説明

ベッド

【課題】照明が点灯されていない不慣れなホテル等の寝室に入った場合等でもベッドの配置が分かるようにする。
【解決手段】ベッドフレーム20を、下部フレーム板21と、下部フレーム板上に載置された透明板体27と、透明板体上に載置された上部フレーム板28と、透明板体の内端側に配置された発光体とを含んで構成し、発光体から出射された光により透明板体の外端側を光らせる。発光体を、少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードがモールドされてなるRGB発光ダイオードモジュールをベーステープに所定間隔ごとに連設してなるRGB発光テープとすることにより、赤・緑・青・黄・シアン・マゼンタ・白の7色に発光制御したり、時間の経過とともに点滅制御したりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベッドに関し、特に照明機能を備えるベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、深夜に不慣れなホテル等の宿泊施設の寝室に入った場合等に、寝室の照明が点灯されていなければ、宿泊客は、寝室のベッドや家具の配置が分からず、足の脛をベッド等の角にぶつけたりするなどの事故で痛い思いをすることがある。同様の事故は、ベッドで就寝中の夜中に目覚めて小用に立つ際にも起りうる。
【0003】
このような不都合に対処する従来技術として、例えば特許文献1が知られている。特許文献1には、ベッドの基台の外方に側板を周設するベッドにおいて、基台と側板との間に発光ダイオード(LED)を照明灯とする照明設備空間を設けるとともに、側板を発光ダイオードの光が透過し得る透明体または半透明体の材質で形成したベッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−169861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、大きな面積の側板の内側に発光ダイオードが配置されているので、比較的出力が大きい発光ダイオードが必要であり、省エネルギーの観点からすると好ましくないという問題点があった。
【0006】
また、特許文献1記載の技術では、発光ダイオードを単に点灯させているだけであり、照明光の変化に乏しく美観に優れるものではないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、比較的小さな出力の発光体を使用することができるとともに、発光体からの光による間接照明によって装飾性を高めるようにしたベッドの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載のベッドは、透明板体と、該透明板体に対向して配置された発光体とを含んでおり、前記発光体から前記透明板体を直接通過した光および前記透明板体の平行内面で全反射されながら該透明板体を通過した光を含む光が前記透明板体を光らせることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載のベッドは、透明板体と、該透明板体の内端側に対向して配置された発光体とを含んでおり、前記発光体から前記透明板体を直接通過した光および前記透明板体の平行内面で全反射されながら該透明板体を通過した光を含む光が前記透明板体の外端側を光らせることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載のベッドは、基台と、該基台に載置されたベッドフレームと、該ベッドフレームに載置されたマットとを備えるベッドにおいて、前記ベッドフレームが、下部フレーム板と、該下部フレーム板上に載置された透明板体と、該透明板体上に載置された上部フレーム板と、前記透明板体の内端側に配置された発光体とを含んで構成されており、前記発光体から出射された光が前記透明板体を通して該透明板体の外端側を光らせることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載のベッドは、基台と、該基台に載置されたベッドフレームと、該ベッドフレームに載置されたマットとを備えるベッドにおいて、前記ベッドフレームが、フレーム板と、該フレーム板上に載置された透明板体と、該透明板体の内端側に配置された発光体とを含んで構成されており、前記発光体から出射された光が前記透明板体を通して該透明板体の外端側を光らせることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載のベッドは、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のベッドにおいて、前記発光体が前記透明板体の内周端面に対向して配置され、前記発光体から出射された光が前記透明板体を通して該透明板体の外周端面を光らせることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