説明

ボーディングブリッジ

【課題】 トンネル部において他のトンネルの内側に嵌合されるトンネルの屋上でメンテナンス等の作業を行う作業者の安全を容易に確保することができるボーディングブリッジを提供する。
【解決手段】 一端がロタンダ2に接続され、テレスコピック式に嵌合された複数のトンネル4a〜4cからなる伸縮自在なトンネル部4と、複数のトンネルのうちの内側に嵌合されるトンネル4a、4bの屋上にトンネルの長手方向に並んで配置される複数の支柱を有し、全ての支柱が起立した状態となる起立姿勢と全ての支柱が伏した状態となる伏せ姿勢とに姿勢が変更可能なように構成された安全柵9,10とを備え、トンネル4aは、安全柵9が伏せ姿勢のときに外側のトンネル4bに挿入可能に構成され、トンネル4bは、安全柵10が伏せ姿勢のときに外側のトンネル4cに挿入可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターミナルビルと航空機または船舶(客船)との間で乗客の移動に使用されるボーディングブリッジ(搭乗橋)に関する。
【背景技術】
【0002】
ボーディングブリッジは、ターミナルビルと航空機または客船とを連絡するトンネル状の歩行通路であり、ターミナルビルと航空機または客船との間での乗客の直接の乗り降りを可能にするものである。
【0003】
一般にボーディングブリッジは、ターミナルビルの乗降口に接続された回転自在なロタンダと、ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、トンネル部の先端に設けられた回転自在なキャブとを備えている。トンネル部のやや先端側には、トンネル部を支持し、かつ昇降及び走行機構を有するドライブコラムが設けられている。
【0004】
トンネル部は、それぞれ筒状体からなる複数のトンネルによって構成され、これら複数のトンネルがテレスコピック式(入れ子式)に嵌合されて伸縮可能に構成されている。このトンネル部を構成する複数のトンネルのうちの最外側のトンネル(キャブに接続されたトンネル)の屋上には、メンテナンス等の作業者の安全を確保するための安全柵が設けられているものがある(例えば特許文献1の図1、図2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−291896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のボーディングブリッジのトンネル部では、外側のトンネルと内側のトンネルとがスライドできるように、両トンネルの間にローラ等のスライド装置が設けられており、この装置のメンテナンス等を行うために作業者が最外側以外のトンネルの屋上を通行したり屋上で作業する場合がある。しかしながら、最外側以外のトンネルは他のトンネルの内側に嵌合されるため、安全柵が設けられておらず、最外側以外のトンネルの屋上でのメンテナンス等の作業を行うには、安全帯を用いるなど別途対策を要していた。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、トンネル部において他のトンネルの内側に嵌合されるトンネルの屋上でメンテナンス等の作業を行う作業者の安全を容易に確保することができるボーディングブリッジを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係るボーディングブリッジは、ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が前記ロタンダに接続され、テレスコピック式に嵌合された複数のトンネルからなる伸縮自在なトンネル部と、前記トンネル部の他端に設けられ、移動体の乗降口に着脱されるキャブと、前記複数のトンネルのうちの内側に嵌合される前記トンネルの屋上に前記トンネルの長手方向に並んで配置される複数の支柱を有し、全ての前記支柱が起立した状態となる起立姿勢と前記全ての支柱が伏した状態となる伏せ姿勢とに姿勢が変更可能なように構成された安全柵とを備え、前記内側に嵌合される前記トンネルは、前記安全柵が前記伏せ姿勢のときに、前記内側に嵌合される前記トンネルと隣接する外側のトンネルに挿入可能に構成されている。
【0009】
この構成によれば、安全柵が伏せ姿勢のときにトンネル部の伸縮を行い、トンネル部を伸ばした状態で、メンテナンス等のために作業者が内側に嵌合されるトンネルの屋上を通行したり屋上で作業する場合には、安全柵を起立姿勢にすることにより、作業者の安全を容易に確保することができる。
【0010】
また、前記支柱は、その下端部を軸にして一方向へ回動することにより前記伏した状態から前記起立した状態となり、他方向へ回動することにより前記起立した状態から前記伏した状態となるように構成され、前記安全柵を前記伏せ姿勢から前記起立姿勢への移行途中のとき、及び、前記起立姿勢から前記伏せ姿勢への移行途中のときに、前記支柱を起立させる方向へ付勢する付勢手段をさらに備えていてもよい。
【0011】
この構成によれば、作業者が安全柵を伏せ姿勢から起立姿勢に起こす場合、付勢手段による付勢力が安全柵を起こす方向に働き、容易に起こす(立ち上がらせる)ことができる。また、作業者が安全柵を起立姿勢から伏せ姿勢に倒す場合には、付勢手段による付勢力によって、安全柵が急激に倒れることなくゆっくりと静かに倒すことができる。
