説明

マイクロペイメント取引を処理する方法とシステム

通信ネットワーク上でマイクロペイメント取引を実行する方法とシステムが提供される。これらの方法とシステムは、マイクロペイメントが、進められた複数の支払の一つであるシームレスな支払策を提供することによって、ユビキタスなマイクロペイメントを可能とする。実施形態において、取引額が予め定義された閾値と比較され、もしも前記額が前記閾値よりも小さい場合、マイクロペイメントとして処理され、そうでなければ、第2の処理システムを用いて処理される。他の実施形態において、被支払人が事前にマイクロペイメント処理システムによって検証されている場合に、取引はマイクロペイメントとして処理される。第3の実施形態において、取引は被支払人のウェブサイトを用いて行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願の相互参照)
この出願は、2006年10月11日に提出された仮出願番号60/829,057の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの使用が拡大し続けるにつれ、デジタルコンテンツ市場において重要な変化が起きてきた。例えば、音楽業界はMP3プレーヤーや他のデジタル音楽プレーヤーで用いられる新たなデジタル形式要素を採用してきた。デジタル音楽革命の結果、そのようなコンテンツの料金体系、購買行為、そしてその産業のビジネスモデルや優先度が劇的に変化してきた。例えば、デジタル音楽は個々の曲基準で、インターネット経由でしばしば購入され得る。ここで、各曲は約1ドルかかるかも知れない。
【0003】
消費者と今後予想されるその購買行為を満足させるために、他の産業は、同様に将来のモデルを再評価している。例えば、ソフトウェア会社は、インターネット経由のように、ソフトウェアをパッケージし、配布し、値段をつける、新しくよりダイナミックな方法を評価している。多くの場合、インターネットウェブサイトのようなものの購読料を支払うためのソフトウェアを配布するためにインターネットを用いることは、マイクロペイメント取引(約5ドル未満の支払高を持つ取引)の増加に帰着するだろう。2010年までに300億のマイクロペイメント取引が世界的に行われると予測されている。
【0004】
マイクロペイメント取引の一つの問題は、ユーザからの支払いを受ける費用が購入価格に対して高いことである。支払いを受ける現在の方法は、1)たびたびの単一インスタンス支払い、2)複数の支払いを合計すること、3)独自の前払いアカウント(口座)、4)独自の支払い処理システムを含む。
【0005】
たびたびの単一インスタンス支払いは、例えば、クレジットカードがマイクロペイメント取引毎に一度請求される場合に生じる。取引を処理する費用が取引額や標準の料金構造に比べて高すぎるため、アクワイアラーはそのようなサービスをマーチャント(商人)に実行可能に提供することができない。一方、消費者は支払いの大きさに比べてかなり多くのデータ(すなわち、十分なカードの細目)を提供することを要求される。さらに、消費者はそのデータの管理についての懸念を持ち得る。
【0006】
これらの欠陥に打ち勝とうと試みて複数の支払いを合計するマーチャントもいる。しかし、支払いの合計は全ての消費者の取引を処理する費用を少なくするものではない。高額の消費者の取引当たりの費用が減少されるのに対し、低額の消費者は支払請求期間内で、1か2の取引しかしないかも知れない。このように、標準の料金構造はまだ低額の消費者の取引を処理する費用を、アクワイアラーにとってとても高くしている。さらに、支払いの合計は、マーチャントに処理されない取引に増加するリスクを負わせることになる。例えば、消費者は一つの商品だけを購入するかも知れないが、マーチャントは支払請求期間の終わりまで取引を処理しない。この時までに消費者の支払カードはその制限を超えているかも知れないし、信用を落としているかも知れない。全ての取引が一つの取引に集められるので、消費者はまたその取引の個々の計算書を失い得る。
【0007】
独自の前払いアカウントは、使った分だけ支払ういくつかのサービスに用いられている。そのようなアカウントは、典型的に各マーチャント基準で用いられている。このように、このサービスは一般にビジネス、かつ/または、地理的な境界をまたがって互換的ではない。独自の前払いアカウントはまた、それらが機能している各マーチャントに対して、消費者が別のアカウントを管理し、各アカウントに現金資源を捧げることを要求する。
【0008】
支払い処理をするための第三者のシステムとの各マーチャントの契約を持つ独自の支払い処理システムは、独自の前払いアカウントと実質的に同様に、消費者を不利にする。さらに、そのようなシステムを開発するため、マーチャントは基本的設備にかなりの投資をすることを要求される。
【0009】
