説明

ボルト用クリップ

【課題】ボルト固定部をボルトに対して強固に固定する。
【解決手段】本発明は、ボディパネルから突出されたスタッドボルトSBに取り付けられてワイヤハーネスを保持するボルト用クリップ10であって、スタッドボルトSBに取り付け固定されるボルト固定部30は、スタッドボルトSBを挿通させる挿通孔38を有する基板部31と、スタッドボルトSBが嵌合可能な嵌合孔35を有し、この嵌合孔35の内周面にスタッドボルトSBのねじ溝に嵌ってスタッドボルトSBを抜け止めする突起40が設けられており、基板部31に対して挿通孔38の軸方向に相対移動可能なロック部34とを備えて構成され、ロック部34は、基板部31がスタッドボルトSBの先端側へ引っ張られた際に、挿通孔38の内面とスタッドボルトSBとの間で楔状に嵌り込んで挿通孔38の孔縁部に係合する構成としたところに特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被取付部材から突出されたボルトに取り付けられてワイヤハーネスを保持するボルト用クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のボルト用クリップとして、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。このものは、ボルト(スタッドボルト)に取り付け固定されるボルト固定部を有している。このボルト固定部は、ボルトに圧入される中空部を有する連結具と、この連結具の外周側に嵌合することにより連結具がボルトから外れることを規制する筒体とを備えて構成されている。このようなクリップによると、まず、連結具の中空部をボルトに圧入状態で挿入し、次に、筒体を連結部に挿入することによってクリップがボルトに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−280228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のクリップでは、連結具の中空部の内壁がボルトのねじ山によって削られながら圧入が行われるため、連結具の中空部の内壁がボルトのねじ溝に食い込む量が小さくなり、ボルト固定部のボルトに対する保持力が小さくならざるを得ない。その結果、ボルト固定部がボルトの先端側に強く引っ張られた場合にボルト固定部がボルトから外れるおそれがある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ボルト固定部をボルトに対して強固に固定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被取付部材から突出されたボルトに取り付けられてワイヤハーネスを保持するボルト用クリップであって、ボルトに取り付け固定されるボルト固定部は、ボルトを挿通させる挿通孔を有する基板部と、ボルトが嵌合可能な嵌合孔を有し、この嵌合孔の内周面にボルトのねじ溝に嵌ってボルトを抜け止めする突起が設けられており、基板部に対して挿通孔の軸方向に相対移動可能なロック部とを備えて構成され、ロック部は、基板部がボルトの先端側へ引っ張られた際に、挿通孔の内面とボルトとの間で楔状に嵌り込んで挿通孔の孔縁部に係合する構成としたところに特徴を有する。
【0007】
このような構成によると、ロック部を挿通孔の軸方向に相対移動可能に設けたことにより、基板部がボルトの先端側へ引っ張られた際に、ロック部を挿通孔に楔状に嵌め込むことができる。また、ロック部を挿通孔の孔縁部に係合させることにより、基板部を抜け止めするとともに突起をボルトのねじ溝に向けて押し込むことができる。したがって、突起がボルトのねじ溝に嵌り込んだ状態に保持することができ、ボルト固定部をボルトに対して強固に固定することができる。
【0008】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
ロック部は、挿通孔の軸方向に延びるスリットによって複数の楔部材に分割されており、楔部材の一端部は、基板部に対して可撓性のヒンジ部を介して連結されており、楔部材の他端部は、ヒンジ部を中心として径方向外側に変位可能とされている構成としてもよい。
