説明

ボルト払い除けシステム

可動カートを牽引するためのコンベヤチェーンを含むコンベヤシステムに用いられるボルト払い除けシステムは、コンベヤチェーンの作動を妨げるような異物の進入を防止するために用いられる。ボルト払い除けシステムは、垂直方向に向けられかつ互いに間隔をおいて配置されることにより、互いに協働してスロットを画定する第1及び第2のレールを有し、更に、両レールは、コンベヤチェーンの側部エッジにオーバーラップするように、コンベヤチェーンに近接した、その上方位置に設けられることから、第1及び第2のレールとコンベヤチェーンとの間に小さな空隙が画定され、しかもコンベヤチェーンの上面に異物が維持されるようにこの空隙のサイズが定められる。従って、このようなスロット内に進入した異物は、チェーンの上面に保持され、ワイパーアームアセンブリが設けられた異物除去領域まで搬送される。ワイパーアームアセンブリは、コンベヤチェーン上面を横切るワイパーアームを有する。ワイパーアームは、コンベヤチェーンにより搬送された異物を払い除け、それを収集容器に投入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンベヤシステムに関し、特に、コンベヤの作動に障害を及ぼす異物を防止するための装置を備えた牽引コンベヤシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
牽引コンベヤシステムは、トラック内に受容された連続的な或いは無端チェーンを形成するように、複数のリンクを前後に連結して形成されたチェーンを含む。リンクは、トラックの湾曲部を許容するために、ある程度互いに回動し得るように互いに結合されている。
【0003】
図8に示されるように、従来技術に基づくチェーン10は、窪まされたトラック即ちチャネル12内に受容され、このチャネルは工場の床16の下部に配置された金属製の構造部材14により構成されている。チェーン10は、1つまたは複数のワークステーションを通過するようにチェーンにより牽引される図示されない可動キャリア或いは可動カートから下方向に延出するキングピン18を受容するように構成されている。
【0004】
コンベヤシステムは、各ワークステーションにおいて、製造される物品の様々な部品が組み立てられるような製造設備に於いて用いられることが多い。このようなアセンブリはボルトなどのようなねじ部品を含む様々な締結具を用いる場合がある。しばしば、ボルト20などの異物が落とされて、床の上に残される場合がある。この異物は、チェーン10を収容する、窪まされたチャネル12内に持ち込まれることがある。場合によっては、異物がチェーン10とチャネル12の側面との間に噛み込み、チェーンが不均一な或いは引きつけを起こしたような運動を引き起こすことがある。場合によっては、異物がチェーンを膠着させ、主ギアボックスドライブの1つまたは複数のシアピンを破壊させ、必要な修理を行うまでコンベヤをシャットダウンしなければならないことがある。
【0005】
この問題に対処するために、図8に示されるように、チャネル12の上部に、互いに所定の間隔をおいて対峙する側面を有する1対の水平板22を配置し、チャネル12の上部にスロット状の開口24を設けることが提案されている。更に、一連のやや硬質のブラシ26が、両側面の下方から内向きに突出し、かつ互いに向き合う向きに延出している。このようにして、ブラシ26が、ボルト20その他の異物がスロット状の開口24内に入り込み、チェーン10と干渉することがなく、しかもキングピン18がスロット状の開口24内を移動し得るようにすることが企図されている。
【0006】
しかしながら、ブラシ26は、異物がチャネル12に侵入するのを防止する上で不十分であることが見出された。ブラシ26は、キングピン18と繰り返し係合することによりやがて変形し、ブラシ26間に空隙が生じ異物がチャネル12内に落ち込み得るようになると考えられる。しかも、ブラシ26が、床面の下方に配置されていることから、異物が一旦ブラシ内に落ち込むと、異物は、再びブラシ26を通過して取り出すことが困難となると考えられる。また、ブラシ26は、異物によってはそれを阻止する能力がなく、また、キングピン18が、異物を押してブラシ26内に落とし込ませることも考えられる。いずれにせよ、ブラシ26は、その有効性を維持するためには頻繁な保守点検及び交換が必要となり、この提案に於いてはコンベヤのダウンタイムが問題となる。従って、異物がコンベヤの作動を妨げないような構造に対する要望がこの技術分野に於いて存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、異物がコンベヤの作動を妨げないようにボルト取り除きシステムを組み込んだコンベヤシステムを提供することにより、公知のシステムにおける問題或いは欠点を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、垂直方向に向けられかつ互いに間隔をおいて配置されることにより、互いに協働してスロットを画定する第1及び第2のレールを有する。