説明

ベルト駆動装置および記録装置

【課題】 部品点数の削減、低コスト、および小型化されたオートテンション機構を有するベルト駆動装置およびそれを備えた記録装置等を提供することである。また、部品点数の削減等によって生じる腕部のねじれ問題を解決することである。
【解決手段】 ねじりコイルばね600は、一端にアイドラ554を支持する支軸部605と、支点(コイル基部606)から延出された腕部601と、支軸部605と腕部601との間に、付勢力と前記付勢力に対抗するベルト553からの反力とによる腕部601のねじれを防止するねじれ防止部602とを備えている。また、このねじれ防止部602は、アイドラ554を迂回して腕部先端側(先端部601a)と前記支軸部605とを一体に繋ぐ迂回部612を備えている。この迂回部612によって、腕部601とベルト外周面553aとが互いに対向するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト駆動装置および該ベルト駆動装置を備えた記録装置に関する。更に本発明は、インク等の液体をそのヘッドから吐出して被記録材に記録を実行するインクジェット式記録装置等の記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来について、ベルトを用いて被記録材を搬送する記録装置を例として採り上げて説明する。この記録装置において、ベルト駆動装置は、内周に歯を備えたベルトが、それぞれ外周に歯を備えた駆動プーリと従動プーリとに掛け回される。駆動プーリが正方向に回転すると、ベルトが駆動プーリの駆動力を従動プーリに伝達し、従動プーリが正方向に回転する。
【0003】
ところが、ベルトが撓んでいると、駆動プーリの歯とベルトの歯との噛み合いが外れ、駆動プーリに対してベルトが滑る(以下、歯飛び現象という)虞がある。そこで記録装置にはベルトに張力を与えるオートテンション機構が設けられ、このオートテンション機構によりベルトの撓みを防止する。このオートテンション機構の付勢手段として圧縮コイルばねを用いたベルト駆動装置がある(例えば特許文献1、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−10263号公報
【特許文献2】特開2004−123381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、以上のようなオートテンション機構では、圧縮コイルばねを用いることによって、部品点数が増加して構造が複雑になり、コストが高くなり、さらに、装置の小型化を妨げる問題があった。
また、ねじりコイルばねを用いた従来のベルト駆動装置を図12に示す。図12(A)はベルト駆動装置を示す斜視図であり、同図(B)は下方斜視図である。これらの図において、オートテンション機構は、ホルダに設けられた回動軸に一端を回動自在に係合したテンションアームと、テンションアームを付勢するねじりコイルばねと、テンションアームの他方端に配設されるアイドラの支軸と、前記支軸を介して回動自在に保持されるアイドラとの4部品によって構成される。
【0006】
以上のように、ねじりコイルばねを用いても部品点数、コスト面で十分ではなかった。
そこで本発明は、このような問題に鑑み成されたものであり、その課題は、部品点数の削減、低コスト、および小型化されたオートテンション機構を有するベルト駆動装置および該ベルト駆動装置を備えた記録装置等を提供することである。また、部品点数の削減等によって生じる新たな問題をも解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、駆動プーリと、従動プーリと、前記駆動プーリの駆動力を前記従動プーリへ伝達するため、前記駆動プーリと前記従動プーリとに掛け回される無端のベルトと、前記ベルトを付勢して前記ベルトに張力を付加するオートテンション機構とを備えたベルト駆動装置であって、前記オートテンション機構は、前記ベルトの外周面と当接して従動回転するアイドラと、前記アイドラを保持し、前記張力を付加する方向へ前記アイドラを付勢するねじりコイルばねとを備え、前記ねじりコイルばねは、前記アイドラを支持する支軸部と、支点から延出された腕部と、前記支軸部と前記腕部との間に、前記付勢力と前記付勢力に対抗する前記ベルトからの反力とによる前記腕部のねじれを防止するねじれ防止部とを備えたことを特徴とするベルト駆動装置である。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、ねじりコイルばねは、前記ねじりコイルばねの支点から延出された腕部と、アイドラを支持する支軸部とを備えているので、部品点数の削減、小型化、および低コストのオートテンション機構を構成することができる。
ここで、前記ねじりコイルばね自体が腕部を備え、前記腕部の先端側にアイドラを支持する支軸部を有しているので、該腕部がねじれる虞が生じるが、本発明の前記ねじりコイルばねにおいては、前記支軸部と前記腕部との間に、前記付勢力と前記付勢力に対抗する前記ベルトからの反力とによる前記腕部のねじれを防止するねじれ防止部を備えているので、腕部がねじれる虞がない。その結果、当該ねじりコイルばねの腕部と一体である支軸部が傾く虞がなく、当該アイドラの外周面で当該ベルトの外周面を確実に付勢することができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記腕部の先端部と前記ベルトの外周面とが互いに対向するように構成され、前記ねじれ防止部は、前記アイドラを迂回して前記腕部先端側と前記支軸部とを一体に繋ぐ迂回部を備えたことを特徴とするベルト駆動装置である。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、迂回部を設けて前記腕部の先端部が前記ベルトの外周面上に配設されるので、前記付勢力と前記付勢力に対抗する前記ベルトからの反力とが、前記ベルトの外周面上において互いに向き合い相殺する。さらに、迂回部が腕部先端側と前記支軸部とを一体に繋いでいるので、迂回部の形状にかかわらず力学上において、前記腕部の先端部におけるねじれモーメントを略無にできる。
