説明

ベルト巻き付け装置

【課題】繰り返し使用できるベルトを用い、しかも物品自体を回転することなく搬送ライン上でベルトの巻き掛けが可能な新規なベルト巻き付け装置を提供する。
【解決手段】ベルト10が搬送路Fを横切るようにベルト10の両端を保持する一対の枠側チャック20,軸側チャック30と、物品Bが枠側チャック20,軸側チャック30の間を通過してベルト10が物品Bの前面B1から左右側面B2,B3にかけて巻き付くまで物品Bを前進駆動させる搬送ロール40と、物品Bに巻き付いたベルト10に対して張力を付与する枠側テンションローラ50及び軸側テンションローラ60と、ベルト10の張力によって搬送路F上を後退する物品Bに当接して物品Bの後退位置を規制するストッパ70と、ベルト10を物品Bの左右側面B2,B3に対して密着させる一対のベルト押え部材80,81と、を備え、ベルト押え部材80,81によってベルトを押えた状態で物品の後面B4側でベルト10の両端部を締め付け固定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばパレット上に積んだ段ボール箱等の物品にベルトを巻き付けるベルト巻き付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の段ボール箱等の荷物をまとめる装置としては、たとえば物品にラップフィルムを巻き付けるラップ巻き装置が知られている。
ラップ巻きは簡便な方法で広く利用されているが、ラップフィルムは再利用することができず、最終的にはゴミとなって処分しなければならない。また、処分した後も環境への負荷が大きいために、リサイクル可能な簡便な方法の開発が要請されている。
ラップ巻き装置の例としては、たとえば、特許文献1に記載のようなものがある。
【特許文献1】特開平5−85504
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記した要請に応えるべくなされたもので、その目的とするところは、繰り返し使用できるベルトを用い、しかも物品自体を回転することなく搬送ライン上でベルトの巻き付けが可能な新規なベルト巻き付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、搬送路に沿って搬送される物品にベルトを巻き付けるベルト巻き付け装置であって、
前記ベルトが搬送路を横切るようにベルトの両端を保持する一対のベルト保持手段と、
物品がベルト保持手段の間を通過してベルトが物品の前面から左右側面にかけて巻き付くまで物品を前進駆動させる搬送手段と、
物品に巻き付いたベルトに対して張力を付与する張力付与手段と、
ベルトの張力によって搬送路上を後退する物品に当接して物品の後退位置を規制するストッパ手段と、
ベルトを物品の左右側面に対して密着させる一対のベルト押え手段と、を備え、
該ベルト押え手段によってベルトを押えた状態で物品の後面側でベルトの両端部を締め付け固定することを特徴とする。
【0005】
請求項2に係る発明は、ベルトが物品の前面から左右側面にかけて巻き付いた時点で搬送手段を自由に動くフリー状態とすることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、搬送状態をフリー状態とするタイミングをとる物品の位置センサが設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、搬送手段はローラであることを特徴とする。
【0006】
請求項5に係る発明は、張力付与手段はベルトの中間部に当接して物品と干渉しない範囲で所定の力をかけながらベルトを引き伸ばす方向に移動するテンション部材を備えていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、テンション部材に加える力は重りの重力を利用することを特徴とする。
【0007】
請求項7に係る発明は、ベルトを引き伸ばす方向は搬送路と交差する方向であることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、ベルトを引き伸ばす方向は搬送路と平行方向である。
請求項9に係る発明は、ベルトを引き伸ばす方向は搬送路と交差する方向と平行方向の組み合わせであることを特徴とする。
【0008】
請求項10に係る発明は、テンション部材は、搬送路上の物品のさらに上方に搬送路を横切るように掛け渡される横ガイドフレームに沿って横方向に移動自在に支持されていることを特徴とする。
【0009】
請求項11に係る発明は、テンション部材は左右一対設けられ、テンション部材間を離間する方向に移動させることによりベルトを引き伸ばす構成となっていることを特徴とする。
【0010】
請求項12に係る発明は、テンション部材は搬送路と平行面内において、横ガイドフレームとの取り付け部を通る垂直軸を旋回軸としてベルト保持手段の位置に対して物品搬送方向後領域から物品の搬送方向前方領域にかけてベルト保持手段の間を通って旋回可能に支持されていることを特徴とする。
【0011】
請求項13に係る発明は、テンション部材は左右一対設けられ、一方のテンション部材は搬送路上の物品のさらに上方に搬送路を横切るように掛け渡される横ガイドフレームに沿って横方向に移動自在に支持され、他方の支持部材は、搬送路に沿って伸びる縦ガイドフレームに沿って縦方向に移動自在に支持されていることを特徴とする。
請求項14に係る発明は、テンション部材はベルトに対して転動自在に当接するテンションロールであることを特徴とする。
【0012】
請求項15に係る発明は、ベルトの一端には止め枠が設けられ、ベルトの他端を止め枠に通して折り返すことにより物品を締め付ける構成で、ベルトの折り返し部を物品に巻き付いたベルト部分に着脱自在に固定する固定手段を有することを特徴とする。
請求項16に係る発明は、固定手段は面状ファスナであることを特徴とする。
請求項17に係る発明は、止め枠に通すベルトの他端には上下両端がベルトの幅より突出する止め軸が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項18に係る発明は、一対のベルト保持手段は、止め枠を着脱自在に保持する枠側チャックと、止め軸を着脱自在に保持する軸側チャックであることを特徴とする。
請求項19に係る発明は、軸側チャックは止め軸を着脱自在に保持する止め軸保持部と止め枠を着脱自在に保持する受け渡し用止め枠保持部とを有し、枠側チャックは止め枠を着脱自在に保持する止め枠保持部を有する構成で、
ベルトは止め軸を芯にして巻き付けた形態を初期形態とし、初期形態の状態で軸側チャックの止め軸保持部と受け渡し用止め枠保持部に止め軸と止め枠が共にセットされ、枠側チャックと軸側チャックが接近し、止め枠が軸側チャックの止め枠保持部から枠側チャックの止め枠保持部に受け渡され、枠側チャックと軸側チャックが離間してベルトが軸側チャックから引き出される構成となっていることを特徴とする。
請求項20に係る発明は、ベルトは初期形態の状態で補給装置から軸側チャックに自動的に受け渡される構成となっていることを特徴とする。
【0014】
請求項21に係る発明は、補給装置において、止め軸を芯にして巻き付けた初期形態のベルトを保持するセット治具を備え、セット治具は止め枠を着脱自在に保持する止め枠保持部と、止め軸を着脱自在に保持する止め軸保持部とを備えていることを特徴とする。
請求項22に係る発明は、枠側チャックには、止め枠を保持する止め枠保持部と、該止め枠保持部の奥に位置し止め軸を着脱自在に保持する止め軸保持部とを有し、前記止め枠保持部において止め枠は止め軸保持部と重なる初期位置と止め枠を止め軸保持部から外れた逃がし位置に移動可能となっており、ベルトの締め付け固定は、枠側チャックと軸側チャックを接近させ、軸側チャックの止め軸保持部に保持されていた止め軸を、枠側チャックの止め枠保持部の初期位置に保持されている止め枠内を通して止め軸保持部に受け渡し、軸側チャックと枠側チャックを離間させ、枠側チャックにおいて止め枠を逃がし位置に移動させてベルトの軸側端部を止め枠に引っ掛け、再度軸側チャックと枠側チャックを接近させ、枠側チャックの止め軸保持部に保持されている止め軸を軸側チャックに受け渡して軸側チャックと枠側チャックを離間させ、ベルトの軸側端部を止め枠に通した状態で折り返して自動的に締め付ける構成となっていることを特徴とする。