載のベッドは、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のベッドにおいて、前記発光体が前記透明板体の内端縁下面に対向して配置され、前記発光体から出射された光が前記透明板体を通して該透明板体の外端縁上面を光らせることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載のベッドは、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のベッドにおいて、前記発光体が、少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードがモールドされてなるRGB発光ダイオードモジュールをベーステープに所定間隔ごとに連設してなるRGB発光テープであることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載のベッドは、請求項7記載のベッドにおいて、前記RGB発光ダイオードモジュールの少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードのそれぞれに電流を供給し、前記RGB発光ダイオードモジュールの発光を赤・緑・青・黄・シアン・マゼンタ・白の7色のいずれかの発光に制御する発光制御手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項9記載のベッドにおいて、請求項7または8記載のベッドにおいて、前記RGB発光ダイオードモジュールの少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードのそれぞれに供給する電流を時間の経過とともに点滅制御し、前記透明板体からの出射光が時間の経過とともに変化するように制御する発光制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載のベッドによれば、透明板体と、透明板体に対向して配置された発光体とを含んでおり、発光体から透明板体を直接通過した光および透明板体の平行内面で全反射されながら透明板体を通過した光を含む光が透明板体を光らせることにより、透明板体を光がほとんど失われることなしに通過するために比較的小さな出力の発光体で効率良く光らせることができるので省エネルギーとなり、また発光体の配置位置が比較的自由に選択できるためにベッドの設計の自由度を高めることができる。
【0018】
請求項2記載のベッドによれば、透明板体と、透明板体の内端側に対向して配置された発光体とを含んでおり、発光体から透明板体を直接通過した光および透明板体の平行内面で全反射されながら透明板体を通過した光を含む光が透明板体の外端側を光らせることにより、透明板体を光がほとんど失われることなしに通過するために比較的小さな出力の発光体で効率良く光らせることができるので省エネルギーとなり、また発光体の配置位置が比較的自由に選択できるためにベッドの設計の自由度を高めることができる。
【0019】
請求項3記載のベッドによれば、ベッドフレームが、下部フレーム板と、下部フレーム板上に載置された透明板体と、透明板体上に載置された上部フレーム板と、透明板体の内端側に配置された発光体とを含んで構成され、発光体から出射された光が透明板体を通して透明板体の外端側を光らせることができるので、ベッドフレームの外端側を光らせることができ、間接照明により宿泊客がベッドフレームに足の脛をぶつける等の事故を未然に防止することができるとともに、ベッドフレームの外端面が線状に発光するのでベッドの装飾性を高めることができる。
【0020】
請求項4記載のベッドによれば、ベッドフレームが、フレーム板と、フレーム板上に載置された透明板体と、透明板体の内端側に配置された発光体とを含んで構成され、発光体から出射された光が透明板体を通して透明板体の外端側を光らせるので、ベッドフレームの外端側を光らせることができ、間接照明により宿泊客がベッドフレームに足の脛をぶつける等の事故を未然に防止することができるとともに、ベッドフレームの外縁上面が帯状に発光するのでベッドの装飾性を高めることができる。
【0021】
請求項5記載のベッドによれば、発光体が透明板体の内周端面に対向して配置され、発光体から出射された光が透明板体を通して透明板体の外周端面を光らせることにより、ベッドフレームの最外周面が線状に発光するので、間接照明により宿泊客がベッドフレームに足の脛をぶつける等の事故を未然に防止することができるとともに、ベッドの装飾性を高めることができる。
【0022】
