説明

ポリ(トリメチレンテレフタレート)/ポリ(α−ヒドロキシ酸)二成分フィラメント

本発明は、ポリ(トリメチレンテレフタレート)/ポリ(α−ヒドロキシ酸)二成分フィラメント、それを製造する方法およびその最終用途に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリ(トリメチレンテレフタレート)/ポリ(α−ヒドロキシ酸)二成分フィラメント、それを製造する方法およびその最終用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ(トリメチレンテレフタレート)(「PTT」)および繊維を含む多くの用途におけるその使用が文献において記載されている。PTTは、テレフタル酸またはそのエステルおよびトリメチレングリコール(1,3−プロパンジオールとしても知られている)(「PDO」)から誘導されたポリエステルである。PDOは、トウモロコシなどの種々の糖源からを含む種々の化学経路または生化学経路によって調製してもよく、従って、再生可能な資源から調製することが可能である。改善された強度および(より高い弾性率によって実証される)剛性を有する新規PTTフィラメントが望まれている。
【0003】
更に、テレフタル酸およびそのエステルが現在石油ベースから調製されているので、製品の総合的な特性を損なわずにPTT組成物のグリーン(再生可能な資源ベース)を増やすことが望ましい。
【0004】
特開2003−041435号公報には、PTTと、ポリ乳酸から本質的になる1〜10重量%のポリエステルとの混合物が記載されている。この混合物は、捲縮中空ステープルファイバを製造するために用いられる。ポリ(乳酸)も、乳酸発酵によって次に炭水化物から調製される乳酸(2−ヒドロキシプロピオン酸)およびその分子間エステルから調製されるので再生可能な資源から調製することが可能である。特開2003−041435号公報は、より安定な捲縮を提供するためにポリ乳酸の使用に焦点を当てている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、連続二成分フィラメントであって、ポリ(トリメチレンテレフタレート)とフィラメントの約0.5〜約18重量%のポリ(アルファ−ヒドロキシ酸)とを含む連続二成分フィラメントに関する。
【0006】
好ましくは、連続二成分フィラメントは、組成物の約5〜約15重量%のポリ(α−ヒドロキシ酸)を含む。より好ましくは、連続二成分フィラメントは、組成物の約8〜約12重量%のポリ(α−ヒドロキシ酸)を含む。
【0007】
好ましくは、連続二成分フィラメントは、組成物の約82〜約95.5重量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)を含む。より好ましくは、連続二成分フィラメントは、組成物の約85〜約95重量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)を含む。最も好ましくは、連続二成分フィラメントは、組成物の約88〜約92重量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)を含む。
【0008】
好ましくは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、再生可能な生物学的源を用いる発酵法によって調製された1,3−プロパンジオールにより製造される。
【0009】
好ましくは、ポリ(α−ヒドロキシ酸)はポリ乳酸であり、より好ましくは生物由来ポリ乳酸である。
【0010】
好ましくは、連続二成分フィラメントは約0.5〜約35dpfである。もう1つの好ましい実施形態において、請求項1に記載の連続二成分フィラメントは約10〜約2000dpfのモノフィラメントである。
【0011】
本発明は、連続二成分フィラメントを製造する方法であって、(a)ポリ(トリメチレンテレフタレート)と溶融組成物の約0.5〜約18重量%のポリ(α−ヒドロキシ酸)とを含む溶融組成物を提供する工程と、(b)組成物から連続二成分フィラメントを形成する工程とを含む方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書で挙げられたすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、それらの全体において本明細書に引用して援用する。別段に定義されない限り、本明細書において用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。係争の場合、定義を含む本明細書が支配する。
【0013】
明示的に付記される場合を除き、商標は大文字で示される。
【0014】
本明細書における材料、方法および実施例は例示のみであり、特定的に記載されている場合を除き、限定であることを意図していない。本明細書において記載された方法および材料に似ているか、または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において用いることが可能であるけれども、適する方法および材料は本明細書において記載されている。
【0015】
別段に指定がない限り、すべての百分率、部および比などは重量による。
【0016】
量、濃度あるいは他の値またはパラメータが、範囲、好ましい範囲または好ましい上方値および好ましい下方値の一覧表のいずれかとして与えられるとき、これは、範囲が別個に開示されるか否かに関係なく、あらゆる上方範囲限界または好ましい値とあらゆる下方範囲限界または好ましい値のあらゆる対から形成されたすべての範囲を特定的に開示していると理解されるべきである。数値の範囲を本明細書で挙げる場合、別段に指定がない限り、その範囲は、その終点およびその範囲内のすべての整数および端数を含むことを意図している。範囲を定めるときに挙げられた特定の値に本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0017】