マーチャントと消費者にとってオンラインの購入機会を拡大するために、ユビキタスなマイクロペイメントを可能とし、また、例えば、イシュアーとアクワイアラーのようなエンティティーを促進する商業的に実現可能な方法とシステムを持つことが望ましいだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示は、マイクロペイメントが、促進された複数の支払いの一つである、広範囲のシームレスな支払い策の状況において、上述した一つまたはそれよりも多い問題を解決する又は克服することに向けられている。このように、記述される方法とシステムの明確な機能性の多くは、また、広範囲の支払い形式に独自の価値を持つ。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本方法が記述される前に、本発明は記載された特定の方法論やプロトコルに限定されず、これらは変化してもよいことが理解される必要がある。ここで用いられる用語は特定の実施形態を記述するだけの目的のために用いられており、本開示の範囲を制限することを意図するものではなく、それは添付のクレームのみによって制限されるであろうこともまた理解される必要がある。
【0012】
ここや添付のクレームに用いられるように、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈が他の方法で明確に規定しなければ、複数の参照を含むことを注意されなければならない。例えば、「取引」への参照は、一つ又はそれよりも多い取引と、その分野の通常の知識を有する者に知られている均等物などへの参照である。他に定義されていなければ、ここで用いられる全ての技術的、科学的用語は、その分野の通常の知識を有する者によって共通に理解されるのと同様の意味を有する。ここに記述されたものと同様な又は均等などのような方法や構成要素も、本発明の実施や試験に用いることができるが、好ましい方法、装置、構成要素がここに記載されている。ここで述べられた全ての発表は、参照によってここに含まれる。ここの何物も、先行発明の点で、そのような開示に先行するために発明が権利を与えられないことの自認として解釈されるべきではない。
【0013】
一つの実施形態においては、マイクロペイメント取引を処理する方法は、被支払人のウェブサイトから、商品と支払人識別子へのアクセス要求を受け取ること、支払人のパスワードを要求し、確認すること、前記支払人識別子と関連付けられたアカウントに関係する、一つ又はそれよりも多い、予め定義されたアカウントパラメータが満たされるかどうか判定すること、もしそうであるならば、前記商品にアクセスするために要求された額が、予め定義された閾値よりも小さいかどうかを判定すること、もしそうであるならば、前記支払人識別子と関連付けられたアカウントが要求された額より大きいか等しい資金を含むかどうかを判定すること、そして、もしそうであるならば、前記商品へのアクセスを許可することを含みうる。
【0014】
一つの実施形態においては、取引を処理する方法は、取引のための取引額を受け取ること、前記取引額を予め定義された閾値と比較すること、前記取引額が予め定義された閾値より小さい場合、第1の支払処理システムを用いて前記取引を処理し、前記取引額が予め定義された閾値より大きい場合、第2の支払処理システムを用いて前記取引を処理することを含みうる。第1の支払処理システムは、マイクロペイメント処理システムを含みうる。
【0015】
一つの実施形態においては、取引を処理する方法は、取引に関係する情報を受け取ること、マイクロペイメント処理システムによって、定義されたパラメータのセットの中に、被支払人が予め確認されていたかどうかを判定すること、そして、もしそうであるならば、現在の取引時に支払人から支払人識別情報を受け取ることなく前記取引を処理することを含みうる。
【0016】
一つの実施形態においては、取引を処理する方法は、被支払人から取引に関係する情報と、マイクロペイメント処理システムによって最初に生成され、そのシステムの前記支払人登録の正当性に関係する前記被支払人によって蓄積された情報と、前記支払人から前記支払人の同一性の確認を受け取ること、そして、もしそうであるならば、前記支払人から直接、支払人識別情報を受け取ることなく前記取引を処理することを含みうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の側面、特徴、利益、長所は、以下の記述や添付の図面によって明らかになるだろう。
【0018】
図1は、実施形態に関するマイクロペイメント取引の典型的な関係者のデータフロー図を示す。
【0019】
図2は、実施形態に関するマイクロペイメント取引を処理する典型的なプロセスのフロー図を示す。
【0020】
図3は、実施形態に関するマイクロペイメント処理システムの典型的な決済処理のフロー図を示す。
