説明

ベッド装置

【課題】ベッド本体の側部材に側柵を容易にしかも確実に取付け固定できるようにしたベッド装置を提供することにある。
【解決手段】側柵を支持する短管26を有する支持部材25と、支持部材に突設されベッドフレーム2の側部材3の側面に設けられた取付け孔32a,32bに挿通される取付けねじ29と、取付け孔に挿通された取付けねじの端部に螺合され支持部材を側部材に着脱可能に取付け固定するめねじ38と、取付け孔に挿通された取付けねじにめねじを螺合して支持部材を側部材に固定する前に、支持部材が取付け孔に挿通支持された取付けねじを中心とする回転方向に動くのを阻止する係合孔27dと係合ピン36を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はベッド本体の側部材にたとえば手摺りや側柵などの被取付け体が支持されるベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ベッド装置は一対の側部材の長手方向一端にヘッドボードが連結され、他端にフットボードが連結されてベッド本体が構成されている。このベッド本体の一対の側部材間には床板が上記側部材の内面に設けられた受け桟に幅方向の両端部を係合させて架設されている。そして、この床板上にマットレスが載置される。
【0003】
ベッド装置を老人や体の不自由な人が利用する場合、上記側部材には利用者がマットレス上から起き上がったり、仰臥するときに掴まるための手摺りを設けたり、利用者が就寝中にマットレス上から落ちるのを防止したり、掛け布団がずれ落ちるのを防止するためなどに側柵を設けるようにしている。上記側部材には、手摺りや側柵に代わり、利用者が小物類を置くためのテーブルが取付けられるということもある。
【0004】
上記手摺り、側柵或いはテーブルなどの被取付け体は、利用者の頭部側に設けたり、足部側に設けたりすることが要求されることがあり、さらには不要になった場合にはベッド装置の利用者の邪魔にならないように側柵から取り外すことが要求される。すなわち、上記被取付け体は、上記ベッド装置の側柵に対して取付け位置の変更及び着脱可能であることが要求される。
【0005】
特許文献1には側柵の支持装置が示されている。この特許文献1に示された支持装置は上部材と、この上部材に一端が枢着された下部材を有し、この下部材の他端は上記上部材に止めねじによって固定することができるようになっている。
【0006】
上記上部材の一端部には凹部が形成され、この凹部をベッドフレームの側部材に係合させて上記下部材の他端を止めねじによって上記上部材に固定することで、上部材と下部材とが上記側部材に固定される。
【0007】
上記上部材の他端には回動部材が枢着され、この回動部材には側柵の脚部が挿入支持される支持孔が形成されている。したがって、上記側部材の上記被取付け体を設ける位置に上記支持装置を取付け、この支持装置の支持孔に被取付け体の脚部を差し込むことで、被取付け体を所望する位置に着脱可能に取り付けることができるようになっている。
【特許文献1】特開平9−131242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述した従来の支持装置は、側部材に取付け固定するために、この側部材を挟持する構造であるから、上部材及びこの上部材に一端が枢着された下部材が必要となり、さらに被取付け部材の脚部を支持するための支持孔を有する回動部材を上記上部材に枢着しなければならない。
【0009】
そのため、支持装置を構成する部品点数が多くなるばかりか、構造が複雑化するということがあり、その点で改良が望まれていた。しかも、支持装置は上部材と下部材とが側部材を挟持して固定されている。そのため、この支持装置を側部材に対して着脱する際、上部材に対して下部材を開かなければならないから、ベッドフレームに載置された床フレームやこの床フレームに載置されたマットレスを除去しなければ、上記支持装置を側部材に対して着脱することができず、不便であるということもある。
【0010】
この発明は、被取付け部材を支持するための支持部材を、簡単な構造であって、しかもベッドフレームの側部材に対して容易に着脱したり、取付け位置を変更することができるベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、ベッドフレームの側部材に被取付け体が保持されるベッド装置であって、
上記被取付け体を支持する支持部を有する支持部材と、
この支持部材に突設され上記ベッドフレームの側部材の側面に設けられた取付け孔に挿通される取付けねじと、
上記取付け孔に挿通された上記取付けねじの端部に螺合され上記支持部材を上記側部材に着脱可能に取付け固定するめねじと、
