説明

ベッドサイドキャビネット

【課題】従来のベッドサイドキャビネットでは横側面側から種々の小物類等の物品の収納に使用できる手段が設けられておらず、本発明は、このような課題を解決することを目的とする。
【解決手段】本発明ではベッドサイドキャビネットの内側に、その横側面に開口部5を有する案内支持部を構成すると共に、小物類の支持体9を、前記開口部を通して前記案内支持部に沿って移動可能とし、前記支持体は、前記案内支持部に係合する奥行方向の係合部を左右側に構成すると共に、左右側の前記案内支持部間に、手前側から奥側に向かって把手部9と空間部とトレイ部11を順次構成しており、前記案内支持部と前記係合部には、前記支持体のトレイ部が前記開口部から突出した状態と、空間部が前記開口部から突出した状態と、把手部が開口部から突出していない状態において、弾性力により位置を保持可能な位置決め保持機構部を構成したベッドサイドキャビネットを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベッドサイドキャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベッドサイドキャビネットは、病院、介護施設又は家庭等でベッドサイド等に置いて使用する収納家具であり、ベッドの利用者が使用する身の回りの小物類等の物品を収納したり、テレビ等を設置するための機能を有している。
【0003】
一般に、ベッドサイドキャビネットにおいては、引き出しや扉を有する収納部は、正面側から使用するように構成されているが、例えば特許文献1や特許文献2に示されるように、横側面にタオル掛けを設けて、横側面側から使用可能に構成されているものも多い。
【0004】
このタオル掛けは、これらの特許文献にも記載されているように、一般に、棒状体から構成されており、即ち、タオル掛けとして使用される横棒の左右側に奥行方向の棒体が形成され、これらの奥行方向の棒体により、横棒が横側面から突出した状態で保持される構成としている。そして、これらの構成では、タオル掛けとしての横棒は、不使用時には、特許文献2に示されるように横側面に当接させて格納状態としたり、特許文献1に示されるように横側面に形成した格納用凹部内に入れて格納状態とするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63−61937号公報
【特許文献2】特許第3636036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来のベッドサイドキャビネットでは、タオル掛けを横側面側から使用可能に構成されているが、それ以外の物品の収納の用途には使用できない。従って、本発明が解決しようとする課題は、従来のベッドサイドキャビネットでは、横側面側から種々の小物類等の物品の収納に使用できる手段が設けられていないことであり、本発明は、このような課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明では、ベッドサイドキャビネットの内側に、その横側面に開口部を有する案内支持部を構成すると共に、小物類の支持体を、前記開口部を通して前記案内支持部に沿って移動可能とし、前記支持体は、前記案内支持部に係合する奥行方向の係合部を左右側に構成すると共に、左右側の前記案内支持部間に、手前側から奥側に向かって、把手部と、空間部と、トレイ部を順次構成しており、前記案内支持部と前記係合部には、前記支持体のトレイ部が前記開口部から突出した状態と、空間部が前記開口部から突出した状態と、把手部が開口部から突出していない状態において、弾性力により位置を保持可能な位置決め保持機構部を構成したベッドサイドキャビネットを提案する。
【0008】
また本発明では、上記の構成において、トレイ部に対応する係合部の外側には内側方向に凹んだ凹部を設け、その凹部内にフック部を設けたベッドサイドキャビネットを提案する。
【0009】
また本発明では、上記の構成において、係合部の保持機構部は、この係合部に設けた弾性変形可能な突出片部であり、案内支持部の保持機構部は、奥行方向の複数個所に設けて、前記突出片部を係合する凹部であるベッドサイドキャビネットを提案する。
【0010】
また本発明では、上記の構成において、把手部は、係合部から上方に屈曲させた構成とし、その下面側に操作用凹部を設けたベッドサイドキャビネットを提案する。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、ベッドサイドキャビネットの横側面の開口部内に位置している支持体を把手部を持って引き出すことにより、トレイ部が前記開口部から突出した状態にもたらすことができ、この状態においては、トレイ部にティッシュ紙や眼鏡、ペットボトル等の小物類を載置すると共に、把手部にタオル類を掛けて支持することができる。
【0012】
トレイ部に対応する係合部の外側に形成した凹部内にフック部を設けたものでは、フック部に、プラスチックフィルム製やその他の買い物袋の把手部を引っ掛けて支持することができる。
【0013】
小物類を支持する必要がない場合には、把手部を持って支持体を移動させて、トレイ部はベッドサイドキャビネット内に位置し、空間部が前記開口部から突出した状態とすることができ、この状態では、従来のタオル掛けと同様に、タオル掛けに用途を限定して使用することができる。
【0014】
そして全く使用する必要がない場合には、支持体の把手部も開口部内に位置させることができ、この場合には、支持体が全く邪魔とならない。
【0015】
把手部は、係合部から上方に屈曲させた構成とし、その下面側に操作用凹部を形成すると、開口部内に位置させた状態においても容易に引出操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明に係るベッドサイドキャビネットの構成及び使用状態を示す斜視図である。
【図2】図2は図1の要部拡大図である。
【図3】図3は本発明に係る支持体の構成を示す斜視図である。
【図4】図4はベッドサイドキャビネットの内側に構成した案内支持部による支持体の格納状態を示す要部斜視図である。
【図5】図5はベッドサイドキャビネットの内側に構成した案内支持部による支持体の使用時における支持状態を示す断面図である。
【図6】図6はベッドサイドキャビネットの内側に構成した案内支持部による支持体の他の使用時における支持状態を示す断面図である。
【図7】図7はベッドサイドキャビネットの内側に構成した案内支持部による支持体の格納状態を示す断面図である。
【図8】図8は図5に示す支持状態における使用状態を示す要部斜視図である。
【図9】図9は図6に示す支持状態における使用状態を示す要部斜視図である。