【0009】
このような構成によると、ボルトをロック部の嵌合孔に挿入する際に、ボルトの先端部が各楔部材に干渉することで、各楔部材の他端部がヒンジ部を中心として挿通孔の軸心から離れる方向に変位するため、嵌合孔の内周面に設けられた突起がボルトのねじ山によって削られることがなく、ボルト固定部のボルトに対する保持力が小さくなることはない。また、ボルトをロック部の嵌合孔に圧入しなくてもよいため、ボルトをロック部の嵌合孔に挿入する際の挿入力を低減できる。
【0010】
ボルト固定部は、基板部と、基板部の側縁から立ち上がる一対の側面部と、両側面部の上縁同士を連結してなる上面部とによって筒状に形成された筒部を有し、この筒部の内部にロック部が配置された構成とされ、上面部には、挿通孔と同軸をなす位置にボルトを挿通させる逃がし孔が設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、ボルト固定部に筒部が備えられたことにより、この筒部によってボルト固定部の剛性を高めることができる。また、上面部に逃がし孔を設けたことにより、ボルトの先端部と上面部が干渉することを回避できる。
【0011】
逃がし孔は、基板部の挿通孔の孔径よりも小径でかつロック部の嵌合孔の孔径よりも大径とされている構成としてもよい。
このような構成によると、ボルト固定部がボルトの側方から力を受けた場合にボルトが逃がし孔の内周面に当接することで、ロック部が直接力を受けることを回避できる。したがって、ロック部の突起がボルトのねじ溝に嵌り込んだ状態に保持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ボルト固定部をボルトに対して強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ボルト用クリップの正面図
【図2】ボルト用クリップの平面図
【図3】ボルト用クリップの底面図
【図4】ボルト用クリップの側面図
【図5】図1におけるA−A線断面図
【図6】図2におけるB−B線断面図
【図7】ボルト固定部の一部を削ってロック部を示す平面図
【図8】ボルト固定部の一部を削ってロック部を示す側面図
【図9】ボルト固定部をスタッドボルトに取り付ける途中の状態を側面側から見た断面図
【図10】ボルト固定部がスタッドボルトに取り付け固定された状態を側面側から見た断面図
【図11】ボルト固定部がスタッドボルトに取り付け固定された状態を正面側から見た断面図
【図12】ボルト固定部がスタッドボルトに対して上方に引っ張られた状態を正面側から見た断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
本発明の実施形態を図1ないし図12の図面を参照しながら説明する。本実施形態におけるボルト用クリップ10は、例えば車両のボディパネル(本発明の「被取付部材」の一例であるものの、図示はしない)から突出するスタッドボルトSBに取り付けられるものである。以下において上下方向とは図1を基準とする。また、前後方向とは図1における紙面と直交する方向を基準とし、紙面手前側を前側とする。
【0015】
ボルト用クリップ10は、合成樹脂製(例えば、ポリプロピレン)であって、図1に示すように、ワイヤハーネス(図示せず)を結束する結束バンド部20、この結束バンド部20と一体に設けられたボルト固定部30などを備えて構成されている。なお、結束バンド部20とボルト固定部30は、射出成形により一体に成形されている。
【0016】
結束バンド部20は、バンド部21と、バンド固定部22とを備えて構成されている。バンド部21は、複数のワイヤハーネスを束ねることができる長さであって、ほぼ一定の幅寸法でバンド固定部22に連なっている。バンド部21は可撓性を有し、バンド部21におけるワイヤハーネスとの接触面には、複数の係止凸部23が長さ方向に連続して設けられている。一方、バンド固定部22は、ボルト固定部30の側面部32と一体に設けられている。
【0017】