範囲の内の値または終点を記載する際に「約」という用語を用いるとき、その開示は、言及された特定の値または終点を含むと理解されるべきである。
【0018】
本明細書で用いるとき、「comprises」、「comprising」、「includes」、「including」、「has」、「having」という用語またはそれらのあらゆる変形は、非排他的なinclusionを包含することを意図している。例えば、エレメントの一覧表を含むプロセス、方法、物品または装置はそれらのエレメントのみに必ずしも限定されずに、こうしたプロセス、方法、物品または装置に明示的に記載されていない他のエレメントも固有でない他のエレメントも含んでもよい。更に、そうでないと明示的に指定されない限り、「または(or)」は、非排他的な「または(or)」を意味し、排他的な「または(or)」を意味しない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満足される。Aが真(または存在する)およびBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)およびBが真(または存在する)およびAとBの両方が真(または存在する)。
【0019】
「a」または「an」の使用は、本発明のエレメントおよび成分を記載するために用いられる。これは、便宜上のみおよび本発明の一般的感覚を与えるためにのみ行われる。この記載は、1つまたは少なくとも1つを含むように読むべきであり、単数が別段に意図されていることが明らかでない限り、単数は複数も含む。
【0020】
本発明は、ポリ(トリメチレンテレフタレート)とα−ヒドロキシ酸のポリマーとを含むポリマー組成物、溶融ブレンドされたポリエステル混合物および連続二成分フィラメントに関する。α−ヒドロキシ酸または複数の酸のポリマーの量は少なくとも約0.5%、より好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約2%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約8%である。α−ヒドロキシ酸のポリマーの量は約18%まで、好ましくは約15%まで、最も好ましくは約12%までである。ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、好ましくは約99.5%まで、より好ましくは約99%まで、なおより好ましくは約98%まで、最も好ましくは95%まで、最も好ましくは92%までの量で用いられる。それは、好ましくは少なくとも約82%、より好ましくは少なくとも約85%、最も好ましくは少なくとも約88%の量で用いられる。前述した数値は重量%であり、それぞれポリマー組成物、溶融ブレンドされたポリエステル混合物および連続二成分フィラメントの全重量を基準にしている。便宜上、本発明のポリマー組成物は、ときには「PTT/PAHAポリマー」と呼ばれる。
【0021】
ポリ(トリメチレンテレフタレート)すなわちPTTは、少なくとも70モル%のトリメチレンテレフタレート反復単位を含むホモポリマーおよびコポリマーを包含する積もりである。好ましいポリ(トリメチレンテレフタレート)は、少なくとも85モル%、より好ましくは少なくとも90モル%、なおより好ましくは少なくとも95モル%または少なくとも98モル%、最も好ましくは約100モル%のトリメチレンテレフタレート反復単位を含む。
【0022】
ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、一般に、任意の僅少量の他のモノマーと合わせて1,3−プロパンジオールとテレフタル酸/ジエステルの酸触媒重縮合によって製造される。
【0023】
PTTがコポリマーであるとき、PTTは、他の単位を含む反復単位30モル%まで、好ましくは15モル%まで、より好ましくは10モル%まで、なおより好ましくは5モル%まで、最も好ましくは2モル%までを含むことが可能である。これらの反復単位は、好ましくは、4〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸(例えば、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ドデカン二酸および1,4−シクロ−ヘキサンジカルボン酸)、テレフタル酸以外で8〜12個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸)、および1,3−プロパンジオール以外の2〜8個の炭素原子を有する直鎖、環式および分岐の脂肪族ジオール(例えば、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオール)を含む。
【0024】
ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、僅少量の他のコモノマーを含むことが可能であり、こうしたコモノマーは、通常、特性に大幅に悪影響を及ぼさないように選択される。こうした他のコモノマーは、例えば、約0.2〜5モル%の範囲内のレベルで5−ナトリウム−スルホイソフタレートを含む。非常に少量の三官能性コモノマー、例えば、トリメリット酸を粘度制御のために導入することが可能である。
【0025】
