説明

ペットフード添加物及びペットフード

【課題】本発明は、ペット、特に犬や猫に対し、血圧や血液中のコレステロールを下げて、高血圧や心臓病の発生を抑制し、また、ガン、アレルギー性皮膚炎等の発生を抑制し、さらに、胃腸炎、尿路感染症、耳の感染、インフルエンザ等の感染を抑制して、健康に生活できるためのペットフード添加物及びペットフードを提供する。
【解決手段】ペットフード添加物として、オリーブ搾油滓およびオリーブ落果の少なくとも1つを粉砕したオリーブ由来の粒状物からなることを特徴とする。また、ぶどう搾汁滓を粉砕した粒状物からなることを特徴とする。また、オリーブリーフを粉砕した粒状物からなることを特徴とする。また、ゴーヤーの種子を含む果実を粉砕して得られるゴーヤー粉末からなることを特徴とする。また、上記ペットフード添加物を選択して含有させたグミ状ゼリーのペットフード。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットの健康を維持するためのペットフードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
人間は、はるか昔から犬や猫などのペットを大切に飼ってきた。それは、犬は狩猟の助けとなり、猫は農耕において害獣となるネズミ等を駆除してくれていたからである。また、現在においても、人間は、忠実で愛らしいペットをかわいいいと思い、ペットを飼うことで心が癒される。そのため、コンパニオンアニマルという言葉があるほどペットは、多くの人間から大切にされている。
【0003】
犬や猫などのペットは、日本において、古くは飼い主から残飯を与えられて生活をしていた。しかし、近年、犬猫などのペットは、食事を作る煩わしさを避けるためや比較的価格が安いことから、ドッグフードやキャットフードなどのペットフードをえさにして飼われることが多くなってきている。
【0004】
しかし、従来からあるペットフードは便利であるが、ペットが一種類のペットフードを食べ続ける場合があり、そのような場合にはペットの栄養が偏る問題がある。さらに、ペットが、ペットフードに過剰な栄養分を含んでいることによる栄養過多や運動不足によって、肥満になることが多く見られるようになってきている。
【0005】
また、犬猫などのペットが一種類のペットフードを食べ続けることによる偏った食事習慣に加え、寿命が延びてペットが高齢化してきたことに伴い、犬猫などのペットは、各種のガン、高血圧、心臓病、アレルギー性皮膚炎等を罹患することが多くなってきている。
【0006】
そこで、健康に留意したペットフードが発明されてきている。例えば、小麦全粒粉と米粉を配合することによって、ペットが、好んで食べ、しかも、肥満防止や血糖値の上昇を抑制するペットフードの発明が先行文献として開示されている(文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−284840公報(〔0009〜0040〕、〔表1〕)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記先行技術は、ペットの血糖値の上昇を抑制し、肥満を防止する有効な手段であるが、最近のペットが罹患する病気の大きな特徴である、ガン、高血圧、心臓病、アレルギー性皮膚炎等の病気に対する効果に関しては、言及されていない。
【0009】
本発明は、これらの課題を解決したものであって、ペット、特に犬や猫に対し、血圧や血液中のコレステロールを下げて、高血圧や心臓病の発生を抑制し、さらに、ガンやアレルギー性皮膚炎の発生を抑制するためのペットフード添加物及びペットフードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るペットフード添加物は、オリーブ搾油滓およびオリーブ落果の少なくとも1つを粉砕したオリーブ由来の粒状物からなることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項1のペットフード添加物は、オリーブ搾油滓およびオリーブ落果の少なくとも1つを粉砕したオリーブ由来の粒状物である。オリーブ搾油滓及びオリーブ落果はいずれもオリーブ由来の植物性脂質を含んでおり、その脂質は一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸及び多価不飽和脂肪酸であるリノール酸を多く含んでいる。また、搾油滓にはオリーブ種子が含まれるが、これもオリーブ由来と同等の不飽和脂肪酸を含んでいる。ここで、粒状物とは、原材料を粉砕した後の水分を含んだスラリー状のものや乾燥させた粉末状のものを含んだものである。
