説明

ホース用継手

【課題】故障に対する回復力がより強く、かつリールに繰り返し引き上げられることのような過酷な使用条件の下でより長い耐用年数を有する大口径補強ホース用の継手を提供すること。
【解決手段】大口径ホース用の継手であって、大口径ホース2の端部に嵌るようになっており、該ホースの端部より内側に位置するようにされた後端部4を有し、かつ該ホースの軸方向端部を越えて延びるようにされた外側端部6を有する管状体3を含む継手において、管状体3に固定された少なくとも1つの、ホースのカーカスアンカー9をさらに含み、カーカスアンカー9は、該ホースのカーカス10および/または該カーカスの耐荷重延長部がカーカスアンカー9を通過して延び、および/またはカーカスアンカー9の周囲に延びるように構成された継手である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補強された大口径ホース用の継手に関する。
【背景技術】
【0002】
大口径補強ホースは、広範囲の用途に利用することができる。現在世界でますます重要になりつつある大口径補強ホースの1つの重要な用途は、オイルタンカーおよび浮遊式生産貯蔵出荷設備(FPSO)における積み込み・積み出しである。このようなホースは、内径が5cm以上であり、通常、内径が20cmから60cmの範囲である。海洋用途用のこのようなホースはまた、通常、水面を浮遊するように十分な浮力をホースに与えるように浮遊媒体を含むように構成される。海洋用途用のホースは通常、海水で満たされたときに、10%から40%の範囲の残留浮力を有する。顧客からは、少なくとも20%の残留浮力が要求されることが多い。膨大な埋蔵量の石油が、北海、メキシコ湾、ブラジル沖、カリフォルニア沖を含め、世界の多くの場所で海底に位置しているため、大口径補強ホースの需要が増大している。
【0003】
海上で原油をFPSOからシャトルタンカーに移送するのは、船舶間の相対的な移動が長期間にわたって継続するため極めてきつい作業である。海上での高波、強風、暴風雨のような悪天候条件のとき、この作業はずっと困難になる。フローティングホースは通常、FPSOの船首および/または船尾からシャトルタンカーまで延びる。現代のシャトルタンカーは、原油を積み込むための船首マニフォルドを有することがあるが、多くの従来のシャトルタンカーは、油負荷を取り込むための船体中央部マニフォルドから成る積み込み装置を有する。このため、FPSO船舶からシャトルタンカー上の船体中央部マニフォルドまでの比較的長い積み込みホースが必要になる。船舶間、すなわち、FPSOの船尾とシャトルタンカーの船首との間の離隔距離は一般に、約50mから200mであり、フローティングホースを延ばす長さは通常、約150mから300mの間である。
【0004】
フローティングホースを石油を移送するのに使用しないときは、タンカーから取り外した後で水上に浮遊させておくことができる。しかし、フローティングホースを水上に残すような場合、フローティングホースは、船舶、海洋生物との衝突、または暴風雨時の波の移動によって損傷を受ける可能性がある。いずれの場合も、連続的な波の作用のためにホースの摩耗が生じる。このため、浮力の喪失および/または一次カーカス故障が起こることがあり、時間の経過とともにホースが沈み始める可能性がある。
【0005】
あるいは、フローティングホースが原油をシャトルタンカーに積み出すのに再び必要になるまでフローティングホースをFPSO上に巻き上げて格納しておくことができる。これは、レンチを使用してフローティングホースをリールに引き上げることによって行うことができる。これによって、ホースが波にさらされることが無くなり、それに伴う固有の摩耗から保護される。さらに、ホースが海上を浮遊しているときに船舶に衝突するおそれも無くなる。しかし、ホースをリールに引き上げると、ホースのそれぞれの異なる部分を連結する継手が極めて高い応力を受ける。継手がリールに引き上げられる位置では、継手は特に高い応力および圧縮力を受ける。時間の経過とともに、これらの力によって、ホースは、継手に取り付けられている位置またはその近くで故障する。いずれの場合も、大口径補強ホースはその継手の所で故障しがちである。このことは、カターナリー用途および深海海中用途で大きな引っ張り荷重が生じた場合にもあてはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、より弾力が強い大口径補強ホース用の継手であって、より耐久性が高く、かつリールに繰り返し引き上げることができ、かつ高い張力および曲げ荷重に対する回復力が強いホースに組み込むことのできる継手が必要である。