ヘリコプタ用逆トルク装置
ヘリコプタ用ダクト式ファンが横ダクトおよびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含む。この逆トルク装置は、このダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含む。このロータは、ロータ軸を有するロータハブ、およびこのハブから伸びるロータブレードを含む。これらのロータブレードは、このロータ軸の周りに変調した角度分布を有する。このステータは、ステータハブ、およびこのステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含む。これらのステータ羽根は、このステータハブの周りに角度的に変調してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2004年7月16日に提出した、米国特許仮出願第60/588,366号、第60/588,367号、第60/588,375号、第60/588,376号、第60/588,377号の優先権を主張し、全ての出願の全内容を参考までにここに援用する。
【0002】
本発明は、ヘリコプタの逆トルク装置に関する。
【背景技術】
【0003】
騒音レベルを下げるために間隔が不均一なファンブレードおよび、知覚できる音が少ししか発生しないような騒音エネルギーである周波数の再配分は、1971年に発行された米国音響学会雑誌第49巻第5号(第1部)pp.1381−1385のドナルド・エワルド外による“変調原理を適用することによる騒音低減”に開示してあり、その開示全体を参考までにここに援用する。このエワルド外の論文は、ファンブレード間の変調位置に関して下記のことを記述する。
【0004】
ファンブレード間の変調位置は、正弦方程式θi’=θi+Δθsin(mθi)によって決り、但し、θiはi番目のブレード位置である
変調位置は次の式によって表され:
θi’=θi+Δθsin(mθi), (1)
但し、θiは均等に離間したファン配置でのi番目のブレード位置であり、θi’はブレード再配列後のi番目のブレード位置であり、Δθはある最大ブレード角変化(変調振幅)、およびmはファンの1回転中に反復される変調サイクルの回数である。
基本的ブレードの通過音の正弦変調から生ずる騒音は、古典的正弦波位相変調式によって表してもよい
F(t)=A0sin(2πF0t+Δφsin2πνt), (3)
但し、A0は基本的ブレードの通過音の振幅;F0=If2、ブレード通過周波数;I、ブレード数;f2、軸回転数;ν=mf8、変調周波数;およびΔφ=IΔθ、位相変調振幅である。
Δφは、各基準ブレード間隔を通じてゼロから2πに及ぶ角度を指し、およびΔθは、軸の各回転に対してゼロから2πに及ぶ角度である。これは、Δθがゼロから2πに及ぶ度毎にΔφがゼロないし2πI倍になることを意味する。
三角関係
sinp cosq=1/2[sin(p+q)+sin(p−q)],
sin(p+q=sinp+cosq)+cosp sinq
およびベッセル関数と三角関数の間の関係
【0005】
【数1】
但し、Jn(p)は第一種ベッセル関数、位数n、引数pを使うことによって、それを次のように示せる
【数2】
【0006】
式4は、この周波数スペクトルが振幅A0J0(Δφ)中心周波数F0および振幅がこの中心周波数周りに対称である、この中心周波数からνの整数倍の多数の側波帯から成ることを示す。
Jn(Δφ)の値は、多くの数学ハンドブックにあるかも知れず、図2(a)[この出願では図8(a)]にグラフで示してある。
与えられたΔφに対してこの周波数スペクトルを決める方法の例が図2[この出願では図8]に示してある。Δφの試行値を選択する。次にこのΔφの試行値を通る垂直線を引く。この線とJn(Δφ)曲線の交点が周波数F0±nνでの結果成分の相対振幅を示す。結果周波数スペクトル、図2(b)[この出願では図8(b)]がこのグラフの右側に挙げてある。絶対値が図2(b)に示す周波数スペクトルにプロットしてあることを注記する。図2(b)の破線は、均一に離間したブレードに対する基本ブレード通過周波数音の正規化振幅を示す。
このベッセル級数は、連続位相変調関数用であり、一方、このファンの実際の周波数スペクトルは、多数のより離散的に近い事象によって作られる。従って、このベッセル級数から得た周波数スペクトルの振幅は、ファンから得たものと幾らか違うだろう。しかし、このベッセル級数は、ブレード数が大きいとき、実際のファンスペクトルをより正確に近似するだろう。
【0007】
音響性能を向上するために、横ダクトの中で回転するロータのブレードが既知の正弦法則θn=nx360°/b+Δθsin(mxnx360°/b)によって与えられる不均一なアジマス変調による角分布を有することが知られている。但し、θnは任意の基点から連続して数えたn番目のブレードの角度位置、bはブレード数、mは、1ないし4から選んだ整数であり、6ないし12から選んだブレード数bと素数でない、変調度、およびΔθは、最小値Δθmin以上であるように選んだ定数であり、それは、マルゼ外の米国特許第5,566,907号に記載してあるように、Δθmin掛けるbの積が1.5ラジアンから1ラジアンまで及ぶ値の範囲内に選ばれるようであり、その特許の開示全体を参考までにここに援用する。しかし、そのような方法は、変調度m=1を含み、変調度mがブレード数と素数であるように選んである、バランスのとれたロータにはならない。
【0008】
その上、エワルド外の論文および米国特許第5,566,907号の両方で、Δθが定数である。上記のエワルド外の論文および米国特許第5,566,907号に開示してあるような、定数Δθがある先行技術の方法は、変調度m=1のとき、バランスのとれたロータにはならず、および奇数のブレードに対して変調度m=2のとき、バランスのとれたロータにはならない。その上、エワルド外の論文で分るように、任意の与えられたΔφに対して、せいぜい二つのベッセル関数(Jn)が、エワルド外の論文の図2(この出願の図8)で分るように、同じ値を有するだろう。それで、基本波(振幅がJ0で決る)および両側の高調波(J1で決る)がΔφに対してほぼ同じ振幅を有するだろう、即ちΔφ=1であり、それは米国特許第5,566,907号とも矛盾しない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の一態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:横ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このロータが:ロータ軸を有するロータハブ、およびこのハブから伸びるロータブレードを含み、これらのロータブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのロータブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiはこのロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれていて、およびこのステータが:ステータハブ、およびこのステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、但し、これらのステータ羽根は、これらのステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのステータハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0010】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:横ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このロータが:ロータ軸を有するロータハブ、およびこのハブから伸びるロータブレードを含み、これらのロータブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのロータブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり且つΔφ/Iに等しく、但し、Δφは位相変調振幅であり且つIはブレード数であり、並びにmはこのブレード数の素数に等しくない変調度であり、およびこのステータが:ステータハブ、およびこのステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、但し、これらのステータ羽根は、これらのステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのステータハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0011】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:横ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このロータが:ロータ軸を有するロータハブ、およびこのハブから伸びるロータブレードを含み、これらのロータブレードは、隣接するブレード間の角度間隔がこれらの隣接するブレードの全ての対に対して一定であるようにこのロータ軸の周りに変調されない角度分布を有し、およびこのステータが:ステータハブ、およびこのステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、但し、これらのステータ羽根は、これらのステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのステータハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0012】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式尾部ファンであって:ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このロータがハブ、およびこのハブの周りに分布した複数のブレードを含み、これらのブレードの各々が実質的に平面形が非長方形の形状を有するファンに関する。
【0013】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ組立体であって:中を完全に貫通する尾部ファンダクトがある尾部ファンシュラウドで、このダクトがヘリコプタ本体縦軸に対して横に伸びるダクト縦軸を有するシュラウド;このダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置は、このダクト内に回転可能に取付けた尾部ロータおよびこのダクト内にこの尾部ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、この逆トルク装置がメインロータのトルクを相殺し、この尾部ロータは、ハブおよびこのハブの周りに分布する複数のブレードを含み、これらのブレードの各々が実質的に平面形が非長方形の形状を有する組立体に関する。
【0014】
この発明の他の態様は、ヘリコプタのダクト式尾部ファン用ロータブレードであって:前縁;後縁;この前縁と後縁の間に伸びる主部;およびこの前縁と後縁の間にそれぞれの弦に沿って広がり且つこのブレードの縦軸に沿ってステーションによって位置付けるときこのブレードの端から端まで配置された一連の弦平面を含み、ここで所望の翼弦平面捻れ(度)が各このステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として式:捻れ(度)=−0.000447903*ST4+0.0278569*ST3−0.514872*ST2+2.10206*ST+5.41711によって定義され、ここで弦長さ(インチ(=25.4mm))が式:弦(インチ(=25.4mm))=−0.02197*ST2+0.592025*ST−0.8989によって定義され、およびここでスイープをステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として決める四分の一弦オフセット(インチ(=25.4mm))が式:Δc/4=0.02883*ST2−0.7832*ST+4.714−0.41によって定義されるブレードに関する。
【0015】
この発明の他の態様は、ヘリコプタの逆トルク装置用ステータであって:ハブ;およびこのハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、この羽根は、この羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるステータに関する。
【0016】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:横ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このステータがハブおよびこのハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、これらの羽根は、これらの羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0017】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このステータがハブ、環状支持円板、およびこのハブの周りに分布し且つこのハブとこの支持円板の間に取付けた複数の羽根を含み、但し、これらの羽根は、これらの羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0018】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このステータがハブおよびこのハブの周りに分布する複数の羽根を含み、但し、これらの羽根は、これらの羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあり、およびこれらの変調した羽根は、このロータが作動するとき、引張り状態にあるように構成してあるファンに関する。
【0019】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このステータがハブおよびこのハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、これらの羽根は、これらの羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあり、およびこれらの羽根の一つが第1方向に変調してありおよびこれらの羽根の残りのものがこの第1方向と反対の第2方向に変調してあるファンに関する。
【0020】
この発明の他の態様は、ヘリコプタの逆トルク装置用ロータであって:ロータ軸を有するハブ、およびこのハブから伸びるブレードを含み、これらのブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiはこのロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれているロータに関する。
【0021】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用逆トルク装置であって:縦軸を有するダクト、およびこのダクト内でこのダクトのこの縦軸周りに回転するためにこのダクト内に確保したロータを含み、このロータが:ロータ軸を有するハブ、およびこのハブから伸びるブレードを含み、これらのブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiはこのロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれている装置に関する。
【0022】
この発明の他の態様は、ヘリコプタの逆トルク装置用ロータであって:ロータ軸を有するハブ、およびこのハブから伸びるブレードを含み、このブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiは、最大変調振幅であり且つΔφ/Iに等しく、但し、Δφはこのブレードの与えられたブレードに対する位相変調振幅であり且つIはブレード数であり、並びにmはこのブレード数の素数に等しくない変調度であるロータに関する。
【0023】
この発明の他の態様は、ヘリコプタの尾部ロータのブレード間の実質的にバランスのとれた、変調した角度間隔を決めるための方法であって:変調度mを選択する工程;ロータに取付けるためのブレード数を選択する工程;修正した正弦法則θi’=θi+Δθisin(mθi)を使ってロータの各々間の変調した角度間隔を決める工程を含み、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのブレードの与えられたブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiはこのロータ全体に対して一定ではない方法に関する。
【0024】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:縦軸を有するダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトの縦軸に対して横のロータ平面で回転可能であり且つこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置;並びにこのダクト内に組込んであり且つこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した騒音低減共鳴器を含み、騒音低減共鳴器がこのロータ平面に配置してあるファンに関する。
【0025】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:環状の内方に向いたダクト表面を形成するダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置;およびこのダクト表面に取付けてあり且つこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した材料の騒音低減層を含むファンに関する。
【0026】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、このロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置;およびこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生するこの騒音を低減するための手段を含み、このダクトがこのロータの平面内に広がるロータ領域を含み、およびこの手段がこのダクトの少なくともこのロータ領域におよびこのロータのこの平面上に配置してあるファンに関する。
【0027】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、このロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置;およびこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生するこの騒音を低減するための手段を含み、このダクトがこのロータの平面内に広がるロータ領域を含み、およびこの手段がこのダクトの少なくともこのロータのこの平面上以外の領域に配置してあるファンに関する。
【0028】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:縦軸を有するダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトの縦軸に対して横のロータ平面で回転可能であり且つこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置;並びにこのダクト内に組込んであり且つこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した騒音低減共鳴器を含み、騒音低減共鳴器がこのロータ平面に配置してあるファンに関する。
【0029】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:環状の内方に向いたダクト表面を形成するダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置;およびこのダクト表面に取付けてあり且つこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した材料の騒音低減層を含むファンに関する。
【0030】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、このロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置;およびこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生するこの騒音を低減するための手段を含み、このダクトがこのロータの平面内に広がるロータ領域を含み、およびこの手段がこのダクトの少なくともこのロータ領域におよびこのロータのこの平面上に配置してあるファンに関する。
【0031】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、このロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置;およびこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生するこの騒音を低減するための手段を含み、このダクトがこのロータの平面内に広がるロータ領域を含み、およびこの手段がこのダクトの少なくともこのロータのこの平面上以外の領域に配置してあるファンに関する。
【0032】
この発明の他の態様、特徴、および利点は、添付の図面と共に検討すれば以下の詳細な説明から明白となろう。添付の図面は、この開示の一部であり、この発明の原理を、例として、図解する。
添付の図面は、この発明の種々の実施例の理解を容易にする。
【実施例】
【0033】
図1は、ヘリコプタ12の尾部10を示す。この尾部10は、偏揺れに関してヘリコプタ12のバランスをとる目的で、ヘリコプタ12のメインロータの回転によって生じるトルクを相殺するように構成した逆トルク装置14を含む。この逆トルク装置14は、尾部10のシュラウド18を貫通する横ダクト16内に支持してある。このダクト式逆トルク装置14をフェネストロン型装置とも呼ぶ。
【0034】
図示する実施例では、ダクト16が全体として円形で、それが環状の内方に向いたダクト面20を形成する。このダクト面20は、空気を逆トルク装置14によってダクト16を通して引込む前縁22、および空気がこのダクト16を出る後縁24を含む。
【0035】
図1に示すように、逆トルク装置14は、ロータ26およびこのロータ26の下流のステータ28を含む。ロータ26は、ダクト16内に回転可能に取付けてあり、ハブ30およびこのハブ30の周りに分布した複数のブレード32を含む。ロータ26は、任意の適当数のブレード32、例えば、これらの図面に示すように9枚のブレード32を含んでもよい。ロータ26は、ダクト16の軸線と実質的に同軸の軸線周りに回転するように取付けてある。
【0036】
ステータ28は、ダクト16内に固定して取付けてあり、ハブ34およびこのハブ34とダクト面20の間に伸びる、このハブ34周りに分布した複数の固定羽根36を含む。ステータ28は、任意の適当数の羽根36、例えば、ロータブレード32の数に等しいまたは等しくない羽根を含んでもよい。
【0037】
図3ないし図6で分るように、ロータブレード32は、騒音を低減しながらバランスのとれたロータ26にするために隣接するロータブレード32間の角度を変えるように、ロータ26の回転軸33の周りに取付けてある。図3および図5は、変調度mが、以下に議論するように、m=1のロータ26を示し、図5は、各ロータブレード32間の最適角を度で示す。図7は、図3および図5の各ロータブレード32間の角度間隔の表を“m=1”と表示する列の下に提供する。図4および図6は、変調度mが、以下に議論するように、m=2のロータ126を示し、図4は、各ロータブレード32間の最適角を度で示す。図7は、図4および図6に示す各ロータブレード32間の角度間隔の表を“m=2”と表示する列の下に提供する。
【0038】
この変調したロータブレード間隔は、このロータの基本周波数の振幅およびその周波数の高調波を低減し、エネルギーを通常実質的に存在しない他の周波数へ移す。これらの発生した新しい音は、他の騒音源によって弱められる傾向にあり、出来た音を音色というよりは品質でより広帯域にする。更に、本出願のブレード間隔法は、変調度がブレード数に関してprimedでなく動的にバランスのとれたロータが生ずるようにできる。即ち、ブレード変調度およびブレード数は、これら二つの数が1以外に公約数がないようにできる。言換えれば、このブレード変調は、ブレード数に均等に分割する必要はない。低い変調度は、より不規則な、または広帯域の、音を生ずる。非素数変調度を使うことは、製造が困難なブレード間隔角に繋がることがあり、それで最適化手法を使ってブレード角を、このロータシステムのバランスを保ちながら製造できるものへ僅かに変える。それで、このブレード変調は、ロータの基本音の振幅を減らし、この音の広帯域不規則性を増し、一方同時にロータシステムの動的バランスを可能にする。
【0039】
本発明の実施例は、変調度mがブレード数と素数であるかどうかに関係なく、且つ変調度mがブレード数と素数であるときを含み、変調したロータブレードでバランスのとれたロータを達成する方法を含む。その上、本発明の方法は、低い変調度mがより不規則な、または広帯域の音を生ずることができるので、変調度m=1および変調度m=2のような、低い変調度を使用できるようにする。
【0040】
本発明の実施例のために、ロータブレード32の角度間隔を正弦法則を使うことによって決める:
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiは最大変調振幅または最大ブレード角変化であり;およびmは変調度(1,2,3,…、但し、1=0から2πまでの変調の1サイクル、2=0から2πまでの変調の2サイクル等)である。その上、本実施例は、次の式を使う:
Δθi=Δφ/I
但し、Iはブレード数である。
【0041】
更に、Δθiおよび、従って、Δφは、本実施例で使う正弦法則で一定でない。本実施例で、開示した方法を、ロータのブレード数と素数である変調度mで変調したロータのバランスをとるために利用する。即ち、本発明の一実施例は、変調度m=1で9枚ロータブレードのバランスをとることを含む。本発明の他の実施例は、変調度m=2で9枚ロータブレードのバランスをとることを含む。
【0042】
バランスのとれたロータを作るために、m=1およびm=2の所望の変調度で奇数のブレードを有するロータ26および126の変調を達成するために、より多くの高調波(J2,J3,等)の振幅がより均一であり、且つほぼ完璧なバランスを達成するように、Δφを変える。それでこの正弦法則に反復最適化を使う。即ち、上にエワルド外の論文で確認したような正弦法則を、各高調波に対してΔθをΔθiで置換え且つsinθとcosθの和によって与えられるバランスの付加的制限を目的関数に加えるように修正する。ロータ26に対する変調度m=1を決めるためのこの目的的関数は、以下の和を最小にする:ブレード間の最小ブレード角を条件として(ブレード重み)×(ブレードバランス和)+(ベッセル重み)×(ベッセル値)。図示する実施例では、ブレード重みを任意に100に選び、ベッセル重みを任意に20に選んだ。この最小角は、任意に10に選んだが、後に30に、および更に29に変更した。Δφの正確な値は、エワルド外の論文に関して図8におよび以下で議論する本出願の更なる実施例に関して図10に全体的に示すようなベッセル関数のプロットからグラフで近似できる。Δφの値は、典型的に0から13まで変る。この最小化ルーチンに課される一つの制限は、ブレードが順序を切替えるようには変調されないことである。また、ロータ26の毎分回転数(RPM)を増すことがこのロータ26のバランスを改善した。最終結果として、本出願のこの方法論、即ち、正弦法則の修正は、変調度がブレード数と素数であるかどうかに関係なく実質的にバランスのとれたロータに繋がる。
【0043】
変調度m=2でロータ126の変調を達成するために、変調度m=1に対してロータ26の変調を決めるために使ったのと類似のプロセスを使うが、変調度m=2でロータ126を変調するためには、ベッセル関数の均一性を式で考慮に入れなかった。
【0044】