【0010】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記腕部と前記ベルトの外周面とが互いに対向するように構成され、前記ねじりコイルばねの支点から延出された一本の線材を曲げて前記腕部と前記迂回部と前記支軸部とが形成されていることを特徴とするベルト駆動装置である。
本発明の第3の態様によれば、第2の態様と同様の作用効果に加え、前記腕部と前記ベルトの外周面とが互いに対向しているので、付勢力の発生元である腕部の支点も前記ベルトの外周面と対向するように配設される。その結果、確実にベルトに張力を付加する方向へ、前記ベルトの外周面を付勢することができる。
【0011】
言い換えると、前記ベルトに対してアイドラの支軸方向(ベルトが外れる方向)への余分な付勢力が生じない。ここで余分な付勢力とは、腕部の前記支点とベルトの外周面とが対向していない場合、該腕部の先端部が前記支点の位置する側へ、前記ベルトを引き寄せるように付勢する虞があり、その状態において分解した付勢力のうち、アイドラの支軸方向(アイドラからベルトが外れる方向)へ働く力をいう。
さらに、一本の線材を曲げて前記腕部と前記迂回部と前記支軸部とが形成されているので、部品点数の削減、或いは低コストのオートテンション機構を構成することができる。
【0012】
本発明の第4の態様は、第2または第3の態様において、前記迂回部は、前記支軸部と共にコ字状に形成されていることを特徴とするベルト駆動装置である。
本発明の第4の態様によれば、第2または第3の態様と同様の作用効果に加え、前記迂回部は、前記支軸部と共にコ字状に形成されているので、アイドラの外面と擦れる虞がない。その結果、ベルトの伝動を妨げる虞もない。また、コ字状に形成されているので、コンパクトにオートテンション機構を構成することができる。
【0013】
本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれか一の態様において、前記アイドラの幅は前記ベルトの幅より広く、前記アイドラの両端に、前記ベルトの外れを防止するフランジ部が設けられていることを特徴とする駆動装置である。
本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記アイドラの両端にフランジ部が設けられているので、前記フランジ部が前記ベルトの伝動方向を規制して前記ベルトの外れを防止できる。さらに、前記ベルトが前記フランジ部によって前記アイドラの軸方向への移動を規制できる。従って、前記アイドラは前記ねじりコイルばねに形成された支軸部から脱落する虞がない。その結果、前記アイドラは該アイドラの外周面で前記ベルトの外周面を確実に付勢することができる。
【0014】
本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれか一の態様において、前記ベルトの張力変化に起因して前記アイドラが跳ね上げられるのを防止するアイドラ跳ね上がり防止手段を備えていることを特徴とするベルト駆動装置である。
ベルトに張力を与えるため前記ベルトを付勢した場合であっても、モータの急な速度変化時あるいは正転・逆転切換時におけるベルトの張力変化に起因してアイドラが跳ね上げられ、前記ベルトに撓みが発生する。その結果、ベルトとプーリとの間に歯飛び現象の虞が生じる。
そこで本発明の第6の態様によれば、第1から第5のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、アイドラ跳ね上がり防止手段を備えているので、前記ベルトの張力変化に起因して前記アイドラが跳ね上げられるのを防止できる。その結果、ベルトに撓みが発生する虞がなく、前記歯飛び現象の虞もない。
【0015】
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記アイドラ跳ね上がり防止手段は、前記オートテンション機構が取り付けられる基体に、前記反力方向への前記アイドラの跳ね上がりを規制する規制部を備えていることを特徴とするベルト駆動装置である。
本発明の第7の態様によれば、第6の態様と同様の作用効果に加え、規制部が前記オートテンション機構の取り付けられる基体に設けられているので、該アイドラ跳ね上がり防止手段を簡単に構成できる。
【0016】
本発明の第8の態様は、第1から第7のいずれか一の態様のベルト駆動装置を備えたことを特徴とする記録装置である。
本発明の第8の態様によれば、第1から第7のいずれか一の態様と同様の作用効果を記録装置において得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る「ベルト駆動装置」としてのインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るインクジェット式記録装置の外観斜視図である。図2は、本発明に係るインクジェット式記録装置の本体カバーを取り外した状態の概略斜視図である。図3は、本発明に係るインクジェット式記録装置の内部構造の要部斜視図である。図4は、本発明に係るインクジェット式記録装置の内部構造の要部側断面図である。
