説明

ヘルドシャフト駆動装置、この装置のための偏向レバーのセットと偏向レバー

【課題】ヘルドシャフト駆動装置として、一方ではコネクティングロッドの前後駆動運動を昇降ロッドの上下動作に変換し、他方ではトランサムロッドを介して、さらなる偏向レバーを動かす開口装置を提供する。
【解決手段】偏向レバーは、それらのレバーアーム25a、25b、25cと26a、26b、26cとの間に異なる角度α、β、γを有する。好ましくは、コネクティングロッド(連接棒)23a、23b、23cは、対応して採用された、異なる長さを有する。当該長さは、軸レバー10a、b、cが零位置にあるとき、すべてのヘルドシャフトがひ口コーディネイション位置にあるような寸法を有する。偏向レバー上の異なる角度α、β、γのため、上方のひ口と下方のひ口のひ口差が最小限で、織物接結点の距離に依らないことが達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はいくつかのヘルド(綜絖)シャフト(綜絖枠)のためのヘルドシャフト駆動装置、このようなヘルドシャフト駆動装置のための偏向レバーのセット、そして、当該ヘルドシャフト駆動装置に適した偏向レバーに関する。
【背景技術】
【0002】
織機は、たて糸前進方向と関連して連続して配置されるいくつかのヘルドシャフトから成り、当該ヘルドシャフトはひ口をたて糸により形成するために交互に上におよび/または下に動作する。それによってよこ糸は当該ひ口に入られる。シャフトの行程は、上向き(上部ひ口)または下向き(下部ひ口)に案内される。理想的なケースにおいては、零位置から始まる上方への工程および下方への行程は同じである。零位置は、それぞれのシャフトによって導かれるたて糸がたて糸平面にある場合のシャフト位置に対応する。このひ口位置は、ひ口コーディネイション位置とも呼ばれる。
【0003】
偏向レバーから成るロッド機構が、ヘルドシャフトを駆動するために使われる。通常個々のシャフトを駆動するために使用するロッド機構は同一の様式で構成される。
【0004】
ひ口によこ糸を入れることが可能であるために、ひ口は十分に広く、かつ、十分に長く開かれている必要がある。この要件を満たすために、織物接結点と離れたところにあるシャフトは、しばしば接結点の近くのシャフトより大きな往復運動を強いられる。すべてのたて糸が上方または下方にほぼ同一の角度において動かされるような方法で織物接結点からヘルドシャフトの距離の増加と共に往復運動が増加した場合、これは「クリーンなひ口」と呼ばれる。しかしながら、そのようにすると、たて糸は引っ張られて異なった応力がかかる。仮に、対照的に、糸応力が等しくなる場合、すなわち個々のヘルドシャフト行程がほとんど同じである場合、このひ口設定は「スタガード(ずらし)ひ口」と呼ばれる。この設定はよこ糸入力からみて最適ではない。従って、実際の使用にあたっては、大部分は「クリーンなひ口」および「スタガードひ口」の組合せが使われる。この調整は「混合ひ口」と呼ばれる。
【0005】
これは、実際の使用を考慮すると、異なるシャフト行程が個々のヘルドシャフトの動作のために使われる、すなわち、「混合ひ口」を用いると同様に「スタガードひ口」も使われることである。いくつかのヘルドシャフトは、上方のひ口の行程および下方のひ口の工程が同じであるような、上述した理想的なものが採用されているものの、ロッド機構のレバー偏向は上部のひ口往復運動と下部のひ口の間で結果として相当の差異を生ずる。これらの違いは、「歪み」とも呼ばれる。この歪みは、下部のひ口の大きさの減少を導く。横糸入力の充分な空間を確保するために、工程を全体的に増加しなければならない。これは、ベアリングおよび偏向点へと同様、たて糸上に、そして開口装置上に不必要な応力をもたらすこととなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これを考慮して、適切に改良された開口装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1のヘルドシャフト駆動装置により、例えば請求項8の偏向レバーセットを利用することによりおよび/または請求項12の偏向レバーを用いることにより達成される。