変調度m=1およびm=2の両方の場合に対して、エワルド外の論文または第5,566,907号特許で適用されているような正弦法則を使って完全にはバランスがとれなかった。製造誤差より完全な理論的バランスを達成するためには、変調角を更に変える必要がある。ハブ30を小数2桁以上の公差で製造することは好ましくなく、それでスプレッドシート数値ルーチン(米国特許第5,588,618号の第11欄で議論してあるようなバランス誤差マイナスサインとコサインの和を最小にするための目的関数と共に、任意の数値方法を使うことができる)では、バランスをとったロータが製造公差内にあるように、即ち、製造公差誤差が指定された小数2桁に対して理論的にバランスした誤差より大きいように、各反復を小数2桁に丸めた。
【0045】
それで、上に説明した方法論によって、図示する実施例では、9枚ブレードの変調したロータ26および126を変調度m=1および変調度m=2で本質的にバランスをとることができる。
【0046】
図示する実施例は、9枚ブレードのロータのバランシングを扱うが、任意の所望数のブレードを有するロータを、素数のロータを含み、本出願の方法論を使ってバランスをとることが出来ることを理解すべきである。例えば、7枚ブレードのまたは11枚ブレードのロータのバランスをとることが出来る。
【0047】
ロータ26用のブレード32の一つの好適変調間隔(m=1)を上に示したように決め、図3および図5に図示し、および図7に“m=1”の下の列に記載する。ロータ126用のブレード32の一つの好適変調間隔(m=2)を上に示したように決め、図4および図6に図示し、および図7に“m=2”の下の列に記載する。
【0048】
図9および図10も、この発明の一実施例に従ってロータのブレードの変調間隔を決めるための本出願に示すプロセスの一適用を例示する。図9および図10は、ここで説明した方法によって導出できる値だけを表すのではなく、如何に実際の数値を変調したブレード間隔を決めるためのここに説明したプロセスに適用できるかの一例を構成するに過ぎないことを理解すべきである。その上、定数の変化、重み係数の変動、および最適化を行う程度によって、本出願の方法論を使うことの結果がこの式および方法論に変形があるのと同じだけ異なる結果を生み出せることを理解すべきである。図9および図10では、データとグラフを使って9枚のブレードを有するロータ用のおよび変調度m=1の変調したブレード間隔を決める。上に示した方法論を使い、およびこの方法論を使って得た結果を図9および図10に記載する。図9および図10は、9枚ブレードのロータおよび変調度m=1のロータブレードの変調を決めるためのデータおよびプロセスを例示するが、図9および図10に詳述するプロセスは、上に議論したように、任意の所望数のロータブレードおよび任意の所望変調度にも同等に適用できる。また、図7の実施例に関して示す変調角度と図10に関して示す変調角度の比較から明らかなように、同じブレード数および同じ変調度のロータに対する異なる変調角がここに説明した式に使うために選択した種々の定数に依存する。これらの定数に異なる値を使うことによる結果をテストして最高の結果をもたらす結果の組を決めることができる。
【0049】
図9で、項目を次のように定義する:
“NO−B”は、ロータブレードの選択した数である。
“B−No”は、任意の位置から始るロータブレード番号である。
“Def−Angle”は、ブレード番号マイナス1掛ける360°割るブレード数、または(B−No−1)×360°/NO−Bで決る定義または基準角度である。
“m=1”は、選択した変調度であり、この場合m=1である。
“dTheta”は、デルタシータiまたはΔθiで、デルタファイ(Δφ)割るブレード数、またはdPhi(deg)/NO−Bで決る。
“Phi−mod”は、変調したファイまたはφmodで、基準角プラスデルタシータi掛ける(変調度掛ける基準角の)サイン、またはDef−Angle+dTheta×sin(m×Def−Angle)で、これは正弦法則である。
“Σsin=0?”は、各ブレードに対するファイ変調の各サインの和である。
“Σcos=0?”は、各ブレードに対するファイ変調の各コサインの和である。
“Σ∧2”は、各ファイ変調の二乗のサインの和と各ファイ変調の二乗のコサインの和の和、またはΣsin=0?2+Σcos=0?2である。
“Spacing”は、隣接するロータ間の度での角度間隔で、ブレード番号のファイ変調マイナス順番で次のブレードのファイ変調を引く引算、またはPhi−modi−Phi−modi+1によって決る。
“MinSp”は、選択した、理想的最小ブレード間隔である。
【0050】
図10では、項目を次のように定義する:
“BFNo”は、ベッセル関数高調波番号である。
“BesselJ”は、対応するベッセル関数番号に対するデルタファイ(ラジアン)の絶対ベッセル関数値である。
“dPhi(rad)”は、ラジアンでのデルタファイである。
“dPhi(deg)”は、目標バランス重みによって与えられるバランスを利用する反復最適化によって決る度でのデルタファイである。
“minOnTar”は、最適化の目標値についての最小化で、n番目のベッセル関数高調波に対するベッセル関数値マイナス0番目のベッセル関数高調波に対するベッセル関数値の絶対値、またはABS(BesselJn−BesselJ0)である。
“Target”は、目標バランス重みで、各ファイ変調の二乗のサインの和と各ファイ変調の二乗のコサインの和の和、またはΣ∧2掛けるブレード重み係数プラス絶対ベッセル関数値(minOnTar)プラスベッセル重み係数、または簡単に(Σ∧2×Bal_W)+(ΣminonTar+Bes_W)によって決る。
“Bal_W”は、選択したブレード重み係数である。
“Bes_W”は、選択したベッセル重み係数である。
【0051】
図9および図10は、変調度m=1に関するデータおよびプロセスを例示するが、類似の方法論を使って変調度m=2でロータブレードの変調角を決められることを理解すべきである。例えば、変調度m=2に対してロータブレードの変調角を決めるために、図9および図10について変調度m=1に対して上で使った方法論を使えるが、ベッセル関数の均一性を式で考慮に入れないように僅かに修正する。
【0052】
図10の線グラフは、ベッセル関数の相対均一性を示す。図10のプロットは、ブレード間隔を示す。即ち、このプロット上の各点は、ロータブレード位置を表し、このプロットは、全体として各ロータブレード間の角度間隔の視覚的検討を可能にする。
【0053】
図11は、ダクト216内に取付けたロータ226およびステータ228を示す。このロータは、ハブ230およびブレード232を含み、このステータは、ハブ234および羽根236を含む。図示するように、これらの羽根236は、ハブ234とダクト表面220の間に伸びる。しかし、図12に示すように、ステータ228は、羽根236を取付ける目的でダクト216内に取付けてある環状支持円板238を含んでもよい。それで、複数の羽根236がハブ234とこの支持円板238の間に伸びる。更に、もし支持円板238がダクト216内に設けてあるなら、支持円板238の環状の内方に向いた面が環状に内方に向いたダクト表面220を構成する。この支持円板238は、変調したステータ羽根236と非変調のステータ羽根の両方に使ってもよい。
【0054】
この発明のある実施例では、動作中のこの逆トルク装置の知覚する騒音を減らすためおよびこの逆トルク装置の性能を改善するために、ステータ228の羽根236を本発明の実施例に従ってハブ234周りに角度的に変調する。即ち、各羽根236間の分離角が一定ではなく、変動する。ロータブレード232がこのダクトの軸周りに回転し且つ各ステータ羽根236を通過するとき、任意の与えられた時間にロータブレード232の一部だけがステータ羽根236の一部を横切るようにステータ羽根236を変調する。即ち、全ロータブレード232が任意の与えられた時間に全ステータ羽根236には重なり合わない。その上、ロータブレード232とそれぞれのステータ羽根236の間の任意の与えられた時間の交点は、各々ロータハブ230の中心から異なる半径方向長さを有する。それで、これらのステータ羽根236の角度変調は、どの二つのロータブレード232も同じ時間にステータ羽根236の同じ部分を横切らないことを保証する。ロータブレード232が任意の与えられた時間にそれぞれのステータ羽根236を横切る点を変えることによって、この逆トルク装置の知覚騒音レベルを下げるように各交点で発生する騒音を多様化する。変調したステータ羽根236をどれか適当なダクト式逆トルク装置に組込んでもよい。
【0055】
図13ないし図14Aおよび図15ないし図21は、ブレード232と羽根236の間の相対関係を図解するためにロータブレード232とステータ羽根236の概略図を示す。図13ないし図14Aおよび図15ないし図21は、この尾部ファンのステータ側から見たブレード232と羽根236の概略図を示す。即ち、図13ないし図14Aおよび図15ないし図21は、ダクト216の下流側から上流を見て、または図11および図12でダクト216の断面で見るならば右から左を見て、ブレード232と羽根236を示す。図14Bは、この尾部ファンのロータ側からの羽根36の切離した図である。
【0056】
図13および図14Aは、この発明の実施例に従って変調したステータ羽根236を横切るロータブレード232を概略的に示す。特に、図13および図14Aは、変調したステータ羽根236の羽根中心線を横切るロータブレード232のブレード中心線を示す(図13は、ブレード中心線を実線でおよび羽根中心線を破線で示し、一方図14Aは、羽根中心線を実線でおよびブレード中心線を破線で示す)。図13に最もよく示すように、ロータ226は、8枚のブレード232を含み、従って8本のブレード中心線が逐次B1ないしB8と名付けてある。しかし、ロータ226は、任意の他の適当数のブレード232、例えば、9枚のブレードを含んでもよい。また、図示する実施例では、ブレード232がロータハブ230の周りに取付けてある。即ち、隣接するブレード中心線B1ないしB8間の交角が変動するか不均一である。しかし、ロータ226は、ハブ230の周りに非変調の(均等にまたは一様に分布した)ブレード232を含んでもよい。更に、図15に示すように、ロータブレード232は、放射状に伸びる。即ち、ブレード中心線の各々B1ないしB8が放射状で円形ハブ230の中心Cを通る。しかし、ロータ226は、放射状でないブレード232を含んでもよい。作動すると、ロータブレード232は、矢印Aの方向に時計方向に回転する(図13および図14Aで見て)。
【0057】
図14Aおよび図14Bに最もよく示すように、ステータ228は、8枚の羽根236を含み、従って8本の羽根中心線が逐次V1ないしV8と名付けてある。しかし、ステータ228は、任意の他の適当数の羽根236を含んでもよい。ロータ226を動かす駆動軸140がダクト表面220からハブ234まで羽根V1とV8の間を伸びる。この駆動軸140は、ロータ226と駆動するように係合し、それを動かす。図14Aの向きから見て、駆動軸140は、このヘリコプタの主部からハブ234の中心の方へ伸びてロータ226を駆動する。
【0058】
図14Aおよび図14Bに最もよく示すように、ステータ羽根236は、ハブ234周りに同じ方向に変調してある。特に、ステータ羽根236は、ロータブレード232に関して時計方向、ロータ226の回転方向Aに傾斜している。それで、羽根中心線V1ないしV8がブレード中心線B1ないしB8に対して傾斜し、全羽根中心線V1ないしV8は、任意の与えられた時間に全ブレード中心線B1ないしB8と重なり合うことはない。その上、隣接する羽根中心線V1ないしV8の間の変調角が変動するか不均一である。例えば、図16に示すように、V3とV4の間の角度θがV4とV5の間の角度βと異なる。
【0059】
更に、ステータ羽根236が非放射状である。図16に示すように、羽根中心線V1ないしV8の各々が円形ハブ234を通過するが、この円形ハブ234の中心Cは通らない。特に、各羽根中心線V1ないしV8は、円形ハブ234の軸である中心Cを有するそれぞれの円に接する。それで、ステータ羽根中心線V1ないしV8間の変調角は、これらのステータ羽根中心線V1ないしV8がロータブレード中心線B1ないしB8のするようにハブの中心Cの周りに放射状構成をとらないように連続的に変動する。
【0060】
これらの変調角は、ロータブレード232の分布の関数である、各羽根236の円周位置の関数である。即ち、各ステータ羽根236の向きは、ロータブレード232の分布に基づく。図示する実施例では、ステータ羽根236変調を決めるために、図17に示すようにブレード中心線B1ないしB8の各々に沿って1点を選ぶ。それで、8点を選び、逐次P1ないしP8と名付ける。これらの点P1ないしP8は、これらの点を結ぶ線が仮想螺旋Hを形成するように選んである。この構成は、8点P1ないしP8の各々がハブ230の中心から異なる半径方向長さを有するようにこれら8点P1ないしP8を配置する。例えば、P5は、P6より中心Cに近く、およびP6は、P7より中心Cに近い等。8点P1ないしP8の位置決めは、どんな適当な方法、例えば、数学的モデリング、実験等で決めてもよい。
【0061】
次に、図18に示すように、傾斜線がブレード中心線B1ないしB8上の各点P1ないしP8を貫通する。これらの線は、同じ方向、即ち、ロータ226の回転方向Aに傾斜している。これらの線は、羽根236の羽根中心線V1ないしV8を定義する。図示するように、羽根中心線V1ないしV8とそれぞれのブレード中心線B1ないしB8の間の交角αは等しい。図示する実施例では、この角αがほぼ17°である。しかし、この角度は、どんな適当且つ適切な大きさでもよく、この大きさは、どんな適当な方法、例えば、数学的モデリング、実験等で決めてもよい。
【0062】
それで、ロータ226が作動すると、ロータブレード232は、約17°の角度でそれぞれのステータ羽根236と交差するが、各ロータブレード232とそれぞれのステータ羽根236の間の交点は、ハブ230の中心Cから異なる半径方向長さにある。各ロータブレード232がそれぞれのステータブレード236を横切る方法を変えることによって、この横断から発生する音を多様化し、対称的でない。例えば、B1がV1を横切るとき発生する音は、B2がV2を横切るとき発生する音と異なり、B2がV2を横切るとき発生する音は、B3がV3を横切るとき発生する音と異なるだろう。これらの音の範囲が動作中に逆トルク装置14が発生する知覚騒音を低減する。
【0063】
上に説明したステータ228の構成は、ロータ226が作動するとき、このロータ226の回転によって生じる、ロータ226の回転方向と逆方向のトルクのために、ステータ羽根236の各々を引張り状態に置く。環状支持円板238を使い実施例では、羽根236のこの引張りが支持円板238を収縮させ、それがこの支持円板238とダクト216を形成するシュラウドの内面との間に無視できる隙間を作るかも知れない。しかし、羽根236を支持円板238の収縮が起らないか、起っても無視できるように、羽根236の引張りが無視できるほどに設計することが好ましい。
【0064】
図19は、図13ないし図18に関して議論した要素のあり得る寸法を示す。図19の寸法は、図示した種々の要素の寸法および比率の一例に過ぎないことを理解すべきである。
【0065】
図20および図21は、変調したステータ羽根336と共にステータ328のもう一つに実施例を概略的に示す。この実施例では、駆動軸340近くの羽根336の一つ(各羽根336およびブレードは中心線によって表してある)、例えば、V8が残りの羽根V1ないしV7に関して反対に傾斜している。特に、V8は、ロータブレードB1ないしB8に関してロータ326の回転Aと反対方向に傾斜している。
【0066】
ステータ328のこの構成は、ロータ326が作動するとき、羽根の一つV8を圧縮状態に置き、残りの羽根V1ないしV7を引張り状態に置く。更に、この構成は、駆動軸340に最も近い2枚の羽根V1およびV8を高応力領域に近く取付けられるようにし、それがより良い応力流れに繋がり、重量を減らし、構造保全性を改善する。その上、2枚以上の羽根V1ないしV8を反対に傾斜してもよい。
【0067】
図示するステータ228、328は、例示に過ぎず、ステータ228、328は、ヘリコプタのダクト式逆トルク装置の知覚音を減らすためおよび構造的保全性を改善するために、何か適当な方法で変調したステータ羽根236、336を含んでもよい。更に、上に説明したステータ羽根変調の決定は、例示に過ぎず、このステータ羽根変調は、何か他の適当な方法で決めてもよいことを理解すべきである。
【0068】
変調したステータ羽根を、変調羽根を持つおよび非変調羽根を持つロータを含む何か適当なロータと共に利用してもよい。非変調羽根を持つロータとは、隣接するロータブレード間の角度間隔が一定であるロータを指す。即ち、ロータブレードの全ての対の間の角度が同じであるように、ロータブレードがハブ周りに均等に離間している。例えば、図22は、ロータ426のブレード432が非変調であり、ステータ428の羽根436が図14同様に変調してあり且つ上に同様に図14に関して議論した羽根と実質的に同じである。図23は、ロータ526のブレード532が非変調であり、ステータ528の羽根536が図21同様に変調してあり且つ上に同様に図21に関して議論した羽根と実質的に同じである。
【0069】
また、ある実施例では、隣接するロータブレード間の角度の一つが隣接するステータ羽根間の角度の一つと等しくてもよい。一例で、非変調ロータの隣接するロータブレード間の角度の一つが変調したステータの隣接するステータ羽根間の角度の一つと等しくてもよい。もう一つの例では、変調したロータの隣接するロータブレード間の角度の一つが変調したステータの隣接するステータ羽根間の角度の一つと等しくてもよい。
【0070】
図24および図25は、それぞれ平面形が実質的に非長方形型のロータブレード32、232を有するロータ26、226の二つの実施例を示す。例えば、各ロータブレードは、平面形が三日月刀形でもよく(図24のロータブレード32参照)、または各ロータブレードは、平面形がテーパ型でもよい(図25のロータブレード232参照)。ブレード32、232は、何か適当な材料で作ってもよく、および何か適当な方法で作ってもよい。
【0071】
図24、図26、および図27に示すように、三日月刀型平面形のブレード32は、刃が湾曲したサーベルのように作る。特に、この三日月刀型平面形のブレード32は、ロータ26の回転方向に向く前縁40、および後縁42を有する。図示するように、前縁40は、全体として凸形であり、後縁42は、僅かに凹形である。しかし、後縁42は、ブレード32の縦に伸びる中心線と全体的に平行でもよく、または何か他の適当な形状でもよい。
【0072】
また、図24に最もよく示すように、ブレード32の、ハブ30に隣接する、近位縁44、およびブレード32の遠位縁46は、共に全体としてブレード中心線に垂直である。しかし、これらの縁44、46は、何か他の適当な形状、例えば、傾斜、湾曲形状でもよい。
【0073】
この様に、ブレード32の縁40、42、44、46は、協同して実質的に非長方形の平面形を作る。使用中、この形状は、性能を維持しながらマッハ圧縮効果および知覚騒音を減らすのを助ける。特に、この実質的に非長方形の平面形のブレード32は、動作中任意の与えられた時間に1本のブレード32が1本のステータ羽根36と交差するのを防ぐ。
【0074】
図26に示すように、この三日月刀平面形型ブレード32の断面形状は、その長さに沿って変る。図26は、このブレードの端から端まで、ハッチングをつけて、種々の断面形状を示し、このブレードの適当なステーションを(インチで)指示する。(種々のブレード断面のクロスハッチングは、各断面の端から端まで広がるが、それは必ずしも各断面が中実であることを意味しない。即ち、種々の断面は、互いに異なる構成を有してもよく、およびこれらの構成は、中実、中空、多層等でもよい。このクロスハッチングは、例示目的に過ぎない。)また、ブレード32は、捻れ構成である。
【0075】
図27ないし図31は、三日月刀平面形型ブレード32の特定の幾何学的形状を定義するグラフである。また、図32は、図27ないし図31に関して議論した要素のあり得る寸法を示す表である。図27ないし図32に示す寸法および幾何学的比率は、図示する種々の要素の寸法および比率の一例に過ぎないことを理解すべきである。
【0076】
図27ないし図32は、三日月刀平面形型ブレード32の10ステーション(断面)、即ち、ST9.000,11.000,12.000,13.475,15.000,16.000,17.210,18.000,19.000および20.000を示す。図示する実施例で、ブレードのスラスト特性値は、2.75″(69.85mm)および後縁厚さは、0.035″(0.889mm)である。しかし、このブレード32は、特性値および後縁厚さが何か他の適当なものでもよい。
【0077】
図27は、インチでの翼弦長対ブレード・ステーションをプロットすることによって図示する実施例の寸法を示す。
【0078】
図28に各ブレード・ステーションでの捻れ程度のグラフとして示すように、所望の翼弦平面捻れ(度)をステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として次のように定義する:
捻れ(度)=−0.000447903*ST4+0.0278569*ST3−0.514872*ST2+2.10206*ST+5.41711
【0079】
図29に各ステーションでのインチの翼弦長のグラフとして示すように、この翼弦長(インチ(=25.4mm))をステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として次のように定義する:
弦(インチ(=25.4mm))=−0.02197*ST2+0.592025*ST−0.8989
【0080】
図30に各ステーションでのインチの四分の一弦シフトのグラフとして示すように、スイープを決める四分の一弦オフセット(インチ(=25.4mm))をステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として次のように定義する:
Δc/4=0.02883*ST2−0.7832*ST+4.714−0.41
【0081】
ここで“c/4”は、四分の一弦、または翼弦長の四分の一を表し、および、Δc/4またはデルタ四分の一弦は、四分の一弦の変化またはシフトを表し、およびSTは、インチ(=25.4mm)でのステーション位置を表す。
【0082】
図示するように、ブレード32の捻れは、ステーション9から17.210へ増加し、次にこの捻れは、ステーション17.210から20へ僅かに増加する。また、翼弦長は、ステーション9から13.475へ増加し、および次にステーション13.475から20へ鋭く低減する。この翼弦長の変動は、ブレード32にその三日月刀型平面形を与える。図30および図31もステーション13.475周りの四分の一弦シフトおよび四分の一弦スイープ角の変動を示す。図31は、各ブレード・ステーションでの度の四分の一弦スイープ角のグラフを示す。
【0083】
図25および図33は、テーパ型平面形を有するテーパ型ロータブレード232を示す。特に、各ブレード232の後縁240がこのブレード232の縦に伸びる中心線の方へ傾斜している。図33に示すように、この後縁240は、中心線232と実質的に平行な線235に対して角度Aだけ傾斜している。しかし、この前縁および後縁は、他の適当な形状を有し、例えば、傾斜した後縁240と共に中心線232に対して傾斜した前縁242または傾斜した後縁240がなくそれだけでもよい。
【0084】
また、ブレード232の近位縁244およびブレード232の縁位縁246が共に全体としてブレード中心線に垂直である。しかし、これらの縁244、246は、何か他の適当な形状、例えば、傾斜した形状でもよい。
【0085】
この様に、ブレード232の縁240、242、244、246は、協同して実質的に非長方形の平面形を作る。ロータ226が作動するとき、ブレード232がそれぞれのステータ羽根36と斜面で交差する。各ロータ・ブレード232がそれぞれのステータブレード36と交差する方法を変えることによって、この逆トルク装置が作動中に発生する知覚騒音が減る。
【0086】
ステータ羽根36が実質的に非長方形の平面形、例えば、三日月刀、テーパ状を有してもよいことをもくろむ。そのような構成では、このロータのロータブレードが長方形の平面形を有してもよい。使用中、これらのブレードおよび羽根が互いに斜面で交差して騒音低減の利益をもたらす。
【0087】
図示するロータ26、266は、例示に過ぎず、ロータ26、266は、ヘリコプタの逆トルク装置の知覚騒音を減らし且つ逆トルク装置の空力性能を改善するように、何か他の適当な実質的に非長方形の平面形のロータブレード32、232を含んでもよいことを理解すべきである。
【0088】
図24および図25は、ロータブレード32、232およびステータ羽根36、236の概略図を示し、ブレード32、232と羽根36、236の間の相対関係を図解する。図24および図25は、尾部ファン12(図1に示す)のステータ側から見たブレード32、232および羽根36、236の図を示す。即ち、図24および図25は、ダクト16、216の下流側から上流を見て、または図12でダクト216の断面で見るならば右から左を見て、ブレード32、232および羽根36、236を示す。図26は、この尾部ファンのロータ側からの羽根36、236の切離した図である。
【0089】
図34は、この発明の実施例に従って変調したステータ羽根36を横切るロータブレード32を概略的に示す。特に、図34は、変調したステータ羽根36の羽根中心線を横切るロータブレード32のブレード中心線を示す(図34および図35は、ブレード中心線を実線でおよび羽根中心線を破線で示す)。ロータ26は、8枚のブレード32を含み、従って8本のブレード中心線が逐次B1ないしB8と名付けてある。ロータ26は、任意の他の適当数のブレード32、例えば、9枚のブレードを含んでもよい。また、図示する実施例では、ブレード32がロータハブ30の周りに取付けてある。即ち、隣接するブレード中心線B1ないしB8間の交角が変動するか不均一である。各ブレード中心線間の角度が変動するので、ロータブレード32は、角度的に変調される。しかし、ロータ26は、ハブ30の周りに均等にまたは一様に分布したブレード32を含んでもよい。更に、図14に示すように、ロータブレード32は、ハブ30の中心Cから放射状に伸びる。即ち、ブレード中心線の各々B1ないしB8が放射状で円形ハブ30の中心Cを通る。しかし、ロータ26は、放射状でないブレード32を含んでもよい。作動すると、ロータブレード32は、矢印Aの方向に時計方向に回転する(図34で見て)。
【0090】
図34および図36に示すように、ステータ28は、8枚の羽根36を含み、従って8本の羽根中心線が逐次V1mないしV8mと名付けてある。(この添字“m”は、羽根が角度変調してあることを示す。)しかし、ステータ28は、任意の他の適当数の羽根36を含んでもよい。ロータ26を動かす駆動軸40がダクト表面20からハブ34まで羽根V1mとV8mの間を伸びる。この駆動軸40は、ロータ26と駆動するように係合し、それを動かす。これらの図の向きから見て、駆動軸40は、このヘリコプタの主部からハブ34の中心の方へ伸びてロータ26を駆動する。
【0091】
図34および図36に示すように、ステータ羽根36は、ハブ34周りに同じ方向に変調してある。特に、ステータ羽根36は、ロータブレード32に関して時計方向、ロータ26の回転方向Aに傾斜している。それで、羽根中心線V1mないしV8mがブレード中心線B1ないしB8に対して傾斜し、全羽根中心線V1mないしV8mは、任意の与えられた時間に全ブレード中心線B1ないしB8と重なり合うことはない。その上、隣接する羽根中心線V1mないしV8mの間の変調角が変動するか不均一である。
【0092】
更に、ステータ羽根36が非放射状である。図34に示すように、羽根中心線V1mないしV8mの各々が円形ハブ34を通過するが、この円形ハブ34の中心Cは通らない。特に、各羽根中心線V1mないしV8mは、円形ハブ34の軸である中心Cを有するそれぞれの円に接する。それで、ステータ羽根中心線V1mないしV8m間の変調角は、これらのステータ羽根中心線V1mないしV8mがロータブレード中心線B1ないしB8をなすようにハブの中心Cの周りに放射状構成をとらないように連続的に変動する。
【0093】
これらの変調角は、ロータブレード32の分布の関数である、各羽根36の円周位置の関数である。即ち、各ステータ羽根36の向きは、ロータブレード32の分布に基づく。図示する実施例では、ステータ羽根36変調を決めるために、ブレード中心線B1ないしB8の各々に沿って1点を選ぶ。それで、8点を選ぶ。これらの点は、これらの点を結ぶ線が仮想螺旋を形成するように選んである。この構成は、8点の各々がハブ30の中心Cから異なる半径方向長さを有するようにこれら8点を配置する。これら8点の位置決めは、どんな適当な方法、例えば、数学的モデリング、実験等で決めてもよい。
【0094】
次に、傾斜線がブレード中心線B1ないしB8上のこれらの点の各々を貫通する。これらの線は、同じ方向、即ち、ロータ26の回転方向Aに傾斜している。これらの線は、羽根36の羽根中心線V1mないしV8mを定義する。羽根中心線V1mないしV8mとそれぞれのブレード中心線B1ないしB8の間の交角は等しい。図示する実施例では、この角がほぼ17°である。しかし、この角度は、どんな適当且つ適切な大きさでもよく、この大きさは、どんな適当な方法、例えば、数学的モデリング、実験等で決めてもよい。