【0019】
インクジェット式記録装置100は、図1に示した如く本体カバー1覆われており、本体カバー1の上面には、上方向へ開閉可能な上面カバー2が配設されている。上面カバー2を開くことによって、インクジェット式記録装置100の内部へユーザがアクセスすることが可能となり、インクカートリッジの交換等を行うことが可能になる。本体カバー1の前面には、電源スイッチ等のスイッチ類5が配設されているほか、排紙スタッカ3並びにトレイカバー4が前方へ開閉可能に配設されている。
【0020】
排紙スタッカ3は、記録実行時には前方に開いた状態で使用され、記録実行後の「被記録材」及び「被搬送体」としての記録紙Pが開いた状態の排紙スタッカ3の上に排出されて積重されるようになっている。トレイカバー4は、前方に開いた状態でディスクトレイを前方からユーザが手差し挿入するためのトレイ挿入口へのアクセスが可能になる。ディスクトレイは、光記録ディスクのラベル面への記録を実行する際に使用され、光記録ディスクを装着した状態のディスクトレイをトレイ挿入口の所定の挿入位置まで手差し挿入して記録を実行することによって、光記録ディスクのラベル面への記録を実行することができる。
【0021】
インクジェット式記録装置100の後部には、図示の如く自動給紙装置20が配設されており、自動給紙装置20の上部には、上方向へ開閉可能な給紙トレイカバー6が配設されている。給紙トレイカバー6は、記録実行時には開いた状態で使用され、開いた状態の給紙トレイカバー6と一体となって記録紙Pの支持面を形成する給紙トレイ22に記録実行前の記録紙Pが積重されるようになっている。給紙トレイ22に積重された記録紙Pは、給紙時に所定のタイミングで給紙ローラ21側へ揺動するホッパ23により給紙ローラ21の外周面に押圧される。給紙ローラ21の外周面に押圧された記録紙Pは、給紙ローラ軸211を回転軸として回転可能に配設されている給紙ローラ21の駆動回転によって、搬送駆動ローラ41の外周面と搬送従動ローラ42の外周面との当接面へ向けて1枚ずつ自動給紙される。
【0022】
インクジェット式記録装置100の筐体は、メインフレーム11、左サイドフレーム12、右サイドフレーム13、右サイド外フレーム13a及びリアフレーム19で主たる骨格が形成されている。左サイドフレーム12(部材191を介して)、右サイドフレーム13、及び右サイド外フレーム13aは、インクジェット式記録装置100の前面側においてリアフレーム19で連結されている。搬送駆動ローラ41の両端支持部は、記録紙Pの搬送方向(副走査方向Y)に回転可能な如く左サイドフレーム12と右サイドフレーム13とにそれぞれ軸支されている。
【0023】
搬送従動ローラホルダ43には、搬送従動ローラ42が記録紙Pの搬送方向へ従動回転可能に軸支されており、搬送従動ローラホルダ43は、搬送駆動ローラ41と平行に複数並べて配置され、それぞれメインフレーム11に揺動可能に支持されている。各搬送従動ローラホルダ43は、ばね431によって搬送駆動ローラ41へ押圧付勢されており、それによって、各搬送従動ローラ42は、略一定の押圧力で搬送駆動ローラ41の外周面に押圧されている。また、各搬送従動ローラホルダ43の副走査方向Y下流側には、補助ローラホルダ43Sがそれぞれ配設されており、補助ローラホルダ43Sには、補助ローラ42Sが記録紙Pの搬送方向へ従動回転可能に軸支されている。搬送駆動ローラ41の両端支持部、及び中央支持部近傍を除く外周面には、高摩擦抵抗被膜が均一に形成されている。
【0024】
自動給紙装置20から給紙される記録紙Pは、紙案内前部材44により搬送駆動ローラ41の外周面へ向けて案内され、搬送駆動ローラ41の外周面と搬送従動ローラ42との当接面に狭持されて搬送駆動ローラ41の高摩擦抵抗被膜面に押圧されて密着し、搬送駆動ローラ41が副走査方向Yへ回転することによって、搬送駆動ローラ41の回転量に応じた搬送量で副走査方向Yへ搬送される。
【0025】
搬送駆動ローラ41は、従動プーリ550が回転伝達可能に一体に取り付けられており、搬送用のモータ561(図3参照)の駆動プーリ552の駆動回転が無端なベルト553を介して従動プーリ550へ伝達されて回転する。搬送駆動ローラ41の回転によって副走査方向Yへ搬送される記録紙Pは、紙案内後部材45と一体に形成されているプラテン46に裏面が摺接しながら面姿勢が規制されつつ搬送される。尚、搬送駆動ローラ41の左端側には、搬送駆動ローラ41の回転量を検出する「回転量検出手段」として公知のロータリエンコーダが設けられている。ロータリエンコーダは、搬送駆動ローラ41の回転に連動して回転するロータリスケール50と、ロータリスケール50の外周に沿って等間隔に形成されているスリットを検出するロータリスケールセンサ501(図2参照)とを有している。
【0026】
インクジェット式記録装置100は、記録紙Pにインクを噴射して記録を行う記録ヘッド63を記録紙Pに対して主走査方向Xに走査させるためのキャリッジ62を備えている。キャリッジ62は、主走査方向Xに往復動可能にキャリッジガイド軸61に軸支されており、図示していないキャリッジ用モータの回転駆動力が図示していないベルト伝達機構によって伝達されて主走査方向Xに往復動する。キャリッジガイド軸61は、左サイドフレーム12と右サイド外フレーム13aとで両端を支持されて配設されている。キャリッジ62には、各色のインクが充填されたインクカートリッジ(図示せず)が着脱可能に搭載され、インクカートリッジから記録ヘッド63へ各色のインクが供給される。記録ヘッド63のヘッド面は、プラテン46と対向する位置で主走査方向Xへ往復動し、ヘッド面に多数配置されているノズルからプラテン46上を搬送される記録紙Pへインクが噴射されて記録が実行される。記録ヘッド63のヘッド面と記録紙Pの記録面との間隔は、プラテン46によって規定される。
