説明

ボイラ管寄せ点検蓋の取り外し方法およびその装置

【課題】熟練した技能を有する作業者でなくても、管寄せや点検蓋に傷をつけることなく、簡単かつ迅速に点検蓋の取り外し作業を行うことができるボイラの管寄せ点検蓋の取り外し方法およびその装置を提供する。
【解決手段】フレーム13に回転可能に設けられエアモータ24によって回転駆動される駆動筒16と、駆動筒16の先端に設けられたバイトホルダ21と、このバイトホルダ21に着脱可能に取り付けられた切削バイト22と、駆動筒16の軸心において軸方向に移動可能に設けられ先端部に点検蓋110のねじ孔114に螺合可能な雄ねじ部18を有する基準シャフト17と、フレーム13に設けられ基準シャフト17を駆動筒16に対してその軸方向に移動可能なシャフト駆動機構とを備えた管寄せの点検蓋の取り外し装置10を用意し、基準シャフト17の雄ねじ部18を点検蓋110のねじ孔114に螺合させた状態で駆動筒16を回転駆動することにより切削バイト22によって溶接部120を切削する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ管寄せに設けられた点検孔に固着された点検蓋の取り外し方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば火力発電所においてボイラ水を集めて分配する役割を有する管寄せ100は、例えば図8に示すように、管寄せ母管101、蒸発管102、連絡管103及び点検蓋110等を備えて構成されている。管寄せ100の内部は高温の蒸気の流れが激しいため、侵食や亀裂が発生し易く、定期的に点検蓋110を開放し、内部のスケール堆積状況や管の侵食・亀裂の発生状況をCCDカメラや手鏡より目視点検する必要がある。
【0003】
図9は管寄せ母管101に形成された点検孔105に対する点検蓋110の取付状態を示している。点検蓋110は、図9および図10に示すように、点検孔105の径よりも大きな径大部を有する略円盤状の基部111と、基部111から図中右側に立ち上がって設けられその外径が点検孔105の内径と同等とされた環状の嵌合リブ112と、その嵌合リブ112の内側に、嵌合リブ112と同方向に立ち上がるように形成された膨出部113の中心に設けられた有底のねじ孔114とを備えており、管寄せ100の内部側から点検孔105内に嵌合リブ112を嵌め込むとともに基部111の上面を管寄せ100の内壁に押し付け、嵌合リブ112の平坦な頂部112Aと点検孔105の開口縁部とを溶接することにより、管寄せ母管101に固着されている。
【0004】
このような状態の点検蓋110を管寄せ100の点検孔105から取り外す場合には、点検孔105の開口縁部と点検蓋110との溶接部120を、エアグラインダー等にて、手動で点検蓋110の中心側から外側に向けて8割程度まで研削する。次に、点検蓋110の中心のねじ孔114にボルトをねじ込んで取り付け、点検蓋110が管寄せ100の内部側に転がり落ちないように外側に引っ張り固定しながら、残りの溶接部120を研削して取り外す。
【0005】
しかし、このような従来の点検蓋110の取り外し作業には、以下のような問題点がある。
(1) 溶接部120を研削する際、溶接部120に接する管寄せ母管101側に養生を行うことができないため、誤って管寄せ母管101にエアグラインダーを当てて損傷させてしまう危険性がある。このような傷は、言うまでもなく、高温蒸気を通す管寄せ100の安全性を損ねる原因となり得る。
(2) 点検蓋110は繰り返し使用されるものであるが、管寄せ母管101と同様に養生を行うことができないため、やはりエアグラインダーによって損傷させる危険性がある。仮に損傷させてしまった場合には、点検蓋110の必要箇所に肉盛り溶接を行った上、施盤によって整形仕上げを行わなければならず、費用と時間を要する。
(3) このような事情から管寄せ母管101および点検蓋110に傷をつけないようにするために、点検蓋110の取り外し作業は、目視確認を繰り返し行う等、かなり慎重に行わなければならない。