説明

ベルト縁部ステアリングセンサ

【課題】5μm以内でベルト縁部の位置を測定する低コストのセンサを提供する。
【解決手段】LED42と光検出器44を備えた光電式センサと、LED42と光検出器44の間の光路で回転するシャフト48に取り付けられたシャッタ40と、前記シャフト48に機械的に連結された一端を有する細長いアーム28と、可動感光体表面12と係合する細長いアーム28の他端に固定され、それにより、感光体表面12の縁部位置にズレがあると前記シャッタ40が回転する接触部材52と、感光体表面12とステアリングロール37に連結されたステアリングモータ34とに機械的に結合され、それにより、LED42と光検出器44の間の光路に対するシャッタ40の位置に応じて感光体表面12のエッジ位置が変更されるステアリングロール37とから成る可動感光体表面の縁部の位置を追跡するためのセンサ。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概括的には可動光導電ベルトの位置を追跡するための装置と方法に関するものであり、更に詳しくは、ベルト縁部の基準位置からのズレを測定する接触式センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー複写機の導入を成功させる上で克服されるべき多くの課題の一つは、出力される複写紙への、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのような色の相対的重ね合わせである。今や新しいカラー複写機に対する重ね合わせ要求事項は、一般に125μmの範囲内であった従来技術の重ね合わせ要求事項より、はるかに厳格である。
【0003】フォトレセプタの位置を測定するのに、これまで三種類の技術が利用されてきた。第一はZ形に配置されたP/Rの縁部に連続した三個の穴を採用するもの、第二はベルト上に電子写真式に現像したマークを配置することに関わるもの、第三はベルトの縁部の位置の測定に関わるものであった。ベルト停止時でもベルト位置の連続監視を可能にし、フォトレセプタの追加的な穴の必要性をなくしたので、後者が好ましいと見なされていた。
【0004】現在のところ、ベルト縁部の感知は、開口部をつけた遮断センサを利用して実施され、センサがきれいなときには申し分なく作用するように思われる。しかしながら、センサがトナーで覆われるようになると印刷時の性能が劣化することが経験により分かっており、複写回数500〜4000回の間隔でセンサをクリーニングすることが一般的である。また、装置の出力は、ベルトの光透過性と、シーム感知とベルト位置合わせに必要なベルト縁部の穴の存在によって強く影響される。これらの両因子は疑似信号(spurious signal)を発生するが、疑似信号は、実際にはベルトが確実に位置合わせされているときに、制御システムによって位置ズレとして解釈される場合がある。
【0005】前述の従来技術の他に、米国特許第5,291,245号はフォトレセプタのベルトのシームを認識するための電気光学センサを開示し、米国特許第4,864,124号は移動する複写紙と係合してセンサの光路内でスリーブを回転するように配設された機構アームを有する電気光学センサを開示している。スリーブの適切な回転により光路を遮断し、複写紙の存在を明らかにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、フォトレセプタの側方位置を測定するための比較的安価なセンサならびにベルトの穴の必要性を最小限にするセンサを提供できることが望ましい。また、極めて正確で機械動作時に性能劣化を表さない側方位置測定センサを提供することが望ましい。
【0007】そこで本発明の目的は、5マイクロメータ以内でベルト縁部の位置を測定する低コストのセンサを提供することである。本発明の別の目的は、ベルト材料の光学的透過性およびベルトの穴の存在と無関係にベルト縁部の位置を測定できることである。
【0008】本発明の他の利益は、以下の説明が進むにつれて明らかになり、本発明を特徴付ける特性は、特に本明細書の一部を形成する添付の請求項において指摘される。
【0009】
【課題を解決するための手段】LEDとフォトトランジスタの間の光路に対置させてハウジング内回転シャフトに取り付けられたシャッタを有するセンサが提供される。シャフトの一部は細長いアームに結合されるハウジングの外側に延びている。細長いアームに固定されたランナは、可動感光体表面に係合し、感光体表面の縁部位置のズレがあるとLEDとフォトトランジスタの間の光路に対してシャッタが回転する。これにより、シャッタ位置を表す信号を提供することによって可動感光体表面の縁部位置の追跡が可能となる。
