説明

ポイントサービス装置、システム、制御方法、及びプログラム

【課題】大多数の顧客が競争に参加し続けることができるポイントサービス方法及びポイントサービスシステムを提供する。
【解決手段】不特定多数の顧客が選択できる団体口座を複数、事前に用意しておき、商取引によって発生するポイントを、顧客が都度選択する団体口座に積立てて、期間内に団体口座に積立てられたポイント合計量によって団体口座の順位を決定し、団体口座の順位によって特典を決定する。期間中は、各団体口座のその時点でのポイント積立量と順位を顧客に開示することによって、顧客はポイントを積立てる団体口座を、団体口座の順位に影響を与えるように選択できるので、顧客が団体口座の順位を巡る競争に参加し続けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売促進のためにポイントサービスを行う装置に関し、特に集団的なポイント獲得量によって決まる順位に応じて特典を与えるポイントサービス装置、システム、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
販売促進のため、商取引に応じてポイントを付与し、ポイントの量に応じて特典を与えるポイントサービスが広い分野に普及している。
【0003】
その1つとして、特許文献1には、ポイントの付与方法を工夫した利用量に応じた特典付与システムが開示されている。特に、顧客の商取引量とその順位に応じて付与するポイント量を決めるものであって、それによって顧客相互間の競争意欲を掻き立てて購買意欲を増進する効果を期待している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−11700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の利用量に応じた特典付与システムにおいては、競争に実質的に参加できるのは一握りの顧客だけである。例えば、特許文献1において、所定の順位の顧客が、上位数パーセントの順位までに入るには、最低でも今までの何十倍もの金額の商取引を行う必要が出てくる場合も生じ、数パーセントの特典をめぐる競争からは実質的に脱落している。
【0006】
更に、所定順位以下の大多数の顧客は、同様に、競争から実質的に脱落してしまっている。つまり、大多数の顧客に対して販売促進効果を期待することが難色かしいという問題が生じる可能性が高い。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するものであり、大多数の顧客がポイントサービスの特典を受けることを可能とすることで、販売促進効果を図ることが可能なポイントサービス装置、システム、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための第1の発明は、取引時に発生するポイントを蓄積してサービスを提供するポイントサービス装置であって、前記取引に応じてポイント数を決めるポイント決定手段と、複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける口座選択手段と、前記口座選択手段によって選択した口座に関するチケットを発行するチケット発行手段と、取引時に前記複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける取引口座選択手段と、前記取引口座選択手段によってされた口座に前記ポイント決定手段によって決定したポイントを積立てるポイント積立手段と、前記ポイント積立手段によって積立てられたポイント量によって団体口座の順位を決める口座順位決定手段と、前記口座順位決定手段によって決定された順位に応じて特典を決定する特典決定手段と、前記チケットを所有する顧客に対して前記チケットに対応する口座の順位に応じて特典を払いだす払い出し手段と、を備えることを特徴とするポイントサービス装置である。
【0009】
上記目的を達成するための第2の発明は、取引時に発生するポイントを蓄積してサービスを提供するポイントサービス装置の制御方法であって、前記取引に応じてポイント数を決めるポイント決定ステップと、複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける口座選択ステップと、前記口座選択ステップによって選択した口座に関するチケットを発行するチケット発行ステップと、取引時に前記複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける取引口座選択ステップと、前記取引口座選択ステップによってされた口座に前記ポイント決定ステップによって決定したポイントを積立てるポイント積立ステップと、前記ポイント積立ステップによって積立てられたポイント量によって団体口座の順位を決める口座順位決定ステップと、前記口座順位決定ステップによって決定された順位に応じて特典を決定する特典決定ステップと、前記チケットを所有する顧客に対して前記チケットに対応する口座の順位に応じて特典を払いだす払い出しステップと、を実行するポイントサービス装置の制御方法である。
【0010】
