説明

ヘッドマウント型溶接用画像監視装置

【課題】本発明の課題は、溶接前、溶接後の状態と溶接中の周辺も含めた広い輝度範囲の状態の情報をモニタできるヘッドマウント型のカメラおよび表示装置を有する溶接用画像監視装置を提供することである。
【解決手段】本発明によるヘッドマウント型溶接用画像監視装置は、画像処理コントローラの画像処理によって、溶接前、溶接後、溶接時の広いダイナミックレンジを有する画像の強度を、カメラからの画像の強度範囲を圧縮又は強度により強度を変える係数を切り替えることで、可視領域の適当な強度範囲にするようにした

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドマウント型の溶接用画像監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来溶接作業者による溶接作業は、溶接棒を溶接部に近づけながら溶接用保護面で顔面を覆い、溶接を開始した溶接部が発する溶接光又はそれが照射した周辺の状態をフィルタガラスを通じて目視して、溶接を行うものであった。然るに溶接面のフィルタを用いた遮光特性は、フィルタ特性に依存するので、例えば、有害な青色部を特別に除くものでは、その情報量が失われてしまい、輝度が強すぎて眩しい又は眼を傷める場合に光強度を強度にかかわらず一様に減光するので、輝度の強い部分を眼に取って適度な状態に持ってくると、輝度の弱い部分は、真っ暗になり眼で見えなくなってしまう。溶接時は溶接部とその周辺を含めると輝度が広い範囲をもった情報をもっているので、フィルタガラスによる従来の溶接面では、対応が不十分であった。溶接面では、溶接前の状態と溶接中の周辺も含めた広い輝度範囲の状態の情報をモニタできないという欠点を有していた。この事情を以下に説明する。
【0003】
図3は、従来の溶接面を用いた場合の不都合を説明する図である。3−Aは、横軸に溶接部とその周辺部の光強度分布であり、非溶接時と溶接時では、4桁の差異がある。これに対して、縦軸は人間の目の光感度を示している。a−a以下は、暗くて見えない光強度であり、約0.1lux以下、b−bは明るすぎて(眩しい、或いは眼を傷める)白とびする光強度であり、約10000lux以上である。これに対して、非溶接時は、溶接作業場所の光強度であり、50から100luxであり、溶接時の溶接部とその周辺は、100から10万luxの範囲となる。図4は、これらの溶接に関連する光強度範囲を示す図である。従って、溶接時の溶接部とその周辺を眼で見ると、非溶接時には見えるが、溶接時は見えるところと、明るすぎて目を傷める部分があり、明るすぎる近くの暗い部分も逆光現象により暗くなる。従って、明るすぎる部分を3−Bに示す溶接面300のフィルタ301を介して減衰させると、3−Cのように、明るすぎる部分が、b−bより下の目視できる範囲に入ってくる。但し、フィルタにより明るさに対して一律に減衰するので、溶接時の溶接部とその周辺でも暗くて見えない部分も出てくる。又、この溶接面を介しては、非溶接時の溶接部とその周辺は、真っ黒で全く見えないので、溶接開始前は、感で位置関係を定めるなどの不都合があった。又、溶接面のフィルタではブルーライト障害を防ぐため、青435〜440nmの光を除去することが行われる。このため、情報量が低下する不都合があった。図5はアーク溶接光の光強度分布を示す図であるが、青435〜440nmの光が強く、眼を傷めることが知られている。
【0004】
然るに、溶接光をカメラを通して画像を取得してヘッドマウント表示器に表示するものが特許文献1として提案された。これは透過率の異なる光学フィルタを取り付けた少なくとも2個のカメラで溶接部のアーク部分と溶融池の部分を別々に撮影し、それらの映像を画像の位置が重なるように合成してヘットマウントディスプレイに表示するものである。然るにこの合成においては、次の不都合がある。透過率が例えば2種類というように連続のものでなく飛び飛びの値になる。細かくするには沢山のフィルタとカメラが必要となり、2種類にすると、溶接部とその周辺の画像が粗く表現されるので、細かな溶接仕上がりを観測するには制限がある。さらに、本質的に溶接部とその周辺を含めると輝度が広い範囲をもった情報を2種の粗いフィルタで可視領域にするので、非溶接時のさらに暗い部分まで観測することはさらにフィルタの数とカメラを増やさないとできない。又、2種類のフィルタとカメラで取った画像から明るい部分と暗い部分を分けて合成することは、明るさの閾値で境界を判断するのであるが、明るさが階段状に大きく変わる場合は可能だが、それ以外の緩慢な明るさが変わる場合は可能ではないので、この合成は自ずと制限が大きい。