【0095】
それで、ロータ26が作動すると、ロータブレード32は、約17°の角度でそれぞれのステータ羽根36と交差するが、各ロータブレード32とそれぞれのステータ羽根36の間の交点は、ハブ30の中心Cから異なる半径方向長さにある。各ロータブレード32がそれぞれのステータブレード36を横切る方法を変えることによって、この横断から発生する音を多様化し、対称的でない。例えば、B1がV1mを横切るとき発生する音は、B2がV2mを横切るとき発生する音と異なり、B2がV2mを横切るとき発生する音は、B3がV3mを横切るとき発生する音と異なるだろう。これらの音の範囲が動作中に逆トルク装置14が発生する知覚騒音を低減する。ブレード32のこの変調は、実質的に長方形および実質的に非長方形を含み、テーパ状平面形および三日月刀平面形を含む、どんな形の平面形のブレードででも達成できる。
【0096】
しかし、この発明の説明した実施例によるブレード平面形の形状は、実質的に非長方形であるので、変調したステータ羽根36を使って上に説明したのと同じ利点を放射状のステータ36で達成できる。即ち、図34のステータは、中心点Cから伸びないが、図35のステータは、中心点Cから伸び且つ放射状ステータである。図35のステータ36は、ブレード32の非長方形の性質が上に略述したのと同じ利益を達成するので、放射状であり得る。即ち、非長方形ステータブレード32を設計し、どのブレード32も他のブレード32と同じ点で羽根36を横切らず且つどのブレード32も羽根36に対するブレード32の形状が異なるために全ステータ羽根36と決して重なり合わないように変調する。羽根36は、図35でV1RないしV8Rと名付けてある(この添字“R”は、羽根が放射状であると認定する)。これらの実質的に非長方形のブレードは、三日月刀平面形およびテーパ状平面形を含む、種々の平面形の形状でもよい。また、上に確認した利点は、更に、実質的に非長方形ブレード平面形を使いおよび羽根が放射状か非放射状である場合に間隔が一定の非変調ステータ羽根を使うことによって達成してもよい。
【0097】
この発明の一実施例では、逆トルク装置14、214の作動中に発生する騒音を減らすために、本発明の一実施例に従って構成した騒音低減構造体440をダクト16、216に組込む。この騒音低減構造体440は、この逆トルク装置14、214の全体の騒音レベルを下げるように、この逆トルク装置14、214が発生する騒音を弱め、吸収し、または変えるように構成してある。この騒音低減構造体440は、何れかの適当なダクト式逆トルク装置に組込んでもよい。
【0098】
図37ないし図43は、騒音低減構造体440の種々の実施例を示す。例えば、この騒音低減構造体440は、ダクト216(図37、図40、図42、および図43)を囲むシュラウド218に組込んだ複数の騒音低減共鳴器でもよく、またはこの騒音低減構造体440は、ダクト表面220(図38、図39、および図41)に取付けた材料の騒音低減層444でもよい。一般的に、この騒音低減構造体440は、この逆トルク装置214の作動によって発生した騒音を低減する表面をダクト216内に創る。
【0099】
図示し且つこの出願のためのダクト216は、五つの領域、即ち、ロータ226の平面内を伸びるロータ領域446、ステータ228の平面内を伸びるステータ領域448、ロータ領域446に先立つ前縁領域450、ステータ領域448に続く後縁領域452、およびロータ領域446とステータ領域448の間に伸びる中間領域454に分割できる(図40および図41参照)。図37ないし図41の図示する実施例では、騒音低減構造体440がダクト216内の少なくともロータ領域446に位置する。即ち、騒音低減構造体440が、以下に詳しく説明するように、ロータ226の平面内に位置する。これらの図で、ロータ226の平面は、線227によって示してある。しかし、この騒音低減構造体440は、どれか他の領域、例えば、中間領域454、ステータ領域448等にも、ロータ領域446に配置してあるのと組合わせるか、またはロータ領域446にあるのと組合わせるか若しくは組合わせずに、あってもよいことを理解すべきである。
【0100】
図37、図40、図42、図43および図46は、複数の共鳴器442の形の騒音低減構造体440を示す。図42に示すように、各共鳴器442、例えば、ヘルムホルツ共鳴器は、空洞456およびこの空洞456に入る入口開口部458を有してもよい。例えば、図43は、空洞656およびこの空洞656に入る1対の入口開口部658を含む共鳴器642を示す。
【0101】
図37に最もよく示すように、複数の共鳴器442の各々は、各共鳴器442の空洞456がシュラウド218内に位置しおよび各共鳴器442の一つ以上の入口開口部458がダクト表面220(シュラウド218の壁かステータ支持円板238によって構成する)に通じるように、ダクト216を囲むシュラウド218に組込んである。それで、入口開口部458は、ダクト216の内面を形成するシュラウド218の表面と面一である。使用中、この逆トルク装置214からの騒音がそれぞれの入口開口部458を通って各共鳴器442の空洞456に入り、この空洞456がこの騒音を弱めてその大きさを減らす。この様に、複数の共鳴器442が協同してこの逆トルク装置214の全体の騒音レベルを抑制する。
【0102】
先行技術の組込み共鳴器の例がリーカおよびノイベルトによる“統合ヘルムホルツ共鳴器を使うフェネストロンの騒音低減”に開示してあり、1998年9月15−17日にフランス、マルセイユでの第24回ヨーロッパ回転翼機フォーラムで発表され(参考資料AC10、pp1−12)、それを参考までにここに援用する。
【0103】
図37および図40に示すように、複数の共鳴器442が、一つ以上の開口部458がダクト216のロータ領域446に配置してあるように、シュラウド218内に配置してある。即ち、複数の共鳴器442の一つ以上の入口開口部458がロータ226の回転の平面227内に配置してある。図示するように、複数の共鳴器442の入口開口部458がシュラウド218周りにリング状構成で離間した関係に伸びる。これらの入口開口部458は、ロータハブ230の少なくとも一部およびロータブレード232を通過する横平面もこれらの入口開口部458を通過するように配置してある。しかし、複数の共鳴器442の一つ以上の入口開口部458がどれか他のダクト領域、例えば、中間領域454、ステータ領域448等内にも配置してあってよいことを理解すべきである。
【0104】
図38、図39、図41、図44および図45は、ダクト表面220(シュラウド218の壁かステータ支持円板238によって構成する)に取付けた材料の騒音低減層444の形の騒音低減構造体440を示す。この材料の層444は、ダクト表面220に取付けた一つ以上のパネルでもよく、またはダクト表面220に付けた被膜でもよい。この材料の層444は、ダクト表面220に何か適当な方法、例えば、半田付け、接着、ファスナ等で取付けてもよい。使用中、この材料の層444は、逆トルク装置214の作動によって発生する騒音を吸収または変更する表面をダクト216内に創る。
【0105】
例えば、この材料の騒音低減層444は、逆トルク装置214の作動から発生した音を吸収するような構造の多孔性金属材料で構成してもよい。一実施例で、この多孔性金属材料は、Feltmetal(登録商標)で、それは焼結金属繊維で作った、巧みに処理した多孔性材料である。このFeltmetal(登録商標)の特性、例えば、繊維サイズ、多孔度、厚さは、所望の音吸収特性に制御するために修正してもよい。しかし、音の吸収を容易にする、何か他の適当な材料を利用してもよい。
【0106】
また、この材料の騒音低減層444は、逆トルク装置414の作動から発生した音を変更または抑制するような構造の摩削性材料で構成してもよい。何か適当な摩削性材料を利用し、この摩削性材料を所望の音変更特性に基づいて選んでもよい。
【0107】
図41に示すように、この材料の騒音低減層444を、それをダクト216のロータ領域446に配置するように、ダクト表面220に取付ける。即ち、この材料の騒音低減層444がロータ226の回転の平面227内に配置してある。
【0108】
例えば、図38は、この材料の層444がロータ領域446を含むダクト表面220全体を覆うようにこのダクト表面220に取付けた材料の層444を示す。しかし、この材料の層444は、ロータ領域446を含むダクト表面220の一部しか覆わなくてもよい。図39は、この材料の層444がリング状構成に伸びてダクト216のロータ領域446を覆うようにダクト表面220に取付けた材料の層444を示す。それで、この材料の層444は、このロータハブの少なくとも一部およびロータブレードを通過する横平面もこの材料の層444を通過するように配置してある。図示するように、この材料のリング状層444の前縁および後縁は、この材料の層444がダクト216の空力学を殆ど妨害しないように、テーパが付いている。しかし、この材料の層444は、他のダクト領域のどれか、例えば、中間領域454、ステータ領域448等内に配置してあってもよいことを理解すべきである。
【0109】
図44で分るように、この材料の層444は、例えば、ロータ平面の前の、前縁にだけ使うことができる。図45で分るように、この材料の層444は、例えば、ステータ214の領域にだけ使うことができる。この様に、本出願で開示した騒音低減材料は、共鳴器、音響材料および摩削性材料の使用を含み、ロータ226の平面にだけ、またはロータ226の平面を含む領域にだけ使うことに限定されない。図44および図45に示すように、この騒音低減材料、特に材料の層444は、全体として図44に示すように後縁にまたはステータの領域におよび図44に示すように前縁の領域のように、ロータ226の平面を離れた領域に使うことができる。
【0110】
図46で分るように、共鳴器442は、ロータ226の平面227に使えるだけでなく、ダクト218の長さに沿う種々の位置で使える。図46で分るように、共鳴器442は、ダクト218の実質的に全長に沿っておよび実質的にこのダクトの内面の周囲に配置してある。しかし、これらの共鳴器は、騒音低減を最適化するためにダクトに沿った種々の位置に選択的に配置できることを理解すべきである。
【0111】
図示する騒音低減構造体440は、例示に過ぎず、およびヘリコプタのダクト式逆トルク装置214によって発生した騒音を低減するために、ダクト表面220を何か適当な方法で音響的に処理してもよいことを理解すべきである。更に、図示する騒音低減構造体440は、全体の騒音を低減するために互いに組合わせてもよい。例えば、逆トルク装置214の全体的騒音を低減するために、材料の騒音低減層444を複数の共鳴器442と共に利用してもよい。
【0112】
騒音低減するための別個の方法および装置としてここに種々の実施例を開示したが、これらの種々の実施例の任意の組合わせも同様に使ってよいことも理解すべきである。例えば、それぞれ、図37および図39に示すように、ロータ平面に共鳴器または音響材料を使うことを、図44に示すようなステータ領域の音響または摩削性材料および/または図45に示すような前縁領域の音響または摩削性材料と一緒に使うことができる。
【0113】
前記の特定の実施例は、本発明の構造的および機能的原理を図解するために提示し、限定されることを意図しない。反対に、本発明は、全ての修正、変更、および置換を添付の請求項の精神および範囲内に包含する意図である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】ヘリコプタの尾部にある逆トルク装置の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す尾部ファンのロータ組立体である。
【図3】変調度が1に等しい、この発明に実施例による、図1に示すものに類似するロータ組立体である。
【図4】変調度が2に等しい、この発明に実施例による、図1に示すものに類似するロータ組立体である。
【図5】図3に類似するロータ組立体の実例で、ロータブレード間の分離角を示す。
【図6】図4に類似するロータ組立体の実例で、ロータブレード間の分離角を示す。
【図7】図5および図6に示すロータ組立体構成の各ブレードの角度構成を含む表である。
【図8】(a)はエワルド外の論文からの図2aを示し、それはベッセル係数対最大位相偏差を示し、(b)はエワルド外の論文からの図2bを示し、それは位相変調ファンのための周波数スペクトルを示す。
【図9】この発明のもう一つの実施例による9枚ブレードのロータ用にロータブレードのための変調間隔を決める際の値を示す。
【図10】図9の実施例に対応し、9枚ブレードのロータ用にロータブレードのための変調間隔を決める際の正弦法則の反復最適化の結果を示す。
【図11】図1に示す逆トルク装置のロータとステータの実施例を示す断面図である。
【図12】図1に示す逆トルク装置のロータとステータのもう一つの実施例を示す断面図である。
【図13】破線で示すステータの羽根の羽根中心線を横切るロータのブレードのブレード中心線を実線で示す、概略、上流側面図であり、このステータの羽根はこの発明の実施例に従って変調してある。
【図14A】ステータの羽根の羽根中心線を実線でおよびロータのブレードのブレード中心線を破線で示す、図13に類似する概略側面図である。
【図14B】ヘリコプタの尾部のロータ側から見た、図13に示すステータの側面図である。
【図15】ロータハブの中心で互いに交差する、図13に示すロータのブレードのブレード中心線を示す概略側面図である。
【図16】ステータハブを通過するがステータの中心は通らない、図14に示すステータの羽根の中心線を示す概略側面図である。
【図17】図13に示すロータのブレードのブレード中心線および各ブレードと交差する仮想螺旋を示す概略側面図である。
【図18】図13に示すロータのブレードのブレード中心線、および図17に示す螺旋が各ブレードと交差する各点を通過する傾斜線を示す概略側面図である。
【図19】実施例の寸法による、図13に類似する概略側面図である。
【図20】破線で示すステータの羽根の羽根中心線を横切るロータのブレードのブレード中心線を実線で示す、概略側面図であり、このステータの羽根はこの発明のもう一つ実施例に従って変調してある。
【図21】ステータの羽根の羽根中心線を実線でおよびロータのブレードのブレード中心線を破線で示す、図20に類似する概略側面図である。
【図22】実線で示すステータの羽根の羽根中心線を横切るロータのブレードのブレード中心線を破線で示す、概略側面図であり、このロータのブレードは変調してなく、このステータの羽根は図14同様に変調してある。
【図23】実線で示すステータの羽根の羽根中心線を横切るロータのブレードのブレード中心線を破線で示す、概略側面図であり、このロータのブレードは変調してなく、このステータの羽根は図21同様に変調してある。
【図24】ロータおよびそのロータブレードを示す切離した透視図で、これらのロータブレードは、この発明の実施例に従って構成してある。
【図25】ロータおよびそのロータブレードを示す切離した透視図で、これらのロータブレードは、この発明のもう一つ実施例に従って構成してある。
【図26】図24に示すロータのロータブレードの部分図で、このロータブレードの異なるステーションを通る種々の断面が採ってある。
【図27】図26に示すロータブレードの平面図である。
【図28】図26に示すロータブレードの捻れ分布を示すグラフである。
【図29】図26に示すロータブレードの翼弦分布を示すグラフである。
【図30】図26に示すロータブレードの四分の一弦シフト分布を示すグラフである。
【図31】図26に示すロータブレードの四分の一弦スイープ角分布を示すグラフである。
【図32】図26に示すロータブレードの実施例の寸法表である。
【図33】テーパ状ブレードの平面形の一実施例を示す。
【図34】本発明のもう一つの実施例によるロータブレードとステータ羽根の相対位置決めを示す概略図で、変調したロータブレードと変調したステータ羽根を示す。
【図35】本発明のもう一つの実施例によるロータブレードとステータ羽根の相対位置決めを示す概略図で、変調してないロータブレードと変調したステータ羽根を示す。
【図36】図34に示す変調したステータ羽根の、ヘリコプタの尾部ロータ側からの側面図である。
【図37】図1に示す逆トルク装置に組込んだ騒音低減構造体を示す部分断面図で、この騒音低減構造体は、この発明の実施例に従って構成してある。
【図38】図1に示す逆トルク装置に組込んだ騒音低減構造体のもう一つの実施例を示す部分断面図である。
【図39】図1に示す逆トルク装置に組込んだ騒音低減構造体のもう一つの実施例を示す部分断面図である。
【図40】図1に示す逆トルク装置に組込んだ、図37に示す騒音低減構造体を示す平面図である。
【図41】図1に示す逆トルク装置に組込んだ、図38に示す騒音低減構造体を示す平面図である。
【図42】図37に示す騒音低減構造体の実施例を示す、切離した透視図である。
【図43】図37に示す騒音低減構造体のもう一つの実施例を示す、切離した透視図である。
【図44】本発明によるダクトのもう一つの実施例を示し、このダクトのステータの部分が音響処理を含む。
【図45】本発明によるダクトのもう一つの実施例を示し、このダクトの前縁の部分が音響処理を含む。
【図46】本発明によるダクトのもう一つの実施例を示し、共鳴器がこのロータの回転の平面におよびこのロータの端から端まで他の位置に配置してある。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2004年7月16日に提出した、米国特許仮出願第60/588,366号、第60/588,367号、第60/588,375号、第60/588,376号、第60/588,377号の優先権を主張し、全ての出願の全内容を参考までにここに援用する。
【0002】
本発明は、ヘリコプタの逆トルク装置に関する。
【背景技術】
【0003】
騒音レベルを下げるために間隔が不均一なファンブレードおよび、知覚できる音が少ししか発生しないような騒音エネルギーである周波数の再配分は、1971年に発行された米国音響学会雑誌第49巻第5号(第1部)pp.1381−1385のドナルド・エワルド外による“変調原理を適用することによる騒音低減”に開示してあり、その開示全体を参考までにここに援用する。このエワルド外の論文は、ファンブレード間の変調位置に関して下記のことを記述する。
【0004】
ファンブレード間の変調位置は、正弦方程式θi’=θi+Δθsin(mθi)によって決り、但し、θiはi番目のブレード位置である
変調位置は次の式によって表され:
θi’=θi+Δθsin(mθi), (1)
但し、θiは均等に離間したファン配置でのi番目のブレード位置であり、θi’はブレード再配列後のi番目のブレード位置であり、Δθはある最大ブレード角変化(変調振幅)、およびmはファンの1回転中に反復される変調サイクルの回数である。
基本的ブレードの通過音の正弦変調から生ずる騒音は、古典的正弦波位相変調式によって表してもよい
F(t)=A0sin(2πF0t+Δφsin2πνt), (3)
但し、A0は基本的ブレードの通過音の振幅;F0=If2、ブレード通過周波数;I、ブレード数;f2、軸回転数;ν=mf8、変調周波数;およびΔφ=IΔθ、位相変調振幅である。
Δφは、各基準ブレード間隔を通じてゼロから2πに及ぶ角度を指し、およびΔθは、軸の各回転に対してゼロから2πに及ぶ角度である。これは、Δθがゼロから2πに及ぶ度毎にΔφがゼロないし2πI倍になることを意味する。
三角関係
sinp cosq=1/2[sin(p+q)+sin(p−q)],
sin(p+q=sinp+cosq)+cosp sinq
およびベッセル関数と三角関数の間の関係
【0005】
【数1】
但し、Jn(p)は第一種ベッセル関数、位数n、引数pを使うことによって、それを次のように示せる
【数2】
【0006】
式4は、この周波数スペクトルが振幅A0J0(Δφ)中心周波数F0および振幅がこの中心周波数周りに対称である、この中心周波数からνの整数倍の多数の側波帯から成ることを示す。
Jn(Δφ)の値は、多くの数学ハンドブックにあるかも知れず、図2(a)[この出願では図8(a)]にグラフで示してある。
与えられたΔφに対してこの周波数スペクトルを決める方法の例が図2[この出願では図8]に示してある。Δφの試行値を選択する。次にこのΔφの試行値を通る垂直線を引く。この線とJn(Δφ)曲線の交点が周波数F0±nνでの結果成分の相対振幅を示す。結果周波数スペクトル、図2(b)[この出願では図8(b)]がこのグラフの右側に挙げてある。絶対値が図2(b)に示す周波数スペクトルにプロットしてあることを注記する。図2(b)の破線は、均一に離間したブレードに対する基本ブレード通過周波数音の正規化振幅を示す。
このベッセル級数は、連続位相変調関数用であり、一方、このファンの実際の周波数スペクトルは、多数のより離散的に近い事象によって作られる。従って、このベッセル級数から得た周波数スペクトルの振幅は、ファンから得たものと幾らか違うだろう。しかし、このベッセル級数は、ブレード数が大きいとき、実際のファンスペクトルをより正確に近似するだろう。
【0007】
音響性能を向上するために、横ダクトの中で回転するロータのブレードが既知の正弦法則θn=nx360°/b+Δθsin(mxnx360°/b)によって与えられる不均一なアジマス変調による角分布を有することが知られている。但し、θnは任意の基点から連続して数えたn番目のブレードの角度位置、bはブレード数、mは、1ないし4から選んだ整数であり、6ないし12から選んだブレード数bと素数でない、変調度、およびΔθは、最小値Δθmin以上であるように選んだ定数であり、それは、マルゼ外の米国特許第5,566,907号に記載してあるように、Δθmin掛けるbの積が1.5ラジアンから1ラジアンまで及ぶ値の範囲内に選ばれるようであり、その特許の開示全体を参考までにここに援用する。しかし、そのような方法は、変調度m=1を含み、変調度mがブレード数と素数であるように選んである、バランスのとれたロータにはならない。
【0008】
その上、エワルド外の論文および米国特許第5,566,907号の両方で、Δθが定数である。上記のエワルド外の論文および米国特許第5,566,907号に開示してあるような、定数Δθがある先行技術の方法は、変調度m=1のとき、バランスのとれたロータにはならず、および奇数のブレードに対して変調度m=2のとき、バランスのとれたロータにはならない。その上、エワルド外の論文で分るように、任意の与えられたΔφに対して、せいぜい二つのベッセル関数(Jn)が、エワルド外の論文の図2(この出願の図8)で分るように、同じ値を有するだろう。それで、基本波(振幅がJ0で決る)および両側の高調波(J1で決る)がΔφに対してほぼ同じ振幅を有するだろう、即ちΔφ=1であり、それは米国特許第5,566,907号とも矛盾しない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の一態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:横ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このロータが:ロータ軸を有するロータハブ、およびこのハブから伸びるロータブレードを含み、これらのロータブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのロータブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiはこのロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれていて、およびこのステータが:ステータハブ、およびこのステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、但し、これらのステータ羽根は、これらのステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのステータハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0010】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:横ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このロータが:ロータ軸を有するロータハブ、およびこのハブから伸びるロータブレードを含み、これらのロータブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのロータブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり且つΔφ/Iに等しく、但し、Δφは位相変調振幅であり且つIはブレード数であり、並びにmはこのブレード数の素数に等しくない変調度であり、およびこのステータが:ステータハブ、およびこのステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、但し、これらのステータ羽根は、これらのステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのステータハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0011】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:横ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このロータが:ロータ軸を有するロータハブ、およびこのハブから伸びるロータブレードを含み、これらのロータブレードは、隣接するブレード間の角度間隔がこれらの隣接するブレードの全ての対に対して一定であるようにこのロータ軸の周りに変調されない角度分布を有し、およびこのステータが:ステータハブ、およびこのステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、但し、これらのステータ羽根は、これらのステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのステータハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0012】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式尾部ファンであって:ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このロータがハブ、およびこのハブの周りに分布した複数のブレードを含み、これらのブレードの各々が実質的に平面形が非長方形の形状を有するファンに関する。
【0013】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ組立体であって:中を完全に貫通する尾部ファンダクトがある尾部ファンシュラウドで、このダクトがヘリコプタ本体縦軸に対して横に伸びるダクト縦軸を有するシュラウド;このダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置は、このダクト内に回転可能に取付けた尾部ロータおよびこのダクト内にこの尾部ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、この逆トルク装置がメインロータのトルクを相殺し、この尾部ロータは、ハブおよびこのハブの周りに分布する複数のブレードを含み、これらのブレードの各々が実質的に平面形が非長方形の形状を有する組立体に関する。
【0014】
この発明の他の態様は、ヘリコプタのダクト式尾部ファン用ロータブレードであって:前縁;後縁;この前縁と後縁の間に伸びる主部;およびこの前縁と後縁の間にそれぞれの弦に沿って広がり且つこのブレードの縦軸に沿ってステーションによって位置付けるときこのブレードの端から端まで配置された一連の弦平面を含み、ここで所望の翼弦平面捻れ(度)が各このステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として式:捻れ(度)=−0.000447903*ST4+0.0278569*ST3−0.514872*ST2+2.10206*ST+5.41711によって定義され、ここで弦長さ(インチ(=25.4mm))が式:弦(インチ(=25.4mm))=−0.02197*ST2+0.592025*ST−0.8989によって定義され、およびここでスイープをステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として決める四分の一弦オフセット(インチ(=25.4mm))が式:Δc/4=0.02883*ST2−0.7832*ST+4.714−0.41によって定義されるブレードに関する。
【0015】
この発明の他の態様は、ヘリコプタの逆トルク装置用ステータであって:ハブ;およびこのハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、この羽根は、この羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるステータに関する。