【0012】
また、前記支柱は、その下端部を軸にして一方向へ回動することにより前記伏した状態から前記起立した状態となり、他方向へ回動することにより前記起立した状態から前記伏した状態となるように構成され、前記支柱を前記一方向へ回動させて前記安全柵を前記伏せ姿勢から前記起立姿勢へ移行させるための第1の動作を行うとともに、前記支柱を前記他方向へ回動させて前記起立姿勢から前記伏せ姿勢へ移行させるための第2の動作を行う姿勢変更手段と、前記姿勢変更手段に前記第1の動作を行わせるための指示及び前記第2の動作を行わせるための指示を与える操作手段とをさらに備えていてもよい。
【0013】
この構成によれば、操作手段を操作することにより、安全柵を伏せ姿勢から起立姿勢へ移行させることができるとともに、安全柵を起立姿勢から伏せ姿勢へ移行させることができる。
【0014】
また、前記内側に嵌合される少なくとも1つの前記トンネルの屋上に、前記安全柵が前記トンネルの長手方向に並んで複数備えられていてもよい。
【0015】
この構成によれば、内側に嵌合される各トンネルに、その長手方向に並んだ複数の安全柵を設けることにより、トンネル部の伸び方が短い場合でも、同トンネルが外側のトンネルと重なっていない部分の安全柵を起立姿勢にして使用することができる。
【0016】
また、前記安全柵が備えられた前記トンネルの屋上の前記トンネルの長手方向の断面形状が凹部と凸部が繰り返された波形状であり、前記安全柵の前記支柱が前記凹部に配置されていてもよい。
【0017】
また、前記安全柵の伏せ姿勢を検知する検知手段と、前記トンネル部の最外側の前記トンネルに取り付けられ、前記トンネル部の長手方向に移動することにより前記トンネル部を伸縮させるドライブコラムとを備え、前記ドライブコラムは、前記検知手段が少なくとも1つの前記安全柵の伏せ姿勢を検知していないときには、前記トンネル部の少なくとも収縮方向に移動しないように構成されていてもよい。
【0018】
この構成によれば、ドライブコラムは、検知手段が少なくとも1つの安全柵の伏せ姿勢を検知していないときには、トンネル部の収縮方向に移動しないように構成されているため、安全柵が起立姿勢のときに誤ってトンネル部の収縮動作が行われることによって安全柵等が破損されるのを防止することができる。なお、ドライブコラムは、検知手段が少なくとも1つの安全柵の伏せ姿勢を検知していないときに、トンネル部の収縮方向だけでなく伸長方向にも移動しないように(すなわち収縮方向及び伸長方向を含む長手方向に移動しないように)構成されていてもよい。
【0019】
また、前記検知手段が少なくとも1つの前記安全柵の伏せ姿勢を検知していないときに、前記安全柵が伏せ姿勢でないことをオペレータに報知する報知手段が前記キャブ内に設けられていてもよい。
【0020】
この構成によれば、安全柵が伏せ姿勢でないことをオペレータに報知することができる。なお、オペレータが操作するドライブコラムの操作手段も、通常キャブ内に設けられている。
【0021】
また、他の形態に係るボーディングブリッジは、ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が前記ロタンダに接続され、テレスコピック式に嵌合された複数のトンネルからなる伸縮自在なトンネル部と、前記トンネル部の他端に設けられ、移動体の乗降口に着脱されるキャブと、それぞれ各前記トンネルの屋上に設けられ所定の高さに支持された複数の横柵がテレスコピック式に嵌合されてなる伸縮自在な横柵部を有する安全柵とを備え、前記トンネル部の伸縮に伴って前記横柵部が伸縮するように構成されている。
【0022】
この構成によれば、それぞれ各トンネルの屋上に設けられ所定の高さに支持された複数の横柵がテレスコピック式に嵌合されてなる伸縮自在な横柵部を有する安全柵を備え、トンネル部の伸縮に伴って横柵部が伸縮するように構成されているため、全てのトンネルの屋上には常時、安全柵が存在し、メンテナンス等のために作業者が内側に嵌合されるトンネルの屋上を通行したり屋上で作業する場合にも作業者の安全を容易に確保することができるとともに、安全柵の姿勢の変更等を行う必要がない。
【0023】
さらに他の形態に係るボーディングブリッジは、ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が前記ロタンダに接続され、テレスコピック式に嵌合された複数のトンネルからなる伸縮自在なトンネル部と、前記トンネル部の他端に設けられ、移動体の乗降口に着脱されるキャブと、前記複数のトンネルのうちの内側に嵌合される前記トンネルの屋上に着脱自在に取り付けられる安全柵とを備えている。
【0024】
この構成によれば、メンテナンス等のために作業者が内側に嵌合されるトンネルの屋上を通行したり屋上で作業する場合には、作業者がはじめに安全柵を内側に嵌合されるトンネルの屋上に取り付けることにより、作業者の安全を容易に確保することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、以上に説明した構成を有し、トンネル部において他のトンネルの内側に嵌合されるトンネルの屋上でメンテナンス等の作業を行う作業者の安全を容易に確保することができるボーディングブリッジを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態のボーディングブリッジの一例を模式的に示した平面図であり、(b)は、同ボーディングブリッジの一例を模式的に示した側面図であり、(c)は、第1トンネルまたは第2トンネルを前側からみた模式図である。
