説明

ベッド装置

【課題】ベッドフレームの側部に手摺りを容易にしかも確実に取付け固定できるようにしたベッド装置を提供することにある。
【解決手段】ベッドフレーム1と、ベッドフレームのサイドフレーム2間に架設され幅方向両端部に取付け部材8が設けられた床部材7と、少なくとも一方の取付け部材に一辺がねじ止め固定され他辺の一側面がサイドフレームの外面に対向位置するとともに他辺の他側面に支持具18が設けられたブラケット16と、脚部35を有し、その脚部を支持具に挿入してベッドフレームの側部に設けられる手摺りを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はベッドフレームの側部にたとえば手摺りや側柵などの被取付け体が支持されるベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ベッド装置は一対のサイドフレームの長手方向一端にヘッドボードが連結され、他端にフットボードが連結されたベッドフレームを有する。このベッドフレームの一対のサイドフレーム間には床部材が上記サイドフレームの内面に設けられた受け桟に幅方向の両端部を係合させて架設されている。そして、この床部材上にマットレスが載置される。
【0003】
ベッド装置の利用者が老人や体の不自由な人の場合、上記サイドフレームには利用者がマットレス上から起き上がったり、仰臥するときに掴まるための手摺りを設けることがあり、また利用者が就寝中にマットレス上から落ちるのを防止したり、掛け布団がずれ落ちるのを防止するために側柵を設けるなどのことがある。上記側部材には、手摺りや側柵に代わり、利用者が小物類を置くためのテーブルが取付けられるということもある。
【0004】
上記手摺り、側柵或いはテーブルなどの被取付け体は、利用者の頭部側に設けたり、足部側に設けるなど、取付け位置を変更することが要求されることがあり、さらには不要になった場合には利用者の邪魔にならないようにベッドフレームから取り外すことが要求されることもある。
【0005】
特許文献1にはベッドフレームのサイドフレームに手摺りを設けることが示されている。すなわち、特許文献1にはサイドフレームの上端面に開口する2つで1組となる取着孔を形成し、この取着孔に逆コ字状の手摺りに設けられた一対の脚部を着脱可能に挿入支持することが示されている。
【特許文献1】特開平11−309024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ベッド装置を大別すると病院用と家庭用とがあり、病院用のベッド装置はベッドフレームが金属製の場合がほとんどであるため、十分な強度を有する。そのため、金属製のベッドフレームのサイドフレームには手摺りや側柵などを強固に取付けることが可能となる。しかしながら、病院用のベッド装置は、ベッドフレームが金属製であるため、外観的に極めて体裁が悪いので、家庭用のベッド装置として利用するには抵抗が大きい。
【0007】
一方、家庭用のベッド装置の場合、ベッドフレームのほとんどは木製であって、金属製の病院用のベッド装置に比べて外観的に良好である。しかしながら、特許文献1に示されるように、木製のサイドフレームに取着孔を形成し、その取着孔に脚部を挿入して手摺りを取付ける構造であると、利用者がベッド装置に乗り降りする際などに手摺りを掴んだ利用者の荷重がサイドフレームに加わると、その荷重によって木製のサイドフレームは外方へ撓むということがある。
【0008】
サイドフレームが外方へ撓めば、上記手摺りも外方へ振れることになるから、利用者に不安感を与えるということがある。
しかも、サイドフレームに取着孔を形成し、その取着孔に手摺りの脚部を挿入する構造であると、サイドフレームの取着孔が形成された部分は他の部分に比べて強度が大きく低下する。そのため、手摺りに加わる荷重が大きくなった場合にはサイドフレームの取着孔が形成された部分が損傷する虞がある。
【0009】
この発明は、被取付け部材に加わる利用者の荷重によってフレームのサイドフレームが撓んだり、損傷することがないよう、被取付け部材をフレームに強固に取り付けることができるようにしたベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、ベッドフレームと、
このベッドフレームのサイドフレーム間に架設され幅方向の少なくとも一端部に取付け部材が設けられた床部材と、