さらに、閾値で境界の両側で2種類の透過率のフィルタとカメラで処理されるので、境界では、明るさに段差ができることになり、これはもともと明るさが階段状のところでは問題にならないが、明るさが徐々に変わるところでは問題になる。従って、このシステムで問題にならないのは、明るさが階段状に変わる部分で合成領域が別れる場合で、輝度の高い溶接部と輝度の低いビード部に分けて合成されることになる。特許文献2にも、同様な記述がある。これらの提案でも溶接面の場合と同じく、溶接前の状態と溶接中の周辺も含めた広い輝度範囲の状態の情報をモニタできないという欠点を有していた。
【特許文献1】特開2000−176675
【特許文献2】特願2002−564084
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような事情から、解決しようとする課題は、溶接前、溶接後の状態と溶接中の周辺も含めた広い輝度範囲の状態の情報をモニタできるヘッドマウント型のカメラおよび表示装置を有する溶接用画像監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための手段として、本発明によるヘッドマウント型溶接用画像監視装置は、ヘッドマウント具とこれに付設したワイドダイナミックレンジカメラとカメラで取得した画像データを記憶する画像メモリと画像データを画像処理する画像処理コントローラとヘッドマウント具に付設した表示器と画像処理コントローラの出力で表示器を駆動するための表示器コントローラを有し、画像処理コントローラの画像処理によって、溶接前、溶接後、溶接時の広いダイナミックレンジを有する画像の強度を、カメラからの画像の強度範囲を圧縮又は強度により強度を変える係数を切り替えることで、可視領域の適当な強度範囲にするようにしたことを特徴としている。以下、請求項に沿って説明する。
【0007】
請求項1記載の発明は、ヘッドマウント型溶接用画像監視装置であって、頭部につけるためのヘッドマウント具と、前記ヘッドマウント具に付設したワイドダイナミックレンジカメラと、前記ワイドダイナミックレンジカメラの取り込んだ溶接部およびその周辺部の画像データを画像処理する画像処理コントローラと、前記画像データを記憶しておく画像メモリと、前記ヘッドマウント具に付設した表示器と、前記画像処理コントローラからの前記画像データを前記表示器に表示するための表示器コントローラとを有し、前記画像処理コントローラは、溶接前、溶接後の非溶接時と溶接中の溶接部とその周辺部の前記画像データの光強度を人の眼の可視範囲になるようにするための光強度範囲圧縮器、光強度範囲シフト器及び光強度範囲切替器のうち少なくとも一つを有していることを特徴とする。
これにより、全範囲の画像が視認でき作業性が改善できる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置において、前記ヘッドマウント具は、頭部につける帽子タイプ又はベルトタイプ、又は耳にかけるつるを有する眼鏡タイプのいずれかであることを特徴とする。これによりヘッドマウントの手段が確保できる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置において、前記前記ヘッドマウント具には、前記光強度範囲圧縮器、前記光強度範囲シフト器及び前記光強度範囲切替器の動作を外部から設定するための設定入力器が付設していることを特徴とする。これにより、溶接時に光強度を見ながら最適な条件設定が可能となる。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置において、前記光強度範囲圧縮器の圧縮は、圧縮処理前の光強度に線形比例した圧縮処理後の光強度となる線形圧縮又は、圧縮処理前の光強度に線形比例しないで曲線的に変わる非線形圧縮であることを特徴とする。これにより圧縮が効果的に行われる。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置において、前記画像処理コントローラは、前記画像データの等光強度分布に基づき溶接部位にコントラスト強調処理を行うことを特徴とする。これにより注目したい部分の認識性が向上する。