ベンドセグメントおよびベンドセグメントを製造するための方法
【課題】ベンドセグメントおよびベンドセグメントを製造するための方法を提供する。
【解決手段】湾曲部に沿ってコンベアを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラック(2、2)を有する、コンベア用ベンドセグメント(1)であって、ベンドセグメントは、ベース部(3)と案内トラックを形成する少なくとも2本のレール(4)とを備え、レールは、各々、湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において別個のセクションとしてベース部に固定的に取り付けられる、ベンドセグメント。
【解決手段】湾曲部に沿ってコンベアを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラック(2、2)を有する、コンベア用ベンドセグメント(1)であって、ベンドセグメントは、ベース部(3)と案内トラックを形成する少なくとも2本のレール(4)とを備え、レールは、各々、湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において別個のセクションとしてベース部に固定的に取り付けられる、ベンドセグメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲部に沿ってコンベアを案内するための、少なくとも1つの湾曲延在案内トラックを有するコンベア用ベンドセグメントに関するものである。ベンドセグメントは、既知であり、例えば、搬送トラックにおける湾曲部に沿って、いくつかのモジュール式コンベアチェーンを案内するために用いることができる。ベンドセグメントは、単一の案内トラックを有しても複数の案内トラックを有してもよく、湾曲部の長さおよび半径は、搬送トラックのレイアウトに依存している。
【背景技術】
【0002】
要求されるトラックの数、半径、および長さが多様であることに鑑みて、例えばUHMWPEなどの低摩擦、耐摩耗性プラスチック材料のスラブの上部を、要求されるトラックの案内レールが残るように加工することによりベンドセグメントを製造することが、現在最も一般的である。
【0003】
コストを節約するため、欧州特許第0790197号明細書において、スラブを、低摩擦、耐摩耗性材料の上部と、より高い摩擦係数を有する低コスト材料の下部とを備えるサンドイッチ構造として提供することが提案されている。さらに、独国特許第8901563号明細書において、摩擦を受けるレールの部分を、低摩擦、耐摩耗性材料の湾曲ストリップとして提供することが提案されている。かかるストリップは、低級材料のベース部により、径方向に支持され、ネジを用いてベース部に固定的に取り付けることができる。
【0004】
このような提供物は、材料コストは節約しているものの、各部分の組立および機械加工に要求されるコストを著しく増加させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第0790197号明細書
【特許文献2】独国特許第8901563号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、組立コストを不当に増加させることなく材料および加工コストを削減することができる、コンベア用ベンドセグメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本発明は、湾曲部に沿ってコンベアを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラックを有するコンベア用ベンドセグメントであって、ベンドセグメントは、ベース部と案内トラックを形成する少なくとも2本のレールとを備え、レールは、各々、湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において別個のセクションとしてベース部に固定的に取り付けられる、ベンドセグメントを提供する。
【発明の効果】
【0008】
レールを別個のセクションとして提供することにより、要求される低い摩擦係数および高い耐摩耗性を有する材料からレールを経済的に作製することができる。キー係合編成において湾曲した取付経路に沿ってレールを別個のセクションとしてベース部に固定的に取り付けることにより、例えば経路に沿ったネジのアレイによる、径方向力に抗するさらなる固定を必要とすることなく、レールを完成したユニットとして取り付けることができる。かかるキー係合編成において、レールおよびベース部は、互いに固定されるように、直接または中間キー係合要素を介して互いに到達することができる。このような編成により、さらなる締結要素または支持部を必要とすることなく、コンベアにより付与される径方向力を吸収することができる。キー係合編成は、特に、締まり嵌めを含む。
【0009】
取り外された状態では真直であり、キー係合編成を介して案内トラックのための曲率が与えられるレールセクションを用いることにより、特定のベンドのための特定の曲率半径を与える必要なく、レールセクションを予め経済的に製造することができる。
【0010】
好ましくは、キー係合編成は、ベンドセグメントの長さに沿って連続的に延在する。レールセクションをベース部により摺動係合させると、ベンドセグメントの組み立てを大いに簡略化することができる。レールおよび/または材料の断面を最適化することで、レールが要求される曲率を呈することが容易になる。
【0011】
レールを押出成形セクションとして提供することにより、標準的な長さで要求される断面を有するレールを事前に提供することができる。これにより、機械加工による材料の著しい損失を伴うことなく、レールセクションを要求される長さに切断することができる。さらに、材料を除去する必要なく、キー係合編成のための正確な断面形状を有する押出成形レールを提供することができる。代替として、レールは、例えば、鋳造プロセスにおいて提供してもよく、スラブから切り出してもよい。
【0012】
レールをラム押出成形プロセスにおいて押出成形セクションとして提供することにより、従来の押出成形プロセスには不十分な流動特性を有する低摩擦、高耐摩耗性材料も処理することができる。ラム押出成形を用いて処理することができるかかる材料の例には、UHMWPE粉末がある。驚くべきことに、ラム押出成形UHMWPEセクションは、曲げに対する抵抗が比較的低く、レールセクションにキー係合編成による係合を介してトラックの要求される曲率を与えることを容易にすることが見出されている。さらに、かかるラム押出成形レールは、製造後に内部応力を実質的に有さない。押出成形レールは、潤滑剤、例えばグリースが飽和したUHMWPEを含むと有益である。
【0013】