【図2】(a)は、第1の実施形態における第1構成例のボーディングブリッジの第1トンネルの屋上に設けられた左側の安全柵を右側から見た図であり、(b)は、同安全柵を前側から見た図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における操作盤の概略構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態における第4構成例のボーディングブリッジの第1トンネルの屋上に設けられた左側の安全柵を前側から見た図である。
【図5】第1の実施形態におけるボーディングブリッジの変形例を模式的に示した側面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のボーディングブリッジの一例を模式的に示した側面図である。
【図7】(a)は、本発明の第3の実施形態のボーディングブリッジの第1(第2)トンネルの左右の両縁部に設けられる安全柵のうちの左側の安全柵の一例を右側から見た図であり、(b)は、同左側の安全柵を前側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0028】
〔第1の実施形態〕
図1(a)は、本発明の第1の実施形態のボーディングブリッジの一例を模式的に示した平面図であり、図1(b)は、同ボーディングブリッジの一例を模式的に示した側面図である。
【0029】
なお、図1(a)、(b)に示すように、ボーディングブリッジにおいて、便宜上、航空機60側を「前」とし、ターミナルビルの乗降口1側を「後」として説明する。
【0030】
このボーディングブリッジは、空港のターミナルビルの乗降口1と航空機(移動体)60の乗降部との間の乗客の歩行通路を形成し、ターミナルビルの乗降口1に接続されたロタンダ(後部円形室)2と、ロタンダ2に接続されたトンネル部4と、トンネル部4の前端に配されたキャブ(前部円形室)5と、トンネル部4の前寄りに設けられてトンネル部を支持するドライブコラム7とを備えている。また、図示していないが、例えばオペレータがエプロン(地上)50からトンネル部4に出入りするための補助階段を備えている。
【0031】
ロタンダ2は、トンネル部4が、鉛直軸Pの回りにスイング運動できるよう、トンネル部4の後端に回転可能に配されている。
【0032】
キャブ5は、キャブ5自体が鉛直軸Qの回りに旋回することにより、キャブ5の前端部6が左右に首振り運動できるよう、トンネル部4の前端部に回転可能に配されている。このキャブ5内では、操作盤8が設置され、オペレータが、操作盤8のジョイスティック等を用いて、ボーディングブリッジに備えられている各機器(例えば、ドライブコラム7)を操作できる。
【0033】
トンネル部4は、後端がロタンダ2に対して上下方向に揺動自在に接続され、テレスコピック式に嵌合された複数のトンネル4a、4b、4cによって伸縮自在に構成されている。本実施形態におけるトンネル部4は、第1〜第3の3つのトンネル4a、4b、4cを有している。第1トンネル4aの後端部はロタンダ2に接続され、第3トンネル4cの前端部はキャブ5に接続されている。第1トンネル4aと第2トンネル4bと第3トンネル4cとは、それぞれ断面の大きさが異なる角筒状であり、テレスコピック式(入れ子式)に嵌合されるように構成されている。すなわち、トンネル部4が縮むときには、第1トンネル4aが第2トンネル4b内に挿入され、第2トンネル4bが第3トンネル4c内に挿入される。
【0034】
以上のトンネル部4は、図示しない公知のスライド構造を内包し、これにより、トンネル部4は、第1、第2および第3トンネル4a、4b、4cの隣接するトンネル同士がラップ状態を維持してトンネル部4の長手方向(前後方向)に沿って相対的にスライドすることにより、伸縮可能に構成されている。
【0035】
また、ドライブコラム7が、トンネル部4を挟むようにトンネル部4の適所(具体的には、トンネル部4の前端側の部分)に連結されている。よって、このドライブコラム7の下端部の駆動輪7aがエプロン50上を走行すると、トンネル部4に、前後方向の伸縮運動(スライド動作)の動力が伝わる。更に、このようなドライブコラム7は、上下方向に伸縮可能に構成されている。このドライブコラム7の上下方向の伸縮運動により、トンネル部4およびキャブ5が、ロタンダ2を基端として上下方向に揺動運動することができる。
【0036】
また、トンネル部4の最外側のトンネルである第3トンネル4cの屋上の左右の両縁部には、安全柵11が固設されている。さらに、本実施形態では、第1、第2トンネル4a、4bの左右の両縁部にも安全柵9、10が設けられている。図1(c)は、第1トンネル4a(または第2トンネル4b)を前側からみた模式図である。この図1(c)に示すように、第1トンネル4aの屋上に設けられた左右の安全柵9及び第2トンネル4bの屋上に設けられた左右の安全柵10はそれぞれ、矢印で示すように、起立した状態(起立姿勢)から、内側へ倒して水平あるいは略水平状態である伏せ姿勢にすることができる。そして、安全柵9、10が伏せ姿勢のときにのみ、ドライブコラム7によるトンネル部4の伸縮を行えるように構成されている。
