説明

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【目的】 前記背景輝度検出手段の検出する背景輝度の増減に応じて前記偏光板を回動させることにより表示輝度を増減させる表示輝度調節手段とを備えたヘッドアップディスプレイにおいて、視認性を損なうことなく消費電力を少なくすること。
【構成】 背景輝度が5〜7段階に分割されたどの範囲にあるかを検出する背景輝度段階検出手段と、前記5〜7段階の各背景輝度に対応して設定された5〜7箇所の回動位置に前記偏光板を回動させる手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両、自動車、船舶等の乗物の操縦者が前方外界の景色を見ながら操縦する際に、その操縦者が見ている前方の外界の情景に種々の情報(たとえば、速度情報、ブレーキ情報、時刻情報等)を重ねて表示する乗物用のヘッドアップディスプレイに関する。このようなヘッドアップディスプレイを用いれば、その使用者は一々前方の情景から視線をそらせて計器類を見る必要がなくなるので、前方情景から視線をそらせている間に生じる不慮の事故を防いだり、作業の効率を向上させたりすることができる。
【0002】
【従来の技術】前記従来のヘッドアップディスプレイは、普通、その使用者(すなわち、操縦者)の視野前方にハーフミラーまたはホログラム素子等のコンバイナを配置し、そのコンバイナは前方の情景から出射した光線を使用者の方向に透過させるとともに、前記コンバイナの後面に入射した情報表示光を使用者の方向に反射または回折させるように構成されている。そして、前記情報表示光をコンバイナに入射させる情報投光装置は、CRT、プラズマディスプレイまたは発光ダイオードディスプレイ等の光学的情報表示手段とこの光学的情報表示手段から出射した光を前記コンバイナに入射させる光学部材とを備えている。そして、前記光学部材は、普通、レンズ系および反射鏡等から構成されており、前記情報表示光を操縦者が正面の視野の中に視認できるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来のヘッドアップディスプレイをたとえば鉄道車両等に適用した場合、前記表示輝度を一定としたものでは、トンネル内走行時や夜間走行時と昼間の地上走行時とでは車両の外界の明るさが大きく異なるため、比較的明るい場所で見やすい表示輝度であっても比較的暗い場所では明るすぎて前方の外界を見る妨げになることがあるという問題点があった。また、暗い場所で問題のない表示輝度とすると明るい場所では光学的情報がほんど視認できなくなってしまうという問題点があった。
【0004】このため、鉄道車両等のヘッドアップディスプレイは、前記表示輝度を数十倍〜数百倍程度変化させる必要がある。前記光学的情報表示手段として、透過型の液晶パネルのような透過光すなわち表示面からの出射光が偏光である透過型の表示パネルとその表示パネルを背面から照明する光源(バックライト)とを用いる場合、表示輝度を変化させるためには光源自体の明るさを変化させればよい。
【0005】鉄道車輌が晴天の昼間を走行している際にトンネルに入ると、表示の背景となる外界情景の輝度すなわち背景輝度は2000〜5000Ft-Lから0.1〜0.5Ft-Lに変化する。このため、表示輝度は少なくとも数秒間に約2千Ft-Lから約10Ft-Lと1/200以下に減光する必要があった。トンネルから出る場合にはその逆のことが必要になる。
【0006】ところで、昼間等の明るい場所で使用するためには、高輝度の光源が必要であり、この必要性を満たす光源としては、陰極管やメタルハライドランプ等を採用することができる。ところが、前記陰極管は、位相制御等の従来の調光技術では、低輝度時にスパッタ現象等が発生するので、数倍程度の輝度変化を得ることさえ困難であった。また、前記メタルハライドランプはその特性上ランプ内放電を保つに要する光量を約20%以下に低下させることは不可能である。このため、光源自体の輝度を変化させることにより、ここで要求されるような大きな輝度変化を得ることは困難であった。