バンド固定部22には、図2に示すように、上下方向に貫通する形態をなすバンド挿通孔24が設けられており、このバンド挿通孔24の内部には、ロック片25が設けられている。このロック片25は、図6に示すように、バンド挿通孔24の内壁から上方に向けて片持ち状に突出する形態をなしている。ロック片25とバンド挿通孔24の内壁との間には、ロック片25の撓み空間が確保されている。このため、ロック片25は、バンド挿通孔24の内部で撓み可能とされている。
【0018】
ロック片25の先端部には、複数の被係止凸部26が設けられている。バンド部21がバンド挿通孔24に下方から挿入されると、バンド部21の先端部によってロック片25が撓み変形するとともに、バンド部21の係止凸部23とロック片25の被係止凸部26とが係止することにより、バンド部21がバンド挿通孔24から下方へ抜け止めされた状態に保持される。これにより、複数のワイヤハーネスが結束バンド部20によって結束される。
【0019】
ボルト固定部30は、図1に示すように、角筒状をなす筒部30Aを有し、この筒部30Aは、基板部31と、基板部31の両側縁から立ち上がる一対の側面部32,32と、両側面部32,32の上縁同士を連結してなる上面部33とを備えて構成されている。筒部30Aの内部には、ロック部34が配置されている。このロック部34は略円筒状をなし、側方から見た場合に、上方に向かうほど外径が大きくなるアンダーカット形状の外周面を有している。一方、ロック部34の内部には、嵌合孔35が設けられており、この嵌合孔35は、上下方向に内径が一定とされた内周面を有している。
【0020】
ロック部34は、図7および図8に示すように、左右一対のスリット36,36によって一対の楔部材37,37に分割されている。楔部材37は、上方に向かうほど肉厚を増すようにして楔状に形成されている。楔部材37の上端の肉厚は、挿通孔38の内周面からスタッドボルトSBのねじ山の頂点までの離間距離よりも大きく、楔部材37の下端の肉厚は、同離間距離よりも小さい。したがって、基板部31に近づくようにして楔部材37が下方に相対移動した場合には、楔部材37が、挿通孔38の内周面とスタッドボルトSBとの間で楔状に嵌り込み、楔部材37の外周面が挿通孔38の孔縁部に当接することになる。
【0021】
スリット36は、上下方向に延びる形態をなしている。前記したようにロック部34の内部には、図5および図6に示すように、スタッドボルトSBが嵌合可能な嵌合孔35が上下方向に貫通して形成されている。ロック部34の下端部は小径部Sとされており、ロック部34の上端部は大径部Lとされている。ロック部34を上下方向に切断した断面は、小径部Sから大径部Lにかけて徐々に肉厚が増す楔状とされている。
【0022】
嵌合孔35の内周面は、図6に示すように、上下方向に延びる形態とされている。また、嵌合孔35の内周面には、突起40が全周に亘って形成されている。この突起40は、図10および図11に示すように、スタッドボルトSBのねじ溝に適合して嵌り込むようにやや斜めに延びる形態とされている。突起40の突出高さは、スタッドボルトSBのねじ溝の深さとほぼ同じとされている。また、嵌合孔35の孔径は、スタッドボルトSBの外径とほぼ同じかこれよりやや大きめとされている。このため、スタッドボルトSBが嵌合孔35に嵌合した状態では、突起40がスタッドボルトSBのねじ溝に全周に亘って嵌り込んで上下方向に係止することにより、ボルト固定部30がスタッドボルトSBに取り付け固定されるようになっている。
【0023】
基板部31には、図6に示すように、スタッドボルトSBを挿通させる挿通孔38が上下方向に貫通して形成されている。一方、上面部33には、挿通孔38と同軸をなす位置にスタッドボルトSBを挿通させる逃がし孔39が上下方向に貫通して形成されている。この逃がし孔39は、挿通孔38の孔径よりも小径でかつ嵌合孔35の孔径よりも大径とされている。このため、スタッドボルトSBが逃がし孔39に挿通された状態で、ボルト固定部30がスタッドボルトSBの側方から力を受けた場合であっても、ボルト固定部30の傾きが規制されるとともに、スタッドボルトSBが逃がし孔39の内周面に当接し、ロック部34のうち突起40とスタッドボルトSBのねじ溝との係止部分が直接力を受けることを回避できる。したがって、ロック部34の突起40がスタッドボルトSBのねじ溝に嵌り込んだ状態に保持することができる。
【0024】