上記取付け孔に挿通された上記取付けねじに上記めねじを螺合して上記支持部材を上記側部材に固定する前に、この支持部材が上記取付け孔に挿通支持された上記取付けねじを中心とする回転方向に動くのを阻止する回転防止手段と
を具備したことを特徴とするベッド装置にある。
【0012】
上記回転防止手段は、
上記取付けねじが挿通される通孔が形成され上記側部材とこの側部材に取付けられる上記支持部材との間に介在して上記側部材に回転不能に保持されるスペーサと、
上記スペーサと上記支持部材のどちらか一方に突設された係合ピン及び他方に設けられ上記係合ピンが係合して上記支持部材が上記取付け孔に挿通された上記取付けねじを中心として回転するのを阻止する係合孔と
によって構成されていることが好ましい。
【0013】
上記回転防止手段は、上記支持部材と上記側部材のどちらか一方に突設された係合ピン及び他方に設けられ上記係合ピンが係合して上記支持部材が上記取付け孔に挿通された上記取付けねじを中心として回転するのを阻止する係合孔と
によって構成されていることが好ましい。
【0014】
この発明は、ベッドフレームの側部材に一対の脚部を有する被取付け体が保持されるベッド装置であって、
上記脚部を支持する支持部を有する一対の支持部材と、
この支持部材に突設され上記ベッドフレームの側部材の側面に上記一対の脚部と対応する間隔で設けられた取付け孔に挿通される取付けねじと、
上記取付け孔に挿通された上記取付けねじの端部に螺合され上記支持部材を上記側部材に着脱可能に取付け固定するめねじと、
上記取付け孔に挿通された上記取付けねじに上記めねじを螺合して上記支持部材を上記側部材に固定する前に、この支持部材が上記取付け孔に挿通支持された上記取付けねじを中心とする回転方向に動くのを阻止する回転防止手段を具備し、
上記回転防止手段は、
一端部と他端部とに上記一対の支持部材に突設された上記取付けねじが挿通される通孔が上記一対の脚部と対応する間隔で形成され各通孔に上記取付けねじがそれぞれ挿通されて上記一端部と他端部とが上記側部材と一対の支持部材との間に介在するスペーサと、
このスペーサと上記支持部材のどちらか一方に突設された係合ピン及び他方に設けられ上記係合ピンが係合して上記支持部材が上記取付け孔に挿通された上記取付けねじを中心として回転方向に動くのを阻止する係合孔とによって構成されていることを特徴とするベッド装置にある。
【0015】
この発明はベッドフレームの側部に被取付け体が保持されるベッド装置であって、
上記被取付け体を支持する支持部を有する支持部材と、
この支持部材に突設され上記ベッドフレームの側部材の側面に設けられた取付け孔に挿通される取付けねじと、
上記側部材から突出した上記取付けねじの端部に螺合され上記支持部材を上記側部材に着脱可能に取付け固定するめねじと
を具備したことを特徴とするベッド装置にある。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、被取付け体を支持する支持部を有する支持部材に取付けねじを突設し、この取付けねじをベッドフレームの側部材の側面に設けられた取付け孔に挿通してめねじによって固定するため、少ない部品点数によって簡単な構造とすることができるばかりか、側部材に対する着脱も容易に行なうことができ、しかも側部材に設けられる取付け孔の数によって取付け位置の変更も容易に行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図6はこの発明の第1の実施の形態を示し、図1(a),(b)はこの発明のベッド装置を示し、このベッド装置は同図(b)に示すようにベースフレーム1を備えている。このベースフレーム1にはベッドフレーム2が図示しない上下駆動機構によって上下駆動可能に設けられている。
【0018】
上記ベッドフレーム2は所定間隔で平行に離間した一対の側部材3を有する。これら側部材3の長手方向一端にはヘッドボード4が連結固定され、他端にはフットボード5が連結固定されている。
【0019】
上記ベッドフレーム2の内部には、複数の床部、この実施の形態では6枚の床部6a〜6fに分割されるとともに、隣り合う床部が回動可能に連結された床板体7が、上記側部材3の内面に幅方向の両端部を後述するように係合させて保持されている。上記床板体7の上面にはマットレス(図示せず)が載置される。
【0020】
上記ベッドフレーム2には図示しない背上げ機構が設けられている。この背上げ機構は上記床板体7のうちの、ベッドフレーム2の長手方向中央部に位置する2枚の床部6c、6dを除くヘッドボード4側とフットボード5側に位置するそれぞれ2枚の床部6a,6b及び6e,6fを起伏駆動することができるようになっている。それによって、上記マットレス上に仰臥した利用者の上半身を起こしたり、脚部を上昇させて保持するなどのことができるようになっている。