【0008】
本発明は、個々のヘルドシャフトのために異なって構成されたロッド機構からなるヘルドシャフト駆動装置により上述の目的を達成する。個々のヘルドシャフトのロッド機構は、それらが、例えばそして好ましくは、異なって構成され、異なって接続され、あるいは異なって調整された偏向レバーから成るという点で異なる。偏向レバーは、特に、当該レバーのレバーアームによって共に規定される異なる角度によって特徴づけられる。異なる偏向レバーを用いることにより、設定が「スタガードひ口」または「混合ひ口」のためのものであっても、所与のひ口角度を考慮してすべての関連のあるヘルドシャフトにわたり既存の歪みを減らし、特に、等しくすることが達成されうる。そうすることで、同じく偏向レバー、支持点そしてたて糸にかかる負荷を等しくすることが可能である。
【0009】
異なって構成された偏向レバーは異なる長さを有するコネクティングロッド(連接棒)と結合されることができ、当該ロッドは偏向レバーをドビーのシャフトレバーに接続する。異なる長さを有するコネクティングロッドにより、それぞれのヘルドシャフトの所望の高さ位置の調整ができる。固定長を有するコネクティングロッドに加えて、長さ調節可能なコネクティングロッドも使用可能である。
【0010】
偏向レバーの各々は、その2つのレバーアームの間に、恒久的に調整された角度を規定してもよい。あわせて、偏向レバーは、異なる角度を有する少なくとも2本の偏向レバーから成る偏向レバーセットを構成する。好ましくは、接結点から離れているヘルドシャフトには、接結点の近くにあるヘルドシャフトの偏向レバーより大きな角度を示す偏向レバーを使用する。
【0011】
あるいは、一の角度調整オプションを有する同一の偏向レバーを使用することも、可能である。角度調整オプションは、連続的な調整装置によるか、または異なる角度の段階的な調整のみができる調整装置による。好ましくは、その段階は、それらが異なるヘルドシャフト位置で生ずる角度に合致するようなものである。例えば、角度は確動クラッチまたは摩擦クラッチによって、調整ねじ等によって、調整することができ、これらは角度のついたレバーの一のレバーアームまたはその部分を調整するために設けられる。同様に、経路を定めるコネクティングロッドまたは経路を定めるリフティングロッドにさまざまなリンク位置を有するレバーアームの一つを用いることもでき、それによって当該リンク位置を代わりに使うことができる。
【0012】
本発明の有利な実施例のさらなる詳細は、図面、請求項または記載の内容による。記載は本発明の本質的な側面および種々の状況に限定される。図面は、補足的に参照されるべきものである。それらはさらなる詳細を開示する。以下、図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ヘルドシャフト駆動装置を含む開口装置の模式的な正面図。
【図2】図1のヘルドシャフト駆動装置の偏向レバーセットの詳細。
【図3】図1のヘルドシャフト駆動装置の偏向レバーセットのいくつかの偏向レバーの運動力学線図。
【図4】図1の開口装置の概略的な側面図。
【図5】調節可能な偏向レバーの変更態様の概略的な側面図。
【図6】調節可能な偏向レバーの変更態様の概略的な側面図。
【図7】調節可能な偏向レバーの変更態様の概略的な側面図。
【図8】調節可能な偏向レバーの変更態様の概略的な側面図。
【図9】調節可能な偏向レバーの変更態様の概略的な側面図。
【図10】調節可能な偏向レバーの変更態様の概略的な側面図。
【図11】調節可能な偏向レバーの変更態様の概略的な側面図。
【図12】従来の装置と比較した本発明の装置のさまざまなヘルドシャフトのひ口形成に関する差異の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の例示的実施形態に関する図の説明に続く。それらに参照番号があるかどうかに関係なく、単数形または複数形の、あるいは参照番号のない図と請求項の記載の要素へのいかなる言及も、対応する参照符号を有するすべての要素に対する一般的な言及である。参照番号を用いた個々の要素への引用は、明確にこのように特定された要素に適用する。