【0037】
本実施形態では、安全柵9、10が伏せ姿勢のときにトンネル部4の伸縮を行い、メンテナンス等のために作業者が第1、第2トンネル4a、4bの屋上を通行したり屋上で作業する場合には、安全柵9、10を起立した状態である起立姿勢にすることにより、作業者の安全を容易に確保することができる。
【0038】
以上に述べた構成は、以下で述べる第1〜第4構成例に共通の構成であり、以下の第1〜第4構成例では、それぞれその特徴点について説明する。
【0039】
(第1構成例)
まず、第1の実施形態における第1構成例のボーディングブリッジについて説明する。図2(a)は、第1構成例における第1トンネル4aの屋上に設けられた左側の安全柵9を右側から見た図であり、図2(b)は、同左側の安全柵9を前側から見た図である。なお、右側の安全柵9も左側の安全柵9と左右が異なるだけで同様の構成である。
【0040】
第1トンネル4aの屋上には、左右の両縁部に断面L字形のL型アングル22が配設され、この左右のL型アングル22の間に断面(前後方向の断面)が波形状のコルゲート板21が配設されている。このコルゲート板21は、溶接にてL型アングル22に固定されている。
【0041】
そして、安全柵9は、複数の支柱23と、支柱23と支柱23との間を連結する横柵24、25とを有している。横柵24、25は溶接あるいはねじ止め等によって支柱23に固定されている。L型アングル22には各支柱23を取り付けるための取付部材26が固設されている。各支柱23は、その下部に水平に突設された軸A1が設けられ、この軸A1を中心に回動自在に取付部材26に取り付けられている。また、各支柱23は、二点鎖線で示す伏した状態(倒れた状態)のときに、コルゲート板21の凹部に収納されるように配設されている。
【0042】
また、安全柵9の少なくとも一端(例えば前端)の支柱23には、例えばガスダンパからなる直動付勢手段27が取り付けられている。L型アングル22には直動付勢手段27を取り付ける軸A2を有する取付部材32が固設されている。直動付勢手段27は両端に取付け部を有し、その一端の取付け部が取付部材32に軸A2を中心に回動自在に取り付けられ、他端の取付け部が支柱23に突設された取付ピン28に回動自在に取り付けられている。直動付勢手段27は、その長手方向へ伸びるように(両端の取付け部が遠ざかるように)付勢されており、ガスダンパの他、ばね力を用いた直動機構によって構成してもよい。例えば、シリンダ内にロッドを前進方向に付勢するためのばねが設けられた構成であってもよい。この場合、圧縮ばね及び引張りばねのいずれのばねを用いてもよく、ロッドが前進方向に付勢されるようにシリンダ内にばねを取り付ければよい。直動付勢手段27は、例えば、安全柵9の前端及び後端の両方の支柱23に設けられてあってもよい。
【0043】
また、直動付勢手段27が取り付けられた支柱23には、引っ掛け部29が設けられており、二点鎖線で示す伏した状態のときに、フック部30を引っ掛け部29に引っ掛けて支柱23が固定されるようにしている。フック部30はコルゲート板21の凹部に設けられている。なお、支柱23の取付部材26への取付け構造、及び、直動付勢手段27の取付部材32への取付け構造等については、適宜、設計ないし変更が可能であり、図2ではその詳細を図示していない。
【0044】
以上の構成により、安全柵9を伏せ姿勢から起立姿勢に起こす場合、作業者がフック部30を引っ掛け部29から外し、手で安全柵9を少し起こすと、直動付勢手段27による付勢力が安全柵9を起こす方向に働き、容易に起こす(立ち上がらせる)ことができる。また、作業者が安全柵9を起立姿勢から伏せ姿勢に倒す場合には、直動付勢手段27による付勢力によって、安全柵9が急激に倒れることなくゆっくりと静かに倒すことができる。
【0045】
また、第2トンネル4bの安全柵10も第1トンネル4aの安全柵9と同様の構成であり、同様の効果が得られるので、その説明を省略する。
【0046】
なお、支柱23が伏した状態にあるというときにはその支柱を有する安全柵(9、10)も伏した状態(伏せ姿勢)にあり、支柱23が起立した状態にあるというときにはその支柱を有する安全柵(9、10)も起立した状態(起立姿勢)にある。
【0047】
また、コルゲート板21の凹部には支柱23が伏した状態であること(言い換えれば安全柵が伏せ姿勢であること)を検知するための柵収納検知手段31が設けられている。この柵収納検知手段31は、一対の安全柵9の各々と一対の安全柵10の各々とに対応して設けられている。これらの柵収納検知手段31の検知信号は、操作盤8に入力される。柵収納検知手段31としては、例えば、リミットスイッチ、光学式センサ、磁気センサ、または接触式センサを用いることができる。
【0048】
また、各々の安全柵9、10が所定の伏せ姿勢のときには、各々の柵収納検知手段31から検知信号が操作盤8に入力される。操作盤8では、いずれかの柵収納検知手段31からの検知信号が入力されていない場合には、ドライブコラム7の操作ができないように構成されている。これにより、合計4つの安全柵9、10のうちの全ての安全柵が所定の伏せ姿勢のときにのみドライブコラム7の操作が可能となり、4つの安全柵9、10のうちのいずれかの安全柵が所定の伏せ姿勢ではないときにトンネル部4の伸縮動作が行われるのを防止することができる。