【0021】
上記側部材2は図2に示すように金属製の角パイプからなる中間部材11を有する。この中間部材11の上面には木材や合成樹脂によって帯板状に形成された第1の部材12が設けれ、下面には同じく帯板状の第2の部材13が設けられる。上記中間部材11は第1、第2の部材12,13よりもベッドフレーム2の幅方向に沿う厚さ寸法が大きく設定されている。
【0022】
第1、第2の部材12,13は外面を中間部材11の外面と面一にして配置されている。そして、第1、第2の部材12,13と中間部材11は、一辺を第1、第2の部材12,13の内面に固定し、他辺を中間部材11の上下面固定した断面形状がL字状の一対の連結部材16によって一体的に連結されている。つまり、側部材3は上下方向に対して三分割されている。
【0023】
上記中間部材11の厚さ方向の一端部は第1、第2の部材12,13の内面よりもベッド本体1の幅方向内方に突出していて、その突出部分には上記床板体7が幅方向の両端部を係合させて設けられている。第1の床板15の上下方向の厚さ寸法は第1の部材12の高さ寸法とほぼ同じに設定されている。それによって、床板体12の上面が側部材3の上端から上方へ突出しないようになっている。
【0024】
上記第1の部材12は第2の部材13よりも高さ寸法が小さく設定されている。そのため、第1の部材12と第2の部材13を中間部材11に対して上下逆にして設ければ、この第2の部材13の高さ寸法に対応する厚さ寸法の床板体7を、上面が側部材2の上端から上方へ突出しない状態でベッド本体1に架設することができる。つまり、側部材2を上下方向に三分割したことで、厚さの異なる厚さの床板体7を、上面が側部材2の上端から上方へ突出しないよう架設することができる。
【0025】
しかも、中間部材11の厚さ寸法を第1、第2の部材12,13の厚さ寸法よりも大きくし、その厚さ方向の一端部を第1、第2の部材12,13の内面側に突出させた。そのため、中間部材11の突出した幅方向の一端部に床板体7幅方向両端部を係合させて支持することができる。つまり、側部材2の内面に床板体7を架設するための受け桟を設けなくてすむ。
【0026】
上記ベッド本体1の一側には図1(b)に示すように被取付け体としての側柵21が取付けられる。この側柵21はパイプ材を矩形枠状に形成した枠部22aと、この枠部22aの幅方向の中途部に垂設された一対の脚部22bとによって形成されている。
なお、側柵21の上端は角パイプが用いられ、この角パイプの上面には利用者が手を掛けたときの滑り止めを兼ねるクッションシート23が貼着されている。
【0027】
上記側柵21は一対の支持部材25によって上記側部材2に支持される。この支持部材25は、図2と図3に示すように内径寸法が上記脚部22bの外径寸法よりもわずかに小さく設定された短管26を有する。この短管26には板材を側面形状がコ字状となるよう曲成した取付け部材27がその上辺27aと下辺27bを上記短管26の上端と下端とに溶接などによって固定して設けられている。
【0028】
図3(c)に示すように、上記上辺27aには上記短管26の上端が嵌合される上部孔28aが形成され、下辺27bは上記短管26の下端面に固定され、この下辺27bには上記短管26の内径寸法よりも小径な下部孔28bが形成されている。それによって、上記短管26に挿入された上記脚部22bは上記下辺27bによって上記短管26内に支持されるようになっている。つまり、短管26は側柵21の脚部22bを支持する支持部を形成している。
【0029】
上記取付け部材27の中間辺27cの上部には、一端部におねじ29aが形成された取付けねじ29の他端部が溶接などによって固定されている。この取付けねじ29は、軸線を上記短管26の軸線と直交させている。つまり、取付けねじ29は上記取付け部材27の中間辺27cに垂直に設けられている。
そして、上記短管26の外周面は、上記取付け部材27の中間辺27cの外面を除く部分がウレタンフォームなどの弾性材31によって被覆されている。
【0030】
上記構成の支持部材25は上記側部材3の中間部材11に着脱可能に取付け固定される。すなわち、上記中間部材11には、図2に示すように上記ベッドフレーム2の幅方向に位置する一対の側面のうちの外面に第1の取付け孔32aが穿設され、内面には第1の取付け孔32aに対向する位置に第2の取付け孔32bが穿設されている。第1の取付け孔32aは上記取付けねじ29とほぼ同径であって、第2の取付け孔32bは上記おねじ29aとほぼ同径に形成されている。
なお、中間部材11には、上記第1、第2の取付け孔32a,32bが上記側柵21に設けられた一対の脚部22bの間隔と対応する間隔で複数形成されている。
【0031】