ベース部は、材料のスラブを備えてもよい。かかる材料のスラブは、例えば、要求される湾曲した取付経路に沿って延在するキー係合編成の部分を比較的容易に設け得る低コスト材料で作製してもよい。このような低コスト材料の例には、従来のPE、リサイクルPE、またはPVCがある。ベース部は、連続的であってもよく、例えば単一のスラブから作製されてもよい。
【0014】
レールは、協働するナットおよび溝部を介してベース部により保持されてもよい。固定を強化するため、レールとベース部とは、相互ロックされるようにキー係合させてもよい。次いで、ナットおよび溝部は、切欠を設けること、例えばダブテイルまたはTナット接続により、相互ロックさせてもよい。ベース部は、例えば、いくつかの同心状に径方向に離間された溝が機械加工されたスラブとして具現化してもよく、かかる溝に、レールが固定されるようにキー係合される。レールは、ベース部に直接キー係合させてもよいが、例えば中間キー係合要素を介してベース部にキー係合させてもよい。このような中間キー係合要素は、例えば、砂時計または二重ダブテイルとして成形された断面を有するストリップとして具現化してもよく、かかる形状の上部および下部を、それぞれレールセクションおよびベース部における切欠溝に到達させる。また、中間キー係合要素は、例えばネジを用いてそれ自体がベース部に取り付けられるストリップとして具現化してもよい。例えば、ベース部にネジ止めされ、レールにキー係合するL字形またはU字形の取付ストリップを用いてもよい。
【0015】
レールセクションは、案内トラックのために要求される曲率を呈するように、溝に軸方向に挿入してもよい。軸方向挿入中に生じる摩擦は、レールおよび/またはベース部を振動させることにより著しく低減することができる。代替として、ベース部を機械加工することで、湾曲部に沿って連続的または不連続的に延在し得る稜を設けることができる。かかる稜により、レールセクションに設けられる溝と協働するナットを形成することができる。所望される場合は、いくつかのレールセクションを互いに並べて配置してもよい。レールは自立式であってもよい、すなわち、その高さの部分に径方向支持が存在しなくてもよい。
【0016】
レールは、側部および上部案内表面を含むように提供されてもよい。また、レールは、中実部として提供されてもよく、別の材料の芯が設けられてもよい。さらに、レールは、中空の内側部、または開いた断面が設けられてもよい。
【0017】
ベンドセグメントは、複数の同心状に湾曲した案内トラックを備え、各トラックは、径方向内方に配設された案内レールと径方向外方に配設された案内レールとを備えてもよい。径方向に隣接する案内トラックは、レールセクションを共有してもよい。かかる共通の単一のレールセクションの径方向外側は、1つの搬送チェーンを案内するために用いてもよく、レールの径方向内側は、隣接する搬送チェーンを案内するために用いてもよい。
【0018】
また、本発明は、湾曲部に沿ってコンベアセグメントを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラックを有するコンベア用ベンドセグメントを作製する方法であって:
− ベース部を提供するステップと;
− いくつかのレールを提供するステップと;
− 湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において各レールを別個のセクションとしてベース部に固定するステップと;
を含む方法に関する。
【0019】
レールは、押出成形セクションとして、特にラム押出成形により製造してもよい。
【0020】
ベース部は、レールを保持するための湾曲延在キー部を含むように機械加工してもよい。
【0021】
レールは、特に振動による支援を受けて、ベース部と係合するように軸方向に摺動させてもよい。
【0022】
レールをベース部に取り付けた後、ベンドセグメントの始まりおよび終わりにおけるベンドセグメントの端面は、実質的に平坦な表面に機械加工してもよい。
【0023】
安全措置として、レールを、ベンドセグメントの始まりおよび終わり付近においてベース部にネジ止めしてもよい。
【0024】
図面において示す例示的実施形態を用いて、本発明をさらに説明する。図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ベンドセグメントの上面図である。
【図2】矢印Aにおける図1のベンドセグメントの側面図である。
【図3】図2の代替を示す。
【図4】レールをベンドセグメントのベース部にキー係合させるためのキー係合編成の代替を示す。
【図5】レールをベンドセグメントのベース部にキー係合させるためのキー係合編成の代替を示す。
【図6】コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するための代替を示す。
【図7】コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するための代替を示す。
【図8】コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するための代替を示す。
【図9】コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するための代替を示す。
【図10】A:図1のベースの詳細の概略斜視図である。 B:図1のベースの概略上面図である。 C:図10Bに示す図1のベースの詳細図である。 D:図10Bに示す図1のベースの詳細図である。 E:図10Bに示す図1のベースの詳細図である。
【図11】図2のキー係合編成の概略詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面は、例示的実施形態の概略のみを示し、非限定的な例としてのみ示すものである。
【0027】
図1および図2は、コンベア用ベンドセグメント1を示す。ベンドセグメント1は、ベース部3と少なくとも2本のレール4とを備える。径方向に隣接するレール4により、湾曲部に沿ってコンベアを案内するための湾曲延在案内トラック2が形成される。ベンドセグメント1は、例えば、コンベアのフレーム上に支持されてもよく、真直なガイドまたはさらなるベンドセグメントに接続してもよい。また、ベンドセグメントは、例えば案内トラックの始まりおよび終わりに真直部を含んでもよく、多数の湾曲部を含んでもよい。ベンドセグメント1は、単一の案内トラック2を有してもよく、または複数の案内トラック2を有してもよい。図示の例示的実施形態において、ベンドセグメントは、2つの案内トラック2、2’を備える。各トラック2、2’は、2本の案内レール4、すなわち径方向外方に配設された案内レール4Aと径方向内方に配設された案内レール4Bとを備える。案内トラック2、2’は、同心状に湾曲している。径方向に隣接する案内トラック2は、レール4を共有してもよい。また、図示の例示的実施形態において、トラック2の径方向内方に配設された案内レール4Bは、隣接する案内トラック2’の径方向外方に配設された案内レール4A’も形成する。例えば図3に示すような代替の実施形態において、トラック2の径方向内方に配設された案内レール4Bは、隣接する案内トラック2’の径方向外方に配設されたレール4A’とは別個の案内レールである。
