線で示されており、さらに板状体300は太線で示されている。
【0040】
図5に示すように、一対の溝310、310は、一対のイヤパッド8、8の略中央に形成された開口部8A、8Aに対応する位置にそれぞれ形成されている。また、空気排出部320は、収納部210にヘッドホン1を収納した状態において、イヤパッド8、8が重ならない位置に形成されている。
【0041】
ここで、ヘッドホン1がキャリングケース100に収納された状態において外部からイヤパッド8に力が加えられた場合を想定する。この場合、上述したように、イヤパッド8の開口部8Aが塞がれていると、イヤパッド8内の空気は外部に排出されずに圧縮されてドライバユニットなどを押圧して破損させるおそれがある。
【0042】
しかし、本技術は、収納部210内に設けられた板状体300において、イヤパッド8、8の開口部8A、8Aに対応する位置にそれぞれ溝310、310が形成されている。これにより、イヤパッド8がキャリングケース100の底面に位置するカバー部400に接触しても、開口部8Aが閉塞された状態とはならない。いわば、一対の開口部8A、8Aと一対の溝310、310とはそれぞれがカバー部400を介して連通した状態となる。
【0043】
したがって、外部からイヤパッド8が押圧されると、イヤパッド8内の空気は開口部8Aから排出されて、溝310に流入する。そして、空気は図5中の矢印γに示すように、溝310を経由して空気排出部320から外部(収納部210内)に排出される。なお、空気排出部320はイヤパッド8が重ならない位置に設けられているため、イヤパッド8が空気排出の妨げになることはない。
【0044】
このようにして、イヤパッド8にキャリングケース100外から力が加わっても、イヤパッド8内の空気は外へ排出されるため、空気がヘッドホン1のドライバユニットなどを損傷させてしまうことがない。
【0045】
なお、板状体300の上にはカバー部400が設けられているが、カバー部400が通気性を有する素材により構成されているため、カバー部400が空気の排出の妨げになることはない。なお、本技術の構成上、カバー部400は必須の構成ではない。
【0046】
溝310は細い溝状であるため、溝310の存在により、板状体300によるイヤパッドの支持が不安定になることはない。
【0047】
本技術は、外周面が高い気密性を有するように構成されるイヤパッドを備えるヘッドホン、例えば、ノイズキャンセリングヘッドホンの収納において特に有効であると考えられる。ただし、ノイズキャンセリングヘッドホン以外のノイズキャンセリング機能を備えないヘッドホンにも適用可能である。
【0048】
<2.変形例>
以上、本技術の実施の形態について具体的に説明したが、本技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0049】
上述したように、空気排出部320はキャリングケース100内にヘッドホン1を収容した状態においてイヤパッド8、8が重ならない箇所に形成されている必要がある。したがって、図4および5に示した位置以外にも例えば、図6に示す位置に形成してもよい。図6に示す位置に空気排出部320を形成しても、イヤパッド8の存在により空気の排出が妨げられることはない。
【0050】
また、収納部210に加え、さらに蓋部220にも板状体300を設けるようにしてもよい。これにより、ヘッドホンを上向き、下向きどちらの方向で収納しても本技術の効果を奏することができる。
【0051】
また、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0052】
(1)内部にヘッドホンを収納するケース本体と、
該ケース本体における、前記ヘッドホンを構成するイヤパッドの接触面と対向する側の面に設けられ、空気流動部が形成された板状体と
からなる
ヘッドホン収納装置。
【0053】
(2)前記空気流動部は、溝状に形成されている
前記(1)に記載のヘッドホン収納装置。
【0054】
(3)前記空気流動部は、前記ケース本体内に前記ヘッドホンが収納された状態において、前記イヤパッドの接触面に形成された開口部に対応する位置に形成されている
前記(1)または(2)に記載のヘッドホン収納装置。
【0055】
(4)前記空気流動部は、前記ヘッドホンを構成する一対の前記イヤパッドのそれぞれに対応する2つの溝として形成されている
前記(1)から(3)のいずれかに記載のヘッドホン収納装置。
【0056】
(5)前記板状体にさらに前記空気流動部に繋がる空気排出部が形成されている
前記(1)から(4)のいずれかに記載のヘッドホン収納装置。
【0057】
(6)前記空気排出部は、前記ケース本体に前記ヘッドホンが収納された状態において、前記イヤパッドが接触しない位置に形成されている
前記(5)に記載のヘッドホン収納装置。
【0058】
(7)前記ヘッドホンを構成する前記イヤパッドは密閉性を有する
前記(1)から(6)のいずれかに記載のヘッドホン収納装置。
【符号の説明】
【0059】
1・・・・ヘッドホン
100・・・キャリングケース
200・・・ケース本体
300・・・板状体
310・・・溝
320・・・空気排出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にヘッドホンを収納するケース本体と、
該ケース本体における、前記ヘッドホンを構成するイヤパッドの接触面と対向する側の面に設けられ、空気流動部が形成された板状体と
からなる
ヘッドホン収納装置。
【請求項2】
前記空気流動部は、溝状に形成されている
請求項1に記載のヘッドホン収納装置。
【請求項3】
前記空気流動部は、前記ケース本体内に前記ヘッドホンが収納された状態において、前記イヤパッドの接触面に形成された開口部に対応する位置に形成されている
請求項1に記載のヘッドホン収納装置。
【請求項4】
前記空気流動部は、前記ヘッドホンを構成する一対の前記イヤパッドのそれぞれに対応する2つの溝として形成されている
請求項1に記載のヘッドホン収納装置。
【請求項5】
前記板状体にさらに前記空気流動部に繋がる空気排出部が形成されている
請求項1に記載のヘッドホン収納装置。
【請求項6】
前記空気排出部は、前記ケース本体に前記ヘッドホンが収納された状態において、前記イヤパッドが接触しない位置に形成されている
請求項5に記載のヘッドホン収納装置。
【請求項7】
前記ヘッドホンを構成する前記イヤパッドは密閉性を有する
請求項1に記載のヘッドホン収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−38671(P2013−38671A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174542(P2011−174542)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】