説明

ペンタフルオロイオウペルオキシド及びモノオキシドの製造方法

【課題】ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドといったようなペンタハロイオウペルオキシド及びモノオキシドを提供する。
【解決手段】ペンタハロイオウハイポハライトを含み、そして必要に応じ六ハロゲン化イオウ又はトリハロメチルハイポハライトを含む組成物を、ハロゲン遊離ラジカルスカベンジャーにさらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのペンタハロイオウ(VI)官能基を有するペルオキシド及びモノオキシドを調製する方法に関する。この発明は更に、これらのペルオキシド及びモノオキシドを調製する上で有用な新規ペンタハロイオウハイポハライト及びこれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドといったような化合物は、置換又は酸化的付加によりベンゼン環といったような有機分子内にオキシペンタフルオロイオウ基(−OSF5)を導入するための反応物として有用なものとして知られている。(例えば、Claude I.Merrill, et al, SomeReactions of Bis−(pentafluorosulfur) Peroxide, Apr. 5, 11963を参照のこと。)−OSF5官能基を有する結果として得られた有機化合物は、エレクトロニクス、医薬及びポリマーといった広範な様々な用途において有用である。
【0003】
例えば、ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドをベンゼンと反応させて、オキシペンタフルオロスルファニルベンゼンを生成させることができ、これは液晶ディスプレイ(LCD)のための液晶組成物の合成において有用である。特に、この化合物の−OSF5基は、結晶に低い回転粘度を付与し、かくして結晶がより速く切換わることができるようにし、そしてLCDディスプレイの透明度を改善する。オキシペンタフルオロスルファニルベンゼン(別名ペンタフルオロスルファオキシベンゼン)はまた、フッ素含有ポリマーでコーティングされた二酸化ケイ素膜をエッチングするその能力のため、光分解性化合物としても有用である(米国特許第3960559号明細書参照)。
【0004】
ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドはまた、既知の医療用化合物、特に1又はそれより多数のトリフルオロメチル官能基(−CF3)を含む医療用化合物の類縁物質を合成する上でも有用である。特に、生物活性をもつ化合物のトリフルオロメチル基に代わってオキシペンタフルオロイオウ基を用いることにより、化合物の効能を改善することができ、そして場合によっては新しい生物活性が実現される、と考えられている。ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドを用いて合成可能な生物活性化合物の類縁物質の例には、N−エチル−1−〔3−(オキシペンタフルオロスルファニル)−フェニル〕プロパン−2−アミンといったようなフェンフルラミンの誘導体、N−メチル−3−フェニル−3−〔4−(オキシペンタフルオロスルファニル)フェノキシ〕−プロパン−1−アミンといったフルオキセチンの誘導体(Prozac(商標))、2,6−ジニトロ−N,N−ジプロピル−4−(オキシペンタフルオロスルファニル)アニリンといったトリフルラリンの誘導体、などが含まれる。
【0005】
更に、ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシド及び類似のペルオキシドは、例えばテトラフルオロエチレンの単独重合のような、一部の重合反応のための開始剤として有用である。これらのペルオキシドはまた、ヘキサフルオロプロペン及びその他の完全フッ素化オレフィンとのテロマーを形成することもできる。
【0006】
ビス(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドのためには異なる合成経路が提案されている。例えば、Merrillは、SOF2+SF5OF→2SOF4、SOF4+SF5OF→SF5OOSF5、という経路を介してSF5OOSF5を製造するための高温高圧でのSF5OFとOSF2及び/又はOSF4との接触反応を提案している(C.I. Merrill et al., J. Am Chem Soc. (1961)83, 298)。
【0007】
Merrillはまた、SF5OOSF5を製造するための紫外線によるSF5OFの分解も記載している。特に、Merrillは、350ワットの水銀灯で3時間SF5OFを照射するとおよそ25%の収量が得られるということを開示している。しかしながら、Merrillは、照射時間を更に長くすると、2SF5OF←→SF5OOSF5+F2という可逆反応が平衡になるため、ペルオキシドの収量を増大させることができなくなることに言及している。
【0008】
