ポイント計算装置、ポイント計算方法、及びポイント計算プログラム
【課題】電子マネーの利用と複数のポイントサービスを連携させる。
【解決手段】携帯電話7は、バリューのチャージとバリューによる決済機能を有しネットワークを介してサーバにアクセスする機能を有する携帯電話であり、携帯電話7でバリューによる決済を行うとポイントが付与される。ユーザは、携帯電話7でのバリュー決済に対し、複数のポイントサービスを登録し、ポイントを蓄積するポイントサービスを選択することができる。そして、電子マネーサーバ2は、取引ログによって携帯電話7のバリューで決済した金額を集計し、これを基に、ユーザが選択しているポイントサービスのポイント数を計算してA社ポイントサーバ61などに通知することができる。このため、ユーザは、複数のポイントサービスの中から自己の要望に適合するものを選択して、バリューの利用に応じてポイントを蓄積することかできる。
【解決手段】携帯電話7は、バリューのチャージとバリューによる決済機能を有しネットワークを介してサーバにアクセスする機能を有する携帯電話であり、携帯電話7でバリューによる決済を行うとポイントが付与される。ユーザは、携帯電話7でのバリュー決済に対し、複数のポイントサービスを登録し、ポイントを蓄積するポイントサービスを選択することができる。そして、電子マネーサーバ2は、取引ログによって携帯電話7のバリューで決済した金額を集計し、これを基に、ユーザが選択しているポイントサービスのポイント数を計算してA社ポイントサーバ61などに通知することができる。このため、ユーザは、複数のポイントサービスの中から自己の要望に適合するものを選択して、バリューの利用に応じてポイントを蓄積することかできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント計算装置、ポイント計算方法、及びポイント計算プログラムに関し、例えば、電子マネーの利用に対してポイントを付与するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子マネーの普及に伴い、電子マネーを用いた商取引が盛んに行われるようになってきた。
電子マネーによる商取引は、バリューと呼ばれる金銭と同等の交換価値を持つ電子データを操作して価値の移動を行うことにより行われる。
【0003】
バリューは、金額を表す電子データであって、金額情報としてICチップに書き込まれている。
このICチップは、例えば、携帯電話や樹脂製のカードなどに内蔵されており、ユーザに電子財布として携帯される。
ICチップが記憶するバリューの金額は、店舗などに設置した電子マネー端末からICチップにアクセスして増減することができ、ICチップのバリューを増額して蓄積しておき、これを減額して決済を行うことができる。なお、バリューを増額する処理はチャージと呼ばれている。
【0004】
一方、近年は、顧客の購買活動に対するポイントサービスが盛んに行われている。これは、例えば、ある事業者が顧客をポイント会員とし、顧客が当該事業者の店舗などで購買活動を行った場合にポイントを発行するものである。
顧客は、ポイントを蓄積し、例えば、商品の割引や景品の当選など、蓄積したポイントに対応するサービスを受けることができる。
【0005】
このような電子マネーによる商取引とポイントサービスの普及に伴って、電子マネー事業者とポイントサービスを提供する事業者が共同し、電子マネーによる商取引に対してポイントを発行するビジネスが行われるようになってきた。
これによって、電子マネーによる商取引の活発化とポイントによる顧客囲い込みの相乗効果を得ることができる。
このように、電子マネーとポイントサービスを連携させる技術として、次の「マイルポイント/電子マネーバリュー変換システム」がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−265087号公報
【0007】
この技術は、マイルと呼ばれるポイントを付与するサービスであるマイレージシステムと電子マネーシステムの相互乗り入れを行うものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来は、電子マネーの利用に対して1つのポイントサービスが連携しており、ポイントサービスの選択肢が固定的で柔軟性が不足するという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、電子マネーの利用と複数のポイントサービスを連携させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置であって、前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶手段と、前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段と、前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得手段と、前記取得した金額を集計する集計手段と、前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算手段と、前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力手段と、を具備したことを特徴とするポイント計算装置を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記ポイント選択記憶手段は、最も最近に前記貨幣端末に対応づけられたポイント種類を選択することを特徴とする請求項1に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、端末装置からポイント種類の選択を受け付けるポイント種類受付手段を具備し、前記ポイント選択記憶手段は、前記選択を受け付けたポイント種類を選択することを特徴とする請求項1に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記選択されたポイント種類ごとのポイント数配分比率を記憶する配分比率記憶手段を具備し、前記ポイント数計算手段は、前記記憶したポイント数配分比率に従ってポイント種類ごとのポイント数を計算することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項5に記載の発明では、前記出力したポイント数を、ポイント種類に応じたポイントサーバに送信するポイント送信手段を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項6に記載の発明では、前記ポイントサーバが前記ポイント数の発行対象者を識別する対象者IDと、前記貨幣端末と、の対応を記憶する対応記憶手段を具備し、前記ポイント送信手段は、ポイント数と対象者IDを対応づけて前記ポイントサーバに送信することを特徴とする請求項5に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項7に記載の発明では、ネットワークを介して前記貨幣端末に対応づけて、ポイントサーバがポイント数の発行対象者を識別する対象者IDを受信する対象者ID受信手段を具備し、前記対応記憶手段は、前記貨幣端末と当該ポイントサーバに対応づけて前記受信した対象者IDを記憶することを特徴とする請求項6に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項8に記載の発明では、貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置が行うポイント計算方法であって、前記ポイント計算装置は、前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶手段と、前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段と、決済金額取得手段と、集計手段と、ポイント数計算手段と、ポイント出力手段と、を具備し、前記決済金額取得手段で、前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得ステップと、前記集計手段で、前記取得した金額を集計する集計ステップと、前記ポイント数計算手段で、前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算ステップと、前記ポイント出力手段で、前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力ステップと、から構成されたことを特徴とするポイント計算方法を提供する。
請求項9に記載の発明では、貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算する機能をコンピュータで実現するためのポイント計算プログラムであって、前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶機能と、前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶機能と、前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得機能と、前記取得した金額を集計する集計機能と、前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算機能と、前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力機能と、をコンピュータで実現するポイント計算プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子マネーの利用に対して複数のポイントサービスを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子マネーシステムの概要を説明するための図である。
【図2】電子マネーシステムのネットワーク構成を示した図である。
【図3】ポイント付与手順の概要を説明するための図である。
【図4】携帯電話の構成の一例を示した概念図である。
【図5】電子マネー端末のハードウェア的な構成を示した図である。
【図6】電子マネーサーバのハードウェア的な構成を示した図である。
【図7】ユーザデータベースなどの論理的な構成を説明するための図である。
【図8】サービス登録データベースの論理的な構成を示した図である。
【図9】ポイント有効データベースの論理的な構成を示した図である。
【図10】ユーザがポイントを登録・選択してからの猶予期間を説明するための図である。
【図11】間接登録によってポイントサービスを提供する場合の手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】直接登録によってポイントサービスを提供する場合の手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】ポイント計算処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】ポイントサービスの選択を切り替える手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】ポイントサービスの登録情報の変更や削除を行う手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)実施の形態の概要
図1は、本実施の形態に係る電子マネーシステム1の概要を説明するための図である。
携帯電話7は、バリューのチャージとバリューによる決済機能を有するICチップ12と、ネットワークを介してサーバにアクセスする機能を有する携帯電話であり、携帯電話7でバリューによる決済を行うとポイントが付与される。
このようなポイントサービスの提供方法について、図中の番号に従って説明する。
【0014】
ポイントサービスを受けるには、電子マネーサーバ2に登録する必要があるが、これにはポイントサーバを介して行う間接登録と電子マネーサーバ2に対して直接行う直接登録がある。A社のポイントサービスに登録する場合には次のように処理する。
(1)間接登録を行う場合、ユーザは、携帯電話7をA社ポイントサーバ61に接続し、ICチップ12の電子マネー機能部IDと、A社でポイントサービスを受けるためのA社会員IDを送信する。
【0015】
本実施の形態では、ポイントサービスを受けるために、ユーザは予めA社会員IDを取得しているものとし、これを電子マネーサーバ2に登録するようになっている。
変形例として、ユーザがA社会員IDを有していない場合に、A社ポイントサーバ61で当該ユーザをポイント会員に即時登録してA社会員IDを発行し、これを電子マネー機能部IDと共に電子マネーサーバ2に送信するように構成することも可能である。
【0016】
(2)A社ポイントサーバ61は、受信した電子マネー機能部IDとA社会員IDを紐づけた紐付登録ファイルを作成し、電子マネーサーバ2に送信する。電子マネーサーバ2は、このファイルを受信し、電子マネー機能部IDとA社会員IDの対応を記憶する。
(3)一方、直接登録を行う場合、ユーザは、携帯電話7を電子マネーサーバ2に接続し、電子マネー機能部IDとA社会員IDを電子マネーサーバ2に送信する。電子マネーサーバ2は、これを受信して電子マネー機能部IDとA社会員IDの対応を記憶する。
このように、間接登録、又は直接登録によって、携帯電話7のICチップ12に設定された電子マネー機能部IDにA社会員IDが紐づけられる。
【0017】
(4)以上の登録方法をB社などの他のポイント事業者に対して行った後、ユーザは何れの事業者のポイントサービスを利用するか選択して電子マネーサーバ2に通知する。これを受けて、電子マネーサーバ2は、ユーザが選択したポイントサービスを記憶する。ここでは、A社が選択されたものとする。
なお、選択がなされなかった場合には、自動的に最も最近に登録したポイントサービスが選択される。
【0018】
(5)ユーザが電子マネーシステムの加盟店において買い物をして、携帯電話7のバリューで決済すると、ICチップ12の電子マネー機能部IDや決済金額、及び決済日時などを記録した取引ログが加盟店で記憶される。
(6)加盟店は、取引ログが蓄積されるとバッチ処理にてこれを電子マネーサーバ2に送信する。
(7)電子マネーサーバ2は、加盟店から取引ログを受信し、携帯電話7が行った決済金額を合計する。そして、携帯電話7に対して選択されているポイントサービス、即ちA社のポイントサービスについて、当該決済金額の合計からポイント数を計算する。
【0019】
(8)電子マネーサーバ2は、電子マネー機能部IDに対応づけられているA社会員IDと、算出したポイント数を記録したポイント積算ファイルを作成し、これをA社ポイントサーバ61に送信する。
A社ポイントサーバ61は、電子マネーサーバ2からポイント積算ファイルを受信し、これに従って、A社会員IDに対応づけてポイントを発行・付与する。
(9)なお、B社が選択されている場合には、電子マネーサーバ2は、B社用のポイント数を計算してポイント積算ファイルをB社ポイントサーバ62に送信する。
【0020】
以上のようにして、ユーザは、携帯電話7でのバリュー決済に対し、複数のポイントサービスを登録し、ポイントを蓄積するポイントサービスを選択することができる。
そして、電子マネーサーバ2は、取引ログによって携帯電話7のバリューで決済した金額を集計し、これを基に、ユーザが選択しているポイントサービスのポイント数を計算してA社ポイントサーバ61などに通知することができる。
このため、ユーザは、複数のポイントサービスの中から自己の要望に適合するものを選択して、バリューの利用に応じてポイントを蓄積することかできる。
【0021】
(2)実施の形態の詳細
図2は、電子マネーシステム1のネットワーク構成を示した図である。
電子マネーシステム1は、携帯電話7、電子マネーサーバ2、インターネット4、基地局5、電子マネーカード6、ユーザ端末9、電子マネー端末8、及びA社ポイントサーバ61、B社ポイントサーバ62などから構成されている。
