説明

ポリオレフィンの制御されたラジカルグラフト方法

本発明は、オレフィンを含むモノマー単位由来のポリオレフィンの制御されたラジカルグラフト方法に関する。本発明の方法は、ポリオレフィン及び少なくとも 1 種のラジカル反応開始剤と、少なくとも 1 個の -HC=CR1R2 基[式中、R1 及び R2 の少なくとも 1 個は、電子受容体官能基である。]と結合する電子供与体複素芳香族環を有する少なくとも 1 種のグラフト化合物を含むグラフト系との反応を含んでなり、押出機で連続的に、又は機械的ミキサーで不連続的に行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジカル反応開始剤の存在下での、ポリオレフィンの制御されたグラフト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィンのラジカルグラフトは、工業分野において、多くのプラスチック組成物に欠かせない、例えば、化学的カップリング剤、衝撃改質剤又は充填材の相溶性改良剤として使用される変性物質を製造するために、広く用いられる方法である。グラフト反応により、初期特性を著しく変えることなくポリマーに新規な特性を与える目的で、少量の極性基、例えば、(一般に少量含まれる)無水物又は酸エステル性の基を、ポリマー鎖に導入できる。通常、反応転換過程は、反応混合物を溶融状態に維持できる温度で、不連続な機械的ミキサー、又は押出機で行われる。
【0003】
反応混合物はまた、ポリオレフィンの他に、少なくとも 1 種のラジカル反応開始剤及び少なくとも 1 種のグラフト化合物を含む。通常、開始剤は過酸化物であり、一方、グラフト化合物は、場合により他の化合物との混合物状態の、不飽和極性化合物、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、マレイン酸半エステル又はメタクリル酸エステルである。
【0004】
反応機構において、ラジカル反応開始剤である過酸化物は、高温で分解して過酸化ラジカル(RO・)になる。過酸化ラジカルは、グラフト化合物(M)と結合するか、又はポリオレフィン(P)から水素を引抜いてマクロラジカル(P・)を生成する停止反応により安定化され得る。ポリオレフィンのマクロラジカル(P・)は、架橋生成物、分解生成物を与え得るか、又はグラフト化合物と相互作用して他のラジカル(PM・)を与える。グラフト化ポリオレフィン(PMH)のマクロラジカル(PM・)が、ポリオレフィンの他分子から水素を引抜くことによって安定になるとき、グラフト化ポリオレフィンは生成され、代わりに、水素を引抜かれたポリオレフィンがラジカル(P・)になる。
【0005】
しかしながら、反応活性状態でのラジカルの良好な反応性及びそれ故に低い選択性のため、ラジカル法によって溶融体で行われるポリオレフィンのグラフト化は、ポリオレフィンの分解反応及び架橋反応に起因し得る副反応を伴う。従って、これらの副反応がグラフト化と競合して生じる場合、グラフト化の全体的な効率は低下し、グラフト化度が低い最終生成物が得られる。分解反応及び架橋反応のもう一つの結果は、ポリオレフィンの平均分子量の多様化である。
【0006】
ポリプロピレンの過酸化物による処理では、例えば、β-分解反応によるマクロ分子鎖の破壊現象が支配的である。分解を促進する 2 つの過程(マクロラジカルカップリング反応及びβ-分解反応)の反応速度定数の比、及びカップリング過程の速度論の生体分子性の両方により、架橋ポリマーの形成を導くマクロラジカルカップリング反応は、実際、β-分解反応より著しく遅い。従って、過酸化物のポリプロピレンへの付加の総体的作用は、ポリマーの初期構造の著しい変動と共に、平均分子量の減少及び「メルトフローレート(MFR)」の増加を導く。
【0007】
ポリマーをグラフト化するためのポリプロピレンの過酸化物による処理における、無水マレイン酸(MAH)の結合は、同様の結果を導く。実際、グラフト化合物/開始剤の如何なる比においても、分子量の大幅な低下が明らかであり、この比への最終グラフト度の依存性も明らかである。更に、MAH のカップリングが、β-分解反応由来の一級ラジカルにおいて主に生じることが知られている。
【0008】
それ故、溶融体での実施によって、ラジカルグラフト反応とポリマー鎖のβ-分解反応との間で良好な妥協点を見つけることは、かなり困難である。問題は、本質的に、選択的にβ-分解反応を生じさせる不安定な三級マクロラジカルの形成に関連する。
【0009】
分解作用、従ってβ-分解反応を制限するために、ラジカルグラフト方法は、既知のグラフト化合物と一緒に分子又は分子系を利用し、マクロラジカルをβ-分解反応しにくいラジカルに転換し得ることが(特に、ポリプロピレンのグラフト化に関して)知られている。
【0010】
一例は、スチレン(STY)によって補助されるラジカルグラフトである。ポリプロピレン(PP)のグリシジルメタクロレート(GMA)によるグラフト化において、ポリマーのマクロラジカルと僅かに反応性である、スチレンをグラフト化助剤として利用できる。スチレンは、第一にポリプロピレンのマクロラジカルと反応して、分解反応しにくいより安定なスチレンタイプのラジカルを生ずる。その後、これらのラジカルは、GMA と共重合する。このように、ポリマー鎖への GMA の直接グラフト化に代わって、STY は架橋として PP とグラフト化合物との間に挿入される。更に、GMA は、PP のマクロラジカルより、スチレンラジカルと容易に反応し、その結果、ポリマーの分解を更に制限する相乗効果が生じると考えられる。