【0015】
請求項23に係る発明は、ベルトの軸側端部の折り返し部を巻き付いたベルト部分に重ね、重なった部分に設けられた面状ファスナを固定する押圧手段を備えていることを特徴とする。
請求項24に係る発明は、押圧手段はベルトに張力を付与するテンション部材を利用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、物品がベルト保持手段の間を通過してベルトが物品の前面から左右側面にかけて巻き付くまで物品を前進駆動させ、ベルトの張力によって搬送路上を後退する物品をストッパ手段によって規制し、ベルトを物品の左右側面に押しつけた状態で物品の後面側でベルトの両端部を締め付け固定するようにしたので、複雑な制御をすることなく、物品の自重と搬送手段間の摩擦力とベルトの張力のバランスだけで、物品の前面から左右側面側までベルトを巻き回すことができる。
したがって、既存の搬送ライン上でベルトの巻き付け作業を行うことができ、連続作業も可能である。
【0017】
また、ベルトが物品の前面から左右側面にかけて巻き付いた時点で搬送手段を自由に動くフリー状態としたので、ストッパ手段にスムースに突き当たる。
さらに、搬送状態をフリー状態とするタイミングをとる物品の位置センサを設ければ、搬送手段の速度ばらつきや物品の間隔に関係なく正確にベルトの巻き付きを可能である。
【0018】
また、張力付与手段はベルトの中間部に当接して物品と干渉しない範囲で所定の力をかけながらベルトを引き伸ばす方向に移動するテンション部材を備える構成とすれば、種々の作業スペースに対応することができる。
また、テンション部材に加える力を重りの重力を利用することにより、常に一定の力を作用させることができる。
【0019】
特に、ベルトを引き伸ばす方向を搬送路と平行方向とすれば、省スペース化を図ることができる。
【0020】
ベルトの一端に止め枠を設け、ベルトの他端を止め枠に通して折り返すことにより物品を締め付ける構成とし、ベルトの折り返し部を物品にベルト下巻き部分に着脱自在に固定する構成とすれば、ベルトの端末の固定が簡単にできる。
ベルトの止め枠を着脱自在に保持する枠側チャックと、ベルト他端に設けた止め軸を着脱自在に保持する軸側チャックを設ければ、ベルトのチャックが簡単にでき、止め枠と止め軸の受け渡しを可能とする構成や、止め軸を止め枠に対してくぐらせる構成を採用することにより、ベルトの固定を自動化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るベルト巻き付け装置は、パレットに段積みされた段ボール等の箱状の物品Bを搬送する搬送ライン上に配置されるもので、搬送路Fに沿って搬送される物品Bの前後左右の4側面にベルト10を巻き付けるようになっている。
【0022】
ベルト巻き付け装置1の構成は、ベルト10が搬送路Fを横切るようにベルト10の両端を保持する一対のベルト保持手段としての枠側チャック20および軸側チャック30と、物品が枠側チャック20および軸側チャック30の間を通過してベルト10が物品Bの前面B1から左右側面B2,B3にかけて巻き付くまで物品Bを前進駆動させる搬送手段としての搬送ロール40と、物品Bに巻き付いたベルト10に対して張力を付与する張力付与手段を構成する左右一対の枠側テンションロール50および軸側テンションロール60と、ベルト10の張力によって搬送路上を後退する物品に当接して物品の後退位置を規制するストッパ70と、ベルト10を物品の左右側面に対して密着させる一対のベルト押え部材80と、を備え、ベルト押え部材80,80によってベルト10を押えた状態で物品Bの後面B4側でベルト10の両端部を締め付け固定するようになっている。
また、ベルト10が物品Bの前面B1から左右側面B2,B3にかけて巻き付いた時点で搬送ロール40を自由に動くフリー状態とするもので、フリー状態とするタイミングをとる物品の位置センサ90が設けられている。
【0023】
この実施の形態1では、搬送路Fを跨ぐように配置された門型のフレーム200が設けられている。フレーム200は、搬送路Fの左右に立設される第1,第2柱部201,202と、第1,第2柱部201,202の上端に掛け渡される水平の横ガイドフレーム203と、を備えており、第1柱部201に枠側チャック20が、第2柱部202に軸側チャック30が取り付けられ、横ガイドフレーム203に枠側テンションロール50および軸側テンションロール60が支持されている。
【0024】
ベルト10は、図2(A),(B)に示すように、布製の平ベルトで、ベルト10の一端にはベルト10より幅の広い四角形状の止め枠11が設けられ、ベルト10の他端を止め枠11に通して折り返すことにより締め付ける構成となっており、ベルト10の折り返し部10Tと折り返し部が重なるベルト部分の重ね合せ部には、固定手段として面状ファスナ14が設けられている。ベルト10の他端には両端がベルト10の幅より突出する止め軸12が設けられている。
【0025】
止め枠11は金属もしくは樹脂製の矩形状の枠体で、ベルト10の幅方向(ベルトの長さ方向に対して直交する方向)に延びる互いに平行の第1,第2縦枠11a,11bと、ベルト10の長さ方向に延びる第1,第2縦枠11a,11bの両端を接続する互いに平行の第1,第2横枠11c,11dとによって構成され、一方の第2縦枠11bにベルト10の一方の端末が固定されている。第1,第2縦枠11a,11bの長さはベルトの幅よりも長い。一方、止め軸12は金属製の軸で、ベルト10の止め枠11と反対側の端末に固定されている。この止め軸12の長さは止め枠11の第1,第2縦枠11a,11bより短く、第1,第2横枠11c,11d間を通すことができる。
ベルト10の端末が固定される止め枠11の第2縦枠11bおよびと止め軸12には、ベルト10の幅方向両端に係合して止め枠11および止め軸12の移動を規制するフランジ15が設けられている。
【0026】
ベルト10は、図2(C),(E)に示すように止め軸12を芯にして丸く巻き付けた形態を初期形態とし、初期形態の状態でセット治具100にセットされている。
セット治具100は、止め枠11を着脱自在に保持する止め枠保持具110と、止め軸12を着脱自在に保持する止め軸保持具120とを備えている。
止め枠保持具110は、止め枠11の形状に倣った矩形状の枠プレート111と、枠プレート111に設けられ止め枠11を着脱自在に保持する弾性保持具112とを備えた構成となっている。枠プレート111は、上下方向に直線状に延びる左右一対の第1,第2縦枠111a,111bと第1,第2縦枠111a,111bの上下両端を接続する第1,第2横枠111c,111dによって構成され、第1縦枠111aと第1,第2横枠111c,111dに留め具11の第1縦枠11a,第1,第2横枠11c,11dを保持する弾性保持具112が設けられている。弾性保持具112は一対のばね片112a,112aによって構成される。
【0027】
止め軸保持具120は、縦方向に延びる棒状の治具で、上下両端に軸を支持する保持片121,121が突出しており、この保持片に止め軸の上下両端部を保持する保持溝122,122が設けられている。上下の保持溝122,122の溝底間の間隔は止め軸の長さより若干長い。保持溝122の溝底の入り口付近には、図2(E)に示すように、穴123が設けられ、穴123内にストップピン124が出没自在に挿入され、穴123内にはストップピン124を穴123から保持溝122内に突出させる方向に付勢するスプリング125が設けられている。所定の力を加えると止め軸12の端部によってスプリング125のばね力に抗してストップピン124を穴123内に没入させて着脱が可能となり、所定の力以下ではストップピン124によって止め軸をロックするようになっている。ストップピン124は一例であって、ボールを用いてもよいし、要するに保持溝122内に挿入された止め軸12をロック,開放できるような構成であればよい。
【0028】
また、止め軸保持具120には、止め軸12を中心に巻いたベルト10を保持する一対のばね片を備えた弾性保持具126が設けられ、不用意にベルト10が巻き戻らないようになっている。
止め枠保持具110と止め軸保持具120は台板130上に直立した状態で取り付けられる。止め軸保持具は止め枠保持具の背面中央に配置される。