【0049】
図3は、第1の実施形態における操作盤8の概略構成を示すブロック図である。操作盤8は、操作部8aと表示部8bと制御部8cとを有している。操作部8aは、ボーディングブリッジに備えられている各機器(例えばドライブコラム7等)を操作するためのジョイスティック等によって構成されている。また、表示部8bは、画面に種々の情報等を表示できるディスプレイによって構成されている。また、制御部8cは、例えばマイクロコントローラ等によって構成され、操作部8aからの信号を入力し、その入力信号に基づいて各機器(例えばドライブコラム7等)の動作を制御するとともに、表示部8bへその画面に表示するデータ等の信号を出力して表示部8bを制御する。また、制御部8cは全ての柵収納検知手段31からの検知信号を入力する。
【0050】
制御部8cは、少なくとも1つの柵収納検知手段31からの検知信号が入力されていないときには、表示部8bに安全柵が収納されていない旨(伏せ姿勢ではない旨)を文字等によって画面に表示させるように構成されている。この画面表示方法は特に限定されるものではなく、安全柵が収納されていない旨をオペレータに報知できればよい。また、操作盤8に安全柵が収納されていないことをオペレータに報知するためのランプを設けておいて、制御部8cが、少なくとも1つの柵収納検知手段31からの検知信号が入力されていないときに上記ランプを点灯させるようにしてもよい。
【0051】
また、制御部8cは、少なくとも1つの柵収納検知手段31からの検知信号が入力されていないときに、操作部8aからドライブコラム7を動作させる信号を入力した場合には、ドライブコラム7を動作させないように構成されている。これにより、安全柵9、10が起立姿勢のときに誤ってトンネル部4の伸縮動作が行われることにより、安全柵9、10等が破損されるのを防止することができる。
【0052】
なお、操作部8aと表示部8bと制御部8cとが1つのユニットになっていなくても問題はなく、オペレータが操作部8aを操作時に表示部8bの画面の表示を確認(視認)できればよい。
【0053】
(第2構成例)
次に第1の実施形態における第2構成例のボーディングブリッジについて説明する。この第2構成例では、第1構成例において、直動付勢手段27に代えて、トーションばね(ねじりコイルばね)を用いる。この場合、支柱23に設けられた軸A1に、この軸A1と同軸となるようにトーションばねを取付け、このトーションばねによって支柱23が伏した状態から立ちあがる方向へ付勢されるように構成する。
【0054】
この第2構成例では、安全柵9、10を伏せ姿勢から起立姿勢に起こす場合、作業者がフック部30を引っ掛け部29から外すと、トーションばねによる付勢力が安全柵9、10を起こす方向に働き、容易に起こす(立ち上がらせる)ことができる。また、作業者が安全柵9、10を起立姿勢から伏せ姿勢に倒す場合には、トーションばねによる付勢力によって、安全柵9、10が急激に倒れることなくゆっくりと静かに倒すことができる。
【0055】
なお、上記第1、第2構成例において、支柱23が所定の起立した状態の保持を強固にするための手段が設けられてあってもよい。
【0056】
(第3構成例)
次に第1の実施形態における第3構成例のボーディングブリッジについて説明する。この第3構成例では、第1構成例において、直動付勢手段27に代えて、油圧シリンダ(姿勢変更手段)を取り付ける。この場合、油圧シリンダの動作を制御するための操作スイッチ等の操作手段が設けられ、この操作手段を作業者等が操作することにより、各安全柵9、10を所定の伏せ姿勢から所定の起立姿勢へ立ち上げる立ち上げ動作及びその逆の動作が行われるように構成する。上記の操作手段は、操作盤8に設けられてあってもよいし、安全柵9、10の近傍に設けられてあってもよい。また、この場合、引っ掛け部29及びフック部30は不要である。なお、油圧シリンダは、例えば、各安全柵9、10の前端及び後端の支柱23に対して設けられてあってもよい。
【0057】
この第3構成例において、姿勢変更手段として、油圧シリンダの代わりに、電動シリンダ等の電動直動ユニットを用いてもよい。
【0058】
この第3構成例では、操作手段を操作することによって、各安全柵9、10の立ち上げ動作及びその逆の動作を行わせることができる。
【0059】
(第4構成例)
次に第1の実施形態における第4構成例のボーディングブリッジについて説明する。図4は、第4構成例のボーディングブリッジの左側の安全柵9を前側から見た図である。なお、右側の安全柵9も左側の安全柵9と左右が異なるだけで同様の構成である。
【0060】
この第4構成例では、第1構成例において、直動付勢手段27と引っ掛け部29及びフック部30とを無くし、いずれか1つ以上の支柱23に対して回転駆動手段(姿勢変更手段)37を設けるとともに、回転駆動手段37の動作を制御するための操作スイッチ等の操作手段を設けた構成であり、これ以外の構成は第1構成例と同様である。回転駆動手段37は、例えば、安全柵9の前端及び後端の支柱23に対して設けられてあってもよい。
【0061】