特定の好ましいポリ(トリメチレンテレフタレート)は、ポリマーを製造するために用いられる1,3−プロパンジオールが再生可能な生物学的源を用いる発酵法によって調製された1,3−プロパンジオールを含む(好ましくは実質的に含む)ものである。再生可能源からの出発材料の例示的な例として、トウモロコシ原料などの生物学的な且つ再生可能な資源から製造された原料を用いる1,3−プロパンジオール(PDO)への生化学経路が記載されている。例えば、グリセロールを1,3−プロパンジオールに転化させることができる菌株が種クレブシエラ、シトロバクター、クロストリジウムおよびラクトバシラスの中に見出されている。この技術は、米国特許第5,633,362号明細書、米国特許第5,686,276号明細書および米国特許第5,821,092号明細書を含む幾つかの刊行物に開示されている。米国特許第5,821,092号明細書には、特に、組換え生物を用いるグリセロールからの1,3−プロパンジオールの生物学的製造のためのプロセスが開示されている。このプロセスは、1,2−プロパンジオールのための特異性を有する、異種pduジオールデヒドラターゼ遺伝子で変換された大腸菌を導入している。変換された大腸菌は炭素源としてグリセロールの存在下で増殖され、1,3−プロパンジオールは増殖培地から単離される。細菌と酵母の両方がグルコース(例えばトウモロコシ糖)または他の炭水化物をグリセロールに転化させることができるので、これらの刊行物中で開示されたプロセスは、1,3−プロパンジオールモノマーの迅速で安価且つ環境責任遂行源を提供する。
【0026】
上で記載され言及されたプロセスによって製造されるような生物由来1,3−プロパンジオールは、1,3−プロパンジオールの製造のための原料を構成する、植物によって導入された大気二酸化炭素からの炭素を含有する。こうして、本発明の背景において用いるために好ましい生物由来1,3−プロパンジオールは再生可能な炭素のみを含有し、化石燃料系炭素も石油系炭素も含有しない。従って、生物由来1,3−プロパンジオールを用いる再生可能な炭素に基づくポリ(トリメチレンテレフタレート)は環境により小さい影響を及ぼす。組成物中で用いられる1,3−プロパンジオールが減少する化石燃料を枯渇させず、分解すると、もう一度植物が用いるために炭素を大気に放出して戻すからである。
【0027】
好ましくは、反応物または反応物の成分として用いられる1,3−プロパンジオールは、ガスクロマトグラフ分析によって決定するときに約99重量%を上回る、より好ましくは約99.9重量%を上回る純度を有する。米国特許第7,038,092号明細書、米国特許出願公開第2004−0260125A1号明細書、米国特許出願公開第2004−0225161A1号明細書および米国特許出願公開第2005−0069997A1号明細書で開示されたような精製された1,3−プロパンジオールは特に好ましい。
【0028】
精製された1,3−プロパンジオールは、好ましくは以下の特性を有する。
【0029】
(1)220nmで約0.200未満、250nmで約0.075未満、275nmで約0.075未満の紫外線吸収、および/または
(2)約0.15未満のL***「b*」色度(ASTM D6290)および270nmで約0.075未満の吸収を有する組成、および/または
(3)約10ppm未満の過酸化物組成、および/または
(4)ガスクロマトグラフィによって測定するときに約400ppm未満、より好ましくは約300ppm未満、なおより好ましくは約150ppm未満の全有機不純物(1,3−プロパンジオール以外の有機化合物)の濃度。
【0030】
本発明のポリ(トリメチレンテレフタレート)の固有粘度は、少なくとも約0.5dL/g、好ましくは少なくとも約0.7dL/g、より好ましくは少なくとも約0.8dL/g、より好ましくは少なくとも約0.9dL/g、最も好ましくは少なくとも1dL/gである。本発明のポリエステル組成物の固有粘度は、好ましくは約2dL/gまで、より好ましくは約1.5dL/gまで、最も好ましくは1.2dL/gまでである。
【0031】
ポリ(トリメチレンテレフタレート)およびポリ(トリメチレンテレフタレート)を製造するために好ましい製造技術は、米国特許第5,015,789号明細書、米国特許第5,276,201号明細書、米国特許第5,284,979号明細書、米国特許第5,334,778号明細書、米国特許第5,364,984号明細書、米国特許第5,364,987号明細書、米国特許第5,391,263号明細書、米国特許第5,434,239号明細書、米国特許第5,510,454号明細書、米国特許第5,504,122号明細書、米国特許第5,532,333号明細書、米国特許第5,532,404号明細書、米国特許第5,540,868号明細書、米国特許第5,633,018号明細書、米国特許第5,633,362号明細書、米国特許第5,677,415号明細書、米国特許第5,686,276号明細書、米国特許第5,710,315号明細書、米国特許第5,714,262号明細書、米国特許第5,730,913号明細書、米国特許第5,763,104号明細書、米国特許第5,774,074号明細書、米国特許第5,786,443号明細書、米国特許第5,811,496号明細書、米国特許第5,821,092号明細書、米国特許第5,830,982号明細書、米国特許第5,840,957号明細書、米国特許第5,856,423号明細書、米国特許第5,962,745号明細書、米国特許第5,990,265号明細書、米国特許第6,232,511号明細書、米国特許第6,235,948号明細書、米国特許第6,245,844号明細書、米国特許第6,255,442号明細書、米国特許第6,277,289号明細書、米国特許第6,281,325号明細書、米国特許第6,297,408号明細書、米国特許第6,312,805号明細書、米国特許第6,325,945号明細書、米国特許第6,331,264号明細書、米国特許第6,335,421号明細書、米国特許第6,350,895号明細書、米国特許第6,353,062号明細書、米国特許第6,437,193号明細書、米国特許第6,538,076号明細書、米国特許第6,841,505号明細書および米国特許第6,887,953号明細書に記載されている。