【0012】
よって、本発明のペットフード添加物には、オリーブ由来のオレイン酸、リノール酸をより多く含むことになり、前記不飽和脂肪酸、特に、前記オレイン酸は、一価の不飽和脂肪酸であり、ペットの血液中の善玉コレステロール値を下げずに、悪玉コレステロール値のみを下げることができ、さらに、血圧も下げることができ、ペットの心臓病や循環器系の病気の予防になる。また、皮膚への刺激も少なくアレルギー性皮膚炎になりにくい。また、リノール酸もコレステロール値を下げる働きをし、しかも、動物の体内では合成されない必須脂肪酸である。よって、ペットのえさに本発明のペットフード添加物を添加したものを食することによって、ペットたちは、心臓病や循環器系の病気の予防ができ、そのうえ、必要な栄養を補給することができるので、健康的な生活を送ることができる。
【0013】
本発明の請求項2に係るペットフード添加物は、ぶどう搾汁滓を粉砕した粒状物からなることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項2のペットフード添加物は、ぶどう搾汁滓を粉砕した粒状物である。ぶどう搾汁滓は、ぶどう果皮以外にぶどう種子を含んでいる。ぶどう搾汁滓は、ぶどう果皮由来のポリフェノールを含んでおり、またその種子は7〜21%の油が含まれ、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸を多く含む。また、前記油にはポリフェノールを植物油の中で一番多く含み、ビタミンEも多く含む。
【0015】
よって、本発明のペットフード添加物には、ぶどうの果皮及び種子に由来するポリフェノール、オレイン酸、ビタミンEをより多く含んでおり、ペットの体のコレステロール値を下げることができる。また、ポリフェノールは、ペットの体の中で、活性酸素を無害化し、細胞の異変やDNAの傷つきを防止する効果があり、抗がん作用を有する。同様に、ビタミンEはペットの体の生体膜を健全に保ち、老化を防止する効果をもたらす。よって、ペットのえさに本発明のペットフード添加物を添加したものを食することによって、ペットたちは、ガンになりにくくなり、さらに、老化を防止して、健康的な生活を送ることができる。
【0016】
本発明の請求項3に係るペットフード添加物は、オリーブリーフを粉砕した粒状物からなることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項3のペットフード添加物は、オリーブリーフを粉砕した粒状物である。オリーブリーフは、ポリフェノールを含んでおり、ポリフェノールの中でもオレウロペインや、フラボノイドを含んでいる。その中でも特に、オレウロペインは、抗バクテリア作用、抗ウイルス作用及び抗菌作用等を有する特徴がある。また、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸も含んでいる。
【0018】
よって、本発明のペットフード添加物には、オレウロペインを含んでいることにより、抗バクテリア作用を有し、バクテリアによって感染するペットの胃腸炎、尿路感染症、耳の感染等に有効である。また、抗ウイルス作用により、ウイルスによって感染するインフルエンザ等にも有効である。よって、ペットのえさに本発明のペットフード添加物を添加したものを食することによって、ペットたちは、バクテリアやウイルスに感染しにくくなり、健康的な生活を送ることができる。
【0019】
本発明の請求項4に係るペットフード添加物は、ゴーヤーの果実を粉砕して得られるゴーヤー粉末からなることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項4のペットフード添加物は、ゴーヤーの果実を粉砕して粉末にしたものである。ゴーヤーの果実には、モモルデシン、ククルビタシン、ビタミンCを多く含んでいる。