【0016】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:横ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このステータがハブおよびこのハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、これらの羽根は、これらの羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0017】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このステータがハブ、環状支持円板、およびこのハブの周りに分布し且つこのハブとこの支持円板の間に取付けた複数の羽根を含み、但し、これらの羽根は、これらの羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあるファンに関する。
【0018】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;およびこのダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このステータがハブおよびこのハブの周りに分布する複数の羽根を含み、但し、これらの羽根は、これらの羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあり、およびこれらの変調した羽根は、このロータが作動するとき、引張り状態にあるように構成してあるファンに関する。
【0019】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、この逆トルク装置がこのダクト内に回転可能に取付けたロータおよびこのダクト内にこのロータから下流に固定して取付けたステータを含み、このステータがハブおよびこのハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、これらの羽根は、これらの羽根の隣接する羽根間の角度間隔がこれらの隣接する羽根の各対に対してこのハブ周りに変動するようにこのハブ周りに角度的に変調してあり、およびこれらの羽根の一つが第1方向に変調してありおよびこれらの羽根の残りのものがこの第1方向と反対の第2方向に変調してあるファンに関する。
【0020】
この発明の他の態様は、ヘリコプタの逆トルク装置用ロータであって:ロータ軸を有するハブ、およびこのハブから伸びるブレードを含み、これらのブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiはこのロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれているロータに関する。
【0021】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用逆トルク装置であって:縦軸を有するダクト、およびこのダクト内でこのダクトのこの縦軸周りに回転するためにこのダクト内に確保したロータを含み、このロータが:ロータ軸を有するハブ、およびこのハブから伸びるブレードを含み、これらのブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiはこのロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれている装置に関する。
【0022】
この発明の他の態様は、ヘリコプタの逆トルク装置用ロータであって:ロータ軸を有するハブ、およびこのハブから伸びるブレードを含み、このブレードがこのロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、この角度分布は、式:θi’=θi+Δθisin(mθi)によって定義され、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiは、最大変調振幅であり且つΔφ/Iに等しく、但し、Δφはこのブレードの与えられたブレードに対する位相変調振幅であり且つIはブレード数であり、並びにmはこのブレード数の素数に等しくない変調度であるロータに関する。
【0023】
この発明の他の態様は、ヘリコプタの尾部ロータのブレード間の実質的にバランスのとれた、変調した角度間隔を決めるための方法であって:変調度mを選択する工程;ロータに取付けるためのブレード数を選択する工程;修正した正弦法則θi’=θi+Δθisin(mθi)を使ってロータの各々間の変調した角度間隔を決める工程を含み、但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiはこのブレードの与えられたブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiはこのロータ全体に対して一定ではない方法に関する。
【0024】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:縦軸を有するダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトの縦軸に対して横のロータ平面で回転可能であり且つこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置;並びにこのダクト内に組込んであり且つこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した騒音低減共鳴器を含み、騒音低減共鳴器がこのロータ平面に配置してあるファンに関する。
【0025】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:環状の内方に向いたダクト表面を形成するダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置;およびこのダクト表面に取付けてあり且つこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した材料の騒音低減層を含むファンに関する。
【0026】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、このロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置;およびこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生するこの騒音を低減するための手段を含み、このダクトがこのロータの平面内に広がるロータ領域を含み、およびこの手段がこのダクトの少なくともこのロータ領域におよびこのロータのこの平面上に配置してあるファンに関する。
【0027】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、このロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置;およびこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生するこの騒音を低減するための手段を含み、このダクトがこのロータの平面内に広がるロータ領域を含み、およびこの手段がこのダクトの少なくともこのロータのこの平面上以外の領域に配置してあるファンに関する。
【0028】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:縦軸を有するダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトの縦軸に対して横のロータ平面で回転可能であり且つこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置;並びにこのダクト内に組込んであり且つこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した騒音低減共鳴器を含み、騒音低減共鳴器がこのロータ平面に配置してあるファンに関する。
【0029】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:環状の内方に向いたダクト表面を形成するダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置;およびこのダクト表面に取付けてあり且つこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した材料の騒音低減層を含むファンに関する。
【0030】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、このロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置;およびこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生するこの騒音を低減するための手段を含み、このダクトがこのロータの平面内に広がるロータ領域を含み、およびこの手段がこのダクトの少なくともこのロータ領域におよびこのロータのこの平面上に配置してあるファンに関する。
【0031】
この発明の他の態様は、ヘリコプタ用ダクト式ファンであって:ダクト;このダクト内に支持してあり、このダクト内に回転可能に取付けてあってこのダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、このロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置;およびこのロータの作動中にこの逆トルク装置が発生するこの騒音を低減するための手段を含み、このダクトがこのロータの平面内に広がるロータ領域を含み、およびこの手段がこのダクトの少なくともこのロータのこの平面上以外の領域に配置してあるファンに関する。
【0032】
この発明の他の態様、特徴、および利点は、添付の図面と共に検討すれば以下の詳細な説明から明白となろう。添付の図面は、この開示の一部であり、この発明の原理を、例として、図解する。
添付の図面は、この発明の種々の実施例の理解を容易にする。
【実施例】
【0033】
図1は、ヘリコプタ12の尾部10を示す。この尾部10は、偏揺れに関してヘリコプタ12のバランスをとる目的で、ヘリコプタ12のメインロータの回転によって生じるトルクを相殺するように構成した逆トルク装置14を含む。この逆トルク装置14は、尾部10のシュラウド18を貫通する横ダクト16内に支持してある。このダクト式逆トルク装置14をフェネストロン型装置とも呼ぶ。
【0034】
図示する実施例では、ダクト16が全体として円形で、それが環状の内方に向いたダクト面20を形成する。このダクト面20は、空気を逆トルク装置14によってダクト16を通して引込む前縁22、および空気がこのダクト16を出る後縁24を含む。
【0035】
図1に示すように、逆トルク装置14は、ロータ26およびこのロータ26の下流のステータ28を含む。ロータ26は、ダクト16内に回転可能に取付けてあり、ハブ30およびこのハブ30の周りに分布した複数のブレード32を含む。ロータ26は、任意の適当数のブレード32、例えば、これらの図面に示すように9枚のブレード32を含んでもよい。ロータ26は、ダクト16の軸線と実質的に同軸の軸線周りに回転するように取付けてある。
【0036】
ステータ28は、ダクト16内に固定して取付けてあり、ハブ34およびこのハブ34とダクト面20の間に伸びる、このハブ34周りに分布した複数の固定羽根36を含む。ステータ28は、任意の適当数の羽根36、例えば、ロータブレード32の数に等しいまたは等しくない羽根を含んでもよい。
【0037】
図3ないし図6で分るように、ロータブレード32は、騒音を低減しながらバランスのとれたロータ26にするために隣接するロータブレード32間の角度を変えるように、ロータ26の回転軸33の周りに取付けてある。図3および図5は、変調度mが、以下に議論するように、m=1のロータ26を示し、図5は、各ロータブレード32間の最適角を度で示す。図7は、図3および図5の各ロータブレード32間の角度間隔の表を“m=1”と表示する列の下に提供する。図4および図6は、変調度mが、以下に議論するように、m=2のロータ126を示し、図4は、各ロータブレード32間の最適角を度で示す。図7は、図4および図6に示す各ロータブレード32間の角度間隔の表を“m=2”と表示する列の下に提供する。
【0038】
この変調したロータブレード間隔は、このロータの基本周波数の振幅およびその周波数の高調波を低減し、エネルギーを通常実質的に存在しない他の周波数へ移す。これらの発生した新しい音は、他の騒音源によって弱められる傾向にあり、出来た音を音色というよりは品質でより広帯域にする。更に、本出願のブレード間隔法は、変調度がブレード数に関してprimedでなく動的にバランスのとれたロータが生ずるようにできる。即ち、ブレード変調度およびブレード数は、これら二つの数が1以外に公約数がないようにできる。言換えれば、このブレード変調は、ブレード数に均等に分割する必要はない。低い変調度は、より不規則な、または広帯域の、音を生ずる。非素数変調度を使うことは、製造が困難なブレード間隔角に繋がることがあり、それで最適化手法を使ってブレード角を、このロータシステムのバランスを保ちながら製造できるものへ僅かに変える。それで、このブレード変調は、ロータの基本音の振幅を減らし、この音の広帯域不規則性を増し、一方同時にロータシステムの動的バランスを可能にする。
【0039】
本発明の実施例は、変調度mがブレード数と素数であるかどうかに関係なく、且つ変調度mがブレード数と素数であるときを含み、変調したロータブレードでバランスのとれたロータを達成する方法を含む。その上、本発明の方法は、低い変調度mがより不規則な、または広帯域の音を生ずることができるので、変調度m=1および変調度m=2のような、低い変調度を使用できるようにする。
【0040】
本発明の実施例のために、ロータブレード32の角度間隔を正弦法則を使うことによって決める:
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり;θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり;Δθiは最大変調振幅または最大ブレード角変化であり;およびmは変調度(1,2,3,…、但し、1=0から2πまでの変調の1サイクル、2=0から2πまでの変調の2サイクル等)である。その上、本実施例は、次の式を使う:
Δθi=Δφ/I
但し、Iはブレード数である。
【0041】
更に、Δθiおよび、従って、Δφは、本実施例で使う正弦法則で一定でない。本実施例で、開示した方法を、ロータのブレード数と素数である変調度mで変調したロータのバランスをとるために利用する。即ち、本発明の一実施例は、変調度m=1で9枚ロータブレードのバランスをとることを含む。本発明の他の実施例は、変調度m=2で9枚ロータブレードのバランスをとることを含む。
【0042】
バランスのとれたロータを作るために、m=1およびm=2の所望の変調度で奇数のブレードを有するロータ26および126の変調を達成するために、より多くの高調波(J2,J3,等)の振幅がより均一であり、且つほぼ完璧なバランスを達成するように、Δφを変える。それでこの正弦法則に反復最適化を使う。即ち、上にエワルド外の論文で確認したような正弦法則を、各高調波に対してΔθをΔθiで置換え且つsinθとcosθの和によって与えられるバランスの付加的制限を目的関数に加えるように修正する。ロータ26に対する変調度m=1を決めるためのこの目的的関数は、以下の和を最小にする:ブレード間の最小ブレード角を条件として(ブレード重み)×(ブレードバランス和)+(ベッセル重み)×(ベッセル値)。図示する実施例では、ブレード重みを任意に100に選び、ベッセル重みを任意に20に選んだ。この最小角は、任意に10に選んだが、後に30に、および更に29に変更した。Δφの正確な値は、エワルド外の論文に関して図8におよび以下で議論する本出願の更なる実施例に関して図10に全体的に示すようなベッセル関数のプロットからグラフで近似できる。Δφの値は、典型的に0から13まで変る。この最小化ルーチンに課される一つの制限は、ブレードが順序を切替えるようには変調されないことである。また、ロータ26の毎分回転数(RPM)を増すことがこのロータ26のバランスを改善した。最終結果として、本出願のこの方法論、即ち、正弦法則の修正は、変調度がブレード数と素数であるかどうかに関係なく実質的にバランスのとれたロータに繋がる。
【0043】
変調度m=2でロータ126の変調を達成するために、変調度m=1に対してロータ26の変調を決めるために使ったのと類似のプロセスを使うが、変調度m=2でロータ126を変調するためには、ベッセル関数の均一性を式で考慮に入れなかった。
【0044】
変調度m=1およびm=2の両方の場合に対して、エワルド外の論文または第5,566,907号特許で適用されているような正弦法則を使って完全にはバランスがとれなかった。製造誤差より完全な理論的バランスを達成するためには、変調角を更に変える必要がある。ハブ30を小数2桁以上の公差で製造することは好ましくなく、それでスプレッドシート数値ルーチン(米国特許第5,588,618号の第11欄で議論してあるようなバランス誤差マイナスサインとコサインの和を最小にするための目的関数と共に、任意の数値方法を使うことができる)では、バランスをとったロータが製造公差内にあるように、即ち、製造公差誤差が指定された小数2桁に対して理論的にバランスした誤差より大きいように、各反復を小数2桁に丸めた。
【0045】
それで、上に説明した方法論によって、図示する実施例では、9枚ブレードの変調したロータ26および126を変調度m=1および変調度m=2で本質的にバランスをとることができる。
【0046】
図示する実施例は、9枚ブレードのロータのバランシングを扱うが、任意の所望数のブレードを有するロータを、素数のロータを含み、本出願の方法論を使ってバランスをとることが出来ることを理解すべきである。例えば、7枚ブレードのまたは11枚ブレードのロータのバランスをとることが出来る。
【0047】
ロータ26用のブレード32の一つの好適変調間隔(m=1)を上に示したように決め、図3および図5に図示し、および図7に“m=1”の下の列に記載する。ロータ126用のブレード32の一つの好適変調間隔(m=2)を上に示したように決め、図4および図6に図示し、および図7に“m=2”の下の列に記載する。
【0048】
図9および図10も、この発明の一実施例に従ってロータのブレードの変調間隔を決めるための本出願に示すプロセスの一適用を例示する。図9および図10は、ここで説明した方法によって導出できる値だけを表すのではなく、如何に実際の数値を変調したブレード間隔を決めるためのここに説明したプロセスに適用できるかの一例を構成するに過ぎないことを理解すべきである。その上、定数の変化、重み係数の変動、および最適化を行う程度によって、本出願の方法論を使うことの結果がこの式および方法論に変形があるのと同じだけ異なる結果を生み出せることを理解すべきである。図9および図10では、データとグラフを使って9枚のブレードを有するロータ用のおよび変調度m=1の変調したブレード間隔を決める。上に示した方法論を使い、およびこの方法論を使って得た結果を図9および図10に記載する。図9および図10は、9枚ブレードのロータおよび変調度m=1のロータブレードの変調を決めるためのデータおよびプロセスを例示するが、図9および図10に詳述するプロセスは、上に議論したように、任意の所望数のロータブレードおよび任意の所望変調度にも同等に適用できる。また、図7の実施例に関して示す変調角度と図10に関して示す変調角度の比較から明らかなように、同じブレード数および同じ変調度のロータに対する異なる変調角がここに説明した式に使うために選択した種々の定数に依存する。これらの定数に異なる値を使うことによる結果をテストして最高の結果をもたらす結果の組を決めることができる。
【0049】
図9で、項目を次のように定義する:
“NO−B”は、ロータブレードの選択した数である。
“B−No”は、任意の位置から始るロータブレード番号である。
“Def−Angle”は、ブレード番号マイナス1掛ける360°割るブレード数、または(B−No−1)×360°/NO−Bで決る定義または基準角度である。
“m=1”は、選択した変調度であり、この場合m=1である。
“dTheta”は、デルタシータiまたはΔθiで、デルタファイ(Δφ)割るブレード数、またはdPhi(deg)/NO−Bで決る。
“Phi−mod”は、変調したファイまたはφmodで、基準角プラスデルタシータi掛ける(変調度掛ける基準角の)サイン、またはDef−Angle+dTheta×sin(m×Def−Angle)で、これは正弦法則である。
“Σsin=0?”は、各ブレードに対するファイ変調の各サインの和である。
“Σcos=0?”は、各ブレードに対するファイ変調の各コサインの和である。
“Σ∧2”は、各ファイ変調の二乗のサインの和と各ファイ変調の二乗のコサインの和の和、またはΣsin=0?2+Σcos=0?2である。
“Spacing”は、隣接するロータ間の度での角度間隔で、ブレード番号のファイ変調マイナス順番で次のブレードのファイ変調を引く引算、またはPhi−modi−Phi−modi+1によって決る。
“MinSp”は、選択した、理想的最小ブレード間隔である。
【0050】
図10では、項目を次のように定義する:
“BFNo”は、ベッセル関数高調波番号である。
“BesselJ”は、対応するベッセル関数番号に対するデルタファイ(ラジアン)の絶対ベッセル関数値である。
“dPhi(rad)”は、ラジアンでのデルタファイである。
“dPhi(deg)”は、目標バランス重みによって与えられるバランスを利用する反復最適化によって決る度でのデルタファイである。
“minOnTar”は、最適化の目標値についての最小化で、n番目のベッセル関数高調波に対するベッセル関数値マイナス0番目のベッセル関数高調波に対するベッセル関数値の絶対値、またはABS(BesselJn−BesselJ0)である。
“Target”は、目標バランス重みで、各ファイ変調の二乗のサインの和と各ファイ変調の二乗のコサインの和の和、またはΣ∧2掛けるブレード重み係数プラス絶対ベッセル関数値(minOnTar)プラスベッセル重み係数、または簡単に(Σ∧2×Bal_W)+(ΣminonTar+Bes_W)によって決る。
“Bal_W”は、選択したブレード重み係数である。
“Bes_W”は、選択したベッセル重み係数である。
【0051】
図9および図10は、変調度m=1に関するデータおよびプロセスを例示するが、類似の方法論を使って変調度m=2でロータブレードの変調角を決められることを理解すべきである。例えば、変調度m=2に対してロータブレードの変調角を決めるために、図9および図10について変調度m=1に対して上で使った方法論を使えるが、ベッセル関数の均一性を式で考慮に入れないように僅かに修正する。
【0052】
図10の線グラフは、ベッセル関数の相対均一性を示す。図10のプロットは、ブレード間隔を示す。即ち、このプロット上の各点は、ロータブレード位置を表し、このプロットは、全体として各ロータブレード間の角度間隔の視覚的検討を可能にする。
【0053】
図11は、ダクト216内に取付けたロータ226およびステータ228を示す。このロータは、ハブ230およびブレード232を含み、このステータは、ハブ234および羽根236を含む。図示するように、これらの羽根236は、ハブ234とダクト表面220の間に伸びる。しかし、図12に示すように、ステータ228は、羽根236を取付ける目的でダクト216内に取付けてある環状支持円板238を含んでもよい。それで、複数の羽根236がハブ234とこの支持円板238の間に伸びる。更に、もし支持円板238がダクト216内に設けてあるなら、支持円板238の環状の内方に向いた面が環状に内方に向いたダクト表面220を構成する。この支持円板238は、変調したステータ羽根236と非変調のステータ羽根の両方に使ってもよい。
【0054】
この発明のある実施例では、動作中のこの逆トルク装置の知覚する騒音を減らすためおよびこの逆トルク装置の性能を改善するために、ステータ228の羽根236を本発明の実施例に従ってハブ234周りに角度的に変調する。即ち、各羽根236間の分離角が一定ではなく、変動する。ロータブレード232がこのダクトの軸周りに回転し且つ各ステータ羽根236を通過するとき、任意の与えられた時間にロータブレード232の一部だけがステータ羽根236の一部を横切るようにステータ羽根236を変調する。即ち、全ロータブレード232が任意の与えられた時間に全ステータ羽根236には重なり合わない。その上、ロータブレード232とそれぞれのステータ羽根236の間の任意の与えられた時間の交点は、各々ロータハブ230の中心から異なる半径方向長さを有する。それで、これらのステータ羽根236の角度変調は、どの二つのロータブレード232も同じ時間にステータ羽根236の同じ部分を横切らないことを保証する。ロータブレード232が任意の与えられた時間にそれぞれのステータ羽根236を横切る点を変えることによって、この逆トルク装置の知覚騒音レベルを下げるように各交点で発生する騒音を多様化する。変調したステータ羽根236をどれか適当なダクト式逆トルク装置に組込んでもよい。
【0055】
図13ないし図14Aおよび図15ないし図21は、ブレード232と羽根236の間の相対関係を図解するためにロータブレード232とステータ羽根236の概略図を示す。図13ないし図14Aおよび図15ないし図21は、この尾部ファンのステータ側から見たブレード232と羽根236の概略図を示す。即ち、図13ないし図14Aおよび図15ないし図21は、ダクト216の下流側から上流を見て、または図11および図12でダクト216の断面で見るならば右から左を見て、ブレード232と羽根236を示す。図14Bは、この尾部ファンのロータ側からの羽根36の切離した図である。
【0056】
図13および図14Aは、この発明の実施例に従って変調したステータ羽根236を横切るロータブレード232を概略的に示す。特に、図13および図14Aは、変調したステータ羽根236の羽根中心線を横切るロータブレード232のブレード中心線を示す(図13は、ブレード中心線を実線でおよび羽根中心線を破線で示し、一方図14Aは、羽根中心線を実線でおよびブレード中心線を破線で示す)。図13に最もよく示すように、ロータ226は、8枚のブレード232を含み、従って8本のブレード中心線が逐次B1ないしB8と名付けてある。しかし、ロータ226は、任意の他の適当数のブレード232、例えば、9枚のブレードを含んでもよい。また、図示する実施例では、ブレード232がロータハブ230の周りに取付けてある。即ち、隣接するブレード中心線B1ないしB8間の交角が変動するか不均一である。しかし、ロータ226は、ハブ230の周りに非変調の(均等にまたは一様に分布した)ブレード232を含んでもよい。更に、図15に示すように、ロータブレード232は、放射状に伸びる。即ち、ブレード中心線の各々B1ないしB8が放射状で円形ハブ230の中心Cを通る。しかし、ロータ226は、放射状でないブレード232を含んでもよい。作動すると、ロータブレード232は、矢印Aの方向に時計方向に回転する(図13および図14Aで見て)。
【0057】
図14Aおよび図14Bに最もよく示すように、ステータ228は、8枚の羽根236を含み、従って8本の羽根中心線が逐次V1ないしV8と名付けてある。しかし、ステータ228は、任意の他の適当数の羽根236を含んでもよい。ロータ226を動かす駆動軸140がダクト表面220からハブ234まで羽根V1とV8の間を伸びる。この駆動軸140は、ロータ226と駆動するように係合し、それを動かす。図14Aの向きから見て、駆動軸140は、このヘリコプタの主部からハブ234の中心の方へ伸びてロータ226を駆動する。
【0058】
図14Aおよび図14Bに最もよく示すように、ステータ羽根236は、ハブ234周りに同じ方向に変調してある。特に、ステータ羽根236は、ロータブレード232に関して時計方向、ロータ226の回転方向Aに傾斜している。それで、羽根中心線V1ないしV8がブレード中心線B1ないしB8に対して傾斜し、全羽根中心線V1ないしV8は、任意の与えられた時間に全ブレード中心線B1ないしB8と重なり合うことはない。その上、隣接する羽根中心線V1ないしV8の間の変調角が変動するか不均一である。例えば、図16に示すように、V3とV4の間の角度θがV4とV5の間の角度βと異なる。
【0059】
更に、ステータ羽根236が非放射状である。図16に示すように、羽根中心線V1ないしV8の各々が円形ハブ234を通過するが、この円形ハブ234の中心Cは通らない。特に、各羽根中心線V1ないしV8は、円形ハブ234の軸である中心Cを有するそれぞれの円に接する。それで、ステータ羽根中心線V1ないしV8間の変調角は、これらのステータ羽根中心線V1ないしV8がロータブレード中心線B1ないしB8のするようにハブの中心Cの周りに放射状構成をとらないように連続的に変動する。