請求項6記載のベッドによれば、発光体が透明板体の内端縁下面に対向して配置され、発光体から出射された光が透明板体を通して透明板体の外端縁上面を光らせることにより、ベッドフレームの外端縁上面が帯状に発光するので、間接照明により宿泊客がベッドフレームに足の脛をぶつける等の事故を未然に防止することができるとともに、ベッドの装飾性を高めることができる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、発光体が、少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードがモールドされてなるRGB発光ダイオードモジュールをベーステープに所定間隔ごとに連設してなるRGB発光テープであるので、ベッドフレームを多彩な色で光らせることができる。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、発光制御手段がRGB発光ダイオードモジュールの少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードのそれぞれに電流を供給し、光の三原色の混合により、RGB発光ダイオードモジュールの発光を赤・緑・青・黄・シアン・マゼンタ・白の7色のいずれかの発光に制御するので、ベッドフレームを多彩な色で光らせることができ、ベッドの装飾性を高めることができる。
【0025】
請求項9記載の発明によれば、発光制御手段がRGB発光ダイオードモジュールの少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードのそれぞれに供給する電流を時間の経過とともに点滅制御し、透明板体からの出射光が時間の経過とともに変化するように制御するので、ベッドフレームの発光を多彩な色に変化させて、ベッドの装飾性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1に係るベッドの斜視図および要部断面図である。
【図2】実施例1に係るベッドの要部平面図である。
【図3】(A)はRGB発光ダイオードモジュールの平面図、(B)はRGB発光テープの平面図、(C)はRGB発光テープを付設部材に付設した状態を示す展開図である。
【図4】発光ダイオードの発光パターンの一覧および混色を説明する図表である。
【図5】ベッド照明制御系のブロック図である。
【図6】実施例1に係るベッドの動作を示すフローチャートである。
【図7】透明板体の臨界角を説明する図である。
【図8】本発明の実施例2に係るベッドの斜視図および要部断面図である。
【図9】実施例1の変形例を示すベッドの斜視図である。
【図10】実施例2の変形例を示すベッドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
図1および図2は、本発明の実施例1に係るベッドBD1を示す斜視図および平面図である。本実施例1に係るベッドBD1は、基台10と、ベッドフレーム20と、マット30と、ヘッドボード40とから、その主要部が構成されている。
【0029】
ベッドフレーム20は、下部フレーム板21と、床板22と、下部フレーム板21に形成された段差部23と、段差部23に固設された付設部材24と、付設部材24に付設されたRGB発光テープ25と、段差部23の外周縁側となるように下部フレーム板21上に載置された透明板体27と、透明板体27上に載置された上フレーム板28とから、その主要部が構成されている。なお、下部フレーム板21、透明板体27および上フレーム板28は、図示しないビス、接着剤等の固定手段により一体化されている。
【0030】
基台10は、U字状の枠体でなり、床面の上に載置される。基台10の上にベッドフレーム20が載置されている。
【0031】
ベッドフレーム20は、ヘッドボード40の取り付け箇所を除いたベッドの右手側サイド、足側サイドおよび左手側サイドの3辺(以下、3辺部と云う)にはみ出して(突出して)おり、ベッドフレーム20の角部は全て、宿泊客などが足の脛をぶつけても怪我をしないように丸みを持たせられている。
【0032】
下部フレーム板21の上には、基台10の長辺・短辺よりやや短い大きさの床板22が配置され、床板22の上には基台10とほぼ同じ長辺・短辺を持つマット30が載置されている。
【0033】
3辺部の段差部23の内側寄りに、RGB発光テープ25を付設する付設部材24が配設されている。
【0034】
RGB発光テープ25の前方(外周方向)には、RGB発光テープ25に所定間隔で連設されたRGB発光ダイオードモジュール29(図3参照)からの出射光が入射されるように、アクリル樹脂等でなる透明板体27の内周端面27b(図7参照)が配置されている。透明板体27の外周端面27a(図7参照)は、ベッドフレーム20の外周端面に露呈させている。
【0035】
透明板体27は、アクリル樹脂等でなる透明な板体でなり、3辺部に沿ってU字状に形成されている。アクリル樹脂は、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体で、透明性の高い非晶質の合成樹脂である。屈折率は、1.49程度である。なお、透明板体27は、着色されていてもよく、またガラス等の他の素材で形成されていてもよい。
【0036】