以下では、各社のポイントサーバを特に区別しない場合には、単にポイントサーバと記す。
【0022】
携帯電話7は、電子マネー処理機能を有する非接触型のICチップを内蔵している。このICチップは、バリューを記憶する機能と、金額変更情報を用いて記憶したバリューの金額を増減する機能を備えている。
ここで、バリューとは、電子マネーシステム1において貨幣に該当する概念であって、バリューを増額する処理はチャージ、減額する処理は決済と呼ばれている。
このICチップは、携帯電話7を電子マネー端末8のリーダライタに置くなどして、電子マネー端末8と近距離の無線通信を行うことができ、電子マネー端末8からICチップに金額変更情報を送信して、ICチップにチャージや決済を行わせることができる。
【0023】
また、携帯電話7は、基地局5と無線通信してインターネット4に接続し、電子マネーサーバ2や、A社ポイントサーバ61、B社ポイントサーバ62のサービスサイトにアクセスすることができる。
なお、図2では、簡略化のため、インターネット4とA社ポイントサーバ61、B社ポイントサーバ62の接続は省略してある。
携帯電話7は、ポイントサーバにアクセスして間接登録したり、電子マネーサーバ2にアクセスして直接登録したり、あるいは、電子マネーサーバ2にアクセスしてチャージや決済を行うことができる。
【0024】
電子マネーカード6は、携帯電話7に内蔵されているのと同等のICチップを内蔵したICカードである。
電子マネーカード6は、携帯電話7のICチップと同様に電子マネー端末8と通信してチャージや決済を行えるほか、ユーザ端末9を介して電子マネーサーバ2に接続し、電子マネーサーバ2と通信してチャージや決済を行うこともできる。
【0025】
ユーザ端末9は、例えば、リーダライタと呼ばれる非接触型のICチップにアクセスするデバイスを備えたパーソナルコンピュータであり、インターネット4に接続する機能を備えている。
ユーザ端末9は、リーダライタによって携帯電話7や電子マネーカード6のICチップと接続し、ICチップと電子マネーサーバ2の通信を仲介することができる。
また、ユーザ端末9からポイントサーバにアクセスして間接登録したり、電子マネーサーバ2にアクセスして直接登録することもできる。
【0026】
電子マネーサーバ2は、電子マネー端末8から取引ログ(チャージや決済の履歴を記録したログデータ)を収集して集計し、バリューの流通と通貨との対応を管理する。
また、電子マネーサーバ2は、ユーザが行うポイントサービスの登録・選択を管理したり、バリュー決済に対してA社やB社が付与するポイント数の計算を代行し、ポイント積算ファイルをポイントサーバに送信してポイント数を通知する。
【0027】
加盟店は、携帯電話7や電子マネーカード6のバリューで決済可能な店舗(コンビニエンスストア、デパート、レストラン、その他の小売店舗、営業車両、その他の移動体など)であり、会計エリアに単数、又は複数の電子マネー端末8を備えている。
【0028】
電子マネー端末8は、リーダライタを介して携帯電話7や電子マネーカード6のICチップと近距離の無線通信を行う端末であって、ICチップに金額変更情報を入力してチャージや決済を行うことができる。
電子マネー端末8は、ICチップとの処理内容を取引ログに記録し、例えば、1日に1回程度、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信する。
【0029】
A社ポイントサーバ61は、A社がポイント会員にポイントサービスを提供するためのサーバであって、ポイント会員のポイント数やポイントの使用をA社会員IDによって管理している。このポイントは一例として次のように使用される。
例えば、ある会員がA社ポイントサーバ61に1000ポイント蓄積しているとする。この会員が、図示しないA社の店舗でカメラを購入するのに際し、300ポイントを使用したい場合、この店舗の端末からA社ポイントサーバ61にこのユーザが300ポイント消費する旨が送信される。
そして、A社ポイントサーバ61がこのユーザの1000ポイントから300ポイントを減じると共に、店舗では300ポイント分の値引きが行われる。
【0030】
A社ポイントサーバ61は、電子マネーサーバ2からポイント積算ファイルを受信し、これを用いてポイント会員にポイントを付与する。
ポイント積算ファイルには、A社会員IDと、このポイント会員に付与するポイント数が記録されており、ポイントサーバは、これに従ってポイントを付与することにより、バリューの決済に対するポイントを付与することができる。
【0031】
B社も、A社と同様にB社会員IDによってポイント会員を管理しており、電子マネーサーバ2から送信されてくるポイント積算ファイルによって、会員にポイントを付与する。
なお、A社とB社が提供するポイントサービスは、各社が独自に提供するものである。
以下では、A社会員IDやB社会員IDを特に区別しない場合には単に会員IDと記す。
【0032】
次に、図3の各図を用いて間接登録、及び直接登録によってポイントを付与する手順の概要を説明する。
ここでは、携帯電話7で登録する場合について説明するが、ユーザ端末9から登録してもよい。
【0033】
図3(a)は、A社のポイントサービスに間接登録する場合を示した図である。
ユーザは、携帯電話7からA社ポイントサーバ61にアクセスし、携帯電話7の電子マネー機能部IDとA社会員IDをA社ポイントサーバ61に送信する。
なお、ユーザがA社のポイントサービスに未加入で、A社会員IDを有していない場合には、A社ポイントサーバ61がA社会員IDを発行する。
【0034】
A社ポイントサーバ61は、これによって、電子マネー機能部IDとA社会員IDの対応づけを取得し、両者を紐づけた紐付登録ファイルを作成して、これを電子マネーサーバ2に送信する。
【0035】
電子マネーサーバ2は、紐付登録ファイルを受信して、電子マネー機能部IDとA社会員IDの対応を記憶する。
その後、電子マネーサーバ2は、取引ログによって携帯電話7のバリューで決済した金額を集計し、これに基づいてユーザが選択しているポイントサービス(A社のものとする)のポイント数を計算する。
【0036】
電子マネー機能部IDを介して携帯電話7に対応するA社会員IDとポイント数を対応づけたポイント積算ファイルを作成し、A社ポイントサーバ61に送信する。
A社ポイントサーバ61は、電子マネーサーバ2からポイント積算ファイルを受信し、これに従ってポイントを付与する。
【0037】
図3(b)は、B社のポイントサービスに直接登録する場合を示した図である。
ユーザは、既にB社のポイントサービスに加入しており、B社からB社会員IDを発行されているものとする。
ユーザは、携帯電話7から電子マネーサーバ2にアクセスし、携帯電話7の電子マネー機能部IDとB社会員IDを電子マネーサーバ2に送信する。
これによって、電子マネーサーバ2は、電子マネー機能部IDとB社会員IDの対応を記憶する。
以下、電子マネーサーバ2は、図3(a)と同様に、ポイント計算、ポイント積算ファイルの作成及び送信を行い、B社ポイントサーバ62は、これに従ってポイント会員にポイントを付与する。
【0038】
以上の例では、A社を間接登録、B社を直接登録としたが、何れの登録方法を採用するかは、各社のシステムの構成などに従って任意に行うことができる。
このように、電子マネーサーバ2は、間接登録、直接登録の何れかによって、電子マネー機能部IDと会員IDの対応を得ることができ、これによって会員IDに対応づけてポイント数を計算することができる。
このように、電子マネーサーバ2は、間接登録、又は直接登録を行うことにより、ネットワークを介して、貨幣端末(ICチップ12)に対応づけて、ポイントサーバがポイント数の発行対象者(ポイント会員)を識別する対象者ID(会員ID)を受信する対象者ID受信手段を備えている。
【0039】
図4は、携帯電話7の構成の一例を示した概念図である。
携帯電話7は、電話機能部10と電子マネー機能部として機能するICチップ12を備えており、両者はインターフェース部11によって接続されている。
ICチップ12には、端末通信部16、バリュー処理部17、電子マネー記憶部18などが形成されている。
【0040】
電子マネー記憶部18は、電子マネー機能部ID、バリュー残高、ログデータなどを記憶している。
電子マネー機能部IDは、電子マネーシステム1でICチップ12を特定するための識別情報である。
バリュー残高は、現在記憶しているバリューの金額であり、これを減額することにより決済することができる。このように、電子マネー記憶部18は、貨幣価値の金額を電子データ(バリュー)として記憶する金額記憶手段として機能している。
ログデータは、バリューの処理内容などを記録したログデータである。
【0041】
端末通信部16は、電子マネー端末8のリーダライタと無線通信する機能部であって、電子マネー端末8とバリュー処理部17の通信を仲介する。
バリュー処理部17は、金額変更情報などの各種コマンドを実行する機能部であって、端末通信部16を介して電子マネー端末8と通信することができると共に、電話機能部10を介して電子マネーサーバ2と通信することができる。
【0042】
コマンドには、金額変更情報、ID参照コマンドなどがあり、電子マネー端末8や電子マネーサーバ2は、バリュー処理部17に金額変更情報を送信してチャージや決済を行わせたり、ID参照コマンドを送信して、バリュー処理部17の電子マネー機能部IDを読み出したりすることができる。
金額変更情報は、チャージする場合には電子マネー記憶部18に記憶したバリューを加算する加算情報として機能し、決済する場合には減算情報として機能する。
このように、バリュー処理部17は、金額変更手段として機能し、ICチップ12は、貨幣端末として機能している。
【0043】
電話機能部10は、通話を行う通話モードとアプリケーションを動作させるアプリケーションモードを有しており、ユーザの操作により切り替えることができる。
電話機能部10は、CPU(Central Processing Unit)と、各種のアプリケーションプログラムを記憶した記憶部を備えており、アプリケーションモードにてこれらのアプリケーションプログラムをCPUで実行することにより各種のアプリケーション機能を発揮することができる。
【0044】
図4の例では、A社ポイントサーバ61のサービスサイトにアクセスして間接登録などのA社のサービスを利用するためのA社アプリケーション部13と、電子マネーサーバ2のサービスサイトに接続して、直接登録したり、チャージや決済するための電子マネーアプリケーション部15がインストールされている。
以上は、携帯電話7について説明したが、電子マネーカード6にもICチップ12と同様のICチップが内蔵されている。
【0045】
図5は、電子マネー端末8のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
電子マネー端末8は、CPU31、ROM(Read Only Memory)33、RAM(Random Access Memory)34、通信制御部35、記憶部36、入力部37、出力部38、リーダライタ部39などがバスラインで接続されて構成されている。
【0046】
CPU31は、所定のプログラムに従って情報処理を行うほか、電子マネー端末8全体の制御などを行う。
本実施の形態では、CPU31は、金額変更情報を電子マネーカード6に送信して、電子マネーカード6に金額変更処理(決済やチャージ)を行わせたり、実行した金額変更処理の内容を記録した取引ログを作成してバッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信したりする。
【0047】
ROM33は、電子マネー端末8を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM34は、CPU31のワーキングメモリを提供したり、記憶部36に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出し可能なメモリである。
通信制御部35は、ネットワークを介して電子マネー端末8を電子マネーサーバ2に接続する。
【0048】
入力部37は、例えば、キーボード、バーコードリーダなどの入力装置を備えており、操作担当者が商品コードや決済金額やチャージ金額などを入力できるようになっている。
出力部38は、例えば、液晶表示装置、プリンタ、音声出力装置などに接続されており、顧客や加盟店の操作担当者に情報を提示するようになっている。
【0049】
リーダライタ部39は、アンテナを内蔵しており、携帯電話7のICチップ12や電子マネーカード6のICチップと無線通信を行う。
リーダライタ部39は、キャッシュレジスタ近辺に設置され、ユーザが商品の決済時に、携帯電話7や電子マネーカード6をリーダライタ部39に近接させることができるようになっている。
【0050】
記憶部36は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部42、データを格納したデータ格納部44などから構成されている。
プログラム格納部42には、電子マネー端末8を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、電子マネーカード6に金額変更処理を行わせたりするためのプログラムなどが記憶されている。
【0051】
データ格納部44には、電子マネー端末8のID情報である端末ID、電子マネー端末8が設置された加盟店の加盟店ID、取引ログなどを記憶している。
取引ログには、金額変更処理を行ったICチップの電子マネー機能部ID、決済・チャージの別、決済又はチャージした金額、金額変更処理を行った日時時刻、加盟店ID、端末IDなどの情報が記録されており、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信される。
【0052】
図6は、電子マネーサーバ2のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
電子マネーサーバ2は、CPU51、ROM52、RAM54、通信制御部53、記憶部55などがバスラインで接続されて構成されている。
電子マネーサーバ2は、貨幣端末(ICチップ12など)を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置として機能する。
【0053】
CPU51は、所定のプログラムに従って各種の情報処理を行う中央処理装置である。
本実施の形態では、電子マネー端末8から取引ログを収集して集計するほか、電子マネー機能部IDとポイントサービスの会員IDとの対応の管理、ポイント数の計算などを行う。
また、CPU51は、直接登録やその他のサービスを提供するサービスサイトを運営したり、各社のポイントサーバから間接登録を受け付けたりする。
なお、これらの機能の全てをCPU51で行う必要はなく、複数台のサーバ装置を組み合わせて電子マネーサーバ2と同等の機能を有するシステムを構成してもよい。
【0054】
ROM52は、読み出し専用のメモリであり、電子マネーサーバ2を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどが記憶されている。
RAM54は、読み書き可能なメモリであって、CPU51のワーキングメモリを提供したり、記憶部55に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする。
通信制御部53は、電子マネー端末8と通信したり、あるいは、インターネット4や基地局5を介して携帯電話7と通信したりする。
【0055】
記憶部55は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶装置を用いて構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部56、データを格納したデータ格納部57などから構成されている。