【0007】そこで本出願は、光源と、この光源光の光軸と垂直な面内に配設された透過型液晶表示パネルのような偏光透過型表示パネルとを用いたヘッドアップディスプレイにおいて、光源から出射した光の光軸と垂直な面内に回転可能な偏光板を配設し、その偏光板の回転位置を調節することにより表示輝度を調節するようにしたものを先に発明して特許出願している。その発明によれば、偏光透過型表示パネルを透過する偏光の振動方向と偏光板を透過する光の振動方向とを同じ向きにしたときには高輝度の表示となり、偏光透過型表示パネルを透過する偏光の振動方向と偏光板を透過する光の振動方向とを90度ずらしたときには低輝度の表示となる。そして、偏光板を回動させるだけで表示輝度が変化するので、表示輝度の高速度の調節が可能となる。
【0008】しかしながら、外界情景の輝度すなわち背景輝度が変化する度に連続的に前記偏光板を回動させて表示輝度を調節すると、モータには常時回転軌道電流が流れることになり、消費電力が大きくなるという問題点が生じる。したがって、消費電力を節約するためには、モータを停止してその停止中は、回転時の電流の数分の1に電流をカット(保持用の小電流は必要)すればよい。そのためには、背景輝度の変化に応じて表示輝度を連続的に変化させるのではなく、背景輝度が設定された規定値を越えたときにのみ表示輝度を変化させる方法、すなわち、段階的表示輝度制御方法を採用することが考えられる。段階的表示輝度制御方法を採用した場合、段階数が多いと消費電力の節約効果が減少し、段階数が少ないと背景輝度が一定量変化しても表示輝度が変化しなくなって表示情報の視認性が低下するという問題点が生じる。
【0009】本発明者は前記段階数の適切な値を求めるために、実際の鉄道車両にヘッドアップディスプレイを搭載して、種々の背景輝度に対してヘッドアップディスプレイの表示テストを行った。その結果、夜間〜積雪後の晴天時等の広範囲な背景輝度に対して、4段階の輝度調整では表示が薄く視認がやや困難になる場合が生じるのを避けられなかった。しかしながら、5段階の輝度調整ではかなり満足できる視認性が得られ、7段階以上の輝度調整では十分満足できる視認性が得られることが分かった。そして、背景輝度を7段階以上のさらに細かい段階に分割して表示輝度をきめ細かく調整しても表示情報の視認性はそれほど変らないということも分かった。
【0010】本発明は、前述の事情およびテスト結果に鑑みてなされたもので、光源と、この光源光の光軸に垂直に配設されるとともに表示光として偏光を出射する偏光透過型表示パネルと、前記光軸に垂直に配設されるとともに回動可能に支持された偏光板と、前方情景の輝度を検出する背景輝度検出手段と、前記背景輝度検出手段の検出する背景輝度の増減に応じて前記偏光板を回動させることにより表示輝度を増減させる表示輝度調節手段とを備えた鉄道車両用のヘッドアップディスプレイにおいて、視認性を損なうことなく消費電力を少なくすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決するために案出した本出願の発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記している。なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。前記課題を解決するために、本発明のヘッドアップディスプレイは、情報が表示される表示面を有する光学的情報表示手段(D)および前記表示面から出射した情報表示光(L)を所定の方向に投光する光学部材(A)を備えた情報投光装置(K)と、前方の情景から出射した光(J)を後方の視認位置に向けて透過させるとともに前記情報投光装置(K)から投光された情報表示光(L)を前記視認位置に向かわせるコンバイナ(C)とを備えた鉄道車両用のヘッドアップディスプレイにおいて、前記光学的情報表示手段(D)は、光源(D2)と、この光源光の光軸に垂直に配設されるとともに表示光として偏光を出射する偏光透過型表示パネル(D1)と、前記光軸に垂直に配設されるとともに回動可能に支持された偏光板(E)と、前方情景の輝度を検出する背景輝度検出手段(17)と、前記背景輝度検出手段(17)の検出する背景輝度の増減に応じて前記偏光板(E)を回動させることにより表示輝度を増減させる表示輝度調節手段(U)と、を備え、前記表示輝度調節手段(U)は、前記背景輝度が5〜7段階に分割されたどの範囲にあるかを検出する背景輝度段階検出手段と、前記5〜7段階の各背景輝度に対応して設定された5〜7箇所の回動位置に前記偏光板(E)を回動させる手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
