説明

ポリカーボネートポリオールの製造方法

【課題】従来よりも低真空で処理して、より高分子量のポリカーボネートポリオールを得ることができるポリカーボネートポリオールの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリカーボネートポリオールの製造方法は、ジアルキルカーボネートと数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールを原料として、実質的に常圧下で反応して、副生するアルコールを留去しながらジアルキルカーボネートを実質的に消費する第一の工程と、第一の工程での反応生成物を5mmHg以上の減圧条件下で反応して数平均分子量が4,000〜10,000のポリカーボネートポリオールを得る第二の工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネートポリオールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
両末端にヒドロキシ基を有する線状ポリカーボネート(ポリカーボネートポリオール)を効率的に得ることを目的とした製造方法として、アルキレンカーボネートと脂肪族ジオール等のグリコールモノマーをエステル交換させ、一旦低分子量ポリカーボネートを得た後、これを自己縮合させて高分子量ポリカーボネートを得る方法が知られている(特許文献1参照)。
この方法は、第一段階として、反応混合物から150〜250℃の温度および50〜200mmHgの圧力(絶対圧)で副生物のグリコール(アルコール)を留去しながら分子鎖長が2〜10単位の低分子量ポリカーボネートを生成させ、未反応のヒドロキシ基化合物とアルキレンカーボネートを除去する。ついで、第二段階として、100〜300℃の温度および0.1〜10mmHgの圧力(絶対圧)で生成したグリコールを全て留去することによって低分子量ポリカーボネートを縮合(自己縮合)させて、高分子量ポリカーボネートを得るものである。なお、実施例に拠れば、分子量が200〜4,000の高分子量ポリカーボネートを得るために、第二の段階で、最終圧力(絶対圧)を数mmHg以下としている。
【0003】
また、上記の方法では高真空下でポリカーボネートを縮合させる第二段階において留出する2価アルコールモノマーの量が多くなり、さらにまた、長時間にわたって高温、高真空で処理することが必要となって不具合であるとして、エステル交換によって一旦低分子のポリカーボネートを得た後、カーボネートモノマーを一括追加添加し、あるいは逐次追加添加して高分子量ポリカーボネート(末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネート)を得る方法が提案されている(特許文献2,3参照)。
これらの方法では、実施例に拠れば、カーボネートモノマーを添加した後、数mmHg程度の真空下で処理することにより、分子量が2,000〜3,000程度のポリカーボネートを得ている。
【特許文献1】特開昭55−56124号公報
【特許文献2】特許第2810548号公報
【特許文献3】特許第2893134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のいずれの方法においても、得られるポリカーボネートの分子量はせいぜい3,000〜4,000程度に止まるものである。このため、例えばポリエステルエラストマー、塗料、接着剤、合皮用原料等の用途において、耐熱性、耐摩耗性あるいは耐水性等の高機能化等を実現するために求められるポリカーボネートポリオールの更なる高分子量化の需要に応えることができない。
【0005】
また、上記従来の方法では、いずれも第二の段階において数mmHg以下の高真空という過酷な処理条件が求められるため、これに適した設備の費用が高価となる。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも高分子量のポリカーボネートポリオールを得ることができるポリカーボネートポリオールの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、従来に比べて低真空で処理することができるポリカーボネートポリオールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るポリカーボネートポリオールの製造方法は、ジアルキルカーボネートと数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールを原料として、実質的に常圧下で反応して、副生するアルコールを留去しながらジアルキルカーボネートを実質的に消費する第一の工程と
該第一の工程での反応生成物を5mmHg以上の減圧条件下で反応して数平均分子量が4,000〜10,000のポリカーボネートポリオールを得る第二の工程と、
を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るポリカーボネートポリオールの製造方法は、好ましくは、前記第一の工程において、反応生成物中のジアルキルカーボネートの残存量を把握して、前記第一の工程から前記第二の工程への移行時期を判断することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るポリカーボネートポリオールの製造方法は、好ましくは前記反応生成物中のジアルキルカーボネートの残存量が0.3質量%以下となった時点で前記第一の工程から前記第二の工程へ移行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るポリカーボネートポリオールの製造方法は、ジアルキルカーボネートと数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールを原料として、実質的に常圧下で反応して、副生するアルコールを留去しながらジアルキルカーボネートを実質的に消費する第一の工程と、第一の工程での反応生成物を5mmHg以上の減圧条件下で反応して数平均分子量が4,000〜10,000のポリカーボネートポリオールを得る第二の工程と、を有するため、従来よりも高分子量のポリカーボネートポリオールを得ることができる。また、従来に比べて低真空で処理して高分子量のポリカーボネートポリオールを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
【0012】
本実施の形態に係るポリカーボネートポリオールの製造方法は、ジアルキルカーボネートと数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールを原料として、実質的に常圧下で反応して、副生するアルコールを留去しながらジアルキルカーボネートを実質的に消費する第一の工程と、第一の工程での反応生成物を5mmHg以上の減圧条件下で反応して数平均分子量が4,000〜10,000のポリカーボネートポリオールを得る第二の工程と、を有する。
【0013】
反応原料の一方であるジアルキルカーボネートは、炭酸源であり、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等を使用することができる。
【0014】
また、反応原料の他方である数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールは、上記ジアルキルカーボネートやエチレンカーボネートと、短分子アルカンジオール等の低分子ポリオールのエステル交換反応を用いる通常のポリカーボネートポリオールの製造方法により得ることができる。このときの反応式は下記式(1)で示される。下記式(1)中、一般式で示される、数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールは、Rが炭素数2〜10のアルキレン基であり、nが7〜40の自然数である。
【0015】
【化1】

