説明

ホームページ管理システムおよびその実現情報記録媒体

【課題】 ホームページ管理システムに関し、公開用に作成された連係する各種のホームページ関連データの統一管理を自動化する。
【解決手段】 表形式のホームページ管理テーブルと、構成管理手段と、自動更新制御手段とを設ける。ホームページ管理テーブルには、インターネットなどのコンピュータ・ネットワーク上での公開用に作成した連係する各種ホームページ関連データごとに、実際に公開すべき有効期間の設定値を保持させる。構成管理手段には、ホームページ管理テーブルにおける各々の有効期間の設定値の整合性をチェックさせ、所定の調整条件に抵触するホームページ関連データの複製とホームページ管理テーブルの調整とを実行させる。自動更新制御手段には、構成管理手段により調整されたホームページ管理テーブルに基づき、実際に公開されるホームページを自動更新させる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホームページ管理システムおよびその実現情報記録媒体に係り、特に、インターネット上で公開されるホームページの管理を自動化するホームページ管理システムおよびその実現情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、「インターネット」と通称されるワールド・ワイドなコンピュータ・ネットワークが広く一般に知られるようになった。これに伴い、インターネットに接続されたコンピュータ・システムである「サーバ」上に「ホームページ」と通称される情報群を設け、全世界に向けて製品案内や個人的意見などの様々な情報を公開しようとする企業や個人が急激に増加している。元来、「ホームページ」とは、インターネット上のWWW(World Wide Web)サイトから得られるHTML( HyperText Markup Language)で記述されたHTMLテキストファイルを所定のブラウザによって表示させたときの最初の「ページ」のことであったが、これから転じて、上述したHTMLテキストファイルの他、関連付けられた他の画像ファイルや音声ファイルなどの一連の情報の集合体を指すようになった。最近では、こうしたホームページを簡単に作成可能とする各種ツール類も提供されているため、一企業あるいは一個人によって公開されるホームページに含まれる情報量はますます増大する傾向にある。
【0003】ところで、一度作成したホームページは日時の経過とともに陳腐化してしまうことから、少しずつ更新していく必要がある。そして、ホームページを常に最新状態に維持するための管理作業では、ホームページの構成要素データである画像ファイルまたは音声ファイルの更新や一部のページの更新・追加などに加えて、リンク先の他のページや画像ファイルまたは音声ファイルについても、常に同期をとりながら正しく更新していくなど各種の作業が必要となる。しかしながら、相互に連係している多数のファイルの内容をその都度確認しながらこのような作業を日常的に行っていくのはかなり煩雑である。そこで、ホームページの管理作業を支援するための技術が必要となる。
【0004】従来より、特公平6−77237号公報記載の「電子ファイル装置」が公知となっている。「電子ファイル装置」は、ファイルの内容とともに記録されている登録年月日および保存年限に基づいて自動的に不要ファイルの検出および削除を行うものであり、これをホームページの管理作業に対して適用することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術はファイルの自動削除についてしか言及せず、新たなファイルの登録や既存のファイルの更新には触れていない。さらに、後述するバージョン情報/ページ情報/構成要素データなどの階層構造が考慮された処理についても全く触れていない。すなわち、上記従来技術には、世代管理される一連のページ群(バージョン情報)やその中の各ページ(ページ情報)、ページに含まれる画像ファイルなど(構成要素データ)のそれぞれについて個別の有効期間を設定しておく手段はなく、また、それらの有効期間の整合性をチェックして調整したり、新たな構成要素データの追加登録も含む自動更新を行うといった手段も設けられていなかったことから、ホームページの管理について次のような問題点があった。
【0006】■基本的に、バージョン情報/ページ情報/構成要素データの各々について、ユーザが個別の有効期間を設定しておくことができない。また、手動で設定できるようにしても、システム側でチェックやガイド表示を行うわけではないので、相互に連係している他のあらゆる有効期間についてユーザが常に把握しておかなければならない。
■1つのページが有効期間の異なる複数のバージョンに属する場合や、1つの構成要素データが有効期間の異なる複数のページに属する場合、各々の有効期間の整合性のチェックや調整を間違いなく行うのは容易でない。