【0011】
別の反応機構によってであるが、スチレンを利用することによって、ポリプロピレンの無水マレイン酸によるラジカルグラフト化において、同様の結果が得られる。
【0012】
しかしながら、グラフト化助剤としてのスチレンの使用は、ある種のグラフト化合物しか、分解過程の効果的な阻害を伴ったスチレンマクロラジカルとの効果的な共重合を実現しないという事実によって制限される。また、この方法は、ある種の官能基をポリオレフィン鎖に挿入するために利用できるのみであり、最終グラフト化生成物の可能な応用を制限する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の方法の主な目的は、既知であるポリオレフィンのラジカルグラフト方法の限界及び制限を回避することである。
更なる目的は、主のグラフト反応と競合する副反応を阻害することによって、ポリオレフィンのグラフト反応の効率を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの目的及び利点は、ポリオレフィン及び少なくとも 1 種のラジカル反応開始剤と、少なくとも 1 個の -HC=CR1R2 基[式中、R1 及び R2 の少なくとも 1 個は、電子受容体官能基である。]と結合する電子供与体複素芳香族環を有する少なくとも 1 種のグラフト化合物を含むグラフト系との反応を含んでなる、ポリオレフィンのラジカルグラフト方法によって達成される。
【0015】
既知の方法において既に示されているように、ポリプロピレンの場合、ラジカル過酸化物のマクロ分子への攻撃により、β-分解反応によって優先的に放出される不安定な三級マクロラジカルの形成が生じる。マクロラジカルとグラフト化合物(例えば、無水マレイン酸)との組み合わせは、より不安定なラジカルを生じる。従って、グラフト反応の限界は、グラフト化合物と組み合わせたマクロラジカルからの(グラフト化された)安定なポリプロピレン分子の形成を導く反応を阻害する、これらの中間マクロラジカルの不安定性に帰する。
【0016】
本発明の方法は、安定性を増加し、同時に分解反応により放出される傾向を減少することによって、三級マクロラジカルの反応性を調整できる。
この結果は、グラフト化合物として、二重結合を有する少なくとも 1 個の式:
【化1】

[式中、2 個の置換基 R1 及び R2 の少なくとも 1 個は、電子受容体官能基である。]
に相当する基と結合する電子供与体複素芳香族環を含む分子構造を有する化合物を利用することによって得られる。
【0017】
電子受容体基は、グラフト化合物の二重結合への三級マクロラジカルによる結合を可能にし、一方、電子供与体複素芳香族環は、共鳴によって、形成される新規なマクロラジカルを安定させる。
【0018】
マクロラジカルのグラフト化合物への付加の高速性(主に、二重結合上の置換基の電子受容特性による)、及び複素芳香族環との結合によって安定化されたラジカルの形成は、グラフト化ポリオレフィン分子を安定させる水素引抜き反応と、架橋/分枝ポリオレフィンの生成を伴うラジカル間でのカップリング反応の発生との両方を説明する。従って、β-分解反応の阻害が存在する。
【0019】
場合によっては、水素の損失によって安定化されているポリオレフィン/グラフト化合物マクロラジカルに由来するグラフト化ポリオレフィンの安定な分子は、なお二重結合を有している。それ故、これらの分子は、不飽和(二重結合)のため、別のグラフト化合物と結合できる。従って、本発明のグラフト系の配合において、従来技術の方法で使用されている、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、アクリル酸化合物、メタクリル酸化合物(例えば、グリシジルメタクリレート)又はアジド誘導体のようなグラフト化合物を結合することも可能である。これらの化合物の官能基は、複素芳香族環を有するグラフト化合物によって安定化されているポリオレフィンに挿入され得る。
【0020】
従って、適切な極性置換基を有するグラフト化合物を含むグラフト系の使用、その付加速度、及び共鳴により安定化されたマクロラジカルに寿命を与える能力のため、本発明の方法は、ポリオレフィンの分解を抑制し、同時に、例えば、相溶性改良剤、化学的カップリング剤又は衝撃改質剤としての生成物の後の使用に適当な官能基の鎖へのグラフトを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の方法において利用されるグラフト化合物の複素芳香族環は、好ましくは、場合により置換された、フラン環、チオフェン環又はピロリン環から選ばれる。
【0022】
