ペット用サークル
【課題】ペットのトイレの躾やペット用トイレの掃除を容易に行うことができるペット用サークルの提供を目的とする。
【解決手段】
複数の本体パネル9を周方向に連結したサークル本体1Aを構成し、上記本体パネル9にペットの出入を許容する本体側開口部31を備えたペット用サークル2であって、上記サークル本体1Aに、該サークル本体1Aの内側をトイレ空間ZBと生活空間ZAとに仕切る仕切りパネル14を備え、上記仕切りパネル14に、上記トイレ空間ZBと上記生活空間ZAとの間のペットの移動を許容する仕切り側開口部32を形成し、上記本体側開口部31、及び、上記仕切り側開口部32のうち、少なくとも一方の開口部に扉25を備えた。
【解決手段】
複数の本体パネル9を周方向に連結したサークル本体1Aを構成し、上記本体パネル9にペットの出入を許容する本体側開口部31を備えたペット用サークル2であって、上記サークル本体1Aに、該サークル本体1Aの内側をトイレ空間ZBと生活空間ZAとに仕切る仕切りパネル14を備え、上記仕切りパネル14に、上記トイレ空間ZBと上記生活空間ZAとの間のペットの移動を許容する仕切り側開口部32を形成し、上記本体側開口部31、及び、上記仕切り側開口部32のうち、少なくとも一方の開口部に扉25を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内側に犬や猫などのペット(愛玩動物)を格納しておくことができるペット用サークルに関する。
【背景技術】
【0002】
ペット用サークルとしては、例えば、下記特許文献1の「ペット用柵」のように、複数のパネルを連結部材で連結し、周方向の内側にペットを格納する空間を有して構成し、該空間は、仕切られていない一つの空間で構成されたものが一般的である。
【0003】
上記ペットを格納する空間の底面の片隅には、ペットがいつでも用を足すことができるようペット用トイレが載置されることが多い。ところが、ペットは、ペット用トイレで用を足すとは限らないため、衛生的でなく、また、掃除に労力を要していた。このため、常に、ペットがトイレ用受け皿で用を足すには、ペットに対してトイレの躾けをする必要があった。
【0004】
しかし、ペットを格納する空間が一つの空間であるため、ペットにペット用トイレで用を足すことを認識させるために、ペットが用を足す直前に、例えば、飼い主がペットをペット用トイレに誘導し、その場所に用を足すまで留めておく必要がある。トイレの度に、このような手間を繰り返す必要があるため、多大な労力を要するとともに、ペットに対してもストレスを与えてしまうという難点がある。
【0005】
さらに、ペットを格納する空間が一つの空間である場合、飼い主がペット用トイレを掃除をする際に、ペットが戯れてペット用サークルを出し入れすることを邪魔をして、ペット用トイレの掃除をスムーズに行なうことができないという難点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−271215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、ペットのトイレの躾やペット用トイレの掃除を容易に行うことができるペット用サークルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の本体パネルを周方向に連結したサークル本体を構成し、上記本体パネルにペットの出入を許容する本体側開口部を備えたペット用サークルであって、上記サークル本体に、該サークル本体の内側をトイレ空間と生活空間とに仕切る仕切りパネルを備え、上記仕切りパネルに、上記トイレ空間と上記生活空間との間のペットの移動を許容する仕切り側開口部を形成し、上記本体側開口部、及び、上記仕切り側開口部のうち、少なくとも一方の開口部に扉を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、犬などのペットのトイレの躾けを効率的に行なうことができる。
詳しくは、仕切り側開口部に扉を備えておけば、普段、ペットが飲食する際や寛ぐ際には、ペットを生活空間へ留めておくことができる。
【0010】
そして、ペットが用を足す場合は、それを見計らって仕切り側開口部に備えた扉を開き、仕切り側開口部を通じてペットをトイレ空間へと誘導する。
【0011】
仕切り側開口部を扉で閉塞すれば、ペットが用を足すまでペットをトイレ空間に留めておくことができ、用を足せば、仕切り側開口部を開けて生活空間へと誘導する。
【0012】
上述したように、ペットを上記トイレ空間と上記生活空間との間でスムーズに行き来させ、いずれかの空間に確実に留めておくことができるため、ペットにトイレ空間において用を足すことを認識させることができ、トイレの躾けを効率よく行なうことができる。
【0013】
さらに、飼い主は、ペット用トイレの掃除をする際、生活空間にペットを留めておくことができるため、ペットが戯れて飛びつくなどして掃除の邪魔をすることもなく、ペット用トイレなどトイレ空間の掃除をスムーズに行なうことができる。
【0014】
上記本体パネル、及び、上記仕切りパネルは、例えば、複数の線材を架設したフェンス(柵体)、木製などの短冊状の板を並設したパネル、一枚ものの板状のパネルなどを含み、サークル本体の構成面を構成することができるパネルであれば特に限定しない。
【0015】
この発明の態様として上記本体側開口部に備えた上記扉を、上記本体パネルに対して着脱可能に形成するとともに、上記仕切り側開口部に備えた上記扉を、上記仕切りパネルに対して着脱可能に形成し、上記本体側開口部に備える上記扉と上記仕切り側開口部に備える上記扉とを、同じ扉で形成し、該扉を、上記本体側開口部、及び、上記仕切り側開口部のうち、いずれか一方に備えることができる。
【0016】
上記構成により、上記本体側開口部を閉塞するための扉と上記仕切り側開口部を閉塞するための扉とを1枚の扉で兼用することができるため、必要に応じて、1枚の扉を上記本体側開口部に備えたり、上記仕切り側開口部に備えたりすることで、ペット用サークルを用途に応じた無駄のない態様で用いることができる。
【0017】
詳しくは、ペットが幼い時期などトイレの躾時が特に必要な時期は、扉を上記仕切り側開口部に備えておくことで、通常、生活空間とトイレ空間との間のペットの行き来を制限しておくことができる。トイレをするときのみ上記仕切り側開口部に備えた扉を開けて生活空間とトイレ空間との間のペットの行き来させることができるため、上述したようにトイレの躾けを効果的に行うことができる。
【0018】
やがてペットが成長するとともにトイレの躾けが完了すれば、生活空間とトイレ空間との間のペットの行き来を意図的に制限する必要性がなくなり、上記仕切り側開口部に備えた扉が不要になるばかりか、閉じた状態ではペットに閉塞感を与え、開けた状態ではサークル本体の内側の空間が狭くなり邪魔になるおそれもある。このため、トイレの躾けが完了後は、上記仕切り側開口部に備えていた扉を取り外し、上記本体側開口部に備えて用いることができる。
【0019】
これにより、トイレ空間と生活空間との行き来が自由になり、ペットが成長して大きくなってもサークル本体の内側の空間を、ペットにとって開放的で閉塞感を与えることがない空間とすることができる。
【0020】
このように、トイレの躾けは、ペットの生涯の一時期のことであるから、扉を上記本体側開口部用と上記仕切り側開口部用とで兼用することで、用途に応じた好適な形態で用いることができ、部品点数の削減、コストダウンを図ることができる。
【0021】
またこの発明の態様として上記トイレ空間を構成する上記本体パネルの下部に、上記トイレ空間に載置したトイレ用受け皿(ペット用トイレ)を出し入れ可能に該本体パネルの下端から上方へ開口した下側開口部を形成し、上記下側開口部の上端部に、該下側開口部を閉塞する下側扉を枢着することができる。
【0022】
上記構成により、上記下側扉を、上記下側開口部の上端部を回動軸として捲り上げて、下側開口部を開口することができるため、下側開口部よりも前方側(正面側)の床面は勿論、その左右側方にも、下側扉が存在しない状態で開口することができる。
【0023】
よって、トイレ空間に載置されるトイレ用受け皿を下側開口部を通じて出し入れする際、トイレ用受け皿が下側扉に引っ掛かるなどせず、該トイレ用受け皿をスムーズに出し入れすることができる。
【0024】
また、トイレ空間の下側開口部よりも前方側の床面に下側扉が存在しない状態で下側開口部を開口できるため、下側開口部をペットが出入り可能な大きさを有していれば、ペットは、下側扉に引っ掛かり怪我などをすることなく、該下側開口部を通じてスムーズに出入りすることができる。
【0025】
よって、下側開口部を、ペットがトイレ空間から直接、出入りするためのペット出入り用の安全な開口部としても用いることができる。
【0026】
またこの発明の態様として上記下側扉を捲くり上げた状態でロックする扉開状態ロック手段、上記下側扉を垂下した状態でロックする扉閉状態ロック手段のうち、少なくとも一方を上記下側開口部を形成した上記本体パネルに備えることができる。
【0027】
上記扉開状態ロック手段を備えた場合、トイレ用受け皿を出し入れする際に、上記下側扉を、捲り上げて下側開口部を開口した状態でロックすることができる。このため、下側開口部を開口したとき、上記下側扉を手で捲り上げた状態に持ち上げておく労力を要しない。
【0028】
また、上記扉閉状態ロック手段を備えた場合、下側扉を、垂下させて下側開口部を閉塞した状態でロックすることができる。このため、ペットが下側扉を意図的に押し開けて下側開口部を通じて不用意に出入りしないよう規制することができる。
【0029】
またこの発明の態様として上記下側扉を上記本体パネルにロックするロック手段を、上記下側扉に備えた扉側係合部と、該扉側係合部に係合され、上記本体パネル側に備えた本体側係合部とで構成し、上記本体側係合部を、上記本体パネルにおける上記下側開口部より上方に備えた本体上側係合部と、上記本体パネルにおける上記下側開口部の下端部に備えた本体下側係合部とで構成し、上記扉開状態ロック手段を、上記扉側係合部と上記本体上側係合部とで構成し、上記扉閉状態ロック手段を、上記扉側係合部と上記本体下側係合部とで構成することができる。
【0030】
上記構成により、下側扉に備えた扉側係合部は、上記下側扉を捲くり上げた状態においては、上記本体上側係合部と係合し、上記下側扉を垂下した状態においては、上記本体下側係合部と係合することができる。
【0031】
このように、上記下側扉を捲くり上げて開けた状態、上記下側扉を垂下させて閉じた状態のいずれの状態においても、扉側係合部で兼用して本体パネル側とロックすることができる。
【0032】
このため、上記本体上側係合部と上記本体下側係合部とのそれぞれに対応するよう別々の係合部を下側扉に備えた場合と比較して簡素な構成とすることができ、ロック手段の部品点数を削減することができ、複雑な構成を必要とせずに下側扉をロックすることができる。
【0033】
さらにこの発明の態様として上記蓋側係合部を、スライド案内部とスライドロック部材と付勢手段とで構成し、上記スライド案内部は、上記下側扉の扉面における周端部よりも外側へ突出、或いは、内側へ退避するよう上記スライドロック部材をスライド案内可能に構成し、上記スライドロック部材は、上記下側扉を上記本体パネル側に対して扉全閉状態において係止可能な扉全閉状態蓋側係合部と、扉全開状態において係止可能な扉全開状態蓋側係合部とを備え、上記付勢手段は、上記スライドロック部材が上記下側扉の扉面における外側へ突出した位置へと付勢可能に上記下側扉と上記スライドロック部材との間に備えることができる。
【0034】
上記構成によれば、スライドロック部材を付勢手段の付勢力を利用してしっかりと上記本体上側係合部や上記本体下側係合部に係合させることができる。よって、サークル本体を移動させたり、ペットが接触するなどして、サークル本体がガタついた場合でも、ロック手段の係合が不測に解除されることがなくしっかりとロックした状態に保つことができる。
【0035】
またこの発明の態様として上記下側扉の上記本体パネルに対する枢動を補助する扉枢動補助具を、上記下側扉と上記下側開口部の上端部との間に介在させ、上記扉枢動補助具を、上記下側扉、及び、上記下側開口部の上端部のそれぞれに枢動自在に連結することができる。
【0036】
上記構成により、上記下側扉を枢動させる際に、扉枢動補助具が下側扉に連動して枢動するため、該下側扉の基端部が下側開口部の上端部に干渉することなく、スムーズに枢動させることができる。
【0037】
よって、扉側係合部を、スムーズに枢動させることができ、本体上側係合部、或いは、本体下側係合部にスムーズ、且つ、しっかりと係合させることができる。
【0038】