ベルト10は、セット治具100にセットされた状態で、図3(A)に示すように、搬送路Fの側方に配置されたベルト補給ラインLにセットされる。補給ラインL上をセット治具100が順次ベルト装着位置L1に送られ、ベルト装着位置L1で90°首振りをした軸側チャック30と向き合い、図3(B)に示すようにセット治具100を前進させてベルト10を軸側チャック30に渡す。ベルト10を軸側チャック30に渡した後、空のセット治具100は搬送路Fから離れる方向(図中右方向)にシフトし、補給ラインLと平行の戻りラインRを通って戻り、新たなベルト10がセットされて再度補給ラインLに送られるようになっている。
【0029】
軸側チャック30は、フレーム200の第2柱部202に対して搬送路Fと平行でかつ搬送方向に対して直交する方向に駆動されるスライドアーム31と、スライドアーム31の先端に搬送路Fと平行の面内で旋回自在に連結される旋回アーム32とを有する。スライドアーム31は直線駆動機構38によって搬送路Fと平行の面内で搬送方向に対して直交する方向に直線駆動される。直線駆動機構38はねじ送り方式で、第2柱部202に固定されるスライドベース38aと、スライドベース38aにガイドバー38bを介して直線移動自在に支持されるスライドブロック38cと、スライドブロック38cを貫通するねじ穴にねじ込まれるねじ軸38dとを有し、スライドブロック38cにスライドアーム31が取り付けられている。ねじ軸38dを不図示のモータによって回転駆動することにより、スライドブロック38cを介してスライドアーム31が直線駆動される。
【0030】
旋回アーム32の先端部には、図4に詳細に示すように、止め軸12を着脱自在に保持する止め軸保持部33と、止め枠11を着脱自在に保持する止め枠保持部34とが設けられている。
止め軸保持部33は、旋回アーム32の先端面の上下両端から突出する一対のブラケット33aに止め軸12の上下突出部が挿入される溝33bが設けられ、この溝33bの入り口に、入り口を開閉するストップピン33cが設けられている。
セット治具100の軸保持具120の溝122には止め軸12の上下突出部の先端部12aが嵌合し、軸側チャック30の止め軸保持部33の溝33bには、図3(E)に示すように、止め軸12の上下突出部の付け根部12bが嵌合するようになっているので、セット治具100からの受け渡しが可能である。
【0031】
止め枠保持部34は、止め枠11の上下左右4つの角部に係合離脱可能の4つの枠押え35と、枠押え35を左右に開閉するためのアクチュエータ36とを備えている。アクチュエータ36は旋回アーム32の先端部の上下面に取り付けられ、上部に位置するアクチュエータ36によって一対の枠押え35を左右に開閉し上部角部に係脱させ、下部に位置するアクチュエータ36によって一対の枠押え35を左右に開閉し下部の左右角部に係脱させるようになっている。セット治具100の止め枠保持具110の弾性保持具112は、止め枠11の第1縦枠11aおよび第1,第2横枠11c,11dの中央部を保持してする角部は露出しているので、セット治具100からの受け渡しが可能である。
また、旋回アーム32の先端面にはセットされたベルト10を弾性的に押圧してベルトの引き出しに適度の抵抗を付与するテンションロール39が設けられている。
【0032】
次に、枠側チャック20について説明する。
この枠側チャック20は、第1柱部201に対して搬送路Fと平行でかつ搬送方向に対して直交する方向に駆動されるスライドアーム21を有し、スライドアーム21は直線駆動機構28によって直線駆動される構成となっている。
直線駆動機構28はねじ送り方式で、図6(B),図7に示すように、第1柱部201に固定されるスライドベース28aと、スライドベース28aにガイドバー28bを介して直線移動自在に支持されるスライドブロック28cと、スライドブロック28cを貫通するねじ穴にねじ込まれるねじ軸28dとを有し、スライドブロック28cにスライドアーム21が取り付けられている。ねじ軸28dを不図示のモータによって回転駆動することにより、スライドブロック28cを介してスライドアーム21が直線駆動される。
【0033】
スライドアーム21の先端部には、止め枠11を着脱自在に保持する止め枠保持部22と、止め軸12を着脱自在に保持する止め軸保持部23と、さらに止め枠保持部22に保持された止め枠11を止め軸保持部23と重なる初期位置から止め軸保持部23から外れた逃がし位置に移動させる止め枠移動機構24と、逃がし位置で止め枠11を保持する止め枠保持部27とを備えている。
【0034】
止め枠保持部22は、止め枠11の第1,第2横枠11C,11dに対して係合離脱される上下一対のクランプ25と、クランプ25を開閉駆動するアクチュエータ26とを備えている。軸側チャック30の止め枠保持部34の枠押え35は止め枠11の角部を保持するもので、第1,第2横枠11c,11dの中央部は露出しており、軸側チャック30との受け渡しされる止め枠11に対してクランプ25が係脱可能である。また、止め枠保持部22には、止め枠保持部34に保持された止め枠11の横方向の移動を規制する出没自在のストップピン29が設けられている。
【0035】
止め軸保持部23は、止め軸12の上下突出部の先端部12aが挿入される保持溝23bとと、この保持溝23bの入り口に、入り口を開閉するストップピン材23cとから構成されている。この上下に配置された保持溝23bは、スライドアーム21の先端面に設けられた四角形状の凹部23aの下壁および上壁に設けられている。軸側チャック30の軸保持部33の溝33bは止め軸12の付け根部12bが嵌合して上下突出部の先端部12aは露出しており、軸側チャック30からの止め軸12の受け渡しは可能である。
【0036】
止め枠移動機構24は、止め枠保持部22に保持された止め枠の第1縦枠に枠内側から係合するを押え爪24aと、押え爪24aを横方向に駆動する直線駆動機構24bとを備えている。直線駆動機構24bはねじ送り機構で、押え爪24aに設けられたガイドブロック24cと、ガイドブロック24cを直線案内するガイド溝24dと、ガイドブロック24cに設けられたねじ穴に螺合するねじ軸24eとを有し、不図示のモータによってねじ軸24eを回転することによってガイド溝24dに沿って逃がし位置まで案内するようになっている。
逃がし位置で止め枠11を保持する止め枠保持部27は、止め枠11の第1,第2横枠11C,11dに対して係合離脱される上下一対のクランプ27aと、クランプ27aを開閉駆動するアクチュエータ27bとを備えている。このクランプ27aの上下方向の位置は、隣接する止め枠保持部24のクランプ25の位置と同じであり、そのまま移動可能である。
【0037】
ベルト10の締め付け固定は、枠側チャック20と軸側チャック30を接近させ、軸側チャック30の止め軸保持33に保持されていた止め軸12を、枠側チャック20の止め枠保持部22に保持されている止め枠11内を通して止め軸保持部23に受け渡し、軸側チャック30と枠側チャック20を離間させ、枠側チャック20において止め枠12を逃がし位置に移動させてベルト10の軸側端部を止め枠11に引っ掛け、再度軸側チャック30と枠側チャック20を接近させ、枠側チャック20の止め軸保持部23に保持されている止め軸12を軸側チャック30に渡して軸側チャック30と枠側チャック20を離間させ、ベルト10の軸側端部を止め枠12に通した状態で折り返して自動的に締め付ける構成となっている。
【0038】
搬送ロール40は、図8に示すように搬送路Fに2列平行に配置され、前後への搬送駆動と、空回転するフリー状態と、固定状態の3モードに切り替え可能となっており、センサによってタイミングをとって物品の搬送方向後方の側面が軸側チャックおよび枠側チャックを通り越した時点で停止し、駆動力をフリーにするようになっている。また、搬送路Fの横には搬送路Fに沿って物品の横方向の位置出しをするために横ロール41が設けられている。
【0039】
センサ90は搬送方向2カ所に配置されている。センサ90としては種々のセンサが適用可能であるが、図示例は光透過型センサの例で、発光素子91と受光素子92とから構成され、物品Wが通過すると光が遮断されて物品が通過したことを検出する。
【0040】
次に、図9,図10に基づいて、張力付与機構を構成する枠側テンションロール50および軸側テンションロール60について説明する。