【0060】
これらの変調角は、ロータブレード232の分布の関数である、各羽根236の円周位置の関数である。即ち、各ステータ羽根236の向きは、ロータブレード232の分布に基づく。図示する実施例では、ステータ羽根236変調を決めるために、図17に示すようにブレード中心線B1ないしB8の各々に沿って1点を選ぶ。それで、8点を選び、逐次P1ないしP8と名付ける。これらの点P1ないしP8は、これらの点を結ぶ線が仮想螺旋Hを形成するように選んである。この構成は、8点P1ないしP8の各々がハブ230の中心から異なる半径方向長さを有するようにこれら8点P1ないしP8を配置する。例えば、P5は、P6より中心Cに近く、およびP6は、P7より中心Cに近い等。8点P1ないしP8の位置決めは、どんな適当な方法、例えば、数学的モデリング、実験等で決めてもよい。
【0061】
次に、図18に示すように、傾斜線がブレード中心線B1ないしB8上の各点P1ないしP8を貫通する。これらの線は、同じ方向、即ち、ロータ226の回転方向Aに傾斜している。これらの線は、羽根236の羽根中心線V1ないしV8を定義する。図示するように、羽根中心線V1ないしV8とそれぞれのブレード中心線B1ないしB8の間の交角αは等しい。図示する実施例では、この角αがほぼ17°である。しかし、この角度は、どんな適当且つ適切な大きさでもよく、この大きさは、どんな適当な方法、例えば、数学的モデリング、実験等で決めてもよい。
【0062】
それで、ロータ226が作動すると、ロータブレード232は、約17°の角度でそれぞれのステータ羽根236と交差するが、各ロータブレード232とそれぞれのステータ羽根236の間の交点は、ハブ230の中心Cから異なる半径方向長さにある。各ロータブレード232がそれぞれのステータブレード236を横切る方法を変えることによって、この横断から発生する音を多様化し、対称的でない。例えば、B1がV1を横切るとき発生する音は、B2がV2を横切るとき発生する音と異なり、B2がV2を横切るとき発生する音は、B3がV3を横切るとき発生する音と異なるだろう。これらの音の範囲が動作中に逆トルク装置14が発生する知覚騒音を低減する。
【0063】
上に説明したステータ228の構成は、ロータ226が作動するとき、このロータ226の回転によって生じる、ロータ226の回転方向と逆方向のトルクのために、ステータ羽根236の各々を引張り状態に置く。環状支持円板238を使い実施例では、羽根236のこの引張りが支持円板238を収縮させ、それがこの支持円板238とダクト216を形成するシュラウドの内面との間に無視できる隙間を作るかも知れない。しかし、羽根236を支持円板238の収縮が起らないか、起っても無視できるように、羽根236の引張りが無視できるほどに設計することが好ましい。
【0064】
図19は、図13ないし図18に関して議論した要素のあり得る寸法を示す。図19の寸法は、図示した種々の要素の寸法および比率の一例に過ぎないことを理解すべきである。
【0065】
図20および図21は、変調したステータ羽根336と共にステータ328のもう一つに実施例を概略的に示す。この実施例では、駆動軸340近くの羽根336の一つ(各羽根336およびブレードは中心線によって表してある)、例えば、V8が残りの羽根V1ないしV7に関して反対に傾斜している。特に、V8は、ロータブレードB1ないしB8に関してロータ326の回転Aと反対方向に傾斜している。
【0066】
ステータ328のこの構成は、ロータ326が作動するとき、羽根の一つV8を圧縮状態に置き、残りの羽根V1ないしV7を引張り状態に置く。更に、この構成は、駆動軸340に最も近い2枚の羽根V1およびV8を高応力領域に近く取付けられるようにし、それがより良い応力流れに繋がり、重量を減らし、構造保全性を改善する。その上、2枚以上の羽根V1ないしV8を反対に傾斜してもよい。
【0067】
図示するステータ228、328は、例示に過ぎず、ステータ228、328は、ヘリコプタのダクト式逆トルク装置の知覚音を減らすためおよび構造的保全性を改善するために、何か適当な方法で変調したステータ羽根236、336を含んでもよい。更に、上に説明したステータ羽根変調の決定は、例示に過ぎず、このステータ羽根変調は、何か他の適当な方法で決めてもよいことを理解すべきである。
【0068】
変調したステータ羽根を、変調羽根を持つおよび非変調羽根を持つロータを含む何か適当なロータと共に利用してもよい。非変調羽根を持つロータとは、隣接するロータブレード間の角度間隔が一定であるロータを指す。即ち、ロータブレードの全ての対の間の角度が同じであるように、ロータブレードがハブ周りに均等に離間している。例えば、図22は、ロータ426のブレード432が非変調であり、ステータ428の羽根436が図14同様に変調してあり且つ上に同様に図14に関して議論した羽根と実質的に同じである。図23は、ロータ526のブレード532が非変調であり、ステータ528の羽根536が図21同様に変調してあり且つ上に同様に図21に関して議論した羽根と実質的に同じである。
【0069】
また、ある実施例では、隣接するロータブレード間の角度の一つが隣接するステータ羽根間の角度の一つと等しくてもよい。一例で、非変調ロータの隣接するロータブレード間の角度の一つが変調したステータの隣接するステータ羽根間の角度の一つと等しくてもよい。もう一つの例では、変調したロータの隣接するロータブレード間の角度の一つが変調したステータの隣接するステータ羽根間の角度の一つと等しくてもよい。
【0070】
図24および図25は、それぞれ平面形が実質的に非長方形型のロータブレード32、232を有するロータ26、226の二つの実施例を示す。例えば、各ロータブレードは、平面形が三日月刀形でもよく(図24のロータブレード32参照)、または各ロータブレードは、平面形がテーパ型でもよい(図25のロータブレード232参照)。ブレード32、232は、何か適当な材料で作ってもよく、および何か適当な方法で作ってもよい。
【0071】
図24、図26、および図27に示すように、三日月刀型平面形のブレード32は、刃が湾曲したサーベルのように作る。特に、この三日月刀型平面形のブレード32は、ロータ26の回転方向に向く前縁40、および後縁42を有する。図示するように、前縁40は、全体として凸形であり、後縁42は、僅かに凹形である。しかし、後縁42は、ブレード32の縦に伸びる中心線と全体的に平行でもよく、または何か他の適当な形状でもよい。
【0072】
また、図24に最もよく示すように、ブレード32の、ハブ30に隣接する、近位縁44、およびブレード32の遠位縁46は、共に全体としてブレード中心線に垂直である。しかし、これらの縁44、46は、何か他の適当な形状、例えば、傾斜、湾曲形状でもよい。
【0073】
この様に、ブレード32の縁40、42、44、46は、協同して実質的に非長方形の平面形を作る。使用中、この形状は、性能を維持しながらマッハ圧縮効果および知覚騒音を減らすのを助ける。特に、この実質的に非長方形の平面形のブレード32は、動作中任意の与えられた時間に1本のブレード32が1本のステータ羽根36と交差するのを防ぐ。
【0074】
図26に示すように、この三日月刀平面形型ブレード32の断面形状は、その長さに沿って変る。図26は、このブレードの端から端まで、ハッチングをつけて、種々の断面形状を示し、このブレードの適当なステーションを(インチで)指示する。(種々のブレード断面のクロスハッチングは、各断面の端から端まで広がるが、それは必ずしも各断面が中実であることを意味しない。即ち、種々の断面は、互いに異なる構成を有してもよく、およびこれらの構成は、中実、中空、多層等でもよい。このクロスハッチングは、例示目的に過ぎない。)また、ブレード32は、捻れ構成である。
【0075】
図27ないし図31は、三日月刀平面形型ブレード32の特定の幾何学的形状を定義するグラフである。また、図32は、図27ないし図31に関して議論した要素のあり得る寸法を示す表である。図27ないし図32に示す寸法および幾何学的比率は、図示する種々の要素の寸法および比率の一例に過ぎないことを理解すべきである。
【0076】
図27ないし図32は、三日月刀平面形型ブレード32の10ステーション(断面)、即ち、ST9.000,11.000,12.000,13.475,15.000,16.000,17.210,18.000,19.000および20.000を示す。図示する実施例で、ブレードのスラスト特性値は、2.75″(69.85mm)および後縁厚さは、0.035″(0.889mm)である。しかし、このブレード32は、特性値および後縁厚さが何か他の適当なものでもよい。
【0077】
図27は、インチでの翼弦長対ブレード・ステーションをプロットすることによって図示する実施例の寸法を示す。
【0078】
図28に各ブレード・ステーションでの捻れ程度のグラフとして示すように、所望の翼弦平面捻れ(度)をステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として次のように定義する:
捻れ(度)=−0.000447903*ST4+0.0278569*ST3−0.514872*ST2+2.10206*ST+5.41711
【0079】
図29に各ステーションでのインチの翼弦長のグラフとして示すように、この翼弦長(インチ(=25.4mm))をステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として次のように定義する:
弦(インチ(=25.4mm))=−0.02197*ST2+0.592025*ST−0.8989
【0080】
図30に各ステーションでのインチの四分の一弦シフトのグラフとして示すように、スイープを決める四分の一弦オフセット(インチ(=25.4mm))をステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として次のように定義する:
Δc/4=0.02883*ST2−0.7832*ST+4.714−0.41
【0081】
ここで“c/4”は、四分の一弦、または翼弦長の四分の一を表し、および、Δc/4またはデルタ四分の一弦は、四分の一弦の変化またはシフトを表し、およびSTは、インチ(=25.4mm)でのステーション位置を表す。
【0082】
図示するように、ブレード32の捻れは、ステーション9から17.210へ増加し、次にこの捻れは、ステーション17.210から20へ僅かに増加する。また、翼弦長は、ステーション9から13.475へ増加し、および次にステーション13.475から20へ鋭く低減する。この翼弦長の変動は、ブレード32にその三日月刀型平面形を与える。図30および図31もステーション13.475周りの四分の一弦シフトおよび四分の一弦スイープ角の変動を示す。図31は、各ブレード・ステーションでの度の四分の一弦スイープ角のグラフを示す。
【0083】
図25および図33は、テーパ型平面形を有するテーパ型ロータブレード232を示す。特に、各ブレード232の後縁240がこのブレード232の縦に伸びる中心線の方へ傾斜している。図33に示すように、この後縁240は、中心線232と実質的に平行な線235に対して角度Aだけ傾斜している。しかし、この前縁および後縁は、他の適当な形状を有し、例えば、傾斜した後縁240と共に中心線232に対して傾斜した前縁242または傾斜した後縁240がなくそれだけでもよい。
【0084】
また、ブレード232の近位縁244およびブレード232の縁位縁246が共に全体としてブレード中心線に垂直である。しかし、これらの縁244、246は、何か他の適当な形状、例えば、傾斜した形状でもよい。
【0085】
この様に、ブレード232の縁240、242、244、246は、協同して実質的に非長方形の平面形を作る。ロータ226が作動するとき、ブレード232がそれぞれのステータ羽根36と斜面で交差する。各ロータ・ブレード232がそれぞれのステータブレード36と交差する方法を変えることによって、この逆トルク装置が作動中に発生する知覚騒音が減る。
【0086】
ステータ羽根36が実質的に非長方形の平面形、例えば、三日月刀、テーパ状を有してもよいことをもくろむ。そのような構成では、このロータのロータブレードが長方形の平面形を有してもよい。使用中、これらのブレードおよび羽根が互いに斜面で交差して騒音低減の利益をもたらす。
【0087】
図示するロータ26、266は、例示に過ぎず、ロータ26、266は、ヘリコプタの逆トルク装置の知覚騒音を減らし且つ逆トルク装置の空力性能を改善するように、何か他の適当な実質的に非長方形の平面形のロータブレード32、232を含んでもよいことを理解すべきである。
【0088】
図24および図25は、ロータブレード32、232およびステータ羽根36、236の概略図を示し、ブレード32、232と羽根36、236の間の相対関係を図解する。図24および図25は、尾部ファン12(図1に示す)のステータ側から見たブレード32、232および羽根36、236の図を示す。即ち、図24および図25は、ダクト16、216の下流側から上流を見て、または図12でダクト216の断面で見るならば右から左を見て、ブレード32、232および羽根36、236を示す。図26は、この尾部ファンのロータ側からの羽根36、236の切離した図である。
【0089】
図34は、この発明の実施例に従って変調したステータ羽根36を横切るロータブレード32を概略的に示す。特に、図34は、変調したステータ羽根36の羽根中心線を横切るロータブレード32のブレード中心線を示す(図34および図35は、ブレード中心線を実線でおよび羽根中心線を破線で示す)。ロータ26は、8枚のブレード32を含み、従って8本のブレード中心線が逐次B1ないしB8と名付けてある。ロータ26は、任意の他の適当数のブレード32、例えば、9枚のブレードを含んでもよい。また、図示する実施例では、ブレード32がロータハブ30の周りに取付けてある。即ち、隣接するブレード中心線B1ないしB8間の交角が変動するか不均一である。各ブレード中心線間の角度が変動するので、ロータブレード32は、角度的に変調される。しかし、ロータ26は、ハブ30の周りに均等にまたは一様に分布したブレード32を含んでもよい。更に、図14に示すように、ロータブレード32は、ハブ30の中心Cから放射状に伸びる。即ち、ブレード中心線の各々B1ないしB8が放射状で円形ハブ30の中心Cを通る。しかし、ロータ26は、放射状でないブレード32を含んでもよい。作動すると、ロータブレード32は、矢印Aの方向に時計方向に回転する(図34で見て)。
【0090】
図34および図36に示すように、ステータ28は、8枚の羽根36を含み、従って8本の羽根中心線が逐次V1mないしV8mと名付けてある。(この添字“m”は、羽根が角度変調してあることを示す。)しかし、ステータ28は、任意の他の適当数の羽根36を含んでもよい。ロータ26を動かす駆動軸40がダクト表面20からハブ34まで羽根V1mとV8mの間を伸びる。この駆動軸40は、ロータ26と駆動するように係合し、それを動かす。これらの図の向きから見て、駆動軸40は、このヘリコプタの主部からハブ34の中心の方へ伸びてロータ26を駆動する。
【0091】
図34および図36に示すように、ステータ羽根36は、ハブ34周りに同じ方向に変調してある。特に、ステータ羽根36は、ロータブレード32に関して時計方向、ロータ26の回転方向Aに傾斜している。それで、羽根中心線V1mないしV8mがブレード中心線B1ないしB8に対して傾斜し、全羽根中心線V1mないしV8mは、任意の与えられた時間に全ブレード中心線B1ないしB8と重なり合うことはない。その上、隣接する羽根中心線V1mないしV8mの間の変調角が変動するか不均一である。
【0092】
更に、ステータ羽根36が非放射状である。図34に示すように、羽根中心線V1mないしV8mの各々が円形ハブ34を通過するが、この円形ハブ34の中心Cは通らない。特に、各羽根中心線V1mないしV8mは、円形ハブ34の軸である中心Cを有するそれぞれの円に接する。それで、ステータ羽根中心線V1mないしV8m間の変調角は、これらのステータ羽根中心線V1mないしV8mがロータブレード中心線B1ないしB8をなすようにハブの中心Cの周りに放射状構成をとらないように連続的に変動する。
【0093】
これらの変調角は、ロータブレード32の分布の関数である、各羽根36の円周位置の関数である。即ち、各ステータ羽根36の向きは、ロータブレード32の分布に基づく。図示する実施例では、ステータ羽根36変調を決めるために、ブレード中心線B1ないしB8の各々に沿って1点を選ぶ。それで、8点を選ぶ。これらの点は、これらの点を結ぶ線が仮想螺旋を形成するように選んである。この構成は、8点の各々がハブ30の中心Cから異なる半径方向長さを有するようにこれら8点を配置する。これら8点の位置決めは、どんな適当な方法、例えば、数学的モデリング、実験等で決めてもよい。
【0094】
次に、傾斜線がブレード中心線B1ないしB8上のこれらの点の各々を貫通する。これらの線は、同じ方向、即ち、ロータ26の回転方向Aに傾斜している。これらの線は、羽根36の羽根中心線V1mないしV8mを定義する。羽根中心線V1mないしV8mとそれぞれのブレード中心線B1ないしB8の間の交角は等しい。図示する実施例では、この角がほぼ17°である。しかし、この角度は、どんな適当且つ適切な大きさでもよく、この大きさは、どんな適当な方法、例えば、数学的モデリング、実験等で決めてもよい。
【0095】
それで、ロータ26が作動すると、ロータブレード32は、約17°の角度でそれぞれのステータ羽根36と交差するが、各ロータブレード32とそれぞれのステータ羽根36の間の交点は、ハブ30の中心Cから異なる半径方向長さにある。各ロータブレード32がそれぞれのステータブレード36を横切る方法を変えることによって、この横断から発生する音を多様化し、対称的でない。例えば、B1がV1mを横切るとき発生する音は、B2がV2mを横切るとき発生する音と異なり、B2がV2mを横切るとき発生する音は、B3がV3mを横切るとき発生する音と異なるだろう。これらの音の範囲が動作中に逆トルク装置14が発生する知覚騒音を低減する。ブレード32のこの変調は、実質的に長方形および実質的に非長方形を含み、テーパ状平面形および三日月刀平面形を含む、どんな形の平面形のブレードででも達成できる。
【0096】
しかし、この発明の説明した実施例によるブレード平面形の形状は、実質的に非長方形であるので、変調したステータ羽根36を使って上に説明したのと同じ利点を放射状のステータ36で達成できる。即ち、図34のステータは、中心点Cから伸びないが、図35のステータは、中心点Cから伸び且つ放射状ステータである。図35のステータ36は、ブレード32の非長方形の性質が上に略述したのと同じ利益を達成するので、放射状であり得る。即ち、非長方形ステータブレード32を設計し、どのブレード32も他のブレード32と同じ点で羽根36を横切らず且つどのブレード32も羽根36に対するブレード32の形状が異なるために全ステータ羽根36と決して重なり合わないように変調する。羽根36は、図35でV1RないしV8Rと名付けてある(この添字“R”は、羽根が放射状であると認定する)。これらの実質的に非長方形のブレードは、三日月刀平面形およびテーパ状平面形を含む、種々の平面形の形状でもよい。また、上に確認した利点は、更に、実質的に非長方形ブレード平面形を使いおよび羽根が放射状か非放射状である場合に間隔が一定の非変調ステータ羽根を使うことによって達成してもよい。
【0097】
この発明の一実施例では、逆トルク装置14、214の作動中に発生する騒音を減らすために、本発明の一実施例に従って構成した騒音低減構造体440をダクト16、216に組込む。この騒音低減構造体440は、この逆トルク装置14、214の全体の騒音レベルを下げるように、この逆トルク装置14、214が発生する騒音を弱め、吸収し、または変えるように構成してある。この騒音低減構造体440は、何れかの適当なダクト式逆トルク装置に組込んでもよい。
【0098】
図37ないし図43は、騒音低減構造体440の種々の実施例を示す。例えば、この騒音低減構造体440は、ダクト216(図37、図40、図42、および図43)を囲むシュラウド218に組込んだ複数の騒音低減共鳴器でもよく、またはこの騒音低減構造体440は、ダクト表面220(図38、図39、および図41)に取付けた材料の騒音低減層444でもよい。一般的に、この騒音低減構造体440は、この逆トルク装置214の作動によって発生した騒音を低減する表面をダクト216内に創る。
【0099】
図示し且つこの出願のためのダクト216は、五つの領域、即ち、ロータ226の平面内を伸びるロータ領域446、ステータ228の平面内を伸びるステータ領域448、ロータ領域446に先立つ前縁領域450、ステータ領域448に続く後縁領域452、およびロータ領域446とステータ領域448の間に伸びる中間領域454に分割できる(図40および図41参照)。図37ないし図41の図示する実施例では、騒音低減構造体440がダクト216内の少なくともロータ領域446に位置する。即ち、騒音低減構造体440が、以下に詳しく説明するように、ロータ226の平面内に位置する。これらの図で、ロータ226の平面は、線227によって示してある。しかし、この騒音低減構造体440は、どれか他の領域、例えば、中間領域454、ステータ領域448等にも、ロータ領域446に配置してあるのと組合わせるか、またはロータ領域446にあるのと組合わせるか若しくは組合わせずに、あってもよいことを理解すべきである。
【0100】
図37、図40、図42、図43および図46は、複数の共鳴器442の形の騒音低減構造体440を示す。図42に示すように、各共鳴器442、例えば、ヘルムホルツ共鳴器は、空洞456およびこの空洞456に入る入口開口部458を有してもよい。例えば、図43は、空洞656およびこの空洞656に入る1対の入口開口部658を含む共鳴器642を示す。
【0101】
図37に最もよく示すように、複数の共鳴器442の各々は、各共鳴器442の空洞456がシュラウド218内に位置しおよび各共鳴器442の一つ以上の入口開口部458がダクト表面220(シュラウド218の壁かステータ支持円板238によって構成する)に通じるように、ダクト216を囲むシュラウド218に組込んである。それで、入口開口部458は、ダクト216の内面を形成するシュラウド218の表面と面一である。使用中、この逆トルク装置214からの騒音がそれぞれの入口開口部458を通って各共鳴器442の空洞456に入り、この空洞456がこの騒音を弱めてその大きさを減らす。この様に、複数の共鳴器442が協同してこの逆トルク装置214の全体の騒音レベルを抑制する。
【0102】
先行技術の組込み共鳴器の例がリーカおよびノイベルトによる“統合ヘルムホルツ共鳴器を使うフェネストロンの騒音低減”に開示してあり、1998年9月15−17日にフランス、マルセイユでの第24回ヨーロッパ回転翼機フォーラムで発表され(参考資料AC10、pp1−12)、それを参考までにここに援用する。
【0103】
図37および図40に示すように、複数の共鳴器442が、一つ以上の開口部458がダクト216のロータ領域446に配置してあるように、シュラウド218内に配置してある。即ち、複数の共鳴器442の一つ以上の入口開口部458がロータ226の回転の平面227内に配置してある。図示するように、複数の共鳴器442の入口開口部458がシュラウド218周りにリング状構成で離間した関係に伸びる。これらの入口開口部458は、ロータハブ230の少なくとも一部およびロータブレード232を通過する横平面もこれらの入口開口部458を通過するように配置してある。しかし、複数の共鳴器442の一つ以上の入口開口部458がどれか他のダクト領域、例えば、中間領域454、ステータ領域448等内にも配置してあってよいことを理解すべきである。
【0104】
図38、図39、図41、図44および図45は、ダクト表面220(シュラウド218の壁かステータ支持円板238によって構成する)に取付けた材料の騒音低減層444の形の騒音低減構造体440を示す。この材料の層444は、ダクト表面220に取付けた一つ以上のパネルでもよく、またはダクト表面220に付けた被膜でもよい。この材料の層444は、ダクト表面220に何か適当な方法、例えば、半田付け、接着、ファスナ等で取付けてもよい。使用中、この材料の層444は、逆トルク装置214の作動によって発生する騒音を吸収または変更する表面をダクト216内に創る。
【0105】
例えば、この材料の騒音低減層444は、逆トルク装置214の作動から発生した音を吸収するような構造の多孔性金属材料で構成してもよい。一実施例で、この多孔性金属材料は、Feltmetal(登録商標)で、それは焼結金属繊維で作った、巧みに処理した多孔性材料である。このFeltmetal(登録商標)の特性、例えば、繊維サイズ、多孔度、厚さは、所望の音吸収特性に制御するために修正してもよい。しかし、音の吸収を容易にする、何か他の適当な材料を利用してもよい。
【0106】
また、この材料の騒音低減層444は、逆トルク装置414の作動から発生した音を変更または抑制するような構造の摩削性材料で構成してもよい。何か適当な摩削性材料を利用し、この摩削性材料を所望の音変更特性に基づいて選んでもよい。
【0107】
図41に示すように、この材料の騒音低減層444を、それをダクト216のロータ領域446に配置するように、ダクト表面220に取付ける。即ち、この材料の騒音低減層444がロータ226の回転の平面227内に配置してある。
【0108】
例えば、図38は、この材料の層444がロータ領域446を含むダクト表面220全体を覆うようにこのダクト表面220に取付けた材料の層444を示す。しかし、この材料の層444は、ロータ領域446を含むダクト表面220の一部しか覆わなくてもよい。図39は、この材料の層444がリング状構成に伸びてダクト216のロータ領域446を覆うようにダクト表面220に取付けた材料の層444を示す。それで、この材料の層444は、このロータハブの少なくとも一部およびロータブレードを通過する横平面もこの材料の層444を通過するように配置してある。図示するように、この材料のリング状層444の前縁および後縁は、この材料の層444がダクト216の空力学を殆ど妨害しないように、テーパが付いている。しかし、この材料の層444は、他のダクト領域のどれか、例えば、中間領域454、ステータ領域448等内に配置してあってもよいことを理解すべきである。
【0109】
図44で分るように、この材料の層444は、例えば、ロータ平面の前の、前縁にだけ使うことができる。図45で分るように、この材料の層444は、例えば、ステータ214の領域にだけ使うことができる。この様に、本出願で開示した騒音低減材料は、共鳴器、音響材料および摩削性材料の使用を含み、ロータ226の平面にだけ、またはロータ226の平面を含む領域にだけ使うことに限定されない。図44および図45に示すように、この騒音低減材料、特に材料の層444は、全体として図44に示すように後縁にまたはステータの領域におよび図44に示すように前縁の領域のように、ロータ226の平面を離れた領域に使うことができる。
【0110】
図46で分るように、共鳴器442は、ロータ226の平面227に使えるだけでなく、ダクト218の長さに沿う種々の位置で使える。図46で分るように、共鳴器442は、ダクト218の実質的に全長に沿っておよび実質的にこのダクトの内面の周囲に配置してある。しかし、これらの共鳴器は、騒音低減を最適化するためにダクトに沿った種々の位置に選択的に配置できることを理解すべきである。
【0111】
図示する騒音低減構造体440は、例示に過ぎず、およびヘリコプタのダクト式逆トルク装置214によって発生した騒音を低減するために、ダクト表面220を何か適当な方法で音響的に処理してもよいことを理解すべきである。更に、図示する騒音低減構造体440は、全体の騒音を低減するために互いに組合わせてもよい。例えば、逆トルク装置214の全体的騒音を低減するために、材料の騒音低減層444を複数の共鳴器442と共に利用してもよい。
【0112】
騒音低減するための別個の方法および装置としてここに種々の実施例を開示したが、これらの種々の実施例の任意の組合わせも同様に使ってよいことも理解すべきである。例えば、それぞれ、図37および図39に示すように、ロータ平面に共鳴器または音響材料を使うことを、図44に示すようなステータ領域の音響または摩削性材料および/または図45に示すような前縁領域の音響または摩削性材料と一緒に使うことができる。
【0113】
前記の特定の実施例は、本発明の構造的および機能的原理を図解するために提示し、限定されることを意図しない。反対に、本発明は、全ての修正、変更、および置換を添付の請求項の精神および範囲内に包含する意図である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】ヘリコプタの尾部にある逆トルク装置の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す尾部ファンのロータ組立体である。
【図3】変調度が1に等しい、この発明に実施例による、図1に示すものに類似するロータ組立体である。
【図4】変調度が2に等しい、この発明に実施例による、図1に示すものに類似するロータ組立体である。
【図5】図3に類似するロータ組立体の実例で、ロータブレード間の分離角を示す。