またこの発明の態様として上記本体パネル間に、複数の上記本体パネル同士を連結する連結部材を備え、上記本体パネルを嵌め込んで取り付けるパネル嵌め込み部を、上記連結部材に形成し、上記本体下側係合部を、上記パネル嵌め込み部に嵌め込んだ上記扉側係合部を係合可能に上記連結部材における上記パネル嵌め込み部の側方部分に形成することができる。
【0039】
上記構成により、下側扉が閉じた状態において、上記扉側係合部を連結部材のパネル嵌め込み部に嵌め込むことで、上記本体下側係合部に係合してロックすることができる。
【0040】
よって、本来、複数のパネルを強固に連結するための連結部材を利用してしっかりと下側扉が閉じた状態にロックすることができる。さらに、連結部材を利用してロックする分、ロック手段を構成するための部品点数を削減することができるため、シンプルな構成で構成することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明は、ペットのトイレの躾やペット用トイレの掃除を容易に行うことができるペット用サークルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第一実施形態のペット用サークルの正面図。
【図2】第一実施形態のペット用サークルの平面図。
【図3】仕切りフェンスの正面図。
【図4】正面フェンス或いは仕切りフェンスにおける扉フェンスの枢着部の構成説明図。
【図5】第一実施形態のロック機構の外観図。
【図6】第一実施形態のロック機構の説明図。
【図7】第一実施形態のロック機構の作用説明図。
【図8】第一実施形態のロック機構の作用説明図。
【図9】第二実施形態のロック機構の構成説明図。
【図10】第二実施形態のロック機構の作用説明図。
【図11】第二実施形態のロック機構の作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
(第一実施形態)
第一実施形態におけるペット用サークル1は、図1から図6に示すように、直方体の箱型形状になるよう複数枚のフェンス10を周方向に連結部材で連結してサークル本体1Aを構成している。
【0044】
詳しくは、フェンス10は、本体フェンス9と、本体フェンス9の内側空間を生活空間ZAとトイレ空間ZBとに仕切る仕切りフェンス14とで構成している。本体フェンス9は、正面フェンス11、背面フェンス12、及び、側面フェンス13で構成している。
【0045】
上記各フェンス10は、鋼製の線材12を上下方向に複数、配した縦線材12a…と、該縦線材12aに対して横方向に交差させた数本の横線材12b…とで一体に構成している。
【0046】
なお、トイレ空間ZBには、トイレ用受け皿17(ペット用トイレ)が載置されている(図2中仮想線で示したトイレ用受け皿17参照)。上記トイレ用受け皿17は、トイレ空間ZBの平面視形状と略同じ大きさの平坦状のトイレ本体部分と、外周縁部が突出したガイド部分とで形成している。
【0047】
正面フェンス11は、生活空間ZAを構成する本体側正面フェンス11Aと、トイレ空間ZBを構成するトイレ側正面フェンス11Bとで構成している。同様に、背面フェンス12は、本体側背面フェンス12Aと、トイレ側背面フェンス12Bとで構成している。側面フェンス13は、本体側側面フェンス13A(右側面フェンス13A)と、トイレ側側面フェンス13B(左側面フェンス13B)とで構成している。
なお、図示しないが、ペット用サークル1の上面にも、該上面を覆う平面フェンスを備えてもよい。この場合、平面フェンスは、サークル本体1Aに対して着脱自在に構成することができる。
【0048】
連結部材21は、直方体のペット用サークル1の隅部に備えた平面視L型をしたコーナージョイント21Cと、トイレ空間ZBと生活空間ZAとの仕切り部分に備えた直線状のストレートジョイント21Sとで構成している。
【0049】
連結部材21は、上記各フェンス10の隅角部において上下各端部に対向配置させ、隣合うフェンス10同士を連結している。さらに、上下各側で対向配置した連結部材21の間は、上下方向に配した支持棒22で連結している。
【0050】
連結部材21は、上記支持棒22を差し込んで取り付ける支持棒取付け部6223を基部側に形成し、さらに連結部材21は、該基部側から片状に突出し、該突出方向に沿って、上記フェンス10の隅角部を差込んで保持可能に形成したフェンス保持溝24を形成している。
【0051】
本体側正面フェンス11Aには、犬などのペットの出入りを許容する本体側開口部31を形成している。さらに、仕切りフェンス14には、生活空間ZAとトイレ空間ZBとの間でペットの移動を許容する仕切り側開口部32を形成している。
【0052】
上記本体側開口部31と上記仕切り側開口部32は、図1から図3に示すように、1枚の扉フェンス25で兼用可能に構成している。
なお、図1では、一例として、本体側正面フェンス11A側に扉フェンス25を備えた状態を示し、図3では、仕切りフェンス14側に扉フェンス25を備えていない状態としている。さらに、図2中の矢印は、扉フェンス25が上記本体側開口部31、上記仕切り側開口部32のうち、いずれの側の開口部へも備えることができる旨を示している。
【0053】
詳しくは、ペット用サークル1には、本体側開口部31と仕切り側開口部32とのいずれの側においても閉塞可能に、本体側開口部31、及び、仕切り側開口部32と略同じ形状、大きさで形成した1枚の扉フェンス25を備えている。
なお、本体側開口部31と仕切り側開口部32とは、いずれも正面視縦長の長手方向の上部を半円弧状に形成した同一形状、大きさで形成している。
上記扉フェンス25は、本体フェンス10の本体側開口部31の開口縁部に形成した枢着部35により着脱可能に枢着することができる。枢着部35も、図4(a),(b)に示すように、扉フェンス25における枢着側端部に有し、下方へ垂下して形成した係止突片35aと、本体フェンス10側に形成され、上記該係止突片35aを差込み可能に形成した内部に差込み孔を有する円筒状の枢支部35bとで構成し、差込み孔に対して係止突片35aを挿脱自在に構成している。
なお、図4(a)は、本体フェンス10、或いは、仕切りフェンス14において扉フェンス25が着脱自在であることを示す枢着部35付近の構成説明図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A線拡大端面図である。
【0054】
同様に、上記扉フェンス25は、仕切りフェンス14の仕切り側開口部32の開口縁部に形成した枢着部35により着脱可能に枢着することができる。仕切りフェンス14における枢着部35も、図4(a),(b)に示すように、係止突片35aと枢支部35bとで上述した本体フェンス10側の枢着部35と同様の構成で構成している。
さらにまた、上記扉フェンス25には、該扉フェンス25を本体フェンス10、或いは、仕切りフェンス14に対して係脱自在なロック機構41を備え、本体フェンス10における本体側開口部31の上端部には、扉サブロック機構46を備えている(図1参照)。
【0055】
扉サブロック機構46は、本体側開口部31側へ突出すると扉フェンス25に係合し、本体側開口部31に対して退避すると扉フェンス25に係合が解除されるよう上下にスライド自在に形成している。
なお、ロック機構41の構成の説明は、後述する。
【0056】
また、トイレ側正面フェンス11Bは、トイレ空間ZBの床面に載置したトイレ用受け皿17を取り出し可能に上下方向の下半分を開口した下側開口部33を形成している(図1参照)。
【0057】
トイレ側正面フェンス11Bには、上記下側開口部33を閉塞可能な下側扉フェンス26を備え、該下側扉フェンス26は、上記下側開口部33の上端部に形成した上端枢着部42に枢着されている。
【0058】
上端枢着部42は、扉フェンス25における上端部における幅方向の両側に、該上端部よりも上方へ突出した後、幅方向の内側へ屈曲した突状の係止突片42aと、トイレ側正面フェンス11Bに上記該係止突片42aを差込み可能に形成した内部に差込み孔を有した円筒状の枢支部42bとで構成している。
【0059】
下側扉フェンス26は、下方へ垂下した状態で下側開口部33を閉塞することができ、その状態からトイレ側正面フェンス11Bの外側上方へ反転させ、該トイレ側正面フェンス11Bの上側半分と対向するまで略180度枢動自在に形成している。
【0060】
下側扉フェンス26には、本体側正面フェンス11Aと仕切りフェンス14とで兼用する上記扉フェンス25に備えたロック機構41と同様の構成のロック機構41を備えている。
【0061】
以下では、ロック機構41の構成について下側扉フェンス26に備えたロック機構41に基づいて詳述する。
上記ロック機構41は、図1から図6に示すように、上側本体フェンス側係合部36、下側本体フェンス側係合部37、及び、蓋フェンス側係合部51で構成している。
なお、図1から図6のうち、特に、図5は、蓋フェンス側係合部51の外観図を示し、図6(a)は、蓋フェンス側係合部51の側面図、図6(b)は、中央縦断面図、図6(c)は、後述するスライドロック部材52をスライドさせた状態の蓋フェンス側係合部51の中央縦断面図、図6(d)は、蓋フェンス側係合部51の平面図、図6(e)は、図6(a)のA−A線断面図を示している。
【0062】
上側本体フェンス側係合部36は、下側扉フェンス26を上方へ反転させた状態で蓋フェンス側係合部51に係合可能に本体側正面フェンス11Aの上端部を横架する横線材で構成している(図1参照)。
【0063】
下側本体フェンス側係合部37は、下側扉フェンス26が垂下した状態で蓋フェンス側係合部51に係合可能に下側開口部33の下端部を横架する横線材で構成している(図1、図5参照)。
【0064】
蓋フェンス側係合部51は、樹脂製のスライドロック部材52と、該スライドロック部材52をスライド可能に規制するスライド案内部53と、付勢バネ54を備えて構成している(図5、図6参照)。
具体的には、まず、上記スライド案内部53は、下側扉フェンス26の先端側(垂下した状態の下部)に備えた2本の平行な各縦線材53a,53bで構成し、該2本の縦線材53a,53bの先端部、すなわち、扉面の外側方向における端部を、下側扉フェンス26よりも外側へ突出させた後、上下2本の各線材53a,53bを互いに一体に連結した形態で形成している。
【0065】
一方、スライドロック部材52は、図5、及び、図6(b),(c)に示すように、下側扉フェンス26の扉面の外周縁部に対して外側へ突き出す方向、或いは、外周縁部に対して内側へ退避する方向へスライド自在に上記スライド案内部53に係合されている。
【0066】
ここで、本実施形態においては、スライドロック部材52が扉面の内側から外側(図5の状態において下側扉フェンス26に対して下方)へ突き出す方向を、扉ロック方向(L方向)に設定するとともに、扉面の外周縁部に対して内側へ退避する方向を扉ロック解除方向(O方向)に設定するものとする。
【0067】
さらに、下側扉フェンス26を上方に反転させて下側開口部33をを全開とした状態を扉全開状態とし、下側扉フェンス26を下方へ垂下した下側開口部33を閉塞した状態を扉全閉状態とするものとする。
【0068】
また、上記スライドロック部材52は、扉全閉状態においてペット用サークル1の外側(下側扉フェンス26の表側)に配した外側スライドロック構成部材55と、トイレ空間ZB(下側扉フェンス26の裏側)に配した内側スライドロック構成部材56との一対の部材を備えて構成している。
【0069】
外側スライドロック構成部材55と内側スライドロック構成部材56とは、それぞれ下側扉フェンス26に対して外内各側において対向配置された状態で一体に構成している。
【0070】
上記内側スライドロック構成部材56における先端部は、図6(b)に示すように、扉全閉状態において下側本体フェンス側係合部37を内側から係止可能な係止部57を有している。該係止部57は、下側本体フェンス側係合部37に対して下側扉フェンス26が全閉状態において係止されるため、当該係止部57を扉全閉状態係合部57に設定する。
【0071】
さらに、図5、図6に示すように、上記外側スライドロック構成部材55には、該外側へ突出した係合用部材64を備え、該係合用部材64には、係合部58を有している。該係合部58は、上側本体フェンス側係合部36に対して下側扉フェンス26を反転した状態において係合されるため、当該係合部58を扉全開状態係合部58に設定する。
【0072】
また、係合用部材64の先端部分は、面取りを施してテーパ状に形成している。この係合用部材64におけるテーパ状に形成した先端部分は、後で詳述するが扉全開状態とする際に上側本体フェンス側係合部36に当接するため、当該先端部分を当接部65に設定する。
【0073】
スライドロック部材52の内部には、幅方向の中央部分に付勢バネ54を格納するための空間としてバネ格納部59を備えている。