【0027】
また、インクジェット式記録装置100には、キャリッジ62の移動位置を検出するための公知のリニアエンコーダが配設されている。リニアエンコーダは、キャリッジガイド軸61と平行に配設されたリニアスケール64と、キャリッジ62に搭載され、リニアスケール64に等間隔に形成されているスリットを検出するリニアスケールセンサ(図示せず)とを有している。
【0028】
一方、プラテン46より副走査方向Yの下流側には、記録実行後の記録紙Pを排紙する手段として、副走査方向Yへ回転可能に紙案内後部材45に軸支された第1の排紙駆動ローラ軸47及び第2の排紙駆動ローラ軸48が配設されている。第1の排紙駆動ローラ軸47には、図示の如く複数の第1の排紙駆動ローラ471が略等間隔に設けられており、第2の排紙駆動ローラ軸48にも同様に複数の第2の排紙駆動ローラ481が略等間隔に設けられている。第2の排紙駆動ローラ481は、従動プーリ550、中間歯車55及び排紙歯車56を介してモータ561の回転駆動力が第2の排紙駆動ローラ軸48へ伝達されて排出方向(副走査方向Y)に回転する。このとき、歯車58は、第2の排紙駆動ローラ軸48に回転伝達可能に取り付けられている歯車57と、歯車57と歯車58との間にある歯車(図示せず)とを介して歯車57と同じ方向に回転する。また、歯車58は、第1の排紙駆動ローラ軸47に回転伝達可能に取り付けられている。従って、モータ561の回転駆動力は、排紙駆動ローラ軸47へも伝達される。即ち、第1の排紙駆動ローラ471は、第2の排紙駆動ローラ481と同じように排出方向(副走査方向Y)に回転する。
【0029】
第1の排紙駆動ローラ軸47及び第2の排紙駆動ローラ軸48の上側には、主走査方向Xに長尺な排紙フレーム49(図4)が設けられている。排紙フレーム49には、第1の排紙駆動ローラ471に対応する位置に複数の第1の排紙従動ローラ472が従動回転可能に軸支されており、第2の排紙駆動ローラ481に対応する位置に複数の第2の排紙従動ローラ482が従動回転可能に軸支されている。第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっており、それぞれ第1の排紙駆動ローラ471及び第2の排紙駆動ローラ481に弱い付勢力で付勢されている。記録実行後の記録紙Pは、第1の排紙駆動ローラ471と第1の排紙従動ローラ472との間に狭持されて、第1の排紙駆動ローラ471の排出方向への回転によって搬送され、さらに、第2の排紙駆動ローラ481と第2の排紙従動ローラ(図4の符号482で示した位置に配設されているが図示せず)との間に狭持されて、第2の排紙駆動ローラ481の排出方向への回転によって、排紙スタッカ3へと排出される。
【0030】
このような構成を有するインクジェット式記録装置100は、まず、記録前の白紙の記録紙Pが自動給紙装置20によって自動給紙される。続いて、自動給紙された記録前の白紙の記録紙Pは、搬送駆動ローラ41の回転によって記録ヘッド63のヘッド面と対向するプラテン46に摺接しながら副走査方向Yへ所定の搬送量で搬送される動作と、プラテン46の上で主走査方向Xへ往復動する記録ヘッド63からインクが噴射される動作とが交互に繰り返し実行されて記録面への記録が実行される。そして、記録実行後の記録紙Pは、第1の排紙駆動ローラ471及び第2の排紙駆動ローラ481の排出方向への回転によって開いた状態の排紙スタッカ3へ排出される。これらの一連の記録実行動作は、図示していない記録制御装置によって、自動給紙装置20の駆動力源としての自動給紙用モータ(図示せず)、モータ561並びにキャリッジ駆動用モータ(図示せず)が制御されて実行される。
【0031】
続いて、本発明に係る「ベルト駆動装置」について説明する。
図5は本発明のベルト駆動装置を示す正面図であり、図6は図5に示したベルト駆動装置の平面図であり、図7は図5に示したベルト駆動装置の斜視図である。図8(A)は本発明のねじりコイルばねを示す平面図であり、同図(B)は正面図であり、同図(C)は斜視図である。
【0032】
図5〜図7に示す如く、ベルト駆動装置500は、モータ561によって駆動する歯を備えた駆動プーリ552と、同じく歯を備えた従動プーリ550と、駆動プーリ552の駆動力を従動プーリ550へ伝達するため、駆動プーリ552と従動プーリ550の歯付部562とに掛け回される無端で内周面に歯を備えたベルト553と、ベルト553を付勢してベルト553に張力を付加するオートテンション機構555とを備えることによって構成されている。
このうちオートテンション機構555は、ベルト外周面553aと当接して従動回転するアイドラ554と、アイドラ554を保持し前記張力を付加する方向へアイドラ554を付勢するねじりコイルばね600とを備えている。
【0033】
このうちねじりコイルばね600は、一端にアイドラ554を支持する支軸部605と、支点(コイル基部606)から延出された腕部601と、支軸部605と腕部601との間に、前記付勢力と前記付勢力に対抗するベルト553からの反力とによる腕部601のねじれを防止するねじれ防止部602とを備え、他端に支点(コイル基部606)から延出された係止腕部608を備えている。ねじりコイルばね600は、ホルダ部551に設けられたばね軸556に支点となるコイル開口部607(図8参照)を係合し、Eリング557によりホルダ部551に保持される。