【図6】図4に類似するロータ組立体の実例で、ロータブレード間の分離角を示す。
【図7】図5および図6に示すロータ組立体構成の各ブレードの角度構成を含む表である。
【図8】(a)はエワルド外の論文からの図2aを示し、それはベッセル係数対最大位相偏差を示し、(b)はエワルド外の論文からの図2bを示し、それは位相変調ファンのための周波数スペクトルを示す。
【図9】この発明のもう一つの実施例による9枚ブレードのロータ用にロータブレードのための変調間隔を決める際の値を示す。
【図10】図9の実施例に対応し、9枚ブレードのロータ用にロータブレードのための変調間隔を決める際の正弦法則の反復最適化の結果を示す。
【図11】図1に示す逆トルク装置のロータとステータの実施例を示す断面図である。
【図12】図1に示す逆トルク装置のロータとステータのもう一つの実施例を示す断面図である。
【図13】破線で示すステータの羽根の羽根中心線を横切るロータのブレードのブレード中心線を実線で示す、概略、上流側面図であり、このステータの羽根はこの発明の実施例に従って変調してある。
【図14A】ステータの羽根の羽根中心線を実線でおよびロータのブレードのブレード中心線を破線で示す、図13に類似する概略側面図である。
【図14B】ヘリコプタの尾部のロータ側から見た、図13に示すステータの側面図である。
【図15】ロータハブの中心で互いに交差する、図13に示すロータのブレードのブレード中心線を示す概略側面図である。
【図16】ステータハブを通過するがステータの中心は通らない、図14に示すステータの羽根の中心線を示す概略側面図である。
【図17】図13に示すロータのブレードのブレード中心線および各ブレードと交差する仮想螺旋を示す概略側面図である。
【図18】図13に示すロータのブレードのブレード中心線、および図17に示す螺旋が各ブレードと交差する各点を通過する傾斜線を示す概略側面図である。
【図19】実施例の寸法による、図13に類似する概略側面図である。
【図20】破線で示すステータの羽根の羽根中心線を横切るロータのブレードのブレード中心線を実線で示す、概略側面図であり、このステータの羽根はこの発明のもう一つ実施例に従って変調してある。
【図21】ステータの羽根の羽根中心線を実線でおよびロータのブレードのブレード中心線を破線で示す、図20に類似する概略側面図である。
【図22】実線で示すステータの羽根の羽根中心線を横切るロータのブレードのブレード中心線を破線で示す、概略側面図であり、このロータのブレードは変調してなく、このステータの羽根は図14同様に変調してある。
【図23】実線で示すステータの羽根の羽根中心線を横切るロータのブレードのブレード中心線を破線で示す、概略側面図であり、このロータのブレードは変調してなく、このステータの羽根は図21同様に変調してある。
【図24】ロータおよびそのロータブレードを示す切離した透視図で、これらのロータブレードは、この発明の実施例に従って構成してある。
【図25】ロータおよびそのロータブレードを示す切離した透視図で、これらのロータブレードは、この発明のもう一つ実施例に従って構成してある。
【図26】図24に示すロータのロータブレードの部分図で、このロータブレードの異なるステーションを通る種々の断面が採ってある。
【図27】図26に示すロータブレードの平面図である。
【図28】図26に示すロータブレードの捻れ分布を示すグラフである。
【図29】図26に示すロータブレードの翼弦分布を示すグラフである。
【図30】図26に示すロータブレードの四分の一弦シフト分布を示すグラフである。
【図31】図26に示すロータブレードの四分の一弦スイープ角分布を示すグラフである。
【図32】図26に示すロータブレードの実施例の寸法表である。
【図33】テーパ状ブレードの平面形の一実施例を示す。
【図34】本発明のもう一つの実施例によるロータブレードとステータ羽根の相対位置決めを示す概略図で、変調したロータブレードと変調したステータ羽根を示す。
【図35】本発明のもう一つの実施例によるロータブレードとステータ羽根の相対位置決めを示す概略図で、変調してないロータブレードと変調したステータ羽根を示す。
【図36】図34に示す変調したステータ羽根の、ヘリコプタの尾部ロータ側からの側面図である。
【図37】図1に示す逆トルク装置に組込んだ騒音低減構造体を示す部分断面図で、この騒音低減構造体は、この発明の実施例に従って構成してある。
【図38】図1に示す逆トルク装置に組込んだ騒音低減構造体のもう一つの実施例を示す部分断面図である。
【図39】図1に示す逆トルク装置に組込んだ騒音低減構造体のもう一つの実施例を示す部分断面図である。
【図40】図1に示す逆トルク装置に組込んだ、図37に示す騒音低減構造体を示す平面図である。
【図41】図1に示す逆トルク装置に組込んだ、図38に示す騒音低減構造体を示す平面図である。
【図42】図37に示す騒音低減構造体の実施例を示す、切離した透視図である。
【図43】図37に示す騒音低減構造体のもう一つの実施例を示す、切離した透視図である。
【図44】本発明によるダクトのもう一つの実施例を示し、このダクトのステータの部分が音響処理を含む。
【図45】本発明によるダクトのもう一つの実施例を示し、このダクトの前縁の部分が音響処理を含む。
【図46】本発明によるダクトのもう一つの実施例を示し、共鳴器がこのロータの回転の平面におよびこのロータの端から端まで他の位置に配置してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
横ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、該逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ロータが、
ロータ軸を有するロータハブ、および
前記ハブから伸びるロータブレードを含み、該ロータブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、
θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ロータブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、Δθiは前記ロータ全体に対して一定ではなく、ここでできたロータは実質的にバランスがとれていて、
前記ステータが、
ステータハブ、および
該ステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、
但し、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ステータハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項2】
請求項1に記載のダクト式ファンであって、更に、環状支持円板を含み、前記ステータ羽根が前記ステータハブと前記支持円板の間に取付けてあるファン。
【請求項3】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の各々が引張り状態にあるように構成してあるファン。
【請求項4】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根が前記ステータハブの中心点に関して非放射状であるファン。
【請求項5】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記羽根が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるファン。
【請求項6】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きに傾斜するように第1方向に変調してあり、および前記ステータ羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるファン。
【請求項7】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの数が前記ステータ羽根と等しいファン。
【請求項8】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの各々が前記ダクトの縦軸に沿って見たときにある交点でそれぞれのステータ羽根と交差し、前記それぞれのロータブレードとステータ羽根の各々に対する前記交点の各々が前記ステータハブの中心から異なる半径方向長さを有するファン。
【請求項9】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記交点が協同して螺旋を形成するファン。
【請求項10】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の前記変調は、前記ロータブレードの各々が、前記ダクトの縦軸に沿って見たとき、前記ハブの中心点から異なる半径方向距離でそれぞれのステータ羽根と交差するように前記ロータブレードの分布に対して構成および配置してあるファン。
【請求項11】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびI=9であるファン。
【請求項12】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIが素数であるファン。
【請求項13】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIが7または11に等しいファン。
【請求項14】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記変調度m=1であるファン。
【請求項15】
請求項11に記載のダクト式ファンに於いて、前記変調度m=1であるファン。
【請求項16】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記変調度m=2であるファン。
【請求項17】
請求項11に記載のダクト式ファンに於いて、前記変調度m=2であるファン。
【請求項18】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
横ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、該逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ロータが、
ロータ軸を有するロータハブ、および
前記ハブから伸びるロータブレードを含み、前記ロータブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、
θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ロータブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり且つΔφ/Iに等しく、但し、Δφは位相変調振幅であり且つIはブレード数であり、並びにmはこのブレード数の素数に等しくない変調度であり、
前記ステータが、
ステータハブ、および
前記ステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、
但し、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ステータハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項19】
請求項18に記載のロータに於いて、前記ロータのブレード数が9であるロータ。
【請求項20】
請求項18に記載のロータに於いて、前記ロータのブレード数が7または11に等しいロータ。
【請求項21】
請求項18に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項22】
請求項19に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項23】
請求項18に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項24】
請求項19に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項25】
請求項18に記載のダクト式ファンであって、更に、環状支持円板を含み、前記ステータ羽根が前記ステータハブと前記支持円板の間に取付けてあるファン。
【請求項26】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の各々が引張り状態にあるように構成してあるファン。
【請求項27】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根が前記ステータハブの中心点に関して非放射状であるファン。
【請求項28】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記羽根が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるファン。
【請求項29】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きに傾斜するように第1方向に変調してあり、そして、前記ステータ羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるファン。
【請求項30】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの数が前記ステータ羽根と等しいファン。
【請求項31】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの各々が前記ダクトの縦軸に沿って見たときにある交点でそれぞれのステータ羽根と交差し、前記それぞれのロータブレードとステータ羽根の各々に対する前記交点の各々が前記ステータハブの中心から異なる半径方向長さを有するファン。
【請求項32】
請求項31に記載のダクト式ファンに於いて、前記交点が協同して螺旋を形成するファン。
【請求項33】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の上記変調は、前記ロータブレードの各々が、前記ダクトの縦軸に沿って見たとき、前記ハブの中心点から異なる半径方向距離でそれぞれのステータ羽根と交差するように前記ロータブレードの分布に対して構成および配置してあるファン。
【請求項34】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
横ダクト、および
上記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ロータが、
ロータ軸を有するロータハブ、および
前記ハブから伸びるロータブレードを含み、前記ロータブレードは、隣接するブレード間の角度間隔が前記隣接するブレードの全ての対に対して一定であるように前記ロータ軸の周りに変調されない角度分布を有し、そして
前記ステータが、
ステータハブ、および
前記ステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、
但し、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ステータハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項35】
請求項34に記載のダクト式ファンであって、更に、環状支持円板を含み、前記ステータ羽根が前記ステータハブと前記支持円板の間に取付けてあるファン。
【請求項36】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の各々が引張り状態にあるように構成してあるファン。
【請求項37】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根が前記ステータハブの中心点に関して非放射状であるファン。
【請求項38】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記羽根が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるファン。
【請求項39】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きに傾斜するように第1方向に変調してあり、そして、前記ステータ羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるファン。
【請求項40】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの数が前記ステータ羽根と等しいファン。
【請求項41】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの各々が前記ダクトの縦軸に沿って見たときにある交点でそれぞれのステータ羽根と交差し、上記それぞれのロータブレードとステータ羽根の各々に対する前記交点の各々が前記ステータハブの中心から異なる半径方向長さを有するファン。
【請求項42】
請求項41に記載のダクト式ファンに於いて、前記交点が協同して螺旋を形成するファン。
【請求項43】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の前記変調は、前記ロータブレードの各々が、前記ダクトの縦軸に沿って見たとき、前記ハブの中心点から異なる半径方向距離でそれぞれのステータ羽根と交差するように前記ロータブレードの分布に対して構成および配置してあるファン。
【請求項44】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、二つのステータ羽根間の角度間隔を定める第1角が二つのロータブレード間の角度間隔を定める第2角に等しいファン。
【請求項45】
請求項44に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根のどれも前記二つのステータ羽根間に配置してなく、且つ前記ロータブレードのどれも前記二つのロータブレード間に配置してないファン。
【請求項46】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、二つのステータ羽根間の角度間隔を定める第1角が二つのロータブレード間の角度間隔を定める第2角に等しいファン。
【請求項47】
請求項46に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根のどれも前記二つのステータ羽根間に配置してなく、且つ前記ロータブレードのどれも前記二つのロータブレード間に配置してないファン。
【請求項48】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、二つのステータ羽根間の角度間隔を定める第1角が二つのロータブレード間の角度間隔を定める第2角に等しいファン。
【請求項49】
請求項48に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根のどれも前記二つのステータ羽根間に配置してなく、且つ前記ロータブレードのどれも前記二つのロータブレード間に配置してないファン。
【請求項50】
請求項1に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIは、変調度mがIの素数でない、何れかのブレード数に等しいロータ。
【請求項51】
請求項9に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIは、変調度mがIの素数でない、何れかのブレード数に等しいロータ。
【請求項52】
ヘリコプタ用ダクト式尾部ファンであって、
ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ロータがハブ、および前記ハブの周りに分布した複数のブレードを含み、前記ブレードの各々が実質的に平面形が非長方形の形状を有するファン。
【請求項53】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードが前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項54】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードの各々が三日月刀平面形の形状を有するファン。
【請求項55】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードの各々がテーパ状平面形の形状を有するファン。
【請求項56】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードの各々が前記ロータの回転方向に向いた前縁を有し、前記前縁が全体として凸型の形状を有するファン。
【請求項57】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードの各々が前記ロータの回転方向に向いた前縁および反対の後縁を有し、前記後縁が前記ブレードの縦に伸びる中心線の方へ傾斜しているファン。
【請求項58】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ステータがステータハブおよび前記ステータハブの周りに分布した複数の羽根を含むファン。
【請求項59】
請求項52記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記羽根の各々が前記ステータハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項60】
請求項59に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ダクトが縦軸を有し、および前記羽根の各々が前記縦軸上の前記ステータの中心点と交差しないファン。
【請求項61】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記羽根の各々が一様で、前記ステータハブの周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項62】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記羽根の各々が中心点から放射状に伸びるファン。
【請求項63】
ヘリコプタ組立体であって、
中を完全に貫通する尾部ファンダクトがある尾部ファンシュラウドで、前記ダクトがヘリコプタ本体縦軸に対して横に伸びるダクト縦軸を有するシュラウド、
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置は、前記ダクト内に回転可能に取付けた尾部ロータおよび前記ダクト内に前記尾部ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、前記逆トルク装置がメインロータのトルクを相殺し、
前記尾部ロータは、ハブおよび前記ハブの周りに分布する複数のブレードを含み、前記ブレードの各々が実質的に平面形が非長方形の形状を有する組立体。
【請求項64】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードが前記ハブ周りに角度的に変調してある組立体。
【請求項65】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードの各々が三日月刀平面形の形状を有する組立体。
【請求項66】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードの各々がテーパ状平面形の形状を有する組立体。
【請求項67】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードの各々が前記ロータの回転方向に向いた前縁を有し、前記前縁が全体として凸型の形状を有する組立体。
【請求項68】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードの各々が前記ロータの回転方向に向いた前縁および反対の後縁を有し、前記後縁が前記ブレードの縦に伸びる中心線の方へ傾斜している組立体。
【請求項69】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ステータがステータハブおよび前記ステータハブの周りに分布した複数の羽根を含む組立体。
【請求項70】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記羽根の各々が前記ステータハブ周りに角度的に変調してある組立体。
【請求項71】
請求項70に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ダクトが縦軸を有し、そして、前記羽根の各々が前記縦軸上の前記ステータの中心点と交差しない組立体。
【請求項72】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記羽根の各々が一様で、前記ステータハブの周りに角度的に変調してある組立体。
【請求項73】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記羽根の各々が中心点から放射状に伸びる組立体。
【請求項74】
ヘリコプタのダクト式尾部ファン用ロータブレードであって、
前縁、
後縁、
前記前縁と後縁の間に伸びる主部、および
前記前縁と後縁の間にそれぞれの弦に沿って広がり且つ前記ブレードの縦軸に沿ってステーションによって位置付けるとき前記ブレードの端から端まで配置された一連の弦平面を含み、
ここで所望の翼弦平面捻れ(度)が各前記ステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として次の式によって定義され、
捻れ(度)=−0.000447903*ST4+0.0278569*ST3−0.514872*ST2+2.10206*ST+5.41711
ここで弦長さ(インチ(=25.4mm))が次の式によって定義され、
弦(インチ(=25.4mm))=−0.02197*ST2+0.592025*ST−0.8989
およびここでスイープをステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として決める四分の一弦オフセット(インチ(=25.4mm))が次の式、
Δc/4=0.02883*ST2−0.7832*ST+4.714−0.41
によって定義されるブレード。
【請求項75】
ヘリコプタの逆トルク装置用ステータであって、
ハブ、および
前記ハブの周りに分布した複数の羽根を含み、
但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるステータ。
【請求項76】
請求項75に記載のステータであって、更に、
環状支持円板を含み、前記羽根が前記ハブと前記支持円板の間に取付けてあるステータ。
【請求項77】
請求項75に記載のステータに於いて、前記羽根の各々が引張り状態にあるように構成してあるステータ。
【請求項78】
請求項75に記載のステータに於いて、前記羽根が前記ハブの中心点に関して非放射状であるステータ。
【請求項79】
請求項75に記載のステータに於いて、前記羽根の各々は、前記羽根の各々が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるステータ。
【請求項80】
請求項75に記載のステータに於いて、前記羽根の一つは、前記羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きの第1方向に傾斜するように前記第1方向に変調してあり、そして、前記羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるステータ。
【請求項81】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
横ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ステータがハブおよび上記ハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項82】
請求項81に記載のダクト式ファンであって、更に、前記複数の羽根を支持するために前記ダクト内に取付けてある環状支持円板を含むファン。
【請求項83】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータがハブおよび前記ハブの周りに分布した複数の羽根を含み、前記羽根は、前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項84】
請求項83に記載のダクト式ファンに於いて、前記ブレードの数が前記羽根と等しいファン。
【請求項85】