上記目的を達成するための第3の発明は、取引時に発生するポイントを蓄積してサービスを提供するポイントサービス装置において実行されるプログラムであって、前記取引に応じてポイント数を決めるポイント決定手段と、複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける口座選択手段と、前記口座選択手段によって選択した口座に関するチケットを発行するチケット発行手段と、取引時に前記複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける取引口座選択手段と、前記取引口座選択手段によってされた口座に前記ポイント決定手段によって決定したポイントを積立てるポイント積立手段と、前記ポイント積立手段によって積立てられたポイント量によって団体口座の順位を決める口座順位決定手段と、前記口座順位決定手段によって決定された順位に応じて特典を決定する特典決定手段と、前記チケットを所有する顧客に対して前記チケットに対応する口座の順位に応じて特典を払いだす払い出し手段と、して機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、顧客が商品の購入時にポイントを付与する団体口座を選択してポイントを加点すると共に、選択した口座を示すチケットを発行し、所定期間後、口座毎のポイント数の集計に基づいて順位を求めて得られた特典を前記チケットを有する顧客に与えることで、大多数の顧客がポイントサービスの特典を受けることが可能となるので、販売促進効果を図ることが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態のポイントサービスシステムの概略構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態のポイントサービスシステムの各種端末およびサーバのハードウェアの概略構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態のポイントサービスシステムの論理構成を示す論理構成図である。
【図4】本発明の実施形態のポイントサービスにおける前月分の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態のポイントサービスにおける当月分の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態のポイントサービスにおける翌月分の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態のポイントサービスにおける口座情報についてのデータの構成を示す構成図である。
【図8】本発明の実施形態のポイントサービスにおける口座の順位を示すデータの構成を示す構成図である。
【図9】本発明の実施形態のポイントサービスにおける商品毎のポイントに関するデータの構成を示す構成図である。
【図10】本発明の実施形態のチケットの一例を説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施形態のポイントサービスにおける口座情報についてのデータの構成の別例を示す構成図である。
【図12】本発明の実施形態のポイントサービスにおける口座情報についてのデータの構成の別例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態におけるポイントサービスシステムの概略構成を示す構成図である。
【0015】
ポイントサービスシステム100は、店舗用端末102、処理サーバ104、データベース106、発券装置108、及び顧客用端末110を含んで構成されており、各々の端末及びサーバは、ネットワーク116を介して接続されている。
【0016】
店舗用端末102は、店員が各種登録処理を行う端末であって、ネットワーク116を介して、処理サーバ104及び顧客用端末110とデータの送受信が可能である。
【0017】
処理サーバ104は、データベース106を備えており、データベース106のデータの読み書きが可能である。店舗用端末102及び顧客用端末110も、ネットワーク116および処理サーバ104経由でデータベース106にアクセス可能である。
【0018】
発券装置108は、処理サーバ104からネットワーク116経由で処理サーバ104によってコントロールされる。発券装置108の発行するのは紙など物質的な券に限らず、顧客の保有する携帯電話への送信など電磁情報であっても良い。
【0019】
当該ポイントサービスシステム100は、ネットワーク116を介して外部システムとアクセス可能であり、商取引情報を有する取引サーバ112や客からのオーダ情報を有するオーダ端末114から情報を取得可能である。
【0020】
尚、図1に示すネットワーク116上に接続される各種端末および処理サーバ、発券装置の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0021】
次に、図1の店舗用端末102、顧客用端末110、処理サーバ104の各種ハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
【0022】
図2は、本発明の実施形態における各種端末およびサーバのハードウェア構成を示す図である。
【0023】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0024】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0025】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0026】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0027】
ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。本発明には直接関係があるものではない。