【0034】
そして、ねじりコイルばね600は、一端において、アイドラ554に設けられたアイドラ軸孔559に支軸部605を挿通しアイドラ554を保持し、他端において、係止腕部608をホルダ部551に設けられたばね係止部558に係止して付勢力を発生させている。この付勢力によりねじりコイルばね600は、ねじれ防止部602を介してアイドラ外周面554aでベルト外周面553aを付勢することができる。
【0035】
このねじれ防止部602は、アイドラ554を迂回して腕部先端側(先端部601a)と支軸部605とを一体に繋ぐ迂回部612を備えている。この迂回部612によって、少なくとも腕部601の先端部601aとベルト外周面553aとが互いに対向するように構成することができる。
さらに、腕部601、迂回部612および支軸部605は、ねじりコイルばね600の支点(コイル基部606)から延出された一本の線材を曲げて形成される。このうち迂回部612は、第1線部603と第2線部604とから構成され、支軸部605と共にコ字状に形成される。
また、アイドラ554の幅はベルト553の幅より広く、アイドラ554の両端に、ベルト553の外れを防止するフランジ部560が設けられている。
【0036】
ここで、ベルト駆動装置500の動作について説明する。
まず、モータ561が図5において時計回りである正転駆動したとき、駆動プーリ552も時計回りに回動する。そして、ベルト553が駆動プーリ552と従動プーリ550の歯付部562とに互いの歯が噛み合うように掛け回されているので、従動プーリ550も時計回りに回動する。このとき、プーリに設けられた歯とベルト553に設けられた歯とが噛み合うので、駆動プーリ552の歯送りと従動プーリ550の歯送りとが同じになる。
【0037】
しかしながら、モータ561が正転駆動してベルト553を回動させる場合に、モータ561の駆動力により駆動プーリ552は、正転駆動における駆動プーリ552の上流側のベルト553を引っ張り、そして、引っ張ったベルト553を駆動プーリ552の下流側へ流す。即ち、モータ561の正転駆動における駆動プーリ552の上流側において張力が上昇する。一方、下流側において張力が低下するため、ベルト553が撓む。その結果、ベルト553と駆動プーリ552との互いの歯がしっかり噛み合わなくなり、歯飛び現象の虞が生じる。
そこで、ベルト553の撓みを防止するため、モータ561の正転駆動における駆動プーリ552の下流側に、ベルト553に張力を付加するオートテンション機構555が設けられている。
【0038】
ところで、本実施形態によるインクジェットプリンタは、ベルト駆動装置であって特にオートテンション機構の部品点数の削減と低コストおよび装置の小型化を目的とするものである。
図12(A)は従来のオートテンション機構755を備えたベルト駆動装置900を示す斜視図であり、同図(B)は下方斜視図である。
【0039】
従来のオートテンション機構755は、ベルト553を付勢するアイドラ554と、アイドラ554を支持する支軸部705と、基端側をホルダ部551に設けられたばね軸556に係合させて、先端側に支軸部705を介しアイドラ554を付勢するテンションアーム部701と、テンションアーム部701を付勢するねじりコイルばね700とを備えている。このねじりコイルばね700は、一端(図示せず)をテンションアーム部701に係止して、他端に形成された係止腕部708をホルダ部551に設けられたばね係止部758に係止させて付勢力を発生させている。その他の部材については、図5と同様なため、説明を省略する。
このように、従来のオートテンション機構755は4つの部品により構成されており、部品点数とコストおよび装置の小型化の妨げについての問題があった。

そこで、従来は図12に示すようにねじりコイルばね700と、テンションアームと、アイドラ554の支軸の3部材であったのを、本実施形態においては、前記3部材を1部材化した(図5参照)。1部材化したものが本発明のねじりコイルばね600である。以下、ねじりコイルばね600の形状を説明した後、その効果について説明する。
【0040】
まず、本実施形態によるねじりコイルばね600の形状について説明する。
本発明におけるねじりコイルばね600を図8に示す。この図において、ねじりコイルばね600は、コイル基部606から延出された線材を曲げ加工により係止腕部608、腕部601、ねじれ防止部602、および支軸部605を備えて一体に形成されている。
【0041】
その一端には、コイル基部606の軸方向と直交する方向へ直線状に腕部601が形成され、ねじれ防止部602として迂回部612が、腕部601の先端部601aと支軸部605とを繋いでいる。ここで、支軸部605は、アイドラ554が容易に従動回転するように、ベルト553の伝動方向および前記張力を付加する方向に直交する方向へ向かって設けられている(図5、6参照)。一方、腕部601はベルト外周面553aに対向するように配置されるので、図8(A)において支軸部605に対して直交方向となる。また、迂回部612は直角に曲げ加工されることで第1線部603と第2線部604とを備え、支軸部605と共にコ字状に形成される。この第2線部604は、アイドラ554が従動回転するようにアイドラ554の半径より僅かに長く形成されている。