【0021】
図4Aと図4Bは、実施形態に関する被支払人のウェブサイトからの典型的なマイクロペイメント購入のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
支払人は、個人や小企業のような、価値の移転に携わるエンティティーである。支払人は、たいてい、被支払人から物品やサービスを購入すること、かつ/または、商品、サービス、その他の価値を被支払人と交換することによって、被支払人との取引に参加する。
【0023】
被支払人は、価値の移転に携わる第2のエンティティーである。被支払人は、たいてい、価値の交換において物品やサービスを支払人に提供することによって、かつ/または、商品、サービス、その他の価値を支払人と交換することによって、支払人との取引に参加する。
【0024】
取引は、支払人と被支払人のようなエンティティーの間の価値の流れである。
【0025】
マイクロペイメント取引は、移転されるべき交換価値が、例えば、そして限定でなく、約5ドルのような、ある閾値額よりも小さい取引である。
【0026】
図1は、実施形態におけるマイクロペイメント取引の典型的な関係者のデータフロー図を示す。図1に示されるように、マイクロペイメント取引処理システムは、支払人105と、被支払人110と、マイクロペイメント処理サーバ115と、アクワイアラー銀行120と、イシュアー銀行125と、支払人銀行130と、システムの額の流動を管理する預金アクセス銀行135と、を含みうる。2つの関係者間の典型的な取引は、図1に線で描かれ、図2と3を参照して、以下により詳細に説明される。取引をする関係者は、例えば、インターネットや、イントラネット、かつ/または、その他のデータネットワーク経由で、お互いに取引しうる。電話、PDA、ブラックベリー(Blackberry)、ゲーム機、双方向キオスク(interactive kiosk)のような他の取引方法もまた、本発明の開示の範囲内で用いることができる。
【0027】
図2は、実施形態におけるマイクロペイメントを処理する典型的な処理のフロー図を示す。図2に示されるように、支払人105はオンラインの被支払人110に買い物に行くことができ、例えば、被支払人から購入する1つ又はそれよりも多い物品、かつ/または、サービスを選択しうる(205)。もしも取引がマイクロペイメント取引ならば、選択可能な支払い方法のリストは、マイクロペイメント処理システム115のアイコンを含みうる。支払人105は、マイクロペイメント処理システム115を選択しうる。例えば、そして限定でなく、Eメールアドレス、ユーザID、電話番号、かつ/または、そのいずれかの部分のような識別子を提出することによって、支払人はマイクロペイメント取引を処理することを開始しうる(210)。実施形態において、クッキー(cookie)や、支払人のネットワークアクセス機器に位置する他の永続的なデータは、そのような識別子に関係しうる。支払人105が既に支払い処理システム115にアカウントを開設している場合、支払人105は、支払いを許可するためのパスワードを被支払人に提供するシステムへ(または、マイクロペイメント処理システムのための情報を受け取るように作られた被支払人のウェブサイト110内の位置へ)案内されうる(215)。この技術の通常の知識を有する者に明らかなように、限定でなく、生体認証機器や暗号トークンのような他の認証方法が、マイクロペイメント処理システムに支払人を証明するために用いられうる。支払人がマイクロペイメント処理システム115にまだアカウントを開設していない場合、支払人105は、アカウント開設手順を開始するための登録サブシステムに案内されうる(220)。
【0028】
アカウント開設手順の完了、または、一度パスワードが入力される、若しくはそうでなければ、アカウントが予め開設されていた場合に支払人がマイクロペイメント処理システムに認証されていると、取引を完了するための十分な金額が存在するかどうかについての判定がなされうる。もし存在しなければ、支払人105はマイクロペイメント処理システム115によって資金が受け取られる資金源を選択しうる(225)。実施形態において、例えば、自動決済機関(ACH)、アカウント振込などを経由した、例えば、そして限定でなく、クレジットカード、デビットカード、銀行アカウントからのダイレクトデビットから、カウンター越しに代理業者へ、かつ/または、銀行預金から、資金は受け取られうる(225)。マイクロペイメント処理システム115は、支払人105から提供された取引情報をアクワイアラー銀行120に送りうる(230)。アクワイアラー銀行120は、アカウント引き落としアカウント、またはカードアクワイアラーと、認証手続を進めうる。支払人105が認証されれば、アクワイアラー銀行120はマイクロペイメント処理システム115に金額の手数料を確認し(235)、支払人の確認に進める(240)。そうでなければ、マイクロペイメント処理は終了しうる(245)。他の実施形態では、支払人105は、固有の認証情報をマイクロペイメント処理システム115に提供する、1つまたはそれよりも多い付加的な機会が与えられうる。