【図10】図10は支持体の格納状態におけるベッドサイドキャビネットを示す斜視図である。
【図11】図11は図10の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明のベッドサイドキャビネットの実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図11において、符号1はベッドサイドキャビネットを概して示すもので、引出2や扉を有する収納部3が正面側から使用するように構成されており、また内側には横側面4に開口部5を有する案内支持部6を構成している。符号7は、案内支持部6に沿って移動可能とした支持体であり、この支持体7は、前記案内支持部6に係合する奥行方向の係合部8a,8bを左右側に構成すると共に、左右側の前記係合部8a,8b間に、手前側から奥側に向かって、把手部9と、空間部10と、トレイ部11を順次構成している。
【0018】
図3、図4に示される支持体7の実施の形態を更に詳細に説明すると、この支持体7は、トレイ部11に対応する係合部8a,8bの外側に、内側方向に凹んだ凹部12a,12bを形成し、その凹部内にフック部13a,13bを設けている。また把手部9は係合部8a,8bから上方に屈曲させた構成としており、その下面側に操作用凹部14を設けている。
【0019】
支持体7のトレイ部11よりも奥側の係合部8a,8bの先端側には、案内支持部6に設けられた当接部16a,16bに当接して、案内支持部6からの支持体7の抜けを防止するための突出部17a,17bが設けられている。一方、支持体7は、係合部8a,8bの先端が、案内支持部6に当接することにより、奥側方向への所定以上の移動が阻止される。そして突出部17a,17bより手前側の係合部8a,8bの外側に、内側方向に凹んだ凹部18a,18bが設けられ、その凹部18a,18b内に弾性変形可能な円弧状の突出片部19a,19bが設けられている。
【0020】
そしてベッドサイドキャビネット1の案内支持部6には、前記支持体7のトレイ部11が前記開口部5から突出した状態と、空間部10が前記開口部5から突出した状態と、把手部9が開口部5から突出していない状態に対応して、前記突出片部19a,19bを係合する凹部20a,21a,22a;20b,21b,22bが設けられている。
【0021】
以上の構成において、図10、図11に示されるように、支持体7の把手部9が横側面4の開口部5内に位置している状態において、操作用凹部14により把手部9を持って引き出し、最も引き出した状態とすることにより、図1、図2及び図5に示されるように、トレイ部11が前記開口部5から突出した状態にもたらすことができる。
【0022】
この状態は、図5に示されるように、突出片部19a,19bが凹部20a,20bに弾性的に係合することで知ることができ、また仮にそれ以上に引き出した場合には、支持体7の突出部17a,17bが当接部16a,16bに当接するため、抜け出してしまうことはない。
【0023】
この状態においては、図8に示されるように、トレイ部11にティッシュ紙23や眼鏡、ペットボトル24等の小物類を載置すると共に、把手部9にタオル類25を掛けて支持することができる。またフック部13a(13b)に、プラスチックフィルム製やその他の買い物袋26の把手部を引っ掛けて支持することができる。
【0024】
小物類を支持する必要がない場合には、上述と同様に把手部9を持って支持体7を移動させて、図6に示されるように、トレイ部11はベッドサイドキャビネット1内に位置し、空間部10が前記開口部5から突出した状態とすることができ、この状態では、図9に示されるように、従来のタオル掛けと同様に、タオル類25の支持に用途を限定して使用することができる。
【0025】
そして、更にタオル掛けとしても使用する必要がない場合には、図7、図10、図11に示されるように、支持体7の把手部9も開口部5内に位置させることができ、この場合には、支持体7が全く邪魔とならない。
【0026】
このようにこの実施の形態では、把手部9は、係合部8a,8bから上方に屈曲させた構成とし、その下面側に操作用凹部14を形成しているので、開口部5内に位置させた状態においても容易に引出操作を行うことができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ベッドサイドキャビネット
2 引出
3 収納部
4 横側面
5 開口部
6 案内支持部
7 支持体
8a,8b 係合部
9 把手部
10 空間部
11 トレイ部
12a,12b 凹部
13a,13b フック部
14 操作用凹部
16a,16b 当接部
17a,17b 突出部
18a,18b 凹部
19a,19b 突出片部
20a,21a,22a 凹部
20b,21b,22b 凹部
23 ティッシュ紙
24 ペットボトル
25 タオル類
26 買い物袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドサイドキャビネットの内側に、その横側面に開口部を有する案内支持部を構成すると共に、小物類の支持体を、前記開口部を通して前記案内支持部に沿って移動可能とし、前記支持体は、前記案内支持部に係合する奥行方向の係合部を左右側に構成すると共に、左右側の前記案内支持部間に、手前側から奥側に向かって、把手部と、空間部と、トレイ部を順次構成しており、前記案内支持部と前記係合部には、前記支持体のトレイ部が前記開口部から突出した状態と、空間部が前記開口部から突出した状態と、把手部が開口部から突出していない状態において、弾性力により位置を保持可能な位置決め保持機構部を構成したことを特徴とするベッドサイドキャビネット。
【請求項2】
トレイ部に対応する係合部の外側には内側方向に凹んだ凹部を設け、その凹部内にフック部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のベッドサイドキャビネット。
【請求項3】
係合部の保持機構部は、この係合部に設けた弾性変形可能な突出片部であり、案内支持部の保持機構部は、奥行方向の複数個所に設けて、前記突出片部を係合する凹部であることを特徴とする請求項1に記載のベッドサイドキャビネット。
【請求項4】
把手部は、係合部から上方に屈曲させた構成とし、その下面側に操作用凹部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のベッドサイドキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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