説明

ポール着脱式広告装置

【課題】のぼり旗に比べて広告効果が大きく、かつ、のぼり旗を取付可能なポールに対してのぼり旗の代わりとして簡単に取り付けて利用することが可能なポール着脱式広告装置を提供する。
【解決手段】ポール31の端面に形成した開口部32に対して着脱可能な広告装置10であって、上記開口部に対して挿脱可能な挿脱部材20と、挿脱部材に取り付けた、該挿脱部材を上記開口部に挿入したときにポールの外側に位置する支持部材15と、該支持部材に取り付けた、挿脱部材を上記開口部に挿入したときにポールの周囲を囲む筒状をなし可撓性を有する広告表示部材25と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポール着脱式広告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
床面(地面)載置用の土台から上方に向かって延びるポールに紐等によってのぼり旗(の一側縁部)を取り付けた広告装置は従来から広く知られており、様々な店舗の店頭などで利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−259107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、のぼり旗は正面と背面にしか広告面を作れず、正面及び背面とは異なる方向からは広告面を視認できないので、広告効果が大きいとは言えない。
その一方で、のぼり旗が広告機能を効果的に発揮可能な設置場所や広告内容もあるため、のぼり旗を利用した広告装置は店舗にとって依然として重要な広告装置になり得る。そのため、のぼり旗に代わる広告装置としては、その一部の構造をのぼり旗式広告装置と共用可能で、必要に応じてのぼり旗と新たな広告手段を選択して利用できるものが理想的である。
【0005】
本発明は、のぼり旗に比べて広告効果が大きく、かつ、のぼり旗を取付可能なポールに対してのぼり旗の代わりとして簡単に取り付けて利用することが可能なポール着脱式広告装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のポール着脱式広告装置は、ポールの一方の端面に形成した開口部に対して着脱可能な広告装置であって、上記開口部に対して挿脱可能な挿脱部材と、該挿脱部材に取り付けた、該挿脱部材を上記開口部に挿入したときに上記ポールの外側に位置する支持部材と、該支持部材に取り付けた、上記挿脱部材を上記開口部に挿入したときに上記ポールの周囲を囲む筒状をなし可撓性を有する広告表示部材と、を備えることを特徴としている。
【0007】
上記支持部材が、上記挿脱部材の周囲に位置する環状形状をなし、かつ上記広告表示部材が取り付けられた環状部を有していてもよい。
このように構成した場合は、広告表示部材を円筒形状にすることが可能になるので、広告効果がさらに向上する。
【0008】
さらに、上記支持部材が、上記挿脱部材から延びて、その先端部が上記環状部に接続する支持棒を有し、上記挿脱部材を、該支持棒に対して該支持棒回りに相対回転可能に取り付けてもよい。
このように構成すると、広告装置をポールから取り外したときに、挿脱部材を支持棒に対して回転させて挿脱部材の長手方向を支持棒(支持部材)と同一平面上に位置させ、さらに可撓性材料からなる広告表示部材を折り畳めば、広告装置全体の高さが低くなる(広告装置がコンパクトになる)ので、広告装置を収納スペースに嵩張ることなく収納できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポール着脱式広告装置の広告表示部材は(ポールの周囲を囲む)筒形状であるため、のぼり旗に比べて広告面を大きくとれ、しかも360°いずれの方向からも広告面を視認できるので、広告効果が非常に大きい。
しかも、ポールの上端面に形成した開口部から挿脱部材を取り外せば、当該ポールにのぼり旗を取り付けることが可能なので、ポールをのぼり旗と共用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の広告装置を表す斜視図である。
【図2】広告装置をポールに装着した状態を表す斜視図である。
【図3】支持部材と挿脱部材の平面図である。
【図4】広告装置の上部とポールの上部の分離状態における斜視図である。
【図5】ポールにのぼり旗を取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。
図示する広告装置10は、ポール31の上端部に対して着脱可能なものであり、大きな構成要素として支持部材15、挿脱部材20、及び、広告表示部材25を具備している。
支持部材15は硬質樹脂製(例えば塩化ビニル)の線材を組み合わせて構成したものであり、平面視円形をなす環状部16と、環状部16の径方向に延びてその両端部が環状部16の内面に固定された支持棒17と、支持棒17に対して直交する方向に延び、その両端が支持棒17と環状部16の内面にそれぞれ固定された2本の補強部18と、を具備している。
硬質樹脂材(例えば塩化ビニル)からなる挿脱部材20は、外径が二段階に変化する略円柱形状の部材である。即ち挿脱部材20は、大径部21と、大径部21と同心をなす大径部21より小径の小径挿脱部22と、を一体的に有しており、大径部21には挿脱部材20の径方向(挿脱部材20の軸線に対して直交する方向)に延びる貫通支持孔23(図3、図4参照)が設けてある。図示するように、この貫通支持孔23に支持棒17の中央部を挿通することにより、挿脱部材20を支持棒17に対して支持棒17の軸線回りに回転可能に取り付けている。但し、支持棒17の外面と貫通支持孔23の内面は常に接触しているため、支持棒17と挿脱部材20に対して外力を加えない限り挿脱部材20が支持棒17に対して回転することはない。