このため、取り外し作業の作業効率が悪くなって点検蓋110の取り外し作業に多大な時間が費やされており、また、困難な作業であるため、熟練した技能を有する作業者の長期確保が必要である等の問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭52−26093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであって、熟練した技能を有する作業者でなくても、管寄せや点検蓋に傷をつけることなく、簡単かつ迅速に点検蓋の取り外し作業を行うことができるボイラの管寄せ点検蓋の取り外し方法およびその装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本願発明は、ボイラの管寄せに設けられた点検孔に嵌め込まれ、その嵌合部を前記管寄せの外側から溶接することにより前記点検孔に固着させた点検蓋の取り外し方法であって、前記点検蓋が、前記点検孔の径よりも大きな径大部を有する略円盤状の基部と、前記基部から立ち上がって設けられその外径が前記点検孔の径と同等とされた環状の嵌合リブと、前記嵌合リブの中心に設けられた有底のねじ孔とを備えており、前記管寄せの内部側から前記点検孔に前記嵌合リブが嵌め込まれるとともに、前記嵌合リブの頂部が前記点検孔の開口縁部に溶接されることにより、前記点検孔を塞いで前記管寄せに固着されているものにおいて、前記点検蓋のねじ孔に螺合可能な雄ねじ部を有する基準シャフトと、前記基準シャフトの外周に回転可能に設けられて回転駆動源によって回転駆動される駆動筒と、前記駆動筒の先端に固着されて切削バイトを保持するバイトホルダと、前記基準シャフトを前記駆動筒に対してその軸方向に移動可能なシャフト駆動機構とを有する切削工具を準備しておき、前記基準シャフトの前記雄ねじ部を前記点検蓋のねじ孔に螺合させた状態で前記駆動筒を前記回転駆動源によって回転駆動することにより前記切削バイトによって前記嵌合リブの頂部の溶接部を切削することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の点検蓋取り外し装置は、ボイラの管寄せに設けられた点検孔に嵌め込まれ、その嵌合部を前記管寄せの外側から溶接することにより前記点検孔に固着させた点検蓋を取り外すための点検蓋取り外し装置であって、前記点検蓋が、前記点検孔の径よりも大きな径大部を有する略円盤状の基部と、前記基部から立ち上がって設けられその外径が前記点検孔の径と同等とされた環状の嵌合リブと、前記嵌合リブの中心に設けられた有底のねじ孔とを備えており、前記管寄せの内部側から前記点検孔に前記嵌合リブが嵌め込まれるとともに、前記嵌合リブの頂部が前記点検孔の開口縁部に溶接されることにより、前記点検孔を塞いで前記管寄せに固着されているものにおいて、フレームに回転可能に設けられ回転駆動源によって回転駆動される駆動筒と、前記駆動筒の先端に設けられたバイトホルダと、このバイトホルダに着脱可能に取り付けられた切削バイトと、前記駆動筒の軸心において軸方向に移動可能に設けられ先端部に前記点検蓋のねじ孔に螺合可能な雄ねじ部を有する基準シャフトと、前記フレームに設けられ前記基準シャフトを前記駆動筒に対してその軸方向に移動可能なシャフト駆動機構とを備えたことを特徴とする。
【0010】
なお、上記点検蓋の取り外し装置において、前記シャフト駆動機構は、前記基準シャフトの前記雄ねじ部とは反対側に設けた推進雄ねじ部と、この推進雄ねじ部に螺合して前記フレームに回転操作可能に設けたナットリングとを備える構成としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、管寄せから点検蓋を取り外す際には、まず、基準シャフトの雄ねじ部を点検蓋のねじ孔に螺合させる。これにより、点検蓋が装置全体に対して固定されると共に、装置全体が基準シャフトを介して点検蓋に対して所定の位置関係になる。次に、基準シャフトを駆動筒の軸方向に沿ってシャフト駆動機構により移動させることにより、駆動筒の先端にバイトホルダを介して装着されている切削バイトの、溶接部に対する切削位置を決定する。そして、この状態で駆動筒を回転駆動源によって回転駆動させれば、駆動筒の先端に装着された切削バイトを点検孔内で回転させることができ、嵌合リブの頂部の溶接部、すなわち、点検蓋と点検孔との溶接部を切削することができる。なお、溶接部の切削が完了して点検蓋が管寄せ母管から分離されたとしても、点検蓋のねじ孔には基準シャフトの先端の雄ねじ部が螺合しているから、基準シャフトから点検蓋が脱落することがなく、切削完了によって点検蓋が管寄せ母管内に脱落してしまうこともなく、そのまま点検蓋を管寄せ母管内から取り出すことができる。
【0012】
