説明

ペット用ケージ

【課題】ペットを一時的に所定の場所に収容しておく為のペット用ケージを提供する。
【解決手段】使用状態のとき平面視円形になる柵構造体2は、周方向に設定間隔おきに配設される複数の縦棒部材5と、複数の縦棒部材5の上端部分及び下端部分の周方向片側面に夫々固着された複数の上端円弧片6及び複数の下端円弧片7とを有し、使用状態のとき、上端側ベルト部材3aの始端部3asと終端部3ae、下端側ベルト部材3bの始端部3bsと終端部3beを夫々連結部4a,4bで連結したとき、互いに固着状態の縦棒部材5と上端円弧片6と下端円弧片7からなる各結合体8と、それに周方向に隣接する結合体8とが上端円弧片6及び下端円弧片7を介して面接触にて当接して平面視円形の上端リング構造9及び下端リング構造10が形成され、柵構造体2で囲まれた平面視円形のペット収容空間2aが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットを収容する使用状態と折畳んだ収納状態とに亙って切換え可能なペット用ケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、室内で中型犬や小型犬等のペットが飼われることが多く、室内においてペットはリードを付けずに放し飼いにされることが多い。来客があるときや留守中のときには、ペットを一時的に所定の場所に収容しておく為にペット用ケージが使用されている。このペット用ケージは、複数枚の矩形状の柵部材で囲まれた収容空間にペットを収容できるように構成され、箱形のペットハウスよりも開放的な空間をペットに提供することができる。
【0003】
特許文献1のペット用ケージは、使用状態のとき、複数枚の柵部材を連結部材で平面視矩形状に連結し、これらの柵部材で囲まれた平面視矩形状の収容空間にペットを収容するように構成されている。複数枚の柵部材は、2枚の柵部材を直角状に連結する直角連結部材と、2枚の柵部材を直線状に連結する直線連結部材とにより連結されている。
【0004】
特許文献2のペット用ケージは、使用状態のとき、6枚の柵部材の両端部を連結具で所定角度(開角120度)で連結し、これらの柵部材で囲まれた平面視正六角形状の収容空間にペットを収容するように構成されている。連結具は、中心角度が120度の扇形状の連結部材と、連結部材に挿入されるナットと、ボルトにより構成されている。
【0005】
このペット用ケージにおいては、複数の柵部材同士を連結具で連結する際、柵部材の側面同士を突き合わせた状態で、その突き合わせた内側の内角部の上端部と下端部に夫々連結部材を当接させ、柵部材の上部枠と下部枠に夫々形成された貫通孔に外側からボルトを挿通し、ボルトのネジ部を連結部材の挿入穴に挿入されたナットのネジ穴に螺合させることで連結部材が柵部材に固定されると共に柵部材同士が120度の角度で連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3060698号公報
【特許文献2】特開2004−65302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2のペット用ケージにおいては、使用状態のとき、複数枚の柵部材を連結部材(連結具)で結合することで多角形状のケージ状態を維持しているので、組み立て作業と収納作業が面倒である。即ち、多角形状のケージを組み立てる場合には、複数枚の柵部材の両端部同士を連結部材(連結具)で順次所定の角度となるように連結しつつ各柵部材を所定の位置に配列して組み立てるので、組み立て作業に多くの時間と労力を要するうえ、部材の種類が多いため製作費が高価になる。
【0008】
ケージを収納する場合には、複数の柵部材の連結部分から複数の連結部材(連結具)を取り外して柵部材を1枚1枚に分解して、これらの柵部材を重ねて収納するので、収納作業に多くの時間と労力を要すると共に、コンパクトに折り畳むことができないうえ、持ち運びも非常に不便である。
【0009】