プログラム格納部56には、電子マネーサーバ2を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、CPU51が電子マネー機能部IDと会員IDの対応を管理するためのプログラム、ポイント数を計算するためのプログラム、その他のプログラムが格納されている。
【0056】
データ格納部57には、携帯電話7や電子マネーカード6のユーザを登録したユーザデータベース41、取引ログデータベース42、各ユーザの各社ポイントサービスへの登録状況を記録したサービス登録データベース43、ユーザのポイントサービスの選択を記録したポイント有効データベース44などが格納されている。なお、図ではデータベースをDBと略記している。
これらのデータベースは、例えば、基本となるテーブルをリレーションによって関連づけたリレーショナルデータベースにより論理的に構築されている。
【0057】
図7(a)は、ユーザデータベース41の論理的な構成の一例を示した図である。
ユーザデータベース41は、「電子マネー機能部ID」、「ユーザ名」、「パスワード」、「電子メールアドレス」、「住所」などのユーザ情報が記憶されている。
「電子マネー機能部ID」は、ユーザが所有する携帯電話7や電子マネーカード6のICチップのID情報である。
「ユーザ名」は、ユーザの氏名である。
【0058】
「パスワード」は、電子マネーサーバ2がユーザを認証して特定するための認証情報である。
パスワードは、例えば、ユーザが携帯電話7やユーザ端末9などから電子マネーサーバ2のサービスサイトにログインする際に、ユーザを特定するのに用いられる。
【0059】
図7(b)は、取引ログデータベース42の論理的な構成の一例を示した図である。
取引ログデータベース42は、電子マネー端末8から送信されてきた取引ログや、電子マネーサーバ2が携帯電話7や電子マネーカード6に直接行った処理を蓄積したデータベースであり、「電子マネー機能部ID」、「チャージ」、「決済」、その他の項目から構成されている。
【0060】
「電子マネー機能部ID」は、取引ログの対象となったICチップの電子マネー機能部IDである。
「チャージ」には、チャージを行った加盟店3の加盟店ID、電子マネー端末8の端末ID、チャージを行った日時(分秒まで記録)、チャージしたバリューの金額などが記録されている。
「決済」には、「チャージ」と同様に、決済を行った加盟店3の加盟店ID、電子マネー端末8(あるいは電子マネーサーバ2)の端末ID、決済日時、決済したバリューの金額などが記録されている。
【0061】
このように、電子マネーサーバ2は、貨幣端末(ICチップ12)で決済した金額を決済ログにより取得する決済金額取得手段を備えていると共に、携帯電話7や電子マネーカード6による購買履歴が取引ログとして記憶されているため、これを基にポイント数を計算することができる。
【0062】
図8は、サービス登録データベース43の論理的な構成の一例を示した図である。
サービス登録データベース43は、「ポイント事業者」、「会員ID」、「電子マネー機能部ID」、「サービス登録日」、「サービス解除」、その他の項目から構成されている。
「ポイント事業者」は、A社、B社などのポイント事業者を特定する情報である。
【0063】
「会員ID」は、ポイント事業者がポイント会員に与えている会員IDである。
「電子マネー機能部ID」は、間接登録、又は直接登録によって会員IDに対応づけらた電子マネー機能部IDである。
「サービス登録日」は、ユーザがポイント事業者のポイント会員として登録した日付であり、ユーザが1日のうちに複数回登録解除やポイントサービスの選択を行った場合にそれらの前後関係を確定するために時分まで記録される。ユーザは、登録してあるポイントサービスの中からポイントを蓄積するものを選択できる。
【0064】
「サービス解除日」は、ポイント事業者のポイントサービスを解除した日付であり、時分の単位まで記録されるようになっている。ユーザがポイントサービスを解除していない場合には、空欄となっている。
電子マネーサーバ2は、サービス登録データベース43で、ユーザの電子マネー機能部IDを検索することにより、各ユーザが登録しているポイントサービスを特定することができる。
【0065】
サービス登録データベース43は、貨幣端末(ICチップ12)に対応づけられた複数のポイント種類(ポイントサービスの種類)を記憶するポイント種類記憶手段として機能している。
また、サービス登録データベース43は、ポイントサーバがポイント数の発行対象者(ポイント会員)を識別する対象者ID(会員ID)と、貨幣端末(ICチップ12)と、の対応を記憶する対応記憶手段として機能している。
【0066】
図9は、ポイント有効データベース44の論理的な構成の一例を示した図である。
ポイント有効データベース44は、「電子マネー機能部ID」、「ポイント事業者」、「会員ID」、「ポイント有効日」、「ポイント無効日」、その他の項目から構成されている。
「電子マネー機能部ID」は、携帯電話7や電子マネーカード6の電子マネー機能部IDである。
【0067】
「ポイント事業者」は、ユーザが現在ポイントサービスを登録しているポイント事業者である。
「会員ID」は、ポイント事業者がポイント会員に付与した会員IDである。
「ポイント有効日」は、当該ポイント事業者のポイントサービスでポイントの付与が有効となった日である。
【0068】
「ポイント無効日」は、当該ポイント事業者のポイントサービスに対してポイントの付与が無効となった日である。
これら「ポイント有効日」、「ポイント無効日」は、ユーザの選択によって設定されるが、後述するように、これらの有効日・無効日は、ユーザが選択してから4日後に反映されるようになっており、ユーザが操作した日の4日後の日付となっている。
なお、現在選択中のポイントサービスについては、「無効日」が「99/99/99」となっている。
ポイント有効データベース44は、サービス登録データベース43で記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段として機能している。
【0069】
図10は、ユーザがポイントを登録・選択してから、これが電子マネーサーバ2で反映されるまでの期間を説明するための図である。
間接登録を行う場合、ポイントサーバは紐付登録ファイルをバッチファイルにて電子マネーサーバ2に送信するため、本実施の形態では、ユーザが登録操作を行ってから、電子マネーサーバ2に登録内容が到達するまでに最大4日かかるようになっている。
そのため、電子マネーサーバ2は、猶予期間を設けて、ユーザがポイントサービスを登録したり選択した日の4日後からポイント付与を有効とし、登録や選択の順序とポイントが付与される期間の齟齬を防止することとした。
【0070】
図10の例では、例えば、ユーザがN日にA社ポイントサービスに新規登録すると、当該登録は、N+4日後に有効となり、以後A社のポイントが付与される。
更に、ユーザがM日(N日の後)にB社のポイントサービスを選択すると、当該選択は、M+4日後に有効となり、以後B社のポイントが付与される。
【0071】
以上のように構成された電子マネーシステム1が、間接登録によってポイントサービスを提供する場合の手順を図11のフローチャートを用いて説明する。
ここでは、A社、B社共に間接登録が可能であるとし、携帯電話7から登録する場合について説明する。
【0072】
まず、ユーザは、携帯電話7でA社のアプリケーションを起動するなどしてA社ポイントサーバ61のサービスサイトのポイントサービス登録画面に接続する。
ポイントサービス登録画面では、電子マネー機能部IDやA社会員IDを入力するようになっており、ユーザは、これらの必要事項を入力してA社ポイントサーバ61に送信する。
【0073】
電子マネー機能部IDは、ユーザが手入力するように構成してもよいし、あるいは、A社のアプリケーションが自動的にICチップ12から読み取るように構成してもよい。
A社ポイントサーバ61は、このようにして、携帯電話7からこれら情報を受信すると、A社ポイントサービス用のユーザデータベースにサービス登録する(ステップ5)。
【0074】
次に、A社ポイントサーバ61は、携帯電話7の電子マネー機能部IDとA社会員IDを対応づけ、登録日が記録された紐付登録ファイルを生成して電子マネーサーバ2に送信する(ステップ10)。
電子マネーサーバ2は、A社ポイントサーバ61から紐付登録ファイルを受信すると、サービス登録データベース43(図8)の項目「A社」に、紐付登録ファイルに記録されている会員ID、電子マネー機能部ID、サービス登録日を記憶する。
また、電子マネーサーバ2は、ポイント有効データベース44(図9)の当該電子マネー機能部IDに対して、A社と会員IDを記憶すると共に、紐付登録ファイルに記録されている登録日から4日後をポイント有効日として記憶する。
【0075】
ユーザが携帯電話7からB社のポイントサービスに登録する場合にも同様に、B社ポイントサーバ62に対してサービス登録し(ステップ15)、B社ポイントサーバ62が電子マネーサーバ2に紐付登録ファイルを送信する(ステップ20)。
そして、電子マネーサーバ2は、A社の場合と同様にして当該ユーザに対してB社のポイントサービスを登録する。
【0076】
以上では、携帯電話7に対してA社とB社のポイントサービスを登録したが、デフォルトでは後から登録したB社のポイントサービスが選択され、ユーザがA社を選択した場合にはA社のポイントサービスが選択される。
【0077】
このようにして、ユーザがA社とB社のポイントサービスに登録して選択した後、携帯電話7のバリューを用いて電子マネー端末8で決済すると(ステップ25)、後ほどバッチ処理にて電子マネー端末8が電子マネーサーバ2に取引ログを送信する(ステップ30)。
電子マネーサーバ2は、取引ログを受信すると、これを取引ログデータベース42(図7(b))に記憶する。
【0078】
次に、電子マネーサーバ2は、例えば、取引ごとにポイント計算処理を行い(ステップ35)、各ポイント事業者ごとにポイント積算ファイルを作成する。
そして、電子マネーサーバ2は、計算処理済みのB社用のポイント積算ファイルをB社ポイントサーバ62に送信し(ステップ40)、計算処理済みのA社用のポイント積算ファイルをA社ポイントサーバ61に送信する(ステップ45)。
これらの送信タイミングは、例えば、毎日、10日ごと、又は月に1回など各ポイント事業者が指定したタイミングにより異なるように構成することができる。
【0079】
A社ポイントサーバ61は、ポイント積算ファイルに従って、ユーザにポイントを発行して付与し、例えば、ポイントに応じてポイントを消費するなど、ポイントの還元を行う(ステップ50)。
B社ポイントサーバ62も同様に、ポイントの発行・還元を行う(ステップ55)。
【0080】
次に、電子マネーシステム1が、直接登録によってポイントサービスを提供する場合の手順を図12のフローチャートを用いて説明する。
ここでは、A社、B社共に直接登録が可能であるとし、携帯電話7から登録する場合について説明する。
【0081】
まず、ユーザは、携帯電話7の電子マネーアプリケーション部15(図4)を起動して電子マネーサーバ2のサービスサイトのポイントサービス登録画面に接続する。
ユーザは、ポイントサービス登録画面にてA社のポイントサービスを選択すると共に、A社会員IDと電子マネー機能部IDを入力して電子マネーサーバ2に送信する。
【0082】
そして、電子マネーサーバ2は、携帯電話7からこれらの情報を受信して、サービス登録データベース43、ポイント有効データベース44にユーザを登録する(ステップ60)。
B社のポイントサービスについても同様にして携帯電話7から電子マネーサーバ2にアクセスし、登録することができる(ステップ70)。
以下の手順は、図11と同様である。
【0083】
次に、図13のフローチャートを用いてポイント計算処理の手順を説明する。
以下の処理は、電子マネーサーバ2のCPU51が所定のプログラムに従って、例えば、月に1回程度、定期的、又は不定期に行うものである。
まず、電子マネーサーバ2は、ポイント有効データベース44でポイント数の計算対象となる何れかの電子マネー機能部IDを特定する(ステップ60)。
【0084】
次に、電子マネーサーバ2は、取引ログデータベース42で当該電子マネー機能部IDに関する取引ログを検索し、前回のポイント計算日から今回のポイント計算日までの間にバリューによって決済した金額を集計する(ステップ65)。
このように、電子マネーサーバ2は、電子マネー端末8などから取得した金額を集計する集計手段を備えている。
次に、電子マネーサーバ2は、当該電子マネー機能部IDをサービス登録データベース43で検索し、現在当該電子マネー機能部IDに対して選択されているポイントサービスを特定する(ステップ70)。
【0085】
そして、電子マネーサーバ2は、選択されているポイントサービスで規定されている比率に基づいて、先に集計した金額からポイント数を計算する(ステップ75)。
例えば、決済金額に対して1%のポイントを発行する場合には、決済金額に0.01を乗じた上で端数を切り捨てるなどしてポイント数を計算する。
【0086】
このように、電子マネーサーバ2は、集計した金額に基づいて選択されているポイント種類ごとに(本実施の形態では1種類)ポイント数を計算するポイント数計算手段を備えている。
次に、電子マネーサーバ2は、当該電子マネー機能部IDに対応づけて、ポイントサービスとポイント数を記憶する(ステップ80)。
【0087】
次に、電子マネーサーバ2は、ポイント有効データベース44に登録されている電子マネー機能部IDのうち、未計算のものがある場合には(ステップ85;Y)、ステップ60に戻って、当該未計算の電子マネー機能部IDに対して選択されているポイントサービスに対してポイント数を計算する。
【0088】
一方、全ての電子マネー機能部IDについてポイント数を計算した場合には(ステップ85;N)、ポイント事業者ごとに、電子マネー機能部IDとポイント数の対応を記録して、ポイント積算ファイルを作成する(ステップ90)。
このように、電子マネーサーバ2は、計算したポイント種類ごとのポイント数をポイント積算ファイルとして出力するポイント出力手段を備えている。
【0089】
次に、電子マネーサーバ2が携帯電話7からの操作を受け付けてポイントサービスの選択を切り替える手順を図14のフローチャートを用いて説明する。
なお、以下では、電子マネーサーバ2などが携帯電話7のディスプレイに表示する画面の遷移を用いて説明する。
これらの画面は、電子マネーサーバ2などが携帯電話7に画面データを送信して表示させるものである。
【0090】
電子マネーサーバ2は、携帯電話7からパスワードの入力などによりログインを受け付けて、携帯電話7のユーザを特定すると、サービスサイトのトップ画面を携帯電話7に表示させる。
トップ画面では、例えば、チャージやバリューの転送など、電子マネーサーバ2が提供する各種サービスを選択できるようになっており、ポイントサービスを選択すると、ポイントトップ画面に遷移し、ポイントサービスに関しての操作メニューが表示される(ステップ100)。
【0091】
ユーザが「操作メニューへ」を選択すると、電子マネーサーバ2は、ポイントサービスの選択や登録情報の変更などを行うポイント選択画面を表示させる(ステップ105)。
この画面では、電子マネーシステム1でポイントサービスが利用可能な、例えば、A社、B社、C社がラジオボタンにより選択可能に表示されている。
例えば、ユーザがこの画面で、B社を選択し、「ポイント切替登録」を選択すると、電子マネーサーバ2は、サービス登録データベース43(図8)を用いて、携帯電話7の電子マネー機能部IDにB社が紐付済みか(即ち、当該電子マネー機能部IDにB社会員IDが対応づけられているか)確認する(ステップ110)。
【0092】
紐付済みである場合(ステップ110;Y)、電子マネーサーバ2は、ポイント有効データベース44(図9)において、4日後をポイント有効日として有効となるポイントサービスをB社に切り替え、携帯電話7に「B社に切り替えました。4日後から有効になります。」などの表示を行わせる(ステップ113)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