【0015】
図1は、一群のヘルドシャフト2から成る開口装置1を示す。各ヘルドシャフト2は、上下のシャフトロッドと側面の支持体を有するフレームにより構成される。シャフトロッドの各々は、複数のヘルド3を担持する。これらのヘルドは、図4に示されるようにたて糸4を導くために用いられる。個々のたて糸4の各々は、ヘルドシャフトに関連した同じ参照番号2a乃至2fにより特定される。明らかなように、そして、ひ口形成プロセスを例示するために、たて糸4a、4b、4c、4dおよび4fは上方へ、そしてたて糸平面から、対応するヘルドシャフト2a、2b、2c、2dおよび2fの行程だけ移動する。それらは、ひ口の上部に位置する。ヘルドシャフト2eは、下方へ位置がずれる。したがって、たて糸4eは、ひ口の下部に位置する。たて糸4は、よこ糸が打ち込まれそこから織物6が伸びるところの織物接結点に放射状に進行する。たて糸は、たて糸平面との間に、例えば、32°のひ口角度を規定する。横糸入力のためのひ口7はたて糸4eと他のたて糸4a乃至4dと4fの間に構成される。ヘルドシャフト2の数は、記載されたものより少なくても多くてもよい。ひ口形成はヘルドシャフト2のいかなる所望の組合せでも生じうる。
【0016】
図1から明らかなように、個々のヘルドシャフト2はヘルドシャフト駆動装置8によって動かされる。これは、ドビー9を含み、それによって一群のロッカーまたはシャフトレバー10、すなわち、各ヘルドシャフト2(2a乃至2f)に対して一つのシャフトレバーが当該ドビーのハウジングから突き出ている。これらのシャフトレバー10の各々は、ロッド機構11を介して、そのそれぞれ関連するヘルドシャフト2(2a乃至2f)に個々に接続される。シャフトロッド下部に設けられている適切な接続12、13、14は、ロッド機構11を介してヘルドシャフト2を駆動するために用いられる。当該接続から、昇降ロッド15、16、17は下方へ偏向レバー18、19、20へ向かって伸びる。偏向レバー18、19、20は、角度のついたレバーとして構成される。それらは、互いに平行である横回転軸に関して回転可能であるように支持されている。図1において、軸周りの旋回運動は、曲がった矢印により示されて、結果として、当該ヘルドシャフトの右に示された矢印のように、ヘルドシャフト2の縦の上下運動になる。これらの運動を起動させるために、角度のついたレバー18、19、20の下端は、基本的に水平に配置されたトランサムロッド21、22により、各々ヒンジ結合される。この伝動装置を駆動するために、偏向レバー18はコネクティングロッド23を介してシャフトレバー10にヒンジ結合されている。コネクティングロッドは剛体でよく、固定長を有してもよい。個々のヘルドシャフト2と関連している個々のコネクティングロッド23は、個々の長さを有し、それによってシャフトレバー10からヘルドシャフト2に導く個々のロッド機構の各々は、異なる構成を有してもよい。
【0017】
ヘルドシャフト駆動装置8のすべてのレバー駆動装置の偏向レバー19、20は、それらのレバーアーム間で一様な角度を示すことが可能である。しかしながら、コネクティングロッド23とトランサムロッド21間を繋ぐ角度のついたレバー18(18a、18b、18c、18d)は、好ましくは、同一の形では構成されない。これは、図2から明らかである。
【0018】
偏向レバー18は、偏向レバーセット24を構成し、そこにおいて、各偏向レバー18のレバーアーム25、26は、異なる角度α、β、γ、その他を互いに規定する。各偏向レバー18のレバーアーム25は、同一の長さを有してもよい。各偏向レバー18のレバーアーム26は、同じく同一の長さを有してもよい。レバーアーム25、26の選定された長さは異なってもよい。
【0019】
偏向レバー18のうちの少なくとも一つは、少なくとも一つの他の偏向レバー18の角度βと異なる角度αを有する。これは、図3に概略的に示される。コネクティングロッド23a、23b、23cは、下方へ向いたレバーアーム25a、25b、25cの異なる角位置のため、異なる長さを有する。加えて、それらは、好ましくは、接続されたヘルドシャフト2の異なる往復運動を実行するために、シャフトレバー10a、b、cの異なる高さ位置に固定される。
