説明

ホウ素含有排水の処理方法及び処理装置

【課題】多種多様な成分とホウ素とを含むホウ素含有排水からホウ素を除去する処理にあたり、より効率的で且つ汚泥発生量が少量となり、安定な処理を可能とする処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】ホウ素含有排水を、まず熱交換器11に通して冷却し、次いで、反応槽13内に導入し、その低温を保ったまま、アルミニウム化合物とカルシウム化合物とを加えることで不溶性析出物を形成し、ホウ素を不要析出物内に取りこませる。次いで、凝縮槽14及び沈殿槽15を用いて、不溶性析出物を固液分離する。アルカリ性の上澄水を中和槽16で中和して、中性の処理水とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホウ素含有排水の処理方法及び処理装置に関し、更に詳しくは、多種多様な成分とホウ素とを含有するホウ素含有排水から、ホウ素を除去して、処理水を得る処理方法及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ほうろう製造工場や、石炭火力発電所の排煙脱硫装置、ごみ焼却場洗煙装置、ニッケルめっき工場、ガラス製造工場などからの排水には、ホウ素が含まれることが知られている。ホウ素含有排水は、法規に定められた基準に従って、ホウ素濃度を所定以下に処理した後に、系外に排水することが義務づけられている。
【0003】
従来、ホウ素含有排水の処理方法として、硫酸アルミニウム等のアルミニウム化合物及び消石灰等のカルシウム化合物をその排水に加えて、pH9以上のアルカリ性溶液として、その溶液内でホウ素を反応させ、生成する不溶性析出物を分離して処理する方法が知られている。
【0004】
上記従来の処理方法において、アルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いると処理性が良くなることから、硫酸イオンに処理性改善の効果があることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、溶液中のアルミニウムイオン、カルシウムイオン、硫酸イオンについて、最適な存在比率が存在することから、最適な存在比率となるようにこれらを添加して、処理性を改善する方法も報告されている(例えば、特許文献1、2、先願(特願2006−131381号))。
【0005】
従来のホウ素含有排水の処理技術では、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、及び、硫酸イオンを含み、かつそれら3成分の濃度が変動する排水に対しては、特許文献1、2及び先願の方法を適用するのが困難であるという問題がある。このため、3成分が変動する排水の場合には、これら成分の濃度を精密かつ継続的に測定する濃度モニタリング装置を導入し、その測定結果から演算して最適な存在比率になるよう薬品を注入する必要がある。しかし、このように、特別な分析装置を導入し、またその測定結果に応じた自動薬品注入装置を導入することで、処理設備が高価になるという問題がある。
【0006】
また、従来技術のホウ素含有排水の処理技術は、処理効率が低い問題もある。例えば、前記特許文献1、2、及び、先願に記載の方法では、薬剤を大量に投入するため、産業廃棄物となる汚泥が大量に発生し、これらを除去するのに、多大の処理時間を要する。
【0007】
特許文献3には、ホウ素及びヨウ素を含有する排水を処理するにあたって、まず排水を蒸気などを用いて高温度で濃縮し、次いで、pHを調整しつつ濃縮した排水を冷却してホウ素を析出させ、その析出分を除去し、その後に、塩素を供給することでヨウ素を除去する排水処理法が記載されている。
【0008】
【非特許文献1】恵藤良弘 朝田裕之著「新規健康項目に追加されたホウ素の対策」 用水と廃水Vol.41 No.10 (1999)
【特許文献1】特開2002−233881号公報
【特許文献2】特許第3333483号公報
【特許文献3】特開2006−231325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献3に記載の処理方法は、排水を濃縮してホウ素濃度を高め、その後に冷却することで、排水のホウ素溶解度を低下させて、ホウ素を析出する手法を採用している。しかし、この方法を採用すると、濃縮工程により排水処理プロセスが複雑化し、処理費用が増大するという問題がある。
【0010】
本発明は、前記従来の処理技術が有する問題点を解決するためになされたものであって、排水を濃縮する工程を用いることなく、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、硫酸イオンなどの多種多様な成分を含むホウ素含有排水に対しても、効率的な処理が可能なホウ素含有排水の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者らは、アルミニウム化合物とカルシウム化合物とを用いるホウ素含有排水の処理について、鋭意検討を重ねた結果、処理時の温度に関する新しい知見を得た。この知見では、処理時の水温を低下させると、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、硫酸イオンの最適な存在比率の範囲が広くなるものであった。このため、処理時にホウ素含有排水を冷却することで、それら3成分の濃度を正確に測定することなく、良好な処理を可能とするものである。