【0016】
この反応は平衡反応であるため、減圧下で副生するアルコールを効率的に除去することで反応を促進させる。そして、ジアルキルカーボネート等の炭酸源原料が実質的に消費された時点でエステル交換反応が実質的に完了したものと判断される。このとき、反応の進行状況およびエステル交換反応の完了時点の判断は、通常、アルコールの留出量を把握することで行われる。その後、さらに減圧下で処理し、残存する原料や副生物等を除去して数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールを得る。
【0017】
ジアルキルカーボネートと数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールの配合比率は特に限定するものではないが、モル比基準でジアルキルカーボネート:ポリカーボネートポリオール=1:1.2〜1:8.1とすることが好ましい。
【0018】
上記の原料を用い、第一の工程では、実質的に常圧下で反応する。ここで、実質的に常圧とは、常圧かあるいは少なくとも従来に比べて十分に減圧度の低い例えば数百mmHg(絶対圧)以上程度の低真空をいう。
反応温度は、好ましくは、生成するポリカーボネートポリオールの分解等を生じることなく、かつエステル化反応が効率的に進行する、100〜200℃の範囲内とする。
【0019】
第一の工程では、以下の式(2)〜(4)の反応が起こるものと考えられる。
【0020】
【化2】

【0021】
【化3】

【0022】
【化4】

【0023】
これら式(2)〜(4)の反応は併発反応である。そして、式(4)の反応に対して式(2)、(3)の反応が主反応として進行するものと考えられる。
式(4)の反応は、ジアルキルカーボネートが実質的に消費される第一の工程で実質的に完了し、高分子化したポリカーボネートポリオールが生成する。これと同様に、式(2)および式(3)の反応も第一の工程で実質的に完了し、末端にエチル基(アルキル基)を有する(末端アルキルエステル)ポリカーボネートを中間物として生成する。そして、これらの反応において、それぞれエタノールを副生する。
上記の反応機構は、従来のものと異なるものであり、例えば、ジアルキルカーボネートに代えてエチレンカーボネートを原料に用いた場合には上記の中間物は生成しない。
上記の中間物については、第二の工程で以下の式(5)、(6)の反応が起こるものと考えられる。なお、これらの反応の一部は第一の工程の後半でも一部生じていることが考えられる。
【0024】
【化5】