この床部材の幅方向両端部に設けられた取付け部材と、
少なくとも一方の取付け部材に一辺が固定され他辺の一側面が上記サイドフレームの外面に対向位置するとともに上記他辺の他側面に支持具が設けられたブラケットと、
脚部を有し、その脚部を上記支持具に挿入して上記ベッドフレームの側部に設けられる被取付け体と
を具備したことを特徴とするベッド装置にある。
【0011】
この発明は、ベッドフレームと、
このベッドフレームのサイドフレーム間に架設され幅方向の少なくとも一端部に取付け部材が設けられた床部材と、
少なくとも一方の取付け部材に一端が固定されたブラケットと、
このブラケットの他端に側面を上記サイドフレームの外面に接触させて取付けられる支持具と、
脚部を有し、その脚部を上記支持具に挿入して上記ベッドフレームの側部に設けられる被取付け体と
を具備したことを特徴とするベッド装置にある。
【0012】
上記ブラケットの一辺は上記取付け部材にねじ止め固定されるようになっていて、このブラケットの一辺には、上記ブラケットの取付け位置を上記床部材の幅方向に調整するための長孔が形成されていることが好ましい。
【0013】
上記取付け部材は、断面形状がほぼコ字状であって、上記床部材の上面に位置する上辺はこの床部材の幅方向内方に向かって低く傾斜した傾斜面に形成されていることが好ましい。
【0014】
上記ブラケットは、上記床部材の長手方向に対して位置決め調整可能であることが好ましい。
【0015】
上記被取付け体は一対の脚部を有し、これら脚部を支持する一対の支持具が設けられた一対の上記ブラケットは連結部材によって上記一対の脚部と同じ間隔で連結されていることが好ましい。
【0016】
上記取付け部材は断面形状がほぼコ字状であって、その下辺は上記サイドフレームの内面に設けられ上記床部材の幅方向の両端部が係合支持される受け桟の上面に係合し、浮き上がり防止具によって上記受け桟に保持固定されることが好ましい。
【0017】
上記取付け部材の上記床部材の上面に位置する一辺には、上記床部材の幅方向と交差する長手方向に対して上記ブラケットの一辺をねじ止め固定するためのねじ孔が所定間隔で設けられていることが好ましい。
【0018】
上記被取付け体は一対の脚部を有し、この脚部を支持する支持具を有する一対のブラケットは連結部材によって一対の脚部と同じ間隔で連結されていることが好ましい。
【0019】
上記ベッドフレームは、四隅部に設けられた脚体によって高さ調整可能に支持されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、床部材の幅方向両端部に設けられた取付け部材にブラケットの一辺をねじ止め固定し、このブラケットの他辺の一側面をサイドフレームの外面に対向位置させ、その他辺の他側面に被取付け部材の脚部を挿入支持する支持具を設けた。
【0021】
そのため、被取付け部材に利用者が掴まるなどして荷重が加わると、その荷重はブラケットの一辺が連結された床部材の取付け部材と、ブラケットの他辺が対向するサイドフレームの外面によって受けられるから、サイドフレームが撓むようなことなく、被取付け部材を強固に取り付けることが可能となる。
【0022】
請求項2の発明によれば、被取付け部材に利用者が掴まるなどして荷重が加わると、その荷重はブラケットの一端が連結された床部材の取付け部材と、ブラケットの他端に設けられた支持具の側面が接触するサイドフレームの外面によって受けられるから、サイドフレームが撓むようなことなく、被取付け部材を強固に取り付けることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態の形態を図面を参照しながら説明する。
図1乃至図6はこの発明の第1の実施の形態を示し、図1はベッド装置の斜視図である。このベッド装置はベッドフレーム1を備えている。このベッドフレーム1は所定の間隔で平行に離間対向した木製の一対のサイドフレーム2の長手方向一端にヘッドボード3が連結され、他端にフットボード4が連結されて平面形状が矩形枠状となっている。
【0024】
一対のサイドフレーム2の内面の上下方向の中途部には、図4に示すように受け桟5が長手方向全長にわたって設けられていて、これら受け桟5には上記ベッドフレーム1の長手方向の中途部で分割された金属製の2枚の床部材7が幅方向の両端部を係合させて架設されている。
【0025】