なお、B社選択前に選択中に設定されていたポイントサービスは4日後をポイント無効日として無効とされる。
【0093】
一方、紐付済みでない場合(ステップ110;N)、電子マネーサーバ2は、B社が直接登録と間接登録の何れを採用しているかを判断する(ステップ115)。電子マネーサーバ2は、各社が何れの登録方式を採用しているかの一覧を記憶しており、これによって判断することができる。
直接登録の場合(ステップ115;Y)、電子マネーサーバ2は、ユーザが既にB社に対する登録の申込を行っており、4日の猶予期間を経るまでの確定待ちの状態か確認する。
【0094】
確定待ちの場合(ステップ120;Y)、確定時に自動的に選択がB社となるため、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に「B社に切り替えました。4日後から有効になります。」などの表示を行わせる(ステップ113)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
なお、登録してから3日経過し、あと1日で有効になる場合には、「B社に切り替えました。1日後から有効になります。」、又は「すでにB社に切り替えてあります。」などの表示を行わせる。
このように、電子マネーサーバ2は、端末装置(携帯電話7やユーザ端末9など)からポイント種類の選択を受け付けるポイント種類受付手段を備えている。
【0095】
確定待ちでない場合(ステップ120;N)、電子マネーサーバ2は、携帯電話番号やお客様コード(B社会員ID)などの必要事項を入力させてB社のポイントサービスに直接登録するための画面を携帯電話7に表示させる(ステップ130)。
そして、ユーザが確認画面で「登録する」を選択すると(ステップ135)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に「B社に切り替えました。4日後から有効になります。」などの表示を行わせる(ステップ113)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0096】
また、B社が間接登録を採用していると判断した場合(ステップ115;N)、電子マネーサーバ2は、「B社ポイントをためるには、B社サイトからアプリをダウンロードして登録して下さい。」などといった表示をB社のサービスサイトへのリンクと共に携帯電話7に表示させ、ユーザをB社のサービスサイトに誘導する(ステップ145)。
【0097】
ユーザが、当該リンクを選択すると、携帯電話7はB社のサービスサイトへ接続する。
そして、B社ポイントサーバ62が携帯電話7に画面データを送信し、「B社ポイント 電子マネーご利用でポイントがたまります。ご登録はアプリから」などといった表示と共に、B社のアプリケーションをダウンロードするためのボタンを携帯電話7に表示させる(ステップ150)。
ユーザは、当該ボタンを選択してアプリケーションをダウンロードして携帯電話7にインストールし、これを起動してB社のポイントサービスに間接登録することができる。
【0098】
次に、携帯電話7からポイントサービスの登録情報の変更や削除を行う手順を図15のフローチャートを用いて説明する。
ここでも、電子マネーサーバ2が携帯電話7のディスプレイに表示する画面の遷移を用いて説明する。
これらの画面は、電子マネーサーバ2が携帯電話7に画面データを送信して表示させるものである。
【0099】
まず、ユーザは、ポイントトップ画面で「操作メニューへ」を選択し(ステップ100)、これによって表示されるポイントサービスを選択するための画面で「A社」を選択し、更に「登録情報変更、削除」を選択する(ステップ105)。
すると、電子マネーサーバ2は、A社が間接登録を採用しているか判断し、間接登録の場合には(ステップ205;Y)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に「A社ポイントサービスの変更・削除はA社のアプリから操作して下さい。」などと表示させ、A社ポイントサーバ61で操作するように促す(ステップ210)。この画面で「戻る」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0100】
一方、A社が直接登録を採用していた場合(ステップ205;N)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7の電子マネー機能部IDとA社がサービス登録データベース43(図8)で紐付済みか確認する(ステップ215)。
紐付済みでなかった場合(ステップ215;N)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に「A社ポイントサービスにはご登録されていません。」などと表示する(ステップ220)。この画面で「戻る」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0101】
紐付済みだった場合(ステップ215;Y)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に登録の変更・削除を選択するための画面を表示させる(ステップ225)。
ユーザが「登録情報を変更する」を選択した場合、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に、携帯電話番号やお客様コード(A社会員ID)を入力するための画面を表示させる(ステップ230)。
【0102】
そして、ユーザが確認画面で「登録する」を選択すると(ステップ235)、電子マネーサーバ2は、ユーザが入力した内容に従ってサービス登録データベース43を変更し、携帯電話7に「ご登録内容を変更しました。4日後から有効になります。」などの表示を行わせる(ステップ240)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0103】
また、ステップ225において、ユーザが「登録情報を削除する」を選択した場合、電子マネーサーバ2は、削除するか否かを確認するための確認画面を携帯電話7に表示させ(ステップ245)、ユーザが「削除する」を選択すると、サービス登録データベース43において携帯電話7の登録を削除し、「削除が完了しました」などと携帯電話7に表示させる(ステップ250)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0104】
以上に説明した本実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)携帯電話7や電子マネーカード6に対して、複数のポイントサービスを対応づけることができ、何れのサービスを利用するかをユーザに選択してもらうことができる。
(2)ユーザは、バリューの利用によって、複数のポイントサービスの中から自己の希望に添ったポイントサービスのポイントを蓄積することができる。
(3)電子マネーサーバ2は、間接登録、直接登録の何れにも対応しており、ポイントサービス事業者のシステムに対応した方法を採用することができる。
(4)ポイントサービスの登録・選択から所定の猶予期間を経てから有効とすることにより、直接登録と間接登録の時間差を吸収することができる。
(5)既存の(既に登録してある)会員ID及び電子マネー機能部IDを利用するため、本サービス用の新たな設備投資を最小限に抑えることができる。
(6)既存の(既に登録してある)会員ID及び電子マネー機能部IDを利用するため、本サービスに参加したいユーザは、参加登録する際、氏名や住所などの情報を改めて入力する煩わしさを被ることがない。
【0105】
電子マネーシステム1では、バリューによる決済に対してポイントを付与したが、チャージに対して付与するように構成することもできる。
また、電子マネーシステム1では、電子マネーサーバ2とポイントサーバを別事業者が運用する個別のサーバとしたが、電子マネー事業者がポイントサービスも行い、電子マネーサーバ2とポイントサーバの機能を統合したシステムを構成することもできる。
【0106】
更に、電子マネーシステム1では、登録したポイントサービスの中から選択した1つに対してポイントを付与したが、例えば、それぞれのポイントサービスに対してポイント分配率を設定し、その分配率に従って、それぞれのポイントを発行するように構成することもできる。
この場合、例えば、電子マネーサーバ2は、電子マネー機能部ID対応づけて、A社50%、B社30%、C社20%などと、ポイントサービスごとの分配比率を記憶し(配分比率記憶手段)、決済金額のA社〜C社のポイントを、それぞれ決済金額の50%、30%、20%に基づいて計算する。
これによって、ユーザは、バリュー決済に対して、各社のポイントを蓄積することができる。
【0107】
また、ポイント事業者からの依頼により、又は電子マネー事業者の設定により、ある期間限定で、「ポイントAは積算が2倍」など、ポイント計算比率(ポイント付与率)を変更できるように構成することもできる。
更に、加盟店ごと(又は地域ごとグループごとなど)にポイント付与形態を異なるように設定することもできる。
この場合、ポイントを付与する加盟店と付与しない加盟店を設定したり、あるいは、ポイントの計算比率が異なる加盟店を設定したりすることができる。
取引ログには、加盟店IDも記されているため、加盟店IDごとのポイント計算比率を電子マネーサーバ2に設定することにより実現可能である。
【0108】
加えて、決済時間により、ポイントを付与しない場合も含め、ポイント計算比率を変化させるように構成することもできる。
取引ログには決済時刻も記録されているため、決済時刻とポイント計算比率の対応を電子マネーサーバ2に設定することにより実現可能である。
【0109】
また、加盟店IDと決済時刻の双方を条件にポイント計算比率を設定するように構成することもできる。
例えば、X店舗(加盟店IDにより特定)で17時〜22時に決済するとポイント2倍のボーナスポイントが付与され、0時〜5時まではポイントを付与しないなどの設定が可能である。
【0110】
加えて、天気やユーザの属性(例えば、性別、年齢帯)などにより、ポイントの付与率を設定することも可能である。
この場合、電子マネーサーバ2が、地域ごとの天気の推移を記録した天候データを天候データ配信サーバから配信してもらい、これを決済ログ(加盟店IDにより決済した加盟店の所在地が特定できる)と照合したり、ユーザデータベースに記録されているユーザの属性を決済ログと照合することにより実現可能である。
これにより、雨天時にポイント計算比率をアップして、雨天時にユーザの来店数を増やしたり、ターゲットとなる顧客層のポイント計算比率をアップして当該顧客数に属するユーザの来店数を増やしたりすることができる。
【0111】
一定期間同じポイントサービスを設定登録、あるいは選択しておくことを条件に、ポイント計算比率をアップするように構成することにより、ユーザのポイントサービスへの参加インセンティブを高めることができる。
例えば、A社のポイントサービスを10ヶ月間継続して登録しておくと、11ヶ月目から2倍のポイント計算とする、などの形態が可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 電子マネーシステム
2 電子マネーサーバ
4 インターネット
5 基地局
6 電子マネーカード
7 携帯電話
8 電子マネー端末
9 ユーザ端末
61 A社ポイントサーバ
62 B社ポイントサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント計算装置、ポイント計算方法、及びポイント計算プログラムに関し、例えば、電子マネーの利用に対してポイントを付与するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子マネーの普及に伴い、電子マネーを用いた商取引が盛んに行われるようになってきた。
電子マネーによる商取引は、バリューと呼ばれる金銭と同等の交換価値を持つ電子データを操作して価値の移動を行うことにより行われる。
【0003】
バリューは、金額を表す電子データであって、金額情報としてICチップに書き込まれている。
このICチップは、例えば、携帯電話や樹脂製のカードなどに内蔵されており、ユーザに電子財布として携帯される。
ICチップが記憶するバリューの金額は、店舗などに設置した電子マネー端末からICチップにアクセスして増減することができ、ICチップのバリューを増額して蓄積しておき、これを減額して決済を行うことができる。なお、バリューを増額する処理はチャージと呼ばれている。
【0004】
一方、近年は、顧客の購買活動に対するポイントサービスが盛んに行われている。これは、例えば、ある事業者が顧客をポイント会員とし、顧客が当該事業者の店舗などで購買活動を行った場合にポイントを発行するものである。
顧客は、ポイントを蓄積し、例えば、商品の割引や景品の当選など、蓄積したポイントに対応するサービスを受けることができる。
【0005】
このような電子マネーによる商取引とポイントサービスの普及に伴って、電子マネー事業者とポイントサービスを提供する事業者が共同し、電子マネーによる商取引に対してポイントを発行するビジネスが行われるようになってきた。
これによって、電子マネーによる商取引の活発化とポイントによる顧客囲い込みの相乗効果を得ることができる。
このように、電子マネーとポイントサービスを連携させる技術として、次の「マイルポイント/電子マネーバリュー変換システム」がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−265087号公報
【0007】
この技術は、マイルと呼ばれるポイントを付与するサービスであるマイレージシステムと電子マネーシステムの相互乗り入れを行うものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来は、電子マネーの利用に対して1つのポイントサービスが連携しており、ポイントサービスの選択肢が固定的で柔軟性が不足するという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、電子マネーの利用と複数のポイントサービスを連携させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置であって、前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶手段と、前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段と、前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得手段と、前記取得した金額を集計する集計手段と、前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算手段と、前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力手段と、を具備したことを特徴とするポイント計算装置を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記ポイント選択記憶手段は、最も最近に前記貨幣端末に対応づけられたポイント種類を選択することを特徴とする請求項1に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、端末装置からポイント種類の選択を受け付けるポイント種類受付手段を具備し、前記ポイント選択記憶手段は、前記選択を受け付けたポイント種類を選択することを特徴とする請求項1に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記選択されたポイント種類ごとのポイント数配分比率を記憶する配分比率記憶手段を具備し、前記ポイント数計算手段は、前記記憶したポイント数配分比率に従ってポイント種類ごとのポイント数を計算することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項5に記載の発明では、前記出力したポイント数を、ポイント種類に応じたポイントサーバに送信するポイント送信手段を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項6に記載の発明では、前記ポイントサーバが前記ポイント数の発行対象者を識別する対象者IDと、前記貨幣端末と、の対応を記憶する対応記憶手段を具備し、前記ポイント送信手段は、ポイント数と対象者IDを対応づけて前記ポイントサーバに送信することを特徴とする請求項5に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項7に記載の発明では、ネットワークを介して前記貨幣端末に対応づけて、ポイントサーバがポイント数の発行対象者を識別する対象者IDを受信する対象者ID受信手段を具備し、前記対応記憶手段は、前記貨幣端末と当該ポイントサーバに対応づけて前記受信した対象者IDを記憶することを特徴とする請求項6に記載のポイント計算装置を提供する。