枠側テンションロール50および軸側テンションロール60はベルト10に対して転動自在に当接するもので、L字形の支持バー51,61を介して横ガイドフレーム203に取り付けられ、搬送路Fと平行面内において、横ガイドフレーム203との取り付け部を通る垂直軸を旋回軸52,62として横ガイドフレーム203に対して物品搬送方向後領域FBから物品の搬送方向前方領域FFにかけて旋回可能となっている。枠側テンションロール50および軸側テンションロール60を、枠側チャック20と軸側チャック30の間を通過して枠側チャック20と軸側チャック30の外側に位置するように搬送方向前方領域FFに向かって旋回させることにより、枠側チャック20と軸側チャック30間に張られたベルト10の中間部を引っ掛けるようになっている(図10(A),(B)参照)。
【0041】
枠側テンションロール50および軸側テンションロール60は、支持バー51,61を介して横ガイドフレーム203に沿って横方向に移動自在となっており、ベルト10を引っかけた状態で枠側テンションロール50および軸側テンションロール60間を離間する方向に移動させることによりベルト10を引き伸ばす構成となっている。
各支持バー51,61は、旋回軸52,62からほぼ水平に延びる水平軸部51a,61aと、この水平軸部51a,61aの先端から垂直下方に延びる垂直軸部51b,61bとを備え、水平軸部51a,61aが回転ブロック53,63に取り付けられている。この回転ブロック53,63は横ガイドフレーム203に沿って移動するスライドブロック54,64に回転自在に取り付けられている。
【0042】
枠側テンションロール50および軸側テンションロール60には、ベルト10を引き伸ばす方向に付勢する付勢手段としてのテンショナ55,65が設けられている。この例ではテンショナ55,65はフレーム200の左右の柱201,202内に釣り下げられた重り55a,65aによって構成され、重り55a,65aの重量を枠側テンションロール50および軸側テンションロール60に付与するようになっている。
【0043】
具体的には、重り55a,65aを吊したワイヤ55b,65bが各スライドブロック54,64に固定されており、重り55a,65aの重量に相当する張力がスライドブロック54,64に作用して外側に離間する方向に引っ張られる。スライドブロック54,64が移動しても引っ張り力は一定である。ワイヤ55b,65bはフレーム200の柱201,202内の上端部に設けられたプーリ55c,65cに巻き掛けられている。
ストッパ70は、枠側チャック20および軸側チャック30より搬送方向前方に位置している。この例では搬送路Fに対して左右一対設けられている。
【0044】
ストッパ70は搬送路Fの側方から搬送路F内に向かって進退する構成で、駆動軸71を介して駆動装置72に作動連結され、駆動装置72によって進退駆動される。駆動装置72としては、たとえばねじ送り機構等種々の駆動機構を用いることができる。
【0045】
ベルト押え部材80は、ストッパ70よりも搬送方向下流側に位置し、搬送路Fの側方から物品Bの左右側面B2,B3に向かって進退する構成で、駆動軸81を介して駆動装置82に作動連結され、ストッパ70と同様に駆動装置82によって進退駆動される。この駆動装置82もねじ送り機構等種々の駆動機構を用いることができる。
ベルト押え部材80は板状で
【0046】
次に、上記ベルト巻き付け装置による巻き付け作業について説明する。
まず、図10に基づいて、枠側チャック20と軸側チャック30間にベルト10を掛け渡す手順について説明する。
図10(A)に示すように、巻いたベルト10がセットされた軸側チャック30と枠側チャック20を接近させていき(図中、矢印1)方向)、軸側チャック30の先端部を枠側チャック20の先端部に当接させる。軸側チャック30の先端部に突出するブラケット33aは枠側チャック20に設けられた凹部23a内に入り込む。次いで、軸側チャック30の先端の枠側チャック30の軸保持部ののクランプを回転させて止め枠の第1,第2横枠を保持する(図中、矢印2)方向)。次に、ストップピン29を突出させ、止め枠11の横方向の移動を規制する(図中、矢印3)方向)。
【0047】
次いで、枠移動押え24を移動させ(図中、矢印4)方向)、軸側チャック30の枠押え35のみを開放し(図中、矢印4)方向)、図10(B)に示すように、軸側チャック30を枠側チャック20から離間させると、軸側チャックに保持されているベルトが引き出される。
【0048】
次に、巻き付け作業におけるベルトの動きについて、図11及び図12のチャートに基づき、図13乃至23の斜視図を適宜参照しながら説明する。
図11(A)に示すように、枠側チャック20と軸側チャック30によって搬送路を横切るように張られたベルトに対して、枠側テンションロール50および軸側テンションロール60を旋回させて止め枠11および止め軸12の間を通してベルト10に当接させる(スタート位置PSから当接ポイントP1,P1′)。
枠側テンションロール50および軸側テンションロール60の回転角度θ5,θ6は、枠側テンションロール50および軸側テンションロール60の待機位置SP(搬送方向後方)から90°を若干越えた角度である。(図13(A)参照)。
【0049】
図11(B)は、枠側テンションロール50および軸側テンションロール60をさらに旋回させてベルト10を引っ掛け、テンションロール当接部10A,10Bを止め枠11および止め軸12よりも外側に張り出させた状態を示す(ポイントP2,P2′)。
枠側テンションロール50および軸側テンションロール60の回転位置(P2,P2′)は、スタートポイントPSから180°より少し小さい角度である(図13(B)参照)。
【0050】
図11(C)は、枠側テンションロール50及び軸側テンションロール60を離間する方向に移動させ、止め軸12側に巻き付けられていたベルトを全長に渡って引き出し、同時に止め枠11と止め軸12間の間隔も物品Bの大きさに合わせて広げた状態を示す。
図13(C),図14は、図11(C)の斜視図である。枠側テンションロール50,軸側テンションロール60共に、旋回方向には固定のまま横ガイドフレーム203に沿って外側へスライドさせる。同時にベルト端の止め枠11と止め軸12を外側にスライドさせる。テンションを逃がさないように、バランスを取りながらそれぞれが適度の位置で停止し、ベルト10は伸びきった状態で止まる。動作終了後、枠側テンションロール50及び軸側テンションロール60は、テンショナーのおもり55a,65aにより、すべてがピンと張った状態でバランスする。
【0051】
図11(D)及び図15は、搬送ロール40によって物品Bを前進駆動し、ベルト10が物品Bの前面B1から左右側面B2,B3にかけて巻き付く位置までベルト10を押した状態を示している。同時に枠側テンションローラ50及び軸側テンションローラ60は互いに内側に接近する方向に引っ張られる。枠側テンションローラ50及び軸側テンションローラ60は、重り55a,65aによって常にベルト10に対してテンションをかけ続ける。この物品の位置はセンサ90によって検知され、搬送ロール40を停止して搬送ロール40を固定する。
【0052】
図11(E)は、ストッパ70,70を突出させて搬送ロール40をフリー状態とし、ベルト10の張力によって物品Bをストッパ70の位置まで後退させ、さらに左右のベルト押え部材80によってベルト10を物品Bの左右の側面B2,B3に押し当てて搬送方向と直交する方向のセンタ出しをした状態を示している。
【0053】
すなわち、図16(A)に示すように、ストッパ70が駆動機構72によって搬送路F内に側方から突き出され(図中、矢印(1)方向)、搬送ロール40がフリーにする。このとき、枠側テンションロール50及び軸側テンションロール60によって物品Bが後退しストッパ70に当接する(図中、矢印(2)方向)。次に、押え部材80を突出してベルト10を物品Bの左右側面B2,B3に押し付けて固定する(図中、矢印(3)方向)。ベルト10に負荷を掛けると、常に枠側テンションロール50および軸側テンションロール60は反作用としてベルト10を張ろうとする。このとき、枠側テンションロール50および軸側テンションロール60は前後のテンションを保つように外側へ開く(図中、矢印(3)方向)。搬送ロール40をフリーにすることにより、物品Bの位置決めおよびベルト10の張りが保たれる。