請求項83に記載のダクト式ファンに於いて、前記ブレードの各々が前記ダクトの縦軸に沿って見たときにある交点でそれぞれの羽根と交差し、前記それぞれのブレードと羽根の各々に対する前記交点の各々が前記ステータの前記ハブの中心から異なる半径方向長さを有するファン。
【請求項86】
請求項85に記載のダクト式ファンに於いて、前記交点が協同して螺旋を形成するファン。
【請求項87】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記羽根は、前記ロータが作動するとき、引張り状態にあるファン。
【請求項88】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記羽根が前記ハブの中心点に関して非放射状であるファン。
【請求項89】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記羽根の各々は、前記羽根の各々が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるファン。
【請求項90】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記羽根の一つは、前記羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きの第1方向に傾斜するように前記第1方向に変調してあり、および前記羽根の残りのものは、それらが前記第1方向と反対の第2方向に傾斜するように変調してあるファン。
【請求項91】
請求項81に記載のヘリコプタに於いて、前記羽根の前記変調は、前記ブレードの各々が、前記ダクトの縦軸に沿って見たとき、前記ハブの中心点から異なる半径方向距離でそれぞれの羽根と交差するように前記ロータのブレードの分布に対して構成および配置してあるヘリコプタ。
【請求項92】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび上記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ステータがハブ、環状支持円板、および前記ハブの周りに分布し且つ前記ハブと前記支持円板の間に取付けた複数の羽根を含み、但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項93】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ステータがハブおよび前記ハブの周りに分布する複数の羽根を含み、但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあり、そして、前記変調した羽根は、前記ロータが作動するとき、引張り状態にあるように構成してあるファン。
【請求項94】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ステータがハブおよび前記ハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあり、そして前記羽根の一つが第1方向に変調してありおよび前記羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるファン。
【請求項95】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
縦軸を有するダクト、
前記ダクト内に支持してあり、前記ダクト内に回転可能に取付けてあって前記ダクトの縦軸に対して横のロータ平面で回転可能であり且つ前記ダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置、および
前記ダクト内に組込んであり且つ前記ロータの作動中に前記逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した騒音低減共鳴器を含み、
騒音低減共鳴器が前記ロータ平面に配置してあるファン。
【請求項96】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが横断面で全体として円形であるファン。
【請求項97】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記逆トルク装置が前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含むファン。
【請求項98】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータが複数の羽根を支持するために前記ダクト内に取付けてある環状支持円板を含み、前記支持円板が前記ダクト表面を形成するファン。
【請求項99】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記騒音低減共鳴器が前記ロータ平面を離れても配置してあるファン。
【請求項100】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記騒音低減共鳴器の各々が空洞および前記空洞に入る一つ以上の入口開口部を含むファン。
【請求項101】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記共鳴器が前記ダクトの内面に隣接して二つの入口開口部を含むファン。
【請求項102】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記共鳴器がヘルムホルツ共鳴器であるファン。
【請求項103】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
環状の内方に向いたダクト表面を形成するダクト、
前記ダクト内に支持してあり、前記ダクト内に回転可能に取付けてあって前記ダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置、および
前記ダクト表面に取付けてあり且つ前記ロータの作動中に前記逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した材料の騒音低減層を含むファン。
【請求項104】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域を含み、前記材料の騒音低減層が前記ダクトの少なくとも前記ロータ領域におよび前記ロータの前記平面に配置してあるファン。
【請求項105】
請求項104に記載のダクト式ファンに於いて、前記材料の騒音低減層が前記ロータ領域の外の前記ダクトの別の領域に配置してあるファン。
【請求項106】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが横断面で実質的に円形であるファン。
【請求項107】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記逆トルク装置が前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含むファン。
【請求項108】
請求項107に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータが複数の羽根を支持するために前記ダクト内に取付けてある環状支持円板を含み、前記支持円板が前記ダクト表面を形成するファン。
【請求項109】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記材料の騒音低減層が材料の一つ以上のパネルを含むファン。
【請求項110】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記材料の騒音低減層が焼結金属繊維で作った多孔性金属材料を含むファン。
【請求項111】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記材料の騒音低減層が摩削性材料を含むファン。
【請求項112】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域を含み前記材料の騒音低減層が前記ロータの前記平面の上流に、前記ダクトの前縁に配置してあるファン。
【請求項113】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域および前記ダクト内に前記ロータの下流に配置してあるステータを含み、前記材料の騒音低減層が、前記ロータ領域の下流に、前記ステータに配置してあるファン。
【請求項114】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、
前記ダクト内に支持してあり、前記ダクト内に回転可能に取付けてあって前記ダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、前記ロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置、および
前記ロータの作動中に前記逆トルク装置が発生する前記騒音を低減するための手段を含み、
前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域を含み、および前記手段が前記ダクトの少なくとも前記ロータ領域におよび前記ロータの前記平面上に配置してあるファン。
【請求項115】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、
前記ダクト内に支持してあり、前記ダクト内に回転可能に取付けてあって前記ダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、前記ロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置、および
前記ロータの作動中に前記逆トルク装置が発生する前記騒音を低減するための手段を含み、
前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域を含み、および前記手段が前記ダクトの少なくとも上記ロータの前記平面上以外の領域に配置してあるファン。
【請求項116】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトの内面が音響材料で覆われているファン。
【請求項117】
請求項116に記載のダクト式ファンに於いて、前記音響材料が焼結金属繊維で作った多孔性金属材料であるファン。
【請求項118】
請求項95記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトの内面が摩削性材料で覆われているファン。
【請求項119】
ヘリコプタの逆トルク装置用ロータであって、
ロータ軸を有するハブ、および
前記ハブから伸びるブレードを含み、前記ブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiは前記ロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれているロータ。
【請求項120】
請求項119に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは上記ロータのブレード数、およびI=9であるロータ。
【請求項121】
請求項119に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは上記ロータのブレード数、およびIが素数であるロータ。
【請求項122】
請求項119に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIが7または11に等しいロータ。
【請求項123】
請求項119に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項124】
請求項120に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項125】
請求項121に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項126】
請求項120に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項127】
請求項119に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータ上のブレード数、およびIは、変調度mがIの素数でない、何れかのブレード数に等しいロータ。
【請求項128】
ヘリコプタ用逆トルク装置であって、
縦軸を有するダクト、および
前記ダクト内で前記ダクトの前記縦軸周りに回転するために前記ダクト内に確保したロータを含み、前記ロータが、
ロータ軸を有するハブ、および
前記ハブから伸びるブレードを含み、前記ブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、
θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiは前記ロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれている装置。
【請求項129】
請求項128に記載の逆トルク装置であって、更に、前記ダクトに結合し且つ前記ダクト内に配置したステータを含み、前記ステータが複数の羽根を有する装置。
【請求項130】
請求項128に記載の逆トルク装置に於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびI=9、並びに前記変調度m=1である装置。
【請求項131】
請求項128に記載の逆トルク装置に於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびI=9、並びに前記変調度m=2である装置。
【請求項132】
請求項128に記載の逆トルク装置に於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIは、変調度mがIの素数でない、何れかのブレード数に等しい装置。
【請求項133】
ヘリコプタの逆トルク装置用ロータであって、
ロータ軸を有するハブ、および
前記ハブから伸びるブレードを含み、前記ブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは、最大変調振幅であり且つΔφ/Iに等しく、但し、Δφは前記ブレードの与えられたブレードに対する位相変調振幅であり且つIはブレード数であり、並びにmはこのブレード数の素数に等しくない変調度であるロータ。
【請求項134】
請求項133に記載のロータに於いて、前記ロータ上の前記ブレード数が9であるロータ。
【請求項135】
請求項133に記載のロータに於いて、前記ロータ上の前記ブレード数が7または11に等しいロータ。
【請求項136】
請求項133に記載のロータに於いて、上記変調度m=1であるロータ。
【請求項137】
請求項134に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項138】
請求項133に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項139】
請求項134に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項140】
ヘリコプタの尾部ロータのブレード間の実質的にバランスのとれた、変調した角度間隔を決めるための方法であって、
変調度mを選択する工程、
ロータに取付けるためのブレード数を選択する工程、
次の修正した正弦法則を使ってロータの各々間の変調した角度間隔を決める工程を含み、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、
θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ブレードの与えられたブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiは前記ロータ全体に対して一定ではない方法。
【請求項141】
請求項140に記載の方法に於いて、変調度を選択する前記工程およびブレード数を選択する前記工程がブレード数に対して素数の変調度を選択する工程を含む方法。
【請求項142】
請求項140に記載の方法に於いて、変調度を選択する前記工程およびブレード数を選択する前記工程がm=1の変調度を選択する工程を含み、前記ブレード数が9である方法。
【請求項143】
請求項140に記載の方法に於いて、変調度を選択する前記工程およびブレード数を選択する前記工程がm=2の変調度を選択する工程を含み、前記ブレード数が9である方法。
【請求項1】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
横ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、該逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ロータが、
ロータ軸を有するロータハブ、および
前記ハブから伸びるロータブレードを含み、該ロータブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、
θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ロータブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、Δθiは前記ロータ全体に対して一定ではなく、ここでできたロータは実質的にバランスがとれていて、
前記ステータが、
ステータハブ、および
該ステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、
但し、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ステータハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項2】
請求項1に記載のダクト式ファンであって、更に、環状支持円板を含み、前記ステータ羽根が前記ステータハブと前記支持円板の間に取付けてあるファン。
【請求項3】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の各々が引張り状態にあるように構成してあるファン。
【請求項4】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根が前記ステータハブの中心点に関して非放射状であるファン。
【請求項5】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記羽根が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるファン。
【請求項6】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きに傾斜するように第1方向に変調してあり、および前記ステータ羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるファン。
【請求項7】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの数が前記ステータ羽根と等しいファン。
【請求項8】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの各々が前記ダクトの縦軸に沿って見たときにある交点でそれぞれのステータ羽根と交差し、前記それぞれのロータブレードとステータ羽根の各々に対する前記交点の各々が前記ステータハブの中心から異なる半径方向長さを有するファン。
【請求項9】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記交点が協同して螺旋を形成するファン。
【請求項10】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の前記変調は、前記ロータブレードの各々が、前記ダクトの縦軸に沿って見たとき、前記ハブの中心点から異なる半径方向距離でそれぞれのステータ羽根と交差するように前記ロータブレードの分布に対して構成および配置してあるファン。
【請求項11】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびI=9であるファン。
【請求項12】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIが素数であるファン。
【請求項13】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIが7または11に等しいファン。
【請求項14】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記変調度m=1であるファン。
【請求項15】
請求項11に記載のダクト式ファンに於いて、前記変調度m=1であるファン。
【請求項16】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、前記変調度m=2であるファン。
【請求項17】
請求項11に記載のダクト式ファンに於いて、前記変調度m=2であるファン。
【請求項18】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
横ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、該逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ロータが、
ロータ軸を有するロータハブ、および
前記ハブから伸びるロータブレードを含み、前記ロータブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、
θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ロータブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり且つΔφ/Iに等しく、但し、Δφは位相変調振幅であり且つIはブレード数であり、並びにmはこのブレード数の素数に等しくない変調度であり、
前記ステータが、
ステータハブ、および
前記ステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、
但し、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ステータハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項19】
請求項18に記載のロータに於いて、前記ロータのブレード数が9であるロータ。
【請求項20】
請求項18に記載のロータに於いて、前記ロータのブレード数が7または11に等しいロータ。
【請求項21】
請求項18に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項22】
請求項19に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項23】
請求項18に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項24】
請求項19に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項25】
請求項18に記載のダクト式ファンであって、更に、環状支持円板を含み、前記ステータ羽根が前記ステータハブと前記支持円板の間に取付けてあるファン。
【請求項26】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の各々が引張り状態にあるように構成してあるファン。
【請求項27】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根が前記ステータハブの中心点に関して非放射状であるファン。
【請求項28】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記羽根が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるファン。
【請求項29】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きに傾斜するように第1方向に変調してあり、そして、前記ステータ羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるファン。
【請求項30】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの数が前記ステータ羽根と等しいファン。
【請求項31】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの各々が前記ダクトの縦軸に沿って見たときにある交点でそれぞれのステータ羽根と交差し、前記それぞれのロータブレードとステータ羽根の各々に対する前記交点の各々が前記ステータハブの中心から異なる半径方向長さを有するファン。
【請求項32】
請求項31に記載のダクト式ファンに於いて、前記交点が協同して螺旋を形成するファン。
【請求項33】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の上記変調は、前記ロータブレードの各々が、前記ダクトの縦軸に沿って見たとき、前記ハブの中心点から異なる半径方向距離でそれぞれのステータ羽根と交差するように前記ロータブレードの分布に対して構成および配置してあるファン。
【請求項34】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
横ダクト、および
上記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ロータが、
ロータ軸を有するロータハブ、および
前記ハブから伸びるロータブレードを含み、前記ロータブレードは、隣接するブレード間の角度間隔が前記隣接するブレードの全ての対に対して一定であるように前記ロータ軸の周りに変調されない角度分布を有し、そして
前記ステータが、
ステータハブ、および
前記ステータハブの周りに分布した複数のステータ羽根を含み、
但し、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ステータハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項35】
請求項34に記載のダクト式ファンであって、更に、環状支持円板を含み、前記ステータ羽根が前記ステータハブと前記支持円板の間に取付けてあるファン。
【請求項36】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の各々が引張り状態にあるように構成してあるファン。
【請求項37】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根が前記ステータハブの中心点に関して非放射状であるファン。
【請求項38】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記羽根が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるファン。
【請求項39】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根は、前記ステータ羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きに傾斜するように第1方向に変調してあり、そして、前記ステータ羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるファン。
【請求項40】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの数が前記ステータ羽根と等しいファン。
【請求項41】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータブレードの各々が前記ダクトの縦軸に沿って見たときにある交点でそれぞれのステータ羽根と交差し、上記それぞれのロータブレードとステータ羽根の各々に対する前記交点の各々が前記ステータハブの中心から異なる半径方向長さを有するファン。
【請求項42】
請求項41に記載のダクト式ファンに於いて、前記交点が協同して螺旋を形成するファン。