楔部材37における小径部S側の端部は、図5に示すように、薄肉のヒンジ部41を介して基板部31に連結されている。ヒンジ部41は、基板部31の下面側を肉抜きすることで薄肉に形成された平面状とされており、可撓性および伸縮性を備えている。ヒンジ部41は、図3に示すように、左右一対の切り込み42,42によって基板部31と分離されており、両切り込み42,42の奥端同士を直線状に結んだ連結縁43において基板部31と連結されている。これにより、楔部材37は、図12に示すように、下方に平行移動可能であって、図9に示すように、楔部材37における大径部L側の端部がヒンジ部41を中心として径方向外側に開き変位可能となっている。
【0025】
ヒンジ部41における連結縁43よりも楔部材37側には、図3に示すように、段差44が形成されている。段差44は、連結縁43と平行に配置されている。ヒンジ部41のうち段差44よりも内側部分は、外側部分よりも厚肉となっている。また、ヒンジ部41のうち楔部材37側の端縁45は円弧状をなし、この端縁45の左右両端部は、両切り込み42,42よりも左右両側へ突出する形態とされている。これにより、図12に示すように、楔部材37が挿通孔38の軸方向に平行移動した際に、楔部材37の外周面が挿通孔38の孔縁部に当接して係合し、基板部31が楔部材37を乗り越えて抜けることが規制されている。
【0026】
また、楔部材37の外周面が挿通孔38の孔縁部に係合した状態では、突起40が挿通孔38の内部に配置されているため、楔部材37が挿通孔38の孔縁部から受ける径方向内側への力を突起40に直接伝えることができる。したがって、突起40が径方向内側に押し込まれてスタッドボルトSBのねじ溝に嵌り込み、スタッドボルトSBに対してボルト固定部30を強固に固定することができる。
【0027】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用を図9ないし図12の図面を参照しながら説明する。ボルト固定部30をスタッドボルトSBに取り付けるには、スタッドボルトSBの先端を挿通孔38から挿入し、嵌合孔35に差しかかったところで、スタッドボルトSBの先端が両楔部材37,37の両突起40,40に接触し始める。そのまま嵌合孔35にスタッドボルトSBを挿入していくと、両楔部材37,37の上端部が両ヒンジ部41,41を中心として互いに離れる方向に開き変位することで、スタッドボルトSBを嵌合孔35に挿入する際の挿入力が低減される。
【0028】
そして、スタッドボルトSBの挿入が完了すると、図10および図11に示すように、両突起40,40がスタッドボルトSBのねじ溝に嵌り込み、両楔部材37,37の上端部が復帰変位する。この状態では、両突起40,40がスタッドボルトSBのねじ溝のほぼ全周に亘って嵌っているため、ボルト固定部30がスタッドボルトSBに固定される。
【0029】
次に、ボルト固定部30がスタッドボルトSBの先端側に強く引っ張られた場合について説明する。この場合、図12に示すように、ロック部34が挿通孔38の内周面とスタッドボルトSBとの間で楔状に嵌り込み、ロック部34の外周面が挿通孔38の孔縁部に当接することになる。ここで、ロック部34の大径部Lは、挿通孔38の孔径よりも大径とされているため、両楔部材37,37の外周面と挿通孔38の孔縁部とが軸方向および径方向の双方向に係合し、筒部30Aがロック部34から上方に抜けることが規制される。また、両楔部材37,37と挿通孔38の孔縁部との係合に伴って両突起40,40をスタッドボルトSBのねじ溝に押し込むように作用するから、両突起40,40がスタッドボルトSBのねじ溝から外れることはなく、ボルト固定部30をスタッドボルトSBに対して強固に固定することができる。
【0030】
以上のように本実施形態ではボルト固定部30がスタッドボルトSBの先端側に強く引っ張られた場合に、ロック部34が基板部31側に相対移動して挿通孔38に楔状に嵌り込み、両突起40,40がスタッドボルトSBのねじ溝に押し込まれるようにしたから、ボルト固定部30がスタッドボルトSBから外れてしまうことを規制できる。また、ロック部34を両楔部材37,37で構成し、楔部材37を基板部31に対してヒンジ部41で連結したから、スタッドボルトSBを嵌合孔35に挿入する際に、両楔部材37,37が両ヒンジ部41,41を中心として開くことになり、スタッドボルトSBの嵌合孔35への挿入力を低減できる。