本発明の目的は、ペット用ケージにおいて、簡単且つ容易に使用状態と収納状態に切換え可能にすること、部材の種類を少なくすること、小さくコンパクトに折畳み可能にすること、持ち運びを便利にすることなどである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1のペット用ケージは、ペットを収容する使用状態と折畳んだ収納状態とに亙って切換え可能なペット用ケージにおいて、前記使用状態のとき平面視円形で且つ所定高さを有する柵構造体を備え、前記柵構造体は、前記使用状態のとき周方向に設定間隔おきに配設される複数の縦棒部材と、前記複数の縦棒部材の上端部分及び下端部分の周方向片側面に夫々固着された複数の上端円弧片及び複数の下端円弧片とを有し、前記縦棒部材の上端部分及び下端部分は水平断面が矩形又は台形に形成され、前記使用状態のとき、互いに固着状態の縦棒部材と上端円弧片と下端円弧片からなる各結合体と、それに周方向に隣接する結合体とが上端円弧片及び下端円弧片を介して面接触にて当接して平面視円形の上端リング構造及び下端リング構造が形成され、前記上端リング構造の外周面に複数の前記面接触部位を開閉可能とする複数のヒンジ部を構成する上端側ベルト部材を設けると共に、前記下端リング構造の外周面に複数の前記面接触部位を開閉可能とする複数のヒンジ部を構成する下端側ベルト部材を設けたことを特徴としている。
【0011】
このペット用ケージにおいては、使用状態に組み立てる際には、柵構造体を立てて平面視にて円形に展開して、上端側ベルト部材と下端側ベルト部材の始端部と終端部を夫々連結し、周方向に隣接する結合体同士が上端円弧片及び下端円弧片を介して面接触にて当接して平面視円形の上端リング構造及び下端リング構造が形成され、平面視円形で且つ所定高さを有する柵構造体で囲まれた円形のペット収容空間が形成される。
【0012】
このペット用ケージは、アーチ構造の原理を応用して、使用状態のときの平面視円形状態を維持している。即ち、上端リング構造及び下端リング構造は、それらの複数の面接触部位において面接触し、上端リング構造及び下端リング構造の外周側が夫々緊張状態のベルト部材により拘束されているため、円形状態を維持する。
【0013】
請求項2のペット用ケージは、請求項1の発明において、前記上端側ベルト部材の始端部と終端部を連結する上端連結部と、前記下端側ベルト部材の始端部と終端部を連結する下端連結部とを設けたことを特徴としている。
【0014】
請求項3のペット用ケージは、請求項1又は2の発明において、前記上端円弧片及び下端円弧片は水平断面が台形状又は径方向に幅のある円弧状に夫々形成されることを特徴としている。
【0015】
請求項4のペット用ケージは、請求項1〜3の発明の何れか1項において、前記縦棒部材と上端円弧片と下端円弧片は、木製の部材で構成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、柵構造体は、複数の縦棒部材と、複数の縦棒部材の上端部分及び下端部分の周方向片側面に夫々固着された複数の上端円弧片及び複数の下端円弧片とを有し、使用状態のとき、互いに固着状態の縦棒部材と上端円弧片と下端円弧片からなる結合体同士が上端円弧片及び下端円弧片を介して面接触にて当接して平面視円形の上端リング構造及び下端リング構造が形成され、上端側ベルト部材と下端側ベルト部材で連結されるため、その他の柵構造体から分離可能な連結部材を用いることなく使用状態のときのケージの円形状態を維持することができる。それ故、ケージの組み立て作業と収納作業にかかる時間と労力を大幅に低減することができる。
【0017】
上端リング構造の外周面に複数の面接触部位を開閉可能とする複数のヒンジ部を構成する上端側ベルト部材を設けると共に、前記下端リング構造の外周面に複数の面接触部位を開閉可能とする複数のヒンジ部を構成する下端側ベルト部材を設けたので、簡単且つ容易に使用状態にできるうえ、収納する際には例えば3重,4重に小さくコンパクトに折畳んで収納することができると共に、持ち運びにも非常に便利である。部材の種類が少ないため、製作費を低減することも可能である。
【0018】