請求項8に記載の発明では、貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置が行うポイント計算方法であって、前記ポイント計算装置は、前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶手段と、前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段と、決済金額取得手段と、集計手段と、ポイント数計算手段と、ポイント出力手段と、を具備し、前記決済金額取得手段で、前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得ステップと、前記集計手段で、前記取得した金額を集計する集計ステップと、前記ポイント数計算手段で、前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算ステップと、前記ポイント出力手段で、前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力ステップと、から構成されたことを特徴とするポイント計算方法を提供する。
請求項9に記載の発明では、貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算する機能をコンピュータで実現するためのポイント計算プログラムであって、前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶機能と、前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶機能と、前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得機能と、前記取得した金額を集計する集計機能と、前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算機能と、前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力機能と、をコンピュータで実現するポイント計算プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子マネーの利用に対して複数のポイントサービスを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子マネーシステムの概要を説明するための図である。
【図2】電子マネーシステムのネットワーク構成を示した図である。
【図3】ポイント付与手順の概要を説明するための図である。
【図4】携帯電話の構成の一例を示した概念図である。
【図5】電子マネー端末のハードウェア的な構成を示した図である。
【図6】電子マネーサーバのハードウェア的な構成を示した図である。
【図7】ユーザデータベースなどの論理的な構成を説明するための図である。
【図8】サービス登録データベースの論理的な構成を示した図である。
【図9】ポイント有効データベースの論理的な構成を示した図である。
【図10】ユーザがポイントを登録・選択してからの猶予期間を説明するための図である。
【図11】間接登録によってポイントサービスを提供する場合の手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】直接登録によってポイントサービスを提供する場合の手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】ポイント計算処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】ポイントサービスの選択を切り替える手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】ポイントサービスの登録情報の変更や削除を行う手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)実施の形態の概要
図1は、本実施の形態に係る電子マネーシステム1の概要を説明するための図である。
携帯電話7は、バリューのチャージとバリューによる決済機能を有するICチップ12と、ネットワークを介してサーバにアクセスする機能を有する携帯電話であり、携帯電話7でバリューによる決済を行うとポイントが付与される。
このようなポイントサービスの提供方法について、図中の番号に従って説明する。
【0014】
ポイントサービスを受けるには、電子マネーサーバ2に登録する必要があるが、これにはポイントサーバを介して行う間接登録と電子マネーサーバ2に対して直接行う直接登録がある。A社のポイントサービスに登録する場合には次のように処理する。
(1)間接登録を行う場合、ユーザは、携帯電話7をA社ポイントサーバ61に接続し、ICチップ12の電子マネー機能部IDと、A社でポイントサービスを受けるためのA社会員IDを送信する。
【0015】
本実施の形態では、ポイントサービスを受けるために、ユーザは予めA社会員IDを取得しているものとし、これを電子マネーサーバ2に登録するようになっている。
変形例として、ユーザがA社会員IDを有していない場合に、A社ポイントサーバ61で当該ユーザをポイント会員に即時登録してA社会員IDを発行し、これを電子マネー機能部IDと共に電子マネーサーバ2に送信するように構成することも可能である。
【0016】
(2)A社ポイントサーバ61は、受信した電子マネー機能部IDとA社会員IDを紐づけた紐付登録ファイルを作成し、電子マネーサーバ2に送信する。電子マネーサーバ2は、このファイルを受信し、電子マネー機能部IDとA社会員IDの対応を記憶する。
(3)一方、直接登録を行う場合、ユーザは、携帯電話7を電子マネーサーバ2に接続し、電子マネー機能部IDとA社会員IDを電子マネーサーバ2に送信する。電子マネーサーバ2は、これを受信して電子マネー機能部IDとA社会員IDの対応を記憶する。
このように、間接登録、又は直接登録によって、携帯電話7のICチップ12に設定された電子マネー機能部IDにA社会員IDが紐づけられる。
【0017】
(4)以上の登録方法をB社などの他のポイント事業者に対して行った後、ユーザは何れの事業者のポイントサービスを利用するか選択して電子マネーサーバ2に通知する。これを受けて、電子マネーサーバ2は、ユーザが選択したポイントサービスを記憶する。ここでは、A社が選択されたものとする。
なお、選択がなされなかった場合には、自動的に最も最近に登録したポイントサービスが選択される。
【0018】
(5)ユーザが電子マネーシステムの加盟店において買い物をして、携帯電話7のバリューで決済すると、ICチップ12の電子マネー機能部IDや決済金額、及び決済日時などを記録した取引ログが加盟店で記憶される。
(6)加盟店は、取引ログが蓄積されるとバッチ処理にてこれを電子マネーサーバ2に送信する。
(7)電子マネーサーバ2は、加盟店から取引ログを受信し、携帯電話7が行った決済金額を合計する。そして、携帯電話7に対して選択されているポイントサービス、即ちA社のポイントサービスについて、当該決済金額の合計からポイント数を計算する。
【0019】
(8)電子マネーサーバ2は、電子マネー機能部IDに対応づけられているA社会員IDと、算出したポイント数を記録したポイント積算ファイルを作成し、これをA社ポイントサーバ61に送信する。
A社ポイントサーバ61は、電子マネーサーバ2からポイント積算ファイルを受信し、これに従って、A社会員IDに対応づけてポイントを発行・付与する。
(9)なお、B社が選択されている場合には、電子マネーサーバ2は、B社用のポイント数を計算してポイント積算ファイルをB社ポイントサーバ62に送信する。
【0020】
以上のようにして、ユーザは、携帯電話7でのバリュー決済に対し、複数のポイントサービスを登録し、ポイントを蓄積するポイントサービスを選択することができる。
そして、電子マネーサーバ2は、取引ログによって携帯電話7のバリューで決済した金額を集計し、これを基に、ユーザが選択しているポイントサービスのポイント数を計算してA社ポイントサーバ61などに通知することができる。
このため、ユーザは、複数のポイントサービスの中から自己の要望に適合するものを選択して、バリューの利用に応じてポイントを蓄積することかできる。
【0021】
(2)実施の形態の詳細
図2は、電子マネーシステム1のネットワーク構成を示した図である。
電子マネーシステム1は、携帯電話7、電子マネーサーバ2、インターネット4、基地局5、電子マネーカード6、ユーザ端末9、電子マネー端末8、及びA社ポイントサーバ61、B社ポイントサーバ62などから構成されている。
以下では、各社のポイントサーバを特に区別しない場合には、単にポイントサーバと記す。
【0022】
携帯電話7は、電子マネー処理機能を有する非接触型のICチップを内蔵している。このICチップは、バリューを記憶する機能と、金額変更情報を用いて記憶したバリューの金額を増減する機能を備えている。
ここで、バリューとは、電子マネーシステム1において貨幣に該当する概念であって、バリューを増額する処理はチャージ、減額する処理は決済と呼ばれている。
このICチップは、携帯電話7を電子マネー端末8のリーダライタに置くなどして、電子マネー端末8と近距離の無線通信を行うことができ、電子マネー端末8からICチップに金額変更情報を送信して、ICチップにチャージや決済を行わせることができる。
【0023】
また、携帯電話7は、基地局5と無線通信してインターネット4に接続し、電子マネーサーバ2や、A社ポイントサーバ61、B社ポイントサーバ62のサービスサイトにアクセスすることができる。
なお、図2では、簡略化のため、インターネット4とA社ポイントサーバ61、B社ポイントサーバ62の接続は省略してある。
携帯電話7は、ポイントサーバにアクセスして間接登録したり、電子マネーサーバ2にアクセスして直接登録したり、あるいは、電子マネーサーバ2にアクセスしてチャージや決済を行うことができる。
【0024】
電子マネーカード6は、携帯電話7に内蔵されているのと同等のICチップを内蔵したICカードである。
電子マネーカード6は、携帯電話7のICチップと同様に電子マネー端末8と通信してチャージや決済を行えるほか、ユーザ端末9を介して電子マネーサーバ2に接続し、電子マネーサーバ2と通信してチャージや決済を行うこともできる。
【0025】
ユーザ端末9は、例えば、リーダライタと呼ばれる非接触型のICチップにアクセスするデバイスを備えたパーソナルコンピュータであり、インターネット4に接続する機能を備えている。
ユーザ端末9は、リーダライタによって携帯電話7や電子マネーカード6のICチップと接続し、ICチップと電子マネーサーバ2の通信を仲介することができる。
また、ユーザ端末9からポイントサーバにアクセスして間接登録したり、電子マネーサーバ2にアクセスして直接登録することもできる。
【0026】
電子マネーサーバ2は、電子マネー端末8から取引ログ(チャージや決済の履歴を記録したログデータ)を収集して集計し、バリューの流通と通貨との対応を管理する。
また、電子マネーサーバ2は、ユーザが行うポイントサービスの登録・選択を管理したり、バリュー決済に対してA社やB社が付与するポイント数の計算を代行し、ポイント積算ファイルをポイントサーバに送信してポイント数を通知する。
【0027】
加盟店は、携帯電話7や電子マネーカード6のバリューで決済可能な店舗(コンビニエンスストア、デパート、レストラン、その他の小売店舗、営業車両、その他の移動体など)であり、会計エリアに単数、又は複数の電子マネー端末8を備えている。
【0028】
電子マネー端末8は、リーダライタを介して携帯電話7や電子マネーカード6のICチップと近距離の無線通信を行う端末であって、ICチップに金額変更情報を入力してチャージや決済を行うことができる。
電子マネー端末8は、ICチップとの処理内容を取引ログに記録し、例えば、1日に1回程度、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信する。
【0029】
A社ポイントサーバ61は、A社がポイント会員にポイントサービスを提供するためのサーバであって、ポイント会員のポイント数やポイントの使用をA社会員IDによって管理している。このポイントは一例として次のように使用される。
例えば、ある会員がA社ポイントサーバ61に1000ポイント蓄積しているとする。この会員が、図示しないA社の店舗でカメラを購入するのに際し、300ポイントを使用したい場合、この店舗の端末からA社ポイントサーバ61にこのユーザが300ポイント消費する旨が送信される。
そして、A社ポイントサーバ61がこのユーザの1000ポイントから300ポイントを減じると共に、店舗では300ポイント分の値引きが行われる。
【0030】
A社ポイントサーバ61は、電子マネーサーバ2からポイント積算ファイルを受信し、これを用いてポイント会員にポイントを付与する。
ポイント積算ファイルには、A社会員IDと、このポイント会員に付与するポイント数が記録されており、ポイントサーバは、これに従ってポイントを付与することにより、バリューの決済に対するポイントを付与することができる。
【0031】
B社も、A社と同様にB社会員IDによってポイント会員を管理しており、電子マネーサーバ2から送信されてくるポイント積算ファイルによって、会員にポイントを付与する。
なお、A社とB社が提供するポイントサービスは、各社が独自に提供するものである。
以下では、A社会員IDやB社会員IDを特に区別しない場合には単に会員IDと記す。
【0032】
次に、図3の各図を用いて間接登録、及び直接登録によってポイントを付与する手順の概要を説明する。
ここでは、携帯電話7で登録する場合について説明するが、ユーザ端末9から登録してもよい。
【0033】
図3(a)は、A社のポイントサービスに間接登録する場合を示した図である。
ユーザは、携帯電話7からA社ポイントサーバ61にアクセスし、携帯電話7の電子マネー機能部IDとA社会員IDをA社ポイントサーバ61に送信する。
なお、ユーザがA社のポイントサービスに未加入で、A社会員IDを有していない場合には、A社ポイントサーバ61がA社会員IDを発行する。
【0034】
A社ポイントサーバ61は、これによって、電子マネー機能部IDとA社会員IDの対応づけを取得し、両者を紐づけた紐付登録ファイルを作成して、これを電子マネーサーバ2に送信する。
【0035】
電子マネーサーバ2は、紐付登録ファイルを受信して、電子マネー機能部IDとA社会員IDの対応を記憶する。
その後、電子マネーサーバ2は、取引ログによって携帯電話7のバリューで決済した金額を集計し、これに基づいてユーザが選択しているポイントサービス(A社のものとする)のポイント数を計算する。
【0036】