【0054】
図12(A),図16(B)は枠側テンションロール50,軸側テンションロール60を搬送方向後方に旋回させて開放した状態を示している。
枠側テンションロール50,軸側テンションロール60の開放は、押え部材80とストッパ70でベルト10および物品Bを固定した後、搬送ロール40をフリー状態から固定状態に切り替えた後、枠側テンションロール50,軸側テンションロール60の順で開放する。
【0055】
すなわち、枠側テンションロール50,軸側テンションローラ60を搬送路Fの内側に向けて旋回させ、ベルト10から離脱させる共に横ガイドフレーム203に対して搬送方向後方のスタート位置SP(待機位置)まで戻し、さらに横ガイドフレーム203に沿って搬送路Fに対して外側に向けて逃がす。軸側テンションロール60は、内側にスライドした後転回し、枠側テンションロール50はスライドしないでそのまま転回する。
【0056】
図12(B)は、止め軸12を止め枠11に向かって移動させて止め枠11を通過させた状態を示している。
この工程では軸側チャック30と枠側チャック20を互いに接近する方向にスライドさせ、軸側チャック30に保持していたベルト端の止め軸12を枠側チャック20に移動する。
【0057】
図17,図18はこの軸側チャック30から枠側チャック20への受け渡し状態の斜視図である。
止め枠11と止め軸12が接近し(図17参照)、図17(B)に示すように、軸側チャック30の止め枠保持部34の枠押え35が開放のまま前進し、止め軸保持部33を構成する上下のブラケット33a,33aが枠側チャックの凹部23a内に浸入し、止め軸12の上下突出端部12a,12aが止め軸保持部の保持溝23bの奥まで挿入される(図中、矢印(2)参照)。次いで、保持溝23b内に挿入された止め軸12をストップピン23cでロックする(図中、矢印(3)方向)。
次いで、軸側チャック30の軸ストップピン33cを解放し、軸側チャック30を後退させる(図中、矢印(5)参照)。これにより、図18(A)に示すように、ベルト10,止め枠11,止め軸12のすべてを枠側チャック20に預けることになる。
【0058】
図12(C)は、物品Bの後面B4に向かって搬送方向に沿ってスライドさせ、止め枠11にベルト10を引っ掛けた状態を示している。
すなわち、図18(A)から図18(B)に示すように、ストップピン29を解放し、枠移動押え爪24を右方向の逃げ位置まで移動し、逃げ位置において、クランプによって止め枠11がはずれない程度に押える。これにより、止め枠11の第1縦枠11aによってベルト10の軸側端部を引っかけてスライドする。
【0059】
図12(D)は、止め軸12を止め枠11から離間する方向に移動させて止め枠11に通したベルト部分を折り返した状態を示している。
図19(A)に示すように、軸側チャック30を再び枠側チャック20に接近させ、軸側チャック30の軸保持溝33bに枠側チャック20の保持溝23bに保持されている止め軸12の付け根部12bを挿入し、軸側チャック30の軸保持溝33bのストップピン33cをロックし(図中、矢印(1)参照)、枠側チャック20の保持溝23bのストップピン23cを解放し(図中、矢印(2)方向)、図19(B),図20(A)に示すように、軸側チャック30を枠側チャック20から離間するように搬送路の外側に向かって後退させる(図中、矢印(3)参照)。後退していく過程で、図20(B)に示すように、ベルト10の弛みがとられる。このとき、両サイドのベルト押え部材80は押したままである。
【0060】
図12(E)は、止め枠11を開放し、両サイドのベルト押え部材80を開放して、軸側チャック30の旋回アーム32を旋回させながら図中右側へスライドし、止め軸12を物品の後面に近づけると共にベルトの締め増し(ゆるみ取り)をする状態を示している。
図20(C)に示すように、止め枠11を開放し(図18(B)の枠側チャック20の枠押え27aおよび枠移動押え爪24を開放)、止め軸12をさらに搬送路Fの外側に向かって移動する(図中、矢印c1方向)。止め枠11は物品Bの後面B4と平行状態に倒れる(図中、矢印c2方向)。左右の押え部材80は、まだ押したままである。
【0061】
次に、図20(D)および図21に示すように、軸側チャック30の旋回アーム32を物品Bの後面B4側に転回(図中、矢印d1方向)すると同時にさらに搬送路の外側にスライドさせる(図中、矢印d2方向)。旋回アーム32に作用するトルクを検出し、設定トルク値直前で左右両側面B2,B3の押え部材80を開放し、ベルト全体のゆるみを取る。旋回アーム32を旋回すると、止め軸12が物品Bの後面に接近し、止め枠11から折り返されたベルト折り返し部10Tと重なるベルト下巻き部10Uが接しない程度にほぼ平行とする。
【0062】
図12(F)は、ベルト折り返し部10Tとベルト下巻き部10Uの重合部分を面状ファスナによって固定した状態を示している。この面状ファスナによる固定の際に、軸側テンションロール60を利用する。軸側テンションロール60は、待機位置から所定位置まで移動し(図中、矢印f1方向)、図22(A)に示すように物品B側に転回し(図中、矢印f2方向)、ベルト折り返し部10Tを物品B4に対して押し付ける。図22(B)に示すように、押し付けながら外側にスライドさせて(図中、矢印f3方向)、ベルト折り返し部10Tとベルト下巻き部10Uとを面状ファスナにて固定する。この押し付け力は軸側テンションロール60の回転トルクで設定され、所定の設定トルクで押し付けながら引き続ける。
【0063】
そして、図23に示すように、軸側チャック60のストップピン33bを開放する(図中、矢印f4)。ストップピン33b開放後、軸側チャック30をそのまま外側へスライドさせて逃げる(図中、矢印f5)。軸側テンションロール60は止め軸12の手前まで押し続け(図中、矢印f6)、止め軸12手前に達すると、軸側テンションロール60が転回してベルトから逃げる(図中、矢印f7)。
【0064】
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
実施の形態1と異なる点は、ベルトのセットおよび巻き付け後のベルト端末の結合を手動としたセミオートタイプとした点、省スペース化のために一方のテンションロールを搬送方向に沿って移動させてベルトを搬送方向に引き伸ばすようにした点で、その他の基本的な構成および作業手順は実施の形態1と同一である。以下の説明では主として実施の形態1と異なる点についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略するものとする。
【0065】
この実施の形態2に係るベルト巻き付けも、物品Bとしてパレットに段積みされた段ボールの箱体を搬送する搬送ライン上に配置されるもので、ベルト10が搬送路Fを横切るようにベルト10の両端を保持する一対のベルト保持手段としての枠側チャック220および軸側チャック300と、物品が枠側チャック220および軸側チャック300の間を通過してベルト10が物品Bの前面B1から左右側面B2,B3にかけて巻き付くまで物品Bを前進駆動させる搬送手段としての搬送ロール40と、物品Bに巻き付いたベルト10に対して張力を付与する張力付与手段を構成する左右一対の枠側テンションロール500および軸側テンションロール600と、ベルト10の張力によって搬送路上を後退する物品に当接して物品の後退位置を規制するストッパ70と、ベルト10を物品の左右側面に対して密着させる一対のベルト押え装置80と、を備え、ベルト押え装置80,80によってベルト10を押えた状態で物品Bの後面B4側でベルト10の両端部を締め付け固定するようになっている。
【0066】
軸側チャック300はベルト10の止め軸12側端部を固定するもので、手動で止め軸12の上下両端を保持するようになっている。人手によってセットするので、実施の形態1のような旋回アームが無く、スライドアーム331のみである。スライドアーム331の先端部には上下に止め軸押え部333,333がある。この止め軸押え部333,33には軸の上下両端部が保持される軸保持溝333bが設けられ、この軸保持溝333bに保持された止め軸12をロックするためのストップピン333cが設けられ、ストップピン333cをオン,オフするための手動のスイッチ333dが設けられている。