【作用】前述の特徴を備えた本発明のヘッドアップディスプレイは、光源光の光路に垂直に配設された偏光透過型表示パネル(D1)および回動可能な偏光板(E)とを備えている。また、背景輝度検出手段(17)により検出された前方情景の輝度の増減に応じて前記偏光板(E)を回動させることにより表示輝度を増減させる表示輝度調節手段(U)が設けられている。したがって前記偏光板(E)を回動させて、偏光透過型表示パネル(D1)を透過する偏光の振動方向と偏光板(E)を透過する光の振動方向とを同じ向きにしたときには高輝度の表示となり、偏光透過型表示パネル(D1)を透過する偏光の振動方向と偏光板を透過する光の振動方向とを90度近くにずらしたときには低輝度の表示となる。そして、偏光板(E)を回動させるだけで表示輝度が変化するので、表示輝度の高速度の調節が可能となる。前記表示輝度調節手段(U)は、前記背景輝度が5〜7段階に分割されたどの範囲にあるかを検出する背景輝度段階検出手段と、前記5〜7段階の各背景輝度に対応して設定された5〜7箇所の回動位置に前記偏光板(E)を回動させる手段とを備えている。したがって、背景輝度が所定の範囲(所定の段階)にある間は、その範囲内で背景輝度が変化しても前記偏光板(E)は回動しない。このため、背景輝度の変化に応じて連続的に表示輝度を変化させる(すなわち、背景輝度の変化に応じて連続的に偏光板(E)を回動させる)場合に比べて、消費電力を節約することができる。また、背景輝度および表示輝度が5段階以上に分割された場合、どんな背景輝度に対しても十分な視認性が得られる。そして、背景輝度および表示輝度が7段階を越えて分割されても表示情報の視認性はそれほど変化しない。
【0013】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例を説明する。図1,2において、電車1の前端部には運転室2が設置されている。この運転室2には、操縦者P用の座席3の前方に計器盤4が配設されている。また、前記運転室2の前方には電車1の車体下部5と天井6との間にコンバイナとしてのフロントガラスCが配設されている。このフロントガラスCは図1に示すように前方に行くに従って下方に傾斜するように配置されている。
【0014】前記運転室2の計器盤4には、ヘッドアップディスプレイの情報投光装置Kが配設されている。情報投光装置Kは、ケーシング10を有している。このケーシング10内には図3,4に示すように、光学部材Aおよび光学的情報表示手段Dが配設されている。この光学的情報表示手段Dは、偏光を出射する透過型の液晶表示パネル(偏光透過型表示パネル)D1と、その背面に配設された光源D2とから構成されている。そして、前記液晶表示パネルD1は、液晶駆動回路11によって駆動され、その表示面に必要な情報(たとえば、速度情報またはブレーキ圧情報等)が表示される。また、前記光源D2は、反射鏡12と、これに支持されたメタルハライドランプ13とから構成されている。
【0015】前記光学部材Aは、レンズ系A1、ミラーA2 および凸レンズA3 等から構成されており、前記光学的情報表示手段Dから出射した情報表示光Lを前記フロントガラスCに入射させるように配置されている。前記光学部材Aと光学的情報表示手段Dとの間には偏光板Eが配設されており、偏光板Eは、その外周の90度よりやや大きい中心角を見込む部分にギヤ14が設けられている。そして、前記ケーシング10には、180度よりやや大きい中心角を見込む外周部に前記ギヤ14が回動できるような溝(図示せず)が形成されており、前記ギヤ14は前記偏光板Eとともに90度よりやや大きい角度の範囲内で回動可能となっている。
【0016】前記ケーシング10外面上部にはステッピングモータSが配設されており、ステッピングモータSの出力軸に固定されたピニオン15は前記ギヤ14と噛み合っている。そして、前記ステッピングモータSが回転して前記偏光板Eが0〜90度の範囲で回動すると、前記液晶表示パネルD1を透過する情報表示光Lの偏光方向と偏光板Eの偏光方向とのづれ、すなわち光学的位相のづれは0〜90度の間で変化する。このとき情報表示光Lの輝度が調節されるようになっている。