【0025】
【化6】

【0026】
すなわち、式(2)の反応生成物である片末端アルキルエステルポリカーボネートは、式(5)の反応により、反応系に残存するポリカーボネートポリオールと反応して高分子ポリカーボネートポリオールを生成するとともにアルコールを副生する。一方、式(3)の反応生成物である両末端アルキルエステルポリカーボネートも、同様に式(6)の反応により、反応系に残存するポリカーボネートポリオールと反応して高分子ポリカーボネートポリオールを生成するとともにアルコールを副生する。
【0027】
上記のように、本実施の形態では、エステル交換反応の副生物であるエタノールが第一の段階から第二の段階にかけて徐々に生成する。このため、第一の段階において、従来のように高真空にして逐次アルコールを追い出す必要がなく、従来に比べて低い真空度でエステル交換反応を進めることができる。
【0028】
本実施の形態において、ジアルキルカーボネートが実質的に消費される第一の工程の終了時点の判断、言い換えれば、第二の工程への移行時点の判断は、通常と同様に、留出するアルコール量を把握することで行ってもよいが、好ましくは、反応生成物中のジアルキルカーボネートの残存量を適宜把握することで行う。
【0029】
本実施の形態では、上記の反応機構のために、副生アルコールの留出挙動が従来とは異なることは明らかであり、したがって、従来のように副生アルコールの留出挙動のみを把握しただけでは、反応の進行状況、特に第一の段階の終点を必ずしも的確には判断することができない。
このため、本実施の形態では、好ましくは、反応生成物中のジアルキルカーボネートの残存量を把握して、第一の工程から第二の工程への移行時期を判断する。このとき、反応生成物中のジアルキルカーボネートの残存量が0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%以下となった時点で前記第一の工程から前記第二の工程へ移行することが、より好ましい。
また、このとき、ジアルキルカーボネートの残存量を把握するとともに、さらに、副生アルコールの生成挙動および留出挙動を把握することも好ましい。さらにまた、上記末端にエチル基等のアルキル基を有するポリカーボネートの生成挙動を把握するために反応生成物中のエチル基等のアルキル基の量を把握し、あるいはまた、ポリカーボネートポリオールの脱水生成物である、末端にアリル基を有するポリカーボネートの生成挙動を把握するために反応生成物中のアリル基量を把握することも好ましい。
【0030】
第二の工程では、第一の工程での反応生成物を5mmHg(絶対圧)以上の減圧条件下で反応する。このとき、低真空側の限界値は特に限定するものではないが、例えば10mmHg(絶対圧)以下程度とすることが好ましい。
本実施の形態では、上記したように、第二の工程においてエステル交換反応によるポリカーボネートポリオールの高分子化反応が主反応として行われるため、従来のように第二の段階で積極的に極高真空下で自己縮合を行ってポリカーボネートポリオールの高分子化を図る必要がない。
反応温度は、好ましくは、生成するポリカーボネートポリオールの分解等を生じることのない、100〜200℃の範囲内とする。
【0031】
ポリカーボネートポリオールの分子量の変化を反応生成物中の水酸基価で適宜確認することにより、数平均分子量が4,000〜10,000のポリカーボネートポリオールを得る。
【0032】
本実施の形態に係るポリカーボネートポリオールの製造方法は、ジアルキルカーボネートと数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールを原料としてポリカーボネートポリオールを得るため、数平均分子量が4,000〜10,000のポリカーボネートポリオールを好適に得ることができる。
また、第一の工程を常圧下で行うとともに、特に第二の工程を5mmHg以上の低真空で行うため、従来に比べて、処理条件の過酷度が緩和され、また、費用が安価な処理設備で処理することができる。
また、原料の数平均分子量1500〜3500のポリカーボネートポリオールに対するジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートの過剰率を大きくする必要性が少ないので、ジアルキルカーボネートのロスが少ない。
【実施例】
【0033】
実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。また、以下の数値の単位(%)は特に断らない限り質量%である。
【0034】
[実施例1]
撹拌機、分留管付き留出口が付いた5Lフラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=9/1(モル比)とジエチルカーボネートとの反応から得られた数平均分子量3,000(水酸基価=37.40mgKOH/g)のポリカーボネートポリオールを4,983.0gとジエチルカーボネート78.0g(モル比基準でジエチルカーボネート:ポリカーボネート=1:2.51、系中の濃度として1.54%)を仕込み、常圧下で、加熱、撹拌しながら、190℃まで8時間掛けて昇温した。途中、反応開始から2時間後の反応温度が127℃で分析を行った。系中(反応生成物中、言い換えれば反応液中をいう。以下、同じ)のジエチルカーボネート量は1.44%であった。常圧反応開始から、16時間で分析したところ、系中のジエチルカーボネート量は0.03%、水酸基価は37.10mgKOH/g、エチル基濃度は13.88mgKOH/g、アリル基濃度は0.29mgKOH/gであった。
ついで、系を10mmHgまで減圧し、190℃にて反応した。減圧開始から14時間たったところで分析したときの、系中のジエチルカーボネート量は0.01%、水酸基価は34.86mgKOH/g、エチル基濃度は11.59mgKOH/g、アリル基濃度は0.44mgKOH/gであった。
さらに反応を続けて、減圧開始から60時間目で、水酸基価が目標の23.32mgKOH/gに達したので、反応終了とした。
製品分析値は、以下の通りであった。得られたポリカーボネートポリオールの数平均分子量は4,800である。