【0021】
よって、本発明のペットフード添加物には、モモルデシンやククルビタシンを含んでおり、抗酸化作用、血管増強作用、健胃作用、血糖値降下作用がある。よって、ペットのえさに本発明のペットフード添加物を添加したものを食することによって、ペットたちは、老化を防いで、血管を強くし、胃を丈夫にすることができるので、健康的な生活を送ることができる。
【0022】
本発明の請求項5に係るペットフードは、ブルーム値200以上のゼラチンを用いてゲル化したグミ状ゼリーであることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項5のペットフードは、ブルーム値200以上のゼラチンを用いてゲル化したグミ状ゼリーである。ゼラチンは、牛などの動物の骨、皮、筋などにあるコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質からできている。よって、本発明のペットフードは、犬や猫などの本来肉食であるペットにとって、動物性たんぱく質を豊富に含んでいるので、吸収によい。また、ブルーム値が200以上のゼラチンを使用しているため大変硬く、噛み応えがあり、犬や猫などのペットは、肉食動物としての顎や歯を鍛えることができる。したがって、ペットのえさに本発明のペットフードを食することによって、ペットたちは、ペットが生きていく上で必要なコラーゲンやエラスチンなどの動物性たんぱく質を摂取することができ、また、顎や歯を鍛えることができるので、ペットが健康的な生活を送ることができる。なお、グミ状ゼリーは、加熱して溶かしたゼラチンに砂糖を加えて、冷却することで固化して作ることができる。グミ状ゼリーの形状は、冷却時に、様々な形状の型に入れることによって様々な形状を作ることができるし、グミ状ゼリーの塊を作った後に、型で抜いても様々な形状を作ることができる。
【0024】
本発明の請求項6に係るペットフードは、ペットフードの外観形状が、大腿骨又は上腕骨のような骨状であることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項6のペットフードは、大腿骨および上腕骨のような骨の形状を呈している。よって、犬や猫など肉食のペットは、本能的に骨の形状によって食欲を増すことが予測される。
【0026】
本発明の請求項7に係るペットフードは、前記ペットフードに肉のエキスを加えたことを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項7のペットフードは、牛、豚、馬、鶏などの肉を煮込んでエキスを作り、加熱して溶かしたブルーム値200以上のゼラチンと共に、そのエキスを加えてグミ状ゼリーのペットフードにしている。このことによって、ペット、その中でも特に犬は、においによって食べられるものか判断し、この肉のエキスのにおいによって肉食獣の本能を刺激して食欲が増進させることができる。
【0028】
本発明の請求項8に係るペットフードは、請求項5、6、7のいずれかに記載のペットフードが、請求項1、2、3、4に記載のペットフード添加物から選択されたペットフード添加物を含むことを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項8のペットフードは、牛などの動物の骨、皮、筋などにあるコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質からできているブルーム値200以上のゼラチンと共に、後述する添加物を加えて、ゲル化したグミ状ゼリーである。即ち、オリーブ果実の搾油した残りのオリーブ搾油滓およびオリーブ落果の少なくとも1つを破砕したオリーブ由来の粒状物、ぶどう果実から搾汁した残りのぶどう搾汁滓を破砕した粒状物、又はオリーブリーフを粉砕した粒状物、ゴーヤーの果実を粉砕して粉末、から選択したものを、つまり、これらのうちの一種類、又は二種類、又は三種類、又は全部を添加してゲル化したグミ状ゼリーにしたものである。これにより、ペットは、生きていく上で必要なコラーゲンやエラスチンなどの動物性たんぱく質を摂取することができ、また、顎や歯を鍛えることができるので、ペットが健康的な生活を送ることができることに加えて、ペットフード添加物の機能的健康成分を、ペットが容易に享受することができる。