したがって、故障に対する回復力がより強く、かつリールに繰り返し引き上げられることのような過酷な使用条件の下でより長い耐用年数を有する大口径補強ホース用の継手を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のホース継手を使用して大口径補強ホースの各部を連結し、損傷に対する各部の抵抗力を高め、かつ耐用年数を延ばすことができる。このような継手は、ほぼあらゆる補強ホースと一緒に使用することができ、リールに巻き取るときに生じるような軸方向の力および曲げ力を受けることによって損傷する傾向のあるホースと一緒に使用すると特に有益である。特に、本発明の継手を利用したホースは、通常の使用時に通常生じる力によって損傷するかまたは破壊されることが少ない。これによって、そのような継手を含む本発明のホースの耐用年数が延びる。
【0008】
本発明は、具体的には、大口径ホース用の継手であって、大口径ホースの端部の中へ嵌まるようになっており、該ホースの端部より内側に位置するようにされた後端部を有し、かつ該ホースの軸方向端部を越えて延びるようにされた外側端部を有する管状体と、管状体に固定された少なくとも1つの、ホースのカーカスアンカーとを有する継手において、該カーカスアンカーは、該ホースのカーカスおよび/または該カーカスの耐荷重延長部が該カーカスアンカーを通過して延び、および/または該カーカスアンカーの周囲に延びるように構成されている継手を開示する。
【0009】
本発明はさらに、大口径ホース用の継手であって、大口径ホースの端部に嵌るようになっており、該ホースの端部より内側に位置するようにされた後端部を有し、かつ該ホースの軸方向端部を越えて延びるようにされた外側端部を有し、外側表面が、軸方向に間隔を置いて配置された複数の保持ビードを備える管状体と、最後の保持ビード上の位置または最後の保持ビードより外側で管状体の外側端部に近い位置で管状体に結合された少なくとも1つの、カーカスアンカーとを有する継手において、該カーカスアンカーが、ホースのカーカスおよび/またはカーカスの耐荷重延長部がカーカスアンカーを通過して延びるとともにカーカスアンカーの周囲に延びるように構成されている継手を開示する。
【0010】
本発明はさらに、少なくとも1つの補強層を有する補強ホースと、該ホースの少なくとも一端に位置する継手とを有するホース組立体であって、継手が、大口径ホースの端部に嵌るようになっており、該ホースの端部より内側に位置するようにされた後端部を有し、かつ該ホースの軸方向端部を越えて延びるようにされた外側端部を有する管状体と、管状体に固定された少なくとも1つの、ホースカーカスアンカーとを有するホース組立体において、ホースのカーカスおよび/またはホースのカーカスの耐荷重延長部がカーカスアンカーを通過して延び、および/またはカーカスアンカーの周囲に延びているホース組立体を開示する。
【0011】
本発明はさらに、少なくとも1つの補強層を有する補強ホースと、該ホースの少なくとも一端に位置する継手とを有するホース組立体であって、継手が、大口径ホースの端部に嵌るようになっており、該ホースの端部より内側に位置するようにされた後端部を有し、かつ該ホースの軸方向端部を越えて延びるようにされた外側端部を有し、外側表面が、軸方向に間隔を置いて配置された複数の保持ビードを備える管状体と、最後の保持ビード上の位置または最後の保持ビードより外側で管状体の外側端部に近い位置で管状体に結合された少なくとも1つの、カーカスアンカーとを有するホース組立体において、ホースのカーカスおよび/またはホースのカーカスの耐荷重延長部がカーカスアンカーを通過して延びるとともにカーカスアンカーの周囲に延びているホース組立体を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ホースの端部に取り付けられた本発明の継手の断面図である。
【図2】織物によって取り付けリングに固定されたホースヘリックスの図である。
【図3】リングへの第2の1組の主補強部材の固定を示す第1の図である。
【図4】リングへの第2の1組の主補強部材の固定を示す第2の図である。
【図4a】一連の固定織物が、製造プロセスにおいて折り返されホースのカーカス内に硬化される前に継手の一連の長穴を通って延びるように示されている、図4に示された本発明の実施形態を示す図である。