Wituckiは、SF5OOSF5を製造するため紫外線下でSF5ClをO2と反応させる別の方法を記載している(E.F. Witucki, Inorg. Nucl. Chem. Letters (1969)5, 437)。ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドを製造するもう一つの方法が、米国特許第3142537号明細書(Pass)に記載されており、ここでは、四フッ化イオウ(SF4)を酸素不在下でペンタフルオロイオウハイポフルオライト(SF5OF)と反応させている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の合成方法にも関わらず、高収量でビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドを経済的かつ効率良く製造するための方法といったような、五ハロゲン化イオウ酸化物を製造するための改良方法に対する必要性がなおも存在している。本発明は、このような方法に対する必要性を満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
出願人らは、(a)末端ペンタハロイオウ(VI)官能基を有する対称及び/又は非対称ペルオキシド及びモノオキシドと、(b)ペンタハロイオウハイポハライト、を包含するペンタハロイオウ(VI)官能基を有する化合物の新規の合成方法を見いだした。
【0011】
ここで使用されるジハロゲン、テトラハロゲン、テトラハロ、テトラハロゲン化物、ペンタハロゲン、ペンタハロ、ペンタハロゲン化物、ヘキサハロゲン、ヘキサハロ、ヘキサハロゲン化物などの用語は、指示された数のハロゲン原子を有する物質、例えば分子など、を意味するが、当該物質の各ハロゲンは、当該タイプのハロゲンであってもなくてもよい。例えば、ジハロゲンは、F2、Cl2、FClなどであることができ、ペンタハロイオウハイポフルオライトは、SFCl4OF、SF2Cl3OF、SF3Cl2OF、SF4ClOF、SF5OFなどであることができる。
【0012】
従って、本発明の一側面は、例えばオキシペンタハロイオウ官能基を有する有機化合物の製造における反応物として有用である、ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドといったような、末端ペンタハロイオウ(VI)官能基を有する対称及び非対称ペルオキシド及びモノオキシドを作るための方法を提供する。
【0013】
本発明のこの側面の好ましい実施形態には、1種又はそれより多数のペンタハロイオウハイポハライトを含む化合物を、少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーにさらしながら、反応させることを必要とする。好ましくは、ペンタハロイオウハイポハライトは、次の式(I)、すなわち、
XOSY5 (I)
のものであり、ここでXは−F又は−Clであり、Yは独立して−F及び−Clから選択される。
【0014】
従って、式(I)はその広い側面において、FOSF5、ClOSCl5、FOSCl23などといった化合物を網羅する。一部のきわめて好ましい実施形態においては、各Yはフッ素であり、すなわち式(I)の好ましい化合物には、ペンタフルオロイオウハイポフルオライト及びペンタフルオロイオウハイポクロライトが含まれる。
【0015】
本発明の一部の実施形態において、当該方法は、式(I)の第1の化合物と式(I)の第2の化合物を少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーの存在下で反応させてペルオキシドを生成することを含む。好ましくは、第1及び第2の化合物は同じ構造をもち、すなわち第1及び第2の化合物は同じ物質である。より好ましくは、第1及び第2の化合物はペンタフルオロイオウ官能基を有する。かかる反応の好ましい生成物は、ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシドである。
【0016】
一部の他の実施形態においては、当該方法は、少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーの存在下で式(I)の第1の化合物を式(II)、すなわち、
SY6 (II)
(式中の各Yは独立して−F、−Cl、−Br又は−Iであり、但し全部のYは同じタイプのハロゲンでない)
の第2の化合物と反応させてモノオキシドを生成することを含む。好ましくは、Yのうち少なくとも5つは−F、−Cl又はそれらの何らかの組合せである。SY6の好ましい例には、SF5Cl、SF5Br及びSCl5Brが含まれる。一部の好ましい方法は、ペンタフルオロイオウハイポフルオライト及び/又はペンタフルオロイオウハイポクロライトといったような、五フッ化官能基を有する式(I)の少なくとも1種の化合物を、式(II)の少なくとも1種の化合物と反応させることを含む。より好ましくは、ペンタフルオロイオウハイポフルオライト及び/又はペンタフルオロイオウハイポフルオライトを、SF5Clといったようなペンタフルオロイオウ官能基をもつ式(II)の化合物と反応させて、ビス−(ペンタフルオロイオウ)モノオキシドを製造する。