更に、両レールは、コンベヤチェーンの側部エッジにオーバーラップするように、コンベヤチェーンに近接した、その上方位置に設けられることから、第1及び第2のレールとコンベヤチェーンとの間に小さな空隙が画定され、しかもコンベヤチェーンの上面に異物が維持されるようにこの空隙のサイズが定められる。従って、このようなスロット内に進入した異物は、チェーンの上面に保持され、それによって、異物除去領域まで搬送される。
【0009】
本発明の別の側面によれば、異物除去領域には、チェーンの上面から異物を払い除けるためのワイパーアームアセンブリが設けられている。ワイパーアームアセンブリは、コンベヤチェーンの上面に隣接するように、コンベヤチェーン上面を横切るワイパーアームを有する。ワイパーアームは、コンベヤチェーンにより搬送された異物を収集容器に投入する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明に基づくボルト払い除けシステムを組み込んだコンベヤシステム50を示す。このコンベヤシステム50は、ロード/アンロードステーション52と、複数の異物除去領域54とを有する。ロード/アンロードステーション52は、コンベヤサイクルの始点に於いて、コンベヤ上に、好ましくは可動カートなどからなる可動物品を1つまたは複数配置し、かつコンベヤサイクルの終点に於いて、可動キャリアを取り除くように構成されている。図示された好適実施例に於いては、コンベヤシステム50は、1つまたは複数のワークステーションを通過するように、コンベヤの経路に沿って可動カートを牽引するためのチェーン60を含む牽引コンベヤシステムをなしている。円形をなすように構成されたこのコンベヤシステムは単なる一例であって、本発明はそれに限定されないことを了解されたい。
【0011】
図2に最も良く示されているように、コンベヤチェーン60は、システム50の隅部における湾曲部に追従し得るように、公知の要領をもって互いに回動可能に結合された複数のリンク60aから構成されている。各リンク60aは、上面60bと、1対の横側面60cと、底面60dとを有する。リンク60aの上面60bは、チェーン60の上面を画定するように互いに協働する。チェーン上面60bの(側面60cに隣接する部分をなす)両側端は、以下の記載に於いて上面60bのサイドエッジと呼ぶものとする。さらに、各リンクは以下に詳しく説明するように、関連する可動カート68bのキングピン68を受容するための係合部すなわち開口60eを備えている。
【0012】
チェーン60は、コンベヤの経路を画定しかつそれに追従するガイドアセンブリ内に受容されている。ガイドアセンブリは、ガイド64及び1対のキャッププレート70を有する。ガイド64は、中心軸線について概ね対称形をなし、キャッププレート70は互いに同一であることを了解されたい。
【0013】
ガイド64は、床面66の下方に設けられていると良く、窪まされたチャネル62を画定するものであってよい。ガイド64は、図3に良く示されているように、1対の内側垂直壁64aと、底壁64bと、1対の上壁64cと、1対の外側垂直壁64dとを有する。各キャッププレート70は、ガイド上壁64cの何れかと対応し、床面66と同一面をなすように床面に取付けられている。図3に示されるように、キャッププレート70は、関連する上壁64cにより支持され、チャネル62の関連する側部を覆うようになっている。
【0014】
キャッププレート70のそれぞれは、他方のキャッププレートの側面70aに対向する内向きの側面70aを有する。キャッププレートの側面70aは、互いに協働して、チャネル62の上部におけるスロット72を画定する。スロット72は、チャネル62に比較して狭められた幅を有し、異物除去領域54を除いて、システム50の全長に渡って、連続的に延在するのが好ましい。
【0015】
このボルト払い除けシステムは、第1及び第2のレール74と、ワイパーアセンブリ80とを有し、これらが互いに協働して、チェーン60の上面に異物を保持し、異物が除去領域54の何れかに達したときに、チェーン60の上面から異物を収集容器90内に向けて除去する。
【0016】
第1及び第2のレール74は、概ね四角形の形状を有すると共に、内向きの側面74a及び下向きの底面74bを有する。レール74は、キャッププレート70の対応するものの下面に、その側面70aに隣接するように固定され、かつそれから下向きに延出する。従って、レールの内面74aは、対応するキャッププレート70の側面70aと概ね同一面をなし、且つ互いに対向することにより、スロット72を画定し且つその深さ方向に沿って延在する。
