説明

ペット用ベストタイプハーネス

【課題】 上接続片の先端部が捲れ上がるのを防止できて、外観上の体裁がよくなると共に、上接続片の先端部から捲れて上接続片と下接続片とが外れるのを防止できるようにする。
【解決手段】 ペットの首下から胸部までを覆うと共に、2本の前足を挿通する挿通孔2を有するハーネス本体1を備え、ハーネス本体1の両端部に、ペットの背中部で互いに上下に重合して着脱自在に接続される上接続片9と下接続片10とを有するペット用ベストタイプハーネスであって、ハーネス本体1の下接続片10側端部と下接続片10の基部との間にポケット14が形成され、該ポケット14に上接続片9の先端部9aを挿入するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬等のペットに使用されるペット用ベストタイプハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペット用ベストタイプハーネスにはペットの首下から胸部までを覆うと共に、2本の前足を挿通する挿通孔を有するハーネス本体を備え、ハーネス本体の両端部に、ペットの背中部で互いに上下に重合して着脱自在に接続される上接続片と下接続片とを有するものがあり、上接続片と下接続片とが面ファスナやホックを介して着脱自在に重合固着するようにしたものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−232834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の従来のペット用ベストタイプハーネスでは、上接続片が下接続片に面ファスナ等介して着脱自在に重合固着するようにしたので、上接続片の全体が外部に露出しており、このため上接続片の先端部が捲れ上がり易くなり、外観上の体裁が悪く、また、上接続片が先端部から捲れて上接続片と下接続片とが外れるおそれが大であった。
本発明は上記問題点に鑑み、上接続片の先端部が捲れ上がるのを防止できて、外観上の体裁がよくなると共に、上接続片の先端部から捲れて上接続片と下接続片とが外れるのを防止できるようにしたペット用ベストタイプハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、ペットの首下から胸部までを覆うと共に、2本の前足を挿通する挿通孔を有するハーネス本体を備え、ハーネス本体の両端部に、ペットの背中部で互いに上下に重合して着脱自在に接続される上接続片と下接続片とを有するペット用ベストタイプハーネスであって、
ハーネス本体の下接続片側端部と下接続片の基部との間にポケットが形成され、該ポケットに上接続片の先端部を挿入するように構成されている点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、ハーネス本体のペットの首下に対応する前側中央部に、前伸縮部が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、ハーネス本体の一端側と他端側とに、連結帯状体がそれぞれ設けられ、各連結帯状体はV字状に折り返され、各連結帯状体の一端部は前記前伸縮部の端部に連結され、各連結帯状体の他端部はそれぞれハーネス本体の端部の後側に連結され、各連結帯状体の前記折り返し部に引紐連結リングが設けられている点にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ポケットに上接続片の先端部を挿入することにより、上接続片の先端部が捲れ上がるのを防止できて、外観上の体裁がよくなると共に、上接続片の先端部から捲れて上接続片と下接続片とが外れるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態を示すベストタイプハーネスの平面図である。
【図2】同ベストタイプハーネスをペットに装着する状態の斜視図である。
【図3】同ベストタイプハーネスを犬に装着した状態の斜視図である。
【図4】同ベストタイプハーネスを犬に装着した状態の側面図である。
【図5】同図2のA−A線断面図である。
【図6】他の実施形態を示すベストタイプハーネスの平面図である。
【図7】同ベストタイプハーネスをペットに装着する状態の斜視図である。