【0030】
本発明の請求項9に係るペットフードは、請求項1、2、3、4に記載のペットフード添加物から選択されたペットフード添加物を含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項9のペットフードは、通常のペットフードに主として用いられるとうもろこし、小麦、米等の穀物類、牛肉、鶏肉等の肉類、魚介類等を粉砕したえさに、オリーブ果実の搾油した残りのオリーブ搾油滓およびオリーブ落果の少なくとも1つを破砕したオリーブ由来の粒状物、ぶどう果実から搾汁した残りのぶどう搾汁滓を破砕した粒状物、又はオリーブリーフを粉砕した粒状物、ゴーヤーの果実を粉砕して粉末から選択したものを添加して調合したものである。すなわち、通常のペットフードに、オリーブ搾油滓およびオリーブ落果の少なくとも1つを粉砕したオリーブ由来の粒状物、ぶどう搾汁滓を加えて粉砕した粒状物、オリーブリーフを粉砕した粒状物、又はゴーヤーの果実を粉砕して粉末から選択されるものを、即ち、これらのうちの一種類、又は二種類、又は三種類、又は全部を加えて混ぜ合わせ、ペットフードとして調製する。これにより、ペットフード添加物の機能的健康成分を、ペットが容易に享受することができる。
【0032】
本発明の請求項8、9のペットフードには、請求項1、2、3、4に記載のペットフード添加物から選択されたものを含んでいるので、グミ状ゼリーのペットフード又は通常のペットフードの特徴に加えて、オリーブ由来のオレイン酸、リノール酸や、ぶどうの果皮及び種子に由来するポリフェノール、オレイン酸、ビタミンEや、オリーブリーフ由来のオレウロペインや、ゴーヤー由来のモモルデシン、ククルビタシン等の機能的有効成分を適宜選択してペットに食させることができる。
【0033】
これにより、オレイン酸は、ペットの血液中の善玉コレステロール値を下げずに、悪玉コレステロール値のみを下げることができ、さらに、血圧も下げることができて、ペットの心臓病や循環器系の病気の予防になる。また、皮膚への刺激も少ないので、ペットはアレルギー性皮膚炎になりにくくなる。また、リノール酸は、コレステロール値を下げる働きをする。また、ポリフェノールは、ペットの体の中で、活性酸素を無害化し、細胞の異変やDNAの傷つきを防止する効果があり、抗がん作用を有する。また、ビタミンEは、ペットの体の生体膜を健全に保ち、老化を防止する効果をもたらす。また、オレウロペインは、抗バクテリア作用を有し、バクテリアによって感染するペットの胃腸炎、尿路感染症、耳の感染等に有効であり、また、抗ウイルス作用により、ウイルスによって感染するインフルエンザ等にも有効である。さらに、モモルデシンやククルビタシンは、抗酸化作用、血管増強作用、健胃作用、血糖値降下作用がある。
【0034】
したがって、本発明のペットフードを食することにより、ペットは、健全な生活を享受できて活動的となり、ひいてはペットに接する人に対しても、愛され、かつ、心を癒す愛玩動物として、ペットの飼い主が精神的に癒されることに貢献する。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る請求項1に記載のオリーブ果実由来のペットフード添加物によれば、ペットの血液中の善玉コレステロール値を下げずに、悪玉コレステロール値のみを下げることができ、さらに、血圧も下げることができ、ペットの心臓病や循環器系の病気の予防になる。また、皮膚への刺激も少なくアレルギー性皮膚炎になりにくい。これらのことにより、ペットたちは、病気になりにくくなり、健康に生活できる。
【0036】
本発明に係る請求項2に記載のぶどう搾汁滓由来のペットフード添加物によれば、ペットの体のコレステロール値を下げることができる。また、ポリフェノールは、体の中で、活性酸素を無害化し、細胞の異変やDNAの傷つきを防止する効果があり、抗がん作用を有する。同様に、ビタミンEは人体の生体膜を健全に保ち、老化を防止する効果をもたらす。これらのことにより、ペットたちは、病気になりにくくなり、健康に生活できる。