【0067】
枠側チャック220は、スライドアーム221の先端部上下端に枠押え225,225が設けられている。枠押え225,225によって止め枠11の上枠11cおよび下枠11dを押えようになっている。また、スライドアーム221の先端面にはストップピン229が出没自在に設けられている。このストップピン229は、手動のスイッチ230のオンオフによって突出,没入が切り替えられる。
【0068】
枠側テンションロール500と軸側テンションロール600は、小スペースに対応するために、一方を搬送方向と交差する方向(図示例では直交方向)に、他方を搬送方向と平行方向に移動させるようになっている。そのために、フレーム200には、図27に示すように、全体としてL字形あるいはT字形状で、横ガイドフレーム203に加えて、搬送路と平行に延びる縦ガイドフレーム204が設けられ、枠側テンションロール500が横ガイドフレーム203に沿って搬送方向と交差する方向、軸側テンションロール600が縦ガイドフレーム204に沿って搬送方向と平行方向に移動するように構成されている。縦ガイドフレーム204の搬送方向前端部は第3柱部205によって支持されている。これにより、ベルト10を引き伸ばす方向は、搬送路Fと交差する方向(直交方向)と平行方向の組み合わせとなる。
【0069】
枠側テンションロール500は転回せず、ロール移動ガイド206を介して横ガイドフレーム203に取り付けられ、ロール移動ガイド206に沿って搬送方向と平行方向に、横ガイドフレーム203に沿って搬送方向と直交方向に移動自在となっている。ロール移動ガイド206は搬送方向に沿って延びており、横ガイドフレーム203に沿って搬送方向と直交する方向に移動自在に取り付けられている。
軸側テンションロール600も転回せず、縦ガイドフレーム204に沿って搬送方向と平行の縦方向に移動自在に支持されている。
【0070】
枠側テンションロール500および軸側テンションロール600には、ベルト10を引き伸ばす方向に付勢する付勢手段としての不図示のテンショナが設けられている。この例では枠側の第1柱部201と縦ガイドフレーム204前端の第3柱部205に重りが吊り下げられ、枠側テンションロール500および軸側テンションロール600に付与するようになっている。
【0071】
ベルト押えについては、縦ガイドフレームが設けられた軸側の押え部材80に、押え部材80の手前にベルト10が掛けられるガイドロール83が設けられる。ベルト10の縦方向の移動をスムースに行うためである。
【0072】
次に、本実施の形態2に係るベルト巻き付け装置の作業工程について、図25,図26に示すチャートに基づき、必要に応じて他の図面を参照しながら説明する。
図25(A)は、枠側チャック220と軸側チャック300間にベルト10を掛け渡した状態を示している。
ベルト10のセットは、図28(B)に示すように、枠側チャック220への止め枠11のセットは、スイッチ230を切り替えて(オンあるいはオフ)ストップピン229を引っ込め、止め枠11の上枠11c,下枠11dを上下の枠押え225,225間に滑らせてセットする。セットした後、スイッチ230を切り替えてストップピン229を突出してスライド方向に抜けないように固定する。一方、軸側チャック300への止め軸12のセットは、上下の止め軸保持部の軸保持溝333bに止め軸12の上下両端部を差し込み、スイッチ233dを切り替えてストップピン333cを突出させてロックする。
【0073】
図25(B)は、枠側チャック220と軸側チャック300を互いに離間するように搬送路Fの外側に向けて移動させ、左右の枠側テンションロール50および軸側テンションロール60の位置より長くなるまで伸長させた状態を示している。
図25(C)は、枠側テンションロール500を搬送方向に沿って搬送方向前方(下流側)に移動させ、押え部材80と横ガイドフレーム203の間までベルト10を押して停止した状態を示している。
【0074】
図25(D)は、枠側テンションロール500を横ガイドフレーム203に沿ってテンションロール移動ガイド206ごと、横ガイドフレーム203に沿って搬送路の左外側(図中、矢印d側)に移動し、ベルト当接部10Aを左側に張り出した状態を示している。
図25(E)は、軸側テンションロール600を縦ガイドフレーム204に沿って搬送方向と平行に移動させた状態を示している。
これにより、ベルト10は押え部材80に設けたロール押え83を支点にしながら、縦ガイドフレーム204に沿って搬送方向下流側に伸びていき、軸側チャック300にセットされたベルト10の巻きをすべて伸ばしてストップする。停止後、枠側テンションロール500および軸側テンションロール600には、実施の形態1と同様におもりによるテンションが付与される。
【0075】
図25(F)は、搬送されてくる物品Bが枠側チャック220と軸側チャック300の間および両サイド押え部材80,81を通過して枠側テンションロール500,軸側テンションロール600によって延ばされたベルト10の中間部を押しながら奥へ移動していく状態を示している。ベルト10の中間部が搬送方向前方に移動した分だけ、軸側テンションロール600が縦ガイドフレーム204に沿って搬送方向上流側に戻ると共に枠側テンションロール500が横ガイドフレーム203に沿って内側に戻される。このとき、物品Bに対して止め軸12側のベルト部分は押え部材80の補助ロール83を支点にして移動する。
【0076】
図26(A)は、物品がベルト10のテンションによってストッパまで後退した状態を示している。
位置センサ90によって物品Bが検知されると搬送ロールが停止され、搬送路Fにストッパ71が突き出される。搬送ローラ40をフリーにすると、両側の枠側テンションローラ500及び軸側テンションローラ600が重りの重量によって左右に開き、物品Bが後退しストッパ71に当接して停止する。
押え部材80を内側へ移動し、ベルト10を物品Bの左右側面に押し付ける。同時に重りの重量によって枠側テンションロール500,軸側テンションロール600が外側へ開き、ベルト10のゆるみをとってベルト10と物品Bの密着度を高める。
【0077】
図26(B)は、枠側テンションロール500と軸側テンションロール600を逃がした状態を示している。
枠側テンションローラ500はローラ移動用ガイド206ごと、横ガイドフレーム203に沿って止め枠12の位置より内側へ移動する(図中、矢印b1方向)。次いで、枠側テンションロール500をロール移動用ガイド206に沿って搬送方向上流側に移動する(図中、矢印b2方向)。
軸側テンションロール600を縦ガイドフレーム204に沿って搬送方向上流側、軸側チャック300より手前まで移動する(図中、矢印b4方向)。
【0078】
図26(C)は、止め枠11及び止め軸12を互いに接近する方向に移動した状態を示している。
枠側テンションロール500も横ガイドフレーム203と共に全体で横ガイドフレーム203に沿って横ガイドフレーム203の枠側端部まで逃げる(図中、矢印b3方向)。
図26(D)は、枠側テンションロール500の移動手順のみを示したものである。
【0079】
図27(C)乃至(D)は、手動によるベルト止め手順を示している。
図27(C)は、枠側チャック220及び軸側チャック300から止め枠11及び止め軸12を抜き取った状態を示している。
止め枠11の抜き取りは、枠側チャック220のスイッチ230を切り替えてストップピン229を引っ込め、止め枠11の上枠11c,下枠11dを上下の枠押え225,225間から止めわく11を滑らせて抜き取る。
【0080】
止め軸12の抜き取りは、スイッチ233dを切り替えてストップピン333cを引っ込め、止め軸12を軸保持溝333bから抜き取る。
抜き取った止め枠11と止め軸12を手に持って、図27(D)に示すように、止め枠11に止め軸12を通す。
【0081】
続いて、図27(E)に示すように、止め枠11をくぐらせた止め軸12を引っ張ってベルト10を折り返し、ベルト折り返し部10Tをベルト下巻き部10Uに重ねて押しつけ、重合面に設けられた面状ファスナにて固定する。
このとき、物品Bの左右両側面の押え部材80,81は、ベルトを締め込む状態をみながら開放する。この開放は、たとえばフットスイッチ等によって制御すればよい。