【0029】
取引を完了するために十分な金額が存在すると、マイクロペイメント処理システム115は、いずれかの支払人アカウントからいずれかの被支払人アカウントに資金を送りうる(250)。実施形態において、支払人のアカウントと被支払人のアカウントは、同じアカウントの属性としうる。そして、マイクロペイメント処理システム115は、支払人105と被支払人110に、取引がうまく完了したことを通知しうる(255)。そして、支払人105は被支払人のウェブサイト110に戻されうる(260)。
【0030】
図3は、実施形態におけるマイクロペイメント処理システムの典型的な決済処理のフロー図を示す。図3に示されるように、アクワイアラー銀行120は、預金アクセス銀行135によって運用されているアカウントに、資金を預けうる(305)。預金アクセス銀行135は、流動(システムのアカウントが正の資金バランスを保つときに流動が起こる)を管理することができ、マイクロペイメント処理システム115の支払いを一致させうる(310)。預金アクセス銀行135は、例えば、周期的な基準で、各被支払人とそのアカウントを決済しうる(315)。例えば、預金アクセス銀行135は、毎時間、毎日、毎週、または毎月基準で、各被支払人とそのアカウントを決済しうる(315)。他の決済期間もまた、この開示の範囲内に用いられることができる。
【0031】
図4Aと4Bは、実施形態における被支払人のウェブサイト上で実行される典型的なマイクロペイメント取引のフロー図を示す。図4Aと4Bに示されるように、支払人は、ウェブブラウザのようなユーザインターフェースを経由して、被支払人のウェブサイトにアクセスしうる。ユーザインターフェースは、商品やサービスが閾値より下の価格をもつ場合、マイクロペイメント処理システムを用いた商品の支払いをする選択肢を提供するメッセージとともに、購入する商品やサービスを支払人に表示し、選択可能なマイクロペイメントアイコンを表示しうる(402)。実施形態において、マイクロペイメント処理システムを説明する情報ページへのリンクのような、付加的な情報が表示されうる(402)。実施形態において、マイクロペイメントアイコンは、マイクロペイメント取引処理を始めるために選択されうる。
【0032】
支払人がマイクロペイメント処理システムに予め登録されているかどうかと、被支払人が信用されたマーチャントであるかどうかの判定がなされうる(404)。実施形態において、被支払人は、信用されたマーチャントと考えられるべき資格を与えるプロセスに提出することを要求されうる。支払人は、更に、被支払人がその支払人にとって信用されたマーチャントとなるために、信用されたマーチャントとして資格を与えられた被支払人のリストから被支払人を選択することを要求されうる。
【0033】
実施形態において、支払人は、信用されたマーチャントに支払人の登録されたプロフィールの一部として、検証コード又はトークンを記憶させることを選択しうる。信用されたマーチャント、またはマイクロペイメントシステムと接続するときに、(例えば、インターネットバンキングや、信用されたマーチャントによる取引から独立したマイクロペイメント処理システムに進められたインターフェースを通して)支払人はこの要求をしうる。クレジットカード保有者の要求を受領すると、登録された支払人のプロフィールの一部としての記憶のために、マイクロペイメント処理システムは信用されたマーチャントに、検証コード又はトークンを提供しうる。実施形態において、検証コードやトークンは、支払人の要求に応じて生成され、特定の信用されたマーチャントになされた支払人による取引の検証だけが行われ、十分に暗号化された形式で信用されたマーチャントに提供され、マイクロペイメント処理システムにのみ解読可能でありうる。実施形態において、トークンはセッションベース認証を許可しうる。他の実施形態において、トークンはセッションスペシフィック認証なして用いられうる。支払人が信用されたマーチャントとの取引を行うとき、被支払人は、マイクロペイメント処理システムへの支払人の検証コードやトークンに添付された支払い認証要求を提出しうる。マイクロペイメント処理システムは、検証コードを解読しうる、または、別に支払い認証要求の受領のトークンを検証し、全ての必要なデータ要素に適切な支払い認証応答を提供しうる。被支払人のウェブサイトは、支払い認証応答を受領し、その応答を適切なものとして処理しうる。実施形態において、支払人が予め登録されていた場合、信用されたマーチャントは、パスワード、Eメールアドレスのような識別情報をその関係者に再度提供することなく、登録された支払人と取引を行いうる。