【0037】
本発明に係る請求項3に記載のオリーブリーフ由来のペットフード添加物によれば、ペットの胃腸炎、尿路感染症、耳の感染等に有効であり、また、インフルエンザ等にも有効である。このことより、ペットたちは、バクテリアやウイルスに感染しにくくなり、健康に生活できる。
【0038】
本発明に係る請求項4に記載のゴーヤー由来のペットフード添加物によれば、ペットたちは、老化を防いで、血管を強くし、胃を丈夫にすることができ、健康に生活できる。
【0039】
本発明に係る請求項5、6、7に記載のグミ状ゼリーのペットフードによれば、ペットは、必要な動物性たんぱく質を容易に摂取することができると共に、顎や歯を鍛えることができるので、健康的な生活を送ることができる。
【0040】
本発明に係る請求項8、9に記載のペットフードによれば、オリーブ果実、ぶどう搾汁滓、オリーブリーフ、ゴーヤー由来の機能的健康有効成分をペットが食して吸収できるので、通常のペットフード又はグミ状ゼリーのペットフードの特徴に加えて、循環器系の病気の予防、老化を防止、バクテリアやウイルスの感染を防止、胃を丈夫にすること、ができる。これのことにより、ペットは、健全な生活を享受できて活動的となり、ひいてはペットに接する人に対しても、愛され、かつ、心を癒す愛玩動物として、ペットの飼い主が精神的に癒されることに貢献する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明に係るペットフード添加物は、1はオリーブ搾油滓およびオリーブ落果の少なくとも1つを粉砕して粒状物にしたものであり、2はぶどう搾汁滓を粉砕して粒状物にしたものであり、3はオリーブリーフを粉砕して粒状物にしたものであり、4はゴーヤーの果実を粉砕して粉末にしたものであり、四種類がある。また、その四種類のペットフード添加物を、事前に工場でペットフードに適宜加えて混ぜ合わせて調合すること、及びゼラチンをゲル化してグミ状ゼリーのペットフードに添加することで、ペットフードとしても出荷できるのである。
【0042】
本発明に係るペットフード添加物の第一は、オリーブ果実が濃紫黒色に完熟した頃、油分が15〜30%含まれるものを搾油した残りの果肉と種子からなるオリーブ搾油滓およびオリーブ落果の少なくとも1つを破砕して粒子を細かくして、泥状の添加物としたものである。この破砕して粒子を細かくすることによって、ペットフードに均一に容易に混合させること、舌触りを良くしてペットが好んで食べること、ペットが機能的有効成分を効率よく吸収すること、ができる。また、オリーブ搾油滓及びオリーブ落果の粉砕は、パルバライザー、粉砕ロールなどの粉砕機器を用いて行うことができる。また、加熱し乾燥状態にして、粉砕することも可能であるが、加熱により機能的有効成分が壊れるおそれがあり好ましくない。したがって、通常は、油分や水分を含んだ泥状の状態で粉砕して取り扱うのがよい。
【0043】
オリーブ搾油滓及びオリーブ落果はいずれもオリーブ由来の脂質を含んでおり、その脂質は一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸及び多価不飽和脂肪酸であるリノール酸を多く含んでいる。また、搾油滓にはオリーブ種子が含まれるが、これもオリーブ由来と同等の不飽和脂肪酸を含んでいる。オレイン酸は、一価の不飽和脂肪酸であり、ペットの血液中の善玉コレステロール値を下げずに、悪玉コレステロール値のみを下げることができ、さらに、血圧も下げることができ、ペットの心臓病や循環器系の病気の予防になる。また、皮膚への刺激も少なくアレルギー性皮膚炎になりにくくなる。また、リノール酸もコレステロール値を下げる働きをし、しかも、動物の体内では合成されない必須脂肪酸であるので、ペットたちは、食餌により摂取しなければならないものである。よって、ペットのえさに本発明のペットフード添加物を添加することによって、ペットたちは、心臓病や循環器系の病気の予防ができ、健康に生活できることになり、さらに、必須脂肪酸も補給することができる。
【0044】