透明板体27の下平面27d(図7参照)を下フレーム板21上に載置し、透明板体27の上平面27c(図7参照)上に上部フレーム板28を載置し、透明板体27の保護と、RGB発光ダイオードモジュール29からの出射光の漏れを防止する。すなわち、下部フレーム板21と上部フレーム板28とが透明板体27をサンドイッチ状に挟持して保護するとともに、透明板体27の外周端面27aからだけ光が出射されるようにしてベッドフレーム20の美観を保つようにしている。
【0037】
次に、RGB発光テープ25を、図3(A),(B),(C)を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施例1では、発光体をRGB発光テープ25としたが、発光体は、電球、蛍光管、有機エレクトロルミネッセンス素子等の他の発光体であっても、本発明を同様に適用することができる。
【0038】
図3(A)に示すように、RGB発光ダイオードモジュール29は、R(赤)・G(緑)・B(青)の3色の単色発光ダイオードを1辺が数mmの正三角形の各頂点に配置し、これを合成樹脂等でモールドしてパッケージングしたものである。図3(B)に示すように、RGB発光テープ25は、RGB発光ダイオードモジュール29を、例えば、2.5cm間隔等の所定間隔ごとにベーステープに連設したものである。
【0039】
図3(C)に示すように、例えば、3本のRGB発光テープ25a,25bおよび25cが、右手側サイド、足側サイド、左手側サイドの各付設部材24(図1参照)に連続的に付設されて、帯状の発光体とされている。
【0040】
周知のように、RGBの3個の単色発光ダイオードを図3(A)のように正三角形の各頂点上に配置して、個々の単色発光ダイオードを発光制御すると、光の三原色の混合により、図4(A)に示す赤・緑・青・黄・シアン・マゼンタ・白の7色の光を得ることが可能である。なお、全ての単色発光ダイオードを消灯すると「黒」となる。また、図4(B)に示すように、RGBの3個の単色発光ダイオードに順番に駆動電圧を徐々に印加した場合には、赤(R)の単色発光ダイオードへの印加から緑(G)の単色発光ダイオードへの印加に移り変わる中間過程において赤(R)および緑(G)の光の混合により黄色の光が得られ、緑(G)の単色発光ダイオードへの印加から青(B)の単色発光ダイオードへの印加に移り変わる中間過程において緑(G)および青(B)の光の混合によりシアンの光が得られ、青(B)の単色発光ダイオードへの印加から赤(R)の単色発光ダイオードへの印加に移り変わる中間過程において青(B)および赤(R)の光の混合によりマゼンタの光が得られる。また、RGB発光ダイオードモジュール29の個々の単色発光ダイオードを点滅制御しているので、RGB発光ダイオードモジュール29を7色に発光させることが可能である。
【0041】
さらに、図3(B)に示したRGB発光テープ25では、個々のRGB発光ダイオードモジュール29a,29b,…,29nを、別々の色で点灯したり、全てを同一色にしたり、さらには点滅制御することが可能となっている。例えば、RGB発光ダイオードモジュール29aを「赤」、RGB発光ダイオードモジュール29bを「緑」、RGB発光ダイオードモジュール29nを「白」で点灯したり、RGB発光ダイオードモジュール29a〜29nを全て同一色の「マゼンタ」で点灯したり、個々のRGB発光ダイオードモジュール29を点滅制御することが可能となっている。
【0042】
次に、図5を参照しながら、RGB発光テープ25のRGB発光ダイオードモジュール29を点滅制御するベッド照明制御系LKを説明する。
【0043】
ベッド照明制御系LKは、制御部51と、客室電源スイッチ52aおよびベッド照明制御系スイッチ52bからなるフロントスイッチ52と、7つの基本パターン選択スイッチ54a〜54gからなる基本パターン選択スイッチ群54と、時計方向選択スイッチ55aおよび反時計方向選択スイッチ55bからなる循環パターン選択スイッチ群55と、右手側RGB発光テープ25aと、足側RGB発光テープ25bと、左手側RGB発光テープ25cとを含んで構成されている。なお、図5中のヘッドボード用RGB発光テープ57およびヘッドボード用スイッチ58は、本実施例1では使用せず、後述の実施例1および2の変形例で使用するので、ここでは詳述しない。
【0044】
制御部51は、図示省略のCPU(Central Processing Unit)、RGB発光ダイオードモジュール29を点滅制御するパターン(図4参照)の制御プログラムなどを格納したROM(Read Only Memory)、演算に使用するRAM(Random Access Memory)、信号の入出力用の各種ポート、RGB発光テープ25を駆動する電源のオン/オフを制御する機能などが含む。
【0045】
フロントスイッチ52は、ホテル等の宿泊施設のフロントに設置されており、個別の客室の電源を点滅制御する客室電源スイッチ52aと、ベッド照明制御系LKの全体の電源を点滅制御するベッド照明制御系スイッチ52bとからなる。ベッド照明制御系スイッチ52bをオンにすれば、宿泊客が客室に入室する前に、ベッドBD1の3辺部のRGB発光テープ25を基本パターン(例えば、緑の一色)で点灯させたり、時計方向または反時計方向に7色の光が波の如く流れるように点滅させたりして、宿泊客を楽しませるようにすることも可能である。
