説明

ベッド装置

【課題】この発明は基体に床板を回動可能に設けて着たい内部を収容部として利用する場合、基体の側板を補強するようにしたベッド装置を提供することにある。
【解決手段】 上面が開口し内部を収容部とした箱形状の基体1と、基体の一対の側板5の長手方向の一端部の内面に設けられたリンク機構4に長手方向の一端部が連結され基体の上面開口を閉塞した状態から開放する上昇方向に回動可能に設けられた床板3と、床板上に着脱可能に載置されるマットレス23と、基体と上記床板とに一端と他端とを枢着して設けられその付勢力によって上記床板を上記基体の上面開口を開放する回動方向に付勢したガススプリング21と、基体の長手方向中途部に幅方向に沿って設けられ両端が基体の一対の側板の内面に連結された補強部材11と、基体のリンク機構が設けられた側板の長手方向一端部の内面に一側面を対向させて設けられ一端が補強部材の端部に連結され他端が基体の長手方向の端部内面に連結された遮蔽部材26とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は基体を物品の収容部として利用することができるようにしたベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ベッド装置は箱形状の基体を有する。この基体の長手方向一端にはヘッドボードが立設されている。基体の上面には床板が設けられ、この床板の上面にはマットレスが載置される。
【0003】
このような構成のベッド装置において、上記基体の内部空間を小物類を収容するための収容部として利用できるようにしたものがある。基体の内部空間を収容部として利用する場合、上記基体を上面が開口した箱形状に形成するとともに、この基体に対して上記床板を回動可能に連結する。そして、床板を回動上昇させることで、上記基体の上面を開放し、内部空間である収容部に小物類を出し入れできるようにしている。
【0004】
基体を収容部として利用する場合、上記床板の長手方向の一端を上記基体の幅方向一端にリンク機構によって回動可能に連結し、基体の上面開口を開閉可能としている。また、上記床板の回動上昇を軽い力で楽に行なうことができるようにするとともに、倒伏させるときに床板が緩やかに下降するようにするため、基体と床板との間にガススプリングを設けるということが行なわれている。
【0005】
上記リンク機構やガススプリングは、上記床板の下面と、上記基体の側板の内面とに一端と他端とを連結して設けられる。それによって、床板を倒伏させれば、上記リンク機構やガススプリングが基体内部に隠れるから、外観的に良好であるということがある。
【0006】
上記リンク機構やガススプリングを基体の側板に取り付けると、側板にはリンク機構やガススプリングを介して床板やこの床板に載置されるマットレスの重量が加わることになる。とくに、床板を上昇方向に回動させたときには、倒伏状態にあるときよりも側板に加わる荷重が大きくなる。側板に加わる荷重が大きくなると、この側板が基体の幅方向に変形するということがある。とくに、上昇させた床板に不用意な外力を加えた場合、上記側板に加わる荷重が大きくなり、変形も大きくなるということがある。
そこで、従来は、上記基体の側板がリンク機構やガススプリングから受ける荷重によって変形しないよう、側板を厚くし、その側板の剛性を高めるようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、側板を厚くして剛性を高めるようにすると、基体の高重量化やコスト上昇を招くということがあったり、側板をある程度厚くするだけではその変形を確実に防止することが難しいということなどがあった。
【0008】
この発明は、床板を介して基体の側板が荷重を受けても、その荷重によって側板が変形し難いようにしたベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上面が開口し内部を収容部とした箱形状の基体と、
この基体の一対の側板の長手方向の一端部の内面に設けられたリンク機構に長手方向の一端部が連結され上記基体の上面開口を閉塞した状態から開放する上昇方向に回動可能に設けられた床板と、
この床板上に着脱可能に載置されるマットレスと、
上記基体と上記床板とに一端と他端とを枢着して設けられその付勢力によって上記床板を上記基体の上面開口を開放する回動方向に付勢したガススプリングと、
上記基体の長手方向中途部に幅方向に沿って設けられ両端が上記基体の一対の側板の内面に連結された補強部材と、
上記基体の上記リンク機構が設けられた上記側板の長手方向一端部の内面に一側面を対向させて設けられ一端が上記補強部材の端部に連結され他端が上記基体の長手方向の端部内面に連結された遮蔽部材と
を具備したことを特徴とするベッド装置にある。