上記バネ格納部59における扉ロック解除方向の端部には、バネ格納部59に格納した付勢バネ54の長さ方向の一端を係止するバネ係止用突部61を突設している(図6(b)参照)。
【0074】
また、スライドロック部材52の内部におけるバネ格納部59の幅方向の外側には、内側スライドロック構成部材56と外側スライドロック構成部材55とを一体に嵌合により取り付ける取付け部62を形成している(図6(e)参照)。さらに、スライドロック部材52の内部の幅方向の外側には、2本の縦線材53a,53bからなる上記スライド案内部53のそれぞれをガイドするガイド部63を形成している。
【0075】
付勢バネ54は、スライドロック部材52の内部において、該スライドロック部材52自体を、常時、扉ロック方向Lへと付勢した状態で備えている。これにより、スライドロック部材52の扉全閉状態係合部57を、下側本体フェンス側係合部37に係合した状態で待機させることができる。
【0076】
そして、付勢バネ54は、該付勢バネ54の長さ方向における一方の端部を下側扉フェンス26の外枠を構成する外周線材26aに係止するとともに、他方の端部を上記バネ係止用突部61に係止し、バネ格納部59内において付勢バネ54を張架させた状態で格納されている(図6(b)参照)。
【0077】
上述した第一実施形態のペット用サークル1は、以下のような様々な作用、効果を奏することができる。
上記構成によれば、ペット用サークル1は、サークル本体1Aの内側をトイレ空間ZBと生活空間ZAとに仕切る仕切りフェンス14を備え、該仕切りフェンス14に、トイレ空間ZBと生活空間ZAとの間のペットの移動を許容する仕切り側開口部32を形成し、上記本体側開口部31、及び、上記仕切り側開口部32のうち、いずれか一方の開口部に扉フェンス25を備えた構成である。このため、未だペットが幼い時期でトイレの躾けをする必要がある場合には、扉フェンス25を仕切りフェンス14に備えて用いることができる。
【0078】
詳しくは、上記仕切りフェンス14に備えた扉フェンス25で仕切り側開口部32を閉塞し、生活空間ZAとトイレ空間ZBとの間のペットの行き来を制限しておき、普段、ペットが飲食する場合や寛ぐ場合においては、ペットを、生活空間ZAへ留めておく。
【0079】
そして、ペットが用を足す頃を見計らって、仕切り側開口部32に備えた扉フェンス25を開き、仕切り側開口部32を通じてペットを生活空間ZAからトイレ空間ZBへと誘導する。
【0080】
仕切り側開口部32を扉フェンス25で閉めれば、ペットが用を足すまでペットをトイレ空間ZBに留めておくことができ、用を足せば、生活空間ZAへと誘導する。
【0081】
上述したように、ペットを上記トイレ空間ZBと上記生活空間ZAとの間で行き来させ、適宜、いずれかの所望の空間に留めておくことを繰り返すことにより、ペットにトイレ空間ZBにおいて用を足すことを認識させることができ、トイレの躾けを効率よく行なうことができる。
【0082】
やがてトイレの躾けが完了すれば、生活空間ZAとトイレ空間ZBとの間のペットの行き来を意図的に制限する必要性がなくなり、上記仕切り側開口部32に備えた扉フェンス25が不要になるばかりか、仕切り側開口部32を閉じた状態ではペットに閉塞感を与え、開けた状態では扉フェンス25が邪魔になり生活空間ZAが狭くなるおそれもある。このため、トイレの躾けが完了後は、上記仕切り側開口部32に備えていた扉フェンス25を取り外し、上記本体側開口部31に備えて用いることができる。
【0083】
トイレの躾けは、ペットの生涯にとって一時期のことであるから、その後は、扉フェンス25は、通常どおりペットの出し入れ用の扉として、通常、本体側開口部31に備えて用いることができ、又、仕切りフェンス14には、扉フェンス25が存在しなくなるため、トイレ空間ZBと生活空間ZAとの行き来が自由になり、サークル本体1Aの内側の空間を、ペットにとって開放的で閉塞感を与えることがない空間とすることができる。
【0084】
このように、扉フェンス25を上記本体側開口部31用と上記仕切り側開口部32用とで兼用することで、用途に応じた好適な形態で用いることができ、部品点数の削減、コストダウンを図ることができる。
【0085】
また、ペット用サークル1は、上記トイレ空間ZBを構成するトイレ側正面フェンス11Bの下部に、下側開口部33を形成し、該下側開口部33の上端枢着部42に、該下側開口部33を閉塞する下側扉フェンス26を枢着した構成である。
【0086】
上記構成により、上記下側扉フェンス26を、上端枢着部42を回動軸として捲り上げて、下側開口部33を開口することができる。このため、トイレ空間ZBの下側開口部33よりも前方側(正面側)の床面は勿論、その左右側方にも、下側扉フェンス26が存在しない状態で開口することができる。
【0087】
よって、トイレ空間ZBに載置されるトイレ用受け皿17を下側開口部33を通じて引き出したり、差し込んだりする際、トイレ用受け皿17が下側扉フェンス26に引っ掛かるなどせず、スムーズに出し入れすることができる。
【0088】
また、下側開口部33は、正面側フェンス10の上下方向の半分が開口し、ペットが出入り可能な大きさでを有しているため、ペットは、下側開口部33を通じてトイレ空間ZBから直接、出入りすることができる。
【0089】
その際においても、下側扉フェンス26は、トイレ空間ZBの下側開口部33よりも前方側の床面に下側扉フェンス26が存在しない状態で開くことができるため、ペットは、下側扉フェンス26に引っ掛かり怪我などをすることなく、該下側開口部33を通じてスムーズに出入りすることができる。
【0090】
続いて下側扉フェンス26に備えたロック機構41が奏する作用効果について説明する。
まず、下側開口部33を下側扉フェンス26により完全に閉じた扉全閉状態で該下側扉フェンス26をロックした状態からロックを解除して開ける手順について図5から図7を用いて説明する。
なお、図7(a)は、図1のA−A線矢視図を示し、図7(b1)は、扉全開状態での扉フェンス側係合部51の拡大断面図を示し、図7(b2)は、上端枢着部42の拡大断面図を示し、図7(b3)は、扉全閉状態からロック解除直後の扉フェンス側係合部51の拡大断面図を示す。
【0091】
下側扉フェンス26を扉全閉状態でロックした状態においては、スライドロック部材52の上記扉全閉状態係合部57が下側本体フェンス側係合部37に係止した状態となる(図5、図6(b)参照)。このため、下側扉フェンス26が回動することを物理的に規制したロック状態にすることができる。
【0092】
このような状態から下側扉フェンス26を開くには、図6(c)中の矢印に示すように、利用者は、スライド方向における扉ロック方向Lの端部側で待機しているスライドロック部材52を、付勢バネ54の付勢力に抗してロック解除方向Oへスライドさせる。
【0093】
ここで、係合用部材64は、スライドロック部材52の表面から突き出した形態であるため、扉全閉状態において上述したように下側扉フェンス26のロックを解除する際に、利用者は、係合用部材64をつまむことができ、スライドロック部材52を容易にスライドさせることができる。
【0094】
上述した操作により、扉全閉状態係合部57により係止されていた下側本体フェンス側係合部37の係止を解除することができる。よって、図7(b3)に示すように、下側扉フェンス26を上端枢着部42の有する部位を回動軸として、側面視したとき反時計まわりへ回動させて開けることができる。
【0095】
そして、下側扉フェンス26を、全閉状態から略180度反転させたとき、トイレ側正面フェンス11Bの上半分に略対向した扉全開状態とすることができ、図7(b1)に示すように、スライドロック部材52の扉全開状態係合部58を、トイレ側正面フェンス11Bの上側本体フェンス側係合部36にロックすることができる。
【0096】
以下、上述したような扉開状態で下側扉フェンス26がトイレ側正面フェンス11Bにロックされるまでのロック機構41が奏する作用、効果について図8を用いて説明する。
なお、図8(a),(b)は、下側扉フェンス26がトイレ側正面フェンス11Bに扉開状態でロックされる直前の状態を示すロック機構41の一部拡大断面図である。
【0097】
下側扉フェンス26が全開状態になるまで回動させていくと、図8(a)に示すように、スライドロック部材52の上記係合用部材64に有するテーパ状の上記当接部65が上側本体フェンス側係合部36に当接することになる。
このように、スライドロック部材52は、下側扉フェンス26が略全開されたとき、当接部65が上側本体フェンス側係合部36に当接することにより、図8(b)に示すように、物理的に付勢バネ54の付勢力に抗して下側扉フェンス26の扉面の外周縁部に対して内側(下方)へスライド案内される。
【0098】
よって、スライドロック部材52は、一時的にロック解除方向Oへ退避するが、当接部65が上側本体フェンス側係合部36から離間すると、付勢バネ54の付勢力により、上側本体フェンス側係合部36を係合可能な位置にまでスライドし、扉全開状態係合部58により上側本体フェンス側係合部36をロックすることができる(図7(b1)参照)。
【0099】
スライドロック部材52は、自重によりロック解除方向O(下降方向)へ重力が作用するが、付勢バネ54の付勢力により、該重力に抗してしっかりとロックした状態に保つことができる。
【0100】
よって、下側扉フェンス26は、上方へ反転可能な構成であるが、ロック機構41により該反転姿勢でしっかりとロックした状態に保つことができる。
【0101】
さらに、ロック機構41は、下側扉フェンス26を、トイレ側正面フェンス11Bの上半分と略重合した状態でロックすることができるため、例えば、トイレ空間ZBを清掃する場合、トイレ空間ZBに載置するトイレ用受け皿17を下側開口部33を通じて出し入れする際にも、差し出した手が下側扉フェンス26に接触するなどして、トイレ用受け皿17の取り出しを下側扉フェンス26により阻害されるおそれがなく、トイレ用受け皿17のトイレ空間ZBに対する出し入れをスムーズに行なうことができる。
【0102】
詳しくは、下側開口部33を大きく形成した場合、それに伴って該下側開口部33を閉塞するために、下側扉フェンス26も大きく形成する必要がある。
ところが、本実施形態のペット用サークル1は、下側扉フェンス26をトイレ側正面フェンス11Bの上半分に対向するよう反転可能であるとともに、その反転姿勢でロックすることが可能な構成であるため、下側扉フェンス26を大きく形成しても、開いた状態で床面に倒伏した開状態とならず、邪魔になることがない。
【0103】
逆に、下側扉フェンス26が開いた状態でも邪魔になることを危惧する必要がないため、下側扉フェンス26を大きく形成することが可能となる。これに伴って、下側開口部33も大きく形成することが可能となる。
【0104】
例えば、本実施形態のペット用サークル1のように、下側開口部33を、トイレ側正面フェンス11Bの上下方向の下側半分を開口させた大きなサイズで形成することができる。
【0105】
このように、下側開口部33を大きく形成することができ、さらに、下側開口部33を大きく形成しても下側扉フェンス26が邪魔になることがないため、下側開口部33を通じてトイレ用受け皿17を容易に出し入れすることができるとともに、ペットが直接、トイレ空間ZBに対して出入りすることができる。
【0106】
さらに、トイレ空間ZBに下側開口部33を通じて手を差込むことが可能となり、仮に上面を閉塞する平面フェンス(図示せず)を取り付けていた場合であっても、トイレ空間ZBの床面にトイレ用受け皿17を設置した状態のまま直接、トイレ用受け皿17の掃除をしたり、トイレ空間ZBにいるペットと戯れることを不自由なく行なうことができる。
【0107】
また、下側扉フェンス26を開ける場合、該下側扉フェンス26を反転させ、トイレ側正面フェンス11Bの上半分に軽く押し当てるだけで付勢バネ54の付勢力に抗して容易に下側扉フェンス26をロックすることができる。
【0108】
これは、上述したように、当接部65が上側本体フェンス側係合部36に押し当たることにより、該押し当て力を、スライドロック部材52をロック解除方向へスライドさせる力へと変換することができるからである。
【0109】
よって、上述したように当接部65を備えることにより、利用者は、下側扉フェンス26をロックする前にスライドロック部材52を把持して自ら扉ロック解除方向Oへスライドさせる必要もなく、下側扉フェンス26を全開状態にまで回動させると、上述したように自動的にスライドロック部材52をスライドさせて下側扉フェンス26をロックすることができる。
【0110】
従って、下側扉フェンス26を反転する1つの動作により、下側扉フェンス26の開操作とロック操作とを同時に行なうことができるため、下側扉フェンス26を開ける一連の動作をスムーズに行なうことができる。
【0111】