【0012】
そこで、本発明のホウ素含有排水の処理方法は、上記知見に従って、ホウ素を含有する排水から少なくともホウ素を除去する処理方法において、
ホウ素を含有する排水を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程で冷却した排水にアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を添加し、且つ、アルカリ性液となるように調整する反応工程と、
前記反応工程で生成した不溶性析出物を分離して、処理水を得る固液分離工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のホウ素含有排水の処理装置は、ホウ素を含有する排水から少なくともホウ素を除去する処理装置において、
ホウ素を含有する排水を冷却する冷却装置と、
前記冷却装置で冷却した排水にアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を添加し、且つ、アルカリ性液となるように調整する反応装置と、
前記反応装置で生成した不溶性析出物を前記アルカリ性液から分離して、処理水を得る固液分離装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のホウ素含有排水の処理方法及び処理装置によれば、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、硫酸イオンを始めとした多種多様な成分を含むホウ素含有排水についても、それらの濃度比率が正確に所定の範囲内になくとも、より少ない薬剤で安定な処理が可能であり、従って、汚泥発生量も少量に抑えられるため、処理効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態例のホウ素含有排水の処理装置について、図面を参照して更に詳細に説明する。なお、実施形態例の各要素を示す符号については、理解を容易にするために、同じ機能を有する要素には同じ符号を付して示している。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施形態例に係るホウ素含有排水の処理装置を系統図で示している。処理装置10Aは、冷却工程S1に供する熱交換器11及びチーリングユニット12と、反応工程S2に供する反応槽13と、固液分離工程S3に供する凝集槽14及び沈殿槽15と、中和工程S4に供する中和槽16とを有する。本実施形態では、冷却工程S1を反応工程S2の前段に配置し、反応工程の前に、予めホウ素含有排水を冷水で冷却する例である。ホウ素含有排水は、まず冷却工程S1に供する熱交換器11に導入され、チーリングユニット12で生成された冷水と熱交換されることで冷却される。この冷却では、排水を例えば20℃以下に、より好ましくは、5〜10℃の温度範囲となるように冷却する。
【0017】
冷却工程S1を経た排水を、反応工程S2に供する反応槽13に導入し、アルミニウム化合物とカルシウム化合物とを添加し撹拌混合し、アルカリ性液となるように調整する。反応槽13では、白色の不溶性析出物が生成され、その析出物中にホウ素が吸着され、或いは、沈殿する結晶中にホウ素が取り込まれる。
【0018】
反応槽13内での反応工程S2は、処理液をpH9.5以上、より好ましくはpH12前後に調整する。カルシウム化合物が、消石灰や生石灰などのアルカリ薬剤である場合には、pH調整剤をカルシウム化合物で兼用することが可能である。一方、カルシウム化合物が塩化カルシウムなどの中性薬剤である場合には、pHを上昇させるために、苛性ソーダなどのアルカリ薬剤を併用してpHを調整する。反応槽内で、溶液の温度が上昇するおそれが場合には、その反応中の液温を冷却することが好ましい。維持する温度範囲は、例えば5〜20℃程度が好ましい。
【0019】
ホウ素含有排水は、次に固液分離工程S3に供する沈殿槽15に導入され、生成した不溶性析出物が沈殿分離することで、清澄な上澄水が得られる。図1の例では、この不溶性析出物が沈殿分離しやすいように、固液分離工程S3の前段に凝集槽14を配置し、凝集槽14内で高分子凝集剤を加えて撹拌混合し、不溶性析出物を凝集させる。沈殿槽15で析出した不溶性析出物は汚泥として回収される。凝集槽14内で高分子凝集剤を添加することにより、粒子の沈降速度が増大するため、沈殿槽15内でより短い滞留時間で固液分離を行うことが出来る。このように、本実施形態例では、固液分離工程S3に供する槽14、15を2段構成として、固液分離工程での処理効率を向上させている。
【0020】
固液分離工程S3で得られる上澄水は、アルカリ性液であることから、沈殿槽15から中和槽16に導入し、酸を加えて撹拌混合する。中和工程S4に供する中和槽16は、導入された処理水を概ね中性付近に調整する。中和槽16からは、最終的な処理水が得られ、系外に排出される。
【0021】
図2は、本発明の第2の実施形態例に係るホウ素含有排水の処理装置を示す。本実施形態の処理装置10Bは、冷却工程S1を反応工程S2の前段に配置することは第1の実施形態例と同様であり、処理水及び冷水の2種類の水を使って排水を冷却することで、第1の実施形態例と異なる。ホウ素含有排水は、まず、第1熱交換器17に導入され、処理水と熱交換されることで冷却される。排水は、続いて第1の実施形態の熱交換器と同様な機能を有する第2熱交換器11に導入され、チーリングユニット12で製造された冷水と熱交換されることで、更に冷却される。