電子マネー機能部IDを介して携帯電話7に対応するA社会員IDとポイント数を対応づけたポイント積算ファイルを作成し、A社ポイントサーバ61に送信する。
A社ポイントサーバ61は、電子マネーサーバ2からポイント積算ファイルを受信し、これに従ってポイントを付与する。
【0037】
図3(b)は、B社のポイントサービスに直接登録する場合を示した図である。
ユーザは、既にB社のポイントサービスに加入しており、B社からB社会員IDを発行されているものとする。
ユーザは、携帯電話7から電子マネーサーバ2にアクセスし、携帯電話7の電子マネー機能部IDとB社会員IDを電子マネーサーバ2に送信する。
これによって、電子マネーサーバ2は、電子マネー機能部IDとB社会員IDの対応を記憶する。
以下、電子マネーサーバ2は、図3(a)と同様に、ポイント計算、ポイント積算ファイルの作成及び送信を行い、B社ポイントサーバ62は、これに従ってポイント会員にポイントを付与する。
【0038】
以上の例では、A社を間接登録、B社を直接登録としたが、何れの登録方法を採用するかは、各社のシステムの構成などに従って任意に行うことができる。
このように、電子マネーサーバ2は、間接登録、直接登録の何れかによって、電子マネー機能部IDと会員IDの対応を得ることができ、これによって会員IDに対応づけてポイント数を計算することができる。
このように、電子マネーサーバ2は、間接登録、又は直接登録を行うことにより、ネットワークを介して、貨幣端末(ICチップ12)に対応づけて、ポイントサーバがポイント数の発行対象者(ポイント会員)を識別する対象者ID(会員ID)を受信する対象者ID受信手段を備えている。
【0039】
図4は、携帯電話7の構成の一例を示した概念図である。
携帯電話7は、電話機能部10と電子マネー機能部として機能するICチップ12を備えており、両者はインターフェース部11によって接続されている。
ICチップ12には、端末通信部16、バリュー処理部17、電子マネー記憶部18などが形成されている。
【0040】
電子マネー記憶部18は、電子マネー機能部ID、バリュー残高、ログデータなどを記憶している。
電子マネー機能部IDは、電子マネーシステム1でICチップ12を特定するための識別情報である。
バリュー残高は、現在記憶しているバリューの金額であり、これを減額することにより決済することができる。このように、電子マネー記憶部18は、貨幣価値の金額を電子データ(バリュー)として記憶する金額記憶手段として機能している。
ログデータは、バリューの処理内容などを記録したログデータである。
【0041】
端末通信部16は、電子マネー端末8のリーダライタと無線通信する機能部であって、電子マネー端末8とバリュー処理部17の通信を仲介する。
バリュー処理部17は、金額変更情報などの各種コマンドを実行する機能部であって、端末通信部16を介して電子マネー端末8と通信することができると共に、電話機能部10を介して電子マネーサーバ2と通信することができる。
【0042】
コマンドには、金額変更情報、ID参照コマンドなどがあり、電子マネー端末8や電子マネーサーバ2は、バリュー処理部17に金額変更情報を送信してチャージや決済を行わせたり、ID参照コマンドを送信して、バリュー処理部17の電子マネー機能部IDを読み出したりすることができる。
金額変更情報は、チャージする場合には電子マネー記憶部18に記憶したバリューを加算する加算情報として機能し、決済する場合には減算情報として機能する。
このように、バリュー処理部17は、金額変更手段として機能し、ICチップ12は、貨幣端末として機能している。
【0043】
電話機能部10は、通話を行う通話モードとアプリケーションを動作させるアプリケーションモードを有しており、ユーザの操作により切り替えることができる。
電話機能部10は、CPU(Central Processing Unit)と、各種のアプリケーションプログラムを記憶した記憶部を備えており、アプリケーションモードにてこれらのアプリケーションプログラムをCPUで実行することにより各種のアプリケーション機能を発揮することができる。
【0044】
図4の例では、A社ポイントサーバ61のサービスサイトにアクセスして間接登録などのA社のサービスを利用するためのA社アプリケーション部13と、電子マネーサーバ2のサービスサイトに接続して、直接登録したり、チャージや決済するための電子マネーアプリケーション部15がインストールされている。
以上は、携帯電話7について説明したが、電子マネーカード6にもICチップ12と同様のICチップが内蔵されている。
【0045】
図5は、電子マネー端末8のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
電子マネー端末8は、CPU31、ROM(Read Only Memory)33、RAM(Random Access Memory)34、通信制御部35、記憶部36、入力部37、出力部38、リーダライタ部39などがバスラインで接続されて構成されている。
【0046】
CPU31は、所定のプログラムに従って情報処理を行うほか、電子マネー端末8全体の制御などを行う。
本実施の形態では、CPU31は、金額変更情報を電子マネーカード6に送信して、電子マネーカード6に金額変更処理(決済やチャージ)を行わせたり、実行した金額変更処理の内容を記録した取引ログを作成してバッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信したりする。
【0047】
ROM33は、電子マネー端末8を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM34は、CPU31のワーキングメモリを提供したり、記憶部36に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出し可能なメモリである。
通信制御部35は、ネットワークを介して電子マネー端末8を電子マネーサーバ2に接続する。
【0048】
入力部37は、例えば、キーボード、バーコードリーダなどの入力装置を備えており、操作担当者が商品コードや決済金額やチャージ金額などを入力できるようになっている。
出力部38は、例えば、液晶表示装置、プリンタ、音声出力装置などに接続されており、顧客や加盟店の操作担当者に情報を提示するようになっている。
【0049】
リーダライタ部39は、アンテナを内蔵しており、携帯電話7のICチップ12や電子マネーカード6のICチップと無線通信を行う。
リーダライタ部39は、キャッシュレジスタ近辺に設置され、ユーザが商品の決済時に、携帯電話7や電子マネーカード6をリーダライタ部39に近接させることができるようになっている。
【0050】
記憶部36は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部42、データを格納したデータ格納部44などから構成されている。
プログラム格納部42には、電子マネー端末8を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、電子マネーカード6に金額変更処理を行わせたりするためのプログラムなどが記憶されている。
【0051】
データ格納部44には、電子マネー端末8のID情報である端末ID、電子マネー端末8が設置された加盟店の加盟店ID、取引ログなどを記憶している。
取引ログには、金額変更処理を行ったICチップの電子マネー機能部ID、決済・チャージの別、決済又はチャージした金額、金額変更処理を行った日時時刻、加盟店ID、端末IDなどの情報が記録されており、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信される。
【0052】
図6は、電子マネーサーバ2のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
電子マネーサーバ2は、CPU51、ROM52、RAM54、通信制御部53、記憶部55などがバスラインで接続されて構成されている。
電子マネーサーバ2は、貨幣端末(ICチップ12など)を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置として機能する。
【0053】
CPU51は、所定のプログラムに従って各種の情報処理を行う中央処理装置である。
本実施の形態では、電子マネー端末8から取引ログを収集して集計するほか、電子マネー機能部IDとポイントサービスの会員IDとの対応の管理、ポイント数の計算などを行う。
また、CPU51は、直接登録やその他のサービスを提供するサービスサイトを運営したり、各社のポイントサーバから間接登録を受け付けたりする。
なお、これらの機能の全てをCPU51で行う必要はなく、複数台のサーバ装置を組み合わせて電子マネーサーバ2と同等の機能を有するシステムを構成してもよい。
【0054】
ROM52は、読み出し専用のメモリであり、電子マネーサーバ2を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどが記憶されている。
RAM54は、読み書き可能なメモリであって、CPU51のワーキングメモリを提供したり、記憶部55に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする。
通信制御部53は、電子マネー端末8と通信したり、あるいは、インターネット4や基地局5を介して携帯電話7と通信したりする。
【0055】
記憶部55は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶装置を用いて構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部56、データを格納したデータ格納部57などから構成されている。
プログラム格納部56には、電子マネーサーバ2を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、CPU51が電子マネー機能部IDと会員IDの対応を管理するためのプログラム、ポイント数を計算するためのプログラム、その他のプログラムが格納されている。
【0056】
データ格納部57には、携帯電話7や電子マネーカード6のユーザを登録したユーザデータベース41、取引ログデータベース42、各ユーザの各社ポイントサービスへの登録状況を記録したサービス登録データベース43、ユーザのポイントサービスの選択を記録したポイント有効データベース44などが格納されている。なお、図ではデータベースをDBと略記している。
これらのデータベースは、例えば、基本となるテーブルをリレーションによって関連づけたリレーショナルデータベースにより論理的に構築されている。
【0057】
図7(a)は、ユーザデータベース41の論理的な構成の一例を示した図である。
ユーザデータベース41は、「電子マネー機能部ID」、「ユーザ名」、「パスワード」、「電子メールアドレス」、「住所」などのユーザ情報が記憶されている。
「電子マネー機能部ID」は、ユーザが所有する携帯電話7や電子マネーカード6のICチップのID情報である。
「ユーザ名」は、ユーザの氏名である。
【0058】
「パスワード」は、電子マネーサーバ2がユーザを認証して特定するための認証情報である。
パスワードは、例えば、ユーザが携帯電話7やユーザ端末9などから電子マネーサーバ2のサービスサイトにログインする際に、ユーザを特定するのに用いられる。
【0059】
図7(b)は、取引ログデータベース42の論理的な構成の一例を示した図である。
取引ログデータベース42は、電子マネー端末8から送信されてきた取引ログや、電子マネーサーバ2が携帯電話7や電子マネーカード6に直接行った処理を蓄積したデータベースであり、「電子マネー機能部ID」、「チャージ」、「決済」、その他の項目から構成されている。
【0060】
「電子マネー機能部ID」は、取引ログの対象となったICチップの電子マネー機能部IDである。
「チャージ」には、チャージを行った加盟店3の加盟店ID、電子マネー端末8の端末ID、チャージを行った日時(分秒まで記録)、チャージしたバリューの金額などが記録されている。
「決済」には、「チャージ」と同様に、決済を行った加盟店3の加盟店ID、電子マネー端末8(あるいは電子マネーサーバ2)の端末ID、決済日時、決済したバリューの金額などが記録されている。
【0061】
このように、電子マネーサーバ2は、貨幣端末(ICチップ12)で決済した金額を決済ログにより取得する決済金額取得手段を備えていると共に、携帯電話7や電子マネーカード6による購買履歴が取引ログとして記憶されているため、これを基にポイント数を計算することができる。
【0062】
図8は、サービス登録データベース43の論理的な構成の一例を示した図である。
サービス登録データベース43は、「ポイント事業者」、「会員ID」、「電子マネー機能部ID」、「サービス登録日」、「サービス解除」、その他の項目から構成されている。
「ポイント事業者」は、A社、B社などのポイント事業者を特定する情報である。
【0063】
「会員ID」は、ポイント事業者がポイント会員に与えている会員IDである。
「電子マネー機能部ID」は、間接登録、又は直接登録によって会員IDに対応づけらた電子マネー機能部IDである。
「サービス登録日」は、ユーザがポイント事業者のポイント会員として登録した日付であり、ユーザが1日のうちに複数回登録解除やポイントサービスの選択を行った場合にそれらの前後関係を確定するために時分まで記録される。ユーザは、登録してあるポイントサービスの中からポイントを蓄積するものを選択できる。
【0064】
「サービス解除日」は、ポイント事業者のポイントサービスを解除した日付であり、時分の単位まで記録されるようになっている。ユーザがポイントサービスを解除していない場合には、空欄となっている。
電子マネーサーバ2は、サービス登録データベース43で、ユーザの電子マネー機能部IDを検索することにより、各ユーザが登録しているポイントサービスを特定することができる。
【0065】
サービス登録データベース43は、貨幣端末(ICチップ12)に対応づけられた複数のポイント種類(ポイントサービスの種類)を記憶するポイント種類記憶手段として機能している。
また、サービス登録データベース43は、ポイントサーバがポイント数の発行対象者(ポイント会員)を識別する対象者ID(会員ID)と、貨幣端末(ICチップ12)と、の対応を記憶する対応記憶手段として機能している。
【0066】
図9は、ポイント有効データベース44の論理的な構成の一例を示した図である。
ポイント有効データベース44は、「電子マネー機能部ID」、「ポイント事業者」、「会員ID」、「ポイント有効日」、「ポイント無効日」、その他の項目から構成されている。
「電子マネー機能部ID」は、携帯電話7や電子マネーカード6の電子マネー機能部IDである。
【0067】
「ポイント事業者」は、ユーザが現在ポイントサービスを登録しているポイント事業者である。
「会員ID」は、ポイント事業者がポイント会員に付与した会員IDである。
「ポイント有効日」は、当該ポイント事業者のポイントサービスでポイントの付与が有効となった日である。
【0068】
「ポイント無効日」は、当該ポイント事業者のポイントサービスに対してポイントの付与が無効となった日である。
これら「ポイント有効日」、「ポイント無効日」は、ユーザの選択によって設定されるが、後述するように、これらの有効日・無効日は、ユーザが選択してから4日後に反映されるようになっており、ユーザが操作した日の4日後の日付となっている。
なお、現在選択中のポイントサービスについては、「無効日」が「99/99/99」となっている。
ポイント有効データベース44は、サービス登録データベース43で記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段として機能している。
【0069】
図10は、ユーザがポイントを登録・選択してから、これが電子マネーサーバ2で反映されるまでの期間を説明するための図である。