【図8】他の実施形態を示すベストタイプハーネスの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4において、ペット用ベストタイプハーネスは、犬等のペットの首下から胸部までを覆うハーネス本体1を備え、ハーネス本体1は2本の前足を挿通するための挿通孔2を2つ有している。ハーネス本体1の外面側は布等にデザインを施した表生地1aで構成され、ハーネス本体1の内面側は激しい動きでもズレにくいソフトな材質又はメッシュタイプの裏布地1bで構成されている。表生地1aと裏布地1bとは互いに縫い合わせられている。
【0010】
図5にも示すように、ハーネス本体1の両端部に型布4を縫い込んで、ハーネス本体1の両端部の形状を保持するようにしている。
ハーネス本体1のペットの首下に対応する前側中央部に、三角形状のクッションゴムで構成した前伸縮部5が設けられている。ハーネス本体1のペットの胸部に対応する後側中央部に三角形状のクッションゴムで構成した後伸縮部6が設けられている。
【0011】
ハーネス本体1の両端部の外面にリフレクタ7が前後方向に縫い付けられている。リフレクタ7は夜間に光りを反射することにより遠くからでもペットがいることを認識できるようになっている。
ハーネス本体1の両端部に、ペットの背中部で互いに上下に重合して着脱自在に接続される上接続片9と下接続片10とを有している。上接続片9と下接続片10とはハーネス本体1と同様に表生地と裏布地とを互いに縫い合わせてなる。図5にも示すように、上接続片9の下面に面ファスナ11aが取り付けられ、下接続片10の上面に面ファスナ11aに着脱自在に接着される面ファスナ11bが取り付けられており、上接続片9と下接続片10とが面ファスナ11a,11bを介して着脱自在に重合固着されるようになっている。
【0012】
図5にも示すように、ハーネス本体1の下接続片10側の端部と下接続片10の基部とは、それらの前縁部と後縁部のみが互いに縫着されており、ハーネス本体1の下接続片10側の端部と下接続片10の基部との間にポケット14が形成され、ポケット14に上接続片9の先端部9aが挿入されるように構成されている。
ハーネス本体1の一端側と他端側とに、連結帯状体16がそれぞれ設けられている。各連結帯状体16の一端部は前記前伸縮部5の端部にそれぞれ連結され、各連結帯状体16の中途部に長さ調整具17が取り付けられ、各連結帯状体16の他端部側中途部はV字状に屈曲されると共に引紐連結リング19が取り付けられ、各連結帯状体16の他端部はハーネス本体1の端部の後側に縫い付けられている。
【0013】
即ち、前伸縮部5の端部に矩形状の連結環21がクッションゴム紐22により連結されている。長さ調整具17は、中央連結部17aを有する日の字型に形成されている。連結環21に各連結帯状体16の一端側を挿通して折り返され、折り返した連結帯状体16の一端部は長さ調整具17の中央連結部17aに巻掛けて固着連結してある。連結帯状体16の中途部は長さ調整具17の中央連結部17aに引っ掛けて長さ調整具17に挿通されており、長さ調整具17を連結帯状体16の中途部に対して連結帯状体16の長手方向に移動させることにより、連結帯状体16をそれぞれ長さ調整できるように構成されている。
【0014】
各連結帯状体16の中途部はハーネス本体1の両端部の前側に形成した切り込み23に挿通されてハーネス本体1の内面側に挿入されている。
各連結帯状体16の他端側はV字状に折り返されてV字状部25が形成され、V字状部25に偏平なリング状の締結環26が外嵌されている。各連結帯状体16の他端部はそれぞれハーネス本体1の端部の後側に連結され、各連結帯状体16のV字状部25の折り返し部に引紐連結リング19が挿通保持されている。
【0015】
各連結帯状体16の引紐連結リング19に引紐28の連結フック29を引っ掛けることにより引紐連結リング19同士が連結されると共に、連結フック29、引紐連結リング19及び連結帯状体16を介してペット用ベストタイプハーネスが引紐28に連結されるようになっている。
上記実施形態によれば、ペット用ベストタイプハーネスを犬に装着する場合、ペット用ベストタイプハーネスを反転させてハーネス本体1の裏布地1b側を上側とし、犬の前足を2つの挿通孔2に入れ、ハーネス本体1を犬の首下から胸部までを覆うように巻回し、ペットの背中部で上接続片9の先端部9aをポケット14に挿入しながら上接続片9と下接続片10とを互いに上下に重合して、上接続片9と下接続片10とを面ファスナ11a,11bを介して着脱自在に重合固着すればよく、ペット用ベストタイプハーネスを犬の首下から胸部までにフィットする。その後、引紐連結リング19に引紐28の連結フック29を引っ掛けて簡単に連結することができるし、ペット用ベストタイプハーネスを犬に装着したままの状態で、犬を自由に走らせても、ペット用ベストタイプハーネスが犬から自然に外れて落ちることはない。