【0028】
ベンドセグメント1は、搬送トラックにおける湾曲部に沿っていくつかのモジュール式コンベアチェーンを案内するために用いることができる。図示の例示的実施形態において、各案内トラック2、2’は、連続するチェーンモジュールの連結編成がレール4の間の中間スペース10に受け入れられるように、モジュール式コンベアチェーンを収容することができる。チェーンモジュールの製品支持プレートの下部が、レール4の上部案内表面9上に載ってもよい。ベンドを通過するとき、側部案内表面8により連結編成を案内してもよい。
【0029】
ベース部3は、材料のスラブ、例えばプラスチック材料のスラブを備えてもよい。例示的実施形態において、ベース部3は、従来のPEまたはPVCで作製された連続するスラブである。ベース部は、単一のスラブとして設けられてもよい。
【0030】
レール4は、湾曲した経路に沿ってキー係合編成5において別個のセクションとしてベース部3に固定的に取り付けてもよい。レール4は、プラスチック材料で作製してもよい。例示的実施形態において、レールは、UHMWPEで作製されている。例示的実施形態において、レールは自立式である。
【0031】
ベース部3は、レールを保持するための湾曲延在キー部を含むように機械加工してもよい。かかるキー部は、例えば稜もしくは台、または溝を含んでもよい。レール4は、協働するナットおよび溝部6、7を介してベース部3により保持されてもよい。レールとベース部とは、相互ロックされるようにキー係合させてもよい。図2に示す例示的実施形態において、ナットおよび溝部6、7は、ダブテイル接続により相互ロックされている。
【0032】
図2に示す例示的実施形態において、ベース部3は、いくつかの同心状に径方向に離間された溝7が機械加工された従来のPE材料のスラブとして提供されている。
【0033】
次いで、レールセクション4は、案内トラック2のために要求される曲率を呈するように、溝7にそれらの軸心に沿って挿入される。各レール4は、一定の断面を有してもよく、各レール4の断面は、同一であってもよい。レール4にはキー係合編成5を介して案内トラック2のための曲率が与えられるため、単一の種類のレールを在庫しておき、それらのレールを要求される長さに切断すればよい。所望される場合は、ベース部3を機械加工することで、半径が異なることにより生じる案内レール4の変形における差異を補償してもよい。例えば、より径方向内方に配設されたレール4のための溝7に、水平面に対してわずかな傾斜を設けてもよい。これにより、より径方向内方に配設されたレールの断面がレール4に課される比較的大きい曲率半径のために歪む場合も、レール4をわずかに傾斜した配向で取り付けることで、レールの上表面9が多かれ少なかれ水平で互いに位置合わせされた状態に保つことができる。
【0034】
レール4は、本例では押出成形セクションとして提供されてもよく、レールは、押出成形セクションとして提供されてもよい。本例示的実施形態において、レール4は、ラム押出成形プロセスにおいて製造されたUHMWPEの押出成形レールとして提供されている。ラム押出成形レールは、粉末樹脂をベースに作製することができる。粉末樹脂をホッパから加熱チャンバに供給し、かかるチャンバでゲル状に溶融させる。次いで、溶融した樹脂を、例えば油圧ラムを用いて金型を通じてチャンバからバッチ式に押出成形する。これにより、長い真直なレールを押し出すことができる。
【0035】
例示的実施形態のベンドセグメント1は、真直な押出成形レールを要求される長さのレール4に切断することにより作製することができる。次に、レール4を、それらのナット部6が上述のようにベース部3に機械加工された溝7に入るように軸方向に挿入してもよい。挿入を容易にするため、長手方向の振動を印加してもよい。レール4をベース部3と係合するように軸方向に摺動させた後、ベンドセグメント1の端面を、レール4の端部がベンドセグメント1の端面と滑らかに位置合わせされるように、実質的に平坦な表面に機械加工してもよい。
【0036】
図2および図3の実施形態において、レール4は、ベース部3に直接キー係合されている。図4および図5に示す例示的実施形態などの代替の実施形態において、レール4は、中間キー係合要素を介してベース部3にキー係合させてもよい。かかる中間キー係合要素は、例えば図4におけるように、二重ダブテイルあるいは砂時計形状の断面を有するストリップ11として具現化してもよく、かかる形状の上部および下部を、それぞれレールセクション4およびベース部3における切欠溝11Aおよび11Bに到達させる。また、中間キー係合要素は、例えば図5におけるように、例えばネジ13を用いてそれ自体がベース部3に取り付けられるストリップ12として具現化してもよい。例えば、ベース部3にネジ止めされるとともにレール4にキー係合するL字形またはU字形の取付ストリップ12を用いてもよい。
【0037】
図6に概略的に示すように、ベンドセグメント1には、コンベアチェーンのモジュールおよび/またはそれらの接続ピンをトラック2に引き寄せる磁石14を設けてもよい。特に、磁石14は、レール4の間の中間スペース10の下方において、ベース部3に埋め込んでもよい。磁石14により、何らの幾何学的拘束(例えば本明細書において以下で説明する図7、図8、図9に示すものなど)がなくとも曲げセクションにおけるいくつかの種類のコンベアチェーンが定位置に保持されることが保証される。
【0038】
磁石14への代替として、コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するため、レールセクション4および/またはベース部3は、チェーンモジュールが受け入れられる中間スペース10が下部(ベース部3の上面付近)においてより広く、上部(レール4の上部案内表面9付近)において狭くなるように成形してもよい。
【0039】
例えば、図7において概略的に示すように、レール4は、それらの側部案内表面8において、レールセクション4の幅を下部(上部案内表面9の反対)において減少させることにより、コンベアチェーンの側部を収容するとともに垂直に保持するように適合された上部ショルダ16を有する凹部15が画成されるように形成されてもよい。代替として、図8に示すように、ベース部3は、中間スペース10に対応して、隣接するレール4の下方に横方向に延在し、コンベアチェーンの側部を収容するとともに垂直に保持する凹部18をレール4の縁部の下方に画成する溝17を備えてもよい。
【0040】