【0028】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0029】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0030】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、表示部210上での表示を可能としている。また、CPU201は、表示部210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0031】
本発明を実現するためのプログラム212は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラム212が用いる定義ファイル213及び各種情報テーブル214は外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。
【0032】
次に、ポイントサービスシステムの基本的な論理構成について、図3を用いて説明する。
【0033】
図3は、本発明の実施形態におけるポイントサービスシステムの基本的な論理構成を示す図である。
【0034】
ポイント登録部300は、ポイント集計処理部302に接続されており、ポイント登録部300は、商品の種類に応じたポイント、及び有効期間等のポイント情報の登録を行う。ポイント情報は、図9に示すような情報を示しており、ポイント情報が有効となる対象年月、商品名を示すポイント名、顧客が商品を購入した時に付与されるポイントを示す標準ポイント、前述の対象年月において、所定期間に商品を購入した時にボーナスとして標準ポイント以上の付与されるポイントを示すボーナスポイント、ボーナスポイントを付与する対象期間となるべく期間の種別を示す期間タイプ、ボーナスポイントを付与する対象期間の開始を示すFROM、及びボーナスポイントを付与する対象期間の終了を示すTOを含んで構成されている。
【0035】
例えば、ポイント情報の最上段に示されるレコードについては、対象年月が2010年6月を示し、ポイント対象となる商品名がラーメン、顧客がラーメンを購入した際に付与されるポイントが12ポイント、2010年6月の12:00(図9に示すFROM、期間タイプが時間)から13:00(図9に示すTO、期間タイプが時間)に、顧客がラーメンを購入した際に付与されるボーナスポイントが3ポイント分、標準ポイント12ポイントに追加付与されることを示している。
【0036】
つまり、顧客が2010年6月10日の12:30にラーメンを購入した場合、本レコードの内容を満たすため、15ポイント付与されることとなり、一方、2010年6月10日の14:30にラーメンを購入した場合、ボーナスポイントを付与する期間の対象外となるので、標準ポイントの12ポイントが付与される。
【0037】
また、ポイント情報の最上段から5つ下のレコードについては、対象年月が2010年6月を示し、ポイント対象となる商品名が昼定食、顧客が昼定食を購入した際に付与されるポイントが12ポイント、2010年6月の10日(図9に示すFROM、期間タイプが日)から20日(図9に示すTO、期間タイプが日)に、顧客が昼定食を購入した際に付与されるボーナスポイントが5ポイント分、標準ポイント12ポイントに追加付与されることを示している。
【0038】
つまり、顧客が2010年6月15日の12:30に昼定食を購入した場合、本レコードの内容を満たすため、15ポイント付与されることとなり、一方、2010年6月8日の14:30に昼定食を購入した場合、ボーナスポイントを付与する期間の対象外となるので、標準ポイントの12ポイントが付与される。
【0039】
尚、ポイント情報を登録するには、当該ポイント情報を記憶するデータベース106へデータベース言語を用いて登録を行っても良いし、不図示の画面等のユーザインタフェースを用いて登録を行っても良い。
【0040】
当該ポイント情報は、ポイント集計処理部302へ送信される。
【0041】
ポイント集計処理部302は、ポイント登録部300からポイント情報、オーダ端末114からオーダ情報を受信する。また、ポイント集計処理部302は、顧客用情報表示部304及びポイント積立処理部310に接続されており、受信したオーダ情報からオーダあるいはキャンセルされた商品のポイント数を受信したポイント情報から求める集計を行い、集計結果を顧客用情報表示部304及びポイント積立処理部310に送信する。
【0042】
顧客用情報表示部304は、ポイント集計処理部302から送信された商品毎のポイント数を表示部210等の表示器へ表示する。
【0043】
口座登録部306は、顧客用口座選択部308に接続されており、団体向けの口座情報を登録する。団体口座とは、個人用の口座を意味するものではなく、不特定の顧客が団体で利用するための口座を示しており、更に、顧客は、所定期間毎に複数種からなる団体口座を選定することが可能である。
【0044】
尚、口座情報を登録するには、当該口座情報を記憶するデータベース106へデータベース言語を用いて登録を行っても良いし、不図示の画面等のユーザインタフェースを用いて登録を行っても良い。
【0045】
顧客用口座選択部308は、口座登録部306によって登録された団体口座から、顧客がポイントの積立を行う団体口座を選択する。顧客用口座選択部308は、ポイント積立処理部310及びチケット発行部314に接続されている。尚、団体口座を複数選択しても良く、その場合には、選択した各団体口座へ何ポイント割り当てるか、顧客がポイントの割り振り方法を指定すれば良い。
【0046】