【0046】
基本パターン選択スイッチ群54は、単色の基本パターンを選択可能なスイッチ群であり、7個の基本パターン選択スイッチ54a、54b、…、54gがある。各基本パターン選択スイッチ54a、54b、…、54gは、RGB発光テープ25の赤・緑・青・黄・シアン・マゼンタ・白の発光にそれぞれ対応している。
【0047】
循環パターン選択スイッチ群55は、多色の循環パターンを選択可能なスイッチ群であり、時計方向スイッチ55aと、反時計方向スイッチ55bとがある。時計方向スイッチ55aをオンにすれば、RGB発光テープ25が基本パターン選択スイッチ群54で選択された基本パターンの色の点滅を繰り返し、光があたかも波の如く時計方向(図2参照)に循環していくことになる。また、反時計方向スイッチ55bをオンにすれば、RGB発光テープ25が基本パターン選択スイッチ群54で選択された基本パターンの色の点滅を繰り返し、光があたかも波の如く、上述の時計方向スイッチ55aの単色発光循環とは反時計方向(図2参照)に循環していくことになる。
【0048】
なお、基本パターン選択スイッチ群54および循環パターン選択スイッチ群55の特定の操作により、例えば、2〜4秒ごとに、赤(R)→緑(G)→青(B)→黄(R,G)→シアン(G,B)→マゼンタ(R,B)→白(R,G,B)→赤(R)→…と発光色が順次遷移する発光パターンとすることもできる。このようにすれば、多色の光が時計方向または反時計方向に虹の如く流れていくような間接照明を楽しむこともできる。
【0049】
右手側RGB発光テープ25aのRGB発光ダイオードモジュール29は、制御部51からの供給電流により点滅駆動される。同様に、足側RGB発光テープ25bおよび左手側RGB発光テープ25cのRGB発光ダイオードモジュール29も、制御部51からの供給電流により点滅駆動される。
【0050】
また、右手側RGB発光テープ25a、足側RGB発光テープ25bおよび左手側RGB発光テープ25cのいずれか1つのRGB発光テープ25を点滅駆動したり、いずれか2つのRGB発光テープ25を点滅駆動することも可能である。
【0051】
次に、このように構成された本実施例1に係るベッドDB1の動作について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0052】
宿泊客がホテル等の宿泊施設のフロントでチェックインする(ステップS101)。フロント担当者が、その宿泊客が使用する客室の電源スイッチ52aをオンにすると、その客室全体の電源が使用可能になる(ステップS102)。さらに、フロント担当者が、ベッド照明制御系スイッチ52bをオンにすると、客室のベッド照明制御系LKの電源が使用可能になる(ステップS103)。次に、制御部51のメモリ(図示せず)内に記憶されている選択スイッチ情報がリセットされ、前の宿泊客の選択が消去される(ステップS104)。
【0053】
宿泊客はフロントで指示された部屋番号の客室に行き、ルームキーを電源スイッチ兼用ホルダーに差し込むと、客室の電源が有効化され、予めプログラムされた発光パターンで、右手側RGB発光テープ25a、足側RGB発光テープ25bおよび左手側RGB発光テープ25cが発光する(ステップS105)。この発光が継続している間に、宿泊客が基本パターン選択スイッチ54a〜54gまたは時計方向選択スイッチ55aもしくは反時計方向選択スイッチ55bに切り替えたか否かを監視し、基本パターン選択スイッチ54a〜54gまたは時計方向選択スイッチ55aもしくは反時計方向選択スイッチ55bをオンにしなければ、この発光を継続する(ステップS106:No)。
【0054】
宿泊客が基本パターン選択スイッチ54a〜54gまたは時計方向選択スイッチ55aもしくは反時計方向選択スイッチ55bを選択すると(例えば、緑)(ステップS106:Yes)、RGB発光テープ25は、選択された基本パターン選択スイッチ54a〜54gまたは時計方向選択スイッチ55aもしくは反時計方向選択スイッチ55bに対応したパターンで発光をする(この場合は緑)(ステップS107)。
【0055】
このようにすれば、宿泊客は客室にいる間は基本パターン選択スイッチ54a〜54gまたは時計方向選択スイッチ55aもしくは反時計方向選択スイッチ55bを選択的にオンすることにより、ベッドフレーム20の外端面を好みの色(基本パターン)で発光させたり、発光の循環方向を時計方向にしたり、反時計方向にしたりして、間接照明をイルミネーションのように楽しむことができる。
【0056】
