説明

マイクロコンピュータ

【目的】 アドレスバスを拡張するためのレジスタと、拡張されたアドレスバスの有効、無効の決定をする制御回路を設けることにより、アクセス可能なレジスタを必要な数だけ置けるようにして、マイクロコンピュータのレジスタ拡張性能を容易に向上できるようにした。
【構成】 アドレスバス10によってアドレッシングされるレジスタの出力サブアドレス23を拡張されたアドレスバスとして、アドレスバスのデコード出力サブデータ24により、拡張されたアドレスバスの有効、無効を制御する拡張されたアドレスバスによりアドレッシングされるレジスタ4〜6を置く。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アドレスバスでアドレッシングされるレジスタを有するマイクロコンピュータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図2に示すようにアドレスバス10をデコーダ12でデコードした出力と書込クロック21を入力する各書込クロック発生回路15の出力をクロックとするフリップフロップ16、17が、データバス11をデータとしてレジスタ1を構成し、また、デコーダ13でデコードした出力から同様にレジスタ2を構成し、またデコーダ14でデコードした出力から同様にレジスタを構成し、各々の出力18−1、18−2、19−1、19−2、20−1、20−2を得るレジスタ群22を有するマイクロコンピュータが知られていた。なお、レジスタ2、3はレジスタ1と同一の回路である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術の図2に示す構成のレジスタ群では、アクセス可能なレジスタの数が4個以下になってしまう。即ち、アドレスバスのビット数をnとすると、アクセス可能なレジスタの数は2のn乗以下となるという欠点があった。
【0004】そこで、この発明の目的は従来のこのような欠点を解決するため、アドレスバスを拡張するためのレジスタと、拡張されたアドレスバスの有効、無効を決定スる制御回路を設けることにより、アドレスバスを拡張し、よってアドレスバスのビット数をnとすると、アクセス可能なレジスタの数を2のn乗以上としたマイクロコンピュータを得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、この発明はアドレスバスでアドレッシングされるレジスタを有するマイクロコンピュータにおいて、アドレスバスを拡張するためのレジスタと、拡張されたアドレスバスの有効、無効の決定を制御回路を有する構成とし、アクセス可能なレジスタを必要な数だけ置くことが図れるようにした。
【0006】
【作用】上記のように構成されたマイクロコンピュータにおいては、アクセス可能なレジスタを必要な数だけ置けるので、マイクロコンピュータのレジスタ拡張性能が容易に向上できる。
【0007】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図に基づいて説明する。図1は、レジスタ群の構成図である。図1の構成要素である従来のレジスタ群22は図2と同一に構成される。従来のレジスタ群22のうち、1組のレジスタの出力を拡張されたアドレスバス(以後サブアドレス23と称す)とする。サブアドレス23は、アドレスバス10のデコーダ25の出力サブデータ24とともにデコーダ26に入力される。デコーダ26の出力は、図2で示したレジスタ1と同一の構成のレジスタ4へ入力される。レジスタ4へは、さらに書込クロック21、データバス11が入力される。またデコーダ27でデコードした出力から同様にレジスタ5を構成し、またデコーダ28でデコードした出力から同様にレジスタ6を構成し、各々の出力29、30、31を得るレジスタ群32を構成する。
【0008】このようにアドレスバスでアドレッシングされるレジスタの出力と、アドレスバスのデコード出力によって拡張されたアドレス空間を構成し、拡張されたアドレスバスによってアドレッシングされるレジスタを設けることができる。拡張されたアドレスバスを出力するレジスタと、アドレスバスのデコード出力1組によって構成される拡張されたアドレスのビット数は、拡張されたアドレスバスを出力するレジスタのビット数となる。これは、通常、データバスのビット数であり、これをmとすると、拡張されたアドレスバスによってアドレッシングされアクセス可能なレジスタの数を2のm乗個まで設けることができる。
【0009】図3は、図1に対してさらに拡張されたレジスタ群の構成図である。レジスタ群32は、図1と同一に構成される。レジスタ群32のうち、1組のレジスタの出力を拡張されたアドレスバス(以後サブアドレスa37と称す)とする。サブアドレスa37は、サブアドレス23とサブデータ24を入力とするデコーダ33の出力サブデータa38とともにデコーダ34に入力される。デコーダ34の出力は、図2で示したレジスタ1と同一の構成のレジスタ7へ入力される。レジスタ7へは、さらに書込クロック21、データバス11が入力される。また、デコーダ35でデコードした出力から同様にレジスタ8を構成し、また、デコーダ36でデコードした出力から同様にレジスタ9を構成し、各々の出力を得るレジスタ群を構成する。
【0010】このように、図1で説明した拡張されたアドレスバスでアドレッシングされるレジスタの出力と、拡張されたアドレスバスのデコード出力によって、さらに拡張されたアドレス空間を構成し、さらに拡張されたアドレスバスによってアドレッシングされるレジスタを設けることができる。
【0011】以上の説明より、アドレス空間の拡張が何重にも繰り返し行えることは明白であり、従って、アクセス可能なレジスタを数の限りなく設けることができる。
【0012】
【発明の効果】この発明は、以上説明したようにマイクロコンピュータをアドレスバスを拡張するためのレジスタと、拡張されたアドレスバスの有効、無効を決定する制御回路を有する構成としたので、アクセス可能なレジスタを必要な数だけ置けるので、マイクロコンピュータの性能向上が容易に達成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロコンピュータの有するレジスタ群の構成図である。
【図2】従来のマイクロコンピュータの有するレジスタ群の構成図である。
【図3】本発明のマイクロコンピュータの有するレジスタ群の他の構成図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5、6、7、8、9 レジスタ
10−1、10−2 アドレスバス
11−1、11−2 データバス
12、13、14、25、26 デコーダ
27、28、33、34、35、36 デコーダ
15 書込クロック発生回路
16、17 フリップフロップ
18−1、18−2、19−1、19−2、20−1、20−2 出力
29−1、29−2、30−1、30−2、31−1、31−2 出力
21 書込クロック
22 従来のレジスタ群
23−1、23−2 サブアドレス
24 サブデータ
32 レジスタ群
37−1、37−2 サブアドレスa
38 サブデータa

【特許請求の範囲】
【請求項1】 アドレスバスでアドレッシングされるレジスタを有するマイクロコンピュータにおいて、前記アドレスバスでアドレッシングされるレジスタの内のいくつかをアドレスバスを拡張するためのレジスタとして用い、拡張されたアドレスバスの有効、無効を決定する制御回路を有するマイクロコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開平6−259321
【公開日】平成6年(1994)9月16日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−43057
【出願日】平成5年(1993)3月3日
【出願人】(000002325)セイコー電子工業株式会社 (3,629)