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置において、前記ワイドダイナミックレンジカメラの前に、435〜440nmの青光を眼に障害が少ない可視光の波長に変換する光波長変換素子を挿入又は前記画像データから画像処理コントローラで計算処理により波長変換を行い、ブルーライト障害を回避することを特徴とする。これにより、眼に優しい溶接作業が提供できる。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置において、前記溶接時のアーク光強度より強い光を外部から照射して、前記溶接部およびその周辺部の反射光から前記画像データを前記ワイドダイナミックレンジカメラで取得するか、又は、前記アーク光の有しない波長の光でストロボ照射し、前記溶接部およびその周辺部の反射光からフィルタを介して前記画像データを前記ワイドダイナミックレンジカメラで取得する場合に前記フィルタは、前記溶接時のアーク光を除去し、照射光の波長成分のみを通過させることで、前記溶接部およびその周辺部の画像データを取得し、前記画像データを眼で見やすい光強度範囲に入れるようにしたことを特徴とする。これにより、光強度範囲の眼の感度へのマッチングが容易となる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように構成されているので、本発明によるヘッドマウント型溶接用画像監視装置では、溶接部周辺の呈する非溶接時の弱い光強度とこれに比較すると桁違いに大きな強い光強度を有する溶接時の光強度の両方に対応ができ、溶接前、溶接中、溶接後で連続して溶接部画像をモニタできるので、溶接動作が的確にできることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明によるヘッドマウント型溶接用画像監視装置は、頭部につけるためのヘッドマウント具とこれについたワイドダイナミックレンジカメラとカメラの取り込んだ溶接部およびその周辺の画像を画像処理する画像処理コントローラと、画像データを記憶しておく画像メモリと、ヘッドマウント具に付設した表示器と画像処理コントローラからの画像データを表示器に表示するための表示器コントローラとを有し、画像処理は、溶接前、溶接後(非溶接時)と溶接中の溶接部とその周辺部の広い範囲にわたる光強度の画像を取得し、それを人の眼の可視範囲になるようにするための光強度範囲圧縮器又は光強度範囲切替器を有している。以下、実施態様をもって説明する。
【0016】
図1は、本発明によるヘッドマウント型溶接用画像監視装置の一実施態様を説明する図である。1−Aは、ヘッドマウント型溶接用画像監視装置の形状の斜視図であり、1−Bは、その構成を示すブロック図であり、1−Cは、その中の画像処理部の機能を示す機能説明図である。
【0017】
1−Aにおいて、頭部につけるためのヘッドマウント具100があり、これには、カメラ101、特にワイドダイナミックレンジカメラが付設している。ヘッドマウント具を頭部につけて顔面が向いた方向にカメラが向くようになっている。ヘッドマウント具100には、表示器102が表示器筐体103内に付設され、表示器102はヘッドマウント時には、眼の前に位置するようになっていて、又は位置調整ができて画像を見ることができる。ここでは、表示器と同じ筐体103内に画像処理コントローラ104、画像メモリ105、表示器コントローラ106を有する電子回路基板107が形成されている。更に、溶接スパッタから顔面を守るために、顔面保護板108が付いている。顔面保護板108は、見ることが目的でないので、フィルタである必要は無く、光を通さないものでもかまわない。しかし、表示器102に光が漏れてこない方がよいので、表示器102近傍の顔面保護板108の部分は光を通さない方がよい。筐体103には、画像処理コントローラ104の処理の設定を外部から手動又は電子的に行う設定入力器109が付いている。これが無い場合は、設定は規定に固定される。尚、設定は、レベルシフト、圧縮カーブの選択、注目画像部分の指定などがある。顔面保護板108は着脱自在に形成してもよい。尚、ヘッドマウント具の形態としては、頭部にかぶるための帽子タイプでも、耳にかけるめがねのつるを持つ眼鏡タイプでもよい。通常のCCDカメラのダイナミックレンジは60dB(約3桁)であるが、ワイドダイナミックレンジカメラでは、120dB以上(約6桁)の光強度範囲の画像を取得でき、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10に各種の手段を見ることができ、使用することができる。
【特許文献3】特開2004−363666