一方、二重結合上の置換官能基である、既に記載の R1 及び R2 は、有利には、-H、-COOR、-COOH、-COR、-COH、-CN、-CONH2、-COO(CH2)nCF3 及び -COO(CH2)nCN[式中、R は、直鎖又は分枝の脂肪族基又は芳香族アルキル基であり、n は、1〜20 の整数であるが、R1 及び R2 の双方が -H ではない。]からなる群から選ばれ得る。
【0023】
本発明のグラフト化合物の好ましい例は、以下の化合物である。
・3-カルボキシエチル 2-フルフリルアクリル酸エチル(CEFA)
【化2】

[複素芳香族環としてフラン環を有し、置換基としての R1 及び R2 の両方は -COOR であり、R=Et(Et は -CH2CH3)である。]
・シアノ 2-フルフリルアクリル酸エチル(CFA)
【化3】

[複素芳香族環としてフラン環を有し、置換基としての R1 は基 -CN であり、R2 は基 -COOR であり、R=Et(Et は -CH2CH3)である。]
・3-(2-フラニル)-2-プロペン酸ブチルエステル(BFA))
【化4】

[複素芳香族環としてフラン環を有し、R1 は -H であり、R2 は -COOR であり、R は -CH2CH2CH2CH3 である。]
【0024】
本発明の方法は、不連続的に一軸ミキサーにより、又は連続的に一軸押出機により行われ得る。
【0025】
不連続的(回分式)製法は、下記段階に従って行われ得る。
・混合/反応室の処理条件への調整
・ミキサーへのポリオレフィンの導入
・ポリオレフィンの溶融及び機械的混合
・ミキサーへのグラフト系の添加
・ポリオレフィン/グラフト系の混合物の均一化
・混合物へのラジカル反応開始剤の添加
・ポリオレフィンのグラフト反応
・(場合により)ラジカル反応停止剤の添加
【0026】
初めに、好ましくは不活性ガス、例えば窒素を充填したミキサー又は押出機の反応室を、処理温度にする。次いで、ポリオレフィンを、混合室を満たすように導入する。ポリマー溶融の間、不活性ガス雰囲気中で機械的混合を行い、材料を均一にする。ミキサーのローターによって伝達されるトルクが安定化した時点で、ポリマーの溶融及び混合が完了したと考えられる。グラフト系を、ポリオレフィンに添加し、不活性ガス雰囲気中で混合物の均一化処理を行う。ローターのトルクの時間的変動によって評価できるが、十分な混合に達した時点で、ラジカル反応開始剤を添加する。その後、ポリオレフィンの実際のかつ本来のラジカル反応グラフト段階が続く。設定された限界を超える反応の進行を停止するために、反応混合物に、ラジカル反応停止化合物、例えば、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、Irganox 1010 又は Irganox 1076 を添加することもできる。
【0027】
有利には、ミキサー内のポリオレフィンの総滞留時間は 5〜30 分であり、一方、処理温度は 120〜230 ℃であり、ミキサーローターは 20〜70 rpm の角速度を有する。
【0028】
連続処理を有利には二軸スクリュー押出機で行い得る。好ましくは、ポリオレフィンは押出機の第一セクションに導入し、一方、残りの反応体は次のセクションに供給する。押出機の反応体導入セクション内の平均温度は、少なくとも 210 ℃に達しなければならない。例えば、直径 D = 35 mm、長さ/直径の比 L/D = 40 の押出機を用いることによって、有利に、流速を 200 kg/h に維持できる。
【0029】
本発明の方法における反応混合物は、好ましくは、以下の組成を有する。
・α-オレフィンホモポリマー及びエチレン/α-オレフィンコポリマーの群から選ばれるポリオレフィン 100 重量部
・ラジカル反応開始剤又は開始剤混合物 0.05〜5 重量部
・グラフト系 1〜25 重量部
・ラジカル反応停止剤 0.05〜5 重量部(グラフト反応を停止するため、場合により反応過程終了時に混合物に添加)
【0030】
好ましくは、反応開始剤は、120〜240 ℃の温度範囲で、10〜200 秒の半減期を有する。ラジカル開始剤は、有機過酸化物、例えば、ジアルキル過酸化物、ジアシル過酸化物、過酸化エステル又は過酸化ケタールであり得、有利には、ジクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン、3,6,9-トリエチル-3,6,9-トリメチル-1,4,7-トリパーオキシノナン及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0031】
本発明のラジカルグラフト方法により実現できる第一の利点は、ポリオレフィンの初期のマクロ分子構造の変更を厳密に減少することである。この結果は、例えば、力学的ミキサー内で行われる回分操作において、グラフト化ポリオレフィンの最終トルクが未グラフト化ポリオレフィンの最終トルクと等しいことを観測することによって確認できる。
【0032】
もう 1 つの利点は、グラフト反応の全体的効率の正味の向上であり、最終生成物は良好なグラフト度を有して得られる。原料の組成への作用によって、最終生成物のグラフト度を調整できる。
【0033】
本発明の特性を有するグラフト系の使用によって、グラフト化されるポリオレフィンの構造とは無関係に、マクロラジカルの反応性を制御できる。従って、本発明の方法は、α-オレフィン含有ポリマーの全種類に適用できる。