本発明に係るペットフード添加物の第二は、通常ぶどう果汁を搾汁した後に得られるぶどう搾汁滓を、粉砕し泥状の添加物としたものである。破砕して粒子を細かくすることによって、ペットフードに均一に容易に混合させること、舌触りを良くしてペットが好んで食べること、ペットが機能的有効成分を効率よく吸収すること、ができる。ぶどう搾汁滓は、パルバライザー、粉砕ロールなどの粉砕機器を用いて粉砕することができる。また、加熱し乾燥状態にして、粉砕することも可能であるが、加熱により機能的有効成分が壊れるおそれがあり好ましくない。したがって、通常は、油分や水分を含んだ泥状の状態で粉砕して取り扱うのがよい。
【0045】
ぶどう搾汁滓は、ぶどう果皮由来のポリフェノールを含んでおり、またその種子は7〜21%の油が含まれ、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸を多く含む。また、前記油にはポリフェノールを植物油の中で一番多く含み、ビタミンEも多く含むものである。ぶどう搾汁滓は、ポリフェノール、オレイン酸、ビタミンEをより多く含んでおり、ペットの体のコレステロール値を下げることができる。また、ポリフェノールは、ペットの体の中で、活性酸素を無害化し、細胞の異変やDNAの傷つきを防止する効果があり、抗がん作用を有する。同様に、ビタミンEはペットの体の生体膜を健全に保ち、老化を防止する効果をもたらす。よって、ペットのえさに本発明のペットフード添加物を添加することによって、ペットたちは、老化を遅らせ、また、ガンになりにくくなり、健康に生活できることになる。
【0046】
本発明に係るペットフード添加物の第三は、生のオリーブリーフを粉砕した泥状の添加物としたものである。破砕して粒子を細かくすることによって、ペットフードに均一に容易に混合させること、舌触りを良くしてペットが好んで食べること、ペットが機能的有効成分を効率よく吸収すること、ができる。オリーブリーフは、パルバライザー、粉砕ロールなどの粉砕機器を用いて粉砕することができる。また、加熱し乾燥状態にして、粉砕することも可能であるが、加熱により機能的有効成分が壊れるおそれがあり好ましくない。したがって、通常は、油分や水分を含んだ泥状の状態で粉砕して取り扱うのがよい。
【0047】
オリーブリーフは、ポリフェノールを含んでおり、ポリフェノールの中でもオレウロペインや、フラボノイドを含んでいる。また、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸も含んでいる。オレウロペインを含んでいることにより、抗バクテリア作用を有し、バクテリアによって感染するペットの胃腸炎、尿路感染症、耳の感染等に有効である。また、抗ウイルス作用により、ウイルスによって感染するインフルエンザ等にも有効である。また、オレイン酸も含んでいることによって、前述したようにペットの血液中の善玉コレステロール値を下げずに、悪玉コレステロール値のみを下げることができ、さらに、血圧も下げることができ、ペットの心臓病や循環器系の病気の予防になる。よって、ペットのえさに本発明のペットフード添加物を添加することによって、ペットたちは、バクテリアやウイルスに負けない体質となり、さらに、心臓病や循環器系の病気の予防ができるので、健康に生活できることになる。
【0048】
本発明に係るペットフード添加物の第四は、ゴーヤーの果実を粉砕して粉末にしたものである。ゴーヤー果実の粉末は、ゴーヤーを丸ごと粉砕するか、またはゴーヤーを二分割して、ワタや種子を除いて粉砕して、スラリー化した後、乾燥させて粉末にするが、この場合乾燥のために加熱すればビタミン等の栄養成分を損なうおそれがあるので、例えば、真空凍結乾燥処理、真空乾燥処理、噴霧乾燥処理等の乾燥処理を行い、得られた乾燥処理品を必要に応じて粉末調整工程で粉末度を調節することでペットフード添加物が得られる。
【0049】
ゴーヤーの果実は、モモルデシン、ククルビタシン、ビタミンCを多く含んでいる。モモルデシンやククルビタシンは、抗酸化作用、血管増強作用、健胃作用があり、また血糖値降下作用等が認められるものである。
【0050】
また、前記の粉砕は、オリーブ搾油滓と、オリーブ落果と、ぶどう搾汁滓と、オリーブリーフと、ゴーヤーの果実と、を適当に混合して粉砕することも当然可能である。