【0010】本発明をより理解するために、添付図面を参照することがあるが、図中、同一参照数字は同様部品に適用される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明を組み入れたシステムを示すブロック図であり、図2は本発明によるセンサの側面図であり、図3は本発明によるセンサの平面図であり、図4A、B、Cは、本発明によるセンサの動作を示す図であり、図5はセンサの光電流に対するフォトレセプタのベルト位置の関係を示す図であり、図6は本発明で使用するための代表的な光検出器と回路の図である。
【0012】図1を参照すると、概括的には、周知印写技術により潜像が感光体表面12に投射される印写領域16に対して矢印14の方向に駆動ロール22により適切に駆動される感光体表面12と、適切なトナーが適用され、潜像を現像し、図示されていない複写紙に転写する現像部ハウジング36とが示されている。種々の原稿の画像領域は、点線四角領域で示され、感光体表面12に沿った20に記載されている。画像を投射し、画像を現像し、複写紙に転写し、画像を複写紙に定着し、適切な出力部に搬送するための周知の電子写真プロセスは本発明の一部を形成するものではない。
【0013】本発明によれば、適切な起動アーム付きのベルト縁部ステアリングセンサ26は、起動アーム28が感光体表面12の縁部と係合するように感光体表面12に隣接して位置決めされる。起動アーム28の移動によって発生した適切な信号は、ステアリングセンサ26によってマイクロコントローラ30に供給される。次に、マイクロコントローラ30は、センサ26からのアーム位置信号を、モータドライバ32を作動するドライバ信号に変換する。モータドライバ32は、モータ信号をステアリングモータ34に供給し、次いでステアリングモータ34はステアリングロール37を作動して、感光体表面12の縁部位置を調整する適切なステアリング調整を行う。
【0014】図2と3を参照すると、本発明によるフラグスイッチ構成を採用するセンサ26の一実施例が記載されている。特に、センサ26は、感光体12と接触している起動アーム28の位置によって主に影響を受ける。起動アーム28はスプリングにより軽く荷重が与えられ、一端でランナ52が感光体表面12の縁部に当たっていることが好ましい。アームの他端はシャッタ40(またはフラグ)の形状をなし、感光体表面またはベルト縁部が次第に外に移動してアームとシャッタを回転するのにつれて、光線が検出器に当たるのを徐々に遮るように配設される。
【0015】センサ26は、ブラケット38により、感光体表面12に極めて接近してフレームに適切に取り付けられているハウジング36を含む。LED42は、感光体表面縁部50に対するアーム28の相対的位置または回転に応じて光が光検出器44に当たるのを遮るすなわち遮断するシャッタ40がアーム28の一端に取り付けられた状態で、光検出器44の方向に光線を投射する。起動アーム28は、ハウジング36の外側でシャフト18に固定され、シャッタ40はハウジング40内に延びているシャフト18の一部に固定される。
【0016】感光体表面の縁部50の位置に対し、シャフト18の箇所の回りを起動アームが移動すなわち回転すると、起動アーム28はシャフト18について円弧を追跡する。次に、起動アーム28のこの移動により、シャッタ40は、光検出器44に当たるLED42からの光をより多くまたは少なく遮断する位置に回転される。起動アーム28の端部54に取り付けられた適切なスキッドすなわちランナ52は、最小量の縁部摩耗すなわち劣化で感光体表面の縁部50を追跡する、適切な接触面を提供する。
【0017】図4A、4B、4Cは、作動中のベルト縁部ステアリングセンサ26を示す。特に、図4Aは、アーム28が矢印14の方向に移動して感光体表面12の縁部50に対して非常に狭い角度αでLED42と光検出器44の間の光路を完全に遮断しているシャッタ40を示す。これは、センサ26に極めて接近した所定の外側位置すなわちエッジ位置におけるフォトレセプタ12の縁部50を表す。LEDから光検出器44への光束すなわち光路を完全に遮断することにより、光検出器の電流は比較的低くなる。
【0018】図4Cは、アーム28に対して比較的大きな角度α2における感光体12の縁部50の位置を示す。この位置では、シャッタ40はLED42と光検出器44の間の光路の完全に外側にあり、感光体表面の縁部50は、極めて内側の位置、即ち、センサ26から相対的に大きい方の距離にある。この位置では、LED42から放たれる光は、光検出器44によって完全に受容され、それにより比較的大きな光検出器電流が生成される。
【0019】図4Bは、アーム28が図4Aと4Cに示された位置間の中ほどの位置である角度α1にある、通常の作動位置を示す。これは、LED42から光検出器44への光路間の途中のシャッタ40での基準位置すなわち通常作動位置である。この位置から、感光体表面12の縁部50がセンサ26に向かっての移動することによりシャッタ44が回転してLED42とシャッタ44間の遮断調整が進むころろ、シャッタ40が縁部50から離れるように移動すなわち回転するにつれて、センサ26から離れる感光体表面の縁部50の動きによって光路の遮断が少なくなることが分かる。