【0032】
本発明のポリエステルとして有用なポリ(トリメチレンテレフタレート)は、SORONAという商標でE.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,Delaware)から、およびCORTERRAという商標でShell Chemicals(Houston,Texas)から市販されている。
【0033】
本発明の実施において用いられる重合させたα−ヒドロキシ酸(「PAHA」)には、乳酸(その立体特異性ダイマーL(−)ラクチドのポリマーを含む)、グリコール酸(そのダイマーグルコリドを含む)および2−ヒドロキシ酪酸のポリマーが挙げられる。PLAとε−カプロラクトン(2−オキセパノン)および/またはγ−カプロラクトン(5−エチル−2−オキソラノン)のコポリマーなどのPLAのコポリマーも「重合させたα−ヒドロキシ酸」という用語に含まれる。
【0034】
本発明の実施において用いられる好ましいポリ(乳酸)(PLA)は、L(−)ラクチドから触媒作用により調製された好ましくは130〜200℃の融点を有する100%生物由来ポリマーである。本発明の実施において用いられるPLAの固有粘度は、好ましくは少なくとも約0.7dL/g、より好ましくは少なくとも約0.9dL/g、且つ好ましくは約2.0dL/gまで、より好ましくは約1.6dL/gまでである。
【0035】
本発明の実施のために適するPLAは、Cargill,Inc.Minetonka,MNから入手でき、好ましい1グレードはPLAポリマー4040Dおよびその他である。
【0036】
従って、ポリ(トリメチレンテレフタレート)中の生物由来1,3−プロパンジオールおよび生物由来PLAを含有する本発明の好ましいフィラメントは、石油系対照物を含む類似組成物より自然で且つ小さい環境影響を有するとして特徴付けることが可能である。
【0037】
PTT/PAHAポリマーは、物理的ブレンドおよび溶融ブレンドを含む既知のいかなる技術によっても調製することが可能である。好ましくは、PTTおよびPAHAは溶融ブレンドされ、コンパウンディングされる。好ましくは、PTTおよびPAHAは混合され、ブレンドを形成するのに十分な温度で加熱され、冷却すると、ブレンドはペレットなどの造形物品になる。PTTおよびPAHAは多くの異なる方法でブレンドになることが可能である。例えば、PTTおよびPAHAは(a)同時に加熱し混合する、(b)加熱の前に別個の装置内でプレミックスする、または(c)加熱し、その後混合することが可能である。例として、ポリマーブレンドをトランスファーラインインジェクションによって製造することが可能である。押出機またはバンバリーミキサーなどの当該目的のために設計された従来の装置によって混合、加熱および成形を行うことが可能である。温度は各成分の融点より高いのがよいが、最低分解温度より低いのがよい。従って、温度はPATとPAHAの特定のあらゆる組成に関して調節されなければならない。温度は、本発明の特定のPTTおよびPAHAに応じて、典型的には約180℃〜約260℃の範囲内、好ましくは少なくとも約230℃、より好ましくは約250℃までである。
【0038】
必要な場合、ポリマー組成物は、添加剤、例えば、艶消剤、熱安定剤、粘度増加剤、光学ブライトナー、顔料および酸化防止剤を含有することが可能である。TiO2または他の顔料をPTT、PAHA、ブレンドに、またはフィラメント製造において添加することが可能である。例えば、米国特許第3,671,379号明細書、米国特許第5,798,433号明細書、米国特許第5,340,909号明細書、EP−A−第0699700号明細書、EP−A−第0847960号明細書および国際公開第00/026301号パンフレットを参照すること。
【0039】
ナイロン6またはナイロン6−6などのポリアミドは、本発明の組成物の特性(例えば強度)および加工性を改善するために少ない量で、例えばPTTの重量を基準にして約0.5〜約15重量%で添加することが可能である。
【0040】
組成物およびフィラメントは、米国特許第6,923,925号明細書に記載されたようにスチレンポリマーを用いて製造することが可能である。好ましくは、それらは、ポリマー組成物中のポリマーの(または連続二成分フィラメントの場合、連続二成分フィラメントの)約0.1〜約10重量%のスチレンポリマーを含有する。スチレンポリマーはポリマー組成物に分散され、フィラメントはフィラメント全体に分散されたスチレンポリマーを含有する。好ましくは、スチレンポリマーの数平均分子量は少なくとも約50000であり、且つ好ましくは、特許に記載されたように約300000までである。スチレンポリマーは、好ましくは、ポリスチレン、α−メチル−ポリスチレンおよびスチレンブタジエンコポリマーならびにそれらのブレンドからなる群から選択され、最も好ましくはポリスチレンである。
【0041】
本発明のポリマー組成物を連続二成分フィラメントに容易に加工することが可能である。本発明の組成物をペレットに加工するか、または再溶融し、フィラメントに紡糸するか、あるいは紡糸プロセスに直接用いることが可能である(「ペレット」という用語は、この点で一般的に用いられ、「チップ」、「フレーク」などとときには呼ばれる形状に関係なく用いられる)。ポリマー組成物は、服飾品、フローリングおよびフィラメントを必要とする他の用途のためにフィラメントに紡糸することが可能であり、従来のポリマー製造装置およびフィラメント製造装置を用いて調製することが可能である。何処か他の場所で記載されているように、本発明のポリマー組成物はPTT自体に対する物理的特性の新規変化を提供する。
【0042】