【図5】継手の管状体から半径方向に延びる複数のピンであるカーカスアンカーを有する継手を示す図である。
【図6】継手の管状体から半径方向に延びる複数のピンであるカーカスアンカーを有し、カーカスおよび補強織物がカーカスアンカーを通過して延びるとともにカーカスアンカーの周囲に延びている継手を示す断面図である。
【図7】スチールケーブルによってフィッティングに固定された固定へリックスを有する継手を示す第1の図である。
【図8】固定ヘリックスがスチールケーブルによってフィッティングに固定された継手を示す第2の図である。
【図9】固定ヘリックスがスチールケーブルによってフィッティングに固定された継手を示す第3の図である。
【図10】スチールバーによってフィッティングに固定された固定ヘリックスを示す第1の図である。
【図11】スチールバーによってフィッティングに固定された固定ヘリックスを示す第2の図である。
【図12】チェーンによって取り付けリングに固定された固定ヘリックスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の継手は、広範囲の様々な目的向けに構成された複数の異なるサイズを有するホースと一緒に使用すると有益である。しかし、本発明の継手は、洋上での原油および他の液体の移送(タンカーへの原油の積み込みおよびタンカーからの原油の積み降ろし)、カテナリーシステム、および深海海中用途で使用されるフローティングホースのような、内径が少なくとも5cmであり、通常、内径が20cmから60cmの範囲にあり、外径が約40cmから約100cmの範囲内の大口径ホースと一緒に使用すると特に有益である。
【0014】
本発明の継手は、内側面および外側面を備えたカーカスと、ホースのカーカスを囲む浮遊媒体と、外側カバーとを有するフローティングホースと一緒に使用することができる。本発明の継手は、海底用途にあるいはカテナリーシステムとして浮遊するように構成された単一のカーカスホースで使用することもできる。この種のフローティングホースは通常、内径が約30cmから60cmの範囲内にあり、外径が約40cmから約100cmの範囲内にある。たとえば、この種の多くの商業的なフローティングホースは、内径が50cm(20インチ)であり外径が95cm(38インチ)である。
【0015】
カーカスは、管状であり、通常、端部フィッティングを備えた海中用ベースホースで構成される。ホースのカーカスは、通常、数層の独立発泡体で構成された浮遊媒体で囲まれている。独立発泡体は、ポリウレタン発泡体などの高分子発泡体の複数の層であってよい。浮遊媒体は、フローティングホース1に海水が満たされたときに10%から40%の範囲内の残留浮力をフローティングホース1に与えるのに十分な密度および総容積を有する。フローティングホースは、より典型的には、フローティングホースが海水で満たされたときに15%から35%の範囲内の残留浮力を有する。たいていの場合、フローティングホースは、フローティングホースが海水で満たされたときに約25%の残留浮力を有する。実際、多くの仕様では、少なくとも20%の残留浮力が要求されている。
【0016】
フローティングホースは、カーカスを含んでおり、任意に、より高い性能レベルおよびより優れた耐久性を実現するために第2のカーカスを含んでよい。ホースのカーカスは通常、ナイロンやポリエステルなどの高分子織物、および/または鋼補強物で補強可能な、加硫されたゴムで構成される。たとえば、ホースのカーカスは、Kevlar(登録商標)のアラミド繊維で補強することができる。ホースのカーカスは通常、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリネオプレンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム(EPDM)、またはそれらの混合物などの、加硫されたゴムで構成される。ホースのカーカスはまた、通常1つまたは2つ以上の複数のライナを有する。所望のレベルの耐化学性を与えるために、このようなライナは一般にニトリルゴムで構成される。優れた耐熱性、耐油性、および耐化学性を実現するために、Viton(登録商標)などのフルオロエラストマをライナの製造に使用することができる。
【0017】