【0034】
支払人が予め登録されていない場合、支払人からプロフィール情報を要求する登録画面が表示されうる(406)。例えば、支払人は、名前、住所、電話番号、かつ/または、そのようなものを提供しうる。支払人が要求された情報を提供すると(408)、支払選択画面が表示されうる(410)。支払選択画面は、Visa(登録商標)ブランドのクレジットカードのように、支払いタイプを支払人が選択することができるようにし、ソースは、選択された支払いタイプと手数料金額を列挙する。実施形態において、1つまたはそれよりも多い手数料金額の選択は、プルダウンメニューを介して表示されうる。マイクロペイメント処理システムは、手数料の取引を外部の認証サービスに提供しうる(412)。取引が認証されない場合、マイクロペイメント処理システムは支払選択画面を再度表示しうる(410)。実施形態において、手数料取引が2回失敗する場合、マイクロペイメント取引は失敗しうる(414)。手数料取引が認証されると、マイクロペイメント処理システムは手数料確認画面を表示することができ(416)、例えば、パスワードと選択と、例えば、3つのセキュリティ質問の答えを要求する。本開示の範囲内で付加的な、または別の情報がユーザから要求されてもよいことは、この技術の通常の知識を有する者にとって明らかであろう。さらに、セキュリティ質問の数の変更、他のセキュリティ検証方法、かつ/または、手数料取引の失敗も本開示の範囲内に含まれうる。
【0035】
ステップ404において、支払人がうまく登録処理を完了する、または、支払人が登録されたと判定されるが、被支払人が信用されるマーチャントではない場合、マイクロペイメント処理システムは、購入金額、被支払人の名前、購入する商品の説明を表示しうる(418)。システムは更に、例えば、Eメールアドレスや、入力された識別子に対応するパスワードのような識別子を支払人が入力することを要求される、テキスト入力フィールドを表示しうる(418)。そして、入力されたパスワードが識別子と一致するかどうかについての判定がなされうる(420)。一致しない場合、マイクロペイメント処理システムは、登録プロセスの間に支払人によって予め選択された、1つまたはそれよりも多いセキュリティ質問を表示しうる(422)。実施形態において、表示されるセキュリティ質問は、予め選択されたセキュリティ質問からランダムに選択されうる。表示されたセキュリティ質問に対する支払人の回答は、登録の間に提供された回答と比較されうる(424)。誤った回答が提供された場合、拒否メッセージが被支払人に送信されうる(426)。そして、被支払人のウェブサイトは、支払人から別の支払形式を要求するメッセージを表示しうる(428)。正しい回答が提供された場合、ユーザはアカウントのパスワードを再設定し確認し、代わりに新しいセキュリティ質問と応答を選択しうる(430)。そして、プロセスはステップ418に戻りうる。
【0036】
入力されたパスワードが識別子と一致すると判定された場合(420)、または、ステップ404において、支払人が登録されており、被支払人が信用されたマーチャントである場合、さらに、1つ又はそれよりも多い判定がなされうる。例えば、取引金額がユーザによって定義されたアカウントパラメータ中に収まるかどうかの判定がなされうる(432)。そのようなパラメータは、例えば、そして限定でなく、被支払人が許可されている、かつ/または、ブロックされているかどうか、合計限度額が満たされているかどうか、取引が被支払人の限度額を満たしているかどうか、かつ/または、取引がアカウントの制限時間を満たすかどうか、を含みうる。例えば、支払人毎、被支払人毎、かつ/または、アカウント基準毎のように、他のアカウントパラメータも本開示の範囲内に定義されうる。更に、アカウントの第1支払人以外の支払人によってなされる取引のために、第1支払人が取引を許可したかどうかについての判定がなされうる(434)。例えば、アカウントを用いて子供が行う取引について、親は、そのような取引のタイプ、ドル額のような制限を設定しうる。ユーザにより定義されたアカウントパラメータ、かつ/または、第1支払人パラメータが、取引で満たされない場合、被支払人のウェブサイトは、支払人に拒否メッセージを表示し(436)、別の支払形式が選択されることを要求することができる。
【0037】
全てのパラメータが満たされると、取引額と閾値との間の関係についての判定がなされうる(438)。例えば、取引額が予め定められた閾値よりも大きい、かつ/または、等しい場合、支払画面が支払人に表示されうる(440)。支払画面は、例えば、そして限定でなく、一つまたはそれよりも多い初期の支払い源(ソース)や、各ソースに対して、隠されたアカウント番号のような細目を含みうる。支払人は、ソースを選択することができ、取引は外部の認証に提出されうる(442)。選択された支払い源が取引を承認すると(444)、支払人に選択的に画面が表示されることができ(446)、例えば、購入金額、被支払人の名前、購入した商品、かつ/または、サービスの説明のようなものを載せる。支払人は、追加の情報を提供することなく、支払いを提出しうる。