上記支持部材25はスペーサ34を介して上記側部材3の外面に取付け固定される。上記スペーサ34は図4(a),(b)に示すように帯状の板材によって連結部34a及びこの連結部34aの一端と他端にそれぞれ介在部34bが一体に形成されている。
【0032】
一対の介在部34bには上記取付けねじ29が挿通される通孔35が形成されているとともに、上記取付け部材27の中間辺27cの下部に形成された係合孔27d(図3(d)に示す)に係合する係合ピン36が突設されている。
【0033】
上記スペーサ34の一対の通孔35は、上記中間部材11に形成された第1、第2の取付け孔32a,32bの間隔、つまり側柵21に設けられた一対の脚部22bと対応する間隔で形成されている。
【0034】
一対の支持部材25を側部材3に取付けるには、まず、図5(a)〜(c)に示すようにスペーサ34の一対の介在部34bに設けられた通孔35に上記支持部材25に突設された取付けねじ29を挿入し、図2に示すように上記支持部材25の取付け部材27の中間辺27cに形成された係合孔27dを上記スペーサ34の介在部34bに突設された係合ピン36に係合させる。
【0035】
それによって、一対の支持部材25は上記スペーサ34によって間隔が設定されるとともに、係合孔27dと係合ピン36との係合によって取付けねじ29を回転中心とする回転方向に対して位置決めされる。つまり、一対の支持部材25は短管26の軸線が平行になる状態で位置決めされ、その状態で回転不能に保持される。
【0036】
このようにしてスペーサ34に一対の支持部材25を保持したならば、スペーサ34の介在部34bから突出した一対の支持部材25の取付けねじ29をベッドフレーム2の側部材3の中間部材11の側面に形成された第1の取付け孔32aにそれぞれ挿入し、その先端部に形成されたおねじ29aを第2の取付け孔32bから上記中間部材11の内面に突出させる。
【0037】
そして、図2に示すように上記第2の取付け孔32bから突出したおねじ29aにめねじ38を螺合することで、上記支持部材25はスペーサ34を介して上記側部材3の中間部材11に着脱可能に取付け固定される。
【0038】
このようにして、上記側部材3に一対の支持部材25を取付け固定したならば、これら支持部材25の短管26には図1(b)に示すように上記側柵21の一対の脚部22bが挿入保持される。
【0039】
このような構成のベッド装置によれば、ベッドフレーム2に側柵21を保持するための支持部材25は短管26にコ字状の取付け部材27を取付け、この取付け部材27に取付けねじ29を突設しただけの構成である。そのため、側柵21をベッドフレーム2に支持ずる構造は、部品点数が少なく、構造も簡単であるから、比較的安価に提供することができる。
【0040】
一対の支持部材25を上記側部材3に取付ける際、支持部材25と側部材3との間にスペーサ34を介在させるようにした。スペーサ34は一対の介在部34bを有し、これらの介在部34bには支持部材25に突設された取付けねじ29が挿通される通孔35が形成されている。そのため、一対の支持部材25の取付けねじ29を上記側部材3に形成された第1、第2の取付け孔32a,32bに挿入すれば、上記スペーサ34は側部材3に対して回転不能に保持される。
【0041】
上記スペーサ34には支持部材25の取付け部材27に形成された係合孔27dに係合する係合ピン36が設けられている。そのため、上記取付けねじ29を上記側部材3に形成された第1、第2の取付け孔32a,32bに挿入することで、上記側部材3にスペーサ34を介して保持された一対の支持部材25は、上記係合孔27dと係合ピン36との係合によって上記取付けねじ29の軸芯を中心とする回転方向に対して動くことのない状態で位置決めされる。
【0042】
それによって、上記第2の取付け孔32bから突出した上記取付けねじ29のおねじ29aにめねじ38を螺合して支持部材25を側部材3に固定する際、上記支持部材25が上記取付けねじ29の軸芯を中心にして回転方向に動くのが阻止される。
【0043】
そのため、一対の支持部材25はそれら短管26の軸線が垂直な状態で上記側部材3に固定されるから、固定された一対の支持部材25の短管26に側柵21の脚部22bを確実に挿入して支持することができる。
【0044】
つまり、支持部材25を側部材3にめねじ38を締め込んで固定する際、その支持部材25が回転方向に動くことがないから、上記支持部材25の取付け固定、つまりベッドフレーム2に対する側柵21の取付けを容易に、しかも確実に行なうことができる。
【0045】
上記支持部材25は上記側部材3の側面に対して着脱可能に取り付け固定されている。そのため、支持部材25は側部材3の側方、つまりベッドフレーム2の幅方向に対して着脱できるから、その着脱の際に床板体7やこの床板体7に載置されるマットレスが邪魔になることがない。それによって、上記支持部材25をベッドフレーム2に対して容易に着脱することができる。