【0031】
また、ボルト固定部30に筒部30Aを設けたから、ボルト固定部30の剛性を高めることができる。さらに、上面部33にスタッドボルトSBを挿通させる逃がし孔39を設けたから、スタッドボルトSBの先端部が上面部33に干渉することを回避できる。これらに加えて、ボルト固定部30がスタッドボルトSBの側方から力を受けた場合に、スタッドボルトSBが逃がし孔39の内周面に当接することにより、ロック部34に力がかかることを規制できる。
【0032】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態ではロック部34が円筒状に形成されているものの、本発明によると、ロック部34を角筒状に形成してもよく、その場合には挿通孔を角孔にすればよい。
【0033】
(2)上記実施形態ではロック部34が両ヒンジ部41,41を介して基板部31に連結されているものの、本発明によると、ロック部を基板部とは別体に設けてもよい。
【0034】
(3)上記実施形態ではボルト固定部30が筒部30Aを有しているものの、本発明によると、ボルト固定部が基板部とロック部のみからなる構成としてもよい。
【0035】
(4)上記実施形態では逃がし孔39が挿通孔38の孔径よりも大径でかつ嵌合孔35の孔径よりも小径とされているものの、本発明によると、スタッドボルトの形状に合わせて逃がし孔の孔径を適宜設定することができる。
【符号の説明】
【0036】
10…ボルト用クリップ
30…ボルト固定部
30A…筒部
31…基板部
32…側面部
33…上面部
34…ロック部
35…嵌合孔
37…楔部材
38…挿通孔
39…逃がし孔
40…突起
41…ヒンジ部
SB…スタッドボルト(ボルト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部材から突出されたボルトに取り付けられてワイヤハーネスを保持するボルト用クリップであって、
前記ボルトに取り付け固定されるボルト固定部は、
前記ボルトを挿通させる挿通孔を有する基板部と、
前記ボルトが嵌合可能な嵌合孔を有し、この嵌合孔の内周面に前記ボルトのねじ溝に嵌って前記ボルトを抜け止めする突起が設けられており、前記基板部に対して前記挿通孔の軸方向に相対移動可能なロック部とを備えて構成され、
前記ロック部は、前記基板部が前記ボルトの先端側へ引っ張られた際に、前記挿通孔の内面と前記ボルトとの間で楔状に嵌り込んで前記挿通孔の孔縁部に係合することを特徴とするボルト用クリップ。
【請求項2】
前記ロック部は、前記挿通孔の軸方向に延びるスリットによって複数の楔部材に分割されており、前記楔部材の一端部は、前記基板部に対して可撓性のヒンジ部を介して連結されており、前記楔部材の他端部は、前記ヒンジ部を中心として径方向外側に変位可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のボルト用クリップ。
【請求項3】
前記ボルト固定部は、前記基板部と、前記基板部の側縁から立ち上がる一対の側面部と、両側面部の上縁同士を連結してなる上面部とによって筒状に形成された筒部を有し、この筒部の内部に前記ロック部が配置された構成とされ、
前記上面部には、前記挿通孔と同軸をなす位置に前記ボルトを挿通させる逃がし孔が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボルト用クリップ。
【請求項4】
前記逃がし孔は、前記基板部の前記挿通孔の孔径よりも小径でかつ前記ロック部の前記嵌合孔の孔径よりも大径とされていることを特徴とする請求項3に記載のボルト用クリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−219829(P2012−219829A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82939(P2011−82939)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)