ポイント積立処理部310は、ポイント集計処理部302から送信されたオーダされた商品毎のポイント数と顧客用口座選択部308によって選択された団体口座とを用いて、ポイント積立量を求める。
【0047】
顧客用情報表示部304は、ポイント積立処理部310に接続されており、ポイント積立処理部310から送信されたポイント積立量を受信し、表示を行う。
【0048】
例えば、図8に示すようにポイント対象期間におけるポイント積立処理部310において積立てを行った日時、積立てを行った結果、ポイント数の多い団体口座の順に、当該団体口座に対応するポイントの総合計数を表示する。
【0049】
尚、本発明の特徴ともいえるのが、顧客に対するポイントを付与するポイントサービスを行わずに、顧客が選択した口座(いわゆる団体口座)に対するポイント数に基づいて、サービスを付与するため、顧客に関する情報は、顧客用情報表示部304において表示は行われていない。
【0050】
図8に示すように対象年月が2010年6月に顧客が商品をオーダしたものを対象に、2010年6月10日、20時15分に積立てを行ったことを示しており、団体口座の順位としては、「ジャンボ餃子が好き」という口座が、ポイント数4567で1位として集計され、「普通の餃子が好き」という口座が、ポイント数2345で2位として積立てられており、以降、ポイント数の高さによって順位が決定され、積立てた結果を図8に示すように表示する。
【0051】
チケット条件登録部312は、チケット発行部314に接続されており、チケットを発行する条件を登録する。
【0052】
尚、チケット条件を登録するには、当該チケット条件を記憶するデータベース106へデータベース言語を用いて登録を行っても良いし、不図示の画面等のユーザインタフェースを用いて登録を行っても良い。
【0053】
チケット発行部314は、チケット条件登録部312によって登録された発行条件が、取引サーバ112から取得する取引が確定した情報を示す商取引情報を満たすか否かを判定し、発行条件を満たした場合は、顧客用口座選択部308によって顧客が団体口座を選択して、選択口座に対応するチケットを発行する。
【0054】
尚、商取引情報とは、オーダ情報とは異なる情報を示しており、オーダ情報とは、顧客が商品の注文を行う時に発生する情報であり、商取引情報とは、顧客が注文を行った後、清算を行った後の注文に対する確定した売上情報を示している。
【0055】
従って、オーダ時においては、注文以外にも注文に対するキャンセル等が発生した場合は、オーダ端末114において注文した商品をキャンセルし、あるいは、オーダ後に、キャンセル等が発生した場合は、取引サーバ112に対して直接修正入力を行うことで取引の管理を行っている。
【0056】
尚、前述の発行条件を用いたチケットの発行方法とは、例えば、1回の商取引で一定金額以上の場合にチケットを1枚発行しても良いし、一定金額毎にチケットを1枚発行しても良い。特定の商品を含む商取引にだけチケットを発行しても良い。
【0057】
チケットの具体的な例として、図10に示しており、本発明の実施形態におけるシステムのチケット発行部にて前月に発行するチケットのイメージである。当月を意味する対象期間と、顧客が選択した団体口座名、特典と引き換える際の引換期間が明示されている。これ以外の情報として、例えば発行番号やバーコードが表示されていても良い。
【0058】
特典登録部316は、分析処理部318及びサービス券発行部320に接続されており、ポイント数の順位毎の特典の種類と量に関する定義を登録する。特典量は、チケット1枚当たりの特典量として定義しても良いし、団体口座に積立てられたポイントの1ポイントあたりの特典量として定義しても良い。
【0059】
尚、特典の定義を登録するには、当該特典の定義を記憶するデータベース106へデータベース言語を用いて登録を行っても良いし、不図示の画面等のユーザインタフェースを用いて登録を行っても良い。
【0060】
分析処理部318は、チケット発行部314とポイント積立処理部310と特典登録部316とサービス券発行部320と接続されており、特典登録部316によって登録された順位毎の特典定義、チケット発行部314における当該順位の団体口座に対応するチケットの発行済数、ポイント積立処理部310における当該順位の団体口座のポイント積立量によって、特典の総量を集計する。
【0061】
店側は特典量が過大にならないように、特典登録部316によって特典定義を登録しなおすことができ、新たに特典定義を登録した後に、再度、分析処理部318は、特典の送料を集計する。
【0062】
サービス券発行部320は、チケットと引き換えに、特典登録部316において登録された特典のサービス券を発行する。サービス券の発行状況は、分析処理部318にて分析することができる。
【0063】
また、団体口座の名称を工夫すれば人気投票が可能であり、その結果を分析処理部318にて確認できることは言うまでも無い。例えば、新商品の候補を団体口座名称にして、一番ポイント積立量の多かったものを新商品に決定し、特典として新商品を試供するような使い方も可能である。
【0064】
尚、ポイント登録部300、口座登録部306、チケット条件登録部312、特典登録部316は店舗用端末102に備えられ、顧客用情報表示部304、顧客用口座選択部308は顧客用端末110に備えられている。
【0065】
ポイント集計処理部302、ポイント積立処理部310、分析処理部318は、処理サーバ104に備えられ、チケット発行部314、サービス券発行部320は、処理サーバ104および発券装置108に備えられている。
【0066】