さらなる代替として、図9に概略的に示すように、レール4の幅が下部から上部に向かって増加するように、レール4の側部案内表面8を垂直でなく傾斜させてもよく、この場合、好ましくは、ベース部3も、中間スペース10に対応して、隣接するレール4に横方向に到達する溝19を備えてもよく、かかる溝19は、好ましくは、溝の幅が下部においてより大きくなるように傾斜した側壁20を有する。図8および図9の構成において、ベース材料の比較的厚いスラブを、レール4のための突出する基礎24を含むように機械加工してもよく、レール4自体は、上部および側部案内表面8、9を形成する。図8の右側に、拡大された基礎24を代替として示す。
【0041】
図11を参照して、レール4は、締まり嵌めを有するキー係合編成5においてベース部3に固定的に取り付けてもよい。かかる締まり嵌めにおいて、キー係合編成の雄部および雌部は、高い摩擦を伴って係合するように互いに大き過ぎてもよい。すると、レールがベース部3に対して軸方向に移動する際に大きい力が要求されるため、それらが使用中に互いに効果的に固定的に取り付けられる。キー係合編成5の雄部は、対応する雌部に対して大き過ぎるのが好ましい。図示の実施形態において、キー係合編成5は、締まり嵌めおよび切欠が設けられた協働するナットおよび溝部6、7により形成される。特に、キー係合編成は、雄部、ここではナット6がレール4上に設けられた所謂ダブテイル接続として具現化される。雄部、すなわちナット6の幅を雌部、ここでは溝7の幅よりも大きくすることにより、閉じるように初期応力が与えられた締まり嵌めを実現することができる。雄部6、すなわちナットの高さを雌部7、すなわち溝の高さよりも小さくすることにより、圧縮によるナットの幅の減少をナットの高さの増加により補償してもよい。この補償により、締まり嵌めを伴うレール4の軸方向挿入が容易になる。図11において、ナットの当初の形状を点線で示すことにより、ダブテイル接続が変形して締まり嵌めを提供する様子を示す。ナット6の幅は、溝7の幅に対して、例えば約2〜8%だけ大き過ぎるように選定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
挿入をさらに容易にするため、レール4を引いて溝7と係合させてもよい。図10を参照して、挿入を容易にするため、溝7は、ナット6に対して過剰なサイズを有するテーパ状入口部21を設けてもよい。溝7は、径方向内側の上縁22に拡幅部23を設けてもよい。かかる拡幅部23は、応力を緩和するものであり、例えば、内側の上縁22のきつく嵌る部分24の間に配置されるように溝7の長さに沿って分散させてもよい。図示のように、レール4上に設けられたダブテイルの雄部6は、下部平面に対して約60°の角度を有する。
【0043】
本発明は記載の例示的実施形態に限定されず、付帯の請求項において定義される本発明の枠組の中で多くの変形が可能であることが、当業者には明白である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲部に沿ってコンベアを案内するための、少なくとも1つの湾曲延在案内トラックを有するコンベア用ベンドセグメントに関するものである。ベンドセグメントは、既知であり、例えば、搬送トラックにおける湾曲部に沿って、いくつかのモジュール式コンベアチェーンを案内するために用いることができる。ベンドセグメントは、単一の案内トラックを有しても複数の案内トラックを有してもよく、湾曲部の長さおよび半径は、搬送トラックのレイアウトに依存している。
【背景技術】
【0002】
要求されるトラックの数、半径、および長さが多様であることに鑑みて、例えばUHMWPEなどの低摩擦、耐摩耗性プラスチック材料のスラブの上部を、要求されるトラックの案内レールが残るように加工することによりベンドセグメントを製造することが、現在最も一般的である。
【0003】
コストを節約するため、欧州特許第0790197号明細書において、スラブを、低摩擦、耐摩耗性材料の上部と、より高い摩擦係数を有する低コスト材料の下部とを備えるサンドイッチ構造として提供することが提案されている。さらに、独国特許第8901563号明細書において、摩擦を受けるレールの部分を、低摩擦、耐摩耗性材料の湾曲ストリップとして提供することが提案されている。かかるストリップは、低級材料のベース部により、径方向に支持され、ネジを用いてベース部に固定的に取り付けることができる。
【0004】
このような提供物は、材料コストは節約しているものの、各部分の組立および機械加工に要求されるコストを著しく増加させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第0790197号明細書
【特許文献2】独国特許第8901563号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、組立コストを不当に増加させることなく材料および加工コストを削減することができる、コンベア用ベンドセグメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本発明は、湾曲部に沿ってコンベアを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラックを有するコンベア用ベンドセグメントであって、ベンドセグメントは、ベース部と案内トラックを形成する少なくとも2本のレールとを備え、レールは、各々、湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において別個のセクションとしてベース部に固定的に取り付けられる、ベンドセグメントを提供する。
【発明の効果】
【0008】
レールを別個のセクションとして提供することにより、要求される低い摩擦係数および高い耐摩耗性を有する材料からレールを経済的に作製することができる。キー係合編成において湾曲した取付経路に沿ってレールを別個のセクションとしてベース部に固定的に取り付けることにより、例えば経路に沿ったネジのアレイによる、径方向力に抗するさらなる固定を必要とすることなく、レールを完成したユニットとして取り付けることができる。かかるキー係合編成において、レールおよびベース部は、互いに固定されるように、直接または中間キー係合要素を介して互いに到達することができる。このような編成により、さらなる締結要素または支持部を必要とすることなく、コンベアにより付与される径方向力を吸収することができる。キー係合編成は、特に、締まり嵌めを含む。
【0009】
取り外された状態では真直であり、キー係合編成を介して案内トラックのための曲率が与えられるレールセクションを用いることにより、特定のベンドのための特定の曲率半径を与える必要なく、レールセクションを予め経済的に製造することができる。
【0010】
好ましくは、キー係合編成は、ベンドセグメントの長さに沿って連続的に延在する。レールセクションをベース部により摺動係合させると、ベンドセグメントの組み立てを大いに簡略化することができる。レールおよび/または材料の断面を最適化することで、レールが要求される曲率を呈することが容易になる。
【0011】