請求項2の発明によれば、上端側ベルト部材の始端部と終端部を解除可能に連結する上端連結部と、下端側ベルト部材の始端部と終端部を解除可能に連結する下端連結部とを設けたので、使用状態のときの柵構造体の上端リング構造と下端リング構造を確実に維持することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、上端円弧片及び下端円弧片は水平断面が台形状又は径方向に幅のある円弧状に夫々形成されているので、上端及び下端リング構造を容易に形成することができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、縦棒部材と上端円弧片と下端円弧片は、木製の部材で構成されたので、使用状態のときのケージの意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係る使用状態のときのペット用ケージの斜視図である。
【図2】使用状態のときのペット用ケージの平面図である。
【図3】ベルト部材の連結状態を解除したときのペット用ケージの平面図である。
【図4】収納状態のときのペット用ケージの斜視図である。
【図5】実施例2の使用状態のときのペット用ケージの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0023】
図1〜図4に示すように、実施例1に係るペット用ケージ1は、ペットを収容する使用状態と折畳んだ収納状態とに亙って切換え可能に構成され、使用状態のとき平面視円形で且つ所定の高さを有する柵構造体2と、柵構造体2を使用状態と収納状態とに亙って切換える為の上端側ベルト部材3a及び下端側ベルト部材3bと、これらベルト部材3a,3bの始端部と終端部を連結する上端連結部4a及び下端連結部4bとを備えている。使用状態のときの柵構造体2の直径は例えば1.0〜1.5m、高さは例えば1.0〜1.4mであるが、これらの数値に限定されるものではない。
【0024】
図1,図2に示すように、柵構造体2は、使用状態のとき周方向に設定間隔おきに配設される複数本(例えば36本)の縦棒部材5と、複数本の縦棒部材5の上端部分及び下端部分の周方向片側面に夫々固着された複数個(例えば36個)の上端円弧片6及び複数個(例えば36個)の下端円弧片7とを有し、使用状態のとき、柵構造体2で囲まれた円形の収容空間2aに犬D(ペット)を収容できるように構成されている。
【0025】
図1に示すように、縦棒部材5は、水平断面において周方向の幅よりも径方向の幅が大きい矩形状の木製の部材で構成されている。この縦棒部材5は、使用状態のとき柵構造体2で囲まれた収容空間2aから犬Dが外部へ飛び出せない高さに設定されている。尚、縦棒部材5の上端部分と下端部分だけを水平断面矩形に形成してもよい。
【0026】
図1、図2に示すように、縦棒部材5の周方向の片側面5aと他側面5bは、互いに平行な鉛直面である。縦棒部材5の周方向の片側面5aは、平面視において円の中心Aを基準とする半径方向(放射方向)に向けられており、縦棒部材5の周方向の他側面5bは、平面視において中心Aよりも少し径方向外側の点Bに向けられている。
【0027】
図1、図2に示すように、上端円弧片6は、水平断面において径方向の幅よりも周方向の幅が大きい不等脚台形状の木製のブロック片で構成されている。この上端円弧片6の高さは周方向の幅とほぼ等しい。上端円弧片6の周方向の片側面6aは、平面視において円の中心Aを基準とする半径方向に向けられており、上端円弧片6の周方向の他側面6bは、平面視において前記の点Bに向かうように半径方向に対して傾斜している。図2に図示の角度αは本実施例では10度である。上端円弧片6の片側面6aは、縦棒部材5の上端部分の周方向の片側面5aに固着されている。
【0028】
図1に示すように、下端円弧片7は、前記の上端円弧片6と同サイズ同形状の木製のブロック片で構成されている。下端円弧片7の周方向の片側面は、縦棒部材5の下端部分の周方向の片側面に固着されている。つまり、各縦棒部材5の周方向の片側面に上端円弧片6と下端円弧片7とが接着にて固着されている。