【0020】
各偏向レバー18はそのレバーアーム25、26の各々の端に、コネクティングロッド23、トランサムロッド21および昇降ロッド15のためのヒンジまたは接続点を有する。レバーアーム25、26により規定される角度は、回転軸27とこれらの接続点の中心の結ぶ線によって構成され、当該偏向レバー18は当該回転軸について回動可能であるように載置される。好ましくは、すべての偏向レバー18は、共通の枢軸線27のまわりに回動することができる。
【0021】
これまでに記載した開口装置1は、以下のように作動する。
【0022】
ヘルドシャフト2a乃至2fの動作は、ヘルドシャフト駆動装置8によって事前に特定される。ドビー9は、しかるべく個々のシャフトレバー10を動かす。ロッド機構11はこの運動をヘルドシャフト2a乃至2fに伝達するために用いられる。運動が伝達されるときには、動きはわずかに変化する。換言すれば、各ヘルドシャフト2a乃至2fの上昇または下降動作は、非線形運動転送法則のため、個々のシャフトレバー10の動きと比例していない。
【0023】
図4は、開口装置1の動作の瞬間を示しており、ここでたて糸4は、それぞれのヘルドシャフト2から織物接結点5までのそれらの経路のみが示され、しかしながら、それぞれのヘルドシャフト2への経路は示されていない。ヘルドシャフト2a、2b、2c、2dおよびfは、ひ口の上部に位置する。ヘルドシャフト2eは、ひ口の下部に位置する。ヘルドシャフト2a、2b、2c、2dは、同じ行程高さである。それらはいわゆる「スタガードひ口」を形成している。ヘルドシャフト2dおよび2fは、異なる行程高さに調整されている。それらはいわゆる「クリーンなひ口」を形成している。従って、全体として、「混合ひ口」が形成されている。これは説明図としてだけのためのものである。ひ口調整は、基本的に異なって選定されうる。
【0024】
図3はヘルドシャフト駆動装置8の運動力学特徴を示す。すなわち、例えば、定められた32°のひ口角度と適合する角度α、β、γを有する第一の3本の偏向レバー18a、18b、18cは、下方(下部のひ口)へと上方(上部のひ口)へとの工程の長さの範囲に目立つ差異はない。これは、図12の曲線Vに対応する。ひ口角度のわずかな大小(これらは、たて糸によって、たて糸平面との間にそれぞれ規定される角度である)については、ほぼ完全に無視でき、約+0.5mmまたは−0.5mmの偏差が上部のひ口および下部のひ口の、ひ口高さの間に発生する。これらは、曲線IVおよびVIである。織物接結点5からのヘルドシャフト2の距離が増加する場合であっても、この最小の差がこれといって増加しないことは、特に重要な意義を持つ。
【0025】
対照的に、曲線I乃至IIIにより示されているように、従来のヘルドシャフト駆動装置の、30°と34°の間のひ口角度に対応する上部のひ口と下部のひ口との差異は、織物接結点5からの距離の増加と共にほぼ極端な大きさを示す。図12aでは、接結点の近くのシャフトは左にあり、接結点から離れたシャフトは右にある。図12の線図は、10個のヘルドシャフトを有する状況を示す。
【0026】
本発明の実施により、基本的に、ひ口開口装置1のたて糸、ヘルド、および種々の部分に対する、9mmより大きいひ口差異の原因となりうる過剰な応力が回避される。
【0027】
図2に示されるように、本発明は、異なって構成された偏向レバー18a、18b、18c、他からなる偏向レバーセット24により実施される。しかしながら、調節可能な偏向レバー18のきわめて多様なデザインを提供することも可能である。図5および6は、相互に関連して調整できるレバーアーム25、26を有する調節可能偏向レバー18を示す。これには、かみあいクラッチ28が二つの間に設けられている。当該かみあいクラッチは、当該二つのレバーアームの間の角度を変えるため、レバーアーム25、26の段階的な調整が可能である。
【0028】