回転駆動手段37は、L型アングル22に固設された取付部材33に固定された電動モータ34と、支柱23の下部に水平に突設された軸A1に固定されたスプロケット35と、スプロケット35と電動モータ34の回転軸34aとを連結するチェーン36とを有している。電動モータ34の回転軸34aを第1の方向へ回転させることにより、支柱23が回動して倒れ、第1の方向とは逆方向へ回転させることにより、倒れた状態の支柱3が立ちあがる。この場合、操作手段を作業者等が操作することにより、安全柵9を所定の伏せ姿勢から所定の起立姿勢へ立ち上げる立ち上げ動作及びその逆の動作が行われるように構成する。
【0062】
また、第2トンネル4bの安全柵10も第1トンネル4aの安全柵9と同様の構成である。
【0063】
この第4構成例では、操作手段を操作することによって、各安全柵9、10の立ち上げ動作及びその逆の動作を行わせることができる。なお、操作手段は、操作盤8に設けられてあってもよいし、安全柵9、10の近傍に設けられてあってもよい。
【0064】
(変形例)
次に第1の実施形態における変形例について説明する。図5は、第1の実施形態における変形例のボーディングブリッジを模式的に示した側面図である。この変形例では、上記第1〜第4構成例において、第1トンネル4aに設けられる左右の安全柵9をそれぞれ複数(ここでは4つ)の安全柵9a〜9dに分割して設けている。同様に、第2トンネル4bに設けられる左右の安全柵10もそれぞれ複数(ここでは4つ)の安全柵10a〜10dに分割して設けている。安全柵9a〜9d及び安全柵10a〜10dの各安全柵は、第1〜第4構成例における各安全柵9、10と同様にして構成している。したがって、第1トンネル4aの屋上の左右両側には、トンネルの長手方向に並んで複数の安全柵9a〜9dが設けられ、第2トンネル4bの屋上の左右両側には、トンネルの長手方向に並んで複数の安全柵10a〜10dが設けられた構成である。なお、柵収納検知手段31も各安全柵9a〜9d、10a〜10dに対応して設けられている。
【0065】
このように、第1、第2トンネル4a、4bに設ける安全柵をトンネルの長さ方向(前後方向)に複数に分割して設けることにより、トンネル部4の伸び方が短い場合でも、トンネルが外側のトンネルと重なっていない部分の安全柵を起立姿勢にして使用することができる。例えば、第1トンネル4aの安全柵9a〜9dのうち、第1トンネル4aが第2トンネル4bと重なっていない部分の安全柵を起立姿勢にして使用することができる。同様に、第2トンネル4bの安全柵10a〜10dのうち、第2トンネル4bが第3トンネル4cと重なっていない部分の安全柵を起立姿勢にして使用することができる。
【0066】
〔第2の実施形態〕
図6は、本発明の第2の実施形態のボーディングブリッジの一例を模式的に示した側面図である。
【0067】
本実施形態では、図1の安全柵9、10、11に代えて、安全柵41、42、43がそれぞれ左右両側に設けられる。
【0068】
トンネル部4において最外側となる第3トンネル4cに設けられる安全柵43は、中空の横柵43aと、この横柵43aを支持する複数の支柱43bとを備えている。そして、第2トンネル4bに設けられる安全柵42は、中空の横柵42aと、この横柵42aの後端を支持する支柱42bとを備え、部分拡大図45に示されるように、横柵42aは安全柵43の横柵43aの内部に挿入されるように構成されている。また、第1トンネル4aに設けられる安全柵41は、横柵41aと、この横柵41aの後端を支持する支柱41bとを備え、部分拡大図46に示されるように、横柵41aは安全柵42の横柵42aの内部に挿入されるように構成されている。なお、最内側となる第1トンネル4aに設けられる横柵41aは中空でなくてもよい。
【0069】
本実施形態では、複数の横柵41a、42a、43aからなる横柵部がテレスコピック式に嵌合されている。すなわち、隣接する横柵41a、42a、43a同士がラップ状態を維持して横柵部の長手方向(前後方向)に沿って相対的にスライドすることにより、伸縮可能に構成されている。そして、トンネル部4が伸縮することによって上記横柵部も伸縮するように構成されている。
【0070】
本実施形態では、全てのトンネル4a、4b、4cの屋上には常時、安全柵41、42、43が存在しているので、メンテナンス等のために作業者が最外側以外の第1、第2トンネル4a、4bの屋上を通行したり屋上で作業する場合にも作業者の安全を容易に確保することができる。
【0071】
また、本実施形態では、第1の実施形態のように、第1、第2トンネル4a、4b上の安全柵の伏せ姿勢から起立姿勢への姿勢の変更、及び、起立姿勢から伏せ姿勢への姿勢の変更を行うための作業や操作を行う必要がない。
【0072】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態のボーディングブリッジは、第1、第2トンネル4a、4bの安全柵9、10を除いて、例えば図1に示すボーディングブリッジと同様の構成である。本実施形態では、第1、第2トンネル4a、4bには、安全柵9、10に代えて、後述の安全柵9A、10Aが設けられる。
【0073】
図7(a)は、本発明の第3の実施形態のボーディングブリッジの第1(第2)トンネル4a(4b)の屋上の左右の両縁部に設けられる安全柵9A(10A)のうちの左側の安全柵9A(10A)の一例を示し、右側から見た図であり、図7(b)は、同左側の安全柵9A(10A)を前側から見た図である。なお、右側の安全柵9A(10A)も左側の安全柵9A(10A)と左右が異なるだけで同様の構成である。また、第2トンネル4bの安全柵10Aも第1トンネル4aの安全柵9Aと同様の構成であり、以下では、第1トンネル4aの安全柵9Aについて説明する。