間接登録を行う場合、ポイントサーバは紐付登録ファイルをバッチファイルにて電子マネーサーバ2に送信するため、本実施の形態では、ユーザが登録操作を行ってから、電子マネーサーバ2に登録内容が到達するまでに最大4日かかるようになっている。
そのため、電子マネーサーバ2は、猶予期間を設けて、ユーザがポイントサービスを登録したり選択した日の4日後からポイント付与を有効とし、登録や選択の順序とポイントが付与される期間の齟齬を防止することとした。
【0070】
図10の例では、例えば、ユーザがN日にA社ポイントサービスに新規登録すると、当該登録は、N+4日後に有効となり、以後A社のポイントが付与される。
更に、ユーザがM日(N日の後)にB社のポイントサービスを選択すると、当該選択は、M+4日後に有効となり、以後B社のポイントが付与される。
【0071】
以上のように構成された電子マネーシステム1が、間接登録によってポイントサービスを提供する場合の手順を図11のフローチャートを用いて説明する。
ここでは、A社、B社共に間接登録が可能であるとし、携帯電話7から登録する場合について説明する。
【0072】
まず、ユーザは、携帯電話7でA社のアプリケーションを起動するなどしてA社ポイントサーバ61のサービスサイトのポイントサービス登録画面に接続する。
ポイントサービス登録画面では、電子マネー機能部IDやA社会員IDを入力するようになっており、ユーザは、これらの必要事項を入力してA社ポイントサーバ61に送信する。
【0073】
電子マネー機能部IDは、ユーザが手入力するように構成してもよいし、あるいは、A社のアプリケーションが自動的にICチップ12から読み取るように構成してもよい。
A社ポイントサーバ61は、このようにして、携帯電話7からこれら情報を受信すると、A社ポイントサービス用のユーザデータベースにサービス登録する(ステップ5)。
【0074】
次に、A社ポイントサーバ61は、携帯電話7の電子マネー機能部IDとA社会員IDを対応づけ、登録日が記録された紐付登録ファイルを生成して電子マネーサーバ2に送信する(ステップ10)。
電子マネーサーバ2は、A社ポイントサーバ61から紐付登録ファイルを受信すると、サービス登録データベース43(図8)の項目「A社」に、紐付登録ファイルに記録されている会員ID、電子マネー機能部ID、サービス登録日を記憶する。
また、電子マネーサーバ2は、ポイント有効データベース44(図9)の当該電子マネー機能部IDに対して、A社と会員IDを記憶すると共に、紐付登録ファイルに記録されている登録日から4日後をポイント有効日として記憶する。
【0075】
ユーザが携帯電話7からB社のポイントサービスに登録する場合にも同様に、B社ポイントサーバ62に対してサービス登録し(ステップ15)、B社ポイントサーバ62が電子マネーサーバ2に紐付登録ファイルを送信する(ステップ20)。
そして、電子マネーサーバ2は、A社の場合と同様にして当該ユーザに対してB社のポイントサービスを登録する。
【0076】
以上では、携帯電話7に対してA社とB社のポイントサービスを登録したが、デフォルトでは後から登録したB社のポイントサービスが選択され、ユーザがA社を選択した場合にはA社のポイントサービスが選択される。
【0077】
このようにして、ユーザがA社とB社のポイントサービスに登録して選択した後、携帯電話7のバリューを用いて電子マネー端末8で決済すると(ステップ25)、後ほどバッチ処理にて電子マネー端末8が電子マネーサーバ2に取引ログを送信する(ステップ30)。
電子マネーサーバ2は、取引ログを受信すると、これを取引ログデータベース42(図7(b))に記憶する。
【0078】
次に、電子マネーサーバ2は、例えば、取引ごとにポイント計算処理を行い(ステップ35)、各ポイント事業者ごとにポイント積算ファイルを作成する。
そして、電子マネーサーバ2は、計算処理済みのB社用のポイント積算ファイルをB社ポイントサーバ62に送信し(ステップ40)、計算処理済みのA社用のポイント積算ファイルをA社ポイントサーバ61に送信する(ステップ45)。
これらの送信タイミングは、例えば、毎日、10日ごと、又は月に1回など各ポイント事業者が指定したタイミングにより異なるように構成することができる。
【0079】
A社ポイントサーバ61は、ポイント積算ファイルに従って、ユーザにポイントを発行して付与し、例えば、ポイントに応じてポイントを消費するなど、ポイントの還元を行う(ステップ50)。
B社ポイントサーバ62も同様に、ポイントの発行・還元を行う(ステップ55)。
【0080】
次に、電子マネーシステム1が、直接登録によってポイントサービスを提供する場合の手順を図12のフローチャートを用いて説明する。
ここでは、A社、B社共に直接登録が可能であるとし、携帯電話7から登録する場合について説明する。
【0081】
まず、ユーザは、携帯電話7の電子マネーアプリケーション部15(図4)を起動して電子マネーサーバ2のサービスサイトのポイントサービス登録画面に接続する。
ユーザは、ポイントサービス登録画面にてA社のポイントサービスを選択すると共に、A社会員IDと電子マネー機能部IDを入力して電子マネーサーバ2に送信する。
【0082】
そして、電子マネーサーバ2は、携帯電話7からこれらの情報を受信して、サービス登録データベース43、ポイント有効データベース44にユーザを登録する(ステップ60)。
B社のポイントサービスについても同様にして携帯電話7から電子マネーサーバ2にアクセスし、登録することができる(ステップ70)。
以下の手順は、図11と同様である。
【0083】
次に、図13のフローチャートを用いてポイント計算処理の手順を説明する。
以下の処理は、電子マネーサーバ2のCPU51が所定のプログラムに従って、例えば、月に1回程度、定期的、又は不定期に行うものである。
まず、電子マネーサーバ2は、ポイント有効データベース44でポイント数の計算対象となる何れかの電子マネー機能部IDを特定する(ステップ60)。
【0084】
次に、電子マネーサーバ2は、取引ログデータベース42で当該電子マネー機能部IDに関する取引ログを検索し、前回のポイント計算日から今回のポイント計算日までの間にバリューによって決済した金額を集計する(ステップ65)。
このように、電子マネーサーバ2は、電子マネー端末8などから取得した金額を集計する集計手段を備えている。
次に、電子マネーサーバ2は、当該電子マネー機能部IDをサービス登録データベース43で検索し、現在当該電子マネー機能部IDに対して選択されているポイントサービスを特定する(ステップ70)。
【0085】
そして、電子マネーサーバ2は、選択されているポイントサービスで規定されている比率に基づいて、先に集計した金額からポイント数を計算する(ステップ75)。
例えば、決済金額に対して1%のポイントを発行する場合には、決済金額に0.01を乗じた上で端数を切り捨てるなどしてポイント数を計算する。
【0086】
このように、電子マネーサーバ2は、集計した金額に基づいて選択されているポイント種類ごとに(本実施の形態では1種類)ポイント数を計算するポイント数計算手段を備えている。
次に、電子マネーサーバ2は、当該電子マネー機能部IDに対応づけて、ポイントサービスとポイント数を記憶する(ステップ80)。
【0087】
次に、電子マネーサーバ2は、ポイント有効データベース44に登録されている電子マネー機能部IDのうち、未計算のものがある場合には(ステップ85;Y)、ステップ60に戻って、当該未計算の電子マネー機能部IDに対して選択されているポイントサービスに対してポイント数を計算する。
【0088】
一方、全ての電子マネー機能部IDについてポイント数を計算した場合には(ステップ85;N)、ポイント事業者ごとに、電子マネー機能部IDとポイント数の対応を記録して、ポイント積算ファイルを作成する(ステップ90)。
このように、電子マネーサーバ2は、計算したポイント種類ごとのポイント数をポイント積算ファイルとして出力するポイント出力手段を備えている。
【0089】
次に、電子マネーサーバ2が携帯電話7からの操作を受け付けてポイントサービスの選択を切り替える手順を図14のフローチャートを用いて説明する。
なお、以下では、電子マネーサーバ2などが携帯電話7のディスプレイに表示する画面の遷移を用いて説明する。
これらの画面は、電子マネーサーバ2などが携帯電話7に画面データを送信して表示させるものである。
【0090】
電子マネーサーバ2は、携帯電話7からパスワードの入力などによりログインを受け付けて、携帯電話7のユーザを特定すると、サービスサイトのトップ画面を携帯電話7に表示させる。
トップ画面では、例えば、チャージやバリューの転送など、電子マネーサーバ2が提供する各種サービスを選択できるようになっており、ポイントサービスを選択すると、ポイントトップ画面に遷移し、ポイントサービスに関しての操作メニューが表示される(ステップ100)。
【0091】
ユーザが「操作メニューへ」を選択すると、電子マネーサーバ2は、ポイントサービスの選択や登録情報の変更などを行うポイント選択画面を表示させる(ステップ105)。
この画面では、電子マネーシステム1でポイントサービスが利用可能な、例えば、A社、B社、C社がラジオボタンにより選択可能に表示されている。
例えば、ユーザがこの画面で、B社を選択し、「ポイント切替登録」を選択すると、電子マネーサーバ2は、サービス登録データベース43(図8)を用いて、携帯電話7の電子マネー機能部IDにB社が紐付済みか(即ち、当該電子マネー機能部IDにB社会員IDが対応づけられているか)確認する(ステップ110)。
【0092】
紐付済みである場合(ステップ110;Y)、電子マネーサーバ2は、ポイント有効データベース44(図9)において、4日後をポイント有効日として有効となるポイントサービスをB社に切り替え、携帯電話7に「B社に切り替えました。4日後から有効になります。」などの表示を行わせる(ステップ113)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
なお、B社選択前に選択中に設定されていたポイントサービスは4日後をポイント無効日として無効とされる。
【0093】
一方、紐付済みでない場合(ステップ110;N)、電子マネーサーバ2は、B社が直接登録と間接登録の何れを採用しているかを判断する(ステップ115)。電子マネーサーバ2は、各社が何れの登録方式を採用しているかの一覧を記憶しており、これによって判断することができる。
直接登録の場合(ステップ115;Y)、電子マネーサーバ2は、ユーザが既にB社に対する登録の申込を行っており、4日の猶予期間を経るまでの確定待ちの状態か確認する。
【0094】
確定待ちの場合(ステップ120;Y)、確定時に自動的に選択がB社となるため、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に「B社に切り替えました。4日後から有効になります。」などの表示を行わせる(ステップ113)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
なお、登録してから3日経過し、あと1日で有効になる場合には、「B社に切り替えました。1日後から有効になります。」、又は「すでにB社に切り替えてあります。」などの表示を行わせる。
このように、電子マネーサーバ2は、端末装置(携帯電話7やユーザ端末9など)からポイント種類の選択を受け付けるポイント種類受付手段を備えている。
【0095】
確定待ちでない場合(ステップ120;N)、電子マネーサーバ2は、携帯電話番号やお客様コード(B社会員ID)などの必要事項を入力させてB社のポイントサービスに直接登録するための画面を携帯電話7に表示させる(ステップ130)。
そして、ユーザが確認画面で「登録する」を選択すると(ステップ135)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に「B社に切り替えました。4日後から有効になります。」などの表示を行わせる(ステップ113)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0096】
また、B社が間接登録を採用していると判断した場合(ステップ115;N)、電子マネーサーバ2は、「B社ポイントをためるには、B社サイトからアプリをダウンロードして登録して下さい。」などといった表示をB社のサービスサイトへのリンクと共に携帯電話7に表示させ、ユーザをB社のサービスサイトに誘導する(ステップ145)。
【0097】
ユーザが、当該リンクを選択すると、携帯電話7はB社のサービスサイトへ接続する。
そして、B社ポイントサーバ62が携帯電話7に画面データを送信し、「B社ポイント 電子マネーご利用でポイントがたまります。ご登録はアプリから」などといった表示と共に、B社のアプリケーションをダウンロードするためのボタンを携帯電話7に表示させる(ステップ150)。
ユーザは、当該ボタンを選択してアプリケーションをダウンロードして携帯電話7にインストールし、これを起動してB社のポイントサービスに間接登録することができる。
【0098】
次に、携帯電話7からポイントサービスの登録情報の変更や削除を行う手順を図15のフローチャートを用いて説明する。
ここでも、電子マネーサーバ2が携帯電話7のディスプレイに表示する画面の遷移を用いて説明する。
これらの画面は、電子マネーサーバ2が携帯電話7に画面データを送信して表示させるものである。
【0099】
まず、ユーザは、ポイントトップ画面で「操作メニューへ」を選択し(ステップ100)、これによって表示されるポイントサービスを選択するための画面で「A社」を選択し、更に「登録情報変更、削除」を選択する(ステップ105)。
すると、電子マネーサーバ2は、A社が間接登録を採用しているか判断し、間接登録の場合には(ステップ205;Y)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に「A社ポイントサービスの変更・削除はA社のアプリから操作して下さい。」などと表示させ、A社ポイントサーバ61で操作するように促す(ステップ210)。この画面で「戻る」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0100】
一方、A社が直接登録を採用していた場合(ステップ205;N)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7の電子マネー機能部IDとA社がサービス登録データベース43(図8)で紐付済みか確認する(ステップ215)。
紐付済みでなかった場合(ステップ215;N)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に「A社ポイントサービスにはご登録されていません。」などと表示する(ステップ220)。この画面で「戻る」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0101】
紐付済みだった場合(ステップ215;Y)、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に登録の変更・削除を選択するための画面を表示させる(ステップ225)。
ユーザが「登録情報を変更する」を選択した場合、電子マネーサーバ2は、携帯電話7に、携帯電話番号やお客様コード(A社会員ID)を入力するための画面を表示させる(ステップ230)。
【0102】
そして、ユーザが確認画面で「登録する」を選択すると(ステップ235)、電子マネーサーバ2は、ユーザが入力した内容に従ってサービス登録データベース43を変更し、携帯電話7に「ご登録内容を変更しました。4日後から有効になります。」などの表示を行わせる(ステップ240)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0103】