このように、本発明によれば、基準シャフトを点検蓋に取り付け、切削バイトの位置決めを行って駆動筒を回転駆動させるという簡単な作業により、熟練した技能を持たない作業者でも、迅速に溶接部を除去して点検蓋を取り外すことができる。また、基準シャフトの駆動筒に対する移動距離(すなわち、切削バイトの溶接部に対する移動距離)を点検蓋のサイズに合わせて予め設定しておくことにより、点検孔や点検蓋に傷をつけてしまうことが確実に防止され、管寄せの安全性が保たれるとともに、点検蓋の取り外し作業が極めて効率化され、作業時間と作業コストが飛躍的に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の点検蓋取り外し装置の概略断側面図
【図2】同じく基準シャフトの平面図
【図3】同じく切削バイトの平面図
【図4】同じく切削バイトおよびバイトホルダの分解斜視図
【図5】同じく点検蓋取り外し装置を点検蓋に装着する前の側面図
【図6】同じく切削開始時の状態を示す側面図
【図7】同じく切削終了時の状態を示す側面図
【図8】管寄せの斜視図
【図9】管寄せの点検孔に対する点検蓋の取付状態を示す断面図
【図10】点検蓋の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を図1ないし図7によって説明する。
まず、本実施形態のボイラの管寄せ点検蓋の取り外し装置10の全体構成を図1に基づいて説明する。この点検蓋取り外し装置10は、ほぼ円筒状をなす本体部12と、これに対して直角に延設された把持部11とを有し、把持部11の内部にエアモータ24(本発明の回転駆動源に相当)を備えている。
【0015】
本体部12は筒状のフレーム13を備えており、このフレーム13内の2箇所に設けられた第1および第2の軸受14,15を介して駆動筒16が回転自在に装着されている。この駆動筒16内には、基準シャフト17が駆動筒16に対して軸受17Aを介して貫挿されており、後述するようにフレーム13及び基準シャフト17が静止した状態で駆動筒16が回転できるようになっている。基準シャフト17は、図2に示すように、一端側(図2中左側)に軸径よりもやや径大の雄ねじ部18を有しており、この雄ねじ部18を点検蓋110に設けられたねじ孔114に螺合可能である。基準シャフト17の他端側には後述する送りスリーブ28と螺合させるための推進雄ねじ部19が形成されていると共に、この推進雄ねじ部19を横切るようにキー溝20が軸方向に沿って形成されている。
【0016】
駆動筒16の先端(図1中左側)にはバイトホルダ21が固定されており、ここに後述する切削バイト22が着脱可能に2枚取り付けられている。これらの切削バイト22,22は、駆動筒16を回転駆動させることにより、駆動筒16ひいては基準シャフト17の軸心を中心に回転可能とされている。また、駆動筒16の軸方向の中央付近には、従動傘歯歯車23が取り付けられており、上述した把持部11内に収容されているエアモータ24に駆動される駆動傘歯歯車25とかみ合うことにより、エアモータ24の駆動力を駆動筒16に伝達可能としている。
【0017】
一方、駆動筒16の後方(図1中右側)には、フレーム13から径方向内側に向けてキー26が突設されており、上述した基準シャフト17のキー溝20と係合されることにより、基準シャフト17のフレーム13に対する回転を規制している。
【0018】
フレーム13の後端寄りには第3の軸受27が設けられており、この軸受27には送りスリーブ28(本発明のナットリングに相当)が回転可能に保持されている。送りスリーブ28の中心には雌ねじ部29が形成されており、この雌ねじ部29のねじ溝に基準シャフト17の推進雄ねじ部19が螺合されている。これにより、送りスリーブ28のハンドルグリップ30を周方向に回転させることにより、基準シャフト17をフレーム13に対して軸方向に進退可能としている。
【0019】
図3は切削バイト22の平面図、図4は切削バイト22およびバイトホルダ21の分解斜視図である。切削バイト22は角柱状をなし、長手方向の一端側(図3中右側)が、バイトホルダ21の一対の狭持部21A,21A間にボルト31により締め付け狭持される基端部22A、他端側(図3中左側)が、溶接部120の切削を行うための切削刃22Bとされている。切削刃22Bは一面側(回転時の進行方向側の面)が先端縁に沿って曲面状にえぐり取られた凹形状とされており(図4参照)、それ故に、溶接部120を掻き出すように切削可能となっている。また、切削刃22B側の端部うち、回転軸の中心側の角部は大きく切り欠かれており、これにより、切削時に切削バイト22が点検蓋110の膨出部113に干渉することが回避される。また、バイトホルダ21の狭持部21A,21Aの形状に合わせ、基端部22A側の角部も一部切り欠かれている。さらに、凹状とされた面の反対面のうち、点検孔105の開口縁部と干渉する角部は、開口縁部と干渉しない程度に面取りされている(図4参照)。