【0029】
柵構造体2は、使用状態のとき、上記のように固着状態の縦棒部材5と上端円弧片6と下端円弧片7からなるコ字状の結合体8が複数個(例えば36個)周方向に直列状に配列される。
【0030】
図1,図2に示すように、柵構造体2を立てて平面視にて円形に展開して使用状態にしたとき、複数個の結合体8の上端部分と下端部分は、夫々、上端円弧片6及び下端円弧片7を介して複数の面接触部位16a,16bで面接触して、平面視円形の上端リング構造9及び下端リング構造10を形成するように構成されている。
【0031】
柵構造体2の上端リング構造9の外周面には上端側ベルト部材3aがその全周に亙って設けられると共に、下端リング構造10の外周面には下端側ベルト部材3bがその全周に亙って設けられている。上端側ベルト部材3aと下端側ベルト部材3bは、夫々、複数のビス11a,11bで上端リング構造9と下端リング構造10に固定されている。
【0032】
上端側ベルト部材3a及び下端側ベルト部材3bは、夫々、非伸縮性で且つ可撓性を有する天然繊維又は合成繊維製の厚手の織布で構成されている。但し、ベルト部材3a,3bは織布以外に、皮革や合成樹脂製のベルト部材で構成してもよい。
使用状態のとき、上端側ベルト部材3aの始端部3asと終端部3aeを上端連結部4aにより連結したとき、上端側ベルト部材3aは緊張状態(引っ張り状態)となる。同様に、下端側ベルト部材3bの始端部3bsと終端部3beを下端連結部4bにより連結したとき下端側ベルト部材3bは緊張状態(引っ張り状態)となる。
【0033】
柵構造体2の周方向に隣接する結合体8の上端部分同士を連結するヒンジ部12aは、上端側ベルト部材3aと、面接触部位16aの周方向両側近傍部位において上端側ベルト部材3aを縦棒部材5と上端円弧片6とに固定する1対のビス11aにより構成されている。前記ヒンジ部12aにより面接触部位16aが面接触する閉状態と、最大約180度まで開き得る開状態とに切換え可能になっている。
【0034】
同様に、周方向に隣接する結合体8の下端部分同士を連結するヒンジ部12bは、下端側ベルト部材3bと、前記面接触部位16bの周方向両側近傍部位において下端側ベルト部材3bを縦棒部材5と下端円弧片7とに固定する1対のビス11bにより構成されている。前記ヒンジ部12bにより前記面接触部位16bが面接触する閉状態と、最大約180度まで開き得る開状態とに切換え可能になっている。
【0035】
上端側ベルト部材3aの始端部3asと終端部3aeを解除可能に連結する上端連結部4aは、上端側ベルト部材3aの始端近傍部と終端近傍部に位置する1対のビス11aと、その始端側のビス11aに揺動可能に枢支されたフック部材13とで構成されている。フック部材13の先端部分には、終端側のビス11aと係合するU字状の切欠きが形成されている。
【0036】
同様に、下端側ベルト部材3bの始端部3bsと終端部3beは、下端連結部4bで解除可能に連結されている。この下端連結部4bは、下端側ベルト部材3bの始端近傍部と終端近傍部に位置する1対のビス11bと、その始端側のビス11bに上下方向に揺動可能に枢支されたフック部材13とで構成されている。フック部材13の先端部分には、終端側のビス11bと係合するU字状の切欠きが形成されている。
【0037】
上記のペット用ケージ1の作用効果について説明する。
ペット用ケージ1を図4に示す収納状態(収納状態の一例)から図1に示す使用状態に切換える場合、柵構造体2を立てて円形に展開し、上端側ベルト部材3aの始端部3asと終端部3aeを上端連結部4aで連結することにより、ヒンジ部12aにより連結された隣接する結合体8の上端部分同士が面接触部位16aで面接触して面接触部位16aが閉状態となり、平面視円形の上端リング構造9が形成される。
【0038】
同様に、下端側ベルト部材3bの始端部3bsと終端部3beを下端連結部4bで連結することにより、ヒンジ部12bにより連結された隣接する結合体8の下端部分同士が面接触部位16bで面接触して面接触部位16bが閉状態となり、平面視円形の下端リング構造10が形成され、平面視円形で且つ所定高さを有する柵構造体2で囲まれた円形の収容空間2aが形成される。そのため、簡単且つ容易に使用状態にすることができる。