上記床部材7は、上記ベッドフレーム1の幅方向に離間した一対の取付け部材8を有する。この取付け部材8は、図4に示すように下辺8a,側辺8b及び上辺8cによって断面形状がほぼコ字状に形成されていて、上記下辺8aを上記受け桟5の上面に係合させていて、上記上辺8cは床部材7の幅方向内方に向かって低く傾斜した傾斜面となっている。
【0026】
図2(a),(b)に示すように、一対の取付け部材8の長手方向両端部には、断面コ字状の端部材9の長手方向両端部が固着され、中途部には角筒からなる複数の横部材11が両端を上記取付け部材8の側辺8bの内面に固着して所定間隔で配置されている。
【0027】
上記一対の取付け部材8と一対の端部材9とがなす枠内には、複数の鋼線12を格子状に組んだネット13が長手方向の両端部を上記端部材9のコ字状の内面に固着して架設されている。そして、2枚の床部材7の上面には図1に鎖線で示すマットレス14が載置される。
【0028】
図4に示すように、上記床部材7の一対の取付け部材8の上辺8cにはそれぞれ一対の通孔8dがベッドフレーム1の長手方向に対して所定間隔で穿設されている。この通孔8dに対向する上記上辺8cの下面には、2つの対を複数組のナット15(1組のみ図示)が固着されている。
【0029】
上記ナット15の上記取付け部材8の長手方向において隣り合う2組のナット15には、図5に示すようにほぼL字状に屈曲された一対のブラケット16の一辺がねじ17によって取付け固定されている。
【0030】
すなわち、上記ブラケット16の一辺には図4と図5に示すようにその辺の長手方向に沿って長い長孔16aが形成されていて、上記ねじ17はこの長孔16aに挿通されて上記取付け部材8の上辺8cに設けられた上記ナット15に螺合されている。
【0031】
それによって、上記ブラケット16の一辺は、上記取付け部材8の幅方向に対して取付け位置の調整ができるようになっている。そして、上記ブラケット16はその他辺の内面が上記サイドフレーム2の外面に接触するよう取付け位置が調整されている。
【0032】
たとえば、ベッドフレーム1のサイドフレーム2の厚さが変わった場合などに、上記ブラケット16の一辺の上記取付け部材8に対する取付け位置を床部材7の幅方向に対して調整することができる。
【0033】
それによって、サイドフレーム2の厚さが変わっても、ブラケット16の他辺の内面が上記サイドフレーム2の外面に確実に接触するよう、上記ブラケット16を取付け部材8に取り付けることができる。
【0034】
一対の上記ブラケット16の他辺の外面には支持具18が取り付けられている。この支持具18は、図4に示すように断面コ字状で、その上辺に挿入孔19が形成された保持部材21と、この保持部材21の上辺と下辺とに上下端を固着して設けられた支持管22と、上記保持部材21と支持管22を被覆したウレタンフォームなどの弾性材23とによって形成されている。
なお、上記保持部材21の上辺に形成された挿入孔19、下辺の下面及び保持部材21の中間辺の外面は弾性材23に被覆されておらずに露出している。
【0035】
上記支持具18の保持部材21の中間辺には一対のねじ孔25が形成されている。そして、支持具18は中間辺の外面をブラケット16の他辺の外面に接触させ、上記ねじ孔25に上記ブラケット16の他辺から皿ビス26を螺合させることで、上記ブラケット16の他辺に取付け固定されている。
【0036】
図5と図6に示すように、一対のブラケット16は、支持具18が設けられた他辺が帯板状の連結部材27によって連結されている。それによって、一対の保持具18を一体に取り扱うことができるから、床部材7の取付け部材8に対して着脱する際などの作業性を向上させることができる。
【0037】
図4に示すように、上記床部材7の一対の取付け部材8の上記受け桟5に係合した下辺8aは断面コ字状の浮き上がり防止具30によって上記受け桟5に保持固定される。すなわち、浮き上がり防止具30は上辺を上記取付け部材8の下辺8aの上面に係合させ、下辺にはナット28が固着され、このナット28には止めねじ29が螺合されている。
【0038】
そして、この止めねじ29を締め込むことで、上記取付け部材8が上記受け桟5に固定されるようになっている。それによって、上記床部材7は上記受け桟5から浮き上がるのが阻止される。
【0039】