■バージョン情報/ページ情報/構成要素データの各々についてユーザが個別の有効期間を手動設定するとしても、インターネット上で実際に公開されるホームページやその中の画像ファイルなどの構成要素データを上記有効期間に基づいて間違いなく追加登録したり置き換えたりするのは容易でない。
【0007】したがって本発明の目的は、上記の問題点を解決して、バージョン情報/ページ情報/構成要素データの各々について個別に設定される有効期間の整合性のチェックおよび調整と実際に公開されるホームページの更新とを容易に行うことが可能なホームページ管理システムおよびその実現情報記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明のホームページ管理システムは、コンピュータ・ネットワーク上で公開されるホームページのために作成された相互に連係する各種のホームページ関連データを統一的に管理するホームページ管理システムにおいて、前記ホームページとして実際に公開すべき有効期間の設定値を前記ホームページ関連データごとに保持するホームページ管理テーブルと、前記ホームページ管理テーブルにおける前記ホームページ関連データごとの前記有効期間の設定値の整合性をチェックして、所定の調整条件に抵触するホームページ関連データがあったとき、そのホームページ関連データの複製と前記ホームページ管理テーブルの調整とを行う構成管理手段と、前記構成管理手段により調整された前記ホームページ管理テーブルに基づき、前記ホームページの自動更新を行う自動更新制御手段とを設けたものである。
【0009】これにより、与えられたホームページ関連データ(バージョン情報/ページ情報/構成要素データ)の各々について、ホームページ管理テーブルに設定された有効期間の整合性が自動的にチェックされた後、調整条件に抵触するホームページ関連データがあれば、そのホームページ関連データが適宜複製されるとともにホームページ管理テーブルが調整され、このホームページ管理テーブルに基づいて実際に公開されるホームページが自動更新される。
【0010】また、本発明のホームページ管理システムの実現情報記録媒体は、前記構成管理手段を実現させる第1のプログラム関連ファイル群と、前記自動更新制御手段を実現させる第2のプログラム関連ファイル群とを記録したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のホームページ管理システムの実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明のホームページ管理システムの一実施形態の基本構成を示すブロック図であって、11はホームページ管理テーブル、12はホームページ関連データ格納部、13は構成管理手段、14は自動更新制御手段である。同図中、ホームページ管理テーブル11は、ホームページを構成する各ページのレイアウトなどの形式的な構成情報を定義したページ情報と、各ページに属する実体的な画像ファイルや音声ファイルなどの構成要素データと、連係している複数のページをグループ化して世代管理するためのバージョン情報とを表形式で定義したものであり、バージョン情報/ページ情報/構成要素データのそれぞれに対して、インターネット上で公開すべき有効期間(公開開始日〜公開終了日)が個別に設定される。本実施形態の主要部分である構成管理手段13は、ホームページ管理テーブル11から上述したバージョン情報/ページ情報/構成要素データの各々について定義された有効期間の設定値を取り込み、すべてのバージョン情報/ページ情報/構成要素データ間の包含関係が相互に整合性を持つものとなるよう、あらかじめ定められた有効期間の調整規則にしたがってそれぞれの有効期間の設定値を調整する。そして、いずれかのページ情報あるいは構成要素データの有効期間の設定値がバージョン情報の設定値を逸脱してしまった場合には、同一内容のページ情報や構成要素データを複製してからその各々に該当するバージョン情報に合わせた有効期間の再設定を行う。自動更新制御手段14は、上述した有効期間の再設定が行われた直後のホームページ管理テーブル11を参照して、バージョン情報/ページ情報/構成要素データの各々に設定されている有効期間を取り込み、これらの有効期間に基づき、実際にインターネット上で公開するページ情報や構成要素データなどのホームページ関連データ格納部12における自動登録・更新・削除を行う。