レールを押出成形セクションとして提供することにより、標準的な長さで要求される断面を有するレールを事前に提供することができる。これにより、機械加工による材料の著しい損失を伴うことなく、レールセクションを要求される長さに切断することができる。さらに、材料を除去する必要なく、キー係合編成のための正確な断面形状を有する押出成形レールを提供することができる。代替として、レールは、例えば、鋳造プロセスにおいて提供してもよく、スラブから切り出してもよい。
【0012】
レールをラム押出成形プロセスにおいて押出成形セクションとして提供することにより、従来の押出成形プロセスには不十分な流動特性を有する低摩擦、高耐摩耗性材料も処理することができる。ラム押出成形を用いて処理することができるかかる材料の例には、UHMWPE粉末がある。驚くべきことに、ラム押出成形UHMWPEセクションは、曲げに対する抵抗が比較的低く、レールセクションにキー係合編成による係合を介してトラックの要求される曲率を与えることを容易にすることが見出されている。さらに、かかるラム押出成形レールは、製造後に内部応力を実質的に有さない。押出成形レールは、潤滑剤、例えばグリースが飽和したUHMWPEを含むと有益である。
【0013】
ベース部は、材料のスラブを備えてもよい。かかる材料のスラブは、例えば、要求される湾曲した取付経路に沿って延在するキー係合編成の部分を比較的容易に設け得る低コスト材料で作製してもよい。このような低コスト材料の例には、従来のPE、リサイクルPE、またはPVCがある。ベース部は、連続的であってもよく、例えば単一のスラブから作製されてもよい。
【0014】
レールは、協働するナットおよび溝部を介してベース部により保持されてもよい。固定を強化するため、レールとベース部とは、相互ロックされるようにキー係合させてもよい。次いで、ナットおよび溝部は、切欠を設けること、例えばダブテイルまたはTナット接続により、相互ロックさせてもよい。ベース部は、例えば、いくつかの同心状に径方向に離間された溝が機械加工されたスラブとして具現化してもよく、かかる溝に、レールが固定されるようにキー係合される。レールは、ベース部に直接キー係合させてもよいが、例えば中間キー係合要素を介してベース部にキー係合させてもよい。このような中間キー係合要素は、例えば、砂時計または二重ダブテイルとして成形された断面を有するストリップとして具現化してもよく、かかる形状の上部および下部を、それぞれレールセクションおよびベース部における切欠溝に到達させる。また、中間キー係合要素は、例えばネジを用いてそれ自体がベース部に取り付けられるストリップとして具現化してもよい。例えば、ベース部にネジ止めされ、レールにキー係合するL字形またはU字形の取付ストリップを用いてもよい。
【0015】
レールセクションは、案内トラックのために要求される曲率を呈するように、溝に軸方向に挿入してもよい。軸方向挿入中に生じる摩擦は、レールおよび/またはベース部を振動させることにより著しく低減することができる。代替として、ベース部を機械加工することで、湾曲部に沿って連続的または不連続的に延在し得る稜を設けることができる。かかる稜により、レールセクションに設けられる溝と協働するナットを形成することができる。所望される場合は、いくつかのレールセクションを互いに並べて配置してもよい。レールは自立式であってもよい、すなわち、その高さの部分に径方向支持が存在しなくてもよい。
【0016】
レールは、側部および上部案内表面を含むように提供されてもよい。また、レールは、中実部として提供されてもよく、別の材料の芯が設けられてもよい。さらに、レールは、中空の内側部、または開いた断面が設けられてもよい。
【0017】
ベンドセグメントは、複数の同心状に湾曲した案内トラックを備え、各トラックは、径方向内方に配設された案内レールと径方向外方に配設された案内レールとを備えてもよい。径方向に隣接する案内トラックは、レールセクションを共有してもよい。かかる共通の単一のレールセクションの径方向外側は、1つの搬送チェーンを案内するために用いてもよく、レールの径方向内側は、隣接する搬送チェーンを案内するために用いてもよい。
【0018】
また、本発明は、湾曲部に沿ってコンベアセグメントを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラックを有するコンベア用ベンドセグメントを作製する方法であって:
− ベース部を提供するステップと;
− いくつかのレールを提供するステップと;
− 湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において各レールを別個のセクションとしてベース部に固定するステップと;
を含む方法に関する。
【0019】
レールは、押出成形セクションとして、特にラム押出成形により製造してもよい。
【0020】
ベース部は、レールを保持するための湾曲延在キー部を含むように機械加工してもよい。
【0021】
レールは、特に振動による支援を受けて、ベース部と係合するように軸方向に摺動させてもよい。
【0022】
レールをベース部に取り付けた後、ベンドセグメントの始まりおよび終わりにおけるベンドセグメントの端面は、実質的に平坦な表面に機械加工してもよい。
【0023】
安全措置として、レールを、ベンドセグメントの始まりおよび終わり付近においてベース部にネジ止めしてもよい。
【0024】
図面において示す例示的実施形態を用いて、本発明をさらに説明する。図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ベンドセグメントの上面図である。
【図2】矢印Aにおける図1のベンドセグメントの側面図である。
【図3】図2の代替を示す。
【図4】レールをベンドセグメントのベース部にキー係合させるためのキー係合編成の代替を示す。
【図5】レールをベンドセグメントのベース部にキー係合させるためのキー係合編成の代替を示す。
【図6】コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するための代替を示す。
【図7】コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するための代替を示す。
【図8】コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するための代替を示す。
【図9】コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するための代替を示す。
【図10】A:図1のベースの詳細の概略斜視図である。 B:図1のベースの概略上面図である。 C:図10Bに示す図1のベースの詳細図である。 D:図10Bに示す図1のベースの詳細図である。 E:図10Bに示す図1のベースの詳細図である。
【図11】図2のキー係合編成の概略詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面は、例示的実施形態の概略のみを示し、非限定的な例としてのみ示すものである。