【0042】
このように、コ字状に形成されているので、迂回部612はアイドラ554の外面と擦れる虞がない。その結果、ベルト553の伝動を妨げる虞もない。また、コ字状に形成されているので、コンパクトにオートテンション機構555を構成することができる。
一方、他端には付勢力を発生させるため、ばね係止部558に係止される係止腕部608が形成されている。また、コイル基部606にはばね軸556と係合するコイル開口部607が設けられている。
【0043】
続いて、本実施形態のねじりコイルばね600の効果について説明する。
前述したように、従来のオートテンション機構755において、ねじりコイルばね700と、テンションアーム部701と、アイドラ554の支軸部705との3部材であったのを、本発明において、ねじりコイルばね600の一端に曲げ加工を施すことにより、前記3部材を1部材化した。
【0044】
しかしながら、ただ単に1部材化したのでは、従来のテンションアームに相当する本発明の腕部601が、ねじりコイルばね600の一部分であるため、前記付勢力とベルト553による前記付勢力に対抗する反力によって、当該腕部601がねじれる虞がある。例えば、単に腕部601と支軸部605とを繋げてL字状に形成し、腕部601の先端部601aがベルト外周面553aと対向していない場合である。従って、前記付勢力と前記反力とがベルト外周面上で向き合わないため、前記付勢力と前記反力とが相殺することなく、腕部601においてねじれモーメントを発生させる。その結果、腕部601がねじれることにより、アイドラ554の支軸部605が傾くので、アイドラ外周面554aがベルト外周面553aを確実に付勢することができない。
【0045】
そこで、本実施形態のねじりコイルばね600は、腕部601と支軸部605との間に迂回部612を設けて、腕部601の先端部601aがベルト外周面553aと対向するように形成されている(図6参照)。これにより、前記付勢力と前記反力とが、ベルト外周面上において互いに向き合い相殺するので、腕部601がねじれる虞がない。このとき、先端部601aがベルト553の中心線と重なると、前記付勢力と前記反力とが同一線上に重なり完全に相殺することができる。これが理想であるが、実際には駆動プーリ552および従動プーリ550の歯付部562において、プーリの軸方向へ対して僅かながらベルト553の遊びが設けられている。従って、ベルト駆動時にベルト553はアイドラ554の支軸方向へ僅かながら移動し、常に先端部601aがベルト553の中心を付勢するのは困難である。その結果、ベルト553の中心から離れた端を付勢するとねじれようとする力が発生する。
【0046】
しかしながら、前記ねじれようとする力は微弱なため、腕部601がねじれる虞がない。そこで、本実施形態において、腕部601がねじれない程度の許容範囲として、先端部601aにおける付勢力とベルト553からの反力とがベルト外周面上において向き合うように、先端部601aがベルト外周面553a上の範囲に位置するようにした。即ち、先端部601aとベルト外周面553aとが対向するように構成した。
【0047】
さらに、本実施形態では、先端部601aだけでなく腕部601の全体もベルト外周面553aと対向するように設けられている。それにより、付勢力の発生元である腕部601の支点もベルト外周面553aと対向するように配設される。その結果、確実にベルト553に張力を付加する方向へ、ベルト外周面553aを付勢することができる。
言い換えると、前記ベルト553に対してアイドラ554の支軸方向(ベルト553が外れる方向)への余分な付勢力が生じない。ここで余分な付勢力とは、腕部601の前記支点とベルトの外周面553aとが対向していない場合、該腕部601の先端部601aが前記支点の位置する側へ、前記ベルト553を引き寄せるように付勢する虞があり、その状態において分解した付勢力のうち、アイドラ554の支軸方向(ベルト553がアイドラ554から外れる方向)へ働く力をいう。
【0048】
次に、本実施形態の迂回部612について説明する。
迂回部612は、曲げ加工を施されて第1線部603と第2線部604とによって構成されている。第1線部603および第2線部604は、支軸部605と共にコ字状に形成され、第1線部603は支軸に対して平行に、第2線部604は腕部601に対して平行に形成されている(図8参照)。前記反力がアイドラ554を介して支軸部605に伝達し支軸部605を押し上げようとしたとき、支軸部605から第2線部604へと力が伝達されて第2線部604においてねじれようとする力、即ち、ねじれモーメントが生じる。これを第1ねじれモーメントとする。
【0049】
しかしながら、第2線部604がさらに力を伝達して、第1線部603を介して腕部601を押し上げようとし、第1線部603によって腕部601において前記第1ねじれモーメントと逆向きのねじれモーメントが生じる。これを第2ねじれモーメントとする。即ち、第1ねじれモーメントと第2ねじれモーメントとが相殺するので、腕部601においてのねじれモーメントは無になる。その結果、腕部601がねじれる虞がないので、確実にアイドラ554を介してベルト553を付勢することができる。さらに、従来のように支軸をアイドラ554の両側から支える必要がない。
【0050】
本実施形態では、迂回部612と共に支軸部605をコ字状に形成して第1ねじれモーメントと第2ねじれモーメントとが相殺するようにしたが、これは一例に過ぎない。迂回部612がどのような形状であっても先端部601aと支軸部605との位置関係が変わらない限り、力学的に腕部601でのねじれモーメントは無になる。