【0017】前記ステッピングモータSはモータ駆動回路16によって作動するように構成されており、モータ駆動回路16は、マイコンM(図4参照)の制御信号に応じて作動するように構成されている。マイコンMは、光量センサ17によって検出される外界情景光Jの光量、すなわち外界の背景輝度信号が、図5のグラフのどの範囲にあるかを検出して、その背景輝度に対応した表示輝度を決定する。そしてマイコンMは、決定された表示輝度に応じて前記ステッピングモータSの制御信号を前記モータ駆動回路16に出力している。
【0018】前記決定された表示輝度に応じてマイコンMから出力される前記ステッピングモータSの制御信号は、決定された表示輝度が高い程、前記情報表示光Lの偏光方向と偏光板Eの偏光方向とのづれ、すなわち位相のづれが小さくなるようにステッピングモータSを駆動する。また、前記制御信号は、決定された表示輝度が低い程、前記情報表示光Lの偏光方向と偏光板Eの偏光方向とのづれが小さくなるようにステッピングモータSを駆動する。前記符号14〜17、およびMで示された構成要素から表示輝度調節手段U(図4参照)が構成されている。
【0019】前記フロントガラスCは前記光学部材Aから入射した情報表示光Lの一部を透過させるとともに残部を前記操縦者Pに向けて反射させるように配置されている。また、フロントガラスCは外部の情景等から入射した外部光Jの一部を反射するとともに残部を前記操縦者Pに向けて透過させるように配置されている。すなわち、この実施例のフロントガラスCはそれ自体がコンバイナとしての機能を備えている。なお、コンバイナは、フロントガラスとは別体に構成することも可能である。前記光学部材Aおよび光学的情報表示手段Dから情報投光装置Kが構成されており、また、前記コンバイナとして機能するフロントガラスC、前記情報投光装置K、表示輝度調節手段U等からヘッドアップディスプレイH(図1,4参照)が構成されている。
【0020】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。図1中左側に在る外界からフロントガラスCに向って進んで来た外部光線Jは、一部はフロントガラスCで外界に反射し、残部はそのままフロントガラスCを透過して直進し、操縦者Pの眼に至る。これにより操縦者Pは外界の情景をそのまま視認することができる。一方、前記情報投光装置Kの光学的情報表示手段Dから出射した情報表示光Lは偏光となっており、この偏光は、前記偏光板Eを透過するときに偏光板Eの回転位置に応じて透過光量が調節される。この偏光板Eおよび前記光学部材Aを通過した情報表示光Lは、フロントガラスCに入射する。そして、フロントガラスCに入射した情報表示光Lは、一部はフロントガラスCを透過して外界に出射されるが、残部は反射して操縦者Pの眼に至る。これにより操縦者Pは情報表示光Lを視認することができる。そして、前記光学的情報表示手段Dに表示される情報の輝度すなわち情報表示光Lの輝度は前記偏光板Eの回動位置によって制御される。
【0021】次に図6により、前記偏光板Eの回動位置の制御方法を説明する。前記偏光板Eの回動位置の制御は、前記マイコンMのメモリMeに記憶されているプログラム(偏光板回動位置制御フロー実行プログラム)によって実行される。前記プログラムにより図6に示す偏光板回動位置制御フローがスタートすると、ステップS1において、前記光センサ17で検出された背景輝度を読み込む。次にステップS2において、前記メモリMeに記憶されたデータすなわち前記図5に示すグラフの式を定めるデータを用いて、前記背景輝度に対応する表示輝度を決定し、さらにその表示輝度が得られるステッピングモータ回動位置(すなわち、偏光板回動位置)を決定する。次にステップS3において、前記ステッピングモータSの現在の回動位置、すなわち偏光板Eの回動位置が正しいかどうか、すなわち、偏光板Eが前記決定された表示輝度に対応した回動位置に有るかどうか判断する。イエス(Y)の場合は前記ステップS1に戻り、ノー(N)の場合は次のステップS4に移る。