【0082】
この実施の形態2のようにセミオートタイプとすれば、ベルトのセット工程の補給設備、ベルト止めの制御装置等が不要となるので、フルオートタイプに比べてコストが安く。荷物量が少量の場合にも対応できる。
また、フレーム形状にバリエーションを持たせることにより、種々の作業スペースに対応することができる。
作業者が一人必要になるが、ベルトのセット、ベルト止め作業は手早く行うことができるので、作業時間の面ではフルオートタイプに比べてタイムロスは少ない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係るベルト巻き付け装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図2(A)はベルトの一部省略斜視図、同図(B)はベルトの止め枠に止め軸を通す状態を示す一部省略斜視図、同図(C)は巻いたベルトをセット治具に装着した状態を示す斜視図、同図(D)はセット治具の斜視図、同図(E)はセット治具の止め軸保持具の溝部分の拡大斜視図である。
【図3】図3(A)は軸側チャックに対するベルト補給ラインを物品の搬送路と共に示す平面図、同図(B)はセット治具のベルト受け渡し工程を示す図、同図(C)は空のセット治具の移動行程を示す図、同図(D)は軸側チャックの旋回アームが戻った状態を示す図、同図(E)は軸側チャックにベルトが装着された状態の斜視図、同図(F)は軸側チャックが補給ラインに向けて90度旋回した状態を示す斜視図である。
【図4】図4は軸側チャックの旋回アームを先端側から見た斜視図である。
【図5】図5は枠側チャックを先端側から見た斜視図である。
【図6】図6(A)は軸側チャックを背面から見た斜視図、同図(B)は枠側チャックを背面から見た斜視図である。
【図7】図7は軸側チャックと枠側チャックを取り付けるスライドベースの構成を示す斜視図である。
【図8】図8はフレームを省略して搬送路とその周辺の装置の配置構成を示す斜視図である。
【図9】図9(A)はフレームの枠側テンションロール周辺を示す概略斜視図、同図(B)はフレームの軸側テンションロール周辺を示す概略斜視図である。
【図10】図10はベルトセット時の軸側チャックから枠側チャックへの止め枠受け渡し行程を示すもので、同図(A)は概略平面図、同図(B)は受け渡し時の軸側チャックと枠側チャックに結合状態を示す一部省略斜視図、同図(C)は受け渡し終了後の斜視図である。
【図11】図11は巻き付け作業工程のベルトの動きを模式的に示す平面図である。
【図12】図12はベルト止め工程のベルトの動きを模式的に示す平面図である。
【図13】図13はベルトの展開工程のベルトの動きを示す概略斜視図である。
【図14】図14はベルトに向かって搬送駆動される物品を示す斜視図である。
【図15】図15はベルトが物品に巻き付いた状態を示す斜視図である。
【図16】図16(A)は巻き付いたベルトをベルト押え部材によって物品の側面に押し付けた状態の斜視図、同図(B)は同図(A)の状態から枠側テンションロールと軸側テンションロール開放された状態の斜視図である。
【図17】図17は巻きつけたベルトの止め枠に止め軸を通す工程を示すもので、同図(A)はベルトの動きを示す概略斜視図、同図(B)は止め枠に止め軸を通して軸側チャックから枠側チャックに受け渡しした状態の一部省略斜視図である。
【図18】図18は枠側チャック上で止め軸を通した止め枠をスライドさせる工程を示すもので、同図(A)はスライド前の状態を示す斜視図、同図(B)はスライドした状態の斜視図である。
【図19】図19は枠側チャックに保持された止め軸を再度軸側チャックに受け渡しする工程を示すもので、同図(A)は受け渡し前の斜視図、同図(B)は受け渡し後の斜視図である。
【図20】図20はベルトの止め工程のベルトの動きを示す斜視図である。
【図21】図21はベルトの止め工程において軸側チャックを旋回させた状態の斜視図である。
【図22】図22は軸側テンションロールによるベルトの折り返し部とベルト下巻き部との重なり部の押圧工程を示す斜視図である。
【図23】図23は止め工程終了時の軸側チャックの止め軸開放状態を示す斜視図である。
【図24】図24は本発明の実施の形態2に係るベルト巻き付け装置の全体構成を示す斜視図である。
【図25】図25は図24の装置を用いたベルト巻き付け工程のベルトの動きを模式的に示す平面図である。
【図26】図26は図25に続くベルト巻き付け工程のベルトの動きを模式的に示す平面図である。
【図27】図27は図24の装置のベルトの展開状態を示す斜視図である。
【図28】図28はベルトのセットおよびベルト止め工程を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0084】
B 物品 箱体
B1 前面、B2,B3 左右側面
10 ベルト
10T ベルト折り返し部、10U ベルト下巻き部
11 止め枠
11a,11b 第1,第2縦枠、11c,11d 第1,第2横枠
12 止め軸
14 面状ファスナ
15 フランジ
20 枠側チャック
21 スライドアーム
22 止め枠保持部
23 止め軸保持部
23a 凹部、23b 保持溝、23c ストップピン
24 止め枠移動機構
24a 押え爪、24b 直線駆動機構、24c ガイドブロック
24d ガイド溝、24e ねじ軸
25 クランプ
26 アクチュエータ
27 止め枠保持部
27a クランプ、27b アクチュエータ
28 直線駆動機構
28a スライドベース、28b ガイドバー、28c スライドブロック
28d ねじ軸
29 ストップピン
30 軸側チャック
31 スライドアーム、32 旋回アーム
33 止め軸保持部
33a ブラケット、33b 溝、33c ストップピン
34 止め枠保持部
35 枠押え
36 アクチュエータ
38 直線駆動機構
38a スライドベース、38b ガイドバー、38c スライドブロック
38d ねじ軸
39 テンションロール
40 搬送ロール
41 横ロール
50 枠側テンションロール
51 支持バー、51a 水平軸部、51b 垂直軸部
52 旋回軸
53 回転ブロック
54 スライドブロック
55 テンショナ
55a 重り、55b ワイヤ、55c プーリ
60 軸側テンションロール
61 支持バー、61a 水平軸部、61b 垂直軸部
62 旋回軸
63 回転ブロック
64 スライドブロック
65 テンショナ
65a 重り、65b ワイヤ、65c プーリ
70 ストッパ
71 駆動軸部
72 駆動装置
80 ベルト押え部材
81 駆動軸部
82 駆動装置
90 位置センサ、91 発光素子、92 受光素子
100 セット治具
110 止め枠保持具
111 枠プレート,
111a,111b 第1,第2縦枠、111c,111d 第1,第2横枠
112 弾性保持具
120 止め軸保持具
121 保持片、122 保持溝、124 ストップピン
130 台板
200 フレーム
201,202 第1,第2柱部、
203 横ガイドフレーム
F 搬送路
L ベルト補給ライン、L1 ベルト装着位置
R 戻りライン
204 縦ガイドフレーム、205 第3柱部、
206 テンションロール移動ガイド
220 枠側チャック
221 スライドアーム、225 枠押え、229 ストップピン
230 スイッチ
300 軸側チャック
331 スライドアーム
333 止め軸押え部
333b 軸保持溝
333c ストップピン
333d スイッチ
500 枠側テンションロール
600 軸側テンションロール

12a 止め軸12の上下突出部の先端部
12b 止め軸12の上下突出部の付け根部
FB 物品搬送方向後領域
FF 搬送方向前方領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って搬送される物品にベルトを巻き付けるベルト巻き付け装置であって、
前記ベルトが搬送路を横切るようにベルトの両端を保持する一対のベルト保持手段と、
物品がベルト保持手段の間を通過してベルトが物品の前面から左右側面にかけて巻き付くまで物品を前進駆動させる搬送手段と、
物品に巻き付いたベルトに対して張力を付与する張力付与手段と、
ベルトの張力によって搬送路上を後退する物品に当接して物品の後退位置を規制するストッパ手段と、
ベルトを物品の左右側面に対して密着させる一対のベルト押え手段と、を備え、