やがて、宿泊客がルームキーを電源スイッチ兼用ホルダーから抜き取り、フロントでチェックアウトすると(ステップS108)、フロント担当者は、その宿泊客の客室電源スイッチ52aをオフにして客室電源を使用不能にし(ステップS109)、さらにベッド照明制御系スイッチ52bをオフにして、その客室のベッド照明制御系の電源を使用不能にする(ステップS110)。これにより、客室における無駄な電力消費を防止できる。
【0057】
ところで、RGB発光ダイオードモジュール29から出射される光は比較的指向性があるので、透明板体27に直接入射させることができる。すなわち、図7に示すように、RGB発光ダイオードモジュール29から出射される光は、透明板体27の内周端面27bに、内周端面27bの入射点に対する垂線とのなす角度が42.15度(透明板体27の臨界角)以内となるように入射させることができる。このようにすれば、一部の入射光は透明板体27を直接通過して透明板体27の外周端面27a(図1参照)から外部に出射し、他部の入射光は透明板体27の内周端面27bと垂直な上平面27cおよび下平面27dで全反射を繰り返して透明板体27の外周端面27a(図1参照)から外部に出射される。
【0058】
このため、透明板体27を入射光がほとんど失われることなしに通過するために比較的小さな出力のRGB発光ダイオードモジュール29でも透明板体27の外周端面27aを効率良く光らせることができるので省エネルギーとなり、またRGB発光ダイオードモジュール29の配置位置が比較的自由に選択できるためにベッドBD1の設計の自由度を高めることができる。
【0059】
なお、上記の実施例1の動作の説明では、ベッドBD1がホテル等の宿泊施設に設置されていることを前提として説明したが、ベッドBD1が自宅等の他の場所に設置されている場合でも、本発明が同様に適用できることはいうまでもない(以下同様)。
【実施例2】
【0060】
図8に示すように、本発明の実施例2に係るベッドBD2は、ベッドフレーム20Aの構造を除いては、実施例1に係るベッドBD1に同様に構成されているので、対応する部分に同一符号を付して、それらの詳しい説明を省略する。
【0061】
ベッドフレーム20Aは、フレーム板21Aと、床板22と、フレーム板21Aに形成された溝23Aと、溝23Aに固設された付設部材24Aと、付設部材24Aに付設されたRGB発光テープ25と、フレーム板21A上に載置された透明板体27Aとから、その主要部が構成されている。なお、フレーム板21Aおよび透明板体27Aは、図示しないビス、接着剤等の固定手段により一体化されている。
【0062】
フレーム板21Aに溝23Aが形成され、溝23Aに固定された付設部材24Aの上面にRGB発光テープ25が、透明板体27Aの内端縁側下面に対向するように付設されている。このように、RGB発光テープ25を透明板体27Aの内端縁側下面と対向するように配置すると、RGB発光ダイオードモジュール29から出射される光は、透明板体27Aの厚み方向に進み、一部は透明板体27Aの上面を透過して出射されるが、他部は透明板体27Aの上面で反射する。透明板体27Aの上面で反射された光は、透明板体27Aの下面で反射される。このような反射を繰り返すことにより、ベッドフレーム20Aに露呈する透明板体27Aの上面および外端面がRGB発光ダイオードモジュール29からの光で帯状に広く光ることになる。
【0063】
なお、RGB発光ダイオードモジュール29から出射される光は透明板体27Aの上面および下面で反射を繰り返すために、実施例1に係るベッドBD1には光拡散板は必要ないが、光拡散板をRGB発光テープ25の前面側に配置してもよいし、透明板体27Aの内端縁側下面にすりガラス状の疎面加工を施して拡散性を向上させるようにしてもよい。
【0064】
以上、本発明の各実施例を説明したが、これらはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0065】
例えば、図9は、図1に示した実施例1のベッドの変形例を示す斜視図である。すなわち、図9に示すように、ベッドBD3は、ヘッドボード40Aの手前面に十字状の溝(図示省略)を形成し、この溝内部にRGB発光ダイオードモジュール29を所定間隔ごとに連設したヘッドボード用RGB発光テープ57(図5参照)を配置する。このヘッドボード用RGB発光テープ57のRGB発光ダイオードモジュール29の配置は、実施例1および実施例2の場合に同じであり(図3(C)参照)、また、透明板体27Aは、図1に示したように、その外端面がヘッドボード40Aの手前側に向くように配置する。この場合のヘッドボード用RGB発光テープ57の点滅制御は、図5に示したヘッドボード用スイッチ58(図5参照)および基本パターン選択スイッチ群54ならびに循環パターン選択スイッチ群55により行う。
【0066】
また、図10は、図8に示した実施例2に係るベッドの変形例を示す斜視図である。すなわち、図10に示すように、ベッドBD4のヘッドボード40Aの手前面に十字状の溝(図示省略)を形成し、この溝内部にヘッドボード用RGB発光テープ57を配置する。このヘッドボード用RGB発光テープ57の配置・構成は、図9に示した実施例1の変形例の場合と同様であるので、その詳しい説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、ベッド以外にも家具類や大型家電製品(例えば、電気冷蔵庫)などに利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