図1と図6に示すように、上記ベッドフレーム1の幅方向の一側に設けられた一対の支持具18には、被取付け部材としての側柵兼用の手摺り31が設けられている。この手摺り31は矩形枠状の外枠32を有し、この外枠32内には横桟33及び複数の縦桟34が設けられているとともに、一対の脚部35が上記一対の支持具31と同じ間隔で設けられている。
【0040】
そして、上記手摺り31は一対の脚部35を上記支持具31の上面に開口した挿入孔19から支持管22に挿入することで、上記ベッドフレーム1の一側に着脱可能に保持される。
【0041】
このような構成のベッド装置によれば、利用者がマットレス14上で起き上がったり、ベッド装置に乗り降りする際などに手摺り31に掴まると、手摺り31の脚部35が挿入支持された支持具18に利用者の荷重が加わる。
【0042】
上記支持具18はブラケット16の他辺の外面に取付けられており、この他辺の内面はベッドフレーム1のサイドフレーム2の外面に接触している。さらに、ブラケット16の一辺は床部材7の取付け部材8の上辺8cにねじ止め固定されている。
【0043】
そのため、手摺り31に加わる利用者の荷重は、上記ブラケット16を介してサイドフレーム2と床部材7によって受けられることになるから、サイドフレーム2だけで荷重を受ける場合に比べ、サイドフレーム2に掛かる負担が低減される。
【0044】
サイドフレーム2に掛かる荷重の負担が低減されれば、ベッドフレーム1が木製であって、そのサイドフレーム2が十分な強度を備えていなくても、このサイドフレーム2がベッドフレーム1の幅方向外方へ大きく撓むのを防止することができる。
【0045】
しかも、ブラケット16の支持具18が設けられた他辺の内面はサイドフレーム2の外面に接触しているだけで、固定されていない。そのため、手摺り31にベッドフレーム1の幅方向内方に向かう力が作用しても、その力はブラケット16の他辺から一辺に伝達され、その一辺が連結された床部材7によって受けられるから、その力がサイドフレーム2をベッドフレーム1の幅方向外方に撓ませる力として作用するということもない。
【0046】
つまり、手摺り31に作用する利用者の荷重のほとんどはブラケット16を介して床部材7によって受けられ、サイドフレーム2に加わることがほとんどないから、サイドフレーム2の変形を招くことなく、手摺り31に加わる荷重を受けることができる。
【0047】
上記床部材7の幅方向両端部に設けられた取付け部材8の下辺8aは浮き上がり防止具30によって受け桟5に固定されている。そのため、手摺り31に加わる利用者の荷重をブラケット16を介して床部材7で受けるようにしても、その床部材7が受け桟5上でばたつくことがないから、上記荷重を床部材7によって確実に受けることができる。
【0048】
上記ブラケット16の一辺には長孔16aが形成され、この長孔16aを介してブラケット16は床部材7の取付け部材8にねじ17によって取付け固定される。そのため、ブラケット16の一辺の床部材7の幅方向に対する取付け位置を調整することができるから、上記ブラケット16の他辺の内面をサイドフレーム2の外面に確実に接触させることができる。
【0049】
それによって、ブラケット16の他辺がサイドフレーム2の外面によって屈曲方向に湾曲変形するのが阻止されるから、そのことによってブラケット16の他辺に設けられた支持具18に保持された手摺り31がブラケット16の他辺を屈曲させてベッドフレーム1の幅方向外方へ傾くのを防止することができる。
【0050】
床部材7の幅方向両端部に設けられた取付け部材8の上辺8cは幅方向内方に向かって傾斜した傾斜面に形成されている。そのため、床部材7上に載置され幅方向両端部の下面が上記上辺8cによって支持されたマットレス14は、傾斜した上辺8cによって幅方向にずれ動き難くなる。つまり、マットレス14は床部材7上に安定した状態で載置することができる。
【0051】
上記第1の実施の形態では取付け部材8の上辺8cの下面にナット15を固着し、このナット15にブラケット16の一辺をねじ17によって取付け固定するようにしたが、上記ねじ17が挿通される上記取付け部材8の上辺に形成される通孔8dをベッドフレーム1の長手方向に沿って長い長孔とするとともに、上記ナット15をブラケット16に対して固定せず、上記ねじ17を螺合させるようにしてもよい。
【0052】
このようにすれば、ブラケット16をベッドフレーム1の長手方向に対して位置決め調整することができるから、ベッドフレーム1の長手方向に対する支治具18の位置を調整することができる。