【0046】
上記支持部材25が側部材3に対して着脱自在に設けられているため、側柵21を使用しない場合には上記支持部材25をベッドフレーム2の側部材3から取り外すことができる。それによって、側柵21を使用しないときに、上記支持部材25が側部材3の外面に突出したまま残留して邪魔になるということがない。
【0047】
図1(b)では側柵21がヘッドボード4側に設けられている状態を示しているが、一対の支持部材25を同図に鎖線で示すように側部材3のフットボード5側に設ければ、上記側柵21をフットボード5側に保持することができる。すなわち、側部材3に側柵21の一対の脚部22bと同じ間隔で複数の取付け孔32a,32bを形成したので、上記側柵21を上記側部材3の所望する位置に取り付けることができる。
【0048】
図6はこの発明の第2の実施の形態を示す。第1の実施の形態ではスペーサ34の介在部34bに係合ピン36を突設し、支持部材25の取付け部材27の中間辺27cに係合孔27dを形成したが、この第2の実施の形態では支持部材25の取付け部材27の中間辺27cに上記係合ピン36を突設し、スペーサ34の介在部34bに上記係合ピン36が係合する係合孔27dを形成するようにした。
【0049】
このような構成であっても、上記第1の実施の形態と同様、上記支持部材25を上記スペーサ34によって上記側部材3に回転不能かつ回転方向に位置決めして保持することができる。
【0050】
なお、この第2の実施の形態において、スペーサ34が薄い場合には、係合孔27dをスペーサ34の介在部34bだけでなく、側部材3の中間部材13の側面にも形成すれば、上記係合ピン36を確実に係合保持することができる。
【0051】
図7はこの発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態は被取付け体として側柵に代わり、たとえば脚部22bが1つのテーブルなどを支持する場合であって、その場合には1つの支持部材25が用いられる。
【0052】
上記支持部材25の取付けねじ29のおねじ29aにめねじ38を螺合して側部材3に取付け固定する場合、上記支持部材25を回転方向に対して回転不能に保持するためにスペーサ34Bが用いられる。この場合のスペーサ34Bは連結部34aの一端に上記第1の実施の形態と同様の介在部34bが設けられ、他端には上記支持部材25に設けられた取付けねじ29の上記連結部34aから突出した部分と同じ構成の取付けねじ29Bが突設されている。一対の取付けねじ29,29Bの間隔は側部材3に形成された取付け孔と同じ間隔に設定されている。
【0053】
それによって、支持部材25の取付けねじ29にスペーサ34Bの一端に設けられた介在部34bを装着する。そして、上記支持部材25の取付けねじ29及びスペーサ34Bの他端に設けられた取付けねじ29Bを側部材3に設けられた一対の取付け孔にする。
【0054】
それによって、上記スペーサ34Bは一対の取付けねじ29,29Bによって側部材3に回転不能に保持され、上記支持部材25はスペーサ34Bの介在部34bに回転不能に保持されるから、この支持部材25の上記側部材3の取付け孔から突出した取付けねじ29のおねじ29aにめねじ38を螺合する際、上記支持部材25が回転方向に動くのを阻止することができる。
【0055】
さらに、スペーサ34Bの他端に設けられた取付けねじ29Bのおねじ29aにめねじ38を螺合すれば、上記スペーサ34Bを側部材3に確実に保持することができる。
【0056】
なお、この第3の実施の形態において、スペーサ34Bの他端に取付けねじ29Bを設けたが、取付けねじ29Bに代わり、側部材3の取付け孔に係合するピンを突設してもよい。
【0057】
図8はこの発明の第4の実施の形態を示す。この実施の形態は支持部材25が回転するのを防止する回転防止手段の変形例である。この実施の形態では、図6に示す第2の実施の形態のように支持部材25に係合ピン36を突設する一方、側部材3の中間部材11の側面に上記係合ピン36が係合する係合孔27dを形成するようにした。
【0058】
このような構成によれば、スペーサを用いずに回転防止手段を構成することができるから、構成を簡略化することが可能となる。
【0059】
なお、この第4の実施の形態において、図示しないが支持部材に係合孔を形成し、側部材の側面に係合ピンを設けるようにしても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】(a)はこの発明の第1の実施の形態を示すベッド装置の平面図、(b)は同じく側面図。
【図2】側部材に取付けられた支持部材を示す一部断面した側面図。
【図3】(a)〜(d)はそれぞれ支持部材を示す図。