【0017】
一部の他の実施形態においては、当該方法は、少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーの存在下で式(I)の第1の化合物を、式(III)、すなわち、
ROX’ (III)
(式中のX’は−F及び−Clから選択され、Rはトリハロメチル(すなわち−CY’3(この式のY’はハロゲンである))であり、好ましくはRは−CF3である)
の第2の化合物と反応させて、非対称ペルオキシドを生成することを含む。この反応の好ましい生成物は、式ROOSY5を有する非対称ペルオキシドである。
【0018】
ここに教示される対称及び/又は非対称ペルオキシド及びモノオキシドを製造するための方法は、ハロゲンラジカルを消費する傾向をもち、従って存在する可能性のある可逆反応の平衡を実質的にシフトする傾向をもつという点で有利である。存在する場合にこの可逆平衡をシフトすることは、所望のペルオキシド又はモノオキシド生成物の収量の増加を可能にする。更に、かかる実施形態の一部においては、反応副生物は適度の温度及び圧力で所望の生成物とは異なる物理的状態で存在し、従って生成物と副生物を容易且つ経済的に分離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明によるペルオキシド及びモノオキシドを製造するための好ましい方法は、少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーの存在下で少なくとも1種のペンタハロイオウハイポハライトを反応させることを含む。好ましくは、ペンタハロイオウハイポハライトはペンタハロイオウハイポフルオライト及び/又はペンタハロイオウハイポクロライトである。好ましいペンタハロイオウハイポハライトの例としては、SF5OF、SF5OCl、SF4ClOF、SF4ClOCl、SF3Cl2OF、SF3Cl2OCl、SF2Cl3OF、SF2Cl3OCl、及びSCl5OClが挙げられ、SF5OF及びSF5OClが特に好ましい。
【0020】
SF5OF及びSF5OClといったような一部のペンタハロイオウハイポハライトは、市販されているか又は既知の技術により合成することができる。当業者であれば既知の技術により、SF4ClOF、SF4ClOCl、SF3Cl2OF、SF3Cl2OCl、SF2Cl3OF、SF2Cl3OCl、SFCl4OF、SFCl4OCl及びSCl5OClといったようなその他のペンタハロイオウハイポハライトを合成することができるものと考えられる。例えば、式(VIII)、すなわち、
O=SX”4 (VIII)
(式中、X”はF及びClから独立して選択される)
の構造をもつテトラハロスルホキシド化合物(例えば、OSCl4、OSCl3F、OSCl22、及びOSClF3)を、CsF又はCsClといったようなハロゲンイオン触媒の存在下でF2、Cl2又はFClと反応させて、ペンタハロイオウハイポハライトを生成することができよう。
【0021】
出願人らは、1種又はそれより多数のペンタハロイオウハイポハライト、好ましくはペンタフルオロイオウハイポハライトと、少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーの組成物を加熱且つ昇圧し及び/又はそれに照射することで、式(IV)、すなわち、
SY5OOSY5 (IV)
(式中の各Yは上記のとおりである)
の化合物が生成されることになる、ということを見いだした。一部の好ましい実施形態においては、当該組成物は、1つのタイプのペンタハロイオウハイポハライトのみを含む。特に好ましい実施形態においては、本発明により製造される化合物は、ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシド(SF5OOSF5)を含む。
【0022】
少なくとも1種のペンタハロイオウハイポハライト、好ましくはペンタフルオロイオウハイポハライト、少なくとも2つの異なるタイプのハロゲン原子を有する少なくとも1種の六ハロゲン化イオウ、及び少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーの組成物を加熱且つ昇圧し及び/又はそれに照射することで、式(V)、すなわち、
SY5OSY5 (V)
(式中の各Yは上記のとおりである)
の化合物が生成されることになる、と考えられる。一部の好ましい実施形態においては、本発明により製造される化合物はビス−(ペンタフルオロイオウ)モノオキシド(SF5OSF5)を含む。
【0023】
かくして、本発明の一部の実施形態、特にSF5OOSF5又はSF5OSF5が所望の生成物であるものにおいては、当該方法は、式SF5OXをもつ第1の化合物を、式I又はIIに合致する第2の化合物であって、−SF5基を含む第2の化合物を、ハロゲンラジカルスカベンジャーの存在下で反応させて、SF5OOSF5及びSF5OSF5から選択された構造をもつ少なくとも1種の生成物を製造することを含む。
【0024】