【0013】図2は、図1のホームページ管理システムの処理対象となるホームページ関連データ間の連係の一具体例を概念的に示す図であり、21および22はそれぞれバージョンを表すグループ枠、23〜27はそれぞれページを表すグループ枠、231,232,262は画像ファイル、251は音声ファイル、261は動画ファイルである。同図中、“ Version 1”(符号21)は“Home”(符号23)と“Page 1”(符号24)と“Page 2”(符号25)の3種類のページから構成され、“ Version 2”(符号22)は“Home”(符号26)と“Page 2”(符号25)と“Page 3”(符号27)の3種類のページから構成される。また、“Home”(符号23)には画像ファイルの“ Image 1”(符号231)および“ Image 2”(符号232)が属し、“Page 2”(符号25)には音声ファイルの“ Voice 1”(符号251)が属し、“Page 3”(符号27)には音声ファイルの“Voice 1”(符号251)と画像ファイルの“ Image 2”(符号262)が属し、“Home”(符号26)には動画ファイルの“ Video 1”(符号261)が属する構成である。なお、“Page 2”(符号25)については同一内容のものが“ Version 1”(符号21)および“ Version 2”(符号22)のいずれにも含まれているが、“Home”(符号23)および“Home”(符号26)については、“ Version 1”(符号21)と“ Version 2”(符号22)とにそれぞれ内容の異なるものが含まれているものとする。また、“Home”(符号26)および“Page 3”(符号27)に属している“ Image 2”(符号262)は同一内容のものであるが、“Home”(符号23)に属している“ Image 2”(符号262)の内容とは異なっている。また、“Page 2”(符号25)および“Page 3”(符号27)に属している“ Video 1”(符号261)は同一内容のものである。
【0014】図3および図4は、図1のホームページ管理システムの処理対象となるホームページ関連データ間の連係を定義したホームページ管理テーブルの一例を示す図であって、図3は構成管理手段13による調整前のホームページ管理テーブルの内容を、図4は構成管理手段13による調整後のホームページ管理テーブルの内容を、それぞれ表す。
【0015】図3において、項目31はバージョン情報/ページ情報/構成要素データを互いに区別する固有の対象実体名、項目32は該当する対象実体がバージョン情報/ページ情報/構成要素データのいずれであるかの種別、項目33は対象実体ごとに設定したインターネット上での有効期間、項目34は該当する対象実体の種別が構成要素データであったときその属するすべてのページ情報を示す所属ページ、項目35は該当する対象実体の種別がページ情報または構成要素データであったときその属するすべてのバージョン情報を示す所属バージョン、項目36は該当する対象実体が格納されているディレクトリ位置およびファイル名、項目37は該当する対象実体と所属バージョン35の各々について設定された有効期間33の整合性チェックの有無を示すチェックフラグ、項目38は有効期間33に基づくホームページの登録更新を行ったか否かを示す登録フラグである。また、3a〜3lは、それぞれ具体的なテーブルデータである。
【0016】本実施形態において、上述した対象実体名31におけるピリオド“.”の後に記載した3文字の拡張子は、該当するファイルの種別を表す。例えば、“.htm”はページ情報であることを、“.snd”は音声ファイルであることを、それぞれ表している。また、拡張子の直前に付した“@1”などは、さらにその前に記載した文字列と同一名のファイルを更新して得たものであることを表す。例えば、テーブルデータ3iにおける対象実体名“Home@1.htm”は、テーブルデータ3aにおける対象実体名“Home.htm”を更新して得たものであり、テーブルデータ3kにおける対象実体名31“Image2@1.jpg”は、テーブルデータ3cにおける対象実体名“Image2.jpg”を更新して得たものである。そして、さらに“Home.htm”を更新した場合、その名称は“Home@2.htm”とする。ただし、以上の説明は、同一名のファイルを別のディレクトリに保存する場合に限られ、更新したファイルを同一のディレクトリに保存する場合には、同一のテーブルデータを書き換えることとする。図3では、対象実体名“Home.htm”および“Home@1.htm”に対応するファイル名はいずれも“Home.htm”であるが、対象実体名“Home.htm”に対応するファイルはディレクトリ位置“ /Ver1”に、対象実体名“Home@1.htm”に対応するファイルはディレクトリ位置“ /Ver2”に、それぞれ保存されている。
【0017】本実施形態は、図3に示したような重複部分のあるホームページ管理テーブルを調整するときの前提条件および調整規則を以下のように定める。
【0018】前提条件および調整規則■あるバージョン情報を削除しようとする場合、そのバージョンに属するページ情報や構成要素データも削除の対象とする。そこで、バージョン情報の削除に先立って、バージョン情報に設定された有効期間とそのバージョンに属するページ情報や構成要素データに設定された有効期間との整合性を調整しておく。
【0019】前提条件および調整規則■ページ情報とそのページに属する構成要素データを保持するファイルとは互いに独立しており、一方を削除しても他方は存在したままである。そこで、ページ情報と構成要素データについては、それぞれに設定された有効期間の整合性をチェックしない。