浮遊媒体は、複数層の独立発泡体でホースのカーカスの周りを覆うことによって設けることができる。カーカスと浮遊媒体との間に薄いゴム層を位置させることが好ましい。浮遊媒体の厚さは通常、約6cmから約18cmである。言い換えれば、浮遊媒体は、カーカスから外側に約6cmから18cmの範囲で延びている。浮遊媒体の厚さは、約10cmから15cmであることが好ましく、約12cmから約14cmであることが最も好ましい。
【0018】
浮遊媒体は、外側をホースの外側カバーで囲まれている。外側カバーは通常、ゴムカバーを備えた織物ブレーカ(織物で補強されたゴムカバー)で構成される。外側カバーは任意に、ポリウレタンコーティングを含んでよい。いずれの場合も、外側カバーは、浮遊媒体を含み、かつ水による損傷および環境条件から浮遊媒体を保護するように構成される。
【0019】
図1は、ホース組立体1を形成するようにホースの端部に取り付けられた本発明の継手を示している。この図では、ホース2は、ホース組立体1を形成するようにホース継手と一緒に使用される。継手は、管状体3と、後端部4と、外側端部6と、第1の保持ビード7と、第2の保持ビード8と、カーカスアンカー9とを含む。このような継手は、必要に応じて2つより多くの保持ビードを含んでいてもよい。一方、用途によっては、継手が保持ビードを含まないか、または単一の保持ビードしか含まないことが望ましい場合がある。図1に示されている本発明の実施形態では、カーカス10および補強織物を含むホース5の端部は、カーカスアンカー9の周囲に延びるとともにカーカスアンカー9を通過して延びている。カーカスアンカー9は、管状体3から半径方向に延びる一連のピンであってよい。ここでは、ピンという用語は、継手の管状体から半径方向外側に延びるボルト、ロッド、またはバーを含むものをいう。カーカスアンカー9は、管状体から外側に延びる複数のロッドまたはプレートによって管状体に固定されたリングであってもよい。本発明の他の実施形態では、カーカスアンカー9は、直接継手に取り付けられたり、ホースのカーカス内に延びたりする、鋼線またはケーブルなどの金属線またはケーブルで形成される。たいていの場合、補強織物および/またはコードのような、ホースのカーカス内の補強部材は、カーカスアンカーを通過して延び、および/またはカーカスアンカーの周囲に延びる。
【0020】
図2は、織物によって取り付けリングに固定されたホースヘリックスを示している。この図では、固定織物11は、取り付けリングを通過して延びるとともに取り付けリング12の周囲に延びており、カーカスの周りをらせん状に覆うホースのヘリックスワイヤ13をホースの管状体に固定している。継手のフランジ14は、従来のフランジであり、ヘリックスワイヤ13を通過して編み込まれるとともにヘリックスワイヤ13の周りに編み込まれた固定織物11を介してホースのカーカス16に固定されたフィッティング15によって、複数のホースを連結するのに使用される。したがって、図2は、固定織物11が、この場合のカーカスアンカーである取り付けリング12を通過して延びるとともに取り付けリング12の周囲に延びる耐荷重延長部として使用される本発明の一実施形態を示している。
【0021】
図3は、本体補強部材17が、ホースの全長にわたって延びる主補強部材である織物19によって取り付けリング18に固定される他の固定機構を示している。この図では、織物19は、取り付けリング18を通過して延びるとともに取り付けリング18の周囲に延びており、カーカスの周りをらせん状に覆う本体補強部材17をホースの管状体20に固定している。継手のフランジ21は、従来のフランジであり、本体補強部材17または本体補強部材17の一部に取り付けられた固定織物19を介してホースのカーカスに固定されたフィッティング22によって、複数のホースを連結するのに使用することができる。したがって、図3は、固定織物19が、この場合のカーカスアンカーである取り付けリング18を通過して延びるとともに取り付けリング18の周囲に延びる耐荷重延長部として使用される本発明の一実施形態を示している。図4は、補助織物ストリップ23が本体補強部材17を固定するのに使用される他の実施形態を示している。本発明のこの実施形態では、補助織物ストリップは、任意の長さであってよく、必ずしもホースの全長にわたって延びるわけではない。図4aは、図4に示されている、織物ストリップ23が継手保持リング49の一連の長穴48を通って延びている実施形態の他の図である。図4aに示されている例は、図4に示されているように織物ストリップが折り返されホースのカーカス内に硬化される前の製造プロセスの一ステップにおける継手を示している。織物ストリップが、任意にヘリックスワイヤの周りを覆うか、または単に折り返されホースの本体内に硬化することができることに留意されたい。