【0034】
更なる利点は、如何なるタイプの極性官能基(例えば、エステル、アミド、シロキサン又はシアノ基)も、ポリオレフィンに挿入可能であり、良好なグラフト度が得られることである。これにより、最終生成物の可能な応用分野が増加する。この観点から、反応体を混合することによって本発明の方法を行えることも有利である。
【0035】
本発明の方法は、更に、ポリオレフィン鎖への官能基挿入において極めて柔軟性がある。実際、グラフト化は、マクロラジカルを安定化する化合物中に存在する官能基から直接的に、又は既に安定化されたマクロラジカルと結合できる既知のグラフト化合物(例えば無水マレイン酸)から間接的に、生じる。
【0036】
本発明の方法のために選ばれるグラフト化合物は、容易に入手でき、複雑な合成方法を必要としない。従って、本発明のポリオレフィンのラジカルグラフト方法の利用は、経済的に有利である。
【0037】
本発明の更なる利点及び特性は、以下の非限定的な実施例から明らかになるであろう。
【実施例1】
【0038】
2 個のローターを備え、30 cm3 の混合室を有する不連続式ブラベンダープラストグラフ OH47055 機械的ミキサーを用いる。25 分の総滞留時間において、平均温度は 180 ℃であった。回転速度は 50 rpm に固定した。
混合室を窒素雰囲気中で 180 ℃の温度にした後、0.24 g/10 分の MFR(メルトフローレート)を有するポリプロピレン 100 重量部(20 g)を、混合室全体を満たすように(窒素雰囲気を維持して)導入した。一定トルクに達した後、25 重量部の 3-カルボキシエチル 2-フルフリルアクリル酸エチル(CEFA)を、液状でグラフト系として添加した。混合物の適当な均一化が達成された後、2 重量部のジクミルパーオキシドを、ラジカル反応開始剤として添加した。反応過程終了時に、1 重量部の BHT を、更なるラジカル過程を停止するためにラジカル反応停止剤として添加した。
【0039】
処理終了時の 2 個のローターによって伝達されるトルク、及び処理後のポリオレフィンのグラフト度(FD)を記録する。グラフト度(%mol)は、ポリオレフィン鎖に導入された 100 繰返しモノマー単位あたりの官能基の数を意味する。
【0040】
混合中、ローターによって発生された力を連続的にモニタリングすることにより検出されたトルクの変動は、定性的方法で反応の進行を追跡するのに利用される。更に、このトルク量は、液体反応体の添加、ポリマーが受ける分子量の可能な変動、及び反応時間中の反応の進行自体によって影響を及ぼされる溶融体の粘度に直接比例する。従って、一般に、トルクの顕著な低下により、物質の分解(分子量の低下)が明らかになる。処理終了時、混合室内には最終生成物のみが存在し、従って、トルクの最終値は、生成物の特性を示す。
【0041】
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
25 重量部の CEFA;
2 重量部の DCP;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 3.8 Nm;
FD = 0.8 %mol。
【実施例2】
【0042】
比較例
実施例 1 のミキサー及び同じ処理条件を用いて、0.24 g/10 分の MFR(メルトフローレート)を特徴とする同量のポリプロピレンを、180 ℃の平均温度、50 rpm の回転速度で 25 分間混合した。ミキサー内のポリプロピレンに、他の化合物は添加しなかった。最終生成物の最終トルクを記録した。
最終トルク = 10.9 Nm
【実施例3】
【0043】
比較例
グラフト系を添加せず、反応開始剤 DCP のみを添加した以外は、実施例 1 のように行った。最終生成物の最終トルクを記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
0.5 重量部の DCP;
1 重量部の PHD。
最終トルク = 1.4 Nm。
【0044】
実施例 1、2 及び 3 を比較することによって分かるように、本発明の方法によってグラフト化されたポリプロピレンは、熱的にのみ処理されたプロピレン(実施例 2)より小さく、DCP だけで処理されたプロピレン(実施例 3)より大きい、最終トルクを有する。これは、本発明のグラフト系によって実現された分解反応に対する阻害作用のためであると結論づけることができる。
【実施例4】
【0045】
ミキサーに供給する開始剤 DCP の量を半分にした以外は、実施例 1 のように行った。最終生成物の最終トルク及び FD を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
25 重量部の CEFA;
1 重量部の DCP;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 5.3 Nm;
FD = 0.4 %mol。
【実施例5】
【0046】
ミキサーに供給するグラフト化合物 CEFA の量を減らした以外は、実施例 1 のように行った。最終生成物の最終トルク及び FD を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