該ベルト押え手段によってベルトを押えた状態で物品の後面側でベルトの両端部を締め付け固定することを特徴とするベルト巻き付け装置。
【請求項2】
ベルトが物品の前面から左右側面にかけて巻き付いた時点で搬送手段を自由に動くフリー状態とすることを特徴とする請求項1に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項3】
搬送状態をフリー状態とするタイミングをとる物品の位置センサが設けられている請求項2に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項4】
搬送手段はローラである請求項1に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項5】
張力付与手段はベルトの中間部に当接して物品と干渉しない範囲で所定の力をかけながらベルトを引き伸ばす方向に移動するテンション部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項6】
テンション部材に加える力は重りの重力を利用することを特徴とする請求項4に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項7】
ベルトを引き伸ばす方向は搬送路と交差する方向である請求項1乃至6のいずれかの項に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項8】
ベルトを引き伸ばす方向は搬送路と平行方向である請求項1乃至6のいずれかの項に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項9】
ベルトを引き伸ばす方向は搬送路と交差する方向と平行方向の組み合わせである請求項1乃至6のいずれかの項に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項10】
テンション部材は、搬送路上の物品のさらに上方に搬送路を横切るように掛け渡される横ガイドフレームに沿って横方向に移動自在に支持されている請求項5に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項11】
テンション部材は左右一対設けられ、テンション部材間を離間する方向に移動させることによりベルトを引き伸ばす構成となっている請求項10に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項12】
テンション部材は搬送路と平行面内において、横ガイドフレームとの取り付け部を通る垂直軸を旋回軸としてベルト保持手段の位置に対して物品搬送方向後領域から物品の搬送方向前方領域にかけてベルト保持手段の間を通って旋回可能に支持されていることを特徴とする請求項10または11に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項13】
テンション部材は左右一対設けられ、一方のテンション部材は搬送路上の物品のさらに上方に搬送路を横切るように掛け渡される横ガイドフレームに沿って横方向に移動自在に支持され、他方の支持部材は、搬送路に沿って伸びる縦ガイドフレームに沿って縦方向に移動自在に支持されている請求項5に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項14】
テンション部材はベルトに対して転動自在に当接するテンションロールである請求項 5乃至13のいずれかの項に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項15】
ベルトの一端には止め枠が設けられ、ベルトの他端を止め枠に通して折り返すことにより物品を締め付ける構成で、ベルトの折り返し部を物品に巻き付いたベルト部分に着脱自在に固定する固定手段を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかの項に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項16】
固定手段は面状ファスナである請求項15に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項17】
止め枠に通すベルトの他端には上下両端がベルトの幅より突出する止め軸が設けられている請求項15に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項18】
一対のベルト保持手段は、止め枠を着脱自在に保持する枠側チャックと、止め軸を着脱自在に保持する軸側チャックである請求項17に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項19】
軸側チャックは止め軸を着脱自在に保持する止め軸保持部と止め枠を着脱自在に保持する受け渡し用止め枠保持部とを有し、枠側チャックは止め枠を着脱自在に保持する止め枠保持部を有する構成で、
ベルトは止め軸を芯にして巻き付けた形態を初期形態とし、初期形態の状態で軸側チャックの止め軸保持部と受け渡し用止め枠保持部に止め軸と止め枠が共にセットされ、枠側チャックと軸側チャックが接近し、止め枠が軸側チャックの止め枠保持部から枠側チャックの止め枠保持部に受け渡され、枠側チャックと軸側チャックが離間してベルトが軸側チャックから引き出される構成となっている請求項18に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項20】
ベルトは初期形態の状態で補給装置から軸側チャックに自動的に受け渡される構成となっている請求項19に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項21】
補給装置において、止め軸を芯にして巻き付けた初期形態のベルトを保持するセット治具を備え、セット治具は止め枠を着脱自在に保持する止め枠保持部と、止め軸を着脱自在に保持する止め軸保持部とを備えていることを特徴とする請求項20に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項22】
枠側チャックは、止め枠を保持する止め枠保持部と、該止め枠保持部の奥に位置し止め軸を着脱自在に保持する止め軸保持部と、前記止め枠保持部に保持された止め枠を止め軸保持部と重なる初期位置から止め軸保持部から外れた逃がし位置に移動させる移動手段と、を備え、
ベルトの締め付け固定は、枠側チャックと軸側チャックを接近させ、軸側チャックの止め軸保持部に保持されていた止め軸を、枠側チャックの止め枠保持部の初期位置に保持されている止め枠内を通して止め軸保持部に受け渡し、軸側チャックと枠側チャックを離間させ、枠側チャックにおいて止め枠を逃がし位置に移動させてベルトの軸側端部を止め枠に引っ掛け、再度軸側チャックと枠側チャックを接近させ、枠側チャックの止め軸保持部に保持されている止め軸を軸側チャックに受け渡して軸側チャックと枠側チャックを離間させ、ベルトの軸側端部を止め枠に通した状態で折り返して自動的に締め付ける構成となっていることを特徴とする請求項18又は19に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項23】
ベルトの軸側端部の折り返し部を巻き付いたベルト部分に重ね、重なった部分に設けられた面状ファスナを固定する押圧手段を備えていることを特徴とする請求項22に記載のベルト巻き付け装置。
【請求項24】
押圧手段はベルトに張力を付与するテンション部材を利用することを特徴とする請求項23に記載のベルト巻き付け装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−76628(P2006−76628A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263943(P2004−263943)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(504345148)有限会社ジェイ・テック (9)
【出願人】(502022896)株式会社エコシステム (4)
【Fターム(参考)】