○水酸基価 =23.32 mgKOH/g
○エチル基濃度 = 0.60 mgKOH/g
○アリル基濃度 = 1.02 mgKOH/g
【0035】
[実施例2]
撹拌機、分留管付き留出口が付いた5Lフラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=9/1(モル比)とジエチルカーボネートとの反応から得られた数平均分子量3,000(水酸基価=37.40mgKOH/g)のポリカーボネートポリオールを4,983.0gとジエチルカーボネート78.0g(モル比基準でジエチルカーボネート:ポリカーボネート=1:2.51、系中の濃度として1.54%)を仕込み、常圧下で、加熱、撹拌しながら、190℃まで8時間掛けて昇温した。途中、反応開始から2時間後の反応温度が127℃で分析を行った。系中のジエチルカーボネート量は1.44%であった。常圧反応開始から16時間で分析したところ、系中のジエチルカーボネート量は0.03%、水酸基価は37.10mgKOH/g、エチル基濃度は13.88mgKOH/g、アリル基濃度は0.29mgKOH/gであった。
ついで、系を5mmHgまで減圧し、反応した。減圧開始から15時間目で、水酸基価が目標の23.11mgKOH/gに達したので、反応終了とした。
製品分析値は、以下の通りであった。得られたポリカーボネートポリオールの数平均分子量は4,850である。
○水酸基価 =23.11 mgKOH/g
○エチル基濃度 = 0.55 mgKOH/g
○アリル基濃度 = 0.40 mgKOH/g
【0036】
[比較例1]
撹拌機、留出口が付いた5Lフラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=9/1(モル比)とジエチルカーボネートとの反応から得られた数平均分子量1,000(水酸基価=112.20mgKOH/g)のポリカーボネートポリオールを4,898.5gとジエチルカーボネート460.0g(モル比基準でジエチルカーボネート:ポリカーボネート=1:1.26、系中の濃度として8.58%)を仕込み、常圧下で、加熱、撹拌しながら、190℃まで8時間掛けて昇温した。途中、反応開始から2時間後の反応温度が130℃で分析を行った。系中のジエチルカーボネート量は7.38%であった。常圧反応開始から、16時間で分析したところ、系中のジエチルカーボネート量は0.70%であった。さらに反応を7時間行い、常圧反応開始から23時間の分析値は、ジエチルカーボネート量が0.66%であり、このまま常圧反応を継続してもジエチルカーボネート量が0.3%を下回ることができないと予想されたので、次工程の減圧反応に移った。このときの水酸基価は100.86mgKOH/g、エチル基濃度は71.88mgKOH/g、アリル基濃度は0.41mgKOH/gであった。
ついで、系を10mmHgまで減圧し、190℃にて反応した。減圧開始から11.5時間たったところで分析した。ジエチルカーボネート量は0.03%、水酸基価は57.09mgKOH/g、エチル基濃度は16.56mgKOH/g、アリル基濃度は、0.31mgKOH/gであった。さらに7時間同様の条件で反応を継続した後、分析した。そのときの系中のジエチルカーボネート量は0.02%、水酸基価は51.95mgKOH/g、エチル基濃度は10.77mgKOH/g、アリル基濃度は0.34mgKOH/gであった。
この分析値から計算した推計水酸基価(=反応を継続すれば得られるであろう最終水酸基価)は、
51.95−10.77=41.18mgKOH/g
であった。
よって、水酸基価が目標の22mgKOH/gに達する可能性がないため、反応を中断した。
【0037】
[比較例2]
3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=9/1(モル比)とジエチルカーボネートとの反応から得られた数平均分子量3,000(水酸基価=37.40mgKOH/g)のポリカーボネートポリオールを5mmHgの減圧下で、反応した。自己縮合により得られた高分子ポリカーボネートポリオール中のアリル基濃度は3.13mgKOH/gであった。
【0038】
[比較例3]
3−メチル−1,5−ペンタンジオール742gと、1,6−ヘキサンジオール82gと、とジエチルカーボネート799gを特開昭55−56124号公報の方法で反応させて高分子ポリカーボネートポリオールを得た。得られた高分子ポリカーボネートポリオール中のアリル基濃度は2.58mgKOH/gであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジアルキルカーボネートと数平均分子量が1,500〜3,500のポリカーボネートポリオールを原料として、実質的に常圧下で反応して、副生するアルコールを留去しながらジアルキルカーボネートを実質的に消費する第一の工程と、
該第一の工程での反応生成物を5mmHg以上の減圧条件下で反応して数平均分子量が4,000〜10,000のポリカーボネートポリオールを得る第二の工程と、
を有することを特徴とするポリカーボネートポリオールの製造方法。
【請求項2】
前記第一の工程において、反応生成物中のジアルキルカーボネートの残存量を把握して、前記第一の工程から前記第二の工程への移行時期を判断することを特徴とする請求項1記載のポリカーボネートポリオールの製造方法。
【請求項3】
前記反応生成物中のジアルキルカーボネートの残存量が0.3質量%以下となった時点で前記第一の工程から前記第二の工程へ移行することを特徴とする請求項2記載のポリカーボネートポリオールの製造方法。

【公開番号】特開2009−249612(P2009−249612A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103307(P2008−103307)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000230135)日本ポリウレタン工業株式会社 (222)
【Fターム(参考)】