【0022】ステップS4において、ステッピングモータSを前記ステップS2で決定した表示輝度に対応する回動位置に駆動する。すなわち、前記検出されたステッピングモータSの回動位置(偏光板Eの回動位置)に対応する表示輝度に比べて、前記光量センサ17によって検出される外界情景光Jの光量が多いとき(前記算出された表示輝度が大きいとき)には前記偏光方向の位相のずれ(液晶表示パネルD1の透過光の偏光方向と偏光板Eの偏光方向)が小さくなるように、ステッピングモータSを駆動する。このとき、前記情報表示光Lの輝度は高くなる。また、前記偏光板Eは、前記光量センサ17によって検出される外界情景光Jの光量が少ないときには前記偏光方向の位相のずれが大きくなるように、ステッピングモータSにより駆動される。このとき、前記情報表示光Lの輝度は低くなる。
【0023】次にステップS5において、偏光板回動位置制御フローが終了したかどうか判断する。ノー(N)の場合は前記ステップS1に戻る。イエス(Y)の場合(電源がオフ(OFF)の場合)は終了する。
【0024】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。例えば、偏光板を配置する位置は、光源から表示を視認する者までの間の光路の任意の位置に配置することが可能である。
【0025】
【発明の効果】前述の特徴を備えた本発明のヘッドアップディスプレイは、偏光板を回動させて、偏光透過型表示パネルを透過する偏光の振動方向と偏光板を透過する光の振動方向とを変化させることにより表示輝度の調節を高速で行うことができる。また、表示輝度調節手段は、前記背景輝度が5〜7段階に分割されたいずれか1つの段階の範囲で変化している間は偏光板を回動させずに、一定の表示輝度(視認性を損なわない一定の表示輝度)を保持するように構成されている。したがって、表示の視認性を損なうことなく、消費電力を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のヘッドアップディスプレイの一実施例が鉄道車両に設置された状態を示す図である。
【図2】 同実施例の部分平面図である。
【図3】 同実施例の要部の側断面図である。
【図4】 同実施例の要部の拡大斜視図である。
【図5】 同実施例の輝度調整方法の説明図である。
【図6】 同実施例の偏光板回動位置制御フローを示す図である。
【符号の説明】
A…光学部材、C…コンバイナ(フロントガラス)、D…光学的情報表示手段、D1…偏光透過型表示パネル、D2…光源、E…偏光板、H…ヘッドアップディスプレイ、J…外部情景光、K…情報投光装置、L…情報表示光、P…操縦者、U…表示輝度調節手段U
17…背景輝度検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 情報が表示される表示面を有する光学的情報表示手段および前記表示面から出射した情報表示光を所定の方向に投光する光学部材を備えた情報投光装置と、前方の情景から出射した光を後方の視認位置に向けて透過させるとともに前記情報投光装置から投光された情報表示光を前記視認位置に向かわせるコンバイナとを備えた鉄道車両用のヘッドアップディスプレイにおいて、前記光学的情報表示手段は、光源と、この光源光の光軸に垂直に配設されるとともに表示光として偏光を出射する偏光透過型表示パネルと、前記光軸に垂直に配設されるとともに回動可能に支持された偏光板と、前方情景の輝度を検出する背景輝度検出手段と、前記背景輝度検出手段の検出する背景輝度の増減に応じて前記偏光板を回動させることにより表示輝度を増減させる表示輝度調節手段と、を備え、前記表示輝度調節手段は、前記背景輝度が5〜7段階に分割されたどの範囲にあるかを検出する背景輝度段階検出手段と、前記5〜7段階の各背景輝度に対応して設定された5〜7箇所の回動位置に前記偏光板を回動させる手段とを備えたことを特徴とする鉄道車両用のヘッドアップディスプレイ。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開平5−38967
【公開日】平成5年(1993)2月19日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−192375
【出願日】平成3年(1991)7月31日
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【出願人】(390021577)東海旅客鉄道株式会社 (413)