【0022】
冷却工程S1を経た排水は、第1の実施形態例と同様に、反応工程S2、固液分離工程S13及び中和工程S14を経て、処理水となり系外に排出される。本実施形態例は、排水が高温である場合など、処理水を冷却源として活用できる場合に、特に効果的に用いられる。
【0023】
図3は本発明の第3の実施形態例に係るホウ素含有排水の処理装置を示す。本実施形態例の処理装置10Cは、冷却工程S1と反応工程S2とを同時に行う例である。反応槽18は、二重の容器13、19から構成されており、ホウ素含有排水は、反応工程S2に供する反応槽18の内側の容器13に導入し、アルミニウム化合物とカルシウム化合物とを添加して撹拌混合し、アルカリ性液となるように調整する。外側の容器19と内側の容器13との間に、チーリングユニット12で生成された冷水を導入して、反応槽18の内側容器13内に導入される排水を冷却する。
【0024】
冷却工程S1と反応工程S2とを経た排水は、第1の実施形態例と同様に、固液分離工程S13及び中和工程S14を経て、処理水となり系外に排出される。
【0025】
本実施形態例は、排水が強酸性である場合など、冷却工程S1に高効率の金属製熱交換器を採用できない場合に、特に効果的に用いられる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例及び比較例を示して上記実施形態の効果を説明する。実施例及び比較例で用いた薬剤は、アルミニウム薬剤である工業用硫酸アルミニウム溶液(Al換算8重量%)と、カルシウム化合物である消石灰乳とから成る。消石灰乳は、水酸化カルシウムCa(OH)粉末を、純水と混合し、Ca成分を50g/L(リットル)に調整したものとした。また、pH調整剤としては、工業用25%苛性ソーダ(NaOH)及び工業用35%塩酸を純水で希釈し、10重量%に調整したものを用いた。高分子凝集剤は、日本ヘルス工業(株)製高分子凝集剤(品番N−217)の粉末を純水に溶解させ、0.1重量%に調整したものを用いた。
【0027】
(比較例1)
比較例1として、冷却なしのビーカースケール実験を行った。原水としては、ホウ酸を純水に溶解させ、ホウ素濃度60mg/Lに調整した模擬排水200mLを用いた。模擬排水に、硫酸アルミニウムを、Al成分が300mg/Lとなるように加えた後、更に消石灰を、Ca成分が1,000〜3,000mg/Lの範囲となるように加え、1時間撹拌した。なお、消石灰添加によりpHは上昇するが、消石灰添加量が少ない条件ではpHが上昇しきれなかった。このため、pH12に達しなかったものは、苛性ソーダを加えてpH12としてから1時間撹拌した。その後、高分子凝集剤を5mg/Lとなるように加えて、不溶性析出物を凝集させ、撹拌を停止して30分間静置した。沈殿物と清澄な上澄水とが分離した後に、上澄水を塩酸で中和して処理水を得た。処理水中のホウ素、アルミニウム、カルシウム、硫酸イオン濃度を測定したところ、図4の結果を得た。図4は、横軸に消石灰の添加量(Ca換算でmg/L)をとり、縦軸に各成分の添加量を濃度換算で示し、また、処理水の濃度を示した。
【0028】
図4には、Al添加量、SO添加量、及び、Ca添加量と共に、処理水のAl濃度、処理水のCa濃度、処理水のSO濃度、及び、処理水のホウ素濃度が示されている。図4からは、カルシウムの添加量が1,500mg/Lのときに、処理水のホウ素濃度が極小値となること、及び、それより少なくても多くても、処理水のホウ素濃度が急激に高くなることが示されている。このグラフから、最適な消石灰添加量が非常に狭い範囲であることが分かる。なお、処理開始時の模擬排水の水温は22℃で、反応工程の終了時の水温は23℃であった。
【0029】
(実施例1)
実施例1として、本発明で採用する冷却工程の効果を確認するビーカースケール実験を行った。原水としては、比較例1と同じ模擬排水(ホウ素濃度60mg/L)を用いた。本実施例では、模擬排水を氷水で11℃に冷却したこと、及び、反応工程中の水温を11±2℃に維持したこと以外は、比較例1とほぼ同様の実験条件とした。処理水のホウ素、アルミニウム、カルシウム、硫酸イオン濃度を測定したところ、図5の結果を得た。
【0030】
図5より、1,000〜2,500mg/Lの幅広いカルシウムの添加量で処理水のホウ素濃度がほぼ一定であり、冷却することで処理性が安定化することが明らかに示された。また、処理水中のホウ素濃度のみならず、カルシウム濃度、硫酸イオン濃度も、比較例1に比して全体的に低くなっている。この結果から、原水を冷却することで、不溶性析出物の生成効率が向上したことが示されている。
【0031】
(実施例2)
金属鋳造工場からの排水について、冷却の効果を確認するビーカースケール実験を行った。排水中の成分の分析結果を表1に示した。
【表1】

【0032】
金属鋳造工程は高温で行うため、その工程からの排水は40〜45℃と高温である。従って実験は、反応工程での水温を5〜10℃、24〜25℃、30〜35℃、40〜45℃の4種類に設定して行った。
【0033】
排水200mLに、硫酸アルミニウムを、Alとして300mg/Lとなるように加えた後、塩化カルシウムを、Caとして1,500〜3,500mg/Lとなる範囲で加え、1時間撹拌した。なお、塩化カルシウムは中性の薬剤でありpHが上昇しないため、全ての実験で苛性ソーダを加えてpH12に調整した。その後、高分子凝集剤を5mg/Lとなるように加えて不溶性析出物を凝集させ、撹拌を停止して30分間静置し、沈殿物と清澄な上澄水とに分離した後、上澄水を塩酸で中和して処理水を得た。処理水温別の処理水ホウ素濃度を分析したところ、図6の結果を得た。