本発明の実施形態では、顧客にポイントのメリットを還元するために、顧客に事前にチケットを配布しておき、一定期間内のポイント積立量の順位結果によって、チケットと引き換えられるサービス券が決まる仕組みを加えているが、サービス券を使わずに直接、特典と引き換えても良い。
【0067】
また、ポイント積立量に応じてカーボンオフセットや慈善団体への寄付行為を行うなど、顧客にポイントのメリットを還元しない場合には、チケット条件登録部312、チケット発行部314、特典登録部316、サービス券発行部320は不要となる。
【0068】
別途、顧客情報を管理しているのであれば、団体口座のポイント積立量に対する各顧客の貢献度合いを、ポイントのメリットの顧客への還元内容に反映しても良い。
【0069】
図4は、本発明の実施形態におけるポイントサービスシステムにおける前月処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0070】
本フローチャートは、前月のうちに各種登録を行った後、前月中の商取引の都度、顧客に対して団体口座に対応するチケットを発行する処理である。
【0071】
ステップS100では、前月の月初に、口座登録部306及びチケット条件登録部312によって登録された団体口座とチケット登録条件をデータベース106に対して行う。
【0072】
ステップS102では、チケット発行部314は、チケット条件登録部312によって登録された発行条件を、取引サーバ112から取得する商取引金額を含む商取引情報が満たすか否かを判定し、発行条件を満たした場合は、ステップS104へ処理を進め、満たさない場合は、処理を終了する。
【0073】
本実施形態では、発行条件に商取引金額を含んでいるが、景品表示法により、取引価額に対する景品の最高額と総額の上限が定められているためであって、将来的な法改正等によっては条件として必要なくなる可能性があることは言うまでも無い。この場合、チケット発行時における発行条件を満たすか否かといった判定を行う必要はない。
【0074】
ステップS104では、顧客用情報表示部304によって口座情報を表示するが、表示の態様としては、前述した通り、図8に示す順位、口座情報、口座情報に対応するポイント合計数を表示するが、特にこの態様に留まることなく、選択することが可能な口座情報を表示して良い。
【0075】
顧客は、特典と引き換えられそうな団体口座を予想しつつ、好きな団体口座を選択することが、可能であり、商品を購入する顧客であれば、顧客の過去の購買履歴等に依らずに特典を受ける機会を得ることが可能となり、販売促進に繋がる。
【0076】
ステップS106では、顧客用口座選択部308によって顧客用情報表示部304に表示された口座情報のなかから、顧客が選択した団体口座を受付けたか否かを判定し、受付けたと判定した場合は、ステップS108へ処理を進める。
【0077】
ステップS108では、ステップS106において受付けた団体口座に対応するチケットを発行する。尚、チケットの発行条件は複数あっても良く、発行されるチケットの種類も複数あっても良い。また、顧客にチケットの団体口座を選択させるのではなく、システム的にランダムな団体口座をチケットに紐付ける方法もある。
【0078】
図5は、本発明の実施形態におけるポイントサービスシステムにおける当月処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0079】
本フローチャートは、当月中の商取引の都度、顧客の指定する団体口座にポイントを積立てて、ポイント積立量による団体口座の順位を更新する処理を示している。
【0080】
ステップS200では、ポイント登録部300によって、顧客のオーダ情報をオーダ端末114から受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合、ステップS202へ処理を進める。
【0081】
ステップS202では、顧客のオーダに対して付与されるポイント数を集計して表示する処理を示しており、まず、ステップS200において受信したオーダ情報を用いて、ポイント集計処理部302にて付与するポイント数を集計して、その集計結果を顧客用情報表示部304によって表示する。表示の態様としては、図8にて前述した通りである。
【0082】
ステップS204では、顧客に団体口座を選択させる処理であって、ステップS202によって表示された顧客用情報表示部304によって行われる。顧客は、前月に発行された保有のチケットの団体口座を勘案しつつ、好きな団体口座を選ぶ。
【0083】
団体口座の選択を受付けたと判定した場合、ステップS206へ処理を進め、ステップS206では、ステップS202においてポイント集計処理部302にて集計したポイント数及びステップS204において選択された団体口座を用いて、ポイント積立処理部310によって当該団体口座に対して当該ポイント数を追加付与する。
【0084】
ステップS208では、団体口座のポイント積立状況の最新情報を表示する処理であって、ステップS206においてポイント積立処理部310によって積立を行った結果を顧客用情報表示部304にて表示する。
【0085】
顧客は、表示された内容を見て、自分の応援する団体口座の順位とポイント積立量を他の団体口座と比較することができる。この時、後僅かなポイント数で団体口座の順位が変わる場合に、必要なポイント数を満たす商品メニューをお勧め表示しても良い。
【0086】
図6は、本発明の実施形態におけるポイントサービスシステムにおける翌月処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0087】
本フローチャートは、翌月の月初に、団体口座の順位を確定して特典内容を決める処理を示している。