【特許文献4】特開2004−282282
【特許文献5】特開2003−250094
【特許文献6】特開2003−319250
【特許文献7】特開2002−314885
【特許文献8】特開2002−314873
【特許文献9】特開2001−8104
【特許文献10】特開2000−78594
【0018】
1−Bにおいて、カメラ101が取得した溶接部およびその近傍の画像は、画像処理コントローラ104を経由して画像メモリ105に入る。画像処理コントローラ104は、画像メモリ105内の画像データを予め設定された画像処理を行い、表示コントローラ106に送付して、表示器102に表示する。表示器としては何でもよいが、液晶表示器(LCD)を使うのが一般的である。又、画像処理後は、画像データを一旦画像メモリに格納することも行われる。画像処理コントローラ104は、溶接前、溶接後(非溶接時)と溶接中の溶接部とその周辺部の広い範囲にわたる光強度の画像を取得し、それを人の眼の可視範囲になるようにするための光強度範囲圧縮器又は光強度範囲切替器を有している。その機能を以下に説明する。
【0019】
1−Cでは、画像処理コントローラの機能を説明するものであるが、その中で1−c1は、図3の3−Aと同じである。これを1−c2のカメラを通じて画像処理コントローラで画像処理を行い表示器102に表示した場合の溶接部とその周辺部の画像の光強度範囲を示しているのが、1−c3と1−c4である。1−c3では、溶接前、溶接後(非溶接時)と溶接中の溶接部とその周辺部の広い範囲にわたる光強度が画像処理コントローラ内の光強度範囲圧縮器で圧縮され眼で見やすい光強度範囲a−aからb−bの間に入っている。1−c4では、溶接前、溶接後(非溶接時)では、弱い光強度範囲が眼で見やすい光強度範囲a−aからb−bの間に入っている。溶接時で強い光強度範囲が眼で見やすい光強度範囲a−aからb−bの間に入っている。この両者の状態は、光強度を検知して切り替えを行っている。以上は、溶接光を直接撮影する場合なので、光強度の範囲が広いのであるが、外から光照射してその反射光で撮影することもできる(照射光反射型撮影)。1−c1での黒丸部は、溶接時の強い光強度範囲が無視できるほどもっと強い光でストロボ照射した反射光の光強度を示している。これは、1−c3においては、同様に黒丸で示すように眼で見やすい光強度範囲a−aからb−bの間に入っている。この場合には光強度の範囲が狭いので、光強度範囲a−aからb−bの間に入れるのが容易である。又、溶接光であるアーク光の有しない波長の光でストロボ照射し、溶接部およびその周辺部の反射光からフィルタを介して画像データをワイドダイナミックレンジカメラで取得する場合にフィルタは、溶接時のアーク光を除去し、照射光の波長成分のみを通過させることで、溶接部およびその周辺部の画像データを取得し、画像データを眼で見やすい光強度範囲に入れるようにすることも可能である。
又、ブルーライト障害を防ぎ、かつ情報量の欠損を防ぐために、青435〜440nmの光を除去せずに、この光を緑などの他の眼に障害が少ない可視光の波長に変換する光波長変換素子をカメラの前に挿入、又は画像処理コントローラで波長変換を行うことをすることができる。
【0020】
図2は、画像処理コントローラ104の画像処理の一実施態様を示す図である。2−Aでは、各種の圧縮カーブを示している。溶接前、溶接後(非溶接時)、溶接時の溶接部およびその周辺部の光強度カーブ200を、線形圧縮カーブ201、非線形圧縮カーブ202、203のように変換することができる。2−Bでは、圧縮カーブを更に平行移動(レベルシフト)している。2−Cでは、同じ光強度を有する部分を指定して色付け、エッジ強調などコントラスト強調処理を行うことを示している。
【産業上の利用可能性】
【0021】
以上の様に、本発明によるヘッドマウント型溶接用画像監視装置により、溶接前、溶接後(非溶接時)と溶接中の溶接部とその周辺部の広い範囲にわたる光強度の画像を取得し、それを人の眼の可視範囲になるようにするため作業性と安全性が改善されるので、産業上大きな利用性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるヘッドマウント型溶接用画像監視装置の一実施態様を説明する図である。
【図2】本発明によるヘッドマウント型溶接用画像監視装置を構成する画像処理コントローラの画像処理の一実施態様を示す図である。
【図3】従来の溶接面を用いた場合の不都合を説明する図である。
【図4】溶接に関連する光強度範囲を示す図である。