【0051】
本発明に係るペットフードは、大別すれば三種類になる。1はブルーム値200以上のゼラチンを用いてゲル化したグミ状ゼリーのペットフードであり、2は前記ブルーム値200以上ゼラチンと共に、前述のペットフード添加物を加えて、ゲル化したのグミ状ゼリーのペットフードであり、3は前述のペットフード添加物を通常のペットフードに混合したペットフードである。なお、ブルーム値とは、ゼリー強度を示すもので、ゼラチンの6.67重量%水溶液を規定のカップに入れ10±0.1℃の恒温層で16〜18時間冷却ゼリー化して、ブルーム式ゼリー強度計のプランジャー(直径12.7mm)を4mmだけゼリー中に押し込むのに要する散弾の重さ(g)を測り、この重量をブルーム値として表わしたものである。よって、ブルーム値が大きいゼラチンを用いるほど、硬い弾力を有するゼリーとなる。
【0052】
本発明に係るペットフードの第一は、ブルーム値200以上のゼラチンを用いてゲル化したグミ状のものである。ゼラチンは、牛などの動物の骨、皮、筋などにあるコラーゲンやエラスチンなどの動物性たんぱく質からできており、また、ブルーム値が200以上のゼラチンを用いるので、グミ状ゼリーのペットフードにすれば大変硬いペットフードとなる。なお、ゼラチンは砂糖を加えることによって硬化するが、ペットフードのカロリーをなるべく少なくするために、目的の硬さが発揮される量の中で、加える砂糖の量をなるべく少なくするのがよい。また、肉食のペット、特に犬の食欲は、においによって増進させられるので、牛、豚、馬、鶏などの肉を煮込んでエキスを作り、そのエキスをグミ状ゼリーに含ませたペットフードを作ることもできる。もちろん、猫に対しても有効であるが、猫に用いる場合には、魚などの魚介類を煮込んで作ったエキスが、猫に必要なタウリンを豊富に含んでおり、好適である。
【0053】
ブルーム値200以上のゼラチンを用いてゲル化したグミ状ゼリーのペットフードは、犬や猫などの本来肉食であるペットにとって、動物性たんぱく質を豊富に含んでいるので、吸収されやすい。また、該ペットフードは、大変硬いので、噛み応えがあり、犬や猫などのペットは、肉食動物としての顎や歯を鍛えることができ、顎の力や歯の衰えを防ぎ、ペットの健康維持に役立つことになる。なお、該ペットフードの形状を大腿骨又は上腕骨ような骨の形状をすることによって、犬や猫など肉食のペットは、本能的に食欲を増すことが予測される。
【0054】
本発明に係るペットフードの第二は、ブルーム値200以上のゼラチンを用いて加熱して、上述のペットフード添加物を加えてから冷却し、ゲル化させてグミ状ゼリーのペットフードである。すなわち、前記四種類のペットフード添加物のうち、一種類、又は二種類、又は三種類、又は全部を、適宜、加熱して溶かしたブルーム値200以上のゼラチンと共に、ゲル化させグミ状ゼリーにして製造する。なお、前述の肉のエキスをさらに加えてもよい。
【0055】
本発明に係るペットフードの第三は、事前に工場で、ペットフードに通常に用いられる、例えば、とうもろこし、小麦、米等の穀物類、牛肉、鶏肉等の肉類、マグロやシラス等の魚介類から適当なものを1又は2種類以上選択して、それに前記四種類のペットフード添加物のうち、一種類、又は二種類、又は三種類、又は全部を、適宜加えて混ぜ合わせてペットフードに調合して製造する。
【0056】
本発明に係るペットフード添加物及びペットフードは、愛玩動物の一般的なもの、例えば、犬、猫、小鳥等に用いることができるが、その中でも特に家庭でよく飼われ、長生きをする犬や猫に用いることも可能である。
【0057】
本発明に係るグミ状ゼリーのペットフードは、工場で製造されたものを利用する。ペットの飼い主は、そのままペットフードをペット用の食事皿に入れるだけでよく、手を汚すこともなく、また、自分の手で煩わしい食事を作る必要もない。また、グミ状ゼリーのペットフードは、従来からある一般のペットフードと家庭で混合させても、利用することができる。
【0058】
また、グミ状ゼリーのペットフードは、病気予防や栄養補給の目的に合わせて、オリーブ搾油滓及びオリーブ落果の添加物、ぶどう搾汁滓の添加物、オリーブリーフの添加物、ゴーヤーの果実の四種類あるペットフード添加物を、それぞれ1種類ずつ別々に添加して製造して使用してもよいが、2種類又は3種類又は4種類を混ぜ合わせて添加して製造して使用してもよい。