これらの実施形態のうち、SF5OOSF5を製造するのに特に有用であるものは、式SF5OX(式中のXは−F又は−Clである)を有する第2の化合物を利用する。より好ましくは、第1及び第2の化合物は両方とも式SF5OCl又はSF5OFを有し、キセノンといったようなある種のフッ素ラジカルスカベンジャーがフッ素ラジカルと反応して安定した固体沈殿副生物を生成する能力を有することから、SF5OFがより好ましい。
【0025】
SF5OSF5を製造するために特に有用である実施形態では、第2の化合物としてSF5Cl及び/又はSF5Brが利用される。SF5Brは、・SF5ラジカル及び臭素ラジカルへと容易に分解することから、第2の化合物として有利である。SF5Clも、後にXe及びCl2へと分解する準安定なXeCl2副生物を生成する能力がキセノンにあることから、キセノンといったある種のラジカルスカベンジャーと組合せて使用する場合に、第2の化合物として特に有利である。XeもCl2も適度の温度及び圧力で気体状態で存在するので、所望の生成物から比較的容易に分離することができる。その上、この実施形態ではキセノンはプロセスで消費されないことから、事実上触媒として機能する。
【0026】
更に、少なくとも1種のペンタハロイオウハイポハライト、好ましくはペンタフルオロイオウハイポハライト、少なくとも1種のトリハロメチルハイポハライト又はハロスルフェートハイポハライト、及び少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーの組成物を加熱且つ昇圧し及び/又はそれに照射することで、式(VI)、すなわち、
ROOSY5 (VI)
(式中のR及びYは上記のとおりである)
の非対称化合物が生成されることになる、と考えられる。
【0027】
一部の他の実施形態、特に非対称ペンタフルオロイオウペルオキシド生成物が所望されるものにおいては、当該方法は、式XOSF5をもつ第1の化合物を式X’ORをもつ第2の化合物と、ラジカルハロゲンスカベンジャーの存在下で反応させて、式F5SOOR(式中のX及びX’は独立して−F又は−Clであり、Rは−CF3である)をもつ生成物を得ることを含む。例えば、第2の化合物としてCF3OFを利用する実施形態は、非対称ペルオキシドのSF5OOCF3を生成するという結果をもたらす。
【0028】
いずれかの特定の理論に束縛されたくはないが、本発明の方法は遊離ラジカル付加反応を伴うと考えられる。一例を挙げると、ペンタハロイオウハイポハライト、特にSF5OF又はSF5OClといったペンタフルオロイオウハイポハライトをハロゲンラジカルスカベンジャーの存在下で加熱且つ加圧し及び/又はそれにUV照射することで、ペンタハロイオウハイポハライト分子がハロゲン遊離ラジカル(例えば、F・又はCl・)とSY5O・遊離ラジカル、例えばSF5O・遊離ラジカルのようなもの、へと解離することになると考えられる。ハロゲンラジカルは、好ましくは安定な又は準安定な副生物として、ハロゲンラジカルスカベンジャーと結合し、SY5O・遊離ラジカルの対が一緒になってペルオキシドのSY5OOSY5、特にSF5OOSF5を生成する。例えばSF5O・ラジカルを含む反応混合物の組成物が、・SF5又は・OCF3といった他の遊離ラジカルを更に含む場合、SF5O・ラジカルはこれらの他の遊離ラジカルと結合してモノオキシド又は非対称ペルオキシドを生成する。
【0029】
ペンタハロイオウハイポハライト及びハロゲンラジカルスカベンジャーを含む加熱且つ昇圧された又は照射された反応混合物の組成物からSF5O・遊離ラジカルといったようなSY5O・遊離ラジカルが生成することは、既知の化学的反応の原理のみに基づいて容易には予測することはできないと考えられる。本発明の一部の好ましい実施形態においては、ペンタハロイオウハイポハライト、例えばペンタフルオロイオウハイポハライトなどと、ハロゲンラジカルスカベンジャーとを含む反応混合物の組成物を、約150℃〜約250℃、より好ましくは約165℃〜約175℃の温度、そして約30psig〜約120psig、より好ましくは約40psig〜約100psigの圧力に維持する。一部の好ましい実施形態においては、上記の反応混合物を、これらの好ましい温度及び圧力条件の範囲内に約1日〜約10日、より好ましくは約5〜約6日の間維持する。
【0030】
一部の他の実施形態においては、ペンタハロイオウハイポハライト及びハロゲンラジカルスカベンジャーを含む反応混合物の組成物を、好ましくは、約150℃〜約250℃、より好ましくは約165℃〜約175℃の温度、そして約750psig〜約1500psig、より好ましくは約800psig〜約1200psigの圧力に維持する。このような実施形態においては、反応混合物をこれらの条件下に約2時間〜約20時間、より好ましくは約12〜約16時間維持することが一般に好ましい。
【0031】
上記とは別に、あるいは熱と圧力に加えて、当該方法は組成物を紫外線(UV)にさらすことを含み、当該組成物はペンタハロイオウハイポハライト及びハロゲンラジカルスカベンジャーを含む。一部の好ましい実施形態においては、反応混合物の組成物をUV光源に曝露する(例えば、おのおのが約190nmの波長で35Wの出力を発出する16個のUV電球を収納する光分解チャンバ)。特に好ましい実施形態においては、UV曝露工程は、反応混合物組成物を、好ましくは約1〜約10時間、より好ましくは約4〜約5時間の間、約3〜約15psig、より好ましくは約5〜約10psigの圧力で、およそ周囲温度でUV放射(190nm)に曝露することを含む。
【0032】
ここで規定される好ましい反応条件は、そのような条件がSY5O・ラジカル、好ましい実施形態においてはSF5O・ラジカルの形成を促進することから、少なくとも部分的に有効であると考えられる。その上、上述の好ましい温度、圧力、そして時間の条件も、・SY5遊離ラジカル、好ましい実施形態においてはYSF5由来の・SF5遊離ラジカル(ここでのYは、SF5Cl及びSF5BrといったようなF以外のハロゲンである)を生成するのに一般に有効であると考えられる。このような好ましい反応条件はまた、トリハロメチルハイポハライト由来の・OCF3といったような、・OCY3遊離ラジカルを生成するのに一般に有効であるとも考えられる。
【0033】
上述のとおり、特定の好ましい実施形態においては、ペンタフルオロイオウハイポハライトとハロゲンラジカルスカベンジャーを含む反応混合物の組成物からSF5O・ラジカルが作られる。ペンタフルオロイオウハイポハライトが解離するにつれて、ハロゲンラジカルスカベンジャーが組成物からハロゲンラジカルを除去し、それにより解離の逆転を実質的に減少させるものと考えられる。好ましくは、ハロゲンラジカルスカベンジャーの選択は、解離によって生成される特定のハロゲンラジカルに対応する。すなわち、組成物のハイポハライトが−OFである場合、フッ素ラジカルが生成されることになり、対応するハロゲンラジカルスカベンジャーは好ましくはフッ素ラジカルに対する親和性を有するスカベンジャーである。好ましいフッ素ラジカルスカベンジャーの例としては、Xe、CoF2、MnF3、CeF3、CO、SO2、金属ハロゲン化物などが挙げられる。同様に、組成物のハイポハライトが−OClである場合には、塩素ラジカルが生成されることになり、対応するハロゲンラジカルスカベンジャーは好ましくは塩素ラジカルに対する親和性をもつスカベンジャーである。好ましい塩素ラジカルスカベンジャーの例としては、CO、SO2及び金属ハロゲン化物が挙げられる。
【0034】
COといったような一部のハロゲンラジカルスカベンジャーは、F・及びCl・の両方のラジカルに対する親和性を有し、従って、本発明が五フッ化イオウハイポフルオライド及び五フッ化イオウハイポクロライドの混合物といったようなハイポハライトの混合物を有する組成物を含む場合に有用である。あるいはまた、2種以上のハロゲンラジカルが組成物中に存在する場合には、複数のハロゲンラジカルスカベンジャーの混合物を使用することができる。例えば、五フッ化イオウハイポフルオライド及びペンタフルオロ臭化イオウを含む反応混合物は、好ましい実施形態に従って、フッ素及び臭素の両方のラジカルを生成する。かかる反応混合物のための好ましいハロゲンラジカルスカベンジャーには、上述のもののようなフッ素ラジカルスカベンジャーと、亜鉛、銅、マグネシウムなどといった臭素ラジカルスカベンジャーの両方が含まれる。
【0035】
特に好ましいラジカルスカベンジャーは、ハロゲンラジカルと反応して、反応生成物中に存在する条件で又はほぼその条件で、あるいは、例えば反応生成物及び副生物が適度の温度及び圧力にある場合に、実現するのが比較的経済的である条件で、所望のペルオキシド又はモノオキシドとは異なる物理的状態で存在する反応副生物を生成するものである。ここで使用する「適度の温度及び圧力」という用語は、多大な費用又は予防措置なしに実験室又は工場の現場で安全に作り出すことのできる温度及び圧力、例えば、約−5℃〜約40℃の温度及び約0psia〜約25psiaの圧力、を意味する。
【0036】
そのような副生物の例としては、ZFn、ZCln、F2及びCl2からなる群から選択される式をもつ化合物が挙げられ、ここでは、Zはハロゲンラジカルスカベンジャーを構成する原子又は分子、あるいは分子の一部分であり、nはZの少なくとも1つの酸化状態に等しい正の整数である。特に好ましい実施形態においては、SF5OFをXeの存在下で反応させて、ペルオキシド生成物のSF5OOSF5(これは0℃及び周囲圧力で液体として存在する)及び副生物のXeF2(これは0℃及び周囲圧力で固体として存在する)を生成する。
【実施例】
【0037】
本発明のいくつかの側面を、以下の例により更に説明するが、それらによって限定されることはない。
【0038】
〔例1〕
この例は、SF5OFとXeの組成物から、少なくとも5日間この組成物を高温高圧に維持することによりSF5OOSF5を調製するための方法を説明する。
【0039】
およそ14.8g(91.3mmol)のSF5OF及び約6g(45.7mmol)のXeから反応混合物を作り、液化して600ccのモネル(Monel)攪拌反応器に入れる。この液化反応混合物を攪拌し、約167℃及び95psigまで加熱する。反応混合物を約167℃と170℃の間に約5日超、ただし約6日未満の間維持する。5日超の反応期間にわたり、反応容器の内部圧力は約95psig(初期)から約42psigまで減少する。次に、内容物を周囲温度まで冷却する。
【0040】
その後、反応器内容物を、それぞれ約−78℃及び約−196℃に冷却した第1及び第2のU字管トラップを通して排出して、反応生成物から揮発性成分を除去する。反応器内容物を2つのトラップを通して排出後、−78℃のトラップを約0℃まで加温すると、それには白色固体と無色の液体の混合物が入っている。この液体を取り出し、CFCl3と混合し、19F NMRスペクトロスコピーで分析する。分析結果はSF5OOSF5と一致する(AB4スピンパターン:δ19FA=57.5ppm、面積=0.66単位; δ19B=56.0ppm、面積=2.82単位)。外観がきわめて結晶質である白色固体は、そのラマンスペクトル(5mWでの532nmの励起で記録)とXeF2の認証試料のそれとの比較により、純粋なXeF2であることが確認される。
【0041】
〔例2〕
この例は、SF5OFとXeの組成物から、約1日未満の間組成物を高温及び超高圧に維持することによりSF5OOSF5を調製するための方法を説明する。
【0042】
およそ27.6g(170.3mmol)のSF5OF及び約13.7g(104mmol)のXeを液化して600ccのモネル(Monel)攪拌反応器に入れることにより、反応混合物を作る。この液化組成物を攪拌し、約167℃及び約1100psigまで加熱する。この混合物を約168〜169℃で約14時間維持する。14時間の反応期間にわたり、内部圧力は約1100psigから約890psigまで減少する。規定の時間後、反応器と内容物を周囲温度まで冷却し、続いて反応器内容物を、それぞれ約−106℃及び約−196℃まで冷却した第1及び第2のU字管トラップを通して排出して、揮発分を除去する。−196℃のトラップの内容物の揮発分は、後の使用のため保管する。−106℃のトラップの内容物を約0℃まで加温し、そしてこれには重量が約8.0gの白色固体と無色の液体の混合物が入っていることがわかる。液体の一部分を取り出し、CFCl3と混合し、19F NMRスペクトロスコピーで分析する。分析結果はSF5OOSF5と一致する(AB4スピンパターン:δ19A=56.9ppm、面積=43.29単位; δ19B=55.4ppm、面積=170.93単位)。周囲温度で反応器の初期の揮発性内容物を除去後、反応器を約100℃まで加熱し、そして約−196℃まで冷却したトラップを通して排気する。30分後に、トラップ内に白色結晶質固体(5.8g)が集められた。外観がきわめて結晶質であるこの白色固体は、そのラマンスペクトルとXeF2の認証試料のそれとの比較により、純粋なXeF2であることが確認される。
【0043】
第2のトラップから集められた揮発分を液化させて、新しいSF5OF(16.3g、101mmol)とともに反応器内に戻し、そして内容物を約19時間約168℃まで加熱する。規定の時間後、反応生成物を、約−106℃及び約−196℃まで冷却した低温のU字管トラップを通して分別する。−106℃のトラップには、約8.1gの固体及び液体の混合物が入っていた。液体をデカンテーションし、以前に集められた液体部分と一緒にして、合計13.0g(45mmol)のSF5OOSF5生成物を得る。
【0044】
〔例3〕
この例は、本発明の特定の実施形態に従って調製されたSF5OOSF5が、芳香族付加反応においてSF5O・の供給源として使用するのに十分純粋であることを説明する。
【0045】
例2から得られた13.0gの一緒にした生成物を、その後、約150℃で約16時間ベンゼン(46mmol)と反応させ、その結果C65OSF5がほぼ定量的に生成されて、当該13.0gのSF5OOSF5が、米国特許出願第11/484226号明細書に記載されているベンゼン反応によって例証される芳香族付加反応におけるOSF5のラジアル供給源としてのその後の意図される用途にとって十分に純粋であることが示される。
【0046】
〔例4〕
この例は、本発明による反応混合物を紫外線に対して曝露することにより、SF5OFとXeの組成物からSF5OOSF5を調製するための方法を説明する。
【0047】
紫外線源(190nm)チャンバ内の石英光分解セル、循環ポンプ、及びFEPのU字管を含む循環光分解システムに、261.6TorrのXe及び504.6TorrのSF5OFを入れる。この混合物に、循環させながら3.5時間照射を行う。その後、FEPのU字管を−78℃まで冷却し、その結果として液体/固体混合物0.6gを収集する。この混合物の一部分をCH2Cl2/CDCl3と混合し、19F NMRスペクトロスコピーで分析する。NMRスペクトルから、大部分がSF5OOSF5(56ppmと58ppmの間のAB4パターン)であり、−SF5含有不純物ははるかに少量であることが示された。反応混合物の残りを、もう1つの紫外線実験を行って得たSF5OOSF5の反応混合物と一緒にし、その結果得られた混合物に、0℃まで冷却したFEPのU字管を通して循環させながら、6時間照射を行う。規定の時間後、U字管には、大部分が白色結晶質固体からなり、少量が液体である、3.8gの生成物が集められた。この液体と固体の分析により、これらが予想された生成物のSF5OOSF5とXeF2であることが確認される。
【0048】
こうして本発明のいくつかの特定の実施形態を説明してきたが、当業者には、ここに含まれている教示に照らして、具体的に記載していない様々な改変、変更及び改良が本発明の範囲内で利用可能であるということは明らかである。この開示により明白となるこのような改変、修正及び改良は、ここに明示的に記載されていないものの、この説明の一部をなすものと意図されており、本発明の精神及び範囲内にあるものと意図されている。従って、上述の説明は単なる一例にすぎず、制限的な意味をもつものではない。本発明は、特許請求の範囲で規定されるとおりのもの及びそれと均等のものに制限されるだけである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーの存在下で、式SF5OXを有する第1の化合物をSF5OX’及びSF5Yから選択される式を有する第2の化合物と反応させて(式中のX及びX’は−F及び−Clから独立に選択され、Yは−Cl又は−Brから選択される)、式SF5(O)nSF5(この式のnは1又は2である)を有する反応生成物を生成することを含む、ビス−(ペンタフルオロイオウ)ペルオキシド又はモノオキシドの製造方法。
【請求項2】
前記第2の化合物がSF5OX’であり、前記反応生成物がSF5OOSF5を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
X及びX’が−Fであり、前記少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーが少なくとも1種のフッ素ラジカルスカベンジャーを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1種のフッ素ラジカルスカベンジャーがXe、CoF2、MnF3、CeF3、CO、SO2、金属水素化物、及びこれらのうちの2種以上からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1種のフッ素ラジカルスカベンジャーがXeを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
Xが−Clであり、前記少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーが少なくとも1種の塩素ラジカルスカベンジャーを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1種の塩素ラジカルスカベンジャーがCO、SO2、金属ハロゲン化物、及びこれらのうちの2種以上からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の化合物がSF5Brであり、前記生成物がSF5OSF5を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の化合物がSF5Clであり、前記生成物がSF5OSF5を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の化合物がSF5OFであり、前記少なくとも1種のラジカルハロゲンスカベンジャーがCOを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の化合物がSF5OClであり、前記少なくとも1種のラジカルハロゲンスカベンジャーがCO、SO2、金属ハロゲン化物、及びこれらのうちの2種以上からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記反応の工程で、ZFn、ZCln、F2及びCl2からなる群から選択された式をもつ少なくとも1種の副生物(式中、Zは前記少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーに含有される原子又は分子であり、nはZの少なくとも1つの酸化状態に等しい正の整数である)を更に含む反応生成物を製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記副生物が前記生成物とは異なる物理的状態で存在する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記副生物が固体であり、前記生成物が液体である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1及び第2の化合物がSF5OFであり、前記ハロゲンラジカルスカベンジャーがXeであり、前記生成物がSF5OOSF5を含み、前記副生物がXeF2を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記副生物が気体であり、前記生成物が液体である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の化合物がSF5OClであり、前記第2の化合物がSF5Clであり、前記ハロゲンラジカルスカベンジャーがXeであり、前記生成物がSF5OSF5を含み、前記副生物がXe及びCl2の組合せを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記反応の工程が、
前記第1の化合物及び前記第2の化合物を含む反応混合物を作ること、及び、
前記生成物を作るのに十分な期間150℃〜250℃の温度及び40psig〜1500psigの圧力で前記反応混合物を維持すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記圧力が40psig〜100psigであり、期間が1日〜10日である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記圧力が750psig〜1500psigであり、前記期間が1時間〜20時間である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記反応の工程が、前記第1の化合物及び前記第2の化合物を含む反応混合物を作り、そして当該反応混合物を前記生成物を生成するのに有効な条件下で紫外線に曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記有効な条件が、1時間〜10時間の期間前記反応混合物を前記紫外線に曝露することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ハロゲンラジカルスカベンジャーの存在下で、式XOSF5を有する第1の化合物を式X’ORを有する第2の化合物と反応させて、式F5SOORを有する生成物を生成する(これらの式中のX及びX’は独立に−F又は−Clであり、RはCY’3(この式のY’はハロゲンである)である)ことを含む、非対称性ペンタフルオロイオウペルオキシドの製造方法。
【請求項24】
前記ハロゲンラジカルスカベンジャーがXeを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
X及びX’が−Fであり、RがCF3である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
(a)少なくとも1つのハロゲンラジカルスカベンジャーを供給すること、
(b)次の式(IX)、
ASY5 (IX)
に合致する少なくとも1種の化合物(式中、各Yは、Y5の複数のYのおのおのを含めて、−Cl及び−Fから独立して選択され、Aは−Br、−I、−Cl、−F、−OCl又は−OFであるが、ただしAは式(I)の少なくとも1種の化合物に対してOを含有するものとする)を供給すること、及び、
(c)少なくとも1種のペンタハロゲン化イオウ酸化物化合物を製造するのに有効な条件下で、前記少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーを式(I)に合致する前記少なくとも1種の化合物にさらすこと、
を含む、式SY5(O)nSY5を有する化合物の製造方法。
【請求項27】
Yが−Cl及び−Fから選択され、Aが−OCl及び−OFから選択され、Y5の各Yが同一である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
各Yが−Fである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
式(I)の前記少なくとも1種の化合物がペンタフルオロイオウハイポフルオライトを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
式(I)の前記少なくとも1種の化合物がペンタフルオロイオウハイポクロライトを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記さらす工程が、少なくとも1種のハロゲンラジカルスカベンジャーの存在下で式(I)の第1の化合物を式(I)の第2の化合物と反応させることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
式(I)の前記第1の化合物が、Aが酸素含有部分である化合物を含み、式(I)の前記第2の化合物が、酸素を含有しない化合物を含み、ただしこの第2の化合物におけるYは全てが同じ種類のハロゲンではないものとする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
式(I)の前記第2の化合物の5つのYが同じ種類のハロゲンである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
式(I)の前記第2の化合物がペンタフルオロイオウ官能基を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
式(I)の前記第2の化合物がSF5Clを含む、請求項34に記載の方法。

【公開番号】特開2008−285399(P2008−285399A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−71487(P2008−71487)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA