説明

マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置及び電子機器

【課題】製造の手間やコストを抑えること。
【解決手段】光を透過させる基板の第一面に、曲面状の底部を有する複数の第一凹部を形成する第一凹部形成工程と、前記基板の前記第一面及び複数の前記第一凹部の底部に対して、前記基板とは光屈折率が異なる第一材料を所定の厚さに積層させることで、前記第一凹部の内部を前記第一材料で埋め込むと共に、積層された前記第一材料のうち前記基板とは反対側の第二面において前記第一凹部に沿った形状の第二凹部を形成する第一材料積層工程と、前記第一材料とは光屈折率が異なる第二材料を、複数の前記第二凹部を埋めるように前記第二面に積層させる第二材料積層工程と、少なくとも積層された前記第二材料のうち前記第一材料とは反対側の第三面を研磨する研磨工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターのライトバルブとして用いられる液晶装置の画像表示領域には、光を射出する画素部と、当該画素部に電気信号を供給する配線が形成された画素間領域とが設けられている。例えば、液晶装置においては、当該画素間領域は遮光部によって覆われ、遮光部において光が透過しないようになっている。
【0003】
このような液晶装置においては、画素部から射出される光の光量はできるだけ多く、明るい光であることが望まれており、高い光利用効率を実現することが求められている。これに対して、例えば液晶装置の対向基板などにマイクロレンズを形成することにより、液晶パネルの表示に寄与しない部分に入射した光を、液晶パネルの画素部に収束し、液晶パネルの実質的な開口率の向上を図る構成が知られている。一方、マイクロレンズによっては、集光力が大きくなりすぎ、光のエネルギーが狭い範囲に集中するため、当該集光部に配置された部材が劣化するおそれがあった。また、集光により液晶層への入射光線の角度成分が大きくなり、マイクロレンズがない場合に比べてコントラスト低下を招くという問題もある。
【0004】
このため、例えば特許文献1の液晶装置は、液晶パネルの対向基板にマイクロレンズ層が2層形成された構成となっている。この構成によれば、第一層のマイクロレンズによって集光された光が、第二層のマイクロレンズにより画素全体に拡散されるため、劣化が生じない程度に光を適度に集光させることができるようになっている。また前記第二層のマイクロレンズにより液晶層への入射光線の角度成分が小さくなる方向へ光が曲げられるため、コントラストの低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−79208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の構成においては、2層のマイクロレンズを形成する際に、レンズの形状を制御するための工程が2回分必要になる。このため、マイクロレンズ基板の製造に際して手間やコストが掛かってしまう。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明は、製造の手間やコストを抑えることが可能なマイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るマイクロレンズ基板の製造方法は、光を透過させる基板の第一面に、曲面状の底部を有する複数の第一凹部を形成する第一凹部形成工程と、前記基板の前記第一面及び複数の前記第一凹部の底部に対して、前記基板とは光屈折率が異なる第一材料を所定の厚さに積層させることで、前記第一凹部の内部を前記第一材料で埋め込むと共に、積層された前記第一材料のうち前記基板とは反対側の第二面において前記第一凹部に沿った形状の第二凹部を形成する第一材料積層工程と、前記第一材料とは光屈折率が異なる第二材料を、複数の前記第二凹部を埋めるように前記第二面に積層させる第二材料積層工程と、少なくとも積層された前記第二材料のうち前記第一材料とは反対側の第三面を研磨する研磨工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、光を透過させる基板の第一面に、曲面状の底部を有する複数の第一凹部を形成し、第一面及び複数の第一凹部の底部に対して、基板とは光屈折率が異なる第一材料を所定の厚さに積層させることで、第一凹部の内部を第一材料で埋め込むと共に、積層された第一材料のうち基板とは反対側の第二面において第一凹部に沿った形状の第二凹部を形成し、第一凹部の内部を第一材料で埋め込むと共に第一材料とは光屈折率が異なる第二材料を、複数の第二凹部を埋めるように第二面に積層させることとしたので、第二材料を積層させる際にはレンズ形状を制御しなくても済むことになり、レンズ形状の制御は第一凹部の形成時のみ行えば良いことになる。これにより、製造の手間やコストを抑えることができる。
【0010】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記研磨工程は、前記第二材料を前記第二面の一部が露出するまで研磨することを含む。
本発明によれば、研磨工程において、第二材料を第二面の一部が露出するまで研磨することとしたので、第一材料の第二面側を加工しやすくすることができる。
【0011】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記研磨工程は、前記第二材料を前記第二面が露出するまで研磨した後に、さらに前記第一材料のうち前記基板と反対側の一部を研磨することを含む。
本発明によれば、研磨工程において、第二材料を第二面が露出するまで研磨することとしたので、第二凹部の内部に配置される第二材料を第二面との間で面一状態とすることができる。また、その後さらに第一材料のうち基板と反対側の一部を研磨することとしたので、研磨された第一材料の一部に他の層(例、遮光部)などを配置させる場合において、第二材料と当該他の層との間が面一状態となるように調整することができる。
【0012】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、研磨された前記第一材料の前記第二面の一部に、遮光部を形成する遮光部形成工程を更に含む。
本発明によれば、第一材料の第二面のうち研磨された部分に、遮光部を形成することとしたので、第二材料の周囲に到達する光を遮光することができる。
【0013】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記第二材料及び前記遮光部を覆うように、前記第二面に保護層を形成する保護層形成工程を更に含む。
本発明によれば、第二材料及び遮光部を覆うように、第二面に保護層を形成することとしたので、信頼性の高いマイクロレンズ基板を製造することができる。
【0014】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記第一材料として、前記基板よりも光屈折率の高い材料を用いる。
本発明によれば、第一材料として、基板よりも光屈折率の高い材料を用いることとしたので、基板から第一材料に入射する光を屈折させることができる。
【0015】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記第二材料として、前記第一材料よりも光屈折率の低い材料を用いる。
本発明によれば、第二材料として、第一材料よりも光屈折率の低い材料を用いることとしたので、第一材料から第二材料に入射する光を拡散させることができる。
【0016】
本発明に係るマイクロレンズ基板は、光を透過可能に形成され、曲面状の底部を有する複数の第一凹部を第一面に有する基板と、前記基板とは光屈折率が異なる第一材料を用いて前記基板の前記第一面に形成され、前記第一凹部の内部にそれぞれ設けられた第一マイクロレンズを有し、前記基板とは反対側の第二面において前記第一凹部に沿った形状の第二凹部を有する第一材料層と、前記第一材料とは光屈折率が異なる第二材料を用いて形成され、複数の前記第二凹部を埋めるように形成され、前記第二凹部の内部に第二マイクロレンズを有する第二材料層とを備え、各々の前記第二マイクロレンズは、前記第二面に対する傾斜が、中央部から外周部へ向けて徐々に小さくなるように形成されている。
【0017】
本発明によれば、第一マイクロレンズの形状を利用して第二マイクロレンズを形成することができるので、第二マイクロレンズを形成する際にはレンズ形状を制御しなくても済むことになり、レンズ形状の制御は第一凹部の形成時のみ行えば良いことになる。これにより、製造の手間やコストを抑えること可能なマイクロレンズ基板を得ることができる。また、第二マイクロレンズの第二面に対する傾斜が、中央部から外周部へ向けて徐々に小さくなるように形成されているので、第二マイクロレンズの外周部に入射する光の入射角を高くすることができる。これにより、光が第二マイクロレンズに対して入射しやすくなるため、光の利用効率を高めることができる。
【0018】
本発明に係るマイクロレンズ基板は、光を透過可能に形成され、曲面状の底部を有する複数の第一凹部を第一面に有する基板と、光を透過させる第一材料を用いて前記基板の前記第一面に形成され、前記第一凹部の内部にそれぞれ設けられた第一マイクロレンズを有し、前記基板とは反対側の第二面において前記第一凹部に沿った形状の第二凹部を有する第一材料層と、光を透過させる第二材料を用いて形成され、複数の前記第二凹部を埋めるように形成され、前記第二凹部の内部に第二マイクロレンズを有する第二材料層と、光屈折率が前記第一材料とほぼ等しい第三材料を用いて形成され、前記第二材料層の前記第二面を覆うように設けられた保護層とを備える。
【0019】
本発明によれば、第一マイクロレンズの形状を利用して第二マイクロレンズを形成することができるので、第二マイクロレンズを形成する際にはレンズ形状を制御しなくても済むことになり、レンズ形状の制御は第一凹部の形成時のみ行えば良いことになる。これにより、製造の手間やコストを抑えること可能なマイクロレンズ基板を得ることができる。
【0020】
本発明に係る電気光学装置は、上記のマイクロレンズ基板を備える。
本発明によれば、製造の手間やコストを抑えること可能なマイクロレンズ基板を備えるので、所期の品質を備えた安価な電気光学装置を得ることができる。
【0021】
本発明に係る電子機器は、上記の電気光学装置を備える。
本発明によれば、所期の品質を備えた安価な電気光学装置を備えるので、所期の表示品質を備えた安価な電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図。
【図2】本実施形態に係る液晶装置の断面構成を示す図。
【図3】本実施形態に係る液晶装置の電気的構成を示す配線図。
【図4】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図5】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図6】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図7】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図8】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図9】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図10】本発明の第二実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図。
【図11】本発明の第三実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図。
【図12】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図13】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図14】本発明の第四実施形態に係るプロジェクターの構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第一実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶装置120の構成を示す平面図である。図2は、液晶装置120のA−A断面に沿った構成を示す図である。
【0024】
図1に示すように、液晶装置120は、TFTアレイ基板220と対向基板210とを重ね合わせるとともに、両者の間に設けられたシール材52により貼り合わせた構成を有する。シール材52によって区画された領域内には液晶層250が封入されている。シール材52の形成領域の内側には、遮光性材料からなる周辺見切り53が形成されている。
【0025】
シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路41および外部回路実装端子42がTFTアレイ基板220の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路54が形成されている。TFTアレイ基板220の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路54の間を接続するための複数の配線55が設けられている。また、対向基板210の角部においては、TFTアレイ基板220と対向基板210との間で電気的導通をとるための基板間導通材56が配設されている。
【0026】
なお、データ線駆動回路41および走査線駆動回路54をTFTアレイ基板220の上に形成する代わりに、例えば、駆動用LSIが実装されたTAB(Tape Automated Bonding)基板とTFTアレイ基板220の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的および機械的に接続するようにしてもよい。
【0027】
図2に示すように、対向基板210は、基材200、第一レンズ層201、第二レンズ層202、遮光部203、保護層204、共通電極205及び配向膜206を有している。本実施形態では、基材200、第一レンズ層201、第二レンズ層202、遮光部203及び保護層204により、マイクロレンズ基板230が構成されている。
【0028】
基材200は、例えばガラスや石英など、光透過性を有する材料を用いて構成されている。基材200は、液晶層250側の第一面200aに形成された複数の第一凹部200bを有している。複数の第一凹部200bは、平面視で複数の画素の各々と重なり合うように配置されている。本実施形態では、複数の第一凹部200bは、マトリクス状に配列された構成を有している。複数の第一凹部200bの底部は、それぞれ曲面状に形成されている。
【0029】
第一レンズ層201は、複数の第一凹部200bを含む基材200の第一面200aの略全面に積層されている。第一レンズ層201は、例えば基材200よりも光屈折率の高い材料(第一材料)を用いて形成されている。このような第一材料としては、例えばプラズマCVD法に適用可能な材料(例えば、無機材料)などが挙げられる。
【0030】
本実施形態では、第一凹部200bの底部が曲面状に形成されているため、基材200に入射して第一凹部200bに到達した光は、基材200と第一レンズ層201との間の光屈折率の差により、平面視で第一凹部200bの中央部側へ屈折する。このように、第一レンズ層201のうち、複数の複数の第一凹部200bの内部に設けられる部分は、光を集光する第一マイクロレンズML1を構成している。各々の第一マイクロレンズML1は、平面視で複数の画素の各々と重なり合うように配置される。
【0031】
第一レンズ層201のうち液晶層250側の第二面201aには、複数の第二凹部201bが設けられている。第二凹部201bは、各第一凹部200bに対して平面視で重なる位置に設けられている。より具体的には、各第二凹部201bは、平面視で各第一凹部200bの中央部に配置されている。したがって、各第二凹部201bは、各第一凹部200bと同様、平面視で複数の画素の各々と重なり合うようにマトリクス状に配置されることになる。複数の第二凹部201bの底部は、それぞれ曲面状に形成されている。
【0032】
第二レンズ層202は、複数の第二凹部201bの内部に配置されている。第二レンズ層202は、各第二凹部201bを埋めるように形成されている。第二レンズ層202は、例えば第一レンズ層201よりも光屈折率の低い材料(第二材料)を用いて形成されている。このような第二材料としては、例えば樹脂材料などが挙げられる。
【0033】
本実施形態では、第二凹部201bの底部が曲面状に形成されているため、第一レンズ層201を透過して第二凹部201bに到達した光は、第一レンズ層201と第二レンズ層202の間の光屈折率の差により、平面視で第二凹部201bの外周側へ屈折する。このように、第二レンズ層202は、光の集光状態を調整する第二マイクロレンズML2を構成している。各々の第二マイクロレンズML2は、平面視で複数の画素の各々と重なり合うように配置される。
【0034】
遮光部203は、第一レンズ層201の第二面201aのうち第二レンズ層202から外れた領域に形成されている。平面視において、遮光部203と第二レンズ層202との間はほぼ隙間無く形成されている。本実施形態では、遮光部203は、各第二レンズ層202を平面視で囲うように格子状に形成されている。換言すると、第二レンズ層202は、平面視で格子状に形成された遮光部203に囲まれた領域に形成されている。
【0035】
また、遮光部203は、マイクロレンズ基板230の積層方向において、第二レンズ層202よりも液晶層250側に配置されている。したがって、第二レンズ層202は、マイクロレンズ基板230の積層方向において、第一レンズ層201と遮光部203との間に配置されていることになる。
【0036】
保護層204は、第二レンズ層202及び遮光部203を覆うように形成されている。保護層204は、第一レンズ層201の第二面201aのほぼ全面に亘って形成されている。共通電極205は、保護層204のほぼ全面に亘って形成されている。配向膜206は、共通電極205を覆うように形成されている。
【0037】
TFTアレイ基板220は、基材221、遮光部222、絶縁層223、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスター)224、絶縁層225、遮光部226、絶縁層227、画素電極228及び配向膜229を有している。
【0038】
基材221は、基材200と同様、例えばガラスや石英など、光透過性を有する材料を用いて形成されている。遮光部222は、基材221の液晶層250側の第一面221aに設けられている。絶縁層223は、遮光部222を含む基材221の第一面221aを覆うように形成されている。
【0039】
TFT224は、画素電極228を駆動するスイッチング素子である。当該TFT224は、不図示の半導体層及びゲート電極を有して構成されている。半導体層には、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域が形成されている。チャネル領域とソース領域、又は、チャネル領域とドレイン領域との界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
【0040】
ゲート電極は、TFTアレイ基板220上において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に絶縁層225の一部(ゲート絶縁膜)を介して形成されている。図示を省略しているが、ゲート電極は、下層側に配置された走査線242(図3参照)にコンタクトホールを介して電気的に接続されており、走査信号が印加されることによってTFT224をオン/オフ制御している。
【0041】
遮光部222及び遮光部226は、上記対向基板210の遮光部203に平面視で重なるように格子状に形成されている。遮光部222及び遮光部226は、TFTアレイ基板220の厚さ方向において、TFT224を挟むように配置されている。遮光部222及び遮光部226が設けられていることにより、TFT224への光の入射が抑制されている。遮光部222に囲まれている矩形状の領域(開口部222a)、及び、遮光部226に囲まれている矩形状の領域(開口部226a)は、光が透過する領域となる。
【0042】
画素電極228は、開口部222a及び開口226aに平面視で重なる領域に設けられている。TFT224や当該TFT224に電気信号を供給する不図示の電極や配線等は、遮光部222及び遮光部226に平面視で重なる領域に設けられている。なお、これらの電極や配線等が遮光部222及び遮光部226を兼ねた構成であっても構わない。また、配向膜229は、画素電極228を覆うように形成されている。
【0043】
液晶層250は、対向基板210側の配向膜206と、TFTアレイ基板220側の配向膜229との間に封入されている。
【0044】
上記のように構成された液晶装置120において、例えば対向基板210の基材200に入射した光L1(平行光)は、第一マイクロレンズML1によって開口部203bの中央部側へ屈折される。その後、第二マイクロレンズML2によって開口部203bの周縁部側へ屈折される。このため、画素領域の外周部にも光が照射されることになる。
【0045】
また、基材200に入射した光L2については、第二マイクロレンズML2によってTFTアレイ基板220側の遮光部222や遮光部226から外れた方向に屈折される。更に、基材200に入射した光L3のように、第一マイクロレンズML1によって画素の外部へ屈折される光についても、第二マイクロレンズML2によって画素の内部に留まるように屈折される。このため、光の利用効率が高められる。
【0046】
図3は、液晶装置120の電気的な構成を示す回路図である。
図3に示すように、画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極228、及びTFT224が形成されている。TFT224は、画素電極228に電気的に接続されており、液晶装置120の動作時において、画素電極228に対する画像信号の供給及び非供給を相互に切り替えるように、画素電極228をスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線241は、TFT224のソース領域に電気的に接続されている。
【0047】
TFT224のゲートには走査線242が電気的に接続されている。液晶装置120は、所定のタイミングで、走査線242にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極228は、TFT224のドレインに電気的に接続されている。画素電極228には、スイッチング素子であるTFT224を一定期間だけ閉じることにより、データ線241から供給される画像信号S1、S2、…、Snが、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれる。
【0048】
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極228と対向基板210に形成された共通電極205との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号がリークするのを防止するため、画素電極228と容量線243との間に蓄積容量270が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
【0049】
液晶層250を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードの場合、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少する。ノーマリーブラックモードの場合、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が射出される。
【0050】
次に、上記のマイクロレンズ基板230の製造方法を説明する。
まず、ガラスや石英などを用いて形成された基材200を用意する。次に、当該基材200に対してウエットエッチング処理を行うことにより、図4に示すように、基材200の第一面200aに曲面状の底部を有する複数の第一凹部200bを形成する(第一凹部形成工程)。当該第一凹部200bは、平面視でマトリクス状に配置されるようにする。
【0051】
次に、基材200のうち複数の第一凹部200bを含む第一面200aのほぼ全面に対して、プラズマCVD法や蒸着法などの手法により、例えば基材200よりも光屈折率の高い無機材料(第一材料)の層を形成する(第一材料積層工程)。この工程により、図5に示すように、第一材料層251が形成される。
【0052】
第一材料層251は、厚さ方向において、基材200の第一面200a及び第一凹部200bの形状に沿って形成される。このため、第一材料層251の表面251aには、第一凹部200bの形状に沿った第二凹部201bが形成される。また、この構成においては、第一材料層251のうち第一凹部200bの内部に入り込んだ部分によって第一マイクロレンズML1が形成される。
【0053】
次に、第二凹部201bが形成された第一材料層251の表面251aに対して、インクジェット法などの手法を用いて、上記の第一材料層251よりも光屈折率の低い樹脂材料の層を形成する(第二材料積層工程)。この工程により、図6に示すように、第二材料層252が形成される。この工程では、第二材料層252が第一材料層251の第二凹部201bに入り込んで第二マイクロレンズML2が形成されると共に、第二材料層252の表面(第三面)252aが平坦に形成される。
【0054】
次に、例えば化学機械研磨(CMP)法などの手法により、第二材料層252の表面252aを研磨する(研磨工程)。この工程では、まず第二材料層252を研磨して第一材料層251を露出させると共に、平面視で第二マイクロレンズML2の周囲に第一材料層251が格子状に形成されるように第一材料層251の一部を研磨する。この工程により、図7に示すように、第一レンズ層201及び第二レンズ層202が形成される。第一レンズ層201のうち基材200とは反対側には、平坦な第二面201aが形成される。また、当該第二面201aは、第二レンズ層202と面一状態となる。
【0055】
その後、上記のように形成された第一レンズ層201及び第二レンズ層202に対して、図8に示すように、第一レンズ層201の第二面201aのうち平面視で第二レンズ層202を囲う領域に遮光部203を形成する。この工程により、遮光部203が第二マイクロレンズML2との間にほぼ隙間が無いように格子状に形成される。
【0056】
その後、図9に示すように、第一レンズ層201の第二面201a及び遮光部203を覆うように保護層204を形成する。以上の工程により、マイクロレンズ基板230が形成される。なお、液晶装置120の対向基板210を形成する場合には、図9に示すように、当該保護層204に対して共通電極205及び配向膜206を積層させる。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、基材200の第一面200aに第一凹部200bを形成し、第一面200a及び複数の第一凹部200bの底部に対して、第一材料(無機材料)を所定の厚さに積層させて第一材料層251を形成することで、第一凹部200bの内部に第一マイクロレンズML1を形成する。また、第一材料層251を形成することにより、当該第一材料層251の表面251aにおいては第一凹部200bに沿った形状の第二凹部201bが形成される。その後、複数の第二凹部201bを埋めるように表面251aに第二材料層252を形成することで、第二凹部201bの内部に第二マイクロレンズML2を形成することができる。このように、第二マイクロレンズML2を形成する際にはレンズ形状を制御しなくても済むことになり、レンズ形状の制御は第一凹部200bの形成時のみ行えば良いことになる。これにより、製造の手間やコストを抑えることができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、製造の手間やコストを抑えること可能なマイクロレンズ基板230を備えるので、所期の品質を備えた安価な液晶装置120を得ることができる。
【0059】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
図10は、本実施形態に係る液晶装置320の構成を示す断面図である。
図10に示すように、本実施形態では、平面視において、遮光部203と第二レンズ層202(第二マイクロレンズML2)との間に隙間が形成された構成となっている。
【0060】
このような構成においては、基材200に入射した光L1〜L3のうち、例えば光L1については、第一マイクロレンズML1によって集光された後、第二マイクロレンズML2と遮光部203との間を通過してTFTアレイ基板220側へ進行する。
【0061】
第二マイクロレンズML2が遮光部203による開口部203bの全領域に亘って設けられている場合、開口部203bの外周部に到達した光の一部が遮光部203側へ拡散され、例えばTFTアレイ基板220側の遮光部226や遮光部222によって吸収されてしまう可能性が考えられる。これに対して、本実施形態によれば、遮光部203による開口部203bの外周部に到達した光を第二マイクロレンズML2によって遮光部203側へ拡散せずに済むため、光の利用効率を一層高めることができる。
【0062】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
図11は、本実施形態に係る液晶装置420の構成を示す断面図である。
本実施形態において、第二レンズ層202は、断面視で第一レンズ層201の第二面201aに対する第二マイクロレンズML2の傾斜が、当該第二マイクロレンズML2の中央部から外周部へ向けて徐々に小さくなるように形成されている。また、本実施形態において、遮光部203は、平面視において第二マイクロレンズML2の外周部の一部に重なるように形成されている。
【0063】
このような構成においては、基材200に入射した光L1〜L3のうち、例えば光L1のように第二マイクロレンズML2に外周部側に入射する光の入射角が高くなる。第二マイクロレンズML2に対して光が入射しやすくなるため、光の利用効率が高められることになる。
【0064】
上記の構成を製造する場合、まず、上記第一実施形態と同様に、基材200に対してウエットエッチング処理を行って基材200の第一面200aに曲面状の底部を有する複数の第一凹部200bを形成し(第一凹部形成工程)、基材200のうち複数の第一凹部200bを含む第一面200aのほぼ全面に対して第一材料層251を形成し(第一材料積層工程)、第一材料層251の表面251aに対して第二材料層252を形成して(第二材料積層工程)、図12に示す構成を形成する。
【0065】
図12に示すように、第一材料層251の第二面201aは、基材200の第一面200a側の構成に沿って形成されている。すなわち、第二凹部201bの底部の傾斜は、当該第二凹部201bの中央部から外周部へ向けて徐々に小さくなるように形成されている。
【0066】
その後、研磨工程において、この第二凹部201bの傾斜の一部を残すように、第二材料層252を研磨することにより、図13に示すように、第二マイクロレンズML2の傾斜が、当該第二マイクロレンズML2の中央部から外周部へ向けて徐々に小さくなるように形成される。
【0067】
その後、第一レンズ層201の第二面201aのうち平面視で第二レンズ層202を囲う領域に遮光部203を形成し、第一レンズ層201の第二面201a及び遮光部203を覆うように保護層204を形成する。以上の工程により、マイクロレンズ基板230が形成される。
【0068】
以上のように、本実施形態によれば、第一マイクロレンズML1の形状を利用して第二マイクロレンズML2を形成することができるので、第二マイクロレンズML2を形成する際にはレンズ形状を制御しなくても済むことになり、レンズ形状の制御は第一凹部200bの形成時のみ行えば良いことになる。これにより、製造の手間やコストを抑えること可能なマイクロレンズ基板230を得ることができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、第二マイクロレンズML2の第二面201aに対する傾斜が、中央部から外周部へ向けて徐々に小さくなるように形成されているので、第二マイクロレンズML2の外周部に入射する光の入射角を高くすることができる。これにより、光が第二マイクロレンズML2に対して入射しやすくなるため、光の利用効率を高めることができる。
【0070】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態を説明する。
図14は、本実施形態に係るプロジェクター100の光学系を示す模式図である。
図14に示すように、プロジェクター100は、光源装置101と、インテグレーター104と、偏光変換素子105と、色分離導光光学系102と、光変調装置としての液晶光変調装置110R,液晶光変調装置110G, 液晶光変調装置110Bと、クロスダイクロイックプリズム112及び投写光学系114と、を具備して構成されている。液晶光変調装置110R、110G及び110Bには、後述するように、液晶装置120R、120G及び120Bが設けられている。この液晶装置120R、120G及び120Bとして、例えば上記各実施形態において説明した液晶装置120、320及び420を用いることができる。
【0071】
光源装置101は、第1色光である赤色光(以下、「R光」という。)、第2色光である緑色光(以下、「G光」という。)、及び第3色光である青色光(以下、「B光」という。)を含む光を供給する。光源装置101としては、例えば超高圧水銀ランプを用いることができる。
【0072】
インテグレーター104は、光源装置101からの光の照度分布を均一化する。照度分布を均一化された光は、偏光変換素子105にて特定の振動方向を有する偏光光、例えば色分離導光光学系102の反射面に対してs偏光したs偏光光に変換される。s偏光光に変換された光は、色分離導光光学系102を構成するR光透過ダイクロイックミラー106Rに入射する。
【0073】
色分離導光光学系102は、R光透過ダイクロイックミラー106Rと、B光透過ダイクロイックミラー106Gと、3枚の反射ミラー107と、2枚のリレーレンズ108と、を具備して構成されている。
【0074】
R光透過ダイクロイックミラー106Rは、R光を透過し、G光、B光を反射する。R光透過ダイクロイックミラー106Rを透過したR光は、反射ミラー107に入射する。
【0075】
反射ミラー107は、R光の光路を90度折り曲げる。光路を折り曲げられたR光は、R光用液晶光変調装置110Rに入射する。R光用液晶光変調装置110Rは、R光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。
【0076】
R光用液晶光変調装置110Rは、λ/2位相差板123R、ガラス板124R、第1偏光板121R、液晶装置120R、及び第2偏光板122Rを有する。λ/2位相差板123R及び第1偏光板121Rは、偏光方向を変換させない透光性のガラス板124Rに接する状態で配置される。なお、図1において、第2偏光板122Rは独立して設けられているが、液晶装置120Rの射出面や、クロスダイクロイックプリズム112の入射面に接する状態で配置しても良い。
【0077】
R光透過ダイクロイックミラー106Rで反射された、G光とB光とは光路を90度折り曲げられる。光路を折り曲げられたG光とB光とは、B光透過ダイクロイックミラー106Gに入射する。B光透過ダイクロイックミラー106Gは、G光を反射し、B光を透過する。B光透過ダイクロイックミラー106Gで反射されたG光は、G光用液晶光変調装置110Gに入射する。G光用液晶光変調装置110GはG光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。G光用液晶光変調装置110Gは、液晶装置120G、第1偏光板121G及び第2偏光板122Gを有する。
【0078】
G光用液晶光変調装置110Gに入射するG光は、s偏光光に変換されている。G光用液晶光変調装置110Gに入射したs偏光光は、第1偏光板121Gをそのまま透過し、液晶装置120Gに入射する。液晶装置120Gに入射したs偏光光は、画像信号に応じた変調により、G光がp偏光光に変換される。液晶装置120Gの変調により、p偏光光に変換されたG光が、第2偏光板122Gから射出される。このようにして、G光用液晶光変調装置110Gで変調されたG光は、クロスダイクロイックプリズム112に入射する。
【0079】
B光透過ダイクロイックミラー106Gを透過したB光は、2枚のリレーレンズ108と、2枚の反射ミラー107とを経由して、B光用液晶光変調装置110Bに入射する。
【0080】
B光用液晶光変調装置110Bは、B光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。B光用液晶光変調装置110Bは、λ/2位相差板123B、ガラス板124B、第1偏光板121B、液晶装置120B、及び第2偏光板122Bを有する。
【0081】
B光用液晶光変調装置110Bに入射するB光は、s偏光光に変換されている。B光用液晶光変調装置110Bに入射したs偏光光は、λ/2位相差板123Bによりp偏光光に変換される。p偏光光に変換されたB光は、ガラス板124B及び第1偏光板121Bをそのまま透過し、液晶装置120Bに入射する。液晶装置120Bに入射したp偏光光は、画像信号に応じた変調により、B光がs偏光光に変換される。液晶装置120Bの変調により、s偏光光に変換されたB光が、第2偏光板122Bから射出される。B光用液晶光変調装置110Bで変調されたB光は、クロスダイクロイックプリズム112に入射する。
【0082】
このように、色分離導光光学系102を構成するR光透過ダイクロイックミラー106RとB光透過ダイクロイックミラー106Gとは、光源装置101から供給される光を、第1色光であるR光