本発明のフィラメントは二成分フィラメントである。「二成分フィラメント」は、ポリマー連続相と少なくとも1つのポリマー不連続相とを含むフィラメントを意味する。二成分フィラメントは少なくとも2種のポリマーから形成され、その内の1種は連続相を形成し、他方はフィラメント全体に分散された1つ以上の不連続相である。ここで、少なくとも2種のポリマーはブレンドと同じ押出機から押し出される。PTTは連続相を形成する。PAHAポリマーは不連続相を形成し、フィラメント全体に高度に分散されている(スチレンポリマーを用いるとき、スチレンポリマーも不連続相を形成する)。2種の異なるポリマータイプまたは各領域で異なる特性を有する2種の同じポリマーから製造されたシースコアフィラメントまたはサイドバイサイドフィラメントなどの二成分フィラメントおよび多成分フィラメントはこの定義から特に除外される。この定義は、フィラメントに分散されている他のポリマーおよび存在する添加剤ならびに原料を排除しない。
【0043】
フィラメントは円形であることが可能であるか、またはオクタローバル、三角形、日輪型(ソルとしても知られている)、ホタテガイ状卵形、トリローバル、テトラチャンネル(クアトラチャンネルとしても知られている)、ホタテガイ状リボン、リボン、星形などの他の形状を有することが可能である。フィラメントは中実、中空または多中空であることが可能であり、好ましくは中実である。
【0044】
本発明のフィラメントは、嵩高加工連続糸またはテクスチャード加工糸の場合のように捲縮を有することが可能であるが、本発明の利点は、部分配向糸、紡績延伸糸または多くの不織布中で用いられるものなどの他の捲縮のない糸などの捲縮のない糸において見ることが可能である。
【0045】
「連続」によって、フィラメントは技術上用いられる従来の用語を用いて記載されており、この用語が長いフィラメントを記載するために用いられ、従って、フィラメントをステープルファイバまたは他の短い繊維から区別していることが容易に認められるべきである。
【0046】
多様なフィラメントを本発明により製造することが可能である。織物およびカーペットなどの殆どの用途のために典型的なフィラメントは、少なくとも約0.5dpf(デニール/フィラメント)および約35以上のdpfまでのサイズを有する。モノフィラメントはより大きく、約10〜約2000dpfであることが可能である。
【0047】
好ましくは、連続二成分フィラメントは、約1000〜約8000メートル/分(m/分)、より好ましくは約2800〜約5000m/分、なおより好ましくは約2800〜約4000m/分の速度で紡糸される。この文書の目的において、紡糸速度は、紡糸プロセス中に用いられる最高速度であり、用いられるプロセスに応じて、典型的には引取ロールまたはフィードホイールで測定される。「引取ロール」速度によって、部分配向糸に適用される延伸−テクスチャープロセスなどのフィラメントを巻き取り後に続けられる第2のプロセスであり得る別個の延伸プロセスでなく、紡績延伸糸プロセスにおけるような押出直後の引取速度に言及されていることが理解されるべきである。
【0048】
以下で記載する部分配向糸、紡績延伸糸およびテクスチャード加工糸は、メリヤス生地および織布などの織物を製造するために用いられる。
【0049】
ポリ(トリメチレンテレフタレート)の部分配向糸は、米国特許第6,287,688号明細書、米国特許第6,333,106号明細書および米国特許第6,672,047号明細書に記載されている。ポリ(トリメチレンテレフタレート)フィラメントを紡糸し、織編し、巻き取ることを含む部分配向糸を製造する基本工程がそれらの中に記載されている。本発明は、それらの工程および部分配向ポリエステル糸を製造するために従来から用いられている他の工程を用いて実施することが可能である。
【0050】
好ましくは、紡糸の前にポリ(トリメチレンテレフタレート)とPLAポリマーの両方の融点より高い温度にブレンドを加熱し、約180〜約270℃、好ましくは少なくとも約220℃且つ約260℃までの温度で紡糸口金を通してブレンドを押し出す。より高い温度は、より短い滞留時間に関して有用である。ブレンディング中および紡糸口金フィードにおけるような加熱の間に、典型的には、保持時間は5分以下であり、温度は有効なエステル交換温度より低い。これらの条件下でのエステル交換のレベルは2%未満である(現在、エステル交換を2%以下で定量化することができない)。
【0051】
部分配向糸は多フィラメント糸である。糸(「束」としても知られている)は、好ましくは、少なくとも約10、なおより好ましくは少なくとも約25のフィラメントを含み、典型的には、約150まで又はそれ以上、好ましくは約100まで、より好ましくは約80までのフィラメントを含むことが可能である。34、48、68または72のフィラメントを含む糸が普通である。糸は、典型的には少なくとも約5、好ましくは少なくとも約20、好ましくは少なくとも約50、且つ約1500まで又はそれ以上、好ましくは約250までの全デニールを有する。
【0052】
個々のフィラメントは、好ましくは少なくとも約0.5dpf(デニール/フィラメント)、より好ましくは少なくとも1dpf、且つ約10以上のdpfまで、より好ましくは約7dpfまでである。典型的なフィラメントは約3〜7dpfであり、微細フィラメントは約0.5〜約2.5dpfである。
【0053】
紡糸速度は、約1800〜約8000以上のメートル/分(「m/分」)で行うことが可能であり、好ましくは少なくとも2000m/分、より好ましくは少なくとも約2500m/分、最も好ましくは少なくとも約3000m/分である。ポリ(トリメチレンテレフタレート)の部分配向糸を紡糸するためにしばしば用いられる約3200m/分の紡糸速度は好ましい。
【0054】
