説明

ペット用キャリア

【課題】 ペットを入れて持ち運ぶことが出来るペット用キャリアであって、手で持ち運びすることが出来るのみならず、自転車の荷台籠に収容して運ぶことが出来、しかも、顔を外に出すことが出来るペット用キャリアの提供。
【解決手段】 ペット12が入るペット収容部1の上部には蓋2を開閉可能に取付け、そして蓋2にはペット12の頭が出る開口5を設けている。上記ペット収容部1の側部コーナー付近には持ち手3a,3bを取付ける金具8,8・・を備え、自転車の荷台籠13に固定する為の伸縮紐付き係止金具10,10・・を取付け、上記開口5の周辺部には帽子を止着するボタン16、又蓋2の各コーナー部には雨合羽17を固定する為のボタン19,19・・を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は犬や猫などのペットを持ち運びすることが出来るようにしたペット用キャリアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年はペットブームであり、家で色々なペットを飼っている場合は多く、その為に、ペットに関する数多くの商品が販売されている。例えば、ペット用缶詰、ペット用トイレ、散歩時に着用する上着、ペット用シャンプーセットなど色々な物が市販されている。そして、ペット用具に関する特許出願も数多く行われている。
【0003】
特開2004−313155号に係る「ペットの散歩等に用いるグリップ付収納ケース」は、ペットを散歩させる時に必要な、糞の処理具や糞の収納に関するものである。特開2003−274781号に係る「ペット用キャリア」は、ペットを単にコンパクトに携行、運搬することに止まらず、キャリアケースそのものを使用して、ペットのシャンプー等の洗浄やトリミングなどが行えるようにし、かつ、その為の用具収納部も備えたものである。
【0004】
そこで、手提げを設けたペット用キャリア蓋部の長さ方向の両側面に腕が入る穴を開口し、かつ、天面の適当な位置にノズル用開口を設けてシャワーノズルを挿通することにより、キャリア内部へ給水可能な構造とし、さらに、キャリア本体底部には排水用の穴を設けている。
【0005】
特開平11−46613号に係る「動物用着用具」は、動物やその飼主を交通事故から守る為のもので、動物の胴回りに巻き付けることで動物に着せて用いる動物用着用具である。この着用具は網目状の素材からなる帯状本体を備え、この帯状本体には反射テープが取着されると共に、蛍光性の素材から成る縁取り部及び軸部が取着されている。そして、動物の背中にあたる位置には連結金具が設けられ、この連結金具には動物と飼主とを繋ぐ紐、ロープ、又はクサリが繋がれ、紐などの途中に、反射テープを備えた吊下げバックを設けている。
【0006】
このように、ペット用具に関しては色々なものが知られている。本発明は可愛いペットを入れて持ち運ぶ為のキャリアであるが、従来においては単なる籠と称されるものがあるに過ぎない。すなわち、身体全体が収容されるように、檻を小さくしたような籠であり、このような籠に入れて持ち歩くことは該ペットにとって可愛そうである。
【特許文献1】特開2004−313155号に係る「ペットの散歩等に用いるグリップ付収納ケース」
【特許文献2】特開2003−274781号に係る「ペット用キャリア」
【特許文献3】特開平11−46613号に係る「動物用着用具」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように従来のペット用キャリアには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、手で持ち運びすることが出来るのみならず、自転車の荷台籠に収容して運ぶことが出来、しかも、顔を外に出すことが出来るキャリアを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るペット用キャリアは、ペットの顔が外に出た状態で手に持って運ぶことが出来るように構成していると共に、自転車の荷台籠に収容することも出来る構造と成っている。従って、その基本形態はペット収容部と吊下げ紐を有し、ペット収容部には蓋が設けられて開閉可能としている。そして、蓋には開口が形成されて該開口からペットの顔を出すことが出来るようにしている。
【0009】
又、帽子を備え、ペット収容部に入って蓋に形成している開口から出した頭に被せることが出来る。そして、雨が降った場合の雨合羽も構成部品として組み合わされるが、該雨天時の帽子付き雨合羽はペット収容部の蓋上面をカバーすることの出来るような形態を成している。そして、この雨合羽はペット用キャリアと切り離してペットが単独で歩く際に着せることが出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るペット用キャリアは、ペット収容部にペットを入れて手で持ち歩くことが出来、又、自転車の荷台籠に収容して運ぶことが出来る。この際、ペットはペット収容部の蓋に形成している開口から顔を出すことが出来る為に窮屈感を与えることはない。そして、寒いときには蓋に帽子を取付けて被せることが出来、又雨天時には雨具を被せることが出来る。一方、該雨具は単独でペットに着用して散歩させることも可能である。
【実施例】
【0011】
図1は本発明に係るペット用キャリアの外観を示す実施例である。同図の1はペット収容部、2は蓋、3a,3bは持ち手を夫々表している。ペット収容部1は内部に犬や猫などのペットが入る空間を有し、上部には蓋2が被さって周囲3面にはファスナー(商標)4にて閉じられている。従って、該ファスナー4を操作することで、蓋2を開くことが出来る。底は板が敷かれて表面にビニールシートが被覆され、汚れた時には簡単にそうじすることができる。そして、側部はスポンジを芯として両面に布を縫い合わせている。蓋2も同じく、スポンジを芯とした布製の構造である。