【0020】
このような形状の切削バイト22は、その先端面(切削刃22B)が点検蓋110と水平に相対するように、かつ、凹部が駆動筒16の径方向に沿う方向となるように、バイトホルダ21を介して駆動筒16に装着される。また、バイトホルダ21の回転時に切削刃22Bの外側端縁が点検孔105の開口縁部に丁度沿う位置となるように装着される。
【0021】
次に、本実施形態の点検蓋取り外し装置10の使用方法について説明する。管寄せ母管101の点検孔105に固着された点検蓋110を取り外す際には、まず、装置10の本体部12の先端部に突出している基準シャフト17の雄ねじ部18を点検蓋110のねじ孔114内に螺合させる。この時、基準シャフト17はフレーム13に対して回転が規制された状態とされているので、装置10全体を管寄せ母管101に対して回転させながらねじ込んで固定させればよい。
【0022】
また、基準シャフト17のフレーム13に対する軸方向の位置は、予め、雄ねじ部18が充分に前方に突出する位置にしておく(図5参照)。なお、この時、基準シャフト17の雄ねじ部18に予めシールテープを巻回させておいて点検蓋110のねじ孔114に螺合すると、基準シャフト17を点検蓋110に対してがたつき無く固定することができる。
【0023】
装置10が点検蓋110に対して固定できたら、送りスリーブ28のハンドルグリップ30を周方向に回転させて、基準シャフト17のフレーム13に対する軸方向の位置を徐々に後退させる。これにより、フレーム13が点検蓋110に対して近づく方向へ移動することとなる。そこで、フレーム13の先端に露出している切削バイト22の先端部が溶接部120に当接する位置となるところで送りスリーブ28の回転を停止する(図6参照)。
【0024】
この状態でエアモータ24を駆動すると、切削バイト22,22が点検孔105内で駆動筒16を中心に回転される。切削バイト22,22は、上述したように、その切削刃22Bの外側端縁が点検孔105の開口縁部に沿う位置となるように装着されているから、溶接部120の上端部付近から切削が開始される。またこの時、切削刃22Bは凹状にえぐり取られた状態とされているから、この凹状の部分が溶接部120を掻き出すように効率よく切削する。
【0025】
切削開始後は、送りスリーブ28のハンドルグリップ30を少しずつ回転させて基準シャフト17をフレーム13に対して徐々に後退させることにより、切削バイト22を相対的に点検孔105内に前進させ、点検蓋110の嵌合リブ112の頂部112Aに当接する位置まで切削を続ける(図7参照)。なおこの時、嵌合リブ112の頂部112Aまでの移動距離(すなわち溶接部120の盛り高さ)を予め測って送りスリーブ28による基準シャフト17の引き寄せ距離を設定しておくことにより、送りスリーブ28をどの位置まで回転させた(切削バイト22をどの位置まで進行させた)場合に、切削バイト22が嵌合リブ112の頂部112Aに到達して溶接部120が全て切削されるかが分かる。
【0026】
このように、本実施形態の点検蓋取り外し装置10によれば、装置10の基準シャフト17を点検蓋110に固定し、切削バイト22の軸方向の位置決めを行い、エアモータ24を駆動させて送りスリーブ28を回転させるという簡単な作業により、溶接部120を過不足無く確実に切削して点検蓋110を開放可能な状態とすることができる。このような簡単な作業は、熟練した作業者でなくても可能であり、また、作業時間も従来と比較して大幅に短縮させることができる。また、管寄せ100や点検蓋110を傷つけることもないので、管寄せ100の安全性を損ねたり修復費用や時間を要したりすることもない。
【0027】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0028】
(1)上記実施形態では、切削バイト22を駆動筒16の径方向に沿って装着するバイトホルダ21を使用する構成としたが、これに限らず、例えば径方向から角度をつけて斜め方向に装着するバイトホルダを使用しても良い。ただしこの時、切削バイト22の切削刃22Bは点検蓋110に対して水平方向となるようにしておくことが好ましい。
【0029】
(2)切削バイト22の形状は上記実施形態に限らず、点検蓋110の膨出部に干渉せず、バイトホルダ21に装着可能な形状であれば、どのような形状でもよい。