フィラメントを典型的な3〜7dpfフィラメントに関して主として論じている。微細フィラメントに関する紡糸速度はより遅い。例えば、微細フィラメントのポリ(トリメチレンテレフタレート)多フィラメント糸は、約1800m/分〜約2500m/分以上で現在紡糸されている。
【0055】
部分配向糸は通常包装上に巻き付けられ、布地を製造するために用いることが可能であるか、またはテクスチャード加工糸などの他の糸タイプに更に加工することが可能である。これらの繊維は捲縮されない。これらの繊維は布地を製造するか、または更に加工する前に缶に貯蔵することも可能であるか、あるいは包装を形成せずに他の貯蔵もなしに直接用いることが可能である。
【0056】
「完全延伸糸」としても知られている紡績延伸糸も、本発明を用いて有利に製造することが可能である。ポリ(トリメチレンテレフタレート)フィラメントを紡糸し、延伸し、任意に且つ好ましくはアニールし、任意に織編し、巻き取ることを含む紡績延伸糸を製造する好ましい工程は、ポリ(エチレンテレフタレート)糸を製造するために用いられる工程に似ている。これらの繊維は捲縮されない。
【0057】
これらの糸も多フィラメント糸である。糸(「束」としても知られている)は、好ましくは、少なくとも約10、なおより好ましくは少なくとも25のフィラメントを含み、典型的には、約150まで又はそれ以上、好ましくは約100まで、より好ましくは約80までのフィラメントを含むことが可能である。34、48、68または72のフィラメントを含む糸が普通である。糸は、典型的には少なくとも約5、好ましくは少なくとも約20、好ましくは少なくとも約50、且つ約1500まで又はそれ以上、好ましくは約250までの全デニールを有する。
【0058】
個々のフィラメントは、好ましくは少なくとも約0.1dpf、より好ましくは少なくとも約0.5dpf、より好ましくは少なくとも約0.8dpf、且つ約10以上のdpfまで、より好ましくは約5dpfまで、最も好ましくは約3dpfまでである。
【0059】
延伸比は、少なくとも1.01、好ましくは少なくとも約1.2、より好ましくは少なくとも約1.3である。延伸比は、好ましくは約5まで、より好ましくは約3まで、最も好ましくは約2.5までである。
【0060】
(延伸工程の終わりにロールで測定される)延伸速度は、約2000以上のメートル/分で行うことが可能であり、好ましくは少なくとも約3000m/分、より好ましくは少なくとも約3200m/分、且つ好ましくは約8000m/分まで、より好ましくは約7000m/分までである。
【0061】
紡績延伸糸は通常包装上に巻き付けられ、布地を製造するために用いることが可能であるか、またはテクスチャード加工糸などの他の糸タイプに更に加工することが可能である。
【0062】
テクスチャード加工糸は、部分配向糸または紡績延伸糸から製造することが可能である。主な違いは、部分配向糸が通常は延伸を必要とするのに対して、紡績延伸糸は既に延伸されていることである。
【0063】
米国特許第6,287,688号明細書、米国特許第6,333,106号明細書および米国特許第6,672,047号明細書には、部分配向糸からテクスチャード加工糸を製造する基本工程が記載されている。本発明は、それらの工程および部分配向ポリエステル糸を製造するために従来から用いられている他の工程を用いて実施することが可能である。基本工程は、包装から糸を巻き出す工程、延伸する工程、撚り工程、熱固定工程、解撚工程、および包装上に巻き付ける工程を含む。テクスチャー加工は、フォールス撚りテクスチャー加工として一般に知られているプロセスによる撚り、熱固定および解撚によって捲縮を付与する。フォールス撚りテクスチャー加工は、過剰の糸破損およびフィラメント破損を避けるために注意深く制御される。
【0064】
米国特許第6,287,688号明細書、米国特許第6,333,106号明細書および米国特許第6,672,047号明細書に記載された摩擦フォールス撚りのために好ましいプロセスは、140℃〜220℃の間の温度に部分配向糸を加熱し、撚り挿入器具とヒーターの入口との間の領域において糸が約46度〜52度の撚り角を有するように撚り挿入器具を用いて糸を撚り、糸をワインダー上に巻き取ることを含む。
【0065】
紡績延伸糸から製造するとき、そのプロセスは延伸を非常に低いレベル(例えば、延伸比は1.01ほどに低いことが可能である)に減らすことを除き同じである。
【0066】
これらの多フィラメント糸(「束」としても知られている)は、それらを製造する部分配向糸および紡績延伸糸と同じフィラメント数を含む。従って、それらは、好ましくは少なくとも10、なおより好ましくは少なくとも約25のフィラメントを含み、且つ典型的には、約150まで又はそれ以上、好ましくは約100まで、より好ましくは約80までのフィラメントを含むことが可能である。糸は、典型的には少なくとも約1、より好ましくは少なくとも約20、好ましくは少なくとも約50、且つ約1500まで又はそれ以上、好ましくは約250までの全デニールを有する。
【0067】
個々のフィラメントは、好ましくは少なくとも約0.1dpf、より好ましくは少なくとも約0.5dpf、より好ましくは少なくとも約0.8dpf、且つ約10以上のdpfまで、より好ましくは約5dpfまで、最も好ましくは約3dpfまでである。
【0068】
部分配向糸から製造するとき、延伸比は、少なくとも1.01、好ましくは少なくとも約1.2、より好ましくは少なくとも約1.3である。延伸比は、好ましくは約5まで、より好ましくは約3まで、最も好ましくは約2.5までである。(延伸工程の終わりにロールで測定される)延伸速度は、約50〜約1200以上のメートル/分で行うことが可能であり、好ましくは少なくとも約300m/分、且つ好ましくは約1000m/分までである。
【0069】
紡績延伸糸から製造するとき、(フィラメントが接触する第1のゴデットで測定される)速度は、約50〜約1200以上のm/分で行うことが可能であり、好ましくは少なくとも約300m/分、且つ好ましくは約800m/分までである。