【0088】
ステップS300では、ポイント積立処理部310によって、各団体口座のポイント積立量によって、団体口座の順位を求め、ステップS302では、分析処理部318によって、チケット発行条件別のチケット発行数の情報から法規上許される発行可能な特典の最高額と特典の総量を求め、次のステップS304では、ステップS300において求めたポイント積立状況と共に、ステップS302において求めた特典の最高額と特典の総量を顧客用情報表示部304によって表示する。
【0089】
ステップS308では、特典の最高額と特典の総量を含む特典内容が確定したか否かを判定し、確定した場合は、ステップS310に処理を進め、確定しない場合は、ステップS302へ処理を進める。本ステップにおける確定有無の判定は、顧客用情報表示部304に表示された不図示の画面において確定ボタンが押下されたことを検知して、確定したと判定するか、あるいは当該画面が閉じられた際に、確定したと判定する。
【0090】
また、具体的ポイント積立量が特典の総量に影響しない場合は、早いタイミングでステップS308を実施して、顧客に特典内容を予告開示しておいても良い。
【0091】
ステップS310では、顧客が持参したチケットをポイントサービスシステムに登録する処理であり、サービス券発行部320によって行われ、店員がチケットを視認して登録しても良いし、チケットにバーコードや電磁的記録を記しておいてシステム的に読み取っても良い。
【0092】
ステップS312では、サービス券発行部320によって、チケットの対象期間および団体口座を確認して図7に示す口座情報の中から該当する特典を判定し、ステップS314では、特典に対応するサービス券を発行する処理であり、サービス券発行部320によって行われる。
【0093】
図7は、本発明の実施形態におけるポイントサービスシステムが備える口座情報の構成を示しており、データベース106に記憶されている。
【0094】
当月を意味する対象年月と、団体口座、ポイント数、当月の順位、前月のチケット発行数、翌月のサービス券発行数、特典種類と単位特典量を含む口座情報が記録される。
【0095】
前月分については順位と特典が確定しており、当月分は最新のポイント積立量と順位が記録されており、翌月分は団体口座だけが登録されている。単位特典量がチケット1枚当たりの場合には、チケットと引き換えに顧客に与えられる特典であり、ポイント1点当たりの場合には店が寄付行為を行うので顧客には直接還元されない特典である。
【0096】
本発明を顧客個人のポイント量を管理するような世間一般的なポイントサービスと組み合わせて、図6に示す翌月の月初処理において、本発明による団体口座順位と顧客個人のポイント量によって顧客に還元される特典内容を決めても良い。
【0097】
実施形態として、例えば顧客個人が団体口座に積立てたポイント量を1ポイントあたりN円で換算して還元し、倍率Nは、団体口座順位によって決める実施形態がある。この場合にはチケットおよびサービス券の発行が不要になるのは言うまでも無い。
【0098】
図11は、この実施形態におけるシステムのもつ口座情報の別例であり、データベース106に記憶されている。当月を意味する対象年月と、団体口座、ポイント数、当月の順位、特典の倍率Nについての情報が記録される。前月分については順位と特典が確定しており、当月分は最新のポイント積立量と順位が記録されており、翌月分は団体口座だけが登録されている。
【0099】
また、別の実施形態として、例えば団体口座順位によって特典の種類とサービス券発行総数を決め、団体口座のポイント総量に対して顧客個人が団体口座に積立てたポイント量の比率を使って顧客個人に還元されるサービス券発行数を比例配分する実施形態がある。この場合にはチケットの発行が不要になるのは言うまでも無い。
【0100】
図12は、この実施形態におけるシステムのもつ口座情報の別例であり、データベース106に記憶されている。当月を意味する対象年月と、団体口座、ポイント数、当月の順位、翌月のサービス券発行総数、翌月のサービス券の最新の発行数、特典種類と単位特典量についての情報が記録される。前月分については順位と特典が確定しており、当月分は最新のポイント積立量と順位が記録されており、翌月分は団体口座だけが登録されている。
【0101】
以上説明したように、本実施形態によれば、団体口座のポイント順位に応じて特典を付与できるポイントサービス方法及びシステムを提供できる。特に、顧客は団体口座を自由に乗り換え可能であるので、大多数の顧客が団体口座の順位を巡る競争に参加し続けることができる効果を奏する。
【0102】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0103】
また、本発明におけるプログラムは、各処理方法をコンピュータが実行可能(読み取り可能)なプログラムであり、本発明の記憶媒体は、各処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。
【0104】
なお、本発明におけるプログラムは、各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0105】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読取り実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0106】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0107】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0108】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータで稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0109】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。