広告表示部材25は、可撓性を有する布を加工(裁断、縫合など)することにより図示する略円筒形状としたものであり、その外周面全体が広告(絵、文字等)を表示可能な広告面を構成している。図示するように、広告表示部材25の長手方向の両端部には、その縁部を内側に折り返して広告表示部材25の内面に縫合することにより(平面視で)全体として環状をなす環状袋部26、27が形成してある。環状袋部26には周方向に略90°間隔で4つの孔(図示略)が形成してある。環状袋部26の内部には環状部16が収納してあり、環状部16における支持棒17及び2本の補強部18との接続部が該4つの孔を通して外部に露出している。一方、環状袋部27には環状部16と同じ形状で硬質樹脂(例えば塩化ビニル)からなる環状部材28が収納してある。従って、広告表示部材25の両端部は環状部16と環状部材28によって常に円形状態に維持される。
【0012】
以上構成の広告装置10は、床面又は地面に接置可能な土台30に下端が固定されかつ上方に向かって直線的に延びるポール31の上端部に対して着脱可能である。ポール31は硬質樹脂材や金属によって構成したパイプ材であり、図2に示すようにその上端には小径挿脱部22と略同径の開口部32が形成してある。
広告装置10をポール31に装着するには、挿脱部材20の軸線を支持棒17に対して直交する方向に向け(回転させ)、かつ広告表示部材25をポール31の周囲に位置させた上で、小径挿脱部22を開口部32に嵌合(挿入)する。すると、支持部材15(環状部16)によって上端部を支持された広告表示部材25が自重によって支持部材15(環状部16)から垂れ下がるので、広告表示部材25は環状部16及び環状部材28の働きによって略円筒形状となる。すると広告表示部材25の外面全体に表示された広告が外部に露出するので、のぼり旗に比べて広告面が大きく表示される。しかも360°いずれの方向からも当該広告面を視認可能なので、非常に大きな広告効果を得られる。
【0013】
ポール31から広告装置10を取り外したい場合は、挿脱部材20の小径挿脱部22をポール31の開口部32から引き抜けばよい。
さらに、ポール31から取り外した広告装置10の挿脱部材20を支持棒17に対して回転させて挿脱部材20の軸線を支持棒17(支持部材15)と同一平面上に位置させ(図3参照)、さらに広告表示部材25を折り畳めば、広告装置10全体の高さが低くなる(広告装置10がコンパクトになる)ので、広告装置10を収納スペース(図示略)に嵩張ることなく収納可能になる。
【0014】
また、仮にポール31(土台30)の設置場所や広告内容から考えて広告装置10よりのぼり旗を利用した方がよいと思われる場合には、図5に示すようにポール31の開口部32に挿脱部材20と同じ構造の挿脱部材45を装着し、その貫通支持孔23に水平支持棒46の端部近傍を嵌合して、ポール31と水平支持棒46にのぼり旗40の上縁部と一方の側縁部に設けた複数の取付環47を通すことにより、ポール31及び水平支持棒46に対してのぼり旗40を取り付けることができる。このように本実施形態の広告装置10は、ポール31をのぼり旗40と共用すること(ポール31に対して広告装置10とのぼり旗40を選択的に取り付けること)が可能である。
【符号の説明】
【0015】
10 広告装置
15 支持部材
16 環状部
17 支持棒
18 補強部
20 挿脱部材
21 大径部
22 小径挿脱部
23 貫通支持孔
25 広告表示部材
26 27 環状袋部
28 環状部材
30 土台
31 ポール
32 開口部
40 のぼり旗
45 挿脱部材
46 水平支持棒
47 取付環

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポールの一方の端面に形成した開口部に対して着脱可能な広告装置であって、
上記開口部に対して挿脱可能な挿脱部材と、
該挿脱部材に取り付けた、該挿脱部材を上記開口部に挿入したときに上記ポールの外側に位置する支持部材と、
該支持部材に取り付けた、上記挿脱部材を上記開口部に挿入したときに上記ポールの周囲を囲む筒状をなし可撓性を有する広告表示部材と、
を備えることを特徴とするポール着脱式広告装置。
【請求項2】
請求項1記載のポール着脱式広告装置において、
上記支持部材が、上記挿脱部材の周囲に位置する環状形状をなし、かつ上記広告表示部材が取り付けられた環状部を有するポール着脱式広告装置。
【請求項3】
請求項2記載のポール着脱式広告装置において、
上記支持部材が、上記挿脱部材から延びて、その先端部が上記環状部に接続する支持棒を有し、
上記挿脱部材を、該支持棒に対して該支持棒回りに相対回転可能に取り付けたポール着脱式広告装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−58299(P2012−58299A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198641(P2010−198641)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(591030341)株式会社システムコミュニケーションズ (10)