【0027】
図1および図2は、コンベア用ベンドセグメント1を示す。ベンドセグメント1は、ベース部3と少なくとも2本のレール4とを備える。径方向に隣接するレール4により、湾曲部に沿ってコンベアを案内するための湾曲延在案内トラック2が形成される。ベンドセグメント1は、例えば、コンベアのフレーム上に支持されてもよく、真直なガイドまたはさらなるベンドセグメントに接続してもよい。また、ベンドセグメントは、例えば案内トラックの始まりおよび終わりに真直部を含んでもよく、多数の湾曲部を含んでもよい。ベンドセグメント1は、単一の案内トラック2を有してもよく、または複数の案内トラック2を有してもよい。図示の例示的実施形態において、ベンドセグメントは、2つの案内トラック2、2’を備える。各トラック2、2’は、2本の案内レール4、すなわち径方向外方に配設された案内レール4Aと径方向内方に配設された案内レール4Bとを備える。案内トラック2、2’は、同心状に湾曲している。径方向に隣接する案内トラック2は、レール4を共有してもよい。また、図示の例示的実施形態において、トラック2の径方向内方に配設された案内レール4Bは、隣接する案内トラック2’の径方向外方に配設された案内レール4A’も形成する。例えば図3に示すような代替の実施形態において、トラック2の径方向内方に配設された案内レール4Bは、隣接する案内トラック2’の径方向外方に配設されたレール4A’とは別個の案内レールである。
【0028】
ベンドセグメント1は、搬送トラックにおける湾曲部に沿っていくつかのモジュール式コンベアチェーンを案内するために用いることができる。図示の例示的実施形態において、各案内トラック2、2’は、連続するチェーンモジュールの連結編成がレール4の間の中間スペース10に受け入れられるように、モジュール式コンベアチェーンを収容することができる。チェーンモジュールの製品支持プレートの下部が、レール4の上部案内表面9上に載ってもよい。ベンドを通過するとき、側部案内表面8により連結編成を案内してもよい。
【0029】
ベース部3は、材料のスラブ、例えばプラスチック材料のスラブを備えてもよい。例示的実施形態において、ベース部3は、従来のPEまたはPVCで作製された連続するスラブである。ベース部は、単一のスラブとして設けられてもよい。
【0030】
レール4は、湾曲した経路に沿ってキー係合編成5において別個のセクションとしてベース部3に固定的に取り付けてもよい。レール4は、プラスチック材料で作製してもよい。例示的実施形態において、レールは、UHMWPEで作製されている。例示的実施形態において、レールは自立式である。
【0031】
ベース部3は、レールを保持するための湾曲延在キー部を含むように機械加工してもよい。かかるキー部は、例えば稜もしくは台、または溝を含んでもよい。レール4は、協働するナットおよび溝部6、7を介してベース部3により保持されてもよい。レールとベース部とは、相互ロックされるようにキー係合させてもよい。図2に示す例示的実施形態において、ナットおよび溝部6、7は、ダブテイル接続により相互ロックされている。
【0032】
図2に示す例示的実施形態において、ベース部3は、いくつかの同心状に径方向に離間された溝7が機械加工された従来のPE材料のスラブとして提供されている。
【0033】
次いで、レールセクション4は、案内トラック2のために要求される曲率を呈するように、溝7にそれらの軸心に沿って挿入される。各レール4は、一定の断面を有してもよく、各レール4の断面は、同一であってもよい。レール4にはキー係合編成5を介して案内トラック2のための曲率が与えられるため、単一の種類のレールを在庫しておき、それらのレールを要求される長さに切断すればよい。所望される場合は、ベース部3を機械加工することで、半径が異なることにより生じる案内レール4の変形における差異を補償してもよい。例えば、より径方向内方に配設されたレール4のための溝7に、水平面に対してわずかな傾斜を設けてもよい。これにより、より径方向内方に配設されたレールの断面がレール4に課される比較的大きい曲率半径のために歪む場合も、レール4をわずかに傾斜した配向で取り付けることで、レールの上表面9が多かれ少なかれ水平で互いに位置合わせされた状態に保つことができる。
【0034】
レール4は、本例では押出成形セクションとして提供されてもよく、レールは、押出成形セクションとして提供されてもよい。本例示的実施形態において、レール4は、ラム押出成形プロセスにおいて製造されたUHMWPEの押出成形レールとして提供されている。ラム押出成形レールは、粉末樹脂をベースに作製することができる。粉末樹脂をホッパから加熱チャンバに供給し、かかるチャンバでゲル状に溶融させる。次いで、溶融した樹脂を、例えば油圧ラムを用いて金型を通じてチャンバからバッチ式に押出成形する。これにより、長い真直なレールを押し出すことができる。
【0035】
例示的実施形態のベンドセグメント1は、真直な押出成形レールを要求される長さのレール4に切断することにより作製することができる。次に、レール4を、それらのナット部6が上述のようにベース部3に機械加工された溝7に入るように軸方向に挿入してもよい。挿入を容易にするため、長手方向の振動を印加してもよい。レール4をベース部3と係合するように軸方向に摺動させた後、ベンドセグメント1の端面を、レール4の端部がベンドセグメント1の端面と滑らかに位置合わせされるように、実質的に平坦な表面に機械加工してもよい。
【0036】
図2および図3の実施形態において、レール4は、ベース部3に直接キー係合されている。図4および図5に示す例示的実施形態などの代替の実施形態において、レール4は、中間キー係合要素を介してベース部3にキー係合させてもよい。かかる中間キー係合要素は、例えば図4におけるように、二重ダブテイルあるいは砂時計形状の断面を有するストリップ11として具現化してもよく、かかる形状の上部および下部を、それぞれレールセクション4およびベース部3における切欠溝11Aおよび11Bに到達させる。また、中間キー係合要素は、例えば図5におけるように、例えばネジ13を用いてそれ自体がベース部3に取り付けられるストリップ12として具現化してもよい。例えば、ベース部3にネジ止めされるとともにレール4にキー係合するL字形またはU字形の取付ストリップ12を用いてもよい。
【0037】
図6に概略的に示すように、ベンドセグメント1には、コンベアチェーンのモジュールおよび/またはそれらの接続ピンをトラック2に引き寄せる磁石14を設けてもよい。特に、磁石14は、レール4の間の中間スペース10の下方において、ベース部3に埋め込んでもよい。磁石14により、何らの幾何学的拘束(例えば本明細書において以下で説明する図7、図8、図9に示すものなど)がなくとも曲げセクションにおけるいくつかの種類のコンベアチェーンが定位置に保持されることが保証される。
【0038】