【0030】
(3)上記実施形態では、切削バイト22を2枚装着する構成としたが、切削バイト22は1枚でもよく、また3枚以上でもよい。
【0031】
(4)上記実施形態では、基準シャフト17にシールテープを巻回する構成としたが、シールテープは必ずしも必要ではない。
【0032】
(5)上記実施形態では、回転駆動源としてエアモータ24を使用するようにしたが、これに限らず、電気駆動式のモータであってもよく、また、シャフト駆動機構を構成する送りスリーブ28は必ずしも作業者が手操作で回転させるに限らず、圧縮エアや電気を利用した駆動源を利用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
10…点検蓋取り外し装置
11…把持部
12…本体部
13…フレーム
16…駆動筒
17…基準シャフト
18…雄ねじ部
19…推進雄ねじ部(シャフト駆動機構)
21…バイトホルダ
22…切削バイト
22B…切削刃
28…送りスリーブ(ナットリング)(シャフト駆動機構)
100…管寄せ
105…点検孔
110…点検蓋
111…基部
112…嵌合リブ
113…膨出部
114…ねじ孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラの管寄せに設けられた点検孔に嵌め込まれ、その嵌合部を前記管寄せの外側から溶接することにより前記点検孔に固着させた点検蓋の取り外し方法であって、
前記点検蓋が、前記点検孔の径よりも大きな径大部を有する略円盤状の基部と、前記基部から立ち上がって設けられその外径が前記点検孔の径と同等とされた環状の嵌合リブと、前記嵌合リブの中心に設けられた有底のねじ孔とを備えており、前記管寄せの内部側から前記点検孔に前記嵌合リブが嵌め込まれるとともに、前記嵌合リブの頂部が前記点検孔の開口縁部に溶接されることにより、前記点検孔を塞いで前記管寄せに固着されているものにおいて、
前記点検蓋のねじ孔に螺合可能な雄ねじ部を有する基準シャフトと、前記基準シャフトの外周に回転可能に設けられて回転駆動源によって回転駆動される駆動筒と、前記駆動筒の先端に固着されて切削バイトを保持するバイトホルダと、前記基準シャフトを前記駆動筒に対してその軸方向に移動可能なシャフト駆動機構とを有する切削工具を準備しておき、前記基準シャフトの前記雄ねじ部を前記点検蓋のねじ孔に螺合させた状態で前記駆動筒を前記回転駆動源によって回転駆動することにより前記切削バイトによって前記嵌合リブの頂部の溶接部を切削することを特徴とするボイラ管寄せ点検蓋の取り外し方法。
【請求項2】
ボイラの管寄せに設けられた点検孔に嵌め込まれ、その嵌合部を前記管寄せの外側から溶接することにより前記点検孔に固着させた点検蓋を取り外すための点検蓋取り外し装置であって、
前記点検蓋が、前記点検孔の径よりも大きな径大部を有する略円盤状の基部と、前記基部から立ち上がって設けられその外径が前記点検孔の径と同等とされた環状の嵌合リブと、前記嵌合リブの中心に設けられた有底のねじ孔とを備えており、前記管寄せの内部側から前記点検孔に前記嵌合リブが嵌め込まれるとともに、前記嵌合リブの頂部が前記点検孔の開口縁部に溶接されることにより、前記点検孔を塞いで前記管寄せに固着されているものにおいて、
フレームに回転可能に設けられ回転駆動源によって回転駆動される駆動筒と、前記駆動筒の先端に設けられたバイトホルダと、このバイトホルダに着脱可能に取り付けられた切削バイトと、前記駆動筒の軸心において軸方向に移動可能に設けられ先端部に前記点検蓋のねじ孔に螺合可能な雄ねじ部を有する基準シャフトと、前記フレームに設けられ前記基準シャフトを前記駆動筒に対してその軸方向に移動可能なシャフト駆動機構とを備えたボイラ管寄せ点検蓋の取り外し装置。
【請求項3】
前記シャフト駆動機構は、前記基準シャフトの前記雄ねじ部とは反対側に設けた推進雄ねじ部と、この推進雄ねじ部に螺合して前記フレームに回転操作可能に設けたナットリングとを備える請求項2記載のボイラ管寄せ点検蓋の取り外し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−169484(P2011−169484A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31588(P2010−31588)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(391019658)株式会社中部プラントサービス (28)