【0020】前提条件および調整規則■バージョン情報とページ情報、あるいは、バージョン情報と構成要素データなどの関係においては、下位の有効期間の方を優先する。すなわち、下位のページ情報および構成要素データにおける有効期間の公開開始日がバージョン情報における有効期間の公開開始日よりも前の期日に設定され、かつ、これら異なる公開開始日の差に相当する期間が他のどのバージョン情報でも有効期間として設定されていなければ、バージョン情報における有効期間の公開開始日を下位のページ情報および構成要素データにおける有効期間の公開開始日に合わせて繰り上げ変更する。同様に、下位のページ情報および構成要素データにおける有効期間の公開終了日がバージョン情報における有効期間の公開終了日よりも後の期日に設定され、かつ、これら異なる公開終了日の差に相当する期間が他のどのバージョン情報でも有効期間として設定されていなければ、バージョン情報における有効期間の公開終了日を下位のページ情報および構成要素データにおける有効期間の公開終了日に合わせて繰り下げ変更する。
【0021】前提条件および調整規則■上記■において、下位のページ情報および構成要素データにおける有効期間の公開開始日がバージョン情報における有効期間の公開開始日よりも前の期日に設定され、かつ、これら異なる公開開始日の差に相当する期間が有効期間として設定された他のバージョン情報があった場合には、有効期間の分割を行う。すなわち公開開始日については、「下位のページ情報および構成要素データにおける有効期間の公開開始日」を公開開始日とし、「上記他のバージョンにおける有効期間の公開終了日と下位のページ情報および構成要素データにおける有効期間の公開終了日のいずれか早い方の期日」を公開終了日とした第1の下位のページ情報および構成要素データを生成するとともに、「バージョン情報における有効期間の公開開始日」を公開開始日とし、「下位のページ情報および構成要素データにおける有効期間の公開終了日」を公開終了日とした第2の下位のページ情報および構成要素データを生成する。また、公開終了日についても同様の処理を行うことで、当初の下位のページ情報および構成要素データにおいて設定された公開開始日および公開終了日の値を変更することなく、有効期間の分割を行う。
【0022】例えば、図3中のテーブルデータ3aにおける対象実体名“Home.htm”(ページ情報)の所属バージョンは“Version1.ver”であり、その有効期間の設定値は公開開始日“ 96/4/14”、公開終了日“ 96/4/30”である。これに対して、テーブルデータ3gにおける対象実体名“Version1.ver”(バージョン情報)の有効期間の設定値は公開開始日“ 96/4/14”、公開終了日“ 96/4/30”であり、完全に一致するので、テーブルデータ3aについてはそのままでよく、何も変更する必要はない。
【0023】一方、同じ“Version1.ver”に属するテーブルデータ3bの対象実体名“Image1.gif”(画像ファイル)の有効期間の設定値は公開開始日“ 96/4/14”、公開終了日“96/5/6”であり、下位の構成要素データ“Image1.gif”における有効期間の公開終了日“96/5/6”がバージョン情報“Version1.ver”における有効期間の公開終了日“ 96/4/30”よりも後の期日に設定されている。そこで、上述した前提条件および調整規則■を適用し、バージョン情報“Version1.ver”における有効期間の公開終了日の設定値を“96/5/6”として下位の構成要素データ“Image1.gif”における有効期間の公開終了日に合致させる。これにより、バージョン情報“Version1.ver”における有効期間はページ情報“Home.htm”における有効期間と完全には一致しなくなるが、下位のページ情報の有効期間が含まれる形での変更なので、問題は生じない。同様に、テーブルデータ3cの対象実体名“Image2.jpg”(画像ファイル)の有効期間の設定値は公開開始日“ 96/4/10”、公開終了日“ 96/4/30”であり、下位の構成要素データ“Image2.jpg”における有効期間の公開開始日“ 96/4/10”がバージョン情報“Version1.ver”における有効期間の公開開始日“ 96/4/14”よりも前の期日に設定されている。そこで、上述した前提条件および調整規則■を適用し、バージョン情報“Version1.ver”における有効期間の公開開始日の設定値を“ 96/4/10”として下位の構成要素データ“Image2.jpg”における有効期間の公開開始日に合致させる。以上の変更により、バージョン情報“Version1.ver”の設定値は図3中のテーブルデータ3gから図4中のテーブルデータ3g0のように変更される。