【0017】
レールの底面74bは、チェーン60の上面60bに対向しかつそれに対してやや間隔をおいて設けられている。すなわち、下方向を向くレールの底面74bは、図示されているように、チェーンの上面60bの両側のエッジとラップする。従って、チェーン60に噛み込むなどコンベヤの作動に支障をきたし得るような異物が侵入しないように定めされた大きさを有する小さなギャップ76が、レールの底面74bとチェーンの上面60bとの間に設けられている。従って、損害を引き起こし得るような異物は、スロット72内に於いて、両レール間74のチェーンの上面60b上に保持され、チェーン60と共に、以下に説明するように次の異物除去領域54に搬送される。
【0018】
好適実施例に於いては、第1及び第2のレール74は、ナイロンなどのような低摩擦係数ポリマー材料により構成される。レール74は、新規なコンベヤのキャッププレート70に取り付けるものであっても、既存のコンベヤシステムのキャッププレート70に後付けするものであっても良い。レール74は、上方からキャッププレート70を貫通する機械的な締結具により、対応するキャッププレート70に固定されていると良い。レール74は、チェーンの上面60bに対して間隔をおいて設けられていると良いが、レールの底面74bが、所望に応じて連続的に或いは間欠的にチェーンの上面60bと摺動可能に係合しているものであっても良い。
【0019】
図1,2,4−7に示されるように、ワイパーアセンブリ80は、ワイパーアームアセンブリ82と、ストップアセンブリ104と、本体106と、下側取付板108と、収集容器90とを有する。また、好ましくは、以下の記載から明らかなように、或いは図1に示されるように、1対の互いに反対方向を向くアセンブリ80を、各異物除去領域54に設けると良い。異物除去領域に於いては、レール74、床面66の一部及びガイド64の一部が除去されており、アセンブリ80が、ガイドの上壁64cの下面に取り付けられている。図4に最もよく示されているように、床面66の一部が、収集容器90に対して上方からアクセスし得るように切り開かれている。当然、図示されない着脱自在なカバーを用いて、収集容器を通常閉じておくこともできる。好ましくは、複数のねじ締結具109が、ガイド上壁64cを貫通し、本体106の対応する開口102にねじ込まれることにより、アセンブリ80を固定する。
【0020】
本体106は、ガイドの上壁64cの下面に固定された平坦なベースプレート100aと、下側取付板106及びストップアセンブリ104が固定された下向きに延出する取付ブロック106bとを有する。
【0021】
下側取付板108は、一連のボルト110を用いて取付ブロック106bの下面に固定された平坦な板からなる。下側取付板108は、本体106の平坦なベースプレート106a及び第1のヒンジピン96と協働することにより、以下に説明するようにアセンブリ82を回動可能に支持する。
【0022】
ストップアセンブリ104は、取付ブロック106に設けられた水平方向を向く孔の内部にねじ込まれたスタッド104aを有し、同部分からストップ部材104bが延出している。ロックナットによりスタッド104aが固定される。ストップ部材104bの突出長は、ストップ部材104bがアセンブリ82の高い剛性を有するアーム84を係合するべき位置を変更し得るように調節可能にされており、それにより、以下の説明から明らかなように、アセンブリ82の第1の方向への運動の範囲を規定している。
【0023】
ワイパーアームアセンブリ82はワイパーアーム86、高い剛性のアーム84、第1の付勢ばね88、第2の付勢ばね92及び第2の付勢ばね92のための固定マウント94を有する。
【0024】
高い剛性のアーム84は、第1の部分84a、第2の部分84b及び両部分84a、84b間に位置しかつ両者を互いに結合する円筒部84cを有する。円筒部84cは、下側取付板108と本体106のベースプレート106aとの間に配置され、アーム84及びそれに関連するアーム86を固定するための第1のヒンジピン96を受容する。この点に関して、円筒部84cは、第1のヒンジピン96の周りに回転するベアリングまたはブッシングと見ることができる。
【0025】
アーム84の第1の部分84aは、円筒部84cの上端から延出し、更に、その遊端からフィンガ84dが延出する。フィンガ84dは、ワイパーアーム86のためのストッパとして機能し、以下に詳しく述べるように、第1の付勢ばね88のマウントとしても機能する。
【0026】
また、第1の部分84aの遊端は、互いに間隔をおく上側及び下側マウントを形成するように二股にされ、各マウントには、第2のヒンジピン98を受容するための互いに整合する開口が設けられている。ワイパーアーム86は、上側及び下側マウント間にはめ込まれるべき延長部86aを有する基端を有する。延長部86は、アーム86を第一の部分84aに枢支するために第2のヒンジピン98が貫通するべき開口を有する。