なお、下側扉フェンス26を上述した扉全開状態から逆にロックを解除して扉全閉状態でロックする手順については、基本的には、上述したように下側扉フェンス26を扉全閉状態から扉全開状態へ変更する手順と逆の手順を踏めば行なうことができるため、その説明を省略する。
【0112】
なお、下側扉フェンス26を閉める際に、下側扉フェンス26のスライド案内部53(53a,53b)の先端部分が下側本体フェンス側係合部37に当接して下側扉フェンス26が全閉した状態で位置決めすることができる。このため、利用者は、下側扉フェンス26を閉める際に下側扉フェンス26を全閉状態で意図的に下側扉フェンス26の回動を停止して位置決めする必要もなく、また、下側扉フェンス26を回動させすぎて下側扉フェンス26がトイレ空間ZBへ入り込むことを防止することができる。
【0113】
以下では、他の実施形態におけるペット用サークル2について説明する。
但し、以下で説明する構成のうち、上述した第一実施形態におけるペット用サークル1と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0114】
(第二実施形態)
第二実施形態におけるペット用サークル2は、図9に示すように上述したロック機構41とは異なるロック機構71を備えて構成している。
なお、図9(a)は、正面フェンス11におけるトイレ側正面フェンス11Bの部分を主としてあらわした第二実施形態におけるロック機構71の構成説明図であり、図9(b)は、図9(a)のA−B−C−D−E−F線断面図であり、図9(c),(d),(e)は、それぞれ図9(b)の領域X,Y,Zの拡大図である。
【0115】
詳しくは、下側扉フェンス26を下側開口部33に対して全開状態、或いは、全閉状態でロックするためのロック機構71は、上側本体フェンス側係合部74、下側本体フェンス係合部75、扉フェンス係合部76、扉枢動補助具72とで構成している。
【0116】
上側本体フェンス側係合部74は、下側扉フェンス26をトイレ側正面フェンス11Bの上半分に略重合するまで反転させた状態で、トイレ側正面フェンス11Bに係合可能にフック状に形成し、トイレ側正面フェンス11Bの上端部を構成する横線材に吊り下げられているフック型の係合部材である(図9(c)参照)。
【0117】
下側本体フェンス係合部75は、連結部材21におけるフェンス10を嵌め込み可能なフェンス保持溝24の両側に有する側壁部分として形成し、フェンス保持溝24に嵌め込まれた扉フェンス係合部76を係合可能に形成している(図9(e)参照)。
【0118】
扉フェンス係合部76は、下側扉フェンス26の下端部において横架した線材であり、幅方向の両側へ突出した突出部分として形成している(図9(e)参照)。
【0119】
なお、下側開口部33の上端部には、下側開口部33側へ突出し、トイレ空間ZB側からトイレ側正面フェンス11Bを受けるストッパ片77を備えている。
【0120】
上記扉枢動補助具72は、下側扉フェンス26とトイレ側正面フェンス11Bとの枢着部分において、これら下側扉フェンス26とトイレ側正面フェンス11Bとの間に介在している(図9(d)参照)。扉枢動補助具72は、両端側に枢着部72a,72b(下側扉フェンス枢着部72a、及び、トイレ側正面フェンス枢着部72b)を備え、それぞれ下側扉フェンス26、トイレ側正面フェンス11Bに対して回動自在に枢着されている。
【0121】
上述したロック機構71の作用効果について図9から図11を用いて説明する。
下側扉フェンス26は、図9に示すように、扉全閉状態においては、該下側扉フェンス26の扉フェンス係合部76が、連結部材21におけるフェンス保持溝24に嵌め込まれ、下側本体フェンス係合部75に係合した状態でロックすることができる。
なお、ペット用サークル2を構成する複数枚の各フェンス10は、連結部材21により連結されているが、該各フェンス10の隅角部は、通常、フェンス保持溝24に嵌め込むことで連結部材21により保持される。ところが、トイレ側正面フェンス11Bには、下側開口部33を形成しているため、本来、フェンス保持溝24に嵌めこまれるトイレ側正面フェンス11Bの下部には、隅角部が存在しない。
【0122】
そこで、トイレ側正面フェンス11Bにおいては、下部の隅角部を、フェンス保持溝24に嵌め込む代わりに、上述した扉フェンス係合部76を嵌め込むことが可能となり、扉フェンス係合部76を下側本体フェンス係合部75に係合することができる。
【0123】
このように、下側扉フェンス26を扉全閉状態にしっかりとロックしておくことができるため、下側扉フェンス26が垂下した状態で不用意に揺動することがなく、また、ペットが下側扉フェンス26を押し開けて不用意に出入りすることを防ぐことができる。
【0124】
続いて、下側扉フェンス26を扉全閉状態でロックした状態から全開状態にする手順について図10、図11を用いて説明する。
まず、扉フェンス係合部76の下側本体フェンス係合部75に対するロックを解除するには、下側扉フェンス26を摘み、図10(a)に示すように、該下側扉フェンス26の上部が正面側(図10(a)中、右方向)へ少し傾けるようにして上方へ持ち上げることで扉枢動補助具72を反時計回りに回動させる(図10(a)の領域Xの拡大図参照)。
【0125】
これにより、下側扉フェンス26の下端部分(扉フェンス係合部76)を略真直ぐに上昇させることができるため、フェンス保持溝24から扉フェンス係合部76を抜き出すことができ、下側扉フェンス26の扉全閉状態でのロックを解除することができる(図10(a)の領域Yの拡大図参照)。
【0126】
図10(b)に示すように、下側扉フェンス26をトイレ側正面フェンス11Bの上半分と略重合するよう反時計回りに反転させる。しかし、このまま下側扉フェンス26をトイレ側正面フェンス11Bの上半分に対して略重合するまで反転させても、反転させた下側扉フェンス26の上端部に位置する扉フェンス係合部76を、上側本体フェンス側係合部74に係合可能な高さにまで達しないため、上側本体フェンス側係合部74によりトイレ側正面フェンス11Bを扉全開状態でロックすることができない。
【0127】
そこで、図11(a)に示すように、下側扉フェンス26がトイレ側正面フェンス11Bの上半分と略重合する直前において、扉枢動補助具72を反時計回りに回動するよう下側扉フェンス26を軽く持ち上げることで(図11(a)の領域Yの拡大図参照)、扉枢動補助具72を反時計回りに回動させることができ、扉全開状態直前において扉フェンス係合部76の高さを、上側本体フェンス側係合部74に係合可能な高さにすることができる(図11(a)の領域Xの拡大図参照)。
【0128】
よって、下側扉フェンス26が扉全開状態に達したとき、該下側扉フェンス26から手を離せば、扉枢動補助具72が時計回りに回動するとともに(図11(b)の領域Yの拡大図参照)、扉フェンス係合部76の位置が降下し(図11(a)の領域Xの拡大図参照)、図11(b)に示すように、扉フェンス係合部76を上側本体フェンス側係合部74にしっかりと係合することができる。
【0129】
以上により、下側扉フェンス26を扉全開状態で上側本体フェンス側係合部74にロックすることができる。
なお、下側扉フェンス26を全開状態から全閉状態への変更は、上述した手順と逆の手順を踏むことにより行なうことができるのでその説明を省略する。
【0130】
上述したようにペット用サークル2は、上記下側扉フェンス26を枢動させる際に、扉枢動補助具72が下側扉フェンス26に連動して枢動するため、該下側扉フェンス26の基端部が下側開口部33の上端部に干渉することなく、スムーズに枢動させることができる。
【0131】
よって、下側扉フェンス26の開閉操作、ロック機構71によるロック、或いは、その解除操作をスムーズに行うことができる。
【0132】
特に扉全閉状態においては、ロック機構71は、扉フェンス係合部76を連結部材21のフェンス保持溝24に嵌め込み、下側本体フェンス係合部75に係合してロックする構成であるから、本来、フェンス10を強固に保持するための連結部材21を利用した構成であり、しっかりとロックすることができる。さらに、連結部材21を利用する分、ロック機構71を構成するための部品点数を削減することができるため、シンプルな構成とすることができる。
【0133】
上述した実施形態と、この発明の構成との対応において、
本体フェンス9は、本体パネルに対応し、
仕切りフェンス14は、仕切りパネルに対応し、
扉フェンス25は、扉に対応し、
下側扉フェンス26は、下側扉に対応し、
ロック機構41,71は、ロック手段に対応し、
扉全閉状態係合部57は、扉側係合部に対応し、
扉全開状態係合部58は、扉側係合部に対応し、
上側本体フェンス側係合部36,74は、本体上側係合部に対応し、
下側本体フェンス側係合部37,75は、本体下側係合部に対応し、
付勢バネ54は、付勢手段に対応し、
フェンス保持溝24は、パネル嵌め込み部に対応するものとする。
【符号の説明】
【0134】
1,2…ペット用サークル
1A…サークル本体
11A…本体側正面フェンス
14…仕切フェンス
25…扉フェンス
26…下側扉フェンス
21…連結部材
24…フェンス保持溝
31…本体側開口部
32…仕切り側開口部
33…下側開口部
35…枢着部
36,74…上側本体フェンス側係合部
37,75…下側本体フェンス側係合部
41,71…ロック機構
51,76…扉フェンス側係合部
57…扉全閉状態係合部
58…扉全開状態係合部
54…付勢バネ
72…扉枢動補助具
ZA…生活空間
ZB…トイレ空間
【技術分野】
【0001】
この発明は、内側に犬や猫などのペット(愛玩動物)を格納しておくことができるペット用サークルに関する。
【背景技術】
【0002】
ペット用サークルとしては、例えば、下記特許文献1の「ペット用柵」のように、複数のパネルを連結部材で連結し、周方向の内側にペットを格納する空間を有して構成し、該空間は、仕切られていない一つの空間で構成されたものが一般的である。
【0003】
上記ペットを格納する空間の底面の片隅には、ペットがいつでも用を足すことができるようペット用トイレが載置されることが多い。ところが、ペットは、ペット用トイレで用を足すとは限らないため、衛生的でなく、また、掃除に労力を要していた。このため、常に、ペットがトイレ用受け皿で用を足すには、ペットに対してトイレの躾けをする必要があった。
【0004】
しかし、ペットを格納する空間が一つの空間であるため、ペットにペット用トイレで用を足すことを認識させるために、ペットが用を足す直前に、例えば、飼い主がペットをペット用トイレに誘導し、その場所に用を足すまで留めておく必要がある。トイレの度に、このような手間を繰り返す必要があるため、多大な労力を要するとともに、ペットに対してもストレスを与えてしまうという難点がある。
【0005】
さらに、ペットを格納する空間が一つの空間である場合、飼い主がペット用トイレを掃除をする際に、ペットが戯れてペット用サークルを出し入れすることを邪魔をして、ペット用トイレの掃除をスムーズに行なうことができないという難点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−271215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、ペットのトイレの躾やペット用トイレの掃除を容易に行うことができるペット用サークルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の本体パネルを周方向に連結したサークル本体を構成し、上記本体パネルにペットの出入を許容する本体側開口部を備えたペット用サークルであって、上記サークル本体に、該サークル本体の内側をトイレ空間と生活空間とに仕切る仕切りパネルを備え、上記仕切りパネルに、上記トイレ空間と上記生活空間との間のペットの移動を許容する仕切り側開口部を形成し、上記本体側開口部、及び、上記仕切り側開口部のうち、少なくとも一方の開口部に扉を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、犬などのペットのトイレの躾けを効率的に行なうことができる。
詳しくは、仕切り側開口部に扉を備えておけば、普段、ペットが飲食する際や寛ぐ際には、ペットを生活空間へ留めておくことができる。
【0010】
そして、ペットが用を足す場合は、それを見計らって仕切り側開口部に備えた扉を開き、仕切り側開口部を通じてペットをトイレ空間へと誘導する。
【0011】
仕切り側開口部を扉で閉塞すれば、ペットが用を足すまでペットをトイレ空間に留めておくことができ、用を足せば、仕切り側開口部を開けて生活空間へと誘導する。
【0012】
上述したように、ペットを上記トイレ空間と上記生活空間との間でスムーズに行き来させ、いずれかの空間に確実に留めておくことができるため、ペットにトイレ空間において用を足すことを認識させることができ、トイレの躾けを効率よく行なうことができる。