【0024】図3中のテーブルデータ3dにおける対象実体名“Voice1.snd”(音声ファイル)は“Version1.ver”および“Version2.ver”の両バージョンに属し、その有効期間の設定値は公開開始日“ 96/4/14”、公開終了日“96/6/8”である。すなわち、下位の構成要素データ“Voice1.snd”における有効期間の公開終了日“96/6/8”がバージョン情報“Version1.ver”における有効期間の公開終了日“ 96/4/30”よりも後の期日に設定されている。そこで、上述した前提条件および調整規則■を適用して、有効期間を“ 96/4/14”〜“96/5/6”と“ 96/4/24”〜“96/6/8”に分割する。具体的には、バージョン情報“Version1.ver”に属する前者の“Voice1.snd”について有効期間の設定値を“ 96/4/14”〜“96/5/6”に変更してテーブルデータ3d1 のようにし、同時にバージョン情報“Version2.ver”に属する後者の“Voice1.snd”についてテーブルデータ3dをテーブルデータ3d2 のように複製・追加登録してその有効期間の設定値を“ 96/4/24”〜“96/6/8”とする。そして、追加登録したテーブルデータ3d2 の下位の構成要素データ“Voice1.snd”における有効期間の公開終了日“96/6/8”がバージョン情報“Version2.ver”における有効期間の公開終了日“ 96/5/31”よりも後の期日に設定されているので、上述した前提条件および調整規則■を適用し、バージョン情報“Version2.ver”における有効期間の公開終了日の設定値を“96/6/8”として下位の構成要素データ“Voice1.snd”における有効期間の公開終了日に合致させる。
【0025】同様に、図3中のテーブルデータ3fにおける対象実体名“ Page2.htm”(ページ情報)は“Version1.ver”および“Version2.ver”の両バージョンに属し、その有効期間の設定値は公開開始日“ 96/4/14”、公開終了日“ 96/5/28”である。すなわち、下位のページ情報“ Page2.htm”における有効期間の公開終了日“ 96/5/28”が先に変更したバージョン情報“Version1.ver”における有効期間の公開終了日“96/5/6”よりもさらに後の期日に設定されている。そこで、上述した前提条件および調整規則■を適用して、有効期間を“ 96/4/14”〜“96/5/6”と“ 96/4/24”〜“ 96/5/28”に分割する。具体的には、バージョン情報“Version1.ver”に属する前者の“ Page2.htm”について有効期間の設定値を“ 96/4/14”〜“96/5/6”に変更してテーブルデータ3f1 のようにし、同時にバージョン情報“Version2.ver”に属する後者の“ Page2.htm”についてテーブルデータ3fをテーブルデータ3f2 のように複製・追加登録してその有効期間の設定値を“ 96/4/24”〜“ 96/5/28”とする。
【0026】以上のように、ホームページ管理テーブルに登録された対象実体についてその有効期間の整合性チェックおよび調整が完了すると、対応するチェックフラグ37に“済み”チェックが設定される。
【0027】図5は、図1中の構成管理手段による処理の流れの一例を示す図であり、具体的に説明したホームページ管理テーブル中の各対象実体の有効期間の整合性チェックおよび調整の処理の流れを整理したものである。同図中、構成管理手段13は、最初にホームページ関連データ格納部12に格納されているホームページ管理テーブル11を参照し、チェックフラグ37に“済み”チェックが設定されていない未チェックの対象実体のテーブルデータを取り出す(ステップ401)。そして、その対象実体の所属バージョン35を参照し(ステップ402)、その対象実体における有効期間の設定値はいずれかのバージョン情報における有効期間の設定値を逸脱しているか否か判定する(ステップ403)。そして、対象実体における有効期間の設定値があらゆるバージョン情報における有効期間の設定値にも包含されている場合(ステップ403=No)、すぐにステップ408へジャンプする。また、対象実体における有効期間の公開開始日の設定値がいずれかのバージョン情報における有効期間の公開開始日の設定値より前の期日であったり、あるいは、対象実体における有効期間の公開終了日の設定値がいずれかのバージョン情報における有効期間の公開終了日の設定値より後の期日であった場合(ステップ403=Yes)、その対象実体が複数のバージョンに属しているか否かを判定する(ステップ404)。