図7で示すように、2つのレバーアーム25、26のうちの一つのみにこの種のクラッチまたは異なるクラッチ29を提供することも可能である。この調整は、連続的にかまたはあらかじめ定められた調整段階による。
【0029】
段階的な調整は、図8の剛体偏向レバー18でも基本的に同じく可能である。コネクティングロッド23a、23b、23cのためのさまざまな連結位置29a、29b、29cが、レバーアーム25、26のうちの一つで利用可能であることで、2つのレバーアーム25、26の間の角度が調整可能である。
【0030】
この種の他の連結位置はレバーアーム26に同じく設けられていてもよいが、これは図8には示されていない。連結位置29a、29b、29c、他は好ましくは所望の角度α、β、γを事前に特定するような方法で設けられる。
【0031】
図9は、他の変形例を示す。この場合、2つのレバーアーム25、26は、相対的な回転でレバーアーム25、26の間に設定される角度を調整する、調整ねじ30の形の角度調整装置を備えている。
【0032】
図9ではレバーアーム25、26の軸周りの旋回が相互に関連して発生するのに対して、レバーアーム25、26のうちの一つを分けて、それらに摺動装置31を備えることが同じく可能である。この連結位置29を支えるレバーアーム25の一部の線形摺動は、角度調整を生じさせる。図11によれば、それは連結位置29を支持しているレバーアーム25の一部分のみを、回動調節可能に支持するようにすることができ、その一方で、例えば、トランサムロッド21の接続のために設けられた他の部分25´は剛体でよい。
【0033】
それらが有効な角度α、βまたはγを調整するために設けられてあり、また剛体で構成される限り、追加の態様変更は可能である。
【0034】
そのヘルドシャフト駆動装置8に関しては、本発明の開口装置1は偏向レバー18a、18b、18cを利用して、一方ではコネクティングロッド23a、23b、23cの前後への駆動運動を昇降ロッド15の上下動作へ変換し、他方ではトランサムロッド21を介してさらに偏向レバー19、20を動かす。偏向レバー18a、18b、18cは、異なる角度α、β、γを、それらのレバーアーム25a、25b、25cおよび26a、26b、26cとの間に有する。好ましくは、コネクティングロッド23a、23b、23cは、対応して採用された、異なった長さを有する。当該長さは、シャフトレバー10a、b、cが零位置にあり、すべてのヘルドシャフト2a、2b、2cがコーディネイション位置にある時の寸法である。
【0035】
偏向レバー18a、18b、18cの異なる角度α、β、γにより、上部のひ口と下部のひ口とのひ口差異は最小限で、織物接結点5からの距離に依らなくなる。
【符号の説明】
【0036】
1 開口装置
2、2a−2f ヘルドシャフト
3 ヘルド
4、4a−4f たて糸
5 織物接結点
6 織物
7 ひ口
8 ヘルドシャフト駆動装置
9 ドビー
10 シャフトレバー
11 ロッド機構
12、13、14 接続点
15、16、17 昇降ロッド
18、19、20 偏向レバー
21、22 トランサムロッド
23 コネクティングロッド(連接棒)
24 偏向レバーセット
25 レバーアーム
26 レバーアーム
α、β、γ 25a、26a、25b、26b、25c、26cの間の角度
27 枢支軸
28 かみあいクラッチ
29 クラッチ
30 調整装置
31 摺動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルドシャフト(2)に駆動モータ(9)を接続するためのロッド機構(11)であって、当該各ヘルドシャフト(2)のために、前後に移動するように駆動される出力(10)を有するものと、
互いに角度(α、β)を有する2本のアーム(25、26)を有する少なくとも一つの偏向レバー(18)であって、当該アームのうちの一方(26)は当該ヘルドシャフト(2)に接続され、前記アームの他方(25)は当該出力(10)に接続されたものからなり、
2つの異なる当該ヘルドシャフト(2)の当該偏向レバー(18)の角度(α、β)は相等しくない
複数のヘルドシャフト(2)のためのヘルドシャフト駆動装置(8)。
【請求項2】
