説明

ポリアミンオキシダーゼの精製法

【課題】オート麦のPAOを、活性を維持させた状態で簡便に分離・精製する手段を提供すること。
【解決手段】(1)0.2〜0.3M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下、オート麦の可溶画分からなる試料を陽イオン交換体に接触させるステップ、及び(2)0.45〜0.55M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下、陽イオン交換体に吸着した成分を溶出するステップを行い、ポリアミンオキシダーゼを精製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリアミンオキシダーゼの精製法に関する。詳しくは、オート麦由来のポリアミンオキシダーゼを簡便な操作で精製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミンオキシダーゼ(ポリアミン酸化酵素。以下、「PAO」という)は、糖タンパク質である。PAOは微生物から高等生物にわたってその存在が確認されており、ポリアミンの代謝において主要な役割を果たしていると考えられている。これまでに様々な生物からのPAOの分離・精製が試みられてきた。例えばトウモロコシのPAOの精製法(非特許文献1)、オート麦のPAOの精製法(非特許文献2)が報告されている。非特許文献1の精製法ではアセトン抽出(ステップ1)の後、CM−セファデックスによる処理(ステップ2)、セファデックスG−100 カラムクロマトグラフィー(ステップ3)及びヒドロキシアパタイト カラムクロマトグラフィー(ステップ4)を連続して行う。このように精製には4段階の操作が必要であり、通常3〜4日程度を要する。また、精製度は7倍程度(アセトン抽出液の精製度を基準とする)であり、収量は24%(アセトン抽出液の総活性を100%とする)にすぎない。非特許文献2の精製法においても同様に4段階の操作(アセトン抽出、ヒドロキシアパタイト カラムクロマトグラフィー、オクチルセファロース カラムクロマトグラフィー、カルボキシメチルセルロース カラムクロマトグラフィー)を要し、精製度は15倍程度、収量は32%である。
ところで、最近では糖タンパク質の分離・精製にレクチンアフィニティークロマトグラフィーが利用されることが多い。しかしながらレクチンは高価であり、しかも、用いるレクチンの類型を事前に知っておかなければならない。本発明者らは、これらの問題を解決した簡便な分離・精製法の開発に成功したことを報告した(特許文献1)。この分離・精製法では、pHが目的タンパク質の等電点にない条件で目的タンパク質を含む試料をイオン交換体に接触させて目的タンパク質を吸着させ、次に目的タンパク質の等電点に近い又は等電点を越えた条件で溶出させる。このような特殊な条件を採用することによって短時間で且つ簡便な操作で目的タンパク質の分離・精製を可能とする。尚、目的タンパク質等を阻害せず、担体・目的タンパク質・共存電荷物質の3者間の拮抗力に配慮したイオン交換体とバッファー条件が設定されることになる。
【特許文献1】特許第3920913号公報
【非特許文献1】Suzuki, Y. and Yanagisawa, H.: Purification and properties of maize polyamine oxidase : a flavoprotein. Plant cell physiol.21(6):1085-1094(1989)
【非特許文献2】Federico, R. et al.: Purification and characterization of oat polyamine oxidase. Phytochemistry Vol. 28, No. 8, pp. 2045-2046, 1989
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の背景の下、本発明の課題は、オート麦のPAOを、活性を維持させた状態で簡便に分離・精製する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
過去の報告によるとオート麦のPAOの等電点は4.7であるが、本発明者らの調べたところでは約11であった。この知見を得た後、先の特許出願(特許文献1)において報告した精製法をオート麦のPAOの精製に適用することを考えた。ここで、約11というPAOの等電点を考慮すれば、陽イオン交換体を採用し、例えば中性付近のpHのバッファーで吸着させた後、等電点に近い又は超えたpHのバッファーで溶出させることになる。このような条件で吸着及び溶出を行えばPAOの回収は可能であるものの、精製過程でPAOはその活性を失う。つまり、特許文献1の方法を適用した場合、活性を維持したPAOを得ることはできない。そこで本発明者は、オート麦のPAOに適した精製法を確立すべく更に検討を重ねた。その結果、一段階の操作にも関わらず、活性を維持した状態でオート麦のPAOを高度に且つ極めて高収率で精製することに成功した。即ち、オート麦のPAOを精製する際に最適な精製法を確立するに至った。本発明は当該成果に基づくものであり、以下の通りである。
[1]以下のステップ(1)及び(2)を含む、ポリアミンオキシダーゼの精製法:
(1)0.2〜0.3M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下、オート麦の可溶画分からなる試料を陽イオン交換体に接触させるステップ;
(2)0.45〜0.55M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下、陽イオン交換体に吸着した成分を溶出するステップ。
[2]ステップ(1)とステップ(2)の間に以下のステップ(a)を実施する、[1]に記載のポリアミンオキシダーゼの精製法:
(a)陽イオン交換体に吸着したポリアミンオキシダーゼが溶出しないバッファー条件下、陽イオン交換体を洗浄するステップ。
[3]ステップ(a)が、0.2〜0.3M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下で実施される、[2]に記載のポリアミンオキシダーゼの精製法。
[4]ステップ(1)及び(2)に使用するバッファーがいずれもトリス・コハク酸バッファーである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリアミンオキシダーゼの精製法。
[5]陽イオン交換体が、陽イオン交換基としてカルボキシル基を有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のポリアミンオキシダーゼの精製法。
【発明の効果】
【0005】
本発明の精製法によれば、簡便な操作にもかかわらず、活性を維持したPAOを高度に精製できる(高純度且つ高比活性のPAOを回収できる)。また、高い収量も望める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明はポリアミンオキシダーゼの精製法に関し、以下のステップ(1)及び(2)を含むことを特徴とする。
(1)0.2〜0.3M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下、オート麦の可溶画分からなる試料を陽イオン交換体に接触させるステップ(吸着ステップ)。
(2)0.45〜0.55M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下、イオン交換体に吸着した成分を溶出するステップ(溶出ステップ)。
【0007】
本発明ではオート麦のPAOが精製対象となる。尚、特に言及しない限り、本明細書中でPAOと記載したときにはオート麦のPAOを意味することとする。
【0008】
(1)吸着ステップ
ステップ(1)は、試料中のPAOを陽イオン交換体に吸着させるステップである。ステップ(1)は0.2〜0.3M、pH6.5〜8.0のバッファー条件(以下、「第1条件」ともいう)で実施される。このステップにおける試料とイオン交換体との接触は、典型的には、カラムに詰めた陽イオン交換体に試料を添加することによって実施される。通常、事前に適当な緩衝液で平衡化したカラムに試料を添加する。このようなカラムクロマトグラフィーの形態を採用すれば、吸着操作から溶出操作までを連続的に実施することが容易となる。一方、カラム等の特別の容器に充填していない陽イオン交換体に対して試料を直接添加し、目的糖タンパク質とイオン交換体との接触を実施してもよい。このようなバッチ式の処理方法は、一度に大量の試料を処理することが容易になるという利点を有する。
【0009】
試料にはオート麦の可溶画分が用いられる。可溶画分の調製は常法で行えば良い。可溶画分の調製法の一例を以下に示す。まず、ミキサーなどを用いてオート麦のシュートを粉砕し、懸濁液を得る。粉砕前に殺菌処理(例えば、塩化ベンザルコニウム溶液への浸漬)を行ってもよい。次に、懸濁液を遠心処理に供し、上清を回収する(不溶成分を除去する)。このようにして得た上清を試料として用いる。
【0010】
0.2〜0.3Mという高イオン強度下で吸着ステップを実施することによって、夾雑物の吸着を阻害できる。ところで、従来の等電点クロマトグラフィーでは、例えば20mMの緩衝液が使用されるなど、低イオン強度下で吸着操作を実施する。本発明は、このような低イオン強度下ではなく、従来の条件に比較して非常に高いイオン強度下で吸着操作を実施することを特徴の一つとする。尚、バッファー(緩衝液)の具体的な濃度として、実施例で採用した0.25Mを例示できる。
【0011】
一方、pH6.5〜8.0という中性pH域で吸着ステップを実施することによって、PAOの失活を防止できる。尚、バッファー(緩衝液)の具体的なpHとして、実施例で採用したpH7.5を例示できる。
【0012】
陽イオン交換体の種類は特に限定されない。例えば、スチレン系、アクリル系、メタアクリル系、フェノール系、脂肪族系、ピリジン系、デキストラン系、又はセルロース系の基材に、陽イオン交換基が導入された陽イオン交換体(樹脂)を使用することができる。陽イオン交換基として例えばカルボキシル基(CM)や硫酸基(SM、MonoSなど)が採用される。多種多様な陽イオン交換体が市販されており(例えば生化学工業株式会社、アマシャム バイオサイエンス株式会社などが販売している)、本発明では適当な特性を備える市販の陽イオン交換体を利用することができる。
【0013】
試料の吸着時に使用するバッファーとして、トリス・コハク酸バッファーを採用するとよい。トリス・コハク酸バッファーはpH6.5〜8.0において十分なバッファー能を発揮する。尚、吸着操作に先立ってイオン交換体を平衡化する場合には通常、吸着操作と同一の緩衝液を使用する。
【0014】
ステップ(1)の後、溶出ステップ(ステップ(2))を実施する。この溶出ステップは、0.45〜0.55M、pH6.5〜8.0のバッファー条件(以下「第2条件」ともいう)で実施される。このように本発明では、高イオン強度且つ中性pH域という条件によって溶出する。これによってPAOの活性を維持しつつ効率的な溶出を可能とする。
【0015】
溶出ステップでは、以上の第2条件を満たす溶出液を用意し、それを吸着ステップ後の陽イオン交換体に接触させる。
吸着ステップで使用したバッファーと全く異なる組成のバッファーを溶出液として用いることもできるが、目的タンパク質安定性保持と操作作業の簡便性の観点から、吸着ステップで使用したバッファーと同種のバッファーを使用することが好ましい。例えば、吸着時にトリス・コハク酸バッファーを使用したのであれば、溶出にもトリス・コハク酸バッファーを使用するとよい。
【0016】
吸着ステップ(ステップ(1))と溶出ステップ(ステップ(2))の間に洗浄ステップ(ステップ(a))を実施することが好ましい。この洗浄ステップは、吸着ステップの結果として陽イオン交換体に吸着した不要成分(試料中のPAO以外の成分)を洗浄、除去する目的で行う。従って、不要成分を効果的に除去でき、且つ陽イオン交換体に吸着されたPAOが溶出されない条件を満たす洗浄液を使用することが好ましい。例えば、当該ステップとして、吸着操作に使用した緩衝液と同一組成のバッファーで陽イオン交換体を洗浄する。バッファー組成を変えること、適当な塩を加えることは、存在するイオン種を増やすことになる。イオン構成が複雑になることは、担体・目的タンパク質・共存電荷物質の3者間の拮抗力に複雑な影響力を及ぼすことから、精製にも目的タンパク質安定性にも必ずしも有効とはいえない。良好な洗浄効果が得られるように、十分な量の洗浄液で洗浄することが好ましい。例えば、カラムに充填した陽イオン交換体を使用する場合、陽イオン交換体の2倍量(体積基準)〜30倍量、好ましくは3倍量〜20倍量の洗浄液を使用して当該ステップを実施する。
【0017】
本発明の精製法を実施する際の温度条件は特に限定されないが、一般に室温又は低温(例えば4℃〜10℃)で一連の操作を行う。
【実施例】
【0018】
<オート麦のPAOの精製>
1.方法
14日間暗所で生育させたオート麦のシュート部分を刈り取り(65g)、塩化ベンザルコニウム溶液(0.1 % w/v)に約10分間、浸漬させた(殺菌)。水道水及び蒸留水で洗浄した後、これに0.5Mトリス・コハク酸バッファー(pH 7.5)200mlを加え、ミキサーで粉砕した。粉砕処理後の懸濁液を遠心処理(15000g、20分間)に供し、上清(250 ml)を回収した。これに蒸留水(150 ml)を加え、粗酵素液(試料)400mlとした。0.25Mトリス・コハク酸バッファー(pH 7.5)で平衡化した陽イオン交換体樹脂CM-セファデックスC-50(アマシャム バイオサイエンス株式会社)1gに試料を加え1時間ほど撹拌した。ブッフナーロートで陽イオン交換体樹脂を回収し、洗浄した後、ガラス管につめてカラムとした。続いて、0.5Mトリス・コハク酸バッファー(pH 7.5)で溶出させ、フラクションコレクターで回収した(ステップワイズ法)。
【0019】
2.結果
(1)フラクションコレクターで回収した各画分のOD280nmの吸光度を測定し、タンパク質の存在を示す画分を特定した(280nmの吸光度では、一般的なタンパク質の有無を知ることができる。:図1を参照)。一方、各画分のPAO活性を以下の方法で測定した結果、タンパク質の存在を示した画分にはPAO活性が認められた。
(PAO活性の測定)
(i)下記の溶液をすべて共栓付試験管にいれ、30℃の恒温槽で予温後、PAOサンプル10μlを加えて、10分間反応させる。
0.2M K Phosphate buffer pH 6.5 1.5ml
10mM スペルミジン 0.3ml
0.2% o−アミノベンズアルデヒド 0.2ml
蒸留水 1ml
総量 3ml
(ii)試験管に50%TCA 0.1mlを加えて反応を止める。
(iii)よく攪拌した後、3300prm、10分遠心分離し、上澄み液の吸光度を435nmで測定する。
(iv)435nmの吸光度でポリアミンオキシダーゼの活性の有無を知ることができる。
【0020】
一方、各画分をSDS-PAGEに供したところ銀染色で単一のバンドを認め、PAOが単離されていることが示された(図2)。
以上のようにして単離に成功した精製PAOのタンパク量、総活性、比活性、精製度及び収量を図3に示した(上段の表、精製PAO)。比較のため、図3の下段には過去の報告(Suzuki, Y. and Yanagisawa, H.: Purification and properties of maize polyamine oxidase : a flavoptotein. Plant cell physiol.21(6):1085-1094(1989))における精製表を併せて示した。尚、酵素液のPAO活性は次の方法で算出した。
まず、2つのサンプル(液量0.1 mlと0.05ml)を用意し、上記(i)の要領で酵素反応を行う(30℃、5分)。上記(ii)の要領で反応を停止させた後、上記(iii)の要領で435nmの吸光度を測定する。次に、以下の計算式を用い、測定値からブランク値(反応をさせない場合の値)を差し引いた上で、酵素液1mlあたりの平均的な吸光度Aを求める。
A={(液量0.1mlの場合の吸光度−ブランク値)−(液量0.05mlの場合の吸光度−ブランク値)×2}/2×10
続いて、モル吸光係数を利用し、酵素反応液量、全液量、反応時間から活性値を求める。o-アミノベンズアルデヒドと生成物のモル吸光係数(1M溶液の吸光度)は1860なので、
A:1860=B:1 である。従って、
B=A/1860 (M) となる。酵素反応液が総量で3.1mlであるから、
A/1860 (M):1000=x:3.1 であり、x=(3.1×A)/(1000×1860)モル となる。
酵素活性はμモル分-1で表わすのが一般的であり、反応時間は5分なので、酵素液1mlの場合の酵素活性Cは、
C=x×1000000/5=0.333A となる。
これに酵素液の総量を乗ずれば、総活性が求められる。
【0021】
図3に示すように、粗酵素液と比較して精製PAOの比活性は約27倍であり、収量については29%を示した。
トウモロコシのPAO(図3の下段の表)の比活性(357 U/mg protein)を、精製PAO(図3の上段の表)の比活性と同一の基準で表すと次の通りである。まず、1 μl O2/mg protein = 22.4μモル/mg proteinであり、357/22.4 = 15.94μモル/mg proteinとなる。この値はカタラーゼ存在下での酸素の消費μlで表したものである(アミン + 1/2 O2 → アルデヒド+分解物)。一方、精製PAOの場合はカタラーゼ非存在下での生成アルデヒド量(μモル/分/mg)を活性値とする(アミン + O2 → アルデヒド + 分解物 + 過酸化水素)。従って、トウモロコシのPAOの活性値15.94μモル/mg proteinを、精製PAOの活性値と同様の基準で表すと15.94×2=31.88(μモル/分/mg)となる。この値と精製PAOの活性値(38.6)を比較すれば精製PAOの活性の方が高い。このように、上記の精製法によれば非常に簡便でありながら、トウモロコシPAOよりも高い活性を示すPAOが得られた。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の精製法は、オート麦のポリアミンオキシダーゼ(PAO)の精製に利用される。本発明の精製法によれば、簡便な操作にも拘わらず、活性を維持した高純度のPAOを高収率で回収することができる。
完全な形で単離されたタンパク質であれば、さらに解析するためのさまざまな技術がすでに確立されている。本発明の精製法は、PAO合成にかかわる遺伝子の特定などに有用な高純度のPAOをもたらすものであり、科学の進歩に大きく寄与することが期待される。
【0023】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】CM−セファデックスクロマトグラフィーで回収した各画分の吸光度(OD280nm)と酵素活性(測定値、OD435nm)。横軸は画分番号、縦軸(左)はOD280nmの値、縦軸(右)はOD435nmの値。各画分6mL
【図2】CM−セファデックスクロマトグラフィーで回収した各画分のSDS-PAGEの結果(銀染像)。
【図3】本発明の方法で精製したPAO(精製PAO)のタンパク量、総活性、比活性、精製度及び収量(上段の表)。下段には、過去の報告におけるトウモロコシのPAOの精製表(Suzuki, Y. and Yanagisawa, H.: Purification and properties of maize polyamine oxidase : a flavoprotein. Plant cell physiol.21(6):1085-1094(1989)からの引用)を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ(1)及び(2)を含む、ポリアミンオキシダーゼの精製法:
(1)0.2〜0.3M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下、オート麦の可溶画分からなる試料を陽イオン交換体に接触させるステップ;
(2)0.45〜0.55M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下、陽イオン交換体に吸着した成分を溶出するステップ。
【請求項2】
ステップ(1)とステップ(2)の間に以下のステップ(a)を実施する、請求項1に記載のポリアミンオキシダーゼの精製法:
(a)陽イオン交換体に吸着したポリアミンオキシダーゼが溶出しないバッファー条件下、陽イオン交換体を洗浄するステップ。
【請求項3】
ステップ(a)が、0.2〜0.3M、pH6.5〜8.0のバッファー条件下で実施される、請求項2に記載のポリアミンオキシダーゼの精製法。
【請求項4】
ステップ(1)及び(2)に使用するバッファーがいずれもトリス・コハク酸バッファーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアミンオキシダーゼの精製法。
【請求項5】
陽イオン交換体が、陽イオン交換基としてカルボキシル基を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアミンオキシダーゼの精製法。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−178088(P2009−178088A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19711(P2008−19711)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(506204818)国立大学法人愛知教育大学 (1)
【Fターム(参考)】