【0027】
フィンガ84dは、高い剛性のアーム84の遊端から延出し、ワイパーアーム86の基端にて、その第1の側に沿って延在する。第1の付勢ばね88の第1の端部はフィンガ84dに連結され、第1の付勢ばね88の第2の端部はワイパーアーム86の遊端に連結されている。ワイパーアーム86の第1の側は、第1の付勢ばね88の少なくとも一部を受容するための軸線方向溝を有するものであると良い。第1の付勢ばね88は、ワイパーアーム86の第1の側の基端が、高い剛性のアーム84と係合するような位置に向けて、ワイパーアーム86を付勢し、それにより、図示されているように、ワイパーアーム86が高い剛性のアーム84に概ね整合することとなる。
【0028】
図4に示されるように、収集容器90は、ワイパーアーム86によりチェーン60から払い除けられた異物を収集するような位置に配置されている。特に、収集容器90は、入口斜面90a及び収集箱90bを有する。斜面90aは、チェーン60の横側面60cに隣接して設けられ、下向きに収集箱90b内に至る。ワイパーアーム86により、チェーン60の上面60aから払い除けられた異物は、入口斜面90aに沿って、収集箱90b内に導かれ、その内部に収集される。
【0029】
図5A、5B及び5Cを参照して、異物除去領域54に於ける、ワイパーアセンブリ80の作動の要領を説明する。
【0030】
図5Aは、コンベヤチェーン60が第1の方向に駆動されるときのワイパーアセンブリ80を示し、この場合、ワイパーアームアセンブリ82は、中立位置にある。この場合、ワイパーアーム86は、コンベヤチェーン60aの上面60bを横切り(図4参照)、ばね88、92の作用により、中立位置方向に付勢されている。この場合、ボルト等の異物が、ワイパーアーム86に係合すると、ボルト等の異物は、コンベヤチェーン60の上面から払い除けられ、収集容器90内に回収される。図5Aに於いて、ワイパーアームアセンブリ82を中立位置に向けて付勢する第2の付勢ばね92のばね力は、異物に遭遇しても、ワイパーアームアセンブリ82を中立位置に保持するのに十分であるが、キングピン68等の、より強力な或いは非可動障害物に遭遇したときには、第2の位置に向けて折れ曲がり得る程度のばね力を発生する。
【0031】
図5Bに於いては、ワイパーアセンブリ80は、キングピン68の1つがワイパーアーム86に係合した状態で示されている。図示されているように、ワイパーアームアセンブリ82は、第2の付勢ばね92のばね力に抗して、第1のヒンジピン96の周りを回動し、高い剛性のアーム84は外向きに変位し、ワイパーアーム86がキングピン68を乗り越える。キングピン68が、ワイパーアーム86を通り過ぎると、第2の付勢ばね92が、高い剛性のアーム84をストップ部材104bに当接するまで引張り、ワイパーアームアセンブリ82を回動させ、中立位置に復元する。
【0032】
図5Cに於いては、コンベヤチェーン60が反対方向、即ち第2の方向に駆動されるときのワイパーアセンブリ80が示され、キングピン68が、ワイパーアーム86の他方の側に係合している。ワイパーアーム86は、第1の付勢ばね88のばね力に抗して、第2のヒンジピン98の周りを回動する。ワイパーアーム86はキングピン68を乗り越え、キングピン68が、ワイパーアーム86を通り過ぎると、第1の付勢ばね88が、ワイパーアーム86をフィンガ84dに当接するまで引張り、ワイパーアーム86を回動させ、中立位置に復元する。
【0033】
以上、本発明を特定の実施例について説明したが、これは本発明の概念を何ら限定するものではなく、様々に変形、変更して実施することができるものであって、そのような実施形態に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定されるものであることを了解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に基づくボルト払い除けシステムが組み込まれたコンベヤシステムを示す模式図である。
【図2】本発明に基づく異物除去領域を示す上面図である。
【図3】図2の3−3線について見た断面図である。
【図4】図2の4−4線について見た断面図である。
【図5A】本発明に基づく異物除去領域に於けるワイパーアセンブリの或る状態を示す図である。
【図5B】本発明に基づく異物除去領域に於けるワイパーアセンブリの別の状態を示す図である。
【図5C】本発明に基づく異物除去領域に於けるワイパーアセンブリの更に別の状態を示す図である。
【図6】本発明に基づくワイパーアセンブリの斜視図である。
【図7】本発明に基づくワイパーアセンブリの立面図である。