【0022】
図5は、ホースを他のホースセグメントに取り付けるようになっているフランジ26を含む継手24の管状体26から半径方向に延びる複数のピン25から成るカーカスアンカーを有する継手24を示している。図6は、図5に示され継手が取り付けられた大口径ホース用の継手を示している。本発明のこの実施形態では、継手27の本体は、半径方向に固定された複数のピン25を有し、補強織物28がピン25の周りを覆い、かつ結束線29によって固定されている。ヘリックスワイヤ30は、ピン25を越えてホース31のフランジ端部に近い位置に配置されており、ホースのカーカスを継手にさらに固定している。
【0023】
図7は、本発明の一実施形態による継手を有する大口径ホースを示している。本発明のこの実施形態では、継手32は、ヘリックスワイヤ35を通過して編み込まれかつ継手32に固定された固定ワイヤ34を介して、ホースのカーカス33に固定されている。この実施形態では、固定ワイヤ34は、ホースのカーカスのビード36の上方を延びている。図8は、固定ワイヤ34を継手32に固定する特定の実施形態を示している。この特定の実施形態では、固定ワイヤ34は、継手32の一連の穴37(この図には1つの穴しか示されていない)を通って延びており、折り返され、固定装置38によって固定されている。通常、一連の固定ワイヤが、継手の複数の穴を通過させられることによって継手に固定される。図9は、確実な結合手段(溶接部など)を介して継手36に固定された管39に固定ワイヤ34を通過させることを含む、固定ワイヤ34を継手36に固定する他の手段を示している。通常、継手への複数の固定ワイヤの固定を容易にするために一連の管セグメント39が継手に取り付けられる。本発明のこの実施形態を見ると分かるように、固定ワイヤ34は前述のようにヘリックスワイヤ35を通して編み込まれる。
【0024】
図10および図11は、本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、一連のスチールストリップ40が溶接のような有効な手段によって継手41にしっかりと固定されている。スチールストリップ40は、ビード42およびホースの他の構造上の凹凸に整合するように形成されている。スチールストリップは、一連の溶接部のような何らかの有効な取り付け手段によってヘリックスワイヤ43に固定されている。
【0025】
図12は、本発明の他の実施形態を示している。図12は、ホースの本体を除いた継手44を示している。本発明のこの実施形態では、一連のチェーンリンク45で構成されたスチールチェーンがカーカスアンカーとして使用される。チェーンは、溶接によるかまたは継手の一連の穴を通過させることによって継手44に取り付けられる。チェーンリンクは次に、ヘリックスワイヤ46をチェーンリンク45に通過させることによってホースのカーカス(不図示)に固定される。継手44はもちろん、ホースを流体入口または出口あるいは他のホースに取り付ける従来のフランジ47を含んでいる。
【0026】
本発明の要点は、ホースのカーカスまたはカーカスの耐荷重延長部がアンカーを通過して延びるとともにアンカーの周囲に延びるのを可能にするアンカーを含む継手を提供することである。これによって、引っ張り荷重に伴う応力を、従来技術の継手構成のようにホースと継手の管状体との間の接触面によってではなくカーカスアンカーによって直接継手に伝達することができる。カーカスアンカーは通常、ホース内を、第1の保持ビードの後方のセメントラインに達しない位置まで延びる。多くの場合、カーカスアンカーは、ホース内を第1の保持ビードに達しない位置まで延びる。
【0027】
本発明の一実施形態では、カーカスアンカーは、管状体から半径方向に延びる複数のピンである。本発明の他の実施形態では、カーカスアンカーは、管状体から外側に延びる複数のロッドまたはプレートによって管状体に固定されたリングである。管状体の外側表面は、少なくとも1つの保持ビードを備える。たとえば、管状体の外側表面は、2つの保持ビード、または軸方向に間隔を置いて配置された複数の保持ビードを含んでよい。カーカスアンカーは、保持ビード上の位置または保持ビードから外側で管状体の外側端部に近い位置で管状体に結合されている。
【0028】