【0039】
使用状態のペット用ケージ1においては、アーチ構造の原理を応用して、上端リング構造9及び下端リング構造10が、それらの複数の面接触部位16a,16bにおいて面接触し、上端リング構造9及び下端リング構造10の外周側が夫々緊張状態の上端側ベルト部材3a及び下端側ベルト部材3bにより拘束されているため、従来のペット用ケージで採用しているような複数の連結部材を用いることなくペット用ケージ1の円形状態を維持することができる。それ故、ペット用ケージ1の組み立て作業にかかる時間と労力を大幅に低減することができる。
【0040】
ペット用ケージ1を図1に示す使用状態から図4に示す収納状態に切換える場合、図3に示すように、上端側ベルト部材3aと下端側ベルト部材3bの始端部3as,3bsと終端部3ae,3beの連結状態を夫々解除し、ヒンジ部12a,12bにより各面接触部位16a,16bが開放可能な状態となり、柵構造体2の内面が外側になるように折り返しつつ、例えば4重に折畳んだ収納状態にする。
【0041】
それ故、収納する際には柵構造体2を、従来のペット用ケージのように複数のパネル部材に分解することなく、小さくコンパクトに折畳んで収納することができ、収納作業にかかる時間と労力を大幅に低減することができ、持ち運びにも非常に便利である。実施例のペット用ケージ1は、縦棒部材5と、同形同サイズの上端円弧片6及び上端円弧片7と、上下のベルト部材3a,3bなどを主体として構成するので、部材の種類が少ないから製作費を低減することも可能である。
【0042】
上端側ベルト部材3aの始端部3asと終端部3aeを連結する上端連結部4aと、下端側ベルト部材3bの始端部3bsと終端部3beを連結する下端連結部4bとを設けたので、使用状態のときの柵構造体2の上端リング構造9と下端リング構造10を確実に維持することができる。しかも、縦棒部材5と上端円弧片6と下端円弧片7は、木製のものであるため、軽量であり、使用状態のときのケージの意匠性を高めることができる。
【実施例2】
【0043】
次に、実施例2のペット用ケージ1Aについて、図5に基づいて説明する。但し、実施例1のペット用ケージ1と異なる構成(柵構造体2A)についてのみ説明し、実施例1と同様の構成に同様の符号を付して説明を省略する。使用状態のとき、このペット用ケージ1Aの柵構造体2Aで囲まれた円形の収容空間2bに犬を収容可能であり、この柵構造体2Aでは、上端円弧片6Aと下端円弧片(図示略)の形状が次のように変更されている。
【0044】
縦棒部材5Aは、水平断面において周方向の幅よりも径方向の幅が大きい等脚台形状の木製の部材で構成されている。
上端円弧片6Aは、水平断面において径方向の幅よりも周方向の幅が大きい円弧状の木製のブロック片で構成されている。下端円弧片は、上端円弧片6Aと同サイズ同形状の木製のブロック片で構成されている。
【0045】
使用状態のとき、縦棒部材5Aの片側面5cと他側面5dが円の中心Aを基準とする半径方向に向けられ、上端円弧片6Aの片側面6cと他側面6dが円の中心Aを基準とする半径方向に向けられている。このことは、下端円弧片においても同様である。
縦棒部材5Aと上端円弧片6Aと下端円弧片とを結合した結合体8Aの数は、実施例1と同様に36組である。それ故、使用状態のときの平面視における結合体8Aの開角(面接触部位16aAから隣接する面接触部位16aAまでの角度)である図示の角度αは例えば10度である。尚、上端円弧片6Aの内周面と外周面は円弧面でもよいが、平面に成形してもよい。このことは、下端円弧片についても同様である。
このペット用ケージ1Aの作用、効果は、前記実施例1のペット用ケージ1とほぼ同様であるので、その説明は省略する。
【0046】
前記実施例を部分的に変更する例について簡単に説明する。