【0074】
この安全柵9Aは、上端部に取付け部51bが設けられ下部につば部51aが設けられた支柱51と、一端が支柱51の取付け部51bに取り付けられ、他端にフック部53が取り付けられたロープ52と、第1トンネル4aの屋上のL型アングル22に固定された支柱51の差込み口54とを有している。また、コルゲート板21の凹部に、支柱51及びロープ52を収納する収納箱55が固設されている。
【0075】
この場合、安全柵9Aを使用しない場合は、支柱51及びロープ52が収納箱55に収納されている。収納箱55には例えば片開きの上蓋55aが設けられ、安全柵9Aを使用する場合には、作業者が上蓋55aを開いて支柱51及びロープ52を収納箱55から取り出し、支柱51を差込み口54に差し込む。そして、支柱51に取り付けられたロープ52の先端のフック部53を、隣の支柱51の取付け部51bに引っ掛ける。順次同様にして、各支柱51間がロープ52で連結されるようにして安全柵9Aを組み立てる。また、安全柵9Aを解体する場合には逆の手順で解体して、収納箱55に収納する。収納箱55を、複数の支柱51及びロープ52を収納できるように構成すれば、収納箱55の個数を支柱51の本数より少なくすることができる。
【0076】
なお、図7に示す安全柵9A、10Aは一例であり、本実施形態では、第1、第2トンネル4a、4bの屋上に着脱自在に取り付けられる安全柵であればよい。例えば、図7の構成では、各支柱51の取付け部51bに1本のロープ52を取り付けているが、このロープ52に代えて、ロープ52の略半分の長さのロープを2本取り付け(これらを「第1、第2ロープ」という)、隣接する2本の支柱51のうちの一方の支柱51の第1ロープと他方の支柱51の第2ロープとの先端同士を接続するようにしてもよい。この場合、第1、第2ロープの先端には、互いに着脱自在に接続できる第1、第2接続部が取り付けられている。また、ロープ52あるいは上記第1、第2ロープの代わりに、取付け部51bに回動自在に取り付けられた棒状あるいは板状の部材を用いてもよい。また、他の組立て式の安全柵であってもよい。
【0077】
本実施形態では、メンテナンス等の作業を行う際に、作業者がはじめに安全柵9A、10Aを組み立てることにより、作業者が最外側以外の第1、第2トンネル4a、4bの屋上を通行したり屋上で作業する場合にも作業者の安全を容易に確保することができる。
【0078】
〔第4の実施形態〕
前述の第3の実施形態では、安全柵9A、10Aの各支柱51を着脱自在に構成したが、第4の実施形態では、例えば図2に示す支柱23がその下端部に設けられた軸A1を中心に回動自在に取り付けられているのと同様にして、前述の安全柵9A、10Aの各支柱51の下端部に軸A1と同様の軸を設け、その軸を中心に支柱51が回動自在に取り付けられた構成である。他の構成は第3の実施形態と同様である。
【0079】
この場合、安全柵を使用しない場合には、支柱51が伏した状態(倒れた状態)で、支柱51及びロープ52がコルゲート板21の凹部に収納(載置)されている。安全柵を使用する場合には、作業者が各支柱51を起こして、支柱51に取り付けられたロープ52の先端のフック部53を、隣の支柱51の取付け部51bに引っ掛ける。順次同様にして、各支柱51間がロープ52で連結されるようにして安全柵を組み立てる。また、安全柵を解体する場合には逆の手順で解体して、各支柱51及びロープ52をコルゲート板21の凹部に収納(載置)する。
【0080】
この第4の実施形態においても、隣接する支柱51間を連結する部材としては、上記第3の実施形態の場合と同様、ロープ52の代わりに、前述の第1、第2ロープ、あるいは取付け部51bに回動自在に取り付けられた棒状あるいは板状の部材等を用いるようにしてもよい。
【0081】
また、本実施形態の場合、安全柵として使用する場合に必要に応じて、支柱51の所定の起立した状態を保持するための保持部材が設けられてあってもよい。
【0082】
本実施形態では、メンテナンス等の作業を行う際に、作業者がはじめに第1、第2トンネル4a、4b上の安全柵を組み立てることにより、作業者が最外側以外の第1、第2トンネル4a、4bの屋上を通行したり屋上で作業する場合にも作業者の安全を容易に確保することができる。
【0083】
なお、上記の各実施形態で説明したように、3つのトンネル4a〜4cの各々には、左右の両側に安全柵が設けられることが好ましいが、例えば左右の一方側のみ、あるいは左右の中程に設けられるようにしてもよい。
【0084】
また、上記の各実施形態では、トンネル部4が3つのトンネル4a〜4cからなるボーディングブリッジについて説明したが、トンネル部4が2つあるいは4つ以上のトンネルからなるボーディングブリッジについても本発明を同様に適用することができる。
【0085】
また、上記の各実施形態では、航空機用のボーディングブリッジについて説明したが、大型客船等の船舶(移動体)用のボーディングブリッジについても本発明を同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、他のトンネルの内側に嵌合されるトンネルの屋上でのメンテナンス等の作業を安全に行うことができるボーディングブリッジ等として有用である。