【0070】
ポリ(トリメチレンテレフタレート)嵩高加工連続フィラメント(「BCF」)糸およびそれらの製造は、米国特許第5,645,782号明細書、米国特許第6,109,015号明細書、米国特許第6,113,825号明細書、米国特許第6,740,276号明細書、米国特許第6,777,059号明細書および米国特許出願公開第2004−198120A1号明細書に記載されている。BCF糸は、すべてのタイプのカーペット、および織物を製造するために用いられる。
【0071】
嵩高加工連続フィラメントを製造する際に含まれる好ましい工程は、紡糸する(例えば、フィラメントを押し出し、冷却し、被覆する(紡糸仕上げ))、約80〜約200℃および約3〜約5、好ましくは少なくとも3.4、且つ好ましくは4.5までの延伸比で単一段または多段延伸する(好ましくは、加熱ロール、加熱ピンまたは高温流体(例えば蒸気または空気)支援による)、約120〜約200℃の温度でアニールする、嵩高加工する、絡み合わせる(嵩高加工と一緒に1工程で行うことができるか、または後続の別個の工程で行うことができる)、任意に緩和する、および後続の使用のために包装上にフィラメントを巻き付けることを含む。
【0072】
嵩高加工連続フィラメント糸は、周知された技術を用いてカーペットに製造することが可能である。典型的には、多くの糸は、オートクレーブSUESSENまたはSUPERBAなどの装置内で一緒に撚り、熱固定され、その後、一次裏地に綴じ糸で綴じられたケーブルである。その後、ラテックス接着剤および二次裏地は利用される。
【0073】
モノフィラメントを製造するために本発明を用いることも可能である。好ましくは、モノフィラメントは10〜2000dpfであり、用途に応じて好ましくは50〜2000dpf、より好ましくは50〜1000dpf、最も好ましくは100〜500dpfである。モノフィラメント、モノフィラメント糸およびそれらの使用は、上述した紡糸温度を用いることを除き、米国特許第5,340,909号明細書、EP−A−第1167594号明細書および国際公開第2001/75200号パンフレットに記載されている。本発明を多フィラメント糸に関して主として記載している一方で、本明細書に記載された選択はモノフィラメントに適用可能であることが理解されるべきである。モノフィラメントは、ブラシ(例えば、ペイントブラシ、歯ブラシ、化粧用ブラシなど)、仕上げ線などを含む多くの異なる商品を製造するために用いられる。
【0074】
本発明を例示する目的のために以下の実施例を提示し、以下の実施例は限定であることを意図していない。すべての部、百分率などは、特に指示がない限り重量による。
【実施例】
【0075】
材料
フィラメントのために用いられるPTTは、1.02dL/gの固有粘度を有し、0.3重量%のTiO2を含有するSORONA半艶なしポリ(トリメチレンテレフタレート)(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE))であった。
【0076】
用いられたPLAは、Cargill,Inc.(Minetonka,MN)製のPLAポリマー4040Dポリ(乳酸)であった。
【0077】
試験方法1:固有粘度の測定
ASTM D5225−92に基づく自動化方法に従って19℃で0.4グラム/dLの濃度で50/50重量%:トリフルオロ酢酸/塩化メチレンに溶解させたポリマーに関してViscotek Forced Flow Viscometer Y900(Viscotek Corporation(Houston,TX))により測定された粘度を用いて、PTTとPAHAの固有粘度(IV)を決定した。ASTM D4603−96に従って60/40重量%:フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン中で手動で測定されたIV値にPTT測定IV値を相関させた。米国特許第5,840,957号明細書も参照すること。
【0078】
試験方法2:テナシティおよび破断点伸び
以下の実施例において報告された糸の物理的特性は、Instron Corp.Tensile Tester,Model no.1122(Instron Corp.(Canton MI))を用いて測定した。より詳しくは、破断点伸び、EbおよびテナシティはASTM D−2256に準拠して測定した。
【0079】
実施例1〜5および比較例A
PTTとPLAの混合物を調製し、コンパウンディングし、押し出し、ペレット化し、ポリマー組成物の1重量%(実施例1)、2重量%(実施例2)、5重量%(実施例3)、10重量%(実施例4)および20重量%(実施例5)のPLA(残りはPTTであった)を含有していたポリマー組成物を用いてフィラメントに紡糸した。比較例Aは、添加PLAのないPTTであり、対照として用いた。従って、ブレンド工程を省略した。特性を表1に記載している。
【0080】
最短で16時間にわたり120℃で真空炉内で40マイクログラム/gポリマー未満の含水率にPTTのペレットを乾燥させた。最短で16時間にわたり80℃で真空炉内で40マイクログラム/gポリマー未満の含水率にPLAのペレットを乾燥させた。両方のポリマーの乾燥ペレットを炉から取り出し、室温で維持されていた窒素シールされた供給ホッパーに所望の重量比で迅速に落とし込んだ。
【0081】
ペレットを100g/分で28mmの押出機(Warner−Flyter二軸スクリューType2SK−28−W8D12V、モデル#180−165,Ramsey NJ)にフィードした。押出機は約230℃の温度で運転した。押し出された混合ポリマーを押し出し、ペレットに切断した。
【0082】
多フィラメント糸は部分配向糸であり、紡糸は、紡糸口金を通してポリマーブレンドを押し出し、冷却し、織編し、フィラメントを巻き取ることを含んでいた。