【請求項43】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根の前記変調は、前記ロータブレードの各々が、前記ダクトの縦軸に沿って見たとき、前記ハブの中心点から異なる半径方向距離でそれぞれのステータ羽根と交差するように前記ロータブレードの分布に対して構成および配置してあるファン。
【請求項44】
請求項1に記載のダクト式ファンに於いて、二つのステータ羽根間の角度間隔を定める第1角が二つのロータブレード間の角度間隔を定める第2角に等しいファン。
【請求項45】
請求項44に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根のどれも前記二つのステータ羽根間に配置してなく、且つ前記ロータブレードのどれも前記二つのロータブレード間に配置してないファン。
【請求項46】
請求項18に記載のダクト式ファンに於いて、二つのステータ羽根間の角度間隔を定める第1角が二つのロータブレード間の角度間隔を定める第2角に等しいファン。
【請求項47】
請求項46に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根のどれも前記二つのステータ羽根間に配置してなく、且つ前記ロータブレードのどれも前記二つのロータブレード間に配置してないファン。
【請求項48】
請求項34に記載のダクト式ファンに於いて、二つのステータ羽根間の角度間隔を定める第1角が二つのロータブレード間の角度間隔を定める第2角に等しいファン。
【請求項49】
請求項48に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータ羽根のどれも前記二つのステータ羽根間に配置してなく、且つ前記ロータブレードのどれも前記二つのロータブレード間に配置してないファン。
【請求項50】
請求項1に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIは、変調度mがIの素数でない、何れかのブレード数に等しいロータ。
【請求項51】
請求項9に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIは、変調度mがIの素数でない、何れかのブレード数に等しいロータ。
【請求項52】
ヘリコプタ用ダクト式尾部ファンであって、
ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ロータがハブ、および前記ハブの周りに分布した複数のブレードを含み、前記ブレードの各々が実質的に平面形が非長方形の形状を有するファン。
【請求項53】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードが前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項54】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードの各々が三日月刀平面形の形状を有するファン。
【請求項55】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードの各々がテーパ状平面形の形状を有するファン。
【請求項56】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードの各々が前記ロータの回転方向に向いた前縁を有し、前記前縁が全体として凸型の形状を有するファン。
【請求項57】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ブレードの各々が前記ロータの回転方向に向いた前縁および反対の後縁を有し、前記後縁が前記ブレードの縦に伸びる中心線の方へ傾斜しているファン。
【請求項58】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ステータがステータハブおよび前記ステータハブの周りに分布した複数の羽根を含むファン。
【請求項59】
請求項52記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記羽根の各々が前記ステータハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項60】
請求項59に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記ダクトが縦軸を有し、および前記羽根の各々が前記縦軸上の前記ステータの中心点と交差しないファン。
【請求項61】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記羽根の各々が一様で、前記ステータハブの周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項62】
請求項52に記載のダクト式尾部ファンに於いて、前記羽根の各々が中心点から放射状に伸びるファン。
【請求項63】
ヘリコプタ組立体であって、
中を完全に貫通する尾部ファンダクトがある尾部ファンシュラウドで、前記ダクトがヘリコプタ本体縦軸に対して横に伸びるダクト縦軸を有するシュラウド、
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置は、前記ダクト内に回転可能に取付けた尾部ロータおよび前記ダクト内に前記尾部ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、前記逆トルク装置がメインロータのトルクを相殺し、
前記尾部ロータは、ハブおよび前記ハブの周りに分布する複数のブレードを含み、前記ブレードの各々が実質的に平面形が非長方形の形状を有する組立体。
【請求項64】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードが前記ハブ周りに角度的に変調してある組立体。
【請求項65】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードの各々が三日月刀平面形の形状を有する組立体。
【請求項66】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードの各々がテーパ状平面形の形状を有する組立体。
【請求項67】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードの各々が前記ロータの回転方向に向いた前縁を有し、前記前縁が全体として凸型の形状を有する組立体。
【請求項68】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ブレードの各々が前記ロータの回転方向に向いた前縁および反対の後縁を有し、前記後縁が前記ブレードの縦に伸びる中心線の方へ傾斜している組立体。
【請求項69】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ステータがステータハブおよび前記ステータハブの周りに分布した複数の羽根を含む組立体。
【請求項70】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記羽根の各々が前記ステータハブ周りに角度的に変調してある組立体。
【請求項71】
請求項70に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記ダクトが縦軸を有し、そして、前記羽根の各々が前記縦軸上の前記ステータの中心点と交差しない組立体。
【請求項72】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記羽根の各々が一様で、前記ステータハブの周りに角度的に変調してある組立体。
【請求項73】
請求項63に記載のヘリコプタ組立体に於いて、前記羽根の各々が中心点から放射状に伸びる組立体。
【請求項74】
ヘリコプタのダクト式尾部ファン用ロータブレードであって、
前縁、
後縁、
前記前縁と後縁の間に伸びる主部、および
前記前縁と後縁の間にそれぞれの弦に沿って広がり且つ前記ブレードの縦軸に沿ってステーションによって位置付けるとき前記ブレードの端から端まで配置された一連の弦平面を含み、
ここで所望の翼弦平面捻れ(度)が各前記ステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として次の式によって定義され、
捻れ(度)=−0.000447903*ST4+0.0278569*ST3−0.514872*ST2+2.10206*ST+5.41711
ここで弦長さ(インチ(=25.4mm))が次の式によって定義され、
弦(インチ(=25.4mm))=−0.02197*ST2+0.592025*ST−0.8989
およびここでスイープをステーション位置(インチ(=25.4mm))の関数として決める四分の一弦オフセット(インチ(=25.4mm))が次の式、
Δc/4=0.02883*ST2−0.7832*ST+4.714−0.41
によって定義されるブレード。
【請求項75】
ヘリコプタの逆トルク装置用ステータであって、
ハブ、および
前記ハブの周りに分布した複数の羽根を含み、
但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるステータ。
【請求項76】
請求項75に記載のステータであって、更に、
環状支持円板を含み、前記羽根が前記ハブと前記支持円板の間に取付けてあるステータ。
【請求項77】
請求項75に記載のステータに於いて、前記羽根の各々が引張り状態にあるように構成してあるステータ。
【請求項78】
請求項75に記載のステータに於いて、前記羽根が前記ハブの中心点に関して非放射状であるステータ。
【請求項79】
請求項75に記載のステータに於いて、前記羽根の各々は、前記羽根の各々が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるステータ。
【請求項80】
請求項75に記載のステータに於いて、前記羽根の一つは、前記羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きの第1方向に傾斜するように前記第1方向に変調してあり、そして、前記羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるステータ。
【請求項81】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
横ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ステータがハブおよび上記ハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項82】
請求項81に記載のダクト式ファンであって、更に、前記複数の羽根を支持するために前記ダクト内に取付けてある環状支持円板を含むファン。
【請求項83】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記ロータがハブおよび前記ハブの周りに分布した複数の羽根を含み、前記羽根は、前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項84】
請求項83に記載のダクト式ファンに於いて、前記ブレードの数が前記羽根と等しいファン。
【請求項85】
請求項83に記載のダクト式ファンに於いて、前記ブレードの各々が前記ダクトの縦軸に沿って見たときにある交点でそれぞれの羽根と交差し、前記それぞれのブレードと羽根の各々に対する前記交点の各々が前記ステータの前記ハブの中心から異なる半径方向長さを有するファン。
【請求項86】
請求項85に記載のダクト式ファンに於いて、前記交点が協同して螺旋を形成するファン。
【請求項87】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記羽根は、前記ロータが作動するとき、引張り状態にあるファン。
【請求項88】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記羽根が前記ハブの中心点に関して非放射状であるファン。
【請求項89】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記羽根の各々は、前記羽根の各々が前記ハブの中心軸に横向きである第1方向に傾斜するように、前記第1方向に変調してあるファン。
【請求項90】
請求項81に記載のダクト式ファンに於いて、前記羽根の一つは、前記羽根の一つが前記ハブの中心軸に横向きの第1方向に傾斜するように前記第1方向に変調してあり、および前記羽根の残りのものは、それらが前記第1方向と反対の第2方向に傾斜するように変調してあるファン。
【請求項91】
請求項81に記載のヘリコプタに於いて、前記羽根の前記変調は、前記ブレードの各々が、前記ダクトの縦軸に沿って見たとき、前記ハブの中心点から異なる半径方向距離でそれぞれの羽根と交差するように前記ロータのブレードの分布に対して構成および配置してあるヘリコプタ。
【請求項92】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび上記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ステータがハブ、環状支持円板、および前記ハブの周りに分布し且つ前記ハブと前記支持円板の間に取付けた複数の羽根を含み、但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあるファン。
【請求項93】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、および
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ステータがハブおよび前記ハブの周りに分布する複数の羽根を含み、但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあり、そして、前記変調した羽根は、前記ロータが作動するとき、引張り状態にあるように構成してあるファン。
【請求項94】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、
前記ダクト内に支持してある逆トルク装置を含み、前記逆トルク装置が前記ダクト内に回転可能に取付けたロータおよび前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含み、
前記ステータがハブおよび前記ハブの周りに分布した複数の羽根を含み、但し、前記羽根は、前記羽根の隣接する羽根間の角度間隔が前記隣接する羽根の各対に対して前記ハブ周りに変動するように前記ハブ周りに角度的に変調してあり、そして前記羽根の一つが第1方向に変調してありおよび前記羽根の残りのものが前記第1方向と反対の第2方向に変調してあるファン。
【請求項95】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
縦軸を有するダクト、
前記ダクト内に支持してあり、前記ダクト内に回転可能に取付けてあって前記ダクトの縦軸に対して横のロータ平面で回転可能であり且つ前記ダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置、および
前記ダクト内に組込んであり且つ前記ロータの作動中に前記逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した騒音低減共鳴器を含み、
騒音低減共鳴器が前記ロータ平面に配置してあるファン。
【請求項96】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが横断面で全体として円形であるファン。
【請求項97】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記逆トルク装置が前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含むファン。
【請求項98】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータが複数の羽根を支持するために前記ダクト内に取付けてある環状支持円板を含み、前記支持円板が前記ダクト表面を形成するファン。
【請求項99】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記騒音低減共鳴器が前記ロータ平面を離れても配置してあるファン。
【請求項100】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記騒音低減共鳴器の各々が空洞および前記空洞に入る一つ以上の入口開口部を含むファン。
【請求項101】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記共鳴器が前記ダクトの内面に隣接して二つの入口開口部を含むファン。
【請求項102】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記共鳴器がヘルムホルツ共鳴器であるファン。
【請求項103】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
環状の内方に向いたダクト表面を形成するダクト、
前記ダクト内に支持してあり、前記ダクト内に回転可能に取付けてあって前記ダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含む逆トルク装置、および
前記ダクト表面に取付けてあり且つ前記ロータの作動中に前記逆トルク装置が発生する騒音を低減するように構成した材料の騒音低減層を含むファン。
【請求項104】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域を含み、前記材料の騒音低減層が前記ダクトの少なくとも前記ロータ領域におよび前記ロータの前記平面に配置してあるファン。
【請求項105】
請求項104に記載のダクト式ファンに於いて、前記材料の騒音低減層が前記ロータ領域の外の前記ダクトの別の領域に配置してあるファン。
【請求項106】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが横断面で実質的に円形であるファン。
【請求項107】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記逆トルク装置が前記ダクト内に前記ロータから下流に固定して取付けたステータを含むファン。
【請求項108】
請求項107に記載のダクト式ファンに於いて、前記ステータが複数の羽根を支持するために前記ダクト内に取付けてある環状支持円板を含み、前記支持円板が前記ダクト表面を形成するファン。
【請求項109】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記材料の騒音低減層が材料の一つ以上のパネルを含むファン。
【請求項110】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記材料の騒音低減層が焼結金属繊維で作った多孔性金属材料を含むファン。
【請求項111】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記材料の騒音低減層が摩削性材料を含むファン。
【請求項112】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域を含み前記材料の騒音低減層が前記ロータの前記平面の上流に、前記ダクトの前縁に配置してあるファン。
【請求項113】
請求項103に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域および前記ダクト内に前記ロータの下流に配置してあるステータを含み、前記材料の騒音低減層が、前記ロータ領域の下流に、前記ステータに配置してあるファン。
【請求項114】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、
前記ダクト内に支持してあり、前記ダクト内に回転可能に取付けてあって前記ダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、前記ロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置、および
前記ロータの作動中に前記逆トルク装置が発生する前記騒音を低減するための手段を含み、
前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域を含み、および前記手段が前記ダクトの少なくとも前記ロータ領域におよび前記ロータの前記平面上に配置してあるファン。
【請求項115】
ヘリコプタ用ダクト式ファンであって、
ダクト、
前記ダクト内に支持してあり、前記ダクト内に回転可能に取付けてあって前記ダクトを通る空気の流れを創るように作動するロータを含み、前記ロータの作動中に騒音を発生する逆トルク装置、および
前記ロータの作動中に前記逆トルク装置が発生する前記騒音を低減するための手段を含み、
前記ダクトが前記ロータの平面内に広がるロータ領域を含み、および前記手段が前記ダクトの少なくとも上記ロータの前記平面上以外の領域に配置してあるファン。
【請求項116】
請求項95に記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトの内面が音響材料で覆われているファン。
【請求項117】
請求項116に記載のダクト式ファンに於いて、前記音響材料が焼結金属繊維で作った多孔性金属材料であるファン。
【請求項118】
請求項95記載のダクト式ファンに於いて、前記ダクトの内面が摩削性材料で覆われているファン。
【請求項119】
ヘリコプタの逆トルク装置用ロータであって、
ロータ軸を有するハブ、および
前記ハブから伸びるブレードを含み、前記ブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiは前記ロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれているロータ。
【請求項120】
請求項119に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは上記ロータのブレード数、およびI=9であるロータ。
【請求項121】
請求項119に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは上記ロータのブレード数、およびIが素数であるロータ。
【請求項122】
請求項119に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIが7または11に等しいロータ。
【請求項123】
請求項119に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項124】
請求項120に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項125】
請求項121に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項126】
請求項120に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項127】
請求項119に記載のロータに於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータ上のブレード数、およびIは、変調度mがIの素数でない、何れかのブレード数に等しいロータ。
【請求項128】
ヘリコプタ用逆トルク装置であって、
縦軸を有するダクト、および
前記ダクト内で前記ダクトの前記縦軸周りに回転するために前記ダクト内に確保したロータを含み、前記ロータが、
ロータ軸を有するハブ、および
前記ハブから伸びるブレードを含み、前記ブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、
θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ブレードの特定のブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiは前記ロータ全体に対して一定ではなく、およびここでできたロータは実質的にバランスがとれている装置。
【請求項129】
請求項128に記載の逆トルク装置であって、更に、前記ダクトに結合し且つ前記ダクト内に配置したステータを含み、前記ステータが複数の羽根を有する装置。
【請求項130】
請求項128に記載の逆トルク装置に於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびI=9、並びに前記変調度m=1である装置。
【請求項131】
請求項128に記載の逆トルク装置に於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびI=9、並びに前記変調度m=2である装置。
【請求項132】
請求項128に記載の逆トルク装置に於いて、Δθi=Δφ/I、但し、Iは前記ロータのブレード数、およびIは、変調度mがIの素数でない、何れかのブレード数に等しい装置。
【請求項133】
ヘリコプタの逆トルク装置用ロータであって、
ロータ軸を有するハブ、および
前記ハブから伸びるブレードを含み、前記ブレードが前記ロータ軸の周りに変調した角度分布を有し、前記角度分布は、次の式によって定義され、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは、最大変調振幅であり且つΔφ/Iに等しく、但し、Δφは前記ブレードの与えられたブレードに対する位相変調振幅であり且つIはブレード数であり、並びにmはこのブレード数の素数に等しくない変調度であるロータ。
【請求項134】
請求項133に記載のロータに於いて、前記ロータ上の前記ブレード数が9であるロータ。
【請求項135】
請求項133に記載のロータに於いて、前記ロータ上の前記ブレード数が7または11に等しいロータ。
【請求項136】
請求項133に記載のロータに於いて、上記変調度m=1であるロータ。
【請求項137】
請求項134に記載のロータに於いて、前記変調度m=1であるロータ。
【請求項138】
請求項133に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項139】
請求項134に記載のロータに於いて、前記変調度m=2であるロータ。
【請求項140】
ヘリコプタの尾部ロータのブレード間の実質的にバランスのとれた、変調した角度間隔を決めるための方法であって、
変調度mを選択する工程、
ロータに取付けるためのブレード数を選択する工程、
次の修正した正弦法則を使ってロータの各々間の変調した角度間隔を決める工程を含み、
θi’=θi+Δθisin(mθi)
但し、θi’はi番目のブレードに対する変調したブレード角であり、
θiはi番目のブレードに対する基準ブレード角であり、Δθiは前記ブレードの与えられたブレードに対する最大変調振幅であり、mは変調度であり、およびΔθiは前記ロータ全体に対して一定ではない方法。
【請求項141】
請求項140に記載の方法に於いて、変調度を選択する前記工程およびブレード数を選択する前記工程がブレード数に対して素数の変調度を選択する工程を含む方法。
【請求項142】
請求項140に記載の方法に於いて、変調度を選択する前記工程およびブレード数を選択する前記工程がm=1の変調度を選択する工程を含み、前記ブレード数が9である方法。
【請求項143】
請求項140に記載の方法に於いて、変調度を選択する前記工程およびブレード数を選択する前記工程がm=2の変調度を選択する工程を含み、前記ブレード数が9である方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【公表番号】特表2008−506582(P2008−506582A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521698(P2007−521698)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/025283
【国際公開番号】WO2006/110156
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(300084328)ベル ヘリコプター テクストロン インコーポレイテッド (2)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/025283
【国際公開番号】WO2006/110156
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(300084328)ベル ヘリコプター テクストロン インコーポレイテッド (2)
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