【0111】
この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0112】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステム、あるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0113】
010 取引サーバ
020 オーダ端末
100 ネットワーク
110 店舗用端末
120 処理サーバ
130 データベース
140 発券装置
150 顧客用端末
200 各種端末およびサーバ
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 ビデオコントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/Fコントローラ
209 キーボード(KB)
210 CRT
211 外部メモリ
300 ポイント登録部
310 ポイント集計処理部
320 顧客用情報表示部
330 口座登録部
340 顧客用口座選択部
350 ポイント積立処理部
355 チケット条件登録部
360 チケット発行部
370 分析処理部
380 特典登録部
390 サービス券発行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引時に発生するポイントを蓄積してサービスを提供するポイントサービス装置であって、
前記取引に応じてポイント数を決めるポイント決定手段と、
複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける口座選択手段と、
前記口座選択手段によって選択した口座に関するチケットを発行するチケット発行手段と、
取引時に前記複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける取引口座選択手段と、
前記取引口座選択手段によってされた口座に前記ポイント決定手段によって決定したポイントを積立てるポイント積立手段と、
前記ポイント積立手段によって積立てられたポイント量によって団体口座の順位を決める口座順位決定手段と、
前記口座順位決定手段によって決定された順位に応じて特典を決定する特典決定手段と、
前記チケットを所有する顧客に対して前記チケットに対応する口座の順位に応じて特典を払いだす払い出し手段と、
を備えることを特徴とするポイントサービス装置。
【請求項2】
取引時に発生するポイントを蓄積してサービスを提供するポイントサービス装置の制御方法であって、
前記取引に応じてポイント数を決めるポイント決定ステップと、
複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける口座選択ステップと、
前記口座選択ステップによって選択した口座に関するチケットを発行するチケット発行ステップと、
取引時に前記複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける取引口座選択ステップと、
前記取引口座選択ステップによってされた口座に前記ポイント決定ステップによって決定したポイントを積立てるポイント積立ステップと、
前記ポイント積立ステップによって積立てられたポイント量によって団体口座の順位を決める口座順位決定ステップと、
前記口座順位決定ステップによって決定された順位に応じて特典を決定する特典決定ステップと、
前記チケットを所有する顧客に対して前記チケットに対応する口座の順位に応じて特典を払いだす払い出しステップと、
を実行するポイントサービス装置の制御方法。
【請求項3】
取引時に発生するポイントを蓄積してサービスを提供するポイントサービス装置において実行されるプログラムであって、
前記取引に応じてポイント数を決めるポイント決定手段と、
複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける口座選択手段と、
前記口座選択手段によって選択した口座に関するチケットを発行するチケット発行手段と、
取引時に前記複数の口座から顧客が所望する口座の選択を受付ける取引口座選択手段と、
前記取引口座選択手段によってされた口座に前記ポイント決定手段によって決定したポイントを積立てるポイント積立手段と、
前記ポイント積立手段によって積立てられたポイント量によって団体口座の順位を決める口座順位決定手段と、
前記口座順位決定手段によって決定された順位に応じて特典を決定する特典決定手段と、
前記チケットを所有する顧客に対して前記チケットに対応する口座の順位に応じて特典を払いだす払い出し手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−141700(P2012−141700A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292838(P2010−292838)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)