【0013】
さらに、飼い主は、ペット用トイレの掃除をする際、生活空間にペットを留めておくことができるため、ペットが戯れて飛びつくなどして掃除の邪魔をすることもなく、ペット用トイレなどトイレ空間の掃除をスムーズに行なうことができる。
【0014】
上記本体パネル、及び、上記仕切りパネルは、例えば、複数の線材を架設したフェンス(柵体)、木製などの短冊状の板を並設したパネル、一枚ものの板状のパネルなどを含み、サークル本体の構成面を構成することができるパネルであれば特に限定しない。
【0015】
この発明の態様として上記本体側開口部に備えた上記扉を、上記本体パネルに対して着脱可能に形成するとともに、上記仕切り側開口部に備えた上記扉を、上記仕切りパネルに対して着脱可能に形成し、上記本体側開口部に備える上記扉と上記仕切り側開口部に備える上記扉とを、同じ扉で形成し、該扉を、上記本体側開口部、及び、上記仕切り側開口部のうち、いずれか一方に備えることができる。
【0016】
上記構成により、上記本体側開口部を閉塞するための扉と上記仕切り側開口部を閉塞するための扉とを1枚の扉で兼用することができるため、必要に応じて、1枚の扉を上記本体側開口部に備えたり、上記仕切り側開口部に備えたりすることで、ペット用サークルを用途に応じた無駄のない態様で用いることができる。
【0017】
詳しくは、ペットが幼い時期などトイレの躾時が特に必要な時期は、扉を上記仕切り側開口部に備えておくことで、通常、生活空間とトイレ空間との間のペットの行き来を制限しておくことができる。トイレをするときのみ上記仕切り側開口部に備えた扉を開けて生活空間とトイレ空間との間のペットの行き来させることができるため、上述したようにトイレの躾けを効果的に行うことができる。
【0018】
やがてペットが成長するとともにトイレの躾けが完了すれば、生活空間とトイレ空間との間のペットの行き来を意図的に制限する必要性がなくなり、上記仕切り側開口部に備えた扉が不要になるばかりか、閉じた状態ではペットに閉塞感を与え、開けた状態ではサークル本体の内側の空間が狭くなり邪魔になるおそれもある。このため、トイレの躾けが完了後は、上記仕切り側開口部に備えていた扉を取り外し、上記本体側開口部に備えて用いることができる。
【0019】
これにより、トイレ空間と生活空間との行き来が自由になり、ペットが成長して大きくなってもサークル本体の内側の空間を、ペットにとって開放的で閉塞感を与えることがない空間とすることができる。
【0020】
このように、トイレの躾けは、ペットの生涯の一時期のことであるから、扉を上記本体側開口部用と上記仕切り側開口部用とで兼用することで、用途に応じた好適な形態で用いることができ、部品点数の削減、コストダウンを図ることができる。
【0021】
またこの発明の態様として上記トイレ空間を構成する上記本体パネルの下部に、上記トイレ空間に載置したトイレ用受け皿(ペット用トイレ)を出し入れ可能に該本体パネルの下端から上方へ開口した下側開口部を形成し、上記下側開口部の上端部に、該下側開口部を閉塞する下側扉を枢着することができる。
【0022】
上記構成により、上記下側扉を、上記下側開口部の上端部を回動軸として捲り上げて、下側開口部を開口することができるため、下側開口部よりも前方側(正面側)の床面は勿論、その左右側方にも、下側扉が存在しない状態で開口することができる。
【0023】
よって、トイレ空間に載置されるトイレ用受け皿を下側開口部を通じて出し入れする際、トイレ用受け皿が下側扉に引っ掛かるなどせず、該トイレ用受け皿をスムーズに出し入れすることができる。
【0024】
また、トイレ空間の下側開口部よりも前方側の床面に下側扉が存在しない状態で下側開口部を開口できるため、下側開口部をペットが出入り可能な大きさを有していれば、ペットは、下側扉に引っ掛かり怪我などをすることなく、該下側開口部を通じてスムーズに出入りすることができる。
【0025】
よって、下側開口部を、ペットがトイレ空間から直接、出入りするためのペット出入り用の安全な開口部としても用いることができる。
【0026】
またこの発明の態様として上記下側扉を捲くり上げた状態でロックする扉開状態ロック手段、上記下側扉を垂下した状態でロックする扉閉状態ロック手段のうち、少なくとも一方を上記下側開口部を形成した上記本体パネルに備えることができる。
【0027】
上記扉開状態ロック手段を備えた場合、トイレ用受け皿を出し入れする際に、上記下側扉を、捲り上げて下側開口部を開口した状態でロックすることができる。このため、下側開口部を開口したとき、上記下側扉を手で捲り上げた状態に持ち上げておく労力を要しない。
【0028】
また、上記扉閉状態ロック手段を備えた場合、下側扉を、垂下させて下側開口部を閉塞した状態でロックすることができる。このため、ペットが下側扉を意図的に押し開けて下側開口部を通じて不用意に出入りしないよう規制することができる。
【0029】
またこの発明の態様として上記下側扉を上記本体パネルにロックするロック手段を、上記下側扉に備えた扉側係合部と、該扉側係合部に係合され、上記本体パネル側に備えた本体側係合部とで構成し、上記本体側係合部を、上記本体パネルにおける上記下側開口部より上方に備えた本体上側係合部と、上記本体パネルにおける上記下側開口部の下端部に備えた本体下側係合部とで構成し、上記扉開状態ロック手段を、上記扉側係合部と上記本体上側係合部とで構成し、上記扉閉状態ロック手段を、上記扉側係合部と上記本体下側係合部とで構成することができる。
【0030】
上記構成により、下側扉に備えた扉側係合部は、上記下側扉を捲くり上げた状態においては、上記本体上側係合部と係合し、上記下側扉を垂下した状態においては、上記本体下側係合部と係合することができる。
【0031】
このように、上記下側扉を捲くり上げて開けた状態、上記下側扉を垂下させて閉じた状態のいずれの状態においても、扉側係合部で兼用して本体パネル側とロックすることができる。
【0032】
このため、上記本体上側係合部と上記本体下側係合部とのそれぞれに対応するよう別々の係合部を下側扉に備えた場合と比較して簡素な構成とすることができ、ロック手段の部品点数を削減することができ、複雑な構成を必要とせずに下側扉をロックすることができる。
【0033】
さらにこの発明の態様として上記蓋側係合部を、スライド案内部とスライドロック部材と付勢手段とで構成し、上記スライド案内部は、上記下側扉の扉面における周端部よりも外側へ突出、或いは、内側へ退避するよう上記スライドロック部材をスライド案内可能に構成し、上記スライドロック部材は、上記下側扉を上記本体パネル側に対して扉全閉状態において係止可能な扉全閉状態蓋側係合部と、扉全開状態において係止可能な扉全開状態蓋側係合部とを備え、上記付勢手段は、上記スライドロック部材が上記下側扉の扉面における外側へ突出した位置へと付勢可能に上記下側扉と上記スライドロック部材との間に備えることができる。
【0034】
上記構成によれば、スライドロック部材を付勢手段の付勢力を利用してしっかりと上記本体上側係合部や上記本体下側係合部に係合させることができる。よって、サークル本体を移動させたり、ペットが接触するなどして、サークル本体がガタついた場合でも、ロック手段の係合が不測に解除されることがなくしっかりとロックした状態に保つことができる。
【0035】
またこの発明の態様として上記下側扉の上記本体パネルに対する枢動を補助する扉枢動補助具を、上記下側扉と上記下側開口部の上端部との間に介在させ、上記扉枢動補助具を、上記下側扉、及び、上記下側開口部の上端部のそれぞれに枢動自在に連結することができる。
【0036】
上記構成により、上記下側扉を枢動させる際に、扉枢動補助具が下側扉に連動して枢動するため、該下側扉の基端部が下側開口部の上端部に干渉することなく、スムーズに枢動させることができる。
【0037】
よって、扉側係合部を、スムーズに枢動させることができ、本体上側係合部、或いは、本体下側係合部にスムーズ、且つ、しっかりと係合させることができる。
【0038】
またこの発明の態様として上記本体パネル間に、複数の上記本体パネル同士を連結する連結部材を備え、上記本体パネルを嵌め込んで取り付けるパネル嵌め込み部を、上記連結部材に形成し、上記本体下側係合部を、上記パネル嵌め込み部に嵌め込んだ上記扉側係合部を係合可能に上記連結部材における上記パネル嵌め込み部の側方部分に形成することができる。
【0039】
上記構成により、下側扉が閉じた状態において、上記扉側係合部を連結部材のパネル嵌め込み部に嵌め込むことで、上記本体下側係合部に係合してロックすることができる。
【0040】
よって、本来、複数のパネルを強固に連結するための連結部材を利用してしっかりと下側扉が閉じた状態にロックすることができる。さらに、連結部材を利用してロックする分、ロック手段を構成するための部品点数を削減することができるため、シンプルな構成で構成することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明は、ペットのトイレの躾やペット用トイレの掃除を容易に行うことができるペット用サークルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第一実施形態のペット用サークルの正面図。
【図2】第一実施形態のペット用サークルの平面図。
【図3】仕切りフェンスの正面図。
【図4】正面フェンス或いは仕切りフェンスにおける扉フェンスの枢着部の構成説明図。
【図5】第一実施形態のロック機構の外観図。
【図6】第一実施形態のロック機構の説明図。
【図7】第一実施形態のロック機構の作用説明図。
【図8】第一実施形態のロック機構の作用説明図。
【図9】第二実施形態のロック機構の構成説明図。
【図10】第二実施形態のロック機構の作用説明図。
【図11】第二実施形態のロック機構の作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
(第一実施形態)
第一実施形態におけるペット用サークル1は、図1から図6に示すように、直方体の箱型形状になるよう複数枚のフェンス10を周方向に連結部材で連結してサークル本体1Aを構成している。
【0044】
詳しくは、フェンス10は、本体フェンス9と、本体フェンス9の内側空間を生活空間ZAとトイレ空間ZBとに仕切る仕切りフェンス14とで構成している。本体フェンス9は、正面フェンス11、背面フェンス12、及び、側面フェンス13で構成している。
【0045】
上記各フェンス10は、鋼製の線材12を上下方向に複数、配した縦線材12a…と、該縦線材12aに対して横方向に交差させた数本の横線材12b…とで一体に構成している。
【0046】
なお、トイレ空間ZBには、トイレ用受け皿17(ペット用トイレ)が載置されている(図2中仮想線で示したトイレ用受け皿17参照)。上記トイレ用受け皿17は、トイレ空間ZBの平面視形状と略同じ大きさの平坦状のトイレ本体部分と、外周縁部が突出したガイド部分とで形成している。
【0047】
正面フェンス11は、生活空間ZAを構成する本体側正面フェンス11Aと、トイレ空間ZBを構成するトイレ側正面フェンス11Bとで構成している。同様に、背面フェンス12は、本体側背面フェンス12Aと、トイレ側背面フェンス12Bとで構成している。側面フェンス13は、本体側側面フェンス13A(右側面フェンス13A)と、トイレ側側面フェンス13B(左側面フェンス13B)とで構成している。
なお、図示しないが、ペット用サークル1の上面にも、該上面を覆う平面フェンスを備えてもよい。この場合、平面フェンスは、サークル本体1Aに対して着脱自在に構成することができる。
【0048】
連結部材21は、直方体のペット用サークル1の隅部に備えた平面視L型をしたコーナージョイント21Cと、トイレ空間ZBと生活空間ZAとの仕切り部分に備えた直線状のストレートジョイント21Sとで構成している。
【0049】
連結部材21は、上記各フェンス10の隅角部において上下各端部に対向配置させ、隣合うフェンス10同士を連結している。さらに、上下各側で対向配置した連結部材21の間は、上下方向に配した支持棒22で連結している。
【0050】
連結部材21は、上記支持棒22を差し込んで取り付ける支持棒取付け部6223を基部側に形成し、さらに連結部材21は、該基部側から片状に突出し、該突出方向に沿って、上記フェンス10の隅角部を差込んで保持可能に形成したフェンス保持溝24を形成している。
【0051】
本体側正面フェンス11Aには、犬などのペットの出入りを許容する本体側開口部31を形成している。さらに、仕切りフェンス14には、生活空間ZAとトイレ空間ZBとの間でペットの移動を許容する仕切り側開口部32を形成している。
【0052】