【図8】従来技術に基づくコンベヤシステムに於けるコンベヤの軌道を、異物の侵入を阻止するための従来技術に基づく装置共に示す図である。
【符号の説明】
【0035】
60 チェーン
64 ガイド
68 キングピン
70 キャッププレート
72 スロット
74 レール
80 ワイパーアセンブリ
82 ワイパーアームアセンブリ
84 高い剛性のアーム
86 ワイパーアーム
88、92 付勢ばね
90 収集容器
96、98 ヒンジピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤチェーンを含む牽引コンベヤに異物が噛み込むのを防止するためのボルト払い除けシステムであって、
垂直方向に向けられかつ互いに間隔をおいて配置されることにより、互いに協働してスロットを画定する第1及び第2のレールと、ワイパーアームアセンブリとを有し、
前記第1及び第2のレールの各々の或る面が、前記コンベヤチェーンに対向し、かつ前記コンベヤチェーンのエッジにオーバーラップすることにより、前記第1及び第2のレールと前記コンベヤチェーンとの間に空隙が画定され、前記コンベヤチェーンの上面に異物が維持されるように前記空隙のサイズが定められ、
前記ワイパーアームアセンブリが、異物を前記コンベヤチェーン上面から払い除けるために、前記コンベヤチェーン上面上にて延在するワイパーアームを更に有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
第1及び第2のプレートを更に有し、前記第1のレールが前記第1のプレートに取り付けられ、前記第2のレールが前記第2のプレートに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1及び第2のレールが低摩擦材料からなることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1及び第2のレールがナイロンからなることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンベヤチェーン上面から前記ワイパーアームにより払い除けられた異物を収集するための収集容器を更に有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ワイパーアームが、前記コンベヤチェーンにより駆動される可動物品に遭遇したときに回動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ワイパーアームアセンブリが、第1の方向に駆動される可動物品に遭遇したときに、前記ワイパーアームを前記第1の方向に回動させるための第1のヒンジと、第2の方向に駆動される可動物品に遭遇したときに、前記ワイパーアームを前記第2の方向に回動させるための第2のヒンジとを有することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ワイパーアームアセンブリが、前記ワイパーアームを、可動物品に遭遇した後に中立位置に復元するための付勢ばねを有することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
第1及び第2のワイパーアームアセンブリを有し、前記コンベヤチェーンが第1の方向に運動しているときには、前記第1のワイパーアームアセンブリが異物を払い除ける働きを果たし、前記コンベヤチェーンが第2の方向に運動しているときには、前記第2のワイパーアームアセンブリが異物を払い除ける働きを果たすことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
コンベヤシステムであって、
可動物品を変位させるためのコンベヤチェーンと、
コンベヤチェーンに異物が噛み込むのを防止するためのボルト払い除けシステムとを有し、
前記ボルト払い除けシステムが、
垂直方向に向けられかつ互いに間隔をおいて配置されることにより、互いに協働してスロットを画定する第1及び第2のレールと、ワイパーアームアセンブリとを有し、
前記第1及び第2のレールの各々の或る面が、前記コンベヤチェーンに対向し、かつ前記コンベヤチェーンのエッジにオーバーラップすることにより、前記第1及び第2のレールと前記コンベヤチェーンとの間に空隙が画定され、前記コンベヤチェーンの上面に異物が維持されるように前記空隙のサイズが定められ、
前記ワイパーアームアセンブリが、異物を前記コンベヤチェーン上面から払い除けるために、前記コンベヤチェーン上面上にて延在するワイパーアームを有することを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記コンベヤチェーンが、前記可動物品の一部を受容するための部分を有することを特徴とする請求項10に記載のコンベヤシステム。