【0059】
また、通常のペットフードに、ペットフード添加物を混合したペットフードも、工場で事前に、上述のペットフード添加物をペットフードに添加してペットフードとして出荷して利用することが可能である。この場合、ペットの食事前に、ペットフード等に、本発明に係るペットフード添加物を添加して混ぜ込む必要がなく、手間が省けて大変便利である。
【0060】
また、本発明に係るペットフード添加物を使用する場合は、通常の販売され使用されているペットフードに添加して混ぜ込むだけでよく、手軽に使用でき、しかも、健康にもよい。また、家庭での手作りフードにも添加して使用することもでき、病気予防や栄養補給ができる。ペットフード添加物は、オリーブ搾油滓及びオリーブ落果の添加物、ぶどう搾汁滓の添加物、オリーブリーフの添加物、ゴーヤーの果実の四種類あるが、それぞれ1種類ずつ別々に使用してもよいが、2種類又は3種類又は4種類を混ぜ合わせて使用してもよい。
【0061】
例えば、犬に使用する場合には、犬が食事する直前に、市販されている一般的なペットフード(例えば、とうもろこし、小麦、米等の穀物類や、牛肉、鶏肉等の肉類を材料としているもの)に添加して混ぜ込んだものを犬に与えるだけでよい。また、ペットの健康状態をさらに良好にしたい場合には、犬の飼い主の手作りフードや従来のように人間の食事の残飯に、本発明のペットフード添加物を混ぜ込んで、犬に食べさせるのが食材についても安全で、かつ安心できるのでさらによい。また、馬肉は不要な動物性油脂分が少ないので、馬肉に本発明の添加物を混ぜて犬に食べさせるのが特によい。
【0062】
猫に使用する場合には、猫が食事する直前に、市販されている一般的なペットフード(例えば、とうもろこし、小麦、米等の穀物類や、牛肉、鶏肉等の肉類及びマグロやシラス等の魚介類を材料としているもの)に添加して混ぜ込んだものを猫に与えるだけでよい。また、ペットの健康状態をさらに良好にしたい場合には、猫の飼い主の手作りフードや従来のように人間の食事の残飯に、本発明のペットフード添加物を混ぜ込んで猫に食べさせるのがよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
ペット分野で広く適用されるのみならず、畜産分野全体に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリーブ搾油滓およびオリーブ落果の少なくとも1つを粉砕したオリーブ由来の粒状物からなることを特徴とするペットフード添加物。
【請求項2】
ぶどう搾汁滓を粉砕した粒状物からなることを特徴とするペットフード添加物。
【請求項3】
オリーブリーフを粉砕した粒状物からなることを特徴とするペットフード添加物。
【請求項4】
ゴーヤーの果実を粉砕して得られるゴーヤー粉末からなることを特徴とするペットフード添加物。
【請求項5】
ブルーム値200以上のゼラチンを用いてゲル化したグミ状ゼリーであることを特徴とするペットフード。
【請求項6】
前記ペットフードの外観形状が、大腿骨又は上腕骨のような骨状であることを特徴とする請求項5に記載のペットフード。
【請求項7】
前記ペットフードに肉のエキスを加えたことを特徴とする請求項5又は6に記載のペットフード。
【請求項8】
請求項5、6、7のいずれかに記載のペットフードが、請求項1、2、3、4に記載のペットフード添加物から選択されたペットフード添加物を含むことを特徴とするペットフード。
【請求項9】
請求項1、2、3、4に記載のペットフード添加物から選択されたペットフード添加物を含むことを特徴とするペットフード。

【公開番号】特開2011−188832(P2011−188832A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59654(P2010−59654)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(510158200)株式会社 ダイツウ (17)
【Fターム(参考)】