10 重量部の CEFA;
2 重量部の DCP;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 3.7 Nm;
FD = 0.7 %mol。
【実施例6】
【0047】
ミキサーに供給する反応開始剤 DCP の量を半分にした以外は、実施例 5 のように行った。最終生成物の最終トルク及び FD を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
10 重量部の CEFA;
1 重量部の DCP;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 5.3 Nm;
FD = 0.4 %mol。
【実施例7】
【0048】
ミキサーに供給するグラフト化合物 CEFA の量を半分にした以外は、実施例 5 のように行った。最終生成物の最終トルク及び FD を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
5 重量部の CEFA;
2 重量部の DCP;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 3.2 Nm;
FD = 0.7 %mol。
【実施例8】
【0049】
比較例
ミキサーに供給する反応開始剤 DCP の量を半分にした以外は、実施例 7 のように行った。最終生成物の最終トルク及び FD を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
5 重量部の CEFA;
1 重量部の DCP;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 3.8 Nm;
FD = 0.3 %mol。
【0050】
実施例 1 及び 4〜8 を比較することによって、グラフト度 FD は供給組成に基づいて調整できることがわかる。CEFA(グラフト系)の割合が高いと FD が増加する。しかしながら、グラフト度 FD はまた、開始剤の量にも影響される。同量のグラフト系では、FD は、過酸化物の供給量に直接比例する。最終トルクは、供給される反応開始剤に反比例することもわかる。
【実施例9】
【0051】
2 個のローターを備え、30 cm3 の混合室を有する不連続式ブラベンダープラストグラフ OH47055 ミキサーを用いた。25 分の総滞留時間において、平均温度は 180 ℃であった。回転速度は 50 rpm に固定した。
混合室を窒素雰囲気中で 180 ℃の温度にした後、0.24 g/10 分の MFR(メルトフローレート)を有するポリプロピレン 100 重量部(20 g)を、混合室全体を満たすように(窒素雰囲気を維持して)導入した。一定トルクに達した後、20 重量部のシアノ 2-フルフリルアクリル酸エチル(CFA)を、固体状でグラフト系として添加した。混合物の適当な均一化が達成された後、2 重量部のジクミルパーオキシド開始剤を、ラジカル反応開始剤として添加した。反応過程終了時に、1 重量部の BHT を、更なるラジカル過程を停止するためにラジカル反応停止剤として添加した。
最終生成物の最終トルク及び FD を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
20 重量部の CFA;
2 重量部の DCP;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 3.6 Nm;
FD = 0.51 %mol。
【実施例10】
【0052】
2 個のローターを備え、30 cm3 の混合室を有する不連続式ブラベンダープラストグラフ OH47055 機械的ミキサーを用いた。15 分の総滞留時間において、平均温度は 180 ℃であった。回転速度は 60 rpm に固定した。
混合室を窒素雰囲気中で 180 ℃の温度にした後、0.8 g/10 分の MFR(メルトフローレート)を有するポリプロピレン 100 重量部(20 g)を、混合室全体を満たすように(窒素雰囲気を維持して)導入した。一定トルクに達した後、10.4 重量部のグラフト系(そのうち、10 重量部は固体状の無水マレイン酸(MAH)、0.4 重量部は液状の 3-(2-フラニル)-2-プロペノン酸ブチルエステル(BFA))を添加した。混合物の適当な均一化が達成された後、0.4 重量部の 2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-パーオキシヘキサンを、ラジカル反応開始剤として添加した。反応過程終了時に、1 重量部の BHT を、更なるラジカル過程を停止するためにラジカル反応停止剤として添加した。
最終生成物の最終トルクを記録し、FD(MAH)として示される MAH の官能基の導入に関するグラフト度 FD、及び FD(BFA)として示される BFA の官能基の導入に関するグラフト度 FD を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
0.4 重量部の BFA;