【0053】
とくに、手摺り1の一対の脚部35を支持する一対の支治具18の取り扱いを容易化するため、これら支治具18を連結部材27によって連結しないことがある。そのような場合、支治具18の取付け位置をベッドフレーム1の長手方向に対して調整することができるようにすれば、一対の脚部35の間隔が一定でなくとも、一対の脚部35を一対の支治具18によって確実に支持することが可能となる。
【0054】
なお、ブラケット16をベッドフレーム1の長手方向に対して位置決め調整可能とする構成は上述した構成に限定されず、他の構成であっても差し支えない。
【0055】
図7乃至図11はこの発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態は上記第1の実施の形態とベッドフレーム、支持具及びブラケットの構成が相違している。
すなわち、この実施の形態のベッドフレーム1Aは第1の実施の形態のベッドフレーム1に比べて高さ寸法が低く設定されている。上記ベッドフレーム1Aは、図7乃至図9に示すように第1の実施の形態のサイドフレーム2に比べて高さ寸法が小さな一対のサイドフレーム41と、これらサイドフレーム41の長手方向一端と他端とに連結された、サイドフレーム41と同じ高さ寸法の一対のエンドフレーム42によって構成されている。上記サイドフレーム41は縦部材41aと横部材41bとによって断面形状がL字状となっている。
【0056】
上記ベッドフレーム41に支持された一対の床部材7の上面、つまりネット13上にはそれぞれ平板状の載置板43が載置されている。各載置板43は上記床部材7に対して面上ファスナなどの保持部材44によって着脱可能に保持されている。
【0057】
そして、これら載置板43に寝具としての図示しない布団が設けられる。布団に代わり第1の実施の形態のようにマットレス14を載置する場合、床部材7上に載置板43を設けなくともよい。
【0058】
なお、ベッドフレーム1Aの高さを低くしたため、サイドフレーム41の内面に設けられる受け桟5の下面と床面や畳面との間に隙間が形成されないから、第1の実施の形態のように床部材7は浮き上がり防止具30によって上記受け桟5に保持することができない。
【0059】
ベッドフレーム41の一側と他側には被取付け部材としての手摺り31を支持するそれぞれ一対の支持具118がブラケット116によって取り付けられている。この実施の形態では手摺り31はベッドフレーム41の一側だけに設けられているが、その手摺り31を必要に応じて他側に取り付けたり、或いは両側に設けるようにしてもよい。
【0060】
上記ブラケット116は図10(a)〜(c)と図11に示すように平面形状が直線状で、側面形状がへの字状に屈曲している。上記ブラケット116の一端部には長孔116aが形成され、他端部には上記支持具118が取り付けられている。
【0061】
上記支持具118は図11に示すように支持管45を有する。この支持管45は上記ブラケット116の他端部に穿設された取付け孔46に上端が嵌合され、溶接などによって固定されている。この支持管45の外周面には合成樹脂によって成形されたカバー47が被着されている。
【0062】
上記カバー47は、図10(a)と図12に示すように内筒体47aと外筒体47bとが複数の連結片47cによって十分な強度で一体的に連結されている。上記内筒体47aの内面には一対の突起47dが突設され、上記外筒体47bの外周面の一部は平坦面47eに形成されている。この平坦面47eには図10(a),(b)に示すようにシート状のクション部材48が貼着されている。
【0063】
上記支持管45の周壁には一対の係合孔45aが穿設されていて、上記内筒体47aを上記支持管45に装着すると、図10(a)に示すように上記突起47dが上記係合孔45aに係合して上記カバー47が上記支持管45に装着保持される。このとき、上記外筒体47bに形成された平坦面47eは上記ブラケット116の一端側を向いている。
【0064】
上記ブラケット116は、その一端部に形成された長孔116aを介して上記ベッドフレーム1Aの幅方向両側に設けられた取付け部材8の上辺8cに形成されたねじ孔15aにねじ17を螺合して取付け固定される。なお、図10(a)ではブラケット116に対して取付け部材8が長孔116aを介して相対的に移動した状態を鎖線で示している。
【0065】