【0051】
本実施形態によるアイドラ554は円柱状であり、支軸部605が挿通するアイドラ軸孔559が形成されている。また、アイドラ554の幅はベルト553の幅より広く、アイドラ554の両端に、ベルト553の外れを防止するフランジ部560が設けられている(図6、図7参照)。
これにより、ベルト553を規制してベルト外周面553aをアイドラ外周面554aで確実に付勢することができる。さらに、フランジ部560によってアイドラ554の支軸方向への移動が規制されるので、アイドラ554はねじりコイルばね600に形成された支軸部605から脱落する虞がない。
【0052】
以上のような構成としたので、ベルト駆動装置500は、部品点数の削減、低コスト、およびオートテンション機構555を小型化できる。さらに、新たに発生したオートテンション機構555のねじれ問題を解消することができる。
【0053】
〈他の実施例〉
前述した実施例では、モータ561の正転駆動においてのオートテンション機構555を備えたベルト駆動装置500および記録装置について説明した。
ところが、ベルト553の張力を保つために前記ベルト553を付勢しても、モータ561の急な速度変化時あるいは正転・逆転切換時のベルト553の張力変化に起因してアイドラ554が跳ね上げられ、ベルト553に撓みが発生する。その結果、ベルト553と駆動プーリ552との間に歯飛び現象の虞が生じる。
【0054】
ここで、図5を用いてアイドラ554が跳ね上げられる現象について説明する。
モータ561の正転駆動において、駆動プーリ552は時計方向へ回動する。駆動プーリ552の駆動力はベルト553を介して従動プーリ550へと伝達され、従動プーリ550も時計方向へ回動する。このとき、モータ561の駆動力により駆動プーリ552は、駆動プーリ552の上流側のベルト553を引っ張り、そして、引っ張ったベルト553を駆動プーリ552の下流側へ流す。即ち、正転駆動における駆動プーリ552の上流側において張力が上昇する。一方、下流側において張力が低下するため、ベルト553が撓む。この撓みを防止するために、オートテンション機構555によって、ベルト553を付勢して張力を付加している。
【0055】
しかしながら、例えば、モータ561の駆動方向が正転から逆転へ切りかわった場合、駆動プーリ552は反時計方向へ回動し始める。そのとき、モータ561の駆動力により駆動プーリ552は、駆動プーリ552の上流側(正転時の下流側)のベルト553を引っ張り、そして、引っ張ったベルト553を駆動プーリ552の下流側(正転時の上流側)へ流す。即ち、上流側の張力と下流側の張力とが瞬時に入れ代わる。従って、オートテンション機構555が付勢していた側の張力は、急激に上昇するため、オートテンション機構555のアイドラ554を跳ね上げる。それにより一時的にオートテンション機構555がベルト553を付勢しなくなるので、撓みが発生して歯飛び現象等の不具合が生じる。
【0056】
従来は、オートテンション機構の付勢手段として圧縮コイルばねを用いたベルト駆動装置があった(例えば特許文献1、特許文献2)。該圧縮コイルばねには圧縮方向において変動制限がある。即ち、圧縮しきった状態である。そのため、モータの急な速度変化時あるいは正転・逆転切換時のベルトの張力変化に起因してアイドラを跳ね上げる力が作用した場合であっても、前記アイドラを跳ね上げる力が作用する方向において、前記変動制限があるので、問題視されていなかった。
【0057】
一方、本実施形態においては、オートテンション機構555の付勢手段としてねじりコイルばね600を用いたベルト駆動装置500である。該ねじりコイルばね600は、一定の円周方向へ付勢する特徴を備えているので、前記圧縮コイルばねのように、ばね単独で特定方向に対して変動制限を備えていない。そのため、何らかの手段により腕部601の変動を制限する必要が生じた。
【0058】
そこで、上記の問題を解決するアイドラ跳ね上がり防止手段800を備えたベルト駆動装置500について、以下に説明する。
図9は本発明の他の実施例のアイドラ跳ね上がり防止手段800を備えたベルト駆動装置500を示す正面図であり、図10は図9に示したベルト駆動装置の平面図であり、図11は図9に示したベルト駆動装置の斜視図である。
図9〜図11について、図9は図5において規制部810を設けた点のみで相違する。同様に図10は図6と、図11は図7と対応し、それぞれに規制部810を設けた点のみで相違する。その他の部材については同じであるため、説明を省略する。
【0059】
本実施形態によるアイドラ跳ね上がり防止手段800は、ホルダ部551に、ねじりコイルばね600の付勢に対抗する反力の方向への腕部601の変動を規制する規制部810が形成されている。この規制部810の位置は、腕部601の先端部601aに対してベルト側と反対側の近傍である。これにより、モータ561の急な速度変化時あるいは正転・逆転切換時のベルト553の張力変化に起因してアイドラ554を跳ね上げる力が作用した場合であっても、腕部601が規制部810と当接し腕部601の変動が制限されるので、アイドラ554がベルト553から離れる虞がない。その結果、オートテンション機構555は常にベルト553を付勢し張力を付与し続けることができる。
【0060】
尚、本実施例においては、腕部601、迂回部612(ねじれ防止部602)、および支軸部605は線材を直交方向へ曲げ、かつ、同一平面上に形成したが、腕部601、迂回部612(ねじれ防止部602)、および支軸部605の3部分は個別の部材を接続してもよく、迂回部612はどのような形状でもよい。この場合でも同様の効果が得られる。