【図4】(a)はスペーサの側面図、(b)は同じく正面図。
【図5】(a)は一対の支持部材をスペーサに装着した平面図、(b)は同じく正面図、(c)は側面図。
【図6】この発明の第2の実施の形態を示す支持部材とスペーサを示す側面図。
【図7】この発明の第3の実施の形態を示す1つの支持部材をスペーサに装着した平面図。
【図8】この発明の第4の実施の形態を示す支持部材と側部材を示す側面図。
【符号の説明】
【0061】
2…ベッドフレーム、3…側部材、11…中間部材、12…第1の部材、13…第2の部材、21…側柵(被取付け体)、22b…脚部、25…支持部材、27d…係合孔、29…取付けねじ、32a,32b…取付け孔、34…スペーサ、35…通孔、36…係合ピン、38…めねじ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドフレームの側部材に被取付け体が保持されるベッド装置であって、
上記被取付け体を支持する支持部を有する支持部材と、
この支持部材に突設され上記ベッドフレームの側部材の側面に設けられた取付け孔に挿通される取付けねじと、
上記取付け孔に挿通された上記取付けねじの端部に螺合され上記支持部材を上記側部材に着脱可能に取付け固定するめねじと、
上記取付け孔に挿通された上記取付けねじに上記めねじを螺合して上記支持部材を上記側部材に固定する前に、この支持部材が上記取付け孔に挿通支持された上記取付けねじを中心とする回転方向に動くのを阻止する回転防止手段と
を具備したことを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
上記回転防止手段は、
上記取付けねじが挿通される通孔が形成され上記側部材とこの側部材に取付けられる上記支持部材との間に介在して上記側部材に回転不能に保持されるスペーサと、
上記スペーサと上記支持部材のどちらか一方に突設された係合ピン及び他方に設けられ上記係合ピンが係合して上記支持部材が上記取付け孔に挿通された上記取付けねじを中心として回転するのを阻止する係合孔と
によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【請求項3】
上記回転防止手段は、上記支持部材と上記側部材のどちらか一方に突設された係合ピン及び他方に設けられ上記係合ピンが係合して上記支持部材が上記取付け孔に挿通された上記取付けねじを中心として回転するのを阻止する係合孔と
によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【請求項4】
ベッドフレームの側部材に一対の脚部を有する被取付け体が保持されるベッド装置であって、
上記脚部を支持する支持部を有する一対の支持部材と、
この支持部材に突設され上記ベッドフレームの側部材の側面に上記一対の脚部と対応する間隔で設けられた取付け孔に挿通される取付けねじと、
上記取付け孔に挿通された上記取付けねじの端部に螺合され上記支持部材を上記側部材に着脱可能に取付け固定するめねじと、
上記取付け孔に挿通された上記取付けねじに上記めねじを螺合して上記支持部材を上記側部材に固定する前に、この支持部材が上記取付け孔に挿通支持された上記取付けねじを中心とする回転方向に動くのを阻止する回転防止手段を具備し、
上記回転防止手段は、
一端部と他端部とに上記一対の支持部材に突設された上記取付けねじが挿通される通孔が上記一対の脚部と対応する間隔で形成され各通孔に上記取付けねじがそれぞれ挿通されて上記一端部と他端部とが上記側部材と一対の支持部材との間に介在するスペーサと、
このスペーサと上記支持部材のどちらか一方に突設された係合ピン及び他方に設けられ上記係合ピンが係合して上記支持部材が上記取付け孔に挿通された上記取付けねじを中心として回転方向に動くのを阻止する係合孔とによって構成されていることを特徴とするベッド装置。
【請求項5】
ベッドフレームの側部に被取付け体が保持されるベッド装置であって、
上記被取付け体を支持する支持部を有する支持部材と、
この支持部材に突設され上記ベッドフレームの側部材の側面に設けられた取付け孔に挿通される取付けねじと、
上記側部材から突出した上記取付けねじの端部に螺合され上記支持部材を上記側部材に着脱可能に取付け固定するめねじと
を具備したことを特徴とするベッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−12054(P2008−12054A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185837(P2006−185837)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)