上記ねじ117は上記ブラケット116の長孔116aに挿通されているから、このブラケット116をベッドフレーム1Aの幅方向に対して位置決め調整可能となっている。それによって、ブラケット116は、上記カバー47の外筒体47bの平坦面47eがサイドフレーム41の外面に接触するよう、ベッドフレーム1Aの幅方向に対して位置決めされる。
【0066】
そして、手摺り31は、その一対の脚部35がベッドフレーム1Aの一側に設けられた一対の支持具118の支持管45に挿入されて支持される。詳細は図示しないが、脚部35の下端部は上記支持管45に挿入支持される部分が支持管45の内径寸法とほぼ同径で、それより上の部分は大径となっている。それによって、脚部35は上記支持管45に所定寸法挿入した位置で保持されるようになっている。
【0067】
なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部には同一記号を付して説明を省略する。
このような構成によれば、第1の実施の形態と同様、利用者の荷重が手摺り31の脚部35が挿入支持された支持具118に加わると、その荷重は上記ブラケット116を介して支持具118の平坦面47cが接触したサイドフレーム41の外面と、ブラケット116が取り付けられた床部材7の幅方向両端に設けられた取付け部材8によって受けられることになる。そのため、サイドフレーム41だけで荷重を受ける場合に比べ、サイドフレーム41に掛かる負担を第1の実施の形態と同様、低減させることができる。
【0068】
図13はこの発明の第3の実施の形態を示すベッド装置の斜視図である。この実施の形態のベッドフレーム1Bは第2の実施の形態のベッドフレーム1Aとほぼ同じ構成であるが、ベッドフレーム1Bは四隅部に設けられた脚体51によって支持されているという点で相違している。
【0069】
上記脚体51は上記ベッドフレーム1Bの下面に上端が連結固定された固定部51aと、この固定部51aに対して長さ調整可能に設けられた可動部51bによって構成されている。それによって、ベッドフレーム1Bの支持高さを利用者の好みなどによって調整することができるようになっている。
【0070】
なお、この第3の実施の形態において、ベッドフレーム1Bの長さ寸法やベッドフレーム1Bに設けられる床部材7の数は限定されるものでなく、さらにベッドフレーム1Bは第1の実施の形態のベッドフレーム1とほぼ同じ構成であってもよい。
【0071】
この発明は上記各実施の形態に限定されず、たとえば上記各実施の形態では床部材を金属製としたが、木製であってもよく、その場合、床部材の幅方向両端部に金属製の取付け部材を取付けるようにすれば、ブラケットの一辺若しくは一端部を床部材に強固に連結固定することができる。
【0072】
第1の実施の形態では床部材の幅方向両端部に設けられた一対の連結部材を浮き上がり防止具によって受け桟に固定するようにしたが、手摺りがベッドフレームの幅方向一側だけに設けられる場合には手摺りが設けられた一側と反対側に位置する幅方向他側の連結部材だけを浮き上がり防止具によって受け桟に固定するようにしてもよい。
【0073】
さらに、上記各実施の形態では被取付け部材として手摺りや側柵を例に挙げて説明したが、テーブルであってもよく、その場合支持具に支持される脚部は1つのことがあるから、脚部が1つであればベッドフレームの側部に支持具を1つ設けるだけでもよいことになる。
【0074】
また、第1、第2の実施の形態では床部材が2枚に分割されている場合について説明したが、床部材は1枚であってもよく、或いは3枚以上に分割されていてもよい。
【0075】
また、床部材の幅方向両端部に取付け部材を設けたが、幅方向の一端部だけに取付け部材が設けられた床部材であっても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示すベッド装置の斜視図。
【図2】(a)は床部材の平面図、(b)は同じく側面図。
【図3】床部材の幅方向の一端部を拡大して示す側面図。
【図4】ブラケットと床部材の連結構造を示す断面図。
【図5】床部材の取付け部材に一対の支持具を取付けた状態を示す斜視図。
【図6】ベッドフレームの手摺りが取付けられた部分を示す正面図。
【図7】この発明の第2の実施の形態のベッド装置を示す斜視図。
【図8】同じく平面図。
【図9】ベッドフレーも幅方向に沿う断面図。
【図10】(a)〜(c)はブラケット及びこのブラケットの端部に設けられた支持具を示す三面図。