また、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】インクジェット式記録装置の外観斜視図。
【図2】インクジェット式記録装置の本体カバーを取り外した状態の概略斜視図。
【図3】インクジェット式記録装置の内部構造の要部斜視図。
【図4】インクジェット式記録装置の内部構造の要部側断面図。
【図5】ベルト駆動装置を示す正面図。
【図6】ベルト駆動装置を示す平面図。
【図7】ベルト駆動装置を示す斜視図。
【図8】ねじりコイルばねを示す平面図(A)、正面図(B)および斜視図(C)。
【図9】他の実施例のベルト駆動装置を示す正面図。
【図10】他の実施例のベルト駆動装置を示す平面図。
【図11】他の実施例のベルト駆動装置を示す斜視図。
【図12】従来のベルト駆動装置を示す斜視図(A)および下方斜視図(B)。
【符号の説明】
【0062】
1 本体カバー、2 上面カバー、3 排紙スタッカ、4 トレイカバー、
5 スイッチ類、6 給紙トレイカバー、14 サブフレーム、15 中支え部材、
16 調整部材、20 自動給紙装置、21 給紙ローラ、22 給紙トレイ、
23 ホッパ、41 搬送駆動ローラ、42 搬送従動ローラ、
43 搬送従動ローラホルダ、44 紙案内前部材、45 紙案内後部材、
46 プラテン、47 第1の排紙駆動ローラ軸、48 第2の排紙駆動ローラ軸、
61 キャリッジガイド軸、62 キャリッジ、63 記録ヘッド、
100 インクジェット式記録装置、500 ベルト駆動装置、550 従動プーリ、
551 ホルダ部、552 駆動プーリ、553 ベルト、553a ベルト外周面、
554 アイドラ、554a アイドラ外周面、555 オートテンション機構、
556 ばね軸、557 Eリング、558 ばね係止部、559 アイドラ軸孔、
560 フランジ部、561 モータ、562 歯付部、600 ねじりコイルばね、
601 腕部、601a 先端部、602 ねじれ防止部、603 第1線部、
604 第2線部、605 支軸部、606 コイル基部、607 コイル開口部、
608 係止腕部、612 迂回部、700 ねじりコイルばね、
701 テンションアーム部、705 支軸部、708 係止腕部、
755 オートテンション機構、758 ばね係止部、
800 アイドラ跳ね上がり防止手段、810 規制部、
900 従来のベルト駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動プーリと、
従動プーリと、
前記駆動プーリの駆動力を前記従動プーリへ伝達するため、前記駆動プーリと前記従動プーリとに掛け回される無端のベルトと、
前記ベルトを付勢して前記ベルトに張力を付加するオートテンション機構とを備えたベルト駆動装置であって、
前記オートテンション機構は、
前記ベルトの外周面と当接して従動回転するアイドラと、
前記アイドラを保持し、前記張力を付加する方向へ前記アイドラを付勢するねじりコイルばねとを備え、
前記ねじりコイルばねは、
前記アイドラを支持する支軸部と、
支点から延出された腕部と、
前記支軸部と前記腕部との間に、前記付勢力と前記付勢力に対抗する前記ベルトからの反力とによる前記腕部のねじれを防止するねじれ防止部とを備えたことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ベルト駆動装置は、
前記腕部の先端部と前記ベルトの外周面とが互いに対向するように構成され、
前記ねじれ防止部は、
前記アイドラを迂回して前記腕部先端側と前記支軸部とを一体に繋ぐ迂回部を備えたことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項3】
請求項2において、前記ベルト駆動装置は、
前記腕部と前記ベルトの外周面とが互いに対向するように構成され、
前記ねじりコイルばねの支点から延出された一本の線材を曲げて
前記腕部と前記迂回部と前記支軸部とが形成されていることを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3において、前記迂回部は、
前記支軸部と共にコ字状に形成されていることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、前記アイドラの幅は前記ベルトの幅より広く、前記アイドラの両端に、前記ベルトの外れを防止するフランジ部が設けられていることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項において、前記ベルト駆動装置は、
前記ベルトの張力変化に起因して前記アイドラが跳ね上げられるのを防止するアイドラ跳ね上がり防止手段を備えていることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項7】
請求項6において、前記アイドラ跳ね上がり防止手段は、
前記オートテンション機構が取り付けられる基体に、前記反力方向への前記アイドラの跳ね上がりを規制する規制部を備えていることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のベルト駆動装置を備えたことを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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