上記本体側開口部31と上記仕切り側開口部32は、図1から図3に示すように、1枚の扉フェンス25で兼用可能に構成している。
なお、図1では、一例として、本体側正面フェンス11A側に扉フェンス25を備えた状態を示し、図3では、仕切りフェンス14側に扉フェンス25を備えていない状態としている。さらに、図2中の矢印は、扉フェンス25が上記本体側開口部31、上記仕切り側開口部32のうち、いずれの側の開口部へも備えることができる旨を示している。
【0053】
詳しくは、ペット用サークル1には、本体側開口部31と仕切り側開口部32とのいずれの側においても閉塞可能に、本体側開口部31、及び、仕切り側開口部32と略同じ形状、大きさで形成した1枚の扉フェンス25を備えている。
なお、本体側開口部31と仕切り側開口部32とは、いずれも正面視縦長の長手方向の上部を半円弧状に形成した同一形状、大きさで形成している。
上記扉フェンス25は、本体フェンス10の本体側開口部31の開口縁部に形成した枢着部35により着脱可能に枢着することができる。枢着部35も、図4(a),(b)に示すように、扉フェンス25における枢着側端部に有し、下方へ垂下して形成した係止突片35aと、本体フェンス10側に形成され、上記該係止突片35aを差込み可能に形成した内部に差込み孔を有する円筒状の枢支部35bとで構成し、差込み孔に対して係止突片35aを挿脱自在に構成している。
なお、図4(a)は、本体フェンス10、或いは、仕切りフェンス14において扉フェンス25が着脱自在であることを示す枢着部35付近の構成説明図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A線拡大端面図である。
【0054】
同様に、上記扉フェンス25は、仕切りフェンス14の仕切り側開口部32の開口縁部に形成した枢着部35により着脱可能に枢着することができる。仕切りフェンス14における枢着部35も、図4(a),(b)に示すように、係止突片35aと枢支部35bとで上述した本体フェンス10側の枢着部35と同様の構成で構成している。
さらにまた、上記扉フェンス25には、該扉フェンス25を本体フェンス10、或いは、仕切りフェンス14に対して係脱自在なロック機構41を備え、本体フェンス10における本体側開口部31の上端部には、扉サブロック機構46を備えている(図1参照)。
【0055】
扉サブロック機構46は、本体側開口部31側へ突出すると扉フェンス25に係合し、本体側開口部31に対して退避すると扉フェンス25に係合が解除されるよう上下にスライド自在に形成している。
なお、ロック機構41の構成の説明は、後述する。
【0056】
また、トイレ側正面フェンス11Bは、トイレ空間ZBの床面に載置したトイレ用受け皿17を取り出し可能に上下方向の下半分を開口した下側開口部33を形成している(図1参照)。
【0057】
トイレ側正面フェンス11Bには、上記下側開口部33を閉塞可能な下側扉フェンス26を備え、該下側扉フェンス26は、上記下側開口部33の上端部に形成した上端枢着部42に枢着されている。
【0058】
上端枢着部42は、扉フェンス25における上端部における幅方向の両側に、該上端部よりも上方へ突出した後、幅方向の内側へ屈曲した突状の係止突片42aと、トイレ側正面フェンス11Bに上記該係止突片42aを差込み可能に形成した内部に差込み孔を有した円筒状の枢支部42bとで構成している。
【0059】
下側扉フェンス26は、下方へ垂下した状態で下側開口部33を閉塞することができ、その状態からトイレ側正面フェンス11Bの外側上方へ反転させ、該トイレ側正面フェンス11Bの上側半分と対向するまで略180度枢動自在に形成している。
【0060】
下側扉フェンス26には、本体側正面フェンス11Aと仕切りフェンス14とで兼用する上記扉フェンス25に備えたロック機構41と同様の構成のロック機構41を備えている。
【0061】
以下では、ロック機構41の構成について下側扉フェンス26に備えたロック機構41に基づいて詳述する。
上記ロック機構41は、図1から図6に示すように、上側本体フェンス側係合部36、下側本体フェンス側係合部37、及び、蓋フェンス側係合部51で構成している。
なお、図1から図6のうち、特に、図5は、蓋フェンス側係合部51の外観図を示し、図6(a)は、蓋フェンス側係合部51の側面図、図6(b)は、中央縦断面図、図6(c)は、後述するスライドロック部材52をスライドさせた状態の蓋フェンス側係合部51の中央縦断面図、図6(d)は、蓋フェンス側係合部51の平面図、図6(e)は、図6(a)のA−A線断面図を示している。
【0062】
上側本体フェンス側係合部36は、下側扉フェンス26を上方へ反転させた状態で蓋フェンス側係合部51に係合可能に本体側正面フェンス11Aの上端部を横架する横線材で構成している(図1参照)。
【0063】
下側本体フェンス側係合部37は、下側扉フェンス26が垂下した状態で蓋フェンス側係合部51に係合可能に下側開口部33の下端部を横架する横線材で構成している(図1、図5参照)。
【0064】
蓋フェンス側係合部51は、樹脂製のスライドロック部材52と、該スライドロック部材52をスライド可能に規制するスライド案内部53と、付勢バネ54を備えて構成している(図5、図6参照)。
具体的には、まず、上記スライド案内部53は、下側扉フェンス26の先端側(垂下した状態の下部)に備えた2本の平行な各縦線材53a,53bで構成し、該2本の縦線材53a,53bの先端部、すなわち、扉面の外側方向における端部を、下側扉フェンス26よりも外側へ突出させた後、上下2本の各線材53a,53bを互いに一体に連結した形態で形成している。
【0065】
一方、スライドロック部材52は、図5、及び、図6(b),(c)に示すように、下側扉フェンス26の扉面の外周縁部に対して外側へ突き出す方向、或いは、外周縁部に対して内側へ退避する方向へスライド自在に上記スライド案内部53に係合されている。
【0066】
ここで、本実施形態においては、スライドロック部材52が扉面の内側から外側(図5の状態において下側扉フェンス26に対して下方)へ突き出す方向を、扉ロック方向(L方向)に設定するとともに、扉面の外周縁部に対して内側へ退避する方向を扉ロック解除方向(O方向)に設定するものとする。
【0067】
さらに、下側扉フェンス26を上方に反転させて下側開口部33をを全開とした状態を扉全開状態とし、下側扉フェンス26を下方へ垂下した下側開口部33を閉塞した状態を扉全閉状態とするものとする。
【0068】
また、上記スライドロック部材52は、扉全閉状態においてペット用サークル1の外側(下側扉フェンス26の表側)に配した外側スライドロック構成部材55と、トイレ空間ZB(下側扉フェンス26の裏側)に配した内側スライドロック構成部材56との一対の部材を備えて構成している。
【0069】
外側スライドロック構成部材55と内側スライドロック構成部材56とは、それぞれ下側扉フェンス26に対して外内各側において対向配置された状態で一体に構成している。
【0070】
上記内側スライドロック構成部材56における先端部は、図6(b)に示すように、扉全閉状態において下側本体フェンス側係合部37を内側から係止可能な係止部57を有している。該係止部57は、下側本体フェンス側係合部37に対して下側扉フェンス26が全閉状態において係止されるため、当該係止部57を扉全閉状態係合部57に設定する。
【0071】
さらに、図5、図6に示すように、上記外側スライドロック構成部材55には、該外側へ突出した係合用部材64を備え、該係合用部材64には、係合部58を有している。該係合部58は、上側本体フェンス側係合部36に対して下側扉フェンス26を反転した状態において係合されるため、当該係合部58を扉全開状態係合部58に設定する。
【0072】
また、係合用部材64の先端部分は、面取りを施してテーパ状に形成している。この係合用部材64におけるテーパ状に形成した先端部分は、後で詳述するが扉全開状態とする際に上側本体フェンス側係合部36に当接するため、当該先端部分を当接部65に設定する。
【0073】
スライドロック部材52の内部には、幅方向の中央部分に付勢バネ54を格納するための空間としてバネ格納部59を備えている。
上記バネ格納部59における扉ロック解除方向の端部には、バネ格納部59に格納した付勢バネ54の長さ方向の一端を係止するバネ係止用突部61を突設している(図6(b)参照)。
【0074】
また、スライドロック部材52の内部におけるバネ格納部59の幅方向の外側には、内側スライドロック構成部材56と外側スライドロック構成部材55とを一体に嵌合により取り付ける取付け部62を形成している(図6(e)参照)。さらに、スライドロック部材52の内部の幅方向の外側には、2本の縦線材53a,53bからなる上記スライド案内部53のそれぞれをガイドするガイド部63を形成している。
【0075】
付勢バネ54は、スライドロック部材52の内部において、該スライドロック部材52自体を、常時、扉ロック方向Lへと付勢した状態で備えている。これにより、スライドロック部材52の扉全閉状態係合部57を、下側本体フェンス側係合部37に係合した状態で待機させることができる。
【0076】
そして、付勢バネ54は、該付勢バネ54の長さ方向における一方の端部を下側扉フェンス26の外枠を構成する外周線材26aに係止するとともに、他方の端部を上記バネ係止用突部61に係止し、バネ格納部59内において付勢バネ54を張架させた状態で格納されている(図6(b)参照)。
【0077】
上述した第一実施形態のペット用サークル1は、以下のような様々な作用、効果を奏することができる。
上記構成によれば、ペット用サークル1は、サークル本体1Aの内側をトイレ空間ZBと生活空間ZAとに仕切る仕切りフェンス14を備え、該仕切りフェンス14に、トイレ空間ZBと生活空間ZAとの間のペットの移動を許容する仕切り側開口部32を形成し、上記本体側開口部31、及び、上記仕切り側開口部32のうち、いずれか一方の開口部に扉フェンス25を備えた構成である。このため、未だペットが幼い時期でトイレの躾けをする必要がある場合には、扉フェンス25を仕切りフェンス14に備えて用いることができる。
【0078】
詳しくは、上記仕切りフェンス14に備えた扉フェンス25で仕切り側開口部32を閉塞し、生活空間ZAとトイレ空間ZBとの間のペットの行き来を制限しておき、普段、ペットが飲食する場合や寛ぐ場合においては、ペットを、生活空間ZAへ留めておく。
【0079】
そして、ペットが用を足す頃を見計らって、仕切り側開口部32に備えた扉フェンス25を開き、仕切り側開口部32を通じてペットを生活空間ZAからトイレ空間ZBへと誘導する。
【0080】
仕切り側開口部32を扉フェンス25で閉めれば、ペットが用を足すまでペットをトイレ空間ZBに留めておくことができ、用を足せば、生活空間ZAへと誘導する。
【0081】
上述したように、ペットを上記トイレ空間ZBと上記生活空間ZAとの間で行き来させ、適宜、いずれかの所望の空間に留めておくことを繰り返すことにより、ペットにトイレ空間ZBにおいて用を足すことを認識させることができ、トイレの躾けを効率よく行なうことができる。
【0082】
やがてトイレの躾けが完了すれば、生活空間ZAとトイレ空間ZBとの間のペットの行き来を意図的に制限する必要性がなくなり、上記仕切り側開口部32に備えた扉フェンス25が不要になるばかりか、仕切り側開口部32を閉じた状態ではペットに閉塞感を与え、開けた状態では扉フェンス25が邪魔になり生活空間ZAが狭くなるおそれもある。このため、トイレの躾けが完了後は、上記仕切り側開口部32に備えていた扉フェンス25を取り外し、上記本体側開口部31に備えて用いることができる。
【0083】
トイレの躾けは、ペットの生涯にとって一時期のことであるから、その後は、扉フェンス25は、通常どおりペットの出し入れ用の扉として、通常、本体側開口部31に備えて用いることができ、又、仕切りフェンス14には、扉フェンス25が存在しなくなるため、トイレ空間ZBと生活空間ZAとの行き来が自由になり、サークル本体1Aの内側の空間を、ペットにとって開放的で閉塞感を与えることがない空間とすることができる。
【0084】
このように、扉フェンス25を上記本体側開口部31用と上記仕切り側開口部32用とで兼用することで、用途に応じた好適な形態で用いることができ、部品点数の削減、コストダウンを図ることができる。
【0085】
また、ペット用サークル1は、上記トイレ空間ZBを構成するトイレ側正面フェンス11Bの下部に、下側開口部33を形成し、該下側開口部33の上端枢着部42に、該下側開口部33を閉塞する下側扉フェンス26を枢着した構成である。
【0086】
上記構成により、上記下側扉フェンス26を、上端枢着部42を回動軸として捲り上げて、下側開口部33を開口することができる。このため、トイレ空間ZBの下側開口部33よりも前方側(正面側)の床面は勿論、その左右側方にも、下側扉フェンス26が存在しない状態で開口することができる。