【0038】
取引額が予め定められた閾値よりも小さい、かつ/または、等しい場合、取引を処理するために、マイクロペイメント処理システムが選択されうる。マイクロペイメント処理システムは、十分な資金が支払人のアカウントに残っているかどうか、判定しうる(448)。もし残っていなければ、マイクロペイメント処理システムは、クレジットカード、銀行アカウントのような、初期の支払い源から、支払人が追加の資金をアカウントに加えることを要求する画面を表示しうる(450)。実施形態において、クレジットカード番号、銀行アカウント番号のようなものの最後の4ケタのように、隠された情報とともに初期の支払い源を、画面が表示しうる。実施形態において、支払人は、別の支払い源を提供しうる。実施形態において、そのアカウントに加えるアカウントが、プルダウンメニューや、予め選択された額を持つ同様の方法で表示されうる。実施形態において、画面は、支払人が特定のアカウントを特定することができるテキスト入力フィールドを含みうる。支払人が、そのアカウントに追加するアカウントを特定すると、マイクロペイメント処理システムは、選択された支払い源によって外部認証のために手数料取引を提出しうる(452)。選択された支払い源が取引を承認すると(444)、支払人に選択的に画面が表示されることができ(446)、例えば、購入金額、被支払人の名前、購入した商品、かつ/または、サービスの説明のようなものを載せる。支払人は、追加の情報を提供することなく、支払いを提出しうる。
【0039】
十分な資金がアカウントに残っている、またはそのアカウントに加えられると、取引確認が被支払人のウェブサイトに提供されうる(454)。マイクロペイメント処理システムから確認を受領すると、被支払人のウェブサイトは、支払人への確認メッセージを表示し(456)、商品、かつ/または、サービスへのアクセスを許可しうる(458)。実施形態において、支払人が追加の商品、かつ/または、サービスを購入することを望む場合(460)、そのような追加の商品、かつ/または、サービスのマイクロペイメント購入処理は、例えば、ステップ432にスキップしうる。実施形態において、追加の商品、かつ/または、サービスが、単一のアクセス期間に購入されることになるときにのみ、マイクロペイメント購入処理はステップ432にスキップしうる。実施形態において、例えば、支払人が予め定義された事前購入の時間周期内に購入を行わない、支払人が異なるウェブサイトにアクセスしたなどの場合、支払人は再度パスワードを提供することを要求されることができる。代わりに、被支払人が信用されたマーチャントである場合、マイクロペイメント購入処理は、ステップ432にスキップしうる。
【0040】
以上に開示されたもの、他の特徴や機能の変形、または、それらの代替物は、多くの他の異なるシステムや応用に好ましく結合されることができることが認められるだろう。また、様々な、現在予期しない、または、予想されていない代替物、修正、変形、または、その改善は、開示された実施形態によってまた包含される技術の通常の知識を有する者によって、結果的になされることができることが認められるだろう。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4A】

【図4B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支払人と被支払人との間でマイクロペイメント取引を処理する方法であって、
(a)被支払人から、商品へのアクセス要求と支払人識別子とを受け取ること、
(b)支払人の同一性を要求し、検証すること、
(c)一つ又はそれよりも多い、予め定義されたアカウントパラメータが満たされるかどうか判定することであって、前記パラメータが前記支払人識別子と関連付けられたアカウントに関係し、
(d)もしそうであるならば、前記商品のアクセスに要求された額が予め定義された閾値よりも小さいかどうかを判定すること、
(e)もしそうであるならば、前記支払人識別子と関連付けられたアカウントが、要求された額より大きいか等しい資金を含むかどうかを判定すること、
(f)もしそうであるならば、前記商品へのアクセスを許可すること、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、ステップ(b)はパスワードの使用を伴う。
【請求項3】
請求項1の方法であって、前記被支払人は前記支払人識別子へのアクセスを有さない。
【請求項4】