【符号の説明】
【0087】
1 ターミナルビル
2 ロタンダ
4 トンネル部
4a 第1トンネル
4b 第2トンネル
4c 第3トンネル
5 キャブ
7 ドライブコラム
8 操作盤
8a 操作部
8b 表示部
8c 制御部
9,10,11 安全柵
9a〜9d,10a〜10d 安全柵
41〜43 安全柵
9A、10A 安全柵
27 直動付勢手段
31 柵収納検知手段
37 回転駆動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、
一端が前記ロタンダに接続され、テレスコピック式に嵌合された複数のトンネルからなる伸縮自在なトンネル部と、
前記トンネル部の他端に設けられ、移動体の乗降口に着脱されるキャブと、
前記複数のトンネルのうちの内側に嵌合される前記トンネルの屋上に前記トンネルの長手方向に並んで配置される複数の支柱を有し、全ての前記支柱が起立した状態となる起立姿勢と前記全ての支柱が伏した状態となる伏せ姿勢とに姿勢が変更可能なように構成された安全柵とを備え、
前記内側に嵌合される前記トンネルは、前記安全柵が前記伏せ姿勢のときに、前記内側に嵌合される前記トンネルと隣接する外側のトンネルに挿入可能に構成された
ボーディングブリッジ。
【請求項2】
前記支柱は、その下端部を軸にして一方向へ回動することにより前記伏した状態から前記起立した状態となり、他方向へ回動することにより前記起立した状態から前記伏した状態となるように構成され、
前記安全柵を前記伏せ姿勢から前記起立姿勢への移行途中のとき、及び、前記起立姿勢から前記伏せ姿勢への移行途中のときに、前記支柱を起立させる方向へ付勢する付勢手段をさらに備えた、請求項1に記載のボーディングブリッジ。
【請求項3】
前記支柱は、その下端部を軸にして一方向へ回動することにより前記伏した状態から前記起立した状態となり、他方向へ回動することにより前記起立した状態から前記伏した状態となるように構成され、
前記支柱を前記一方向へ回動させて前記安全柵を前記伏せ姿勢から前記起立姿勢へ移行させるための第1の動作を行うとともに、前記支柱を前記他方向へ回動させて前記起立姿勢から前記伏せ姿勢へ移行させるための第2の動作を行う姿勢変更手段と、
前記姿勢変更手段に前記第1の動作を行わせるための指示及び前記第2の動作を行わせるための指示を与える操作手段とをさらに備えた、請求項1に記載のボーディングブリッジ。
【請求項4】
前記内側に嵌合される少なくとも1つの前記トンネルの屋上に、前記安全柵が前記トンネルの長手方向に並んで複数備えられた、請求項1〜3のいずれかに記載のボーディングブリッジ。
【請求項5】
前記安全柵が備えられた前記トンネルの屋上の前記トンネルの長手方向の断面形状が凹部と凸部が繰り返された波形状であり、前記安全柵の前記支柱が前記凹部に配置された請求項1〜4のいずれかに記載のボーディングブリッジ。
【請求項6】
前記安全柵の伏せ姿勢を検知する検知手段と、
前記トンネル部の最外側の前記トンネルに取り付けられ、前記トンネル部の長手方向に移動することにより前記トンネル部を伸縮させるドライブコラムとを備え、
前記ドライブコラムは、前記検知手段が少なくとも1つの前記安全柵の伏せ姿勢を検知していないときには、前記トンネル部の少なくとも収縮方向に移動しないように構成された、請求項1〜5のいずれかに記載のボーディングブリッジ。
【請求項7】
前記検知手段が少なくとも1つの前記安全柵の伏せ姿勢を検知していないときに、前記安全柵が伏せ姿勢でないことをオペレータに報知する報知手段が前記キャブ内に設けられた、請求項6に記載のボーディングブリッジ。
【請求項8】
ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、
一端が前記ロタンダに接続され、テレスコピック式に嵌合された複数のトンネルからなる伸縮自在なトンネル部と、
前記トンネル部の他端に設けられ、移動体の乗降口に着脱されるキャブと、
それぞれ各前記トンネルの屋上に設けられ所定の高さに支持された複数の横柵がテレスコピック式に嵌合されてなる伸縮自在な横柵部を有する安全柵とを備え、
前記トンネル部の伸縮に伴って前記横柵部が伸縮するように構成された
ボーディングブリッジ。
【請求項9】
ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、
一端が前記ロタンダに接続され、テレスコピック式に嵌合された複数のトンネルからなる伸縮自在なトンネル部と、
前記トンネル部の他端に設けられ、移動体の乗降口に着脱されるキャブと、
前記複数のトンネルのうちの内側に嵌合される前記トンネルの屋上に着脱自在に取り付けられる安全柵と
を備えたボーディングブリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−201292(P2012−201292A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69416(P2011−69416)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)