【0010】
上記補強部材には、長手方向両端部を除く部分の全長にわたって上端面に開放した凹部が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、基体の一対の側板は補強部材によって連結されて補強されるから、側板に加わる床板などの荷重で側板が変形するのを防止することができる。しかも、補強部材の端部と基体の端板にそれぞれ一端と他端を連結して遮蔽部材を設けたから、この遮蔽部材によって、リンク機構が基体内の収容部に露出するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態を説明する。
【0013】
図1乃至図3に示すこの発明のベッド装置は基体1を備えている。この基体1は上面が開口した矩形箱形状に形成されている。この基体1の上面開口は後述する床板3によって開閉されるようになっている。この床板3は上記基体1の平面形状と幅寸法はほぼ同じであるが、長さ寸法がわずかに長い矩形板状をなしていて、その長手方向一端部の幅方向両側部がそれぞれリンク機構4によって後述するごとく上記基体1に回動可能に連結されている。
【0014】
上記基体1は所定の間隔で離間対向した一対の側板5を有する。これら側板5の長手方向一端にはヘッドボード6がL字状の第1の連結具7によって連結固定されている。側板5の長手方向他端にはフットボードを兼ねる側板5と同じ高さ寸法の端板8が第2の連結具9によって連結固定されている。
【0015】
上記一対の側板5の長手方向中間部には、補強部材11が長手方向の一端と他端とを上記側板5の内面に突き合わせてT字状に連結されている。すなわち、上記補強部材11の両端には図6(b)に示すようにナット12が埋め込まれ、このナット12に図4と図5に示すように側板5の外面からねじ13をねじ込むことで、上記補強部材11の両端が上記側板5に連結されている。この補強部材11の両端部を除く部分には長手方向全長にわたって上端面に開放した凹部11aが形成されている。
【0016】
上記基体1の内部は上記補強部材11によって長手方向中途部で区画された第1、第2の収容部14a,14bに形成されている。そして、各収容部14a,143bには薄い板状の底板15がそれぞれ落とし込まれている。
【0017】
上記リンク機構4は、図1乃至図3に示すよう一対の側板5のヘッドボード6側の内面に両端が取り付け固定された第1の取り付け金具16を有する。この第1の取り付け金具16の一端と他端とにはそれぞれ第1のリンク17と、この第1のリンクよりも長尺な第2のリンク18との一端が回動可能に連結されている。
【0018】
これら第1、第2のリンク17,18の他端が上記床板3の長手方向一端部の下面の幅方向両端部に一辺を連結固定した第2の取り付け金具19の他辺に回動可能に連結されている。それによって、上記床板3は一端部を支点として図1に示すように上記基体1の上面開口を閉塞した倒伏状態と、図2に示すように基体1の上面開口を開放した起立状態との間で回動可能となっている。
【0019】
図1に示すように、床板3を倒伏させて基体1の上面開口を閉塞すると、その他端部が端板8よりもわずかに外方へ突出する。それによって、床板3を起立方向に回動させるとき、その突出端の下面に手を掛けることができるようになっている。
【0020】
上記一対の側板5の上記第1の収容部14a内に位置する中途部の内面と、上記床板3の一端部の幅方向両端部とには、それぞれ一端と他端とを連結してガススプリング21が設けられている。一対のガススプリング21は上記床板3を上昇方向に付勢している。したがって、床板3はガススプリング21の付勢力によって軽い力で上昇方向に回動させることができるとともに、倒伏方向に急激に回動するのが阻止されるようになっている。
【0021】
上記床板3の下面の幅方向両端部には補強桟22が長手方向に沿って取り付け固定されている。床板3はこれら一対の補強桟22によって補強され、長手方向に湾曲するのが阻止されている。上記補強桟22は、床板3を倒伏させたときに、補強部材11の凹部11aに対応する位置に設けられている。それによって、補強桟22が補強部材11に当たり、床板3の下面が基体1の上端面に接するのを妨げることがない。すなわち、床板3によって基体1の上面開口を確実に閉塞することができる。
【0022】
上記床板3の上面にはマットレス23が載置される。床板3の長手方向一端には、床板3を起立方向に回動させたとき、マットレス23が床板3上からずれ落ちるのを防止するためのストッパ24が設けられている。
【0023】