請求項1の方法であって、前記予め定義された閾値は前記被支払人と前記支払人に関連付けられている。
【請求項5】
請求項1の方法であって、前記予め定義されたアカウントパラメータは、被支払人額制限、合計額制限、時間制限、又は前記被支払人がブロックされたかどうか、の中の一つ又はそれよりも多くを含む。
【請求項6】
第2支払人と被支払人との間でマイクロペイメント取引を処理する方法であって、
(a)被支払人から、商品へのアクセス要求と第2支払人識別子を受け取ること、
(b)前記第2支払人の同一性を要求し、検証すること、
(c)一つ又はそれよりも多い、予め定義されたアカウントパラメータが満たされるかどうか判定することであって、
(i)前記パラメータが前記第2支払人識別子と関連付けられたアカウントに関係し、
(ii)前記アカウントは第1支払人と主に関連付けられており、
(iii)一つ又はそれよりも多いパラメータが前記第2支払人のみに適合し、
(d)もしそうであるならば、前記商品にアクセスするために要求された額が予め定義された閾値よりも小さいかどうかを判定すること、
(e)もしそうであるならば、前記第2支払人識別子と関連付けられたアカウントが、要求された額より大きいか等しい資金を含むかどうかを判定すること、
(f)もしそうであるならば、前記商品へのアクセスを許可すること、
を有する方法。
【請求項7】
請求項6の方法であって、ステップ(b)はパスワードの使用を伴う。
【請求項8】
請求項6の方法であって、前記予め定義された閾値は前記被支払人と前記第2支払人に関連付けられている。
【請求項9】
請求項6の方法であって、前記予め定義された閾値は前記第2支払人に関連付けられている。
【請求項10】
請求項6の方法であって、前記第1支払人は親又は保護者であり、前記第2支払人は子供である。
【請求項11】
支払人と信用されている被支払人との間で取引を処理する方法であって、
(a)前記信用されている被支払人から支払認証要求とトークンを受け取ることであって、前記トークンが前記支払人と関連付けられており、
(b)前記トークンを検証すること、
(c)前記信用されている被支払人に支払認証応答を送ること、
を有する方法。
【請求項12】
請求項11の方法であって、前記取引はマイクロペイメントである。
【請求項13】
請求項11の方法であって、前記トークンは暗号化されている。
【請求項14】
請求項13の方法であって、前記トークンは前記被支払人によって暗号解読可能ではない。
【請求項15】
請求項11の方法であって、前記支払人は予め登録されており、どの識別情報も送られない。
【請求項16】
請求項11の方法であって、前記トークンは単一の信用されている被支払人と関連付けられている。
【請求項17】
取引を処理する方法であって、
取引のための取引額を受け取ること、
前記取引額を予め定義された閾値と比較すること、
前記取引額が前記予め定義された閾値より小さい場合、第1の支払処理システムを用いて前記取引を処理し、
前記取引額が前記予め定義された閾値より大きい場合、第2の支払処理システムを用いて前記取引を処理すること、
を有する方法。
【請求項18】
請求項17の方法であって、前記第1の支払処理システムはマイクロペイメント処理システムを有する。
【請求項19】
信用された被支払人が登録された支払人との取引に携わりうる方法であって、
前記支払人から前記取引に関連する情報を受け取ること、前記情報は前記支払人の同一性と関係していない、
複数の支払人プロフィールの中から前記支払人のプロフィールを引き出すこと、
前記支払人のプロフィールからトークンを引き出すこと、
前記トークンに関連する情報と前記取引に関係する情報を、支払処理システムに送ること、
前記支払処理システムから支払認証を受け取ること、
を有する方法。
【請求項20】
請求項19の方法であって、前記取引はマイクロペイメントである。
【請求項21】
請求項19の方法であって、前記トークンは暗号化されている。
【請求項22】
請求項21の方法であって、前記トークンは前記被支払人によって暗号解読されることができない。
【請求項23】
請求項19の方法であって、前記トークンは前記支払処理システムによって、支払登録プロセスの間、前記被支払人に提供される。

【公表番号】特表2010−507151(P2010−507151A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532582(P2009−532582)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/081124
【国際公開番号】WO2008/046012
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(500313592)ビザ・インターナショナル・サービス・アソシエーション (8)