【0087】
よって、トイレ空間ZBに載置されるトイレ用受け皿17を下側開口部33を通じて引き出したり、差し込んだりする際、トイレ用受け皿17が下側扉フェンス26に引っ掛かるなどせず、スムーズに出し入れすることができる。
【0088】
また、下側開口部33は、正面側フェンス10の上下方向の半分が開口し、ペットが出入り可能な大きさでを有しているため、ペットは、下側開口部33を通じてトイレ空間ZBから直接、出入りすることができる。
【0089】
その際においても、下側扉フェンス26は、トイレ空間ZBの下側開口部33よりも前方側の床面に下側扉フェンス26が存在しない状態で開くことができるため、ペットは、下側扉フェンス26に引っ掛かり怪我などをすることなく、該下側開口部33を通じてスムーズに出入りすることができる。
【0090】
続いて下側扉フェンス26に備えたロック機構41が奏する作用効果について説明する。
まず、下側開口部33を下側扉フェンス26により完全に閉じた扉全閉状態で該下側扉フェンス26をロックした状態からロックを解除して開ける手順について図5から図7を用いて説明する。
なお、図7(a)は、図1のA−A線矢視図を示し、図7(b1)は、扉全開状態での扉フェンス側係合部51の拡大断面図を示し、図7(b2)は、上端枢着部42の拡大断面図を示し、図7(b3)は、扉全閉状態からロック解除直後の扉フェンス側係合部51の拡大断面図を示す。
【0091】
下側扉フェンス26を扉全閉状態でロックした状態においては、スライドロック部材52の上記扉全閉状態係合部57が下側本体フェンス側係合部37に係止した状態となる(図5、図6(b)参照)。このため、下側扉フェンス26が回動することを物理的に規制したロック状態にすることができる。
【0092】
このような状態から下側扉フェンス26を開くには、図6(c)中の矢印に示すように、利用者は、スライド方向における扉ロック方向Lの端部側で待機しているスライドロック部材52を、付勢バネ54の付勢力に抗してロック解除方向Oへスライドさせる。
【0093】
ここで、係合用部材64は、スライドロック部材52の表面から突き出した形態であるため、扉全閉状態において上述したように下側扉フェンス26のロックを解除する際に、利用者は、係合用部材64をつまむことができ、スライドロック部材52を容易にスライドさせることができる。
【0094】
上述した操作により、扉全閉状態係合部57により係止されていた下側本体フェンス側係合部37の係止を解除することができる。よって、図7(b3)に示すように、下側扉フェンス26を上端枢着部42の有する部位を回動軸として、側面視したとき反時計まわりへ回動させて開けることができる。
【0095】
そして、下側扉フェンス26を、全閉状態から略180度反転させたとき、トイレ側正面フェンス11Bの上半分に略対向した扉全開状態とすることができ、図7(b1)に示すように、スライドロック部材52の扉全開状態係合部58を、トイレ側正面フェンス11Bの上側本体フェンス側係合部36にロックすることができる。
【0096】
以下、上述したような扉開状態で下側扉フェンス26がトイレ側正面フェンス11Bにロックされるまでのロック機構41が奏する作用、効果について図8を用いて説明する。
なお、図8(a),(b)は、下側扉フェンス26がトイレ側正面フェンス11Bに扉開状態でロックされる直前の状態を示すロック機構41の一部拡大断面図である。
【0097】
下側扉フェンス26が全開状態になるまで回動させていくと、図8(a)に示すように、スライドロック部材52の上記係合用部材64に有するテーパ状の上記当接部65が上側本体フェンス側係合部36に当接することになる。
このように、スライドロック部材52は、下側扉フェンス26が略全開されたとき、当接部65が上側本体フェンス側係合部36に当接することにより、図8(b)に示すように、物理的に付勢バネ54の付勢力に抗して下側扉フェンス26の扉面の外周縁部に対して内側(下方)へスライド案内される。
【0098】
よって、スライドロック部材52は、一時的にロック解除方向Oへ退避するが、当接部65が上側本体フェンス側係合部36から離間すると、付勢バネ54の付勢力により、上側本体フェンス側係合部36を係合可能な位置にまでスライドし、扉全開状態係合部58により上側本体フェンス側係合部36をロックすることができる(図7(b1)参照)。
【0099】
スライドロック部材52は、自重によりロック解除方向O(下降方向)へ重力が作用するが、付勢バネ54の付勢力により、該重力に抗してしっかりとロックした状態に保つことができる。
【0100】
よって、下側扉フェンス26は、上方へ反転可能な構成であるが、ロック機構41により該反転姿勢でしっかりとロックした状態に保つことができる。
【0101】
さらに、ロック機構41は、下側扉フェンス26を、トイレ側正面フェンス11Bの上半分と略重合した状態でロックすることができるため、例えば、トイレ空間ZBを清掃する場合、トイレ空間ZBに載置するトイレ用受け皿17を下側開口部33を通じて出し入れする際にも、差し出した手が下側扉フェンス26に接触するなどして、トイレ用受け皿17の取り出しを下側扉フェンス26により阻害されるおそれがなく、トイレ用受け皿17のトイレ空間ZBに対する出し入れをスムーズに行なうことができる。
【0102】
詳しくは、下側開口部33を大きく形成した場合、それに伴って該下側開口部33を閉塞するために、下側扉フェンス26も大きく形成する必要がある。
ところが、本実施形態のペット用サークル1は、下側扉フェンス26をトイレ側正面フェンス11Bの上半分に対向するよう反転可能であるとともに、その反転姿勢でロックすることが可能な構成であるため、下側扉フェンス26を大きく形成しても、開いた状態で床面に倒伏した開状態とならず、邪魔になることがない。
【0103】
逆に、下側扉フェンス26が開いた状態でも邪魔になることを危惧する必要がないため、下側扉フェンス26を大きく形成することが可能となる。これに伴って、下側開口部33も大きく形成することが可能となる。
【0104】
例えば、本実施形態のペット用サークル1のように、下側開口部33を、トイレ側正面フェンス11Bの上下方向の下側半分を開口させた大きなサイズで形成することができる。
【0105】
このように、下側開口部33を大きく形成することができ、さらに、下側開口部33を大きく形成しても下側扉フェンス26が邪魔になることがないため、下側開口部33を通じてトイレ用受け皿17を容易に出し入れすることができるとともに、ペットが直接、トイレ空間ZBに対して出入りすることができる。
【0106】
さらに、トイレ空間ZBに下側開口部33を通じて手を差込むことが可能となり、仮に上面を閉塞する平面フェンス(図示せず)を取り付けていた場合であっても、トイレ空間ZBの床面にトイレ用受け皿17を設置した状態のまま直接、トイレ用受け皿17の掃除をしたり、トイレ空間ZBにいるペットと戯れることを不自由なく行なうことができる。
【0107】
また、下側扉フェンス26を開ける場合、該下側扉フェンス26を反転させ、トイレ側正面フェンス11Bの上半分に軽く押し当てるだけで付勢バネ54の付勢力に抗して容易に下側扉フェンス26をロックすることができる。
【0108】
これは、上述したように、当接部65が上側本体フェンス側係合部36に押し当たることにより、該押し当て力を、スライドロック部材52をロック解除方向へスライドさせる力へと変換することができるからである。
【0109】
よって、上述したように当接部65を備えることにより、利用者は、下側扉フェンス26をロックする前にスライドロック部材52を把持して自ら扉ロック解除方向Oへスライドさせる必要もなく、下側扉フェンス26を全開状態にまで回動させると、上述したように自動的にスライドロック部材52をスライドさせて下側扉フェンス26をロックすることができる。
【0110】
従って、下側扉フェンス26を反転する1つの動作により、下側扉フェンス26の開操作とロック操作とを同時に行なうことができるため、下側扉フェンス26を開ける一連の動作をスムーズに行なうことができる。
【0111】
なお、下側扉フェンス26を上述した扉全開状態から逆にロックを解除して扉全閉状態でロックする手順については、基本的には、上述したように下側扉フェンス26を扉全閉状態から扉全開状態へ変更する手順と逆の手順を踏めば行なうことができるため、その説明を省略する。
【0112】
なお、下側扉フェンス26を閉める際に、下側扉フェンス26のスライド案内部53(53a,53b)の先端部分が下側本体フェンス側係合部37に当接して下側扉フェンス26が全閉した状態で位置決めすることができる。このため、利用者は、下側扉フェンス26を閉める際に下側扉フェンス26を全閉状態で意図的に下側扉フェンス26の回動を停止して位置決めする必要もなく、また、下側扉フェンス26を回動させすぎて下側扉フェンス26がトイレ空間ZBへ入り込むことを防止することができる。
【0113】
以下では、他の実施形態におけるペット用サークル2について説明する。
但し、以下で説明する構成のうち、上述した第一実施形態におけるペット用サークル1と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0114】
(第二実施形態)
第二実施形態におけるペット用サークル2は、図9に示すように上述したロック機構41とは異なるロック機構71を備えて構成している。
なお、図9(a)は、正面フェンス11におけるトイレ側正面フェンス11Bの部分を主としてあらわした第二実施形態におけるロック機構71の構成説明図であり、図9(b)は、図9(a)のA−B−C−D−E−F線断面図であり、図9(c),(d),(e)は、それぞれ図9(b)の領域X,Y,Zの拡大図である。
【0115】
詳しくは、下側扉フェンス26を下側開口部33に対して全開状態、或いは、全閉状態でロックするためのロック機構71は、上側本体フェンス側係合部74、下側本体フェンス係合部75、扉フェンス係合部76、扉枢動補助具72とで構成している。
【0116】
上側本体フェンス側係合部74は、下側扉フェンス26をトイレ側正面フェンス11Bの上半分に略重合するまで反転させた状態で、トイレ側正面フェンス11Bに係合可能にフック状に形成し、トイレ側正面フェンス11Bの上端部を構成する横線材に吊り下げられているフック型の係合部材である(図9(c)参照)。
【0117】
下側本体フェンス係合部75は、連結部材21におけるフェンス10を嵌め込み可能なフェンス保持溝24の両側に有する側壁部分として形成し、フェンス保持溝24に嵌め込まれた扉フェンス係合部76を係合可能に形成している(図9(e)参照)。
【0118】
扉フェンス係合部76は、下側扉フェンス26の下端部において横架した線材であり、幅方向の両側へ突出した突出部分として形成している(図9(e)参照)。
【0119】
なお、下側開口部33の上端部には、下側開口部33側へ突出し、トイレ空間ZB側からトイレ側正面フェンス11Bを受けるストッパ片77を備えている。
【0120】
上記扉枢動補助具72は、下側扉フェンス26とトイレ側正面フェンス11Bとの枢着部分において、これら下側扉フェンス26とトイレ側正面フェンス11Bとの間に介在している(図9(d)参照)。扉枢動補助具72は、両端側に枢着部72a,72b(下側扉フェンス枢着部72a、及び、トイレ側正面フェンス枢着部72b)を備え、それぞれ下側扉フェンス26、トイレ側正面フェンス11Bに対して回動自在に枢着されている。
【0121】
上述したロック機構71の作用効果について図9から図11を用いて説明する。
下側扉フェンス26は、図9に示すように、扉全閉状態においては、該下側扉フェンス26の扉フェンス係合部76が、連結部材21におけるフェンス保持溝24に嵌め込まれ、下側本体フェンス係合部75に係合した状態でロックすることができる。
なお、ペット用サークル2を構成する複数枚の各フェンス10は、連結部材21により連結されているが、該各フェンス10の隅角部は、通常、フェンス保持溝24に嵌め込むことで連結部材21により保持される。ところが、トイレ側正面フェンス11Bには、下側開口部33を形成しているため、本来、フェンス保持溝24に嵌めこまれるトイレ側正面フェンス11Bの下部には、隅角部が存在しない。
【0122】
そこで、トイレ側正面フェンス11Bにおいては、下部の隅角部を、フェンス保持溝24に嵌め込む代わりに、上述した扉フェンス係合部76を嵌め込むことが可能となり、扉フェンス係合部76を下側本体フェンス係合部75に係合することができる。
【0123】
このように、下側扉フェンス26を扉全閉状態にしっかりとロックしておくことができるため、下側扉フェンス26が垂下した状態で不用意に揺動することがなく、また、ペットが下側扉フェンス26を押し開けて不用意に出入りすることを防ぐことができる。