【図11】ブラケットの端部に支持具の支持管が取り付けられた状態を示す断面図。
【図12】支持管に装着されるカバーの横断面図。
【図13】この発明の第3の実施の形態を示すベッド装置の斜視図。
【符号の説明】
【0077】
1,1A,1B…ベッドフレーム、2,41…サイドフレーム、5…受け桟、7…床部材、8…取付け部材、16,116…ブラケット、18,118…支持具、27…浮き上がり防止部材、31…手摺り(被取付け体)、35…脚部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドフレームと、
このベッドフレームのサイドフレーム間に架設され幅方向の少なくとも一端部に取付け部材が設けられた床部材と、
少なくとも一方の取付け部材に一辺が固定され他辺の一側面が上記サイドフレームの外面に対向位置するとともに上記他辺の他側面に支持具が設けられたブラケットと、
脚部を有し、その脚部を上記支持具に挿入して上記ベッドフレームの側部に設けられる被取付け体と
を具備したことを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
ベッドフレームと、
このベッドフレームのサイドフレーム間に架設され幅方向の少なくとも一端部に取付け部材が設けられた床部材と、
少なくとも一方の取付け部材に一端が固定されたブラケットと、
このブラケットの他端に側面を上記サイドフレームの外面に接触させて取付けられる支持具と、
脚部を有し、その脚部を上記支持具に挿入して上記ベッドフレームの側部に設けられる被取付け体と
を具備したことを特徴とするベッド装置。
【請求項3】
上記ブラケットの一辺は上記取付け部材にねじ止め固定されるようになっていて、このブラケットの一辺には、上記ブラケットの取付け位置を上記床部材の幅方向に調整するための長孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベッド装置。
【請求項4】
上記ブラケットは、上記床部材の長手方向に対して位置決め調整可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のベッド装置。
【請求項5】
上記被取付け体は一対の脚部を有し、これら脚部を支持する一対の支持具が設けられた一対の上記ブラケットは連結部材によって上記一対の脚部と同じ間隔で連結されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベッド装置。
【請求項6】
上記取付け部材は、断面形状がほぼコ字状であって、上記床部材の上面に位置する上辺はこの床部材の幅方向内方に向かって低く傾斜した傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベッド装置。
【請求項7】
上記取付け部材は断面形状がほぼコ字状であって、その下辺は上記サイドフレームの内面に設けられ上記床部材の幅方向の両端部が係合支持される受け桟の上面に係合し、浮き上がり防止具によって上記受け桟に保持固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベッド装置。
【請求項8】
上記取付け部材の上記床部材の上面に位置する一辺には、上記床部材の幅方向と交差する長手方向に対して上記ブラケットの一辺をねじ止め固定するためのねじ孔が所定間隔で設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベッド装置。
【請求項9】
上記被取付け体は一対の脚部を有し、この脚部を支持する支持具が設けられた一対のブラケットは連結部材によって一対の脚部と同じ間隔で連結されていることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【請求項10】
上記ベッドフレームは、四隅部に設けられた脚体によって高さ調整可能に支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−110192(P2008−110192A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20001(P2007−20001)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)