ホースのカーカスの補強織物は、カーカスアンカーを通過して延び、および/またはカーカスアンカーの周囲に延びることができる。本発明の一実施形態では、カーカスアンカーは、管状体から半径方向に延びる複数のピンである。本発明の他の実施形態では、カーカスアンカーは、管状体から外側に延びる複数のロッドまたはプレートによって管状体に固定されたリングである。通常、ホース組立体は、長手方向支持体の空隙である。カーカスワイヤは、継手に直接取り付けられた、鋼線またはケーブルなどの金属線または金属ケーブルであってよい。
【0029】
管状体の外側表面は通常、少なくとも1つの保持ビードを備えており、少なくとも2つの保持ビードを含んでよい。場合によっては、継手の管状体の外側表面が、軸方向に間隔を置いて配置された複数の保持ビードを含んでいることが望ましい。カーカスアンカーは通常、第1の保持ビードから外側の、ホースの端部の近くに位置する。たとえば、カーカスアンカーは、第1の保持ビードの後方のセメントラインから外側の、ホースの端部の近くに位置する。通常、カーカスアンカーは、最後の保持ビード上の位置または最後の保持ビードから外側で管状体の外側端部に近い位置で管状体に結合されている。
【0030】
本発明を例示するためにある代表的な実施形態および詳細を示したが、当業者には、本発明の範囲から逸脱せずに実施形態および詳細に様々な変更および修正を施せることが明らかになろう。
【符号の説明】
【0031】
1 ホース組立体
2 ホース
3 管状体
4 後端部
6 外側端部
7 第1の保持ビード(ホースの接続に対して最初の保持ビード)
8 第2の保持ビード(ホースの接続に対して最後の保持ビード)
9 カーカスアンカー
10 ホースのカーカス
11 固定織物
12 取り付けリング
13 ヘリックスワイヤ
14 フランジ
15 フィッティング
16 カーカス
17 本体補強部材
18 取り付けリング
19 織物
20 管状体
21 フランジ
22 フィッティング
23 補助織物ストリップ
24 継手
25 ピン
26 管状体
27 継手
28 補強織物
29 結束線
30 ヘリックスワイヤ
31 ホース
32 継手
33 カーカス
34 固定ワイヤ
35 ヘリックスワイヤ
36 継手
37 穴
38 固定装置
39 管
40 スチールストリップ
42 ビード
43 ヘリックスワイヤ
44 継手
45 チェーンリンク
46 ヘリックスワイヤ
47 フランジ
48 長穴
49 継手保持リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大口径ホース用の継手であって、前記大口径ホースの端部の中へ嵌まるようになっており、該ホースの前記端部より内側に位置するようにされた後端部と、該ホースの軸方向端部を越えて延びるようにされた外側端部とを有する管状体を含む継手において、
前記管状体に固定された少なくとも1つの、ホースのカーカスアンカーをさらに含み、該カーカスアンカーは、該ホースのカーカスおよび/または該カーカスの耐荷重延長部が該カーカスアンカーを通過して延び、および/または該カーカスアンカーの周囲に延びるように構成されていることを特徴とする継手。
【請求項2】
前記カーカスアンカーは、前記管状体から外側に延びる複数のロッドまたはプレートによって前記管状体に固定されたリングである、請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記管状体の外側表面は、少なくとも1つの保持ビードを備える、請求項2に記載の継手。
【請求項4】
前記カーカスアンカーは、前記保持ビード上の位置または前記保持ビードから外側で前記管状体の外側端部に近い位置で前記管状体に結合されている、請求項3に記載の継手。
【請求項5】
少なくとも1つの補強層を有する補強ホースと、
該ホースの少なくとも一方の端部に位置する請求項1に記載の継手と、を含むことを特徴とするホース組立体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−43235(P2011−43235A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184095(P2010−184095)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(507375203)ヴェーヤンス テクノロジーズ、 インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】Veyance Technologies, Inc.