【0083】
ペレットを120℃で最短16時間にわたり乾燥させるために真空炉に入れた。乾燥ペレットを炉から取り出し、室温で維持されていた窒素シールされた供給ホッパーに迅速に落とし込んだ。ペレットを二軸スクリュー再溶融機にフィードした。バレル加熱部分をゾーン1に関して240℃に、ゾーン2〜5に関して265℃に、およびゾーン7〜8に関して268℃に設定した。ポンプブロックは268℃であり、パックボックスヒーターは268℃であった。
【0084】
273℃で維持されたサンドフィルタースピンパックおよび34個の円形穴紡糸口金(直径0.012インチ(0.3mm)およびキャピラリー深さ0.022インチ(0.56mm)の穴)を通してペレットを押し出した。紡糸口金を出るフィラメントストリームを21℃で空気により冷却し、束に集め、紡糸仕上げを適用した。以下の表1で記載されたサブ表面速度で前進するロールは糸束を織編ジェットに送出し、その後、以下の表1に記載された速度で走行するワインドアップ上に送出した。紡糸条件および得られた部分配向糸の特性を表1に記載している。
【0085】
表1 フィラメントの特性

【0086】
表1は、PTT/PLAブレンドから紡糸したフィラメントのヤング率が、より高い紡糸速度でPLAの割合が増加するにつれて大幅に増加したことを示している。PTT/PLAブレンドのデニール、テナシティおよび伸びを含む紡糸特性もPTT単独に匹敵した。実施例5のPTT/PLAブレンド(PLA20%)を紡糸しようとする試みは、フィラメントの破損のゆえに失敗であった。従って、データを提示していない。
【0087】
本発明の実施形態の前述した開示を例示および説明の目的のために提示した。網羅的であることも開示された厳密な形態に本発明を限定することも意図していない。本明細書に記載された実施形態の多くの変形および修正は本開示を考慮すると当業者に対して明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ(トリメチレンテレフタレート)と前記フィラメントの約0.5〜約18重量%のポリ(α−ヒドロキシ酸)とを含む連続二成分フィラメント。
【請求項2】
前記フィラメントの約82〜約95.5重量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)を含む、請求項1に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項3】
前記ポリ(α−ヒドロキシ酸)がポリ乳酸である、請求項1に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項4】
前記ポリ乳酸が生物由来ポリマーである、請求項1に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項5】
前記ポリ(トリメチレンテレフタレート)が、再生可能な生物学的源を用いる発酵法によって調製された1,3−プロパンジオールにより製造される、請求項1に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項6】
前記ポリ(トリメチレンテレフタレート)が、再生可能な生物学的源を用いる発酵法によって調製された1,3−プロパンジオールにより製造される、請求項3に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項7】
前記ポリ(トリメチレンテレフタレート)が、再生可能な生物学的源を用いる発酵法によって調製された1,3−プロパンジオールにより製造される、請求項4に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項8】
前記フィラメント全体に分散された約0.1〜約10重量%のポリスチレンを含有する、請求項1に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項9】
捲縮されない連続二成分フィラメントである、請求項1に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項10】
約0.5〜約35dpfである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項11】
約10〜約2000dpfのモノフィラメントである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の連続二成分フィラメント。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の連続二成分フィラメントを製造する方法であって、(a)ポリ(トリメチレンテレフタレート)と溶融組成物の約0.5〜約18重量%のポリ(α−ヒドロキシ酸)とを含む溶融組成物を提供する工程と、(b)前記組成物から連続二成分フィラメントを形成する工程とを含む方法。
【請求項13】
前記連続二成分フィラメントを形成する工程が約1000〜約8000m/分の速度で前記フィラメントを紡糸する工程を含む、請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2009−518555(P2009−518555A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544395(P2008−544395)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/046052
【国際公開番号】WO2007/067435
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】