図3に示すように上記第1の収容部13aには、側板5の内面に所定間隔で離間して板状の遮蔽部材26が一端を上記補強部材11の凹部11aから外れた端部に連結し、他端を上記基体1のヘッドボード6の内面に連結して設けられている。すなわち、上記遮蔽部材26の一端と他端とには図6(a)に示すようにそれぞれ一対のダボ27が上下方向に所定間隔で突設されていて、これらダボ27を上記補強部材11の両端部とヘッドボード6の両端部とに形成された嵌合孔28(補強部材11に形成された嵌合孔28のみを図6(b)示す)に嵌合させている。
それによって、上記遮蔽部材26は、上記側板5の内面に連結されたリンク機構4とススプリング21とを第1の収容部14a内に露出しないよう覆い隠している。
【0024】
このように構成されたベッド装置によれば、基体1の一対の側板5の中途部に補強部材11を連結したから、この補強部材11によって基体1の側板5が補強される。そのため、床板3を起立方向に回動上昇させたときなどに床板3やマットレス23の重量がリンク機構4やガススプリング21を介して側板5に加わっても、側板5が変形するのを防止することができる。
【0025】
しかも、床板3はその下面の長手方向に沿って設けられた補強桟22によって補強されている。そのため、回動上昇させた床板3に不用意な外力が加わるようなことがあっても、床板3が長手方向に大きく撓むのを防止することができる。
【0026】
上記側板5の内面には、一端をヘッドボード6に連結し、他端を補強部材11に連結して遮蔽部材26を設けるようにした。この遮蔽部材26は上記リンク機構4やガススプリング21が第1の収容部14a内に露出しないように遮蔽している。そのため、第1の収容部14aに衣類などの小物類を収容した場合、上記遮蔽部材26によって小物類がリンク機構4やガススプリング21に接触するのを阻止するから、衣類などが汚れたり、リンク機構4に挟まるなどのことがない。
【0027】
基体1を補強した補強部材11には、長手方向両端部を除く部分の全長にわたって凹部11aを形成した。そのため、基体1内が補強部材11によって第1の収容部11aと第2の収容部11bとに分けられていても、上記凹部11aを利用して第1の収容部11aと第2の収容部11bとに跨る長さのものを収容することができる。つまり、補強部材11によって基体1内が2つの収容部11a,11bに分けられても、基体1とほぼ同じ長さの長尺物を収容することができる、便利である。
【0028】
なお、この発明は上記一実施の形態では、床板のヘッドボード側に位置する一端部を基体にリンク機構によって連結したが、ヘッドノードと反対側の端板側に位置する他端部を基体にリンク機構によって回動可能に連結するようにしても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の一実施の形態を示す床板を倒伏させたベッド装置の側縦断面図。
【図2】床板を上昇させたベッド装置の側縦断面図。
【図3】床板を鎖線で示す基体の平面図。
【図4】基体の一部を破断したベッド装置の正面図。
【図5】側板と補強部材との連結部分の拡大図。
【図6】(a)は遮蔽部材の正面図、(b)は補強部材の正面図。
【符号の説明】
【0030】
1…基体、3…床板、4…リンク機構、5…側板、6ヘッドボード、8…端板、11…補強部材、14a…第1の収容部、14b…第2の収容部、21…ガススプリング、23…マットレス、26…遮蔽部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口し内部を収容部とした箱形状の基体と、
この基体の一対の側板の長手方向の一端部の内面に設けられたリンク機構に長手方向の一端部が連結され上記基体の上面開口を閉塞した状態から開放する上昇方向に回動可能に設けられた床板と、
この床板上に着脱可能に載置されるマットレスと、
上記基体と上記床板とに一端と他端とを枢着して設けられその付勢力によって上記床板を上記基体の上面開口を開放する回動方向に付勢したガススプリングと、
上記基体の長手方向中途部に幅方向に沿って設けられ両端が上記基体の一対の側板の内面に連結された補強部材と、
上記基体の上記リンク機構が設けられた上記側板の長手方向一端部の内面に一側面を対向させて設けられ一端が上記補強部材の端部に連結され他端が上記基体の長手方向の端部内面に連結された遮蔽部材と
を具備したことを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
上記補強部材には、長手方向両端部を除く部分の全長にわたって上端面に開放した凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−95221(P2006−95221A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287757(P2004−287757)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)