磁石14への代替として、コンベアチェーンがベンドセグメントにおいて定位置に保持されることを保証するため、レールセクション4および/またはベース部3は、チェーンモジュールが受け入れられる中間スペース10が下部(ベース部3の上面付近)においてより広く、上部(レール4の上部案内表面9付近)において狭くなるように成形してもよい。
【0039】
例えば、図7において概略的に示すように、レール4は、それらの側部案内表面8において、レールセクション4の幅を下部(上部案内表面9の反対)において減少させることにより、コンベアチェーンの側部を収容するとともに垂直に保持するように適合された上部ショルダ16を有する凹部15が画成されるように形成されてもよい。代替として、図8に示すように、ベース部3は、中間スペース10に対応して、隣接するレール4の下方に横方向に延在し、コンベアチェーンの側部を収容するとともに垂直に保持する凹部18をレール4の縁部の下方に画成する溝17を備えてもよい。
【0040】
さらなる代替として、図9に概略的に示すように、レール4の幅が下部から上部に向かって増加するように、レール4の側部案内表面8を垂直でなく傾斜させてもよく、この場合、好ましくは、ベース部3も、中間スペース10に対応して、隣接するレール4に横方向に到達する溝19を備えてもよく、かかる溝19は、好ましくは、溝の幅が下部においてより大きくなるように傾斜した側壁20を有する。図8および図9の構成において、ベース材料の比較的厚いスラブを、レール4のための突出する基礎24を含むように機械加工してもよく、レール4自体は、上部および側部案内表面8、9を形成する。図8の右側に、拡大された基礎24を代替として示す。
【0041】
図11を参照して、レール4は、締まり嵌めを有するキー係合編成5においてベース部3に固定的に取り付けてもよい。かかる締まり嵌めにおいて、キー係合編成の雄部および雌部は、高い摩擦を伴って係合するように互いに大き過ぎてもよい。すると、レールがベース部3に対して軸方向に移動する際に大きい力が要求されるため、それらが使用中に互いに効果的に固定的に取り付けられる。キー係合編成5の雄部は、対応する雌部に対して大き過ぎるのが好ましい。図示の実施形態において、キー係合編成5は、締まり嵌めおよび切欠が設けられた協働するナットおよび溝部6、7により形成される。特に、キー係合編成は、雄部、ここではナット6がレール4上に設けられた所謂ダブテイル接続として具現化される。雄部、すなわちナット6の幅を雌部、ここでは溝7の幅よりも大きくすることにより、閉じるように初期応力が与えられた締まり嵌めを実現することができる。雄部6、すなわちナットの高さを雌部7、すなわち溝の高さよりも小さくすることにより、圧縮によるナットの幅の減少をナットの高さの増加により補償してもよい。この補償により、締まり嵌めを伴うレール4の軸方向挿入が容易になる。図11において、ナットの当初の形状を点線で示すことにより、ダブテイル接続が変形して締まり嵌めを提供する様子を示す。ナット6の幅は、溝7の幅に対して、例えば約2〜8%だけ大き過ぎるように選定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
挿入をさらに容易にするため、レール4を引いて溝7と係合させてもよい。図10を参照して、挿入を容易にするため、溝7は、ナット6に対して過剰なサイズを有するテーパ状入口部21を設けてもよい。溝7は、径方向内側の上縁22に拡幅部23を設けてもよい。かかる拡幅部23は、応力を緩和するものであり、例えば、内側の上縁22のきつく嵌る部分24の間に配置されるように溝7の長さに沿って分散させてもよい。図示のように、レール4上に設けられたダブテイルの雄部6は、下部平面に対して約60°の角度を有する。
【0043】
本発明は記載の例示的実施形態に限定されず、付帯の請求項において定義される本発明の枠組の中で多くの変形が可能であることが、当業者には明白である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲部に沿ってコンベアを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラック(2、2’)を有する、コンベア用ベンドセグメント(1)であって、前記ベンドセグメントは、ベース部(3)と案内トラックを形成する少なくとも2本のレール(4)とを備え、前記レールは、各々、湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において別個のセクションとして前記ベース部に固定的に取り付けられる、ベンドセグメント。
【請求項2】
前記レールは、取り外された状態では真直であり、前記キー係合編成を介して前記案内トラックのための曲率が与えられる、請求項1に記載のベンドセグメント。
【請求項3】
前記レールは、押出成形セクション、特にラム押出成形セクションとして提供される、請求項1または2に記載のベンドセグメント。
【請求項4】
前記ベース部は材料のスラブを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項5】
前記レールは、前記ベース部上に軸方向に摺動される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項6】
前記レールは、協働するナットおよび溝部(6、7)を介して前記ベース部により保持される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項7】
前記ナットおよび溝部は切欠が設けられている、請求項6に記載のベンドセグメント。
【請求項8】
前記レールは自立式である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項9】
前記レールは、各々、側部および上部案内表面(8、9)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項10】
前記レールは中空の内側部を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項11】
前記レールは一定の断面を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項12】
複数の同心状に湾曲した案内トラックを備え、各トラックは、径方向内方に配設された案内レールと径方向外方に配設された案内レールとを備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項13】
湾曲部に沿ってコンベアセグメントを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラック(2、2’)を有するコンベア用ベンドセグメント(1)を作製する方法であって:
− ベース部(3)を提供するステップと;
− いくつかのレール(4)を提供するステップと;