ひ口(7)近傍のヘルドシャフト(2a)の前記偏向レバー(18a)の前記角度(α)は、当該ひ口(7)からより遠方のヘルドシャフト(2b、2c)の前記偏向レバー(18b、18c)の角度(β)より小さい
ことを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト駆動装置。
【請求項3】
前記偏向レバー(18)は、コネクティングロッド(23)を介して前記出力(10)に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト駆動装置。
【請求項4】
前記各偏向レバー(18)は、前記コネクティングロッド(23)を介して前記出力(10)に接続され、個々の当該コネクティングロッド(23)は異なる長さを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト駆動装置。
【請求項5】
前記偏向レバー(18)は、長さ調節可能な前記コネクティングロッド(23)を介して前記出力(10)に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト駆動装置。
【請求項6】
前記偏向レバー(18)は、昇降ロッド(18)を介して前記ヘルドシャフト(2)に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト駆動装置。
【請求項7】
前記偏向レバー(18)は、長さ調節可能な前記昇降ロッド(15)を介して前記ヘルドシャフト(2)に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト駆動装置。
【請求項8】
ヘルドシャフトは、有するアーム(25a、26a、25b、26b)が互いに角度(α、β)を規定し、当該2つの角度(α、β)は等しくないような、少なくとも2本の偏向レバー(18a、18b)を具備する
ことを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト駆動装置のための偏向レバーのセット。
【請求項9】
一の前記偏向レバー(18a)の前記アーム(25a、26a)は、他の前記偏向レバー(18b)のアーム(25b、26b)と同じ長さを有する
ことを特徴とする請求項8に記載の偏向レバーのセット。
【請求項10】
少なくとも一つの前記偏向レバー(18)の少なくとも前記レバーアーム(25、26)は、相互に、堅くかつ取り外しできないように接続される
ことを特徴とする請求項8に記載の偏向レバーのセット。
【請求項11】
いくつかの前記偏向レバー(18)の前記レバーアーム(25、26)は、相互に、堅くかつ取り外しできないように接続される
ことを特徴とする請求項8に記載の偏向レバーのセット。
【請求項12】
偏向レバー(18)のレバーアーム(25、26)は、相互に関連して調整される
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のヘルドシャフト駆動装置のための、または請求項1乃至11のいずれか一項に記載の偏向レバーセット(24)のための偏向レバー。
【請求項13】
前記偏向レバー(18)には、前記角度(α、β)を調整するための角度調整装置(29、30)が具備される
ことを特徴とする請求項12に記載の偏向レバー。
【請求項14】
前記角度調整装置には、確動ロック装置(29、30)が具備される
ことを特徴とする請求項13に記載の偏向レバー。
【請求項15】
前記角度調整装置には、事前に特定された調整段階が定められる
ことを特徴とする請求項12に記載の偏向レバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−299252(P2009−299252A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−121367(P2009−121367)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(598132646)グロツ・ベッケルト コマンディートゲゼルシャフト (77)