1)前記ペット用ケージ1,1Aでは、結合体8,8Aを36個設け、これら結合体8,8Aを周方向に10度間隔で配置する例について説明したが、結合体8,8Aの数は、前記実施例に限定されるものではなく、前記10度間隔もこの角度に限定されるものでないことは勿論である。
【0047】
2)前記ペット用ケージ1,1Aが使用状態のとき平面視にて円形であるが、厳密に円形である必要はなく、円形に近い楕円形や円形に近い長円形のものも含む。また、ペットは犬に限定されず、猫、その他のペットも収容可能である。
【0048】
3)上端及び下端連結部4a,4bは、前記実施例の連結部に限定されず、上端側ベルト部材3a及び下端側ベルト部材3bの始端部3as,3bsと終端部3ae,3beを夫々連結できるものであればよい。
4)その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記の実施例に種々の変更を付加して実施可能である。
【符号の説明】
【0049】
D 犬
1,1A ペット用ケージ
2,2A 柵構造体
3a 上端側ベルト部材
3as 始端部
3ae 終端部
3b 下端側ベルト部材
3bs 始端部
3be 終端部
4a 上端連結部
4b 下端連結部
5,5A 縦棒部材
5b,5d 片側面
6,6A 上端円弧片
7 下端円弧片
8,8A 結合体
9,9A 上端リング構造
10 下端リング構造
12a,12b ヒンジ部
16a,16b,16aA 面接触部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットを収容する使用状態と折畳んだ収納状態とに亙って切換え可能なペット用ケージにおいて、
前記使用状態のとき平面視円形で且つ所定高さを有する柵構造体を備え、
前記柵構造体は、前記使用状態のとき周方向に設定間隔おきに配設される複数の縦棒部材と、前記複数の縦棒部材の上端部分及び下端部分の周方向片側面に夫々固着された複数の上端円弧片及び複数の下端円弧片とを有し、
前記縦棒部材の上端部分及び下端部分は水平断面が矩形又は台形に形成され、
前記使用状態のとき、互いに固着状態の縦棒部材と上端円弧片と下端円弧片からなる各結合体と、それに周方向に隣接する結合体とが上端円弧片及び下端円弧片を介して面接触にて当接して平面視円形の上端リング構造及び下端リング構造が形成され、
前記上端リング構造の外周面に複数の前記面接触部位を開閉可能とする複数のヒンジ部を構成する上端側ベルト部材を設けると共に、前記下端リング構造の外周面に複数の前記面接触部位を開閉可能とする複数のヒンジ部を構成する下端側ベルト部材を設けた、
ことを特徴とするペット用ケージ。
【請求項2】
前記上端側ベルト部材の始端部と終端部を解除可能に連結する上端連結部と、前記下端側ベルト部材の始端部と終端部を解除可能に連結する下端連結部とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のペット用ケージ。
【請求項3】
前記上端円弧片及び下端円弧片は水平断面が台形状又は径方向に幅のある円弧状に夫々形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のペット用ケージ
【請求項4】
前記縦棒部材と上端円弧片と下端円弧片は、木製の部材で構成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のペット用ケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−217402(P2012−217402A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87677(P2011−87677)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【特許番号】特許第4787382号(P4787382)
【特許公報発行日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(511091265)株式会社レーブエンタープライズ (1)
【Fターム(参考)】