【請求項12】
第1及び第2のプレートを更に有し、前記第1のレールが前記第1のプレートに取り付けられ、前記第2のレールが前記第2のプレートに取り付けられていることを特徴とする請求項10に記載のコンベヤシステム。
【請求項13】
前記第1及び第2のレールが低摩擦材料からなることを特徴とする請求項10に記載のコンベヤシステム。
【請求項14】
前記第1及び第2のレールがナイロンからなることを特徴とする請求項13に記載のコンベヤシステム。
【請求項15】
前記コンベヤチェーン上面から前記ワイパーアームにより払い除けられた異物を収集するための収集容器を更に有することを特徴とする請求項10に記載のコンベヤシステム。
【請求項16】
前記ワイパーアームが、前記コンベヤチェーンにより駆動される可動物品に遭遇したときに回動するが、異物に遭遇したときには静止状態に保持されるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載のコンベヤシステム。
【請求項17】
前記ワイパーアームアセンブリが、第1の方向に駆動される可動物品に遭遇したときに、前記ワイパーアームを前記第1の方向に回動させるための第1のヒンジと、第2の方向に駆動される可動物品に遭遇したときに、前記ワイパーアームを前記第2の方向に回動させるための第2のヒンジとを有することを特徴とする請求項10に記載のコンベヤシステム。
【請求項18】
前記ワイパーアームアセンブリが、前記ワイパーアームを、可動物品に遭遇した後に中立位置に復元するための付勢ばねを有することを特徴とする請求項17に記載のコンベヤシステム。
【請求項19】
第1及び第2のワイパーアームアセンブリを有し、前記コンベヤチェーンが第1の方向に運動しているときには、前記第1のワイパーアームアセンブリが異物を払い除ける働きを果たし、前記コンベヤチェーンが第2の方向に運動しているときには、前記第2のワイパーアームアセンブリが異物を払い除ける働きを果たすことを特徴とする請求項10に記載のコンベヤシステム。
【請求項20】
コンベヤチェーンから異物を除去するためのワイパーアームアセンブリであって、
コンベヤチェーンを、その上方にて横切るように延在し、前記ワイパーアームが、異物に遭遇したときには、当該異物を前記コンベヤチェーンの上面から払い除けるが、前記コンベヤチェーンにより駆動される可動物品に遭遇したときには、それを通過させるように構成されていることを特徴とするワイパーアームアセンブリ。
【請求項21】
前記ワイパーアームは、通常中立位置にあり、前記ワイパーアームアセンブリが、前記ワイパーアームを前記中立位置から第1の方向に回動させることにより、前記可動物品が前記ワイパーアームを前記第1の方向に通過し得るようにするための第1のヒンジと、前記ワイパーアームを前記中立位置から第2の方向に回動させることにより、前記可動物品が前記ワイパーアームを前記第2の方向に通過し得るようにするための第2のヒンジとを有することを特徴とする請求項20に記載のワイパーアームアセンブリ。
【請求項22】
前記ワイパーアームアセンブリが、前記ワイパーアームを前記中立位置に復元するための付勢ばねを有することを特徴とする請求項21に記載のワイパーアームアセンブリ。
【請求項23】
コンベヤチェーンの上面に異物を保持し、保持された前記異物を前記コンベヤチェーンから除去するための方法であって、
垂直方向に向けられかつ互いに間隔をおいて配置されることにより、互いに協働してスロットを画定する第1及び第2のレールを提供するステップを有し、そのとき、前記両レールが、前記コンベヤチェーンの上方にて、その下面が前記コンベヤチェーンに対向するように、垂直方向に向けて設けられ、前記レール下面が、前記コンベヤチェーンに対して間隔をおき、かつ前記コンベヤチェーンのエッジにオーバーラップすることにより空隙を画定し、前記コンベヤチェーンの上面に異物が維持され、異物除去領域に向けて搬送し得るように前記空隙のサイズが定められ、
当該方法が更に、前記異物除去領域に於いて、前記異物を前記コンベヤチェーン上面から収集容器内に向けて払い除けるステップを有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−504535(P2009−504535A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526103(P2008−526103)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/030695
【国際公開番号】WO2007/021634
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)