【0034】
図6からは、原水を冷却し反応中の水温を5〜10℃の範囲に維持した場合には、塩化カルシウムの添加濃度に拘わらず、処理水中のホウ素濃度がほぼ0に低下していること、反応中の水温を24〜25℃、30〜35℃の範囲とした場合には、処理水中のホウ素濃度が、塩化カルシウムの添加濃度に大きく依存すること、及び、反応中の水温が40〜45℃の範囲の範囲では、処理水中のホウ素濃度が低下していないことが理解できる。つまり、図6から、冷却工程の追加により処理性能が明らかに向上していることが認められる。なお、液温が24〜25℃の場合には、カルシウム濃度が2500mg/L以上では、処理水中のホウ素濃度が実質的にゼロであり、それ以上の温度に比し幾らかの改善が認められる。
【0035】
本発明が採用する原理は、ホウ素を濃縮し、次いで冷却することで、析出させる処理を用いることなく、排水にアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を添加し、冷却によって排水中にアルミニウム化合物及びカルシウムの化合物が不溶性の析出物を形成する際に、その析出物内にホウ素を取り込むことを除去の原理とするものである。つまり、本発明では、予め排水を濃縮する工程を必要とせずに、効率的にホウ素を除去することを可能にする。冷却後の水温は、20℃以下が好ましく、更に好ましくは、12℃以下である。反応中は、この水温に維持することが好ましく、特に、5℃〜12℃の範囲に水温を維持することが、排水の処理効率及び電力効率の観点から好ましい。
【0036】
以上、本発明をその好適な実施態様に基づいて説明したが、本発明のホウ素含有排水の処理方法及び装置は、上記実施態様の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施態様の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態例に係るホウ素含有排水の処理装置を示す系統図。
【図2】本発明の第2の実施形態例に係るホウ素含有排水の処理装置を示す系統図。
【図3】本発明の第3の実施形態例に係るホウ素含有排水の処理装置を示す系統図。
【図4】比較例1の処理水の分析結果を示すグラフ。
【図5】実施例1の処理水の分析結果を示すグラフ。
【図6】実施例2の処理水の分析結果を示すグラフ。
【符号の説明】
【0038】
10A、10B、10C:ホウ素含有排水の処理装置
11: 熱交換器(第2熱交換器)
12:チーリングユニット
13:反応槽(反応槽内側容器)
14:凝集槽
15:沈殿槽
16:中和槽
17:第1熱交換器
18:二重反応槽
19:反応槽外部容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホウ素を含有する排水から少なくともホウ素を除去する処理方法において、
ホウ素を含有する排水を冷却する冷却工程と、
前記冷却された排水にアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を添加し、且つ、アルカリ性液となるように調整する反応工程と、
前記反応工程で生成した不溶性析出物を分離して、処理水を得る固液分離工程と、を有することを特徴とするホウ素含有排水の処理方法。
【請求項2】
前記冷却工程では、前記ホウ素を含有する排水を20℃以下に冷却する、請求項1に記載のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項3】
前記冷却工程では、前記ホウ素を含有する排水を12℃以下に冷却する、請求項1に記載のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項4】
前記反応工程では、反応中の水温を5〜12℃の範囲に維持する、請求項3に記載のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項5】
前記冷却工程は、前記処理水と前記ホウ素を含有する排水とを熱交換させる工程を含む、請求項1〜4の何れか一に記載のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項6】
ホウ素を含有する排水から少なくともホウ素を除去する処理装置において、
ホウ素を含有する排水を冷却する冷却装置と、
前記冷却装置で冷却した排水にアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を添加し、且つ、アルカリ性液となるように調整する反応装置と、
前記反応装置で生成した不溶性析出物を前記アルカリ性液から分離して、処理水を得る固液分離装置と、を備えることを特徴とするホウ素含有排水の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−95810(P2009−95810A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272437(P2007−272437)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(390013262)NECファシリティーズ株式会社 (15)
【Fターム(参考)】