【0028】ステップ404で、対象実体が1つのバージョンのみに属していると判定した場合(ステップ404=No)には、先に述べた前提条件および調整規則■にしたがって、バージョン情報における有効期間の設定値を変更して(ステップ405)、ステップ408にジャンプする。また、対象実体が複数のバージョンに属していると判定した場合(ステップ404=Yes)、先に述べた前提条件および調整規則■にしたがって、対象実体の有効期間を各バージョンごとに分割するとともに同一の対象実体の複製と追加登録を行い(ステップ406)、さらに、現在チェック中の対象実体の有効期間が分割により変更されたため、変更後の対象実体における有効期間の設定値がいずれかのバージョン情報における有効期間の設定値を逸脱しているか否か判定して(ステップ407)、ステップ405にジャンプする。最後のステップ405で、ホームページ管理テーブル11における上記対象実体のテーブルデータ中のチェックフラグ37に“済み”チェックを設定する。
【0029】上述したステップ401〜408の処理を、ステップ406で新たに分割・追加登録される対象実体も含め、ホームページ管理テーブル11に登録されているすべての対象実体について繰り返し行う。なお、有効期間の整合性チェックおよび調整の前提条件および調整規則は、先に述べた■〜■のみに限られず、別の前提条件および調整規則を適用してもよい。例えば、先に述べた前提条件および調整規則■では下位の有効期間を優先させるようにしていたが、これに替えて、上位の有効期間を優先させるように変更したり、下位のページ情報および構成要素データがバージョン情報以前に登録されても構わないのなら下位の有効期間の公開開始日が該当するバージョンの有効期間の公開開始日より前の期日であるか否かチェックしないように変更してもよい。さらに、バージョンの有効期間を調整あるいは変更する際にユーザに確認を求めるようにしてもよい。
【0030】図6は、図1中の自動更新制御手段による処理の流れの一例を示す図である。同図中、最初に図1中のホームページ管理テーブル11を参照し(ステップ501)、登録されているすべての対象実体についてチェックフラグ37に“済み”チェックが設定されていない有効期間未チェックの対象実体があるか否かを判定し(ステップ502)、1つでも有効期間未チェックの対象実体があれば(ステップ502=Yes)、構成管理手段13を起動して、図5に示した有効期間の整合性チェックおよび調整の処理を行って(ステップ503)から、ステップ504に進む。また、有効期間未チェックの対象実体がなければ(ステップ502=No)、すぐにステップ504にジャンプする。ステップ504では、ホームページ管理テーブル11中におけるその対象実体の登録フラグ38の設定値を参照し、“済み”が設定されていれば(ステップ504=Yes)、ステップ511以降のホームページの削除処理にジャンプする。一方、“済み”が設定されていなければ(ステップ504=No)、その対象実体をホームページに登録すべきか否か判断するため、該当するテーブルデータにおける有効期間の公開開始日が現在日を過ぎているか否か判定し(ステップ505)、まだ現在日が公開開始日に達していない場合(ステップ505=No)には何もせずに終了する。
【0031】現在日が公開開始日に達していた場合(ステップ505=Yes)には、その対象実体が属する上位のバージョンがすでに登録されているか否か判定する(ステップ506)。そして、上位のバージョンが登録されていない場合(ステップ506=No)は、そのバージョン専用のバージョンディレクトリをサーバ上に作成する(ステップ507)とともに、ホームページ管理テーブル11中の該当する上位のバージョン情報の登録フラグ38に“済み”を設定して(ステップ508)から、公開すべき対象実体であるページ情報や構成要素データが格納されたファイルを上記バージョンディレクトリに登録する(ステップ509)とともに、その対象実体に対応するテーブルデータの登録フラグ38に“済み”を設定して(ステップ510)、ホームページを更新する。また、上位のバージョンがすでに登録されていた場合(ステップ506=Yes)は、ステップ507および508をスキップして、ステップ509および510を実行して、ホームページを更新する。
【0032】ステップ504で、その対象実体の登録フラグ38に“済み”が設定されていた場合(ステップ504=Yes)には、現在日が該当するテーブルデータにおける有効期間の公開終了日を過ぎているか否か判定し(ステップ511)、まだ過ぎていない場合(ステップ511=No)には、何もせずに処理を終了する。一方、現在日が公開終了日を過ぎていた場合(ステップ511=Yes)には、サーバ上の該当するバージョンディレクトリからその対象実体を削除する(ステップ512)とともに、ホームページ管理テーブル11からその対象実体のエントリを抹消して(ステップ513)、ホームページを更新する。
【0033】以上のステップ501〜513の処理を、ホームページ管理テーブル11に登録されているすべての対象実体について繰り返し行い、ホームページの更新登録を完了させる。ここで、登録フラグ38に“済み”が設定された対象実体は、現にインターネット上で公開中のホームページの一部を構成しているため、ホームページ管理テーブル11中の該当するテーブルデータの変更を不可とする。