【図5】アーク溶接光の光強度分布を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
100 ヘッドマウント具
101 カメラ
102 表示器
103 表示器筐体
104 画像処理コントローラ
105 画像メモリ
106 表示器コントローラ
107 電子回路基板
108 顔面保護板
109 設定入力器
200 溶接前、溶接後(非溶接時)、溶接時の溶接部およびその周辺部の光強度カーブ
201 線形圧縮カーブ
202、203 非線形圧縮カーブ
300 溶接面
301 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部につけるためのヘッドマウント具と、前記ヘッドマウント具に付設したワイドダイナミックレンジカメラと、前記ワイドダイナミックレンジカメラの取り込んだ溶接部およびその周辺部の画像データを画像処理する画像処理コントローラと、前記画像データを記憶しておく画像メモリと、前記ヘッドマウント具に付設した表示器と、前記画像処理コントローラからの前記画像データを前記表示器に表示するための表示器コントローラとを有し、前記画像処理コントローラは、溶接前、溶接後の非溶接時と溶接中の溶接部とその周辺部の前記画像データの光強度を人の眼の可視範囲になるようにするための光強度範囲圧縮器、光強度範囲シフト器及び光強度範囲切替器のうち少なくとも一つを有していることを特徴とするヘッドマウント型溶接用画像監視装置。
【請求項2】
前記ヘッドマウント具は、頭部につける帽子タイプ又はベルトタイプ、又は耳にかけるつるを有する眼鏡タイプのいずれかであることを特徴とする請求項1記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置。
【請求項3】
前記前記ヘッドマウント具には、前記光強度範囲圧縮器、前記光強度範囲シフト器及び前記光強度範囲切替器の動作を外部から設定するための設定入力器が付設していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置。
【請求項4】
前記光強度範囲圧縮器の圧縮は、圧縮処理前の光強度に線形比例した圧縮処理後の光強度となる線形圧縮又は、圧縮処理前の光強度に線形比例しないで曲線的に変わる非線形圧縮であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置。
【請求項5】
前記画像処理コントローラは、前記画像データの等光強度分布に基づき溶接部位にコントラスト強調処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置。
【請求項6】
前記ワイドダイナミックレンジカメラの前に、435〜440nmの青光を眼に障害が少ない可視光の波長に変換する光波長変換素子を挿入又は前記画像データから画像処理コントローラで計算処理により波長変換を行い、ブルーライト障害を回避することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置。
【請求項7】
前記溶接時のアーク光強度より強い光を外部から照射して、前記溶接部およびその周辺部の反射光から前記画像データを前記ワイドダイナミックレンジカメラで取得するか、又は、前記アーク光の有しない波長の光でストロボ照射し、前記溶接部およびその周辺部の反射光からフィルタを介して前記画像データを前記ワイドダイナミックレンジカメラで取得する場合に前記フィルタは、前記溶接時のアーク光を除去し、照射光の波長成分のみを通過させることで、前記溶接部およびその周辺部の画像データを取得し、前記画像データを眼で見やすい光強度範囲に入れるようにしたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のヘッドマウント型溶接用画像監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−160624(P2009−160624A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1581(P2008−1581)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(396020132)株式会社システック (101)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)