− 湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において各レールを別個のセクションとして前記ベース部に固定するステップと;
を含む、方法。
【請求項14】
前記レールは、押出成形セクションとして、特にラム押出成形により製造される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ベース部は、前記レールを保持するための湾曲延在キー部を含むように機械加工される、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記レールは、前記ベース部と係合するように軸方向に摺動される、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記レールを前記ベース部に取り付けた後、前記ベンドセグメントの始まりおよび終わりにおける端面は、実質的に平坦な表面に機械加工される、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
湾曲部に沿ってコンベアを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラック(2、2’)を有する、コンベア用ベンドセグメント(1)であって、前記ベンドセグメントは、ベース部(3)と案内トラックを形成する少なくとも2本のレール(4)とを備え、前記レールは、各々、湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において別個のセクションとして前記ベース部に固定的に取り付けられる、ベンドセグメント。
【請求項2】
前記レールは、取り外された状態では真直であり、前記キー係合編成を介して前記案内トラックのための曲率が与えられる、請求項1に記載のベンドセグメント。
【請求項3】
前記レールは、押出成形セクション、特にラム押出成形セクションとして提供される、請求項1または2に記載のベンドセグメント。
【請求項4】
前記ベース部は材料のスラブを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項5】
前記レールは、前記ベース部上に軸方向に摺動される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項6】
前記レールは、協働するナットおよび溝部(6、7)を介して前記ベース部により保持される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項7】
前記ナットおよび溝部は切欠が設けられている、請求項6に記載のベンドセグメント。
【請求項8】
前記レールは自立式である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項9】
前記レールは、各々、側部および上部案内表面(8、9)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項10】
前記レールは中空の内側部を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項11】
前記レールは一定の断面を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項12】
複数の同心状に湾曲した案内トラックを備え、各トラックは、径方向内方に配設された案内レールと径方向外方に配設された案内レールとを備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のベンドセグメント。
【請求項13】
湾曲部に沿ってコンベアセグメントを案内するための少なくとも1つの湾曲延在案内トラック(2、2’)を有するコンベア用ベンドセグメント(1)を作製する方法であって:
− ベース部(3)を提供するステップと;
− いくつかのレール(4)を提供するステップと;
− 湾曲した取付経路に沿ってキー係合編成において各レールを別個のセクションとして前記ベース部に固定するステップと;
を含む、方法。
【請求項14】
前記レールは、押出成形セクションとして、特にラム押出成形により製造される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ベース部は、前記レールを保持するための湾曲延在キー部を含むように機械加工される、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記レールは、前記ベース部と係合するように軸方向に摺動される、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記レールを前記ベース部に取り付けた後、前記ベンドセグメントの始まりおよび終わりにおける端面は、実質的に平坦な表面に機械加工される、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図5】
【図2】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図5】
【公表番号】特表2012−530023(P2012−530023A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515484(P2012−515484)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058497
【国際公開番号】WO2010/146098
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(511300271)レックスノード マルベット エス.アール.エル. (1)
【氏名又は名称原語表記】REXNORD MARBETT S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Dell’Industria 4, I−42015 Correggio(Reggio Emilia),Italy
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058497
【国際公開番号】WO2010/146098
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(511300271)レックスノード マルベット エス.アール.エル. (1)
【氏名又は名称原語表記】REXNORD MARBETT S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Dell’Industria 4, I−42015 Correggio(Reggio Emilia),Italy
【Fターム(参考)】
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