【0034】なお、上述した構成管理手段13を実現させる第1のプログラム関連ファイル群と、自動更新制御手段14を実現させる第2のプログラム関連ファイル群は、例えば、フロッピーディスクやCD−ROMなどの記録媒体上に実現情報として保管された形で提供されるものとする。
【0035】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明のホームページ管理システムによれば、与えられたホームページ関連データ(バージョン情報/ページ情報/構成要素データ)の各々について、ホームページ管理テーブルに設定された有効期間の整合性が自動的にチェックされた後、調整条件に抵触するホームページ関連データがあれば、そのホームページ関連データが適宜複製されるとともにホームページ管理テーブルが調整され、このホームページ管理テーブルに基づいて実際に公開されるホームページが自動更新される。したがって、相互に連係している各ホームページ関連データに設定された有効期間をユーザがすべて把握しなくても、ホームページの更新に関する作業を自動化することが可能であり、人為的な作業ミスの発生を防止して信頼性を向上させるとともに、従来よりもさらに容易かつ効率的にホームページを管理することができる。そして、ホームページの形式的な構成情報についてあまり意識する必要がなくなり、ホームページの実体的な内容に相当する各種の構成要素データの作成または更新作業のみに専念できるため、それぞれの構成要素データの内容の高品質化やその作成または更新作業工程の効率化などを図ることができる。さらに、上述した効果を積極的に応用して、外部の第三者向けに公開するホームページの品質を従来より高水準に維持しながら、より高い頻度で繰り返し更新を行うことで、そのホームページを閲覧する第三者が受けるインパクトを常に新鮮なものとすることが可能となるので、ホームページおよびその発信者に対する第三者の期待度および知名度を飛躍的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホームページ管理システムの一実施形態の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図1のホームページ管理システムの処理対象となるホームページ関連データ間の連係の一具体例を概念的に示す図である。
【図3】図1のホームページ管理システムの処理対象となるホームページ関連データ間の連係を定義したホームページ管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】図1のホームページ管理システムの処理対象となるホームページ関連データ間の連係を定義したホームページ管理テーブルの一例を示す図である。
【図5】図1中の構成管理手段による処理の流れの一例を示す図である。
【図6】図1中の自動更新制御手段による処理の流れの一例を示す図である。
【符号の説明】
11 ホームページ管理テーブル
12 ホームページ関連データ格納部
13 構成管理手段
14 自動更新制御手段
21,22 バージョン情報
23〜27 ページ情報
231,232,262 画像ファイル
251 音声ファイル
261 動画ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンピュータ・ネットワーク上で公開されるホームページのために作成された相互に連係する各種のホームページ関連データを統一的に管理するホームページ管理システムにおいて、前記ホームページとして実際に公開すべき有効期間の設定値を前記ホームページ関連データごとに保持するホームページ管理テーブルと、前記ホームページ管理テーブルにおける前記ホームページ関連データごとの前記有効期間の設定値の整合性をチェックして、所定の調整条件に抵触するホームページ関連データがあったとき、そのホームページ関連データの複製と前記ホームページ管理テーブルの調整とを行う構成管理手段と、前記構成管理手段により調整された前記ホームページ管理テーブルに基づき、前記ホームページの自動更新を行う自動更新制御手段とを設けたことを特徴とするホームページ管理システム。
【請求項2】 前記構成管理手段を実現させる第1のプログラム関連ファイル群と、前記自動更新制御手段を実現させる第2のプログラム関連ファイル群とを記録したことを特徴とする請求項1記載のホームページ管理システムの実現情報記録媒体。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【公開番号】特開平10−40148
【公開日】平成10年(1998)2月13日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−194658
【出願日】平成8年(1996)7月24日
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)