また、ステップ225において、ユーザが「登録情報を削除する」を選択した場合、電子マネーサーバ2は、削除するか否かを確認するための確認画面を携帯電話7に表示させ(ステップ245)、ユーザが「削除する」を選択すると、サービス登録データベース43において携帯電話7の登録を削除し、「削除が完了しました」などと携帯電話7に表示させる(ステップ250)。この画面で「次へ」を選択するとポイントトップ画面に戻る。
【0104】
以上に説明した本実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)携帯電話7や電子マネーカード6に対して、複数のポイントサービスを対応づけることができ、何れのサービスを利用するかをユーザに選択してもらうことができる。
(2)ユーザは、バリューの利用によって、複数のポイントサービスの中から自己の希望に添ったポイントサービスのポイントを蓄積することができる。
(3)電子マネーサーバ2は、間接登録、直接登録の何れにも対応しており、ポイントサービス事業者のシステムに対応した方法を採用することができる。
(4)ポイントサービスの登録・選択から所定の猶予期間を経てから有効とすることにより、直接登録と間接登録の時間差を吸収することができる。
(5)既存の(既に登録してある)会員ID及び電子マネー機能部IDを利用するため、本サービス用の新たな設備投資を最小限に抑えることができる。
(6)既存の(既に登録してある)会員ID及び電子マネー機能部IDを利用するため、本サービスに参加したいユーザは、参加登録する際、氏名や住所などの情報を改めて入力する煩わしさを被ることがない。
【0105】
電子マネーシステム1では、バリューによる決済に対してポイントを付与したが、チャージに対して付与するように構成することもできる。
また、電子マネーシステム1では、電子マネーサーバ2とポイントサーバを別事業者が運用する個別のサーバとしたが、電子マネー事業者がポイントサービスも行い、電子マネーサーバ2とポイントサーバの機能を統合したシステムを構成することもできる。
【0106】
更に、電子マネーシステム1では、登録したポイントサービスの中から選択した1つに対してポイントを付与したが、例えば、それぞれのポイントサービスに対してポイント分配率を設定し、その分配率に従って、それぞれのポイントを発行するように構成することもできる。
この場合、例えば、電子マネーサーバ2は、電子マネー機能部ID対応づけて、A社50%、B社30%、C社20%などと、ポイントサービスごとの分配比率を記憶し(配分比率記憶手段)、決済金額のA社〜C社のポイントを、それぞれ決済金額の50%、30%、20%に基づいて計算する。
これによって、ユーザは、バリュー決済に対して、各社のポイントを蓄積することができる。
【0107】
また、ポイント事業者からの依頼により、又は電子マネー事業者の設定により、ある期間限定で、「ポイントAは積算が2倍」など、ポイント計算比率(ポイント付与率)を変更できるように構成することもできる。
更に、加盟店ごと(又は地域ごとグループごとなど)にポイント付与形態を異なるように設定することもできる。
この場合、ポイントを付与する加盟店と付与しない加盟店を設定したり、あるいは、ポイントの計算比率が異なる加盟店を設定したりすることができる。
取引ログには、加盟店IDも記されているため、加盟店IDごとのポイント計算比率を電子マネーサーバ2に設定することにより実現可能である。
【0108】
加えて、決済時間により、ポイントを付与しない場合も含め、ポイント計算比率を変化させるように構成することもできる。
取引ログには決済時刻も記録されているため、決済時刻とポイント計算比率の対応を電子マネーサーバ2に設定することにより実現可能である。
【0109】
また、加盟店IDと決済時刻の双方を条件にポイント計算比率を設定するように構成することもできる。
例えば、X店舗(加盟店IDにより特定)で17時〜22時に決済するとポイント2倍のボーナスポイントが付与され、0時〜5時まではポイントを付与しないなどの設定が可能である。
【0110】
加えて、天気やユーザの属性(例えば、性別、年齢帯)などにより、ポイントの付与率を設定することも可能である。
この場合、電子マネーサーバ2が、地域ごとの天気の推移を記録した天候データを天候データ配信サーバから配信してもらい、これを決済ログ(加盟店IDにより決済した加盟店の所在地が特定できる)と照合したり、ユーザデータベースに記録されているユーザの属性を決済ログと照合することにより実現可能である。
これにより、雨天時にポイント計算比率をアップして、雨天時にユーザの来店数を増やしたり、ターゲットとなる顧客層のポイント計算比率をアップして当該顧客数に属するユーザの来店数を増やしたりすることができる。
【0111】
一定期間同じポイントサービスを設定登録、あるいは選択しておくことを条件に、ポイント計算比率をアップするように構成することにより、ユーザのポイントサービスへの参加インセンティブを高めることができる。
例えば、A社のポイントサービスを10ヶ月間継続して登録しておくと、11ヶ月目から2倍のポイント計算とする、などの形態が可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 電子マネーシステム
2 電子マネーサーバ
4 インターネット
5 基地局
6 電子マネーカード
7 携帯電話
8 電子マネー端末
9 ユーザ端末
61 A社ポイントサーバ
62 B社ポイントサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置であって、
前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶手段と、
前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段と、
前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得手段と、
前記取得した金額を集計する集計手段と、
前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算手段と、
前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力手段と、
を具備したことを特徴とするポイント計算装置。
【請求項2】
前記ポイント選択記憶手段は、最も最近に前記貨幣端末に対応づけられたポイント種類を選択することを特徴とする請求項1に記載のポイント計算装置。
【請求項3】
端末装置からポイント種類の選択を受け付けるポイント種類受付手段を具備し、
前記ポイント選択記憶手段は、前記選択を受け付けたポイント種類を選択することを特徴とする請求項1に記載のポイント計算装置。
【請求項4】
前記選択されたポイント種類ごとのポイント数配分比率を記憶する配分比率記憶手段を具備し、
前記ポイント数計算手段は、前記記憶したポイント数配分比率に従ってポイント種類ごとのポイント数を計算することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のポイント計算装置。
【請求項5】
前記出力したポイント数を、ポイント種類に応じたポイントサーバに送信するポイント送信手段を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載のポイント計算装置。
【請求項6】
前記ポイントサーバが前記ポイント数の発行対象者を識別する対象者IDと、前記貨幣端末と、の対応を記憶する対応記憶手段を具備し、
前記ポイント送信手段は、ポイント数と対象者IDを対応づけて前記ポイントサーバに送信することを特徴とする請求項5に記載のポイント計算装置。
【請求項7】
ネットワークを介して前記貨幣端末に対応づけて、ポイントサーバがポイント数の発行対象者を識別する対象者IDを受信する対象者ID受信手段を具備し、
前記対応記憶手段は、前記貨幣端末と当該ポイントサーバに対応づけて前記受信した対象者IDを記憶することを特徴とする請求項6に記載のポイント計算装置。
【請求項8】
貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置が行うポイント計算方法であって、
前記ポイント計算装置は、前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶手段と、前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段と、決済金額取得手段と、集計手段と、ポイント数計算手段と、ポイント出力手段と、を具備し、
前記決済金額取得手段で、前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得ステップと、
前記集計手段で、前記取得した金額を集計する集計ステップと、
前記ポイント数計算手段で、前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算ステップと、
前記ポイント出力手段で、前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力ステップと、
から構成されたことを特徴とするポイント計算方法。
【請求項9】
貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算する機能をコンピュータで実現するためのポイント計算プログラムであって、
前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶機能と、
前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶機能と、
前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得機能と、
前記取得した金額を集計する集計機能と、
前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算機能と、
前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力機能と、
をコンピュータで実現するポイント計算プログラム。
【請求項1】
貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置であって、
前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶手段と、
前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段と、
前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得手段と、
前記取得した金額を集計する集計手段と、
前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算手段と、
前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力手段と、
を具備したことを特徴とするポイント計算装置。
【請求項2】
前記ポイント選択記憶手段は、最も最近に前記貨幣端末に対応づけられたポイント種類を選択することを特徴とする請求項1に記載のポイント計算装置。
【請求項3】
端末装置からポイント種類の選択を受け付けるポイント種類受付手段を具備し、
前記ポイント選択記憶手段は、前記選択を受け付けたポイント種類を選択することを特徴とする請求項1に記載のポイント計算装置。
【請求項4】
前記選択されたポイント種類ごとのポイント数配分比率を記憶する配分比率記憶手段を具備し、
前記ポイント数計算手段は、前記記憶したポイント数配分比率に従ってポイント種類ごとのポイント数を計算することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のポイント計算装置。
【請求項5】
前記出力したポイント数を、ポイント種類に応じたポイントサーバに送信するポイント送信手段を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載のポイント計算装置。
【請求項6】
前記ポイントサーバが前記ポイント数の発行対象者を識別する対象者IDと、前記貨幣端末と、の対応を記憶する対応記憶手段を具備し、
前記ポイント送信手段は、ポイント数と対象者IDを対応づけて前記ポイントサーバに送信することを特徴とする請求項5に記載のポイント計算装置。
【請求項7】
ネットワークを介して前記貨幣端末に対応づけて、ポイントサーバがポイント数の発行対象者を識別する対象者IDを受信する対象者ID受信手段を具備し、
前記対応記憶手段は、前記貨幣端末と当該ポイントサーバに対応づけて前記受信した対象者IDを記憶することを特徴とする請求項6に記載のポイント計算装置。
【請求項8】
貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算するポイント計算装置が行うポイント計算方法であって、
前記ポイント計算装置は、前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶手段と、前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶手段と、決済金額取得手段と、集計手段と、ポイント数計算手段と、ポイント出力手段と、を具備し、
前記決済金額取得手段で、前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得ステップと、
前記集計手段で、前記取得した金額を集計する集計ステップと、
前記ポイント数計算手段で、前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算ステップと、
前記ポイント出力手段で、前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力ステップと、
から構成されたことを特徴とするポイント計算方法。
【請求項9】
貨幣価値の金額を電子データとして記憶する金額記憶手段と、減算情報を用いて前記記憶した金額を減算して決済する金額変更手段と、を備えた貨幣端末を用いて決済した金額に基づく複数種類のポイント数を計算する機能をコンピュータで実現するためのポイント計算プログラムであって、
前記貨幣端末に対応づけられた複数のポイント種類を記憶するポイント種類記憶機能と、
前記記憶したポイント種類のうち、蓄積するポイント種類の選択を記憶するポイント選択記憶機能と、
前記貨幣端末で決済した金額を取得する決済金額取得機能と、
前記取得した金額を集計する集計機能と、
前記集計した金額に基づいて前記選択したポイント種類ごとにポイント数を計算するポイント数計算機能と、
前記計算したポイント種類ごとのポイント数を出力するポイント出力機能と、
をコンピュータで実現するポイント計算プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−212461(P2012−212461A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−142413(P2012−142413)
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【分割の表示】特願2007−310171(P2007−310171)の分割
【原出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(501044116)楽天Edy株式会社 (48)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【分割の表示】特願2007−310171(P2007−310171)の分割
【原出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(501044116)楽天Edy株式会社 (48)
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