【0124】
続いて、下側扉フェンス26を扉全閉状態でロックした状態から全開状態にする手順について図10、図11を用いて説明する。
まず、扉フェンス係合部76の下側本体フェンス係合部75に対するロックを解除するには、下側扉フェンス26を摘み、図10(a)に示すように、該下側扉フェンス26の上部が正面側(図10(a)中、右方向)へ少し傾けるようにして上方へ持ち上げることで扉枢動補助具72を反時計回りに回動させる(図10(a)の領域Xの拡大図参照)。
【0125】
これにより、下側扉フェンス26の下端部分(扉フェンス係合部76)を略真直ぐに上昇させることができるため、フェンス保持溝24から扉フェンス係合部76を抜き出すことができ、下側扉フェンス26の扉全閉状態でのロックを解除することができる(図10(a)の領域Yの拡大図参照)。
【0126】
図10(b)に示すように、下側扉フェンス26をトイレ側正面フェンス11Bの上半分と略重合するよう反時計回りに反転させる。しかし、このまま下側扉フェンス26をトイレ側正面フェンス11Bの上半分に対して略重合するまで反転させても、反転させた下側扉フェンス26の上端部に位置する扉フェンス係合部76を、上側本体フェンス側係合部74に係合可能な高さにまで達しないため、上側本体フェンス側係合部74によりトイレ側正面フェンス11Bを扉全開状態でロックすることができない。
【0127】
そこで、図11(a)に示すように、下側扉フェンス26がトイレ側正面フェンス11Bの上半分と略重合する直前において、扉枢動補助具72を反時計回りに回動するよう下側扉フェンス26を軽く持ち上げることで(図11(a)の領域Yの拡大図参照)、扉枢動補助具72を反時計回りに回動させることができ、扉全開状態直前において扉フェンス係合部76の高さを、上側本体フェンス側係合部74に係合可能な高さにすることができる(図11(a)の領域Xの拡大図参照)。
【0128】
よって、下側扉フェンス26が扉全開状態に達したとき、該下側扉フェンス26から手を離せば、扉枢動補助具72が時計回りに回動するとともに(図11(b)の領域Yの拡大図参照)、扉フェンス係合部76の位置が降下し(図11(a)の領域Xの拡大図参照)、図11(b)に示すように、扉フェンス係合部76を上側本体フェンス側係合部74にしっかりと係合することができる。
【0129】
以上により、下側扉フェンス26を扉全開状態で上側本体フェンス側係合部74にロックすることができる。
なお、下側扉フェンス26を全開状態から全閉状態への変更は、上述した手順と逆の手順を踏むことにより行なうことができるのでその説明を省略する。
【0130】
上述したようにペット用サークル2は、上記下側扉フェンス26を枢動させる際に、扉枢動補助具72が下側扉フェンス26に連動して枢動するため、該下側扉フェンス26の基端部が下側開口部33の上端部に干渉することなく、スムーズに枢動させることができる。
【0131】
よって、下側扉フェンス26の開閉操作、ロック機構71によるロック、或いは、その解除操作をスムーズに行うことができる。
【0132】
特に扉全閉状態においては、ロック機構71は、扉フェンス係合部76を連結部材21のフェンス保持溝24に嵌め込み、下側本体フェンス係合部75に係合してロックする構成であるから、本来、フェンス10を強固に保持するための連結部材21を利用した構成であり、しっかりとロックすることができる。さらに、連結部材21を利用する分、ロック機構71を構成するための部品点数を削減することができるため、シンプルな構成とすることができる。
【0133】
上述した実施形態と、この発明の構成との対応において、
本体フェンス9は、本体パネルに対応し、
仕切りフェンス14は、仕切りパネルに対応し、
扉フェンス25は、扉に対応し、
下側扉フェンス26は、下側扉に対応し、
ロック機構41,71は、ロック手段に対応し、
扉全閉状態係合部57は、扉側係合部に対応し、
扉全開状態係合部58は、扉側係合部に対応し、
上側本体フェンス側係合部36,74は、本体上側係合部に対応し、
下側本体フェンス側係合部37,75は、本体下側係合部に対応し、
付勢バネ54は、付勢手段に対応し、
フェンス保持溝24は、パネル嵌め込み部に対応するものとする。
【符号の説明】
【0134】
1,2…ペット用サークル
1A…サークル本体
11A…本体側正面フェンス
14…仕切フェンス
25…扉フェンス
26…下側扉フェンス
21…連結部材
24…フェンス保持溝
31…本体側開口部
32…仕切り側開口部
33…下側開口部
35…枢着部
36,74…上側本体フェンス側係合部
37,75…下側本体フェンス側係合部
41,71…ロック機構
51,76…扉フェンス側係合部
57…扉全閉状態係合部
58…扉全開状態係合部
54…付勢バネ
72…扉枢動補助具
ZA…生活空間
ZB…トイレ空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の本体パネルを周方向に連結したサークル本体を構成し、上記本体パネルにペットの出入を許容する本体側開口部を備えたペット用サークルであって、
上記サークル本体に、該サークル本体の内側をトイレ空間と生活空間とに仕切る仕切りパネルを備え、
上記仕切りパネルに、上記トイレ空間と上記生活空間との間のペットの移動を許容する仕切り側開口部を形成し、
上記本体側開口部、及び、上記仕切り側開口部のうち、少なくとも一方の開口部に扉を備えた
ペット用サークル。
【請求項2】
上記本体側開口部に備えた上記扉を、上記本体パネルに対して着脱可能に形成するとともに、上記仕切り側開口部に備えた上記扉を、上記仕切りパネルに対して着脱可能に形成し、
上記本体側開口部に備える上記扉と上記仕切り側開口部に備える上記扉とを、同じ扉で形成し、該扉を、上記本体側開口部、及び、上記仕切り側開口部のうち、いずれか一方に備えた
請求項1に記載のペット用サークル。
【請求項3】
上記トイレ空間を構成する上記本体パネルの下部に、上記トイレ空間に載置したトイレ用受け皿を出し入れ可能に該本体パネルの下端から上方へ開口した下側開口部を形成し、
上記下側開口部の上端部に、該下側開口部を閉塞する下側扉を枢着した
請求項1、又は、2に記載のペット用サークル。
【請求項4】
上記下側扉を捲くり上げた状態でロックする扉開状態ロック手段、上記下側扉を垂下した状態でロックする扉閉状態ロック手段のうち、少なくとも一方を上記下側開口部を形成した上記本体パネルに備えた
請求項1から3のいずれかに記載のペット用サークル。
【請求項5】
上記下側扉を上記本体パネルにロックするロック手段を、上記下側扉に備えた扉側係合部と、該扉側係合部に係合され、上記本体パネル側に備えた本体側係合部とで構成し、
上記本体側係合部を、上記本体パネルにおける上記下側開口部より上方に備えた本体上側係合部と、上記本体パネルにおける上記下側開口部の下端部に備えた本体下側係合部とで構成し、
上記扉開状態ロック手段を、上記扉側係合部と上記本体上側係合部とで構成し、
上記扉閉状態ロック手段を、上記扉側係合部と上記本体下側係合部とで構成した
請求項4に記載のペット用サークル。
【請求項6】
上記蓋側係合部を、スライド案内部とスライドロック部材と付勢手段とで構成し、
上記スライド案内部は、上記下側扉の扉面における周端部よりも外側へ突出、或いは、内側へ退避するよう上記スライドロック部材をスライド案内可能に構成し、
上記スライドロック部材は、上記下側扉を上記本体パネル側に対して扉全閉状態において係止可能な扉全閉状態蓋側係合部と、扉全開状態において係止可能な扉全開状態蓋側係合部とを備え、
上記付勢手段は、上記スライドロック部材が上記下側扉の扉面における外側へ突出した位置へと付勢可能に上記下側扉と上記スライドロック部材との間に備えた
請求項5に記載のペット用サークル。
【請求項7】
上記下側扉の上記本体パネルに対する枢動を補助する扉枢動補助具を、上記下側扉と上記下側開口部の上端部との間に介在させ、
上記扉枢動補助具を、上記下側扉、及び、上記下側開口部の上端部のそれぞれに枢動自在に連結した
請求項5に記載のペット用サークル。
【請求項8】
上記本体パネル間に、複数の上記本体パネル同士を連結する連結部材を備え、上記本体パネルを嵌め込んで取り付けるパネル嵌め込み部を、上記連結部材に形成し、
上記本体下側係合部を、上記パネル嵌め込み部に嵌め込んだ上記扉側係合部を係合可能に上記連結部材における上記パネル嵌め込み部の側方に形成した
請求項7に記載のペット用サークル。
【請求項1】
複数の本体パネルを周方向に連結したサークル本体を構成し、上記本体パネルにペットの出入を許容する本体側開口部を備えたペット用サークルであって、
上記サークル本体に、該サークル本体の内側をトイレ空間と生活空間とに仕切る仕切りパネルを備え、
上記仕切りパネルに、上記トイレ空間と上記生活空間との間のペットの移動を許容する仕切り側開口部を形成し、
上記本体側開口部、及び、上記仕切り側開口部のうち、少なくとも一方の開口部に扉を備えた
ペット用サークル。
【請求項2】
上記本体側開口部に備えた上記扉を、上記本体パネルに対して着脱可能に形成するとともに、上記仕切り側開口部に備えた上記扉を、上記仕切りパネルに対して着脱可能に形成し、
上記本体側開口部に備える上記扉と上記仕切り側開口部に備える上記扉とを、同じ扉で形成し、該扉を、上記本体側開口部、及び、上記仕切り側開口部のうち、いずれか一方に備えた
請求項1に記載のペット用サークル。
【請求項3】
上記トイレ空間を構成する上記本体パネルの下部に、上記トイレ空間に載置したトイレ用受け皿を出し入れ可能に該本体パネルの下端から上方へ開口した下側開口部を形成し、
上記下側開口部の上端部に、該下側開口部を閉塞する下側扉を枢着した
請求項1、又は、2に記載のペット用サークル。
【請求項4】
上記下側扉を捲くり上げた状態でロックする扉開状態ロック手段、上記下側扉を垂下した状態でロックする扉閉状態ロック手段のうち、少なくとも一方を上記下側開口部を形成した上記本体パネルに備えた
請求項1から3のいずれかに記載のペット用サークル。
【請求項5】
上記下側扉を上記本体パネルにロックするロック手段を、上記下側扉に備えた扉側係合部と、該扉側係合部に係合され、上記本体パネル側に備えた本体側係合部とで構成し、
上記本体側係合部を、上記本体パネルにおける上記下側開口部より上方に備えた本体上側係合部と、上記本体パネルにおける上記下側開口部の下端部に備えた本体下側係合部とで構成し、
上記扉開状態ロック手段を、上記扉側係合部と上記本体上側係合部とで構成し、
上記扉閉状態ロック手段を、上記扉側係合部と上記本体下側係合部とで構成した
請求項4に記載のペット用サークル。
【請求項6】
上記蓋側係合部を、スライド案内部とスライドロック部材と付勢手段とで構成し、
上記スライド案内部は、上記下側扉の扉面における周端部よりも外側へ突出、或いは、内側へ退避するよう上記スライドロック部材をスライド案内可能に構成し、
上記スライドロック部材は、上記下側扉を上記本体パネル側に対して扉全閉状態において係止可能な扉全閉状態蓋側係合部と、扉全開状態において係止可能な扉全開状態蓋側係合部とを備え、
上記付勢手段は、上記スライドロック部材が上記下側扉の扉面における外側へ突出した位置へと付勢可能に上記下側扉と上記スライドロック部材との間に備えた
請求項5に記載のペット用サークル。
【請求項7】
上記下側扉の上記本体パネルに対する枢動を補助する扉枢動補助具を、上記下側扉と上記下側開口部の上端部との間に介在させ、
上記扉枢動補助具を、上記下側扉、及び、上記下側開口部の上端部のそれぞれに枢動自在に連結した
請求項5に記載のペット用サークル。
【請求項8】
上記本体パネル間に、複数の上記本体パネル同士を連結する連結部材を備え、上記本体パネルを嵌め込んで取り付けるパネル嵌め込み部を、上記連結部材に形成し、
上記本体下側係合部を、上記パネル嵌め込み部に嵌め込んだ上記扉側係合部を係合可能に上記連結部材における上記パネル嵌め込み部の側方に形成した
請求項7に記載のペット用サークル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−252738(P2010−252738A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108884(P2009−108884)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000137188)株式会社ボンビ (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000137188)株式会社ボンビ (30)
【Fターム(参考)】
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