【0016】
そして、ポケット14に上接続片9の先端部9aを挿入するので、上接続片9の先端部9aが捲れ上がるのを防止できて、外観上の体裁がよくなると共に、上接続片9の先端部9aから捲れて上接続片9と下接続片10とが外れる防止できる。また、V字状部25があるため、各連結帯状体16の引紐連結リング19側が前後方向に簡単に移動調整することができ、引紐連結リング19に引紐28の連結フック29を引っ掛け易くなるし、連結フック29乃至引紐28がハーネス本体1に対して前後にガタ付くのを防止することができる。
【0017】
図6及び図7は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態と同様にペット用ベストタイプハーネスは、犬等のペットの首下から胸部までを覆うハーネス本体1を備え、ハーネス本体1の両端部に、ペットの背中部で互いに上下に重合して着脱自在に接続される上接続片9と下接続片10とを有し、ハーネス本体1の両端部に型布4が縫い込まれ、上接続片9と下接続片10とが面ファスナ11a,11bを介して着脱自在に重合固着されるようになっている。また、ハーネス本体1の下接続片10側の端部と下接続片10の基部とは、それらの前縁部と後縁部のみが互いに縫着されており、ハーネス本体1の下接続片10側の端部と下接続片10の基部との間にポケット14が形成され、ポケット14に上接続片9の先端部9aが挿入されるように構成されている。
【0018】
ハーネス本体1の前端部に沿って連結帯状体16が設けられている。連結帯状体16の一端部にバックル凸部35が設けられ、連結帯状体16の他端部にバックル凹部36が設けられており、バックル凸部35とバックル凹部36とが着脱自在に連結されるように構成されている。
連結帯状体16の中途部に長さ調整具17が取り付けられている。この長さ調整具17は、中央連結部17aを有する日の字型に形成されている。バックル凸部35の中央連結部35aに連結帯状体16の一端側が巻回して折り返され、折り返した連結帯状体16の一端部は長さ調整具17の中央連結部17aに巻掛けて固着連結してある。連結帯状体16の中途部は長さ調整具17の中央連結部17aに引っ掛けて長さ調整具17に挿通されており、長さ調整具17を連結帯状体16の中途部に対して連結帯状体16の長手方向に移動させることにより、連結帯状体16をそれぞれ長さ調整できるように構成されている。
【0019】
連結帯状体16の長さ調整具17とバックル凹部36との間の中途部は切り込み37,38を介してハーネス本体1の裏面(内面)に挿通され、連結帯状体16の範囲Aはハーネス本体1に縫製止めされている。また、連結帯状体16の長さ調整具17よりもバックル凸部35側の中途部は切り込み39,40を介してハーネス本体1の裏面(内面)に挿通されている。
【0020】
上接続片9の先端部9aとハーネス本体1の外端部との間に上接続片9の上面に沿うように取付帯状体42が設けられ、取付帯状体42の一端部は上接続片9の先端部9aに逢着され、取付帯状体42の他端部はハーネス本体1の外端部に逢着されている。連結帯状体16のバックル凸部35側の中途部と取付帯状体42の中途部とに引紐連結リング19が外嵌されている。
【0021】
上記実施形態によれば、ペット用ベストタイプハーネスを犬に装着する場合、前記図1〜図5の実施形態と同様に犬の前足を2つの挿通孔2に入れて、ハーネス本体1を犬の首下から胸部までを覆うように巻回し、ペットの背中部で上接続片9の先端部をポケット14に挿入しながら上接続片9と下接続片10とを互いに上下に重合して、上接続片9と下接続片10とを面ファスナ11a,11bを介して着脱自在に重合固着する。そして、バックル凸部35とバックル凹部36とを連結すればよい。この場合も、ポケット14に上接続片9の先端部を挿入するので、上接続片9の先端部が捲れ上がるのを防止できて、外観上の体裁がよくなると共に、上接続片9の先端部から捲れて上接続片9と下接続片10とが外れるのを防止できる。
【0022】
図8は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態と同様にペット用ベストタイプハーネスは、犬等のペットの首下から胸部までを覆うハーネス本体1を備え、ハーネス本体1の両端部に、ペットの背中部で互いに上下に重合して着脱自在に接続される上接続片9と下接続片10とを有し、ハーネス本体1の両端部に型布4が縫い込まれ、上接続片9と下接続片10とが面ファスナ11a,11bを介して着脱自在に重合固着されるようになっている。そして、ハーネス本体1の下接続片10側の端部と下接続片10の基部とは、それらの前縁部と後縁部のみが互いに縫着されており、ハーネス本体1の下接続片10側の端部と下接続片10の基部との間にポケット14が形成され、ポケット14に上接続片9の先端部9aが挿入されるように構成されている。
【0023】
ハーネス本体1の前端部に沿って連結帯状体16が設けられている。連結帯状体16の一端部にバックル凸部35が設けられ、連結帯状体16の他端部にバックル凹部36が設けられており、バックル凸部35とバックル凹部36とが着脱自在に連結されるように構成されている。連結帯状体16の中途部はハーネス本体1の切り込み37,38を介してハーネス本体1の内面側に配置され、連結帯状体16の範囲Aはハーネス本体1に縫製止めされている。また、連結帯状体16の長さ調整具17よりもバックル凸部35側の中途部は切り込み39,40を介してハーネス本体1の裏面(内面)に挿通されている。
【0024】
下接続片10の先端部とハーネス本体1の外端部との間に下接続片10の上面に沿うように取付帯状体42が設けられ、取付帯状体42の一端部は下接続片10の先端部に逢着され、取付帯状体42の他端部はハーネス本体1の外端部に逢着されている。取付帯状体42の中途部に引紐連結リング19が外嵌されている。
上記実施形態によれば、ペット用ベストタイプハーネスを犬に装着する場合、前記図1〜図5の実施形態と同様に犬の前足を2つの挿通孔2に入れて、ハーネス本体1を犬の首下から胸部までを覆うように巻回し、ペットの背中部で上接続片9の先端部をポケット14に挿入しながら上接続片9と下接続片10とを互いに上下に重合して、上接続片9と下接続片10とを面ファスナ11a,11bを介して着脱自在に重合固着する。そして、連結帯状体16のバックル凸部35側を引紐連結リング19に挿入して、バックル凸部35とバックル凹部36とを連結すればよく、ペット用ベストタイプハーネスは犬の首下から胸部までにフィットする。この場合も、ポケット14に上接続片9の先端部を挿入するので、上接続片9の先端部が捲れ上がるのを防止できて、外観上の体裁がよくなると共に、上接続片9の先端部から捲れて上接続片9と下接続片10とが外れる防止できる。
【符号の説明】
【0025】
1 ハーネス本体
2 挿通孔
5 前伸縮部
9 上接続片
9a 先端部
10 下接続片
14 ポケット
16 連結帯状体
19 引紐連結リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの首下から胸部までを覆うと共に、2本の前足を挿通する挿通孔(2)を有するハーネス本体(1)を備え、ハーネス本体(1)の両端部に、ペットの背中部で互いに上下に重合して着脱自在に接続される上接続片(9)と下接続片(10)とを有するペット用ベストタイプハーネスであって、
ハーネス本体(1)の下接続片(10)側端部と下接続片(10)の基部との間にポケット(14)が形成され、該ポケット(14)に上接続片(9)の先端部(9a)を挿入するように構成されていることを特徴とするペット用ベストタイプハーネス。
【請求項2】
ハーネス本体(1)のペットの首下に対応する前側中央部に、前伸縮部(5)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のペット用ベストタイプハーネス。
【請求項3】
ハーネス本体(1)の一端側と他端側とに、連結帯状体(16)がそれぞれ設けられ、各連結帯状体(16)はV字状に折り返され、各連結帯状体(16)の一端部は前記前伸縮部(5)の端部に連結され、各連結帯状体(16)の他端部はそれぞれハーネス本体(1)の端部の後側に連結され、各連結帯状体(16)の前記折り返し部に引紐連結リング(19)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のペット用ベストタイプハーネス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−239735(P2011−239735A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115380(P2010−115380)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000111638)ドギーマンハヤシ株式会社 (25)