BD1〜BD4 ベッド
LK ベッド照明制御系
10 基台
20、20A ベッドフレーム
21 下部フレーム板
21A フレーム板
22 床板
23 段差部
24 付設部材
25 RGB発光テープ
25a〜25c 右手側、足側および左手側RGB発光テープ
27 透明板体
28 上部フレーム板
29 RGB発光ダイオードモジュール(発光体)
30 マット
40 ヘッドボード
51 制御部(発光制御手段)
52 フロントスイッチ
52a 客室電源スイッチ
53b ベッド照明制御系スイッチ
54 基本パターン選択スイッチ群(発光制御手段)
54a〜54g 基本パターン選択スイッチ
55 循環パターン選択スイッチ群(発光制御手段)
55a 時計方向選択スイッチ
55b 反時計方向選択スイッチ
57 ヘッドボード用RGB発光テープ
58 ヘッドボード用スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明板体と、該透明板体に対向して配置された発光体とを含んでおり、前記発光体から前記透明板体を直接通過した光および前記透明板体の平行内面で全反射されながら該透明板体を通過した光を含む光が前記透明板体を光らせることを特徴とするベッド。
【請求項2】
透明板体と、該透明板体の内端側に対向して配置された発光体とを含んでおり、前記発光体から前記透明板体を直接通過した光および前記透明板体の平行内面で全反射されながら該透明板体を通過した光を含む光が前記透明板体の外端側を光らせることを特徴とするベッド。
【請求項3】
基台と、該基台に載置されたベッドフレームと、該ベッドフレームに載置されたマットとを備えるベッドにおいて、
前記ベッドフレームが、下部フレーム板と、該下部フレーム板上に載置された透明板体と、該透明板体上に載置された上部フレーム板と、前記透明板体の内端側に配置された発光体とを含んで構成されており、前記発光体から出射された光が前記透明板体を通して該透明板体の外端側を光らせることを特徴とするベッド。
【請求項4】
基台と、該基台に載置されたベッドフレームと、該ベッドフレームに載置されたマットとを備えるベッドにおいて、
前記ベッドフレームが、フレーム板と、該フレーム板上に載置された透明板体と、該透明板体の内端側に配置された発光体とを含んで構成されており、前記発光体から出射された光が前記透明板体を通して該透明板体の外端側を光らせることを特徴とするベッド。
【請求項5】
前記発光体が前記透明板体の内周端面に対向して配置され、前記発光体から出射された光が前記透明板体を通して該透明板体の外周端面を光らせることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のベッド。
【請求項6】
前記発光体が前記透明板体の内端縁下面に対向して配置され、前記発光体から出射された光が前記透明板体を通して該透明板体の外端縁上面を光らせることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のベッド。
【請求項7】
前記発光体が、少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードがモールドされてなるRGB発光ダイオードモジュールをベーステープに所定間隔ごとに連設してなるRGB発光テープであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のベッド。
【請求項8】
前記RGB発光ダイオードモジュールの少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードのそれぞれに電流を供給し、前記RGB発光ダイオードモジュールの発光を赤・緑・青・黄・シアン・マゼンタ・白の7色のいずれかの発光に制御する発光制御手段を備えたことを特徴とする請求項7記載のベッド。
【請求項9】
前記RGB発光ダイオードモジュールの少なくとも赤・緑・青の単色発光ダイオードのそれぞれに供給する電流を時間の経過とともに点滅制御し、前記透明板体からの出射光が時間の経過とともに変化するように制御する発光制御手段を備えたことを特徴とする請求項7または8記載のベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−15799(P2011−15799A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161973(P2009−161973)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(507242226)オリジン株式会社 (8)