【0020】光検出器44の電流に対する、フォトレジスタ表面の縁部50すなわちフォトレセプタの位置の関係が図5に示されている。縁部50が極端な外側位置すなわちセンサ26に近い位置にある図4Aについては、比較的低い電流がAに示されている。Cに示されているような高電流は、図4Cに示されているように大きな角度α2であること、すなわち縁部50がセンサ26から極端な最内側位置にあることに相当する。通常の作動位置は、通常、一般的に2つの極端位置の間の中間点すなわち中間電流レベルとなるようにBに示される。センサ26に対する縁部50の位置と、光検出器44の電流は関係があることを理解されたい。図1に示されているように、この光検出器の電流は、コントローラ30によって受信され、ドライバ32とステアリングモータ34を介してステアリングロール36を駆動する。
【0021】図5で、検出器の電流に対するフォトレセプタベルトの縁部の位置は、センサ26のアーム28の位置すなわち回転の変化に応じた光検出器電流の変化を示す。作動時、感光体表面12がアームとシャッタを内側および外側に回転移動するのにつれ、シャッタ40は光線が検出器44に当たるのを徐々に妨げる。センサは、高レベルな信号を供給し、センサヘッドでの余計な信号操作や緩衝の必要を排除するフォトトランジスタを備えることが好ましい。また、トナーが光学系表面に付着したり、LEDの光が検出器に達するのを遮断したりするのを防止するために、シャッタとLEDと検出器は、小さな成形プラスチックハウジングに密閉されることが好ましい。また、ハウジングは、機械支持物、位置調整物、一般機械保護物となる。一実施例において、最小および最大電流読取値となったのは、基準位置から合計5°のシャッタ回転であったことにも注意されたい。
【0022】図6は、典型的なセンサ回路を示す。詳しく述べると、プラス5ボルトからアースへの並列回路は、LED42とフォトトランジスタ44、1500オームの抵抗R1と200オームの抵抗R2を含んでいる。フォトトランジスタの出力は、R1を介した光検出器の電流降下である。抵抗R1を介した最小降下は、シャッタ40の最大光遮断の結果である。一方、図4Cに示される光検出器44から流れる高電流では、抵抗R1を介した最大電圧降下すなわち最大電流となる。
【0023】現時点で本発明の好適実施例であると考えられるものについて記載および説明がなされているが、当業者は数多の変更および修正が同様に想起するであろうことを理解されたい。また、本発明の真の精神および適用範囲内に入るこれら全ての変更ならびに修正は添付請求項に網羅するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明を組み入れたシステムを示すブロック図である。
【図2】 本発明によるセンサの側面図である。
【図3】 本発明によるセンサの平面図である。
【図4】 A、B、Cは本発明によるセンサの動作を示す図である。
【図5】 センサの光電流に対するフォトレセプタのベルト位置の関係を示す図である。
【図6】 本発明で使用する代表的な光検出器と回路の図である。
【符号の説明】
12 感光体表面、16 印字領域、18 シャフト、20 画像領域、22駆動ロール、26 ベルト縁部ステアリングセンサ、28 起動アーム、30マイクロコントローラ、32 モータドライバ、34 ステアリングモータ、36 現像部ハウジング、37 ステアリングロール、38 ブラケット、40シャッタ、42 LED、44 光検出器、50 感光体表面縁部、52 ランナ、54 アーム端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 LEDと光検出器を備えた光電式センサと、LEDと光検出器の間の光路中において回転するシャフトに取り付けられたシャッタと、前記シャフトに機械的に連結された一端を有する細長いアームと、可動感光体表面と係合する前記細長いアームの他端に固定され、それにより、感光体表面の縁部位置にズレがあるとLEDと光検出器の間の光路にシャッタを回転させる接触部材と、感光体表面とステアリングロールに連結されたステアリングモータとに機械的に結合され、それにより、LEDと光検出器の間の光路に対するシャッタの位置に応じて感光体表面のエッジ位置が変更されるステアリングロールと、から成る、可動感光体表面の縁部の位置を追跡するためのセンサ。
【請求項2】 細長いアームは、スプリングにより荷重を与えられて感光体表面と接触するものである、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】 光検出器の信号は、感光体表面の縁部位置の基準位置からの相対的なズレの関数である、請求項1に記載のセンサ。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate