説明

ペット用玩具

【課題】 線材の把持部を持って線材を揺動乃至振動させた場合に、ペット誘惑体の動きが複雑で変化に富んだものとなり、ペットを十分にじゃれつかせることができるペット用玩具を提供する。
【解決手段】 線材2の基部に把持部6が形成され、線材2の先端側にペット誘惑体4が線材2長手方向に移動自在に保持されている。また、前記ペット誘惑体4に可撓性を有する羽根21が具備されている。また、前記ペット誘惑体4は線材2廻りに回動自在に保持されている。また、線材2の先端部に前記ペット誘惑体4とは別の固定ペット誘惑体3が固着され、線材2の固定ペット誘惑体3よりも基端側に前記ペット誘惑体4が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猫等のペットをじゃらすために使用されるペット用玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
猫、犬等のペットを遊ばせるためのペット用玩具として、ペットが興味を持ちそうな形状のペット誘惑体をペットの前で動かして、じゃれつかせるようにしたものがある。
この種の従来のペット用玩具は、線材の基部に把持部を形成すると共に、線材の先端部にペット誘惑体を固着していた(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3155729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は線材の先端部にペット誘惑体を固着していたので、線材の把持部を持って線材を揺動乃至振動させても、ペット誘惑体の動きが単調で変化が少なくておもしろみに欠けるため、ペットを十分にじゃれつかせることができなかった。
本発明は上記問題点に鑑み、線材の把持部を持って線材を揺動乃至振動させた場合に、ペット誘惑体の動きが複雑で変化に富んだものとなり、ペットを十分にじゃれつかせることができるペット用玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、線材2の基部に把持部6が形成され、線材2の先端側にペット誘惑体4が線材2長手方向に移動自在に保持されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記ペット誘惑体4に可撓性を有する羽根21が具備されている点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、前記ペット誘惑体4は線材2廻りに回動自在に保持されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、線材2の先端部に前記ペット誘惑体4とは別の固定ペット誘惑体3が固着され、線材2の固定ペット誘惑体3よりも基端側に前記ペット誘惑体4が設けられている点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、前記線材2は、ピアノ線、針金、ワイヤ、竹籤等の弾性線材により構成されている点にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ペット誘惑体の位置を線材長手方向に移動変更させることができ、この移動変更によって、線材の把持部を持って線材を揺動乃至振動させたときのペット誘惑体の動きが変化し、その結果ペット誘惑体の動きが複雑で変化に富んだものとなり、ペットを十分にじゃれつかせることができる。また、ペット誘惑体の線材に対する移動抵抗を小さくした場合には、線材の把持部を持って線材を揺動乃至振動させた際に、ペット誘惑体が線材長手方向に往復移動し、この点からも、ペット誘惑体の動きが複雑で変化に富んだものとなり、ペットを十分にじゃれつかせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態を示すペット用玩具の斜視図である。
【図2】同ペット誘惑体部分の拡大斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す移動ペット誘惑体部分の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明の第1実施形態を示している。図1及び図2において、猫等のペ
ットをじゃらすペット用玩具1は、ピアノ線により構成された弾性線材である線材2と、線材2の先端部に設けられた固定ペット誘惑体3と、線材2の先端側に設けられた移動ペット誘惑体4とを備え、線材2の基端部に塩ビパイプ等の細長い円筒体を外嵌固着してなる把持部6が形成されている。
【0011】
固定ペット誘惑体3は、毛玉等により構成されたピンク色、青色又は黄色等の誘惑体基部9と、フェルト又は布等により構成された赤色等の装飾片10と、可撓性を有する左右一対の羽根11とを有し、左右一対の羽根11は円形の連結片12を介して一体に連結されており、一対の羽根11及び連結片12は、オーロラフィルムや赤色等に着色された透明な合成樹脂シート又は合成樹脂フィルムにより一体に形成されている。
【0012】
連結片12に装飾片10が接着剤又は縫着により重合固着されている。また、連結片12と誘惑体基部9とは両者間で線材2の先端部を挟んで接着剤又は縫着により互いに固着されており、これにより固定ペット誘惑体3は線材2の先端部に固着されている。なお、この場合、線材2の先端部を円弧状又は鈎形に屈曲させておいてもよく、このようにすれば、線材2の先端部に固定ペット誘惑体3をより強固に固着することができる。
【0013】
移動ペット誘惑体4は、毛玉等により構成されたピンク色、青色又は黄色等の誘惑体基部19と、フェルト又は布等により構成された赤色等の装飾片20と、可撓性を有する左右一対の羽根21とを有し、左右一対の羽根21は円形の連結片22を介して一体に連結されており、一対の羽根21及び連結片22は、オーロラフィルムや赤色等に着色された透明な合成樹脂シート又は合成樹脂フィルムにより一体に形成されている。
【0014】
装飾片20はコの字状に屈曲されて、装飾片20の中央部が連結片22に重合され、装飾片20の両端部が誘惑体基部19を線材2長手方向の両側から前後に挟んだ状態に配置されており、装飾片20の中央部が連結片22に接着剤又は縫着により重合固着されている。装飾片20の両端部が誘惑体基部19に接着剤又は縫着により重合固着され、装飾片20の両端部と誘惑体基部19とに線材2の先端側中途部が挿通されており、これにより、移動ペット誘惑体4は線材2の固定ペット誘惑体3よりも基端側に設けられて、線材2の先端側に線材2長手方向に移動自在に保持されると共に、線材2廻りに回動自在に保持されている。
【0015】
上記実施形態によれば、猫、犬等のペットをじゃれつかせる場合、線材2の把持部6を持って線材2を揺動乃至振動させて、固定ペット誘惑体3及び移動ペット誘惑体4をペットの前で動かせばよい。この場合、移動ペット誘惑体4の位置を手で線材2長手方向に移動変更させることができ、この移動変更によって、線材2の把持部6を持って線材2を揺動乃至振動させたときの移動ペット誘惑体4の動きが変化し、その結果移動ペット誘惑体4の動きが複雑で変化に富んだものとなり、ペットを十分にじゃれつかせることができる。しかも、このとき、固定ペット誘惑体3と移動ペット誘惑体4との離間幅が変更され、2つのペット誘惑体3,4が変更された一定の離間幅をおいて連動して動くように見え、この点からも、ペット誘惑体3,4の動きが複雑で変化に富んだものとなる。
【0016】
また、線材2を揺動乃至振動させることによって、固定ペット誘惑体3及び移動ペット誘惑体4が上下揺動することにより、固定ペット誘惑体3及び移動ペット誘惑体4の羽根11が上下に振動して羽ばたくように動き、この点からもペットの注意を惹くものとなるし、羽根11が羽ばたくように動くことによって「カシャカシャ」又は「ぶんぶん」という音が鳴り、この点からもペットの注意を惹くものとなる。
【0017】
さらに、移動ペット誘惑体4の線材2に対する移動抵抗を小さくしておけば、線材2の把持部6を持って線材2をやや激しく揺動乃至振動させた際には、移動ペット誘惑体4が線材2長手方向に往復移動し、この点からも、移動ペット誘惑体4の動きが複雑で変化に富んだものとなり、ペットを十分にじゃれつかせることができる。このとき、固定ペット誘惑体3は移動ペット誘惑体4が線材2の先端側に移動して先端から抜け出すのを止める抜け止め機能を果たしている。
【0018】
図3は第2実施形態を示し、合成樹脂等で形成したバネ板を弾性変形によりコの字状に折り曲げて誘惑体基部19を構成し、誘惑体基部19の中央部下面に左右一対の羽根21をその連結片22を介して固着すると共に、誘惑体基部19の中央部上面に装飾片20を
固着して移動ペット誘惑体4を構成している。
誘惑体基部19の前後両端部に取付孔27を介して線材2の先端側を挿通して、移動ペット誘惑体4は線材2の固定ペット誘惑体3よりも基端側に設けられて、線材2の先端側に線材2長手方向に移動自在に保持されると共に、線材2廻りに回動自在に保持されている。その他の点は前記第1実施形態と同様の構成である。
【0019】
この第2実施形態の場合、誘惑体基部9はその前後両端部が矢印a,b方向に広がろうとする復元力によって、誘惑体基部19両端部の取付孔27の開口縁部が線材2に圧接して、移動ペット誘惑体4の線材2長手方向への移動に抵抗が生じると共に、線材2廻りの回動に抵抗が生じ、長期に使用しても移動ペット誘惑体4が線材2長手方向への移動抵抗が緩んで過度に線材2長手方向に動き易くなったり、線材2廻りの回動抵抗が緩んで過度に線材2廻りに回動し易くなったりするのを防止できる。その他の点は前記第1実施形態の場合と同様の作用効果を奏する。
【0020】
なお、前記実施形態では、ペット用玩具1は移動ペット誘惑体4の他に固定ペット誘惑体3を備えているが、固定ペット誘惑体3を省略するようにしてもよく、この場合には、線材2の先端部を鈎形に屈曲し、又は線材2の先端部に抜け止め部材を固着して、移動ペット誘惑体4が線材2の先端部から抜脱しないようにすればよい。また、線材2の先端側に複数個の移動ペット誘惑体4をそれぞれ線材2長手方向に移動自在でかつ線材2廻りに回動自在に保持するようにしてもよい。
【0021】
また、前記実施形態では、線材2はピアノ線により構成されているが、これに代え、線材2を針金、ワイヤ、竹籤等の弾性線材により構成するようにしてもよいし、また、線材2を弾性を有さない剛性線材により構成してもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 ペット用玩具
2 線材
3 固定ペット誘惑体
4 移動ペット誘惑体
6 把持部
21 羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材(2)の基部に把持部(6)が形成され、線材(2)の先端側にペット誘惑体(4)が線材(2)長手方向に移動自在に保持されていることを特徴とするペット用玩具。
【請求項2】
前記ペット誘惑体(4)に可撓性を有する羽根(21)が具備されていることを特徴とする請求項1に記載のペット用玩具。
【請求項3】
前記ペット誘惑体(4)は線材(2)廻りに回動自在に保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のペット用玩具。
【請求項4】
線材(2)の先端部に前記ペット誘惑体(4)とは別の固定ペット誘惑体(3)が固着され、線材(2)の固定ペット誘惑体(3)よりも基端側に前記ペット誘惑体(4)が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペット用玩具。
【請求項5】
前記線材(2)は、ピアノ線、針金、ワイヤ、竹籤等の弾性線材により構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のペット用玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−5758(P2013−5758A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140753(P2011−140753)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(591230620)株式会社ペッツルート (4)