【0012】
蓋2には開口5が設けられ、該開口5に連通するスリット6を形成している。そこで、ペット収容部1にペットを入れ、蓋2を閉じる場合には開口5から顔が出るようにするが、この際、開口5に頭が入るようにボタン7は外される。ペットの頭が開口5から出たところで、ボタン7を止着する。そこで、ペットはペット収容部1に入れられると共に開口5から顔を出すことが出来、この状態で持ち手3a,3bを握って持ち歩くことが出来る。又、該ペット収容部1を自転車の荷台籠に入れて運ぶことも出来る。
【0013】
自転車の荷台籠に収容する場合には、持ち手3a,3bは不要である為に、取外すことが出来るようにしている。そこで、ペット収容部1の側部に金具8,8・・を取付、持ち手3a,3bの両端に取着している係止具9,9・・を、上記金具8,8・・に連結することが出来、逆に取外すことも出来る。又、自転車の荷台籠に収容した際に、落ちないようにペット収容部1の各コーナー部から伸縮紐を延ばし、その先端に係止金具10,10・・を備えている。該係止金具10,10・・は荷台籠の適当な位置に係止してペット収容部1を固定する。
【0014】
図2は本発明のペット用キャリアを持ち手3a,3bにて吊下げた場合を示している。このように、ペット12をペット収容部1に入れて持ち手3a,3bを腕11に掛け、この状態で持ち歩くことが出来る。この際、ペット12は蓋2に形成している開口5から顔を出している。
【0015】
図3は自転車の荷台籠13にペット収容部1を入れて運ぶ場合を示している。ペット収容部1の各コーナー部にはゴムなどから成る伸縮紐14,14・・が延び、該伸縮紐14,14・・の先端に連結した係止金具10,10・・は網目を形成した荷台籠13に係止して固定されている。そして、ペット12は蓋2の開口5から顔を出しているが、頭には帽子15を被っている。
【0016】
該帽子15は蓋2の開口5付近に設けているボタン16に取付けられ、従って必要が無い場合には取外すことが出来る。勿論、この際には持ち手3a,3bも取外される。図4は帽子の代わりに雨合羽17を被せた場合を表している。雨合羽17はその中央部に帽子18を有しペット12の頭に被せ、該雨合羽17は蓋2を覆うことが出来るに適した大きさとしている。
【0017】
そして、雨合羽17は蓋2に被せるだけでなく、その位置ズレを防止する為に蓋2のコーナー部に設けているボタン19,19・・に止着される。従って、雨合羽側にも対を成すボタンが設けられている。図5は上記雨合羽17を単独で使用した場合であり、ペット12に帽子18を被せると共に、胴体を覆うようにボタン及び紐で取付けることが出来る。
【0018】
図6は雨合羽17を単独で示した具体例である。その形状は長方形を成し、帽子18が取付けられている。又、ペットの胴体に固定する為の紐20が設けられている。又、所々にはボタン19a,19a・・が取付けられ、これらボタン19a,19a・・を介して蓋2に取付けることが出来る。帽子18を設けている部分は穴が形成され、ペットの頭に被せると共に、雨合羽17は図5に示すように身体に巻き付けて固定される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るペット用キャリアの実施例。
【図2】ペット用キャリアを腕に掛けて持ち歩く場合。
【図3】ペット用キャリアを自転車の荷台籠に収容している場合。
【図4】自転車の荷台籠に収容したペット用キャリアに雨合羽を掛けた場合。
【図5】雨合羽をペットに着用した場合。
【図6】雨合羽の具体例。
【符号の説明】
【0020】
1 ペット収容部
2 蓋
3 持ち手
4 ファスナー
5 開口
6 スリット
7 ボタン
8 金具
9 係止具
10 係止金具
11 腕
12 ペット
13 荷台籠
14 伸縮紐
15 帽子
16 ボタン
17 雨合羽
18 帽子
19 ボタン
20 紐













【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットを入れて持ち運ぶことが出来るペット用キャリアにおいて、ペットが入るペット収容部の上部には蓋を開閉可能に取付け、そして蓋にはペットの頭が出る開口を設け、又、上記ペット収容部の側部コーナー付近には持ち手を取付ける金具を備え、自転車の荷台籠に固定する為の伸縮紐付き係止金具を取付け、上記開口の周辺部には帽子を止着するボタン、又蓋の各コーナー部には雨合羽を固定する為のボタンを設けたことを特徴とするペット用キャリア。
【請求項2】
上記蓋に設けた開口からスリットを設け、該スリットを閉じる為のボタンを備えた請求項1記載のペット用キャリア。
【請求項3】
上記蓋にペットの頭に被せる帽子をボタンを介して取付けた請求項1、又は請求項2記載のペット用キャリア。
【請求項4】
上記蓋のコーナー部に設けたボタンを介して雨合羽を取付けた請求項1、又は請求項2記載のペット用キャリア。
【請求項5】
上記ペット収容部の側部コーナー付近に取付けた金具に持ち手を連結して取付けた請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載のペット用キャリア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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