10 重量部の MAH;
0.4 重量部の 2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 4.4 Nm;
FD(MAH)= 0.56 %mol;
FD(BFA)= 0.10 %mol。
【実施例11】
【0053】
グラフト化合物 BFA の量を増加させて、実施例 10 のように行った。最終生成物の最終トルク、グラフト度 FD(MAH)及び FD(BFA)を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
1.0 重量部の BFA;
10 重量部の MAH;
0.4 重量部の 2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 4.4 Nm;
FD(MAH)= 0.60 %mol;
FD(BFA)= 0.36 %mol。
【実施例12】
【0054】
比較例
グラフト系として無水マレイン酸(MAH)のみを利用する以外は、実施例 10 のように行った。最終生成物の最終トルク及び FD(MAH)を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
10 重量部の MAH;
0.4 重量部の 2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 2.9 Nm;
FD(MAH)= 0.43 %mol。
【0055】
実施例 10、11 及び 12 を比較することによって、本発明の方法によりグラフト化したポリプロピレン(実施例 10 及び 11)は、従来技術に従って MAH でのみグラフト化したポリプロピレン(実施例 12)より大きい最終トルク値を有することがわかる。グラフト系に BFA を加えることにより、分解反応を減少し得、ポリオレフィンのグラフト度 FD を増加し得る。
【実施例13】
【0056】
2 個のローターを備え、30 cm3 の混合室を有する不連続式ブラベンダープラストグラフ OH47055 ミキサーを用いた。15 分の総滞留時間において、平均温度は 180 ℃であった。回転速度は 60 rpm に固定した。
混合室を窒素雰囲気中で 180 ℃の温度にした後、0.8 g/10 分の MFR(メルトフローレート)を有するポリプロピレン 100 重量部(20 g)を、混合室全体を満たすように(窒素雰囲気を維持して)導入した。一定トルクに達した後、3.5 重量部のグラフト系(そのうち、2.7 重量部は固体状の無水マレイン酸(MAH)、0.8 重量部は液状の 3-(2-フラニル)-2-プロペノン酸ブチルエステル(BFA))を添加した。混合物の適当な均一化が達成された後、0.4 重量部の 2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-パーオキシヘキサンを、ラジカル反応開始剤として添加した。反応過程終了時に、1 重量部の BHT を、更なるラジカル過程を停止するためにラジカル反応停止剤として添加した。
最終生成物の最終トルク、グラフト度 FD(MAH)及び FD(BFA)を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
0.8 重量部の BFA;
2.7 重量部の MAH;
0.4 重量部の 2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 3.7 Nm;
FD(MAH)= 0.23 %mol;
FD(BFA)= 0.12 %mol。
【実施例14】
【0057】
比較例
グラフト系として BFA のみを使用した以外は、実施例 13 のように行った。最終生成物の最終トルク及び FD(BFA)を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
0.8 重量部の BFA;
0.4 重量部の 2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 2.6 Nm;
FD(BFA)= 0.16 %mol。
【実施例15】
【0058】
無水マレイン酸(MAH)の量を増加させて、実施例 13 のように行った。最終生成物の最終トルク、グラフト度 FD(MAH)及び FD(BFA)を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
0.8 重量部の BFA;
6 重量部の MAH;
0.4 重量部の 2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン;
1 重量部の BHT。
最終トルク = 4.7 Nm;
FD(MAH)= 0.45 %mol;
FD(BFA)= 0.10 %mol。
【0059】
実施例 13、14 及び 15 を比較することによって、MAH と BFA との組み合わせ(実施例 13 及び 15)がいかに、BFA の使用により得られる値(実施例 14)より大きい最終トルク値を導くかがわかる。MAH 及び BFA を含んでなるグラフト系の使用により、分解反応はより著しく阻害されると結論づけることができる。
【実施例16】
【0060】
長さ/直径の比(L/D)= 40、及び D = 35 mm の二軸スクリュー押出機を用い、流速を 200 kg/h に維持した。該押出機は、異なった温度プロファイルを特徴とする 12 のセクションに分けられている。該押出機は、セクション 10 にガス抜きバルブを備える。第一セクションでは、90 ℃の平均温度を維持した。セクション 2〜10 では、温度は平均 210 ℃であり、最後の 2 つのセクション 11 及び 12 では、200 ℃の平均温度を維持した。
セクション 1 に、アイソタクチックポリプロピレン(MFR = 0.8 g/10 分)を供給することによって試験を行った。続く 2 つのセクション 2 及び 3 では、ポリマーの均一化を行い、反応開始剤(2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン)、並びに無水マレイン酸(MAH)及び 3-(2-フルフリル)アクリル酸ブチルエステル(BFA)を含むグラフト系を、セクション 4 で供給した。
最終生成物の最終 MFR(ASTM 1238 法に従って評価)及び出発無水物類に関するグラフト度 FD(MAH)を記録した。
反応体混合物の組成:
100 重量部のポリプロピレン;
0.2 重量部の BFA;
2 重量部の MAH;
0.08 重量部の 2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン。
最終 MFR = 1.7 g/10 分;
FD(MAH)= 0.60 %mol。
【実施例17】
【0061】
比較例
他の化合物をポリプロピレンに混合しなかった以外は、実施例 16 のように行った。最終生成物は、1.0 g/10 分の MFR(メルトフローレート)を有する。
実施例 16 と 17 とを比較することによって、2 つの生成物の MFR 値がどの程度同等であるかがわかり、本発明のグラフト系による分解反応の抑制の有意な効果が確認できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン及び少なくとも 1 種のラジカル反応開始剤と、少なくとも 1 個の -HC=CR1R2 基[式中、R1 及び R2 の少なくとも 1 個は、電子受容体官能基である。]と結合する電子供与体複素芳香族環を有する少なくとも 1 種のグラフト化合物を含むグラフト系との反応を含んでなる、α-オレフィンを含むモノマー単位由来のポリオレフィンの制御されたラジカルグラフト方法。
【請求項2】
R1 及び R2 が、相互に独立に、-H、-COOR、-COOH、-COR、-COH、-CN、-CONH2、-COO(CH2)nCF3 及び -COO(CH2)nCN[式中、R は、直鎖又は分枝の脂肪族基又は芳香族直鎖アルキル基であり、n は、1〜20 の整数であるが、R1 及び R2 の双方が -H ではない。]から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複素環が、場合により置換された、フラン環、チオフェン環又はピロリン環である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
グラフト系が、式:
【化1】

[式中、X は O、S 及び N から選ばれ、R1 及び R2 は、-COOR、-COOH、-COR、-COH、-CN、-CONH2、-COO(CH2)nCF3 及び -COO(CH2)nCN(式中、R は、直鎖又は分枝の脂肪族基又は芳香族アルキル基であり、n は、1〜20 の整数である。)から選ばれる同じ又は異なった官能基である。]
の化合物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
基 R1 及び R2 が、同じタイプの -COOR[式中、R は -CH2CH3 である。]である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
基 R1 が -CN であり、基 R2 が -COOR[式中、R は -CH2CH3 である。]である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
グラフト系が、式:
【化2】

[式中、X は O、S 及び N から選ばれ、R1 は、-COOR、-COOH、-COR、-COH、-CN、-CONH2、-COO(CH2)nCF3 及び -COO(CH2)nCN(式中、R は、直鎖又は分枝の脂肪族基又は芳香族直鎖アルキル基であり、n は、1〜20 の整数である。)から選ばれる官能基である。]
の化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
基 R1 が -COOR[式中、R は -CH2CH2CH2CH3 である。]である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
グラフト系が、更に、アミン官能基及び/又はカルボキシル官能基及び/又はヒドロキシル官能基と反応できる少なくとも 1 個の基を有する少なくとも 1 種の不飽和化合物を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
不飽和化合物が、アクリル酸化合物、メタクリル酸化合物、無水マレイン酸、無水マレイン酸のエステル誘導体、及びこれらの混合物から選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ポリオレフィンが、α-オレフィンのホモポリマー及びコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ラジカル開始剤が、120〜240 ℃の温度範囲で、10〜200 秒の半減期を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
ラジカル開始剤が、有機過酸化物、例えば、ジアルキル過酸化物、ジアシル過酸化物、過酸化エステル又は過酸化ケタールである、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ラジカル開始剤が、ジクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン、3,6,9-トリエチル-3,6,9-トリメチル-1,4,7-トリパーオキシノナン及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
0.5〜30 重量部のグラフト系と 0.05〜5 重量部のラジカル開始剤とを、100 重量部のポリオレフィンと共に混合する、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
100 重量部のポリオレフィンを、1〜25 重量部の、アクリル酸化合物、メタクリル酸化合物、無水マレイン酸、無水マレイン酸のエステル誘導体及びこれらの混合物から選ばれる不飽和化合物、0.05〜5 重量部の有機過酸化物タイプのラジカル開始剤、及び 0.1〜5 重量部の式:
【化3】

[式中、X は O、S 及び N から選ばれ、R1 は、-COOR、-COOH、-COR、-COH、-CN、-CONH2、-COO(CH2)nCF3 及び -COO(CH2)nCN(式中、R は、直鎖又は分枝の脂肪族基又は芳香族アルキル基であり、n は、1〜20 の整数である。]
の化合物と混合する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
100 重量部のポリオレフィンに、更に、0.01〜1 重量部のラジカル反応停止剤を混合する、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
ラジカル反応停止剤が、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、Irganox 1010 及び Irganox 1076 からなる群から選ばれる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ローターを備えたミキサーで行われる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
グラフト系をポリオレフィンの後にミキサーに添加する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ローター部によって伝達されるトルクが安定化された時点で、グラフト系をミキサーに添加する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ラジカル開始剤をグラフト系に続いて添加する、請求項19〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
ローター部が 20〜70 rpm の角速度で回転する請求項19〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
ミキサー内の反応体の滞留時間が 5〜30 分である請求項19〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
反応体の温度が 120〜230 ℃である請求項19〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
二軸スクリュー押出機を用いて連続的に行われる請求項19〜25のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2007−517074(P2007−517074A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516575(P2006−516575)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002098
【国際公開番号】WO2004/113399
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505225005)ウニヴェルシタ ディ ピサ (3)
【Fターム(参考)】