説明

ペース化呼吸及び吸入療法を一体にした、システム及び方法

本発明は、患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム及び方法を供与する。ペース化呼吸は、呼吸回路を使用して、患者の呼吸器系へ高い気道内圧及び低い気道内圧を交互に供することを含み、高い気道内圧は、患者による吸入と同時に起こり、低い気道内圧は、患者による呼気と同時に起こる。治療用物質は、高い気道内圧の、患者の呼吸器系への供給の間、患者の呼吸器系へと送達され、化合物の、患者の呼吸器系への送達は、低い気道内圧の、患者の呼吸器系への供給の間、中断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペース化呼吸(paced breathing)及び吸入療法を一体にした、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル化された薬物/治療法が、しばしば、ネブライザー又は定量噴霧器と併せて使用される。ある例において、肺病の治療のために、薬物を肺へと直接投与するよう、エアロゾル化された薬物が、病院において、侵襲的換気で供給される。
【0003】
ペース化呼吸に関する治療は、数ある中でも、交感神経系の覚醒及び活動を低減する必要がある、患者の要求を対処するために、発展された。この活動は、高血圧、不眠症又は他の病気を含み得る。ある例において、これらの病気を有する患者は、彼らの病気の結合性の治療として、薬物を使用するはずである。ある例において、これらの病気を有する患者はまた、例えば、糖尿病を有する高血圧、うっ血性心不全(CHF)を有する高血圧、喘息を有する高血圧、高血圧を有する不眠症、喘息を有する慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった、原発性疾患とともに併存性の病気を有する。ある例において、2つより多い併存性の病気が存在するかもしれない。そのようなものとして、ペース化呼吸及び吸入性の化合物を含む、統合的治療法の管理は、有益となり得る。例えば、ある患者は、彼らがペース化呼吸に関する治療を使用するのに役立つ、弛緩剤を必要とし得る。これは、加湿、アロマテラピー、弛緩薬及び/又は他の吸入療法の形態で、供され得る。
【発明の概要】
【0004】
ペース化呼吸が、交感神経系の覚醒/活動を低減する役目を果たす間、吸入性の化合物は、また、これらの患者をリラックスさせるのを助け、交感神経系の活動を低減するために使用され得る。高血圧、CHF、糖尿病、喘息、COPD、不眠症などのような、他の病気に対処する、加湿、利尿薬、ACE阻害薬、ARBS、インシュリン、気管支拡張剤又はコルチコステロイド、抗生物質、睡眠導入剤、などを有する他の化合物/薬物が用いられ得る。これは、患者への治療投与の全体の効果を高めることができ、治療法に対する順守(adherence)を改善し得る。
【0005】
そのようなものとして、ペース化呼吸及び吸入療法を効率的に組み合わせる、システム及び方法が、望ましくあり得る。
【0006】
ペース化呼吸に関する治療は、制御された(通常、より遅い)呼吸速度、より深い呼吸、より定常的な/安定的な呼吸速度、制御された吸入/呼気比率、及び/又は患者の呼吸に関する他の制御を供するので、患者への吸入性の化合物の投与と併せてペース化呼吸を利用することは、利点である。そのようなものとして、本発明は、通気に関するペース化呼吸及び吸入性物質の治療を一体としたシステム及び方法を供する。
【0007】
通気に関するペース化呼吸及び吸入物質の治療を一体としたシステムは、呼吸回路、薬物送達コンポーネント、制御コンポーネントを含み得る。呼吸回路は、ベンチレータ又は圧力操作デバイス、呼吸用コンジット及び患者インタフェース(例えば、マスク、鼻カニューレ又は他のインタフェース)を含み得る。呼吸回路は、患者の呼吸器系に種々の気道内圧を選択的に供し、及び/又は、その他の点では、患者の呼吸器系への、エアフロー又は呼吸の調整又は支援を供するよう構成され得る。
【0008】
ある実施において、呼吸回路は、ペース化呼吸に関する治療の使用無しでの呼吸速度からの、呼吸速度のスローダウン又はスピードアップを含む、患者の呼吸速度の制御を可能にし得る。ある実施において、呼吸回路は、ペース化呼吸に関する治療の使用無しでの呼吸量からの、呼吸量の増大又は減少を含む、患者の呼吸量(即ち、1回換気量(tidal volume))の制御を可能にし得る。ある実施において、呼吸回路は、患者の呼吸の規則性の制御を可能にし得る。ある実施において、呼吸回路は、吸入時間と呼気時間との間の比率(“I/E比”)の制御を可能にし得る。
【0009】
薬物送達コンポーネントは、患者に送達されている薬物の種類に依存して変わり得る。例えば、エアロゾロ化された、粉末又は液体を投与するために、薬物送達コンポーネントは、薬物送達コンポーネントの選択的な薬物送達部として、ネブライザーを含み得る。ガス性の治療物質を投与するために、薬物送達コンポーネントは、化合物供給源(例えば、送達される(例えば酸素又は他のガス)化合物を含む加圧ガスのタンク)、供給源から呼吸回路へとガスを送達するためのコンジット、及び、供給源からコンジットを通って呼吸回路及び/又は患者の呼吸器系へとフローを選択的に可能にさせる、選択的な薬物送達部として、バルブを含み得る。
【0010】
制御コンポーネントは、1つ以上のコンピュータ・プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)及び関連するメモリ又はデータストレージを有するコンピュータにより実現されるデバイスであり得る又は含み得る制御ユニットであり得る又は含み得る。ある実施において、1つ以上のプロセッサは、ここで述べられた、ペース化呼吸及び吸入療法に関連する1つ以上の作動を実行するよう構成され得る。制御ユニットは制御アプリケーションを含み得、1つ以上のプロセッサは、制御アプリケーションによって構成され得る(the control unit may include and the one or more processors may be configured by a control application)。
【0011】
制御アプリケーションは、1つ以上の医学的状態を治療するために、患者の呼吸器系へと種々の気道内圧を供するよう、ペース化呼吸のアルゴリズムを含み得る及び/又はプログラム化され得る。ある実施において、ペース化呼吸に関する治療は、患者が、遅く、治療的に重要な呼吸速度(例えば、<10breaths per minute)で呼吸するよう指導するために、より多くの生まれながらの(natural)固有受容性の信号として、陽性気道圧(PAP)のキュー(cues)を採用する。これは、例えば、血圧の低下及び/又は他の効果といった、複数の生理学的効果を供し得る。ここで議論されたように、ペース化呼吸は、呼吸速度、1回換気量、呼吸の規則性、I/E比及び/又は患者の呼吸の他の特性を制御するために、使用され得る。気道内圧/持続時間を制御するために使用された、ペース化呼吸のアルゴリズムは、患者の呼吸の、所望の特性によって、変わり得る。
【0012】
ペース化呼吸のアルゴリズムは、呼吸回路内の特定のレベルの陽圧を生成する、又はさもなければ、呼吸回路内のフローを引き起こすように、ベンチレータを指示する、制御ユニットからベンチレータへの1つ以上の呼吸に関する信号を使用して実行され得る。ある実施において、呼吸に関する信号はまた、治療送達を最適化し、高価な化合物の使用を節減するために、薬物/治療用物質送達のタイミングを制御するために、使用され得る。ある実施において、ペース化呼吸に関する信号に基づいた、治療用物質の送達の制御は、吸入された物質の肺への輸送を大きく高めることによって、吸入療法の効果を増大し得る。
【0013】
例えば、呼吸回路を利用する実施形態において、ペース化呼吸に関する治療無しで起こるであろうよりも、より遅い呼吸速度を導入するために呼吸回路を利用することは、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、より遅い呼吸を導入することは、薬物送達コンポーネントによって患者の肺へと放出された治療用物質のより完全な送達の役に立ち得る(例えば、より遅い呼吸は、肺組織による治療用物質のより多い量の吸収を可能にし得る)及び/又は他の効果を供し得る。ある実施において、ペースを調整する(paced)治療に関する治療無しでの1回換気量とは異なる1回換気量を導入するために、呼吸回路を利用することはまた、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、より多くの1回換気量を導入することは、薬物送達コンポーネントにより患者の肺へと放出された、より多くの治療用物質の送達に役に立ち得(例えば、“より深い呼吸”によって、肺組織が、より多くの治療用物質を吸収可能になり得る)及び/又は他の効果を供し得る。ある実施において、より規則的な呼吸を導入するために呼吸回路を利用することは、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、より規則的な呼吸を導入することは、薬物送達部によって患者へと放出された治療用物質の送達の正確性を支援し得(例えば、規則的な、予測可能である呼吸速度によって、どのくらい多くの物質が放出するかのより良好な計算が可能になる)及び/又は他の効果を供し得る。ある実施において、吸入時間の呼気時間に対する比を制御するために、呼吸回路を利用することは、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、I/E比を制御することは、薬物送達コンポーネントによって患者の肺へと放出された、より多くの治療用物質の送達を支援し得(例えば、I/E比を調節して、治療用物質が排出されないことを保証する)及び/又は他の効果を供し得る。ある実施において、吸入療法を有するペース化呼吸に関する治療の使用は、潜在的に有害な薬物の、周囲環境への放出を最小にし得る(例えば、正確な量の治療用物質が、薬物送達コンポーネントによって放出され、放出された治療物質の最大量が、患者の肺組織によって吸収されるということを保証することによって)。
【0014】
ある実施において、ペース化呼吸を制御する、制御ユニットからベンチレータへの信号は、ペース化呼吸サイクルの段階/状態を決定し、したがって、治療用物質の呼吸回路への送達を制御するために、使用され得る。例えば、呼吸回路内での高いレベルの圧力を生成し、それによって、患者の吸入に影響を及ぼす、制御ユニットからベンチレータへの信号は、薬物送達コンポーネントが、呼吸回路への治療用物質の噴霧及び送達を開始する又はガス性の治療用物質の呼吸回路へのフローを開始することを引き起こすよう使用され得る。同様に、呼吸回路内の低いレベル(即ち、高いレベルよりも、より低いレベル)の圧力を生成し、それによって、患者の呼気に影響を及ぼす、制御ユニットからベンチレータへの信号は、治療用物質の呼吸回路への噴霧及び送達を中断する又はガス性の医療用物質の呼吸回路への送達を中断するために、使用され得る。
【0015】
ある実施において、制御ユニットからベンチレータへの信号は、患者への化合物の製造/送達又はその中断を始動させるために直接使用される必要がない。例えば、ある実施において、ベンチレータは、ペース化呼吸を制御する、独特の別々になった、統合された制御ユニットを利用しても良く、容易には、薬物送達コンポーネントへと信号を送るよう適合されないかもしれない。そのようなものとして、ある実施において、ペース化呼吸周期の段階は、呼吸回路自身内の、条件(例えば、圧力/フロー)から検出され、薬物送達を制御するよう使用され得る。そのようなものとして、ある実施において、呼吸回路は、ペース化呼吸周期の状態を検出するために、ペース化呼吸回路内の、1つ以上の気体の(pneumatic)結合ポイントを含んでも良い。ある実施において、結合ポイントは、呼吸回路内の圧力を決定するために、呼吸回路を通る圧力又はフローを測定する、1つ以上のセンサ、トランスデューサー及び/又はメータを含んでも良い。
【0016】
ある実施において、1つ以上の電気的インタフェースは、ペース化呼吸回路の段階/状態をモニタできるよう、呼吸回路内の活動を制御ユニットへと伝えるために、1つ以上の気体結合で関連付けられても良い。例えば、ペース化呼吸回路の適切な部分に到達したということを(例えば、吸入又はちょうど吸入前に)、電気的インタフェースが伝えるとき、制御ユニットは、薬物送達部に、液体又は粉末のエアロゾルの発生を開始するよう、ガス供給源のバルブを開け始めるよう、及び/又はそうでなければ、治療用物質の呼吸回路への送達を開始するよう、教えても良い。同様に、ペース化呼吸サイクルの適切な部分の検出によって(例えば、呼気又は呼気のちょうど前に)、呼吸回路への物質の送達の中断を開始しても良い。
【0017】
ある実施において、上で議論されたように、呼吸テンポ、1回換気量、規則性、I/E比、及び/又は他の患者の呼吸特性、の制御は、吸入療法の管理を改善するために、ここで開示されたシステム及び方法によって、使用されても良い。ある実施において、1つ以上の特性の閾値が、吸入療法の開始及び/又は中断を教えるために、設定されても良い。例えば、1つ以上の具体的な(specific)呼吸のテンポ/速度、具体的な1回換気量、具体的な呼吸に関する一貫性(consistency)/規則性、具体的な吸入/呼気比又は他の具体的な呼吸に関する特性が、吸入療法の開始/吸入された治療効果を有するものの送達のためのトリガー(trigger)として設定されても良い。そのようなものとして、呼吸特性に関する1つ以上の閾値が、吸入療法のためのトリガーとして設定されるとき、呼吸回路は、トリガー特性に適合している呼吸特性を達成するために、ペース化呼吸に関する治療を管理するよう使用されても良い。ペース化呼吸に関する治療を制御している制御ユニットは、1つ以上のトリガー特性が、達成され得るように、患者に対する高圧及び低圧の隔たり(intervals)を管理するようプログラムされても良い。トリガー特性が達成されるとき(ペース化呼吸に関するシステムの制御ユニットから生じる信号によって決定され得る又は呼吸回路内で感知され得る)、吸入療法が開始されても良い(例えば、治療用物質の発生が、患者の吸入サイクルに結ばれても良い)。
【0018】
ある実施において、吸入療法は、患者の呼吸特性の1つ以上が、トリガー特性に適合しないときに、中止されても良い。ある実施において、トリガー特性は、バルブの範囲を含んでも良く、もし、患者の1つ以上の呼吸特性が、定義された範囲の範囲外(より高い又はより低いのいずれか)なら、吸入療法が中止されても良い。ある実施において、吸入療法は、所定の時間周期が経過したとき、ある量(例えば、重量又は体積によって)の治療物質が、患者に送達されたとき、中止されても良い。もしくは、他の要因に基づいて中止されても良い。
【0019】
ここで開示されたように、呼吸回路は、患者に対するペース化呼吸に関する治療を管理するために使用されても良い。ある実施において、例えば、もし、治療用物質の送達が、ペース化呼吸に関する治療の呼吸特性とは異なる、1つ以上の呼吸特性から恩恵を得るであろうということが決定されるなら、患者の呼吸特性は、吸入療法の管理に有益又は望ましい呼吸特性を導入する、患者へと送達されているペース化呼吸に関する治療のそれとは、異なる高/低圧力及び/又は高/低圧力持続期間の使用を通じて、変えられても良い。一度吸入療法が、中止されると(例えば、望ましい量の治療用物質が送達されるから)、以前のペース化呼吸に関する治療が、再始動されても良い。
【0020】
本発明は、患者へのペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するプロセスを含んでも良い。プロセスは、ペース化呼吸が、ペース化呼吸回路を介して確立される作動を含んでも良い。ここで述べられたように、ペース化呼吸は、制御されるであろう(例えば、呼吸頻度、1回換気量、呼吸規則性、I/E比及び/又は患者の呼吸/呼吸作用(breathing/respiration)についての他の特性)、1つ以上の患者の呼吸特性を決定するために、患者の呼吸をモニタすることを含んでも良い。使用者の呼吸の吸入部分の間、高圧が、患者の呼吸システムに供給される。呼気部分の間、(高いレベルに対して相対的に)低圧が、適用される。患者の呼吸特性の1つ以上は、その後、1つ以上の目標となる特性と比較される。患者回路によって患者に供された高及び/又は低圧の1つ以上の特質が(例えば、開始時間、終了時間、持続期間、圧力、など)、患者の呼吸特性の1つ以上を、1つ以上の目標となる特性へともっていく(bring)ために、調節されても良い。例えば、患者の呼吸頻度が、目標となる頻度より大きいとき、高圧が供給される時間は、所定の方法で、増加し、低圧が供給される時間は調節される。患者に供給される高い及び/又は低い圧力の他の特性は、他の呼吸特性を変えるよう変更されても良い。例えば、ある実施において、低圧の時間は、高圧の時間と低圧の時間との間の固定された比率に従って、調節あれても良い。または、使用者の実際の呼気時間と同時に起こるよう、調節されても良い。この方法で、吸入時間と呼気時間との間の比率(”I/E比”)は、制御されても良い。ペース化呼吸の供給の段階(stage)が、その後、決定される。ここで述べられたように、ある実施において、これは、呼吸回路から患者へと高圧及び低圧の供給を測定する、信号の使用を含んでも良い。そのようなものとして、これらの信号は、患者への治療用物質の提供を有効にする/無効にするよう使用されても良い。ある実施において、これは、高圧又は低圧が患者へと供されている(又は供されようとしている)かどうかを決定するために、呼吸回路内の圧力を検出することを含んでも良い。呼吸回路内の圧力の検出は、その後、患者への治療用物質の提供を有効にする/無効にするよう使用されても良い。
【0021】
もし、高圧が患者に供されている(又は供されようとしている)ということが決定されるなら、治療用物質はその後、患者へと供される。ここで述べられたように、これは、治療用物質が患者へと送達されるよう、薬物送達部を有効にすることを伴い得る。これは、例えば、治療用物質を噴霧するように、ネブライザーを有効にすること、又は、加圧された貯蔵容器から治療用物質を放出するよう、バルブを開くこと、を伴い得る。
【0022】
もし、低圧が患者に供されている(又は供されようとしている)ということが決定されるなら、治療用物質は、患者へと供されない又は治療用物質の患者への提供が中断される、のいずれかである。治療用物質の患者への提供を中断することは、薬物送達部を無効にすることを含み得る。これは、例えば、治療用物質の噴霧を中断すること、又は、治療用物質の加圧された容器を開閉するバルブを閉じることを伴い得る。
【0023】
プロセスは、その後、調節された(paced)呼吸期間の段階の事前決定に影響を及ぼし、したがって、治療用物質の送達が、開始されるべきか又は中断されるべきかどうかに影響を及ぼすであろう、如何なる変化をモニタし得る。
【0024】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び特性、さらに、構造の関連する構成要素に関する動作方法及び機能、そして、各部分と製造の経済性との連係は、すべてが本明細書の一部を構成する添付の各図面を参照して、以下の説明及び添付する特許請求の範囲を考察することにより、より明らかになるであろう。なお、同種の参照符号は、種々の図における、対応する部分を指す。しかしながら、図は、説明及び記述のためのだけであり、本発明の制限のためではないということが、明らかに理解される。明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、そうでないことが文脈で明確に示されない限り、複数形も含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の種々の実施に係る、ペース化呼吸と吸入療法を一体にする、システムの例である。
【図2】図2は、本発明の種々の実施に係る、ペース化呼吸と吸入療法を一体にする、プロセスの例である。
【図3】図3は、本発明の種々の実施に係る、ペース化呼吸と吸入療法を一体にする、プロセスの例である。
【図4】図4は、本発明の種々の実施に係る、ペース化呼吸と吸入療法を一体にする、プロセスの例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一様態は、通気に関するペース化呼吸と吸入された物質の治療を一体にする、システム及び方法を供する。通気に関するペース化呼吸と吸入された物質の治療を結合するシステムは、呼吸回路、薬物送達コンポーネント及び制御コンポーネントを含み得る。図1は、本発明の種々の様態に係る、ペース化呼吸と吸入療法を一体にする、システムの例である、システム100を説明する。システム100は、ベンチレータ101又は他の圧力操作デバイスを含み得る呼吸回路、呼吸用コンジット103及び患者インタフェース105を含む。ある実施において、患者インタフェース105は、(図1に示されるように)フェースマスク、鼻カニューレ、及び/又は患者を呼吸用コンジット103へと接続する他のデバイスを含んでも良い。ある実施において、呼吸用コンジット103は、可撓性チューブ、種々の結合部、及び/又はベンチレータ101と患者の呼吸器系との間でガスを送る、他の要素であっても良い又は含んでも良い。呼吸回路は、患者の呼吸器系へと種々の気道内圧を選択的に供する及び/又はそうでなければ、患者の呼吸器系へとエアフロー又は呼吸制御又は呼吸支援を供するよう構成されても良い。
【0027】
ある実施において、呼吸回路は、例えば、患者の呼吸速度(例えば、患者に関して、ペース化呼吸に関する治療無しでの呼吸速度からの、呼吸速度のスローダウン又はスピードアップ)、呼吸量/1回換気量(例えば、患者に関して、ペース化呼吸に関する治療無しでの1回換気量の増大又は減少)、吸入時間と呼気時間との間の比率(“E/I比”)、呼吸規則性(例えば、呼吸速度、E/I比又はある期間にわたっての他の特性の不変性)及び/又は他の呼吸に関する特性といった、患者の呼吸の1つ以上の特性の制御を可能にし得る。ある実施において、呼吸回路は、陽圧及び呼気圧(“PEEP”−複数の肺胞を開いている状態に保ち、したがって肺の不安定な部分の回復(recruitment)を保証するために、適切な圧力を供するための)を供するために、フロー速度を操作するために((もしあれば)治療用物質の粒子サイズに加えて、治療用物質の送達のフロー速度を、治療用物質を患者の呼吸器系の明確に標的にされた部分へと送達するために、操作することができる)及び/又は他の恩恵を供するために、使用され得る。これらの技術(即ち、PEEP、フロー速度操作、など)の特性は、吸入療法を供することの効果に関する、本発明のある実施に従って、選択的に制御され得る。
【0028】
システム100はまた、患者へと、薬物、化合物又は治療用物質を送達するための、薬物送達コンポーネント107を含み得る。ある実施において、薬物送達コンポーネント107は、患者へと送達されている化合物のタイプに依存して、変わり得る。例えば、エアロゾルかされた、粉末又は液体を投与するために、薬物送達コンポーネント107は、薬物送達コンポーネントの選択的薬物送達部分として、ネブライザーを含んでも良い。ネブライザーは、コンプレッサー型ネブライザー、超音波ネブライザー、ピエゾ素子式ネブライザー及び/又は他のタイプのネブライザーであり得る又は含み得る。ネブライザーは、患者へと送達される治療用物質の貯蔵容器、貯蔵容器からネブライザーの噴霧部分へと噴霧される物質を送達するために必要である、如何なるコンジット(conduits)又は要素、呼吸回路及び/又は患者の呼吸器系へと噴霧された化合物を供するために必要な如何なるコンジット又は要素、ネブライザーを作動させるために必要な如何なる電気的又は物理的コンポーネント、及び/又は他の要素を含んでも良い。ある実施において、エアロゾル化された物質は、エアロゾル化された粒子の重力特性(サイズ、密度、など)及び/又は他の要因に依存して、マスク105でのペース化呼吸回路又は呼吸回路の他の位置(呼吸用コンジット103に沿ったどこでも)へと導入され得る。
【0029】
ガス性の治療用物質を投与するために、薬物送達コンポーネント107は、化合物供給源(例えば、送達される化合物を含む、圧縮ガス(例えば、酸素又は他のガス)のタンク)、前記供給源から呼吸回路へとガスを送達するためのコンジット及び、前記供給源からコンジットを通って呼吸回路及び/又は患者の呼吸器系へのフローを選択的に可能にする、薬物送達部としてのバルブを含んでも良い。
【0030】
患者への送達に先立って、治療用物質がエアロゾル化される実施において、呼吸回路内のフローエネルギーは、エアロ化し、気道へと薬物/化合物を輸送するために、使用され得る。ある実施において、治療用物質は、呼吸回路の外側に配置された、ネブライザー内でエアロゾル化され、マスク105にあるペース化呼吸回路又はエアロゾル化された粒子の重力特性(サイズ、密度、など)及び/若しくは他の検討事項に依存した他の位置へと導入されても良い。吸入療法に関して使用される治療用物質がガスである例において、ガスは、呼吸回路へとより柔軟に導入されても良い。
【0031】
システム100は、制御ユニット109であり得る又は含み得る、制御コンポーネントを含んでも良い。制御ユニット109は、1つ以上のコンピュータ・プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)及び関連するメモリ及び/又はデータストレージを有するコンピュータにより実現されるデバイスを含み得る。ある実施において、1つ以上のプロセッサは、ここで述べられた、ペース化呼吸及び吸入療法に関する1つ以上の作動を実行するよう構成され得る。制御ユニット109は含み得、1つ以上のプロセッサは、制御アプリケーション111によって構成され得る。図1において別々に説明されたが、ある実施において、ベンチレータ101は、制御ユニット109及び制御アプリケーション111を含んでも良い。
【0032】
制御アプリケーション111は、1つ以上の医学的状態を治療するために、患者の呼吸器系へと種々の気道内圧を供するよう、コンピュータが解読できる(例えばプロセッサが解読できる)ペース化呼吸のアルゴリズムを含み得る及び/又はペース化呼吸のアルゴリズムでプログラム化され得る。ある実施において、ペース化呼吸に関する治療は、患者が、遅く、治療的に重要な呼吸速度(例えば、<10breaths per minute(BPM))で呼吸するよう指導するために、より多くの生まれながらの(natural)固有受容性の信号として、陽性気道圧(PAP)のキュー(cues)を採用する。これは、例えば、血圧の低下及び/又は他の効果といった、複数の生理学的効果を供し得る。ここで議論されたように、ペース化呼吸は、呼吸速度、1回換気量、呼吸の規則性、I/E比及び/又は呼吸に関する他の特性を制御するために使用され得る。ペース化呼吸は、陽圧及び呼気圧(“PEEP”−複数の肺胞を開いている状態に保ち、したがって肺の不安定な部分の回復(recruitment)を保証するために、適切な圧力を供するための)を供するために、フロー速度を操作するために((もしあれば)治療用物質の粒子サイズに加えて、治療用物質の送達のフロー速度を、治療用物質を患者の呼吸器系の明確に標的にされた部分へと送達するために、操作することができる)及び/又は他の恩恵を供するために、使用され得る。これらの技術(即ち、PEEP、フロー速度操作、など)の特性は、吸入療法を供することの効果に関する、本発明のある実施に従って、選択的に制御され得る。気道内圧/持続時間を制御するために使用された、ペース化呼吸のアルゴリズムは、患者の呼吸の、所望の特性(及び/又は患者へと課されようとされた治療の特性)によって、変わり得る。
【0033】
ペース化呼吸は、まず、患者の呼吸又は呼吸作用の頻度を決定するために、患者の呼吸をモニタすることを伴う。呼吸は、吸息(即ち吸入)部分又は時間と、吐息(即ち呼気)部分又は時間とを含むと考えられ得る。使用者の呼吸の吸気部分の間、HIの圧力(HI pressure)のBi−level PAPが供され、吐息部分の間、LOの圧力(LO pressure)Bi−level PAPが供される。患者の呼吸の、所望の特性に依存して、患者の呼吸の1つ以上の電流特性がモニタされ、1つ以上の目標となる特性と比較され、圧力に基づいた呼吸に関するキュー(即ち、HIの圧力及びLOの圧力)が、それに応じて、調節され得る。
【0034】
例えば、もし呼吸頻度が制御されるなら、使用者の呼吸頻度がモニタされ、その後、目標となる呼吸頻度と比較されるであろう。使用者の呼吸頻度が、目標となる頻度より大きいとき、HIの圧力のBi−level PAPが供される時間が、所定の方法で増加し、LOの圧力のBi−level PAPが供される時間が調節される。HIの圧力の時間とLOの圧力の時間との間の一定比率に従って、LOの圧力の時間が調節されても良く、又は、使用者の実際の呼気時間と一致するよう調節されても良い。当業者は、LOの圧力の時間が、陰圧の用途をも含み得るということを理解するであろう。
【0035】
正の気道内圧及びペース化呼吸治療に関連する追加的な情報は、タイトル“System and Methods for Controlling Breathing Rate”の、米国特許No.7,556,038及び米国特許No.6,105,575内で見受けられ、その各々の開示は、参照としてこの中の全体が、ここに組み込まれる。
【0036】
ペース化呼吸のアルゴリズムは、呼吸回路内の特定のレベルの陽圧を生成する、又はさもなければ、呼吸回路内のフローを引き起こすように、ベンチレータを指示する、制御ユニット109からベンチレータ101への1つ以上の呼吸に関する信号を使用して実行され得る。ある実施において、呼吸に関する信号はまた、治療送達を最適化し、高価な化合物の使用を節減するために、薬物/治療用物質送達のタイミングを制御するために、使用され得る。ある例において、ペース化呼吸に関する信号に基づいた治療用物質送達の制御は、例えば、吸入された物質の肺への輸送を大きく高めることによって、吸入療法の効果を増大し得る。
【0037】
例えば、呼吸回路を利用する実施形態において、ペース化呼吸に関する治療無しで起こるであろうよりも、より遅い呼吸速度を導入するために呼吸回路を利用することは、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、より遅い呼吸を導入することは、薬物送達コンポーネントによって患者の肺へと放出された治療用物質のより完全な送達の役に立ち得る(例えば、より遅い呼吸は、肺組織による治療用物質のより多い量の吸収を可能にし得る)及び/又は他の効果を供し得る。
【0038】
ある実施において、ペースを調整する(paced)治療に関する治療無しでの1回換気量とは異なる1回換気量を導入するために、呼吸回路を利用することはまた、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、より多くの1回換気量を導入することは、薬物送達コンポーネントにより患者の肺へと放出された、より多くの治療用物質の送達に役に立ち得(例えば、“より深い呼吸”によって、肺組織が、より多くの治療用物質を吸収可能になり得る)及び/又は他の効果を供し得る。
【0039】
ある実施において、より規則的な呼吸を導入するために呼吸回路を利用することは、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、より規則的な呼吸を導入することは、薬物送達部によって患者へと放出された治療用物質の送達の正確性を支援し得(例えば、規則的な、予測可能である呼吸速度によって、どのくらい多くの物質が放出するかのより良好な計算が可能になる)及び/又は他の効果を供し得る。
【0040】
ある実施において、吸入時間の呼気時間に対する比を制御するために、呼吸回路を利用することは、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、I/E比を制御することは、薬物送達コンポーネントによって患者の肺へと放出された、より多くの治療用物質の送達を支援し得(例えば、I/E比を調節して、治療用物質が排出されないことを保証する)及び/又は他の効果を供し得る。
【0041】
ある実施において、終末呼気陽圧(PEEP)治療を供するために呼吸回路を利用することは、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、PEEP治療を供することは、患者の肺中の複数の肺胞を開いている状態に保つように、十分な陽圧を供することにより、肺の不安定な部分の回復を可能にし得る。これらの不安定な部分の使用によって、より多くの治療用物質を患者へと供することが可能になり得る。さらに、肺の不安定な部分の回復はによって、治療用物質を、それらが以前は到達できなかった肺の部分への送達が可能になり得る。そのようなものとして、患者の呼吸器系内の圧力は、本発明の種々の実施に従って変更され/操作される特徴(characteristic)となり得る。
【0042】
ある実施において、患者の呼吸器系内のフロー速度を制御するために呼吸回路を利用することは、吸入療法の効果に役に立ち得る。例えば、送達される治療用物質の粒子の特定のサイズ(又は送達される治療用物質の他の特性)に加えて、患者の呼吸器系内のフロー速度の操作は、治療用物質の、患者の呼吸器系の特定の部分への、目標とする送達(例えば、より大きい粒子の、肺へのより深い送達)を可能にし得、それ故、治療用物質のより効果的な送達を供し得る。したがって、患者の呼吸器系内のフロー速度は、本発明の種々の実施に従って変更され/操作され得る特徴になり得る。
【0043】
ある実施において、ペース化呼吸治療を吸入療法とともに使用することによって、潜在的に有害な薬物の周囲環境への放出を最小にし得る(例えば、正確な量の治療用物質が、薬物送達コンポーネントによって放出され、放出された治療用物質の最大量が、患者の肺組織によって吸収されるということを保証することによって)。例えば、家庭で使用されるシステムに関して、患者の家族のメンバーによる汚染を最小にするよう、薬物又は治療用物質の周囲環境への導入を最小にすることが、望ましくあり得る。同様に、医療専門家による汚染を最小となるように、薬が使用される状況(例えば、病院、養護施設など)での、薬物/治療用物質の周囲環境への導入を最小にすることが、望ましくあり得る。薬物送達を制御するよう、ペース化呼吸に関する信号を使用することによって、より多くの治療用物質が、患者の系へと送達されるよう保証される。そのようなものとして、系から周囲環境へと偶然抜ける化合物が少なくなる。
【0044】
ある実施において、ペース化呼吸を制御する、制御ユニット109からベンチレータ101への信号は、ペース化呼吸周期の段階/状態を決定し、したがって、治療用物質の呼吸回路への送達を制御するよう、使用され得る。例えば、呼吸回路内での高いレベルの圧力を生成し、それにより、患者の吸入に影響を及ぼす、制御ユニット109からベンチレータ101への信号は、薬物送達コンポーネント107が(例えば通信リンクを介して)、呼吸回路への治療用物質の噴霧及び送達を開始する又はガス性の治療用物質の呼吸回路へのフローを開始することを引き起こすよう使用され得る。同様に、呼吸回路内の低いレベル(即ち、高いレベルよりも、より低い)の圧力を生成し、それによって、患者の呼気に影響を及ぼす、制御ユニット109からベンチレータ101への信号は、治療用物質の呼吸回路への噴霧及び送達を中断する又はガス性の医療用物質の呼吸回路への送達を中断するために、使用され得る。
【0045】
ある実施において、治療用物質の呼吸回路への送達及び中断のタイミングは、物質を患者の呼吸器系へと導入するための適切な時間の決定に基づき得、したがって、吸入の開始及び終了と直接一致しないかもしれない。例えば、物質が、呼吸回路を通って、患者の呼吸器系内の適切なポイントへと進むために必要である時間の責任を負うよう、治療用物質は、患者による実際の吸入の開始に先立って、作り出され及び/又は呼吸回路へと送達され得る。同様に、治療用物質の製造及び/又は送達の中断は、患者による吸入の中断に先立って起こり得、全ての製造された/送達された物質が、患者の呼吸器系へと到達する。
【0046】
ある実施において、制御ユニット109からベンチレータ101への信号は、治療用物質の製造/送達又はその中断を始動させるために直接使用される必要はない。例えば、ある実施において、ベンチレータ109は、ペース化呼吸を制御する、独特の別々になった、統合された制御ユニットを利用しても良い、及び/又は、容易には、薬物送達コンポーネントへと信号を送るよう適合されないかもしれない。そのようなものとして、ある実施において、ペース化呼吸周期の段階は、呼吸回路自身内の、条件/フローから検出され、薬物送達を制御するために使用され得る。
【0047】
ある実施において、呼吸回路は、ペース化呼吸周期の状態(state paced breathing cycle)を検出するために、ペース化呼吸回路内の、1つ以上の気体結合ポイントを含んでも良い。図1は、呼吸用コンジット103内に統合された、結合ポイント113を説明する。ある実施において、複数の結合ポイントを、呼吸回路内の複数のポイントで使用しても良い。ある実施において、結合ポイント113は、ペース化呼吸治療の段階/局面(stage)を決定するために、1つ以上のセンサ、トランスデューサー及び/又は呼吸回路(又はコンジット103)を通る圧力又はフロー速度を測定するメータ(例えば、圧力トランスデューサー、フローメータなど)を含んでも良い。ある実施において、複数の異なる呼吸回路が、各々が複数の異なるタイプの気体結合のポイントを有して、供されても良い。
【0048】
ある実施において、1つ以上の電気的インタフェースは、ペース化呼吸回路の段階/状態をモニタできるよう、呼吸回路内の活動を制御ユニット109へと伝えるために、1つ以上の気体結合113で関連付けられても良い。ある実施において、電気的インタフェース115は、例えば、銅ワイヤ、光ファイバーケーブル又は他の通信リンクといった、如何なる適切な通信リンクを含んでも良い。例えば、電気的インタフェース115が、ペース化呼吸回路の適切な部分に到達したということを(例えば、吸入又はちょうど吸入前)伝えるとき、制御ユニット109は、薬物送達部107に、液体又は粉末のエアロゾルの発生を開始するよう、ガス供給源のバルブを開け始めるよう、及び/又はそうでなければ、治療用物質の呼吸回路への送達を開始するよう、教えても良い。同様に、ペース化呼吸サイクルの適切な部分の検出によって(例えば、呼気又は呼気のちょうど前に)、呼吸回路への物質の送達の中断を開始しても良い。
【0049】
図2は、患者へのペース化呼吸及び吸入療法を一体に供するプロセス200を説明する。工程201において、ペース化呼吸は、システム100といった、ペース化呼吸システムを介して確立される。ここで述べられたように、ペース化呼吸は、制御され得る患者の呼吸又は呼吸作用の1つ以上の特性(例えば、呼吸頻度、1回換気量、呼吸規則性、I/E比及び/又は患者の呼吸に関する他の特性)の現在の状態を決定するために、患者の呼吸をモニタすることを含み得る。使用者の呼吸の吸入部分の間、高圧が患者の呼吸器系に供給される。呼気部分の間、(高いレベルに相対的に)低圧が供給される。使用者の呼吸に関する特性の1つ以上は、その後、1つ以上の目標となる特性と比較される。呼吸回路によって患者へと供された高圧及び/又は低圧の1つ以上の特質(attributes)(例えば、開始時間、終了時間、持続期間、圧力など)が、患者の呼吸に関する特性の1つ以上を、1つ以上の目標となる特性へともっていくために、調節されても良い。例えば、患者の呼吸頻度が、目標となる頻度より大きいとき、高圧が供される時間は、所定の方法で増加し、低圧が供給される時間が調節される。低圧の時間は、高圧の時間と低圧の時間との間の固定された比率に従って、調節されても良い。または、使用者の実際の呼気時間と同時に起こるよう、調節されても良い。患者に供給される高圧及び/又は低圧の他の特性は、他の呼吸特性を変えるよう変更されても良い。
【0050】
工程203において、ペース化呼吸の供与の段階が決定される。ここで述べられるように、ある実施において、これは、呼吸回路から患者への高圧及び低圧の供与を測定する、制御ユニット109からベンチレータ101への信号の使用を含み得る。そのようなものとして、これらの信号は、患者への治療用物質の供与を有効にする/無効にするよう使用されても良い。ある実施において、これは、高圧又は低圧が患者へと供されている(又は供されようとしている)かどうかを決定するために、呼吸回路内の圧力を(例えば、気体結合113を介して)検出することを含み得る。呼吸回路内の圧力の検出は、その後、患者への治療用物質の供与を有効にする/無効にするよう使用され得る。
【0051】
もし高圧が患者に供されている(又は供されようとしている)ということが(例えば、制御ユニット109/気体結合113によって)決定されるなら、プロセス200は、治療用物質が患者へと供される、工程205へと進む。ここで述べられたように、これは、治療用物質が患者へと送達されるように、薬物送達部(例えば、薬物送達コンポーネント107)を有効にすることを伴い得る。これは、例えば、治療用物質を噴霧するよう、薬物送達部のネブライザーを有効にすること、又は、加圧された貯蔵容器から治療用物質を放出するよう、バルブを開くこと、を伴い得る。
【0052】
もし、低圧が患者に供されている(又は供されようとしている)ということが(例えば、制御ユニット109/気体結合113によって)決定されるなら、プロセス200は、治療用物質の供されない又は薬物送達部での治療用物質の患者への供与が中断される、のいずれかである。工程207へと進む。治療用物質の患者に対する供与を中断することは、薬物送達部を無効にすることを含み得る。これは、例えば、治療用物質の噴霧を中断すること又は治療用物質の加圧された貯蔵容器のバルブゲート(valve gating)を閉じることを伴い得る。
【0053】
工程205又は207のいずれかの後、プロセス200は、その後、ペース化呼吸が、工程203の決定に影響を及ぼす、したがって、治療用物質の送達が開始されるべきか又は中断されるべきかどうかに影響を及ぼす、であろう如何なる変化に関して、モニタされる、工程203に戻され得る。
【0054】
ある実施において、上で議論されたように、呼吸テンポ、1回換気量、規則性、I/E比、及び/又は他の患者の呼吸特性、の制御は、吸入療法の管理を改善するために、ここで開示されたシステム及び方法によって、使用されても良い。そのようなものとして、本発明は、例えば、吸入療法お開始に関するトリガーとして、ペース化呼吸によって制御される1つ以上の呼吸特性の特定の値を利用することに関するプロセスの一例である、プロセス300といったプロセスを含んでも良い。プロセス300は、1つ以上の呼吸特性に関する閾値が設定され得る、工程301を含み得る。これらの値は、吸入療法のセッションの開始及び/又は中断に関するトリガーとして役に立ち得る(患者への治療用物質の供与の開始及び/又は中断は、プロセス200で開示されたような、患者の呼吸サイクルの段階によってコントロールされ得るものの)。値の例は、具体的な呼吸テンポ/速度(例えば、1分あたりの呼吸)、具体的な1回換気量(例えば、ミリリットルで)、呼吸に関する一貫性/規則性の具体的な測定(例えば、時間における呼吸速度の標準偏差)、具体的な吸入/呼気比、患者の呼吸器系内の具体的な圧力、患者の呼吸器系内の具体的なフロー速度、又は他の具体的な呼吸特性を含み得る。工程303において、患者の呼吸特性を、トリガー特性へと持っていくことに集中されたペース化呼吸に関するアルゴリズムを以って、ペース化呼吸に関する治療が開始されても良い。工程305において、1つ以上のトリガー特性の値が、実際の患者の呼吸特性に適合するかどうかが、決定され得る(たとえば、気体結合113によって、呼吸回路を通るフローを測定することによって)。もし、(複数の)トリガーが満足されるなら、吸入療法が、工程307において開始され得る。吸入療法が、例えば、プロセス200で述べられたような、患者の呼吸周期と釣り合って(commensurate with)投与され得る。もし、(複数の)トリガーが満足されないなら、プロセス300は、ペース化呼吸に関する治療が、患者の呼吸特性を、トリガーと合致するようさせるという目標で、投与される、工程303に戻り得る。
【0055】
ある実施において、患者の呼吸特性の1つ以上が、トリガー特性と適合しないときに、吸入療法のセッションは、中止されても良い。例えば、患者の呼吸特性は、ペース化呼吸に関する治療の投与における変化なく、トリガー特性から逸脱し得る(例えば、患者は、ペース化呼吸に関する治療に、意識的に又は無意識に“抵抗”し得る)。ある実施において、患者の実際の呼吸特性が、トリガー特性から逸脱するときに、吸入療法が止まり、患者の呼吸特性が、トリガーに適合する特性に戻るときに、吸入療法の管理に戻るように、プロセス300は、呼吸特性を連続的にモニタしても良い(例えば、プロセス300は、連続的に又は吸入療法の“セッション”が終わるまで、決定305に戻っても良い)。
【0056】
ある実施において、もし患者の1つ以上の呼吸特性が、所定の範囲の外側に落ちる(より高い又はより低い、のいずれかで)なら、吸入療法が中断され得るよう、トリガー特性は、ある範囲の値を含んでも良い。ある実施において、吸入療法は、所定の時間周期が経過した(例えば、吸入療法の“セッション”が完了した)とき、ある量(例えば、重量又は堆積によって)の治療物質が、患者に送達された(例えば、吸入療法の“セッション”が完了した)とき、又は他の要因に基づいて中止されても良い。
【0057】
ここで開示されたように、呼吸回路は、患者に対するペース化呼吸に関する治療を管理するために使用されても良い。ある実施において、例えば、もし、治療用物質の送達が、ペース化呼吸に関する治療の呼吸特性とは異なる、1つ以上の呼吸特性から恩恵を得るであろうということが決定されるなら、患者の呼吸特性は、吸入療法の管理に有益又は望ましい呼吸特性を導入する、患者へと送達されているペース化呼吸に関する治療のそれとは、異なる高/低圧力及び/又は高/低圧力持続期間の使用を通じて、変えられても良い。一度吸入療法が、中止されると(例えば、望ましい量の治療用物質が送達されるから)、以前のペース化呼吸に関する治療が、再始動されても良い。
【0058】
図4は、吸入療法を管理するために、ペース化呼吸に関する治療によって供される制御を利用する、プロセスの一例であり、吸入療法に関して望ましい1つ以上の呼吸特性が、ペース化呼吸に関する治療に関して望ましい1つ以上の特性と異なる、プロセス400を説明する。プロセス400は、ペース化呼吸に関する治療が、患者に処置され(システム100の呼吸回路を介して)、ペース化呼吸に関する治療が、患者の呼吸特性の1つ以上(例えば、速度、1回換気量、I/E比、規則性、フロー速度及び/または他の特性)を、目標となる1つ以上の呼吸特性の第1の組へと動かす(influencing)、工程401を含む。目標となる呼吸特性の第1の組は、ペース化呼吸に関する治療上の効果を、患者へと供する目的で、選択され得る。
【0059】
工程403において、呼吸回路は、患者の1つ以上の呼吸特性を、目標となる1つ以上の呼吸特性の第2の組へと動かし、目標となる1つ以上の呼吸特性の第2の組の少なくとも1つの呼吸特性の値/測定基準は、目標となる1つ以上の呼吸特性の第1の組の少なくとも1つの呼吸特性の値/測定基準とは異なる。ある実施において、1つ以上の呼吸特性の第2の組は、患者の呼吸器系への治療用物質の送達の目的で選択される(例えば、速度、1回換気量、I/E比、規則性、フロー速度又は治療用物質の送達の効率を最大にする他の特性)。工程405において、吸入療法のセッションが開始される(例えば、吸入療法は、プロセス200に従い患者へと管理される)。
【0060】
ある実施において、1つ以上のコンピュータ・プロセッサが、ここで述べられた方法の特徴及び機能のいくらか又は全てを実行するよう構成可能である、コンピュータが読み取り可能な命令をその上に有する、実体のあるコンピュータ読み取り可能媒体を供することができる。ここで述べられたシステム及び方法は、例としてのみ供される。当業者は、ここで述べられた発明が、種々のシステム構成と連動し得るということ及びここで述べられた工程/方法に関して、他の順序の工程が存在し得るということを理解するであろう。したがって、多かれ少なかれ前述のシステム構成は、種々の実施形態において、使用され得る及び/又は結合され得る。したがって、方法に関する追加的な工程が実行され得、その上、他の工程が除外され得、及び/又は工程は、種々の順序で実行され得る。
【0061】
本発明は、最も実用的かつ好ましい実施形態であると現在考えられているものに基づいて、説明の目的で詳細に述べられてきたが、そのような詳細は、単にそのような目的であり、本発明は、開示された実施形態に制限されず、しかしながらそれどころか、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある変更及び同等のアレンジをカバーするよう意図されるということが、理解されるであろう。例えば、本発明は、可能である程度に、如何なる実施形態の1つ以上の特徴が、他の如何なる実施形態の1つ以上の特徴と結合され得るということを検討する、ということが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者界面部、呼吸用コンジット及び圧力操作部を含む呼吸回路であって、当該呼吸回路は、前記圧力操作部から、前記患者界面部を介して、患者の呼吸器系へと、高い気道内圧及び低い気道内圧を交互に供給し、前記高い気道内圧は、前記患者による吸入と同時に起こり、前記低い気道内圧は、前記患者による呼気と同時に起こる、呼吸回路と、
治療用物質を貯蔵する貯蔵容器及び選択的送達部を含む薬物送達部であって、前記選択的送達部は、前記患者による吸入の間、前記貯蔵容器から前記患者の呼吸器系へと、前記治療用物質の少なくとも一部を送達するよう作動し、前記選択的送達部は、前記患者による呼気の間、前記貯蔵容器から前記患者の呼吸器系への、前記治療用物質の送達を中止するために、作動を停止する、薬物送達部と、
を含む、患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項2】
前記高い気道内圧又は前記低い気道内圧の1つ以上は、前記患者の少なくとも1つの呼吸特性を所定のトリガー値に至らせるように、前記患者へと供給され、
前記選択的送達部は、前記患者の前記少なくとも1つの呼吸特性が、前記トリガー値に等しいときだけ、前記患者による吸入の間、前記治療用物質の少なくとも一部を、前記貯蔵容器から前記患者の呼吸器系へと送達するよう作動する、
請求項1に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの呼吸特性は、呼吸速度、1回換気量、吸入時間の呼気時間に対する比又は呼吸の規則性の程度の1つ以上である、請求項2に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項4】
前記高い気道内圧又は前記低い気道内圧の1つ以上は、前記患者の少なくとも1つの呼吸特性を第1の目標値及び第2の目標値の一方に至らせるように、前記患者へと供給され、
前記選択的送達部は、前記少なくとも1つの呼吸特性が、前記第1の目標値又は前記第2の目標値の一方に等しいときだけ、前記治療用物質の少なくとも一部を、前記貯蔵容器から前記患者の呼吸器系へと送達するよう作動する、
請求項1に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項5】
前記呼吸回路は、高圧に関する信号に応答して、前記患者の呼吸器系に高圧を供給し、
前記呼吸回路は、低圧に関する信号に応答して、前記患者の呼吸器系に低圧を供給し、
前記選択的送達部は、前記高圧に関する信号によって作動し、前記低圧に関する信号によって作動を停止する、
請求項1に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項6】
前記高圧に関する信号及び前記低圧に関する信号を前記圧力操作部へと送る、制御ユニットを更に含む、請求項5に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記高圧に関する信号及び前記低圧に関する信号を前記薬物送達部へと送る、請求項6に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項8】
高圧及び低圧の、前記患者の前記呼吸器系への送達を感知する、前記呼吸回路上に配置されたセンサを更に含み、
前記センサは、高圧の送達が感知されるときに、前記薬物送達部を作動させ、低圧が感知されるときに、前記薬物送達部の作動を停止させる、
請求項1に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項9】
前記選択的送達部はネブライザーを含み、
前記選択的送達部の作動は、前記治療用物質の少なくとも一部の噴霧を含む、
請求項1に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項10】
前記治療用物質は、液体又は粉末である、請求項1に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項11】
前記貯蔵容器は、加圧されたガス供給源を含み、
前記選択的送達部は、作動時に、前記患者の前記呼吸器系へとガスを送達するバルブを含む、
請求項1に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項12】
前記患者界面部はマスクを含む、請求項1に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供するシステム。
【請求項13】
患者界面部、呼吸用コンジット及び圧力操作部を含む呼吸回路を使用して、患者の呼吸器系へと高い気道内圧及び低い気道内圧を交互に供給する、供給段階であって、前記高い気道内圧は、前記患者による吸入と同時に起こり、前記低い気道内圧は、前記患者による呼気と同時に起こる、供給段階;及び
前記高い気道内圧の、前記患者の前記呼吸器系への供給の間、治療用物質を前記患者の前記呼吸器系に送達する、送達段階であって、前記治療用物質の、前記患者の前記呼吸器系への送達は、前記低い気道内圧の、前記患者の前記患者の前記呼吸器系への供給の間、中断される、送達段階;
を含む、患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項14】
前記高い気道内圧又は前記低い気道内圧の1つ以上は、前記患者の少なくとも1つの呼吸特性を所定のトリガー値に至らせるように、前記患者へと供給され、
前記治療用物質の少なくとも一部は、前記患者の前記少なくとも1つの呼吸特性が前記トリガー値に等しいときだけ、前記高い気道内圧の、前記患者の前記呼吸器系への送達の間、前記貯蔵容器から前記患者の呼吸器系へと送達される、
請求項13に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの呼吸特性は、呼吸速度、1回換気量、吸入時間の呼気時間に対する比又は呼吸の規則性の程度の1つ以上である、請求項14に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項16】
前記高い気道内圧又は前記低い気道内圧の1つ以上は、前記患者の少なくとも1つの呼吸特性を第1の目標値及び第2の目標値の一方に至らせるように、前記患者へと供給され、
前記治療用物質は、前記少なくともひとつの呼吸特性が前記第1の目標値又は前記第2の目標値の一方と等しいときだけ、前記高い気道内圧の、前記患者の前記呼吸器系への送達の間、前記貯蔵容器から前記患者の前記呼吸器系へと送達される、
請求項13に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項17】
前記高い気道内圧は、高圧に関する信号に応答して、前記呼吸回路によって前記患者の前記呼吸器系へと供給され、
低圧は、低圧に関する信号に応答して、前記呼吸回路によって、前記患者の前記呼吸器系へと供給され、
化合物の送達は、前記高圧に関する信号によって開始され、前記低圧に関する信号によって中断される、
請求項13に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項18】
前記高圧に関する信号及び前記低圧に関する信号は、制御ユニットによって、前記圧力操作部へと送られる、請求項17に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項19】
前記制御ユニットは、前記高圧に関する信号及び前記低圧に関する信号を、前記薬物送達コンポーネントへと送る、請求項18に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項20】
前記呼吸回路は、高圧及び低圧の前記患者の呼吸器系への送達を感知するセンサを含み、
前記センサは、高圧の送達が感知されるとき、前記治療用物質を前記患者の前記呼吸器系へと送達するよう、薬物送達部に指示し、
前記センサは、低圧が感知されるとき、前記治療用物質の、前記患者の前記呼吸器系への送達の作動を停止するよう、前記薬物送達部に指示する、
請求項13に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項21】
前記治療用物質の前記患者の前記呼吸器系への送達は、ネブライザーを使用し、
前記治療用物質は、当該治療用物質の前記患者の前記呼吸器系への送達の間、噴霧される、
請求項13に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項22】
前記治療用物質は、液体又は粉末である、請求項13に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項23】
前記治療用物質は、ガスを含み、
前記治療用物質の送達は、前記ガスの加圧された供給源と関連したバルブを作動し、それによって、前記ガスを、前記加圧された供給源から前記患者の呼吸器系へと送達することを含む、
請求項13に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。
【請求項24】
前記患者界面部はマスクを含む、請求項13に記載の患者に対してペース化呼吸及び吸入療法を一体にして供する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−532646(P2012−532646A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519084(P2012−519084)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052714
【国際公開番号】WO2011/004275
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)