説明

ペットボトル利用打楽器

【課題】ペットボトルを打楽器の一部として有効に利用でき、天板を叩いても音を発生できる複合打楽器を提供する。
【解決手段】天板1とそれを支える側板2を備え、側板2にはペットボトル3のキャップ部4がはめ込める穴を設けている。この構造によりペットボトル3はしっかりと側板2に固定でき、安定して発音可能となるペットボトル利用打楽器を実現した。棒状の物5でペットボトルや天板を叩くことにより多彩な音列の発生が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はお茶、ジュース、コーヒーなど飲料製品の容器として幅広く用いられるペットボトルを利用した打楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済みペットボトルは、通常は廃棄されたり、リサイクルに廻されたりするが、そのまま再利用できればゴミ減量にも資するので各種再利用の方法が考案されている。打楽器や管楽器などの楽器としての再利用もその一つである。図2に従来例のペットボトル利用打楽器の一例を示す。ペットボトルのキャップ部に人が握りやすい握り手の部分を設け、左右の手に二つの取っ手付きペットボトルを持ち、二つのペットボトルを衝突させて音を発生させる仕組みである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
ペットボトル利用打楽器に関しては各種発明が既に出願されている。特許文献1に示されているのは取っ手付きペットボトルの音色改善に関する。特許文献2に示されているのは楽器を含む各種遊戯用具へのペットボトルの利用に関する。
【特許文献1】特開2009−34151号公報
【特許文献2】特開2010−64787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ペットボトル利用楽器の課題は本格的な専用設計の楽器に比べて音の響きや音の深みの点で劣っていることと、単純構造なるが故に飽きられやすいということである。取っ手付きペットボトルを鳴らすのはスポーツ観戦時の応援などには良いが、自宅で楽器演奏する場合を想定すると、単純で物足りないという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑み、本発明では天板と前記天板を支える側板を備え、前記側板にペットボトルのキャップ部がはめ込まれる穴を備え、ペットボトルがキャップ部で前記側板に固定可能な構造となっており、前期天板とペットボトルを棒状のスティックで叩いて音を発生させる事を特徴とする、ペットボトル利用打楽器を提供する。天板や側板は木材、プラスティック、金属など求める音色や響きにより適切な材料を選択する。キャップ部をはめ込む穴はペットボトルを確実に固定し、安定した音を発生させるため、適切な大きさに加工する。はめ込んだ時、ガタがなく演奏時の衝撃で外れたりしない事が重要である。ペットボトルは250cc程度の小ボトルから2000ccを超える大きなボトルまで多種存在するが、求める音色や響きの物を適切に選択する。
【発明の効果】
【0006】
本発明では上記した手段により、ペットボトルを打楽器の一部として有効に利用でき、他に天板を叩いても音を発生できるので複合打楽器として多彩な音列を発生させ楽しめる音色や音響が良好な打楽器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態例のうち実施例1の側面図を示す。
【図2】従来の形態例の側面図を示す。
【図3】本発明の実施の形態例のうち実施例2の上面図を示す。
【図4】本発明の実施の形態例のうち実施例3の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための形態について図1から図4に基づいて説明する。図においては、1は天板、2は側板、3はペットボトル、4はペットボトルのキャップ部で側板に開口した穴にはめ込まれている。5は棒状体(スティックとも言う)であり、これで天板やペットボトルを叩いて音を発生させる。6は取っ手、7は発光ダイオードで動物の目に相当する位置に配置されている。8は発光ダイオードを点灯させるためのスイッチ部分であり、ここを叩くか押すと発光ダイオードが点灯する。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明の実施の形態例を示す外観の側面図である。天板と側板は厚さ10mmの花梨の板材から、それぞれ80mmx160mmと80mmx90mmの長方形に切り出す。側板は同じサイズの物を2枚準備する。側板には直径約29mmの貫通穴を開口する。ペットボトルのキャップ部をペットボトル本体から外し、側板の貫通穴に挿入する。このとき木槌などで叩き込んで確実にキャップ部が側板に固定されるべく貫通穴の径は仕上げている。側板の上に天板を乗せ木工ボンドで両者が固定されている。ボンドが完全に固まった後、ペットボトル本体を側板にはめ込んだキャップ部にねじ込み楽器が完成する。
【0010】
発音体であるペットボトルや天板を叩くための棒状の物は金属、木、プラスティックなど幅広く使用できる。本実施例では、直径7mm程度、長さ250mm程度の木製品(花梨材)を用いた。ペットボトルはお茶が入っていた市販の1000ccボトルを2個使用した。ペットボトルの中央、端その他中間地点など叩く場所により音色は変化する。天板の場合も同様に中央、端その他中間地点など叩く場所により音色は変化する。本実施例ではペットボトルを2個使用したが、その他、1個でも良いし、3個以上の複数で構成させても良いことは明らかである。
【実施例2】
【0011】
実施例1では天板に単純な長方形の物を使用したが、実施例2では動物(うさぎ)の形に曲線加工して打楽器を構成した。側板は実施例1と同様に単純な長方形である。この場合の天板の特徴として単純な長方形に比較して複雑な曲線のシルエットとなっているので、叩く場所により発生する音色がより多彩になる。図3に天板の上面図を示す。動物はうさぎ以外にも鯨、猫、犬、鳥など幅広く選択可能である。なお、図3では簡略のためペットボトルを図示してないが、図1と同様に側板2に、はめ込む構成になっている。
【実施例3】
【0012】
実施例2では動物(うさぎ)の形に曲線加工した天板を使用し打楽器を構成した。実施例3ではさらに、動物(うさぎ)の耳の部分を一部で分離させ、そこを叩いた場合に目が光る構成とした。図4に天板の上面図を示す。目の部分に発光ダイオードを仕込んであり、分離した耳の先端部分の裏に仕込んであるスイッチと連動させている。図4の矢印方向に耳の先端部分である8が回転する。電源は単三型乾電池2本を用いた。この様な形態にすることにより、打楽器の音を楽しむだけでなく、視覚的にもリズムを楽しむことができるので、例えば聴覚に困難がある人でも打楽器をより楽しめる効果がある。なお、図4では簡略のためペットボトルを図示してないが、図1と同様に側板2に、はめ込む構成になっている。
【符号の説明】
【0013】
1 天板
2 側板
3 ペットボトル
4 キャップ部
5 スティック
6 取っ手
7 発光ダイオード
8 スイッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と前記天板を支える側板を備え、前記側板にペットボトルのキャップ部がはめ込まれる穴を備え、ペットボトルがキャップ部で前記側板に固定可能な構造となっており、前期天板とペットボトルを棒状のスティックで叩いて音を発生させる事を特徴とする、ペットボトル利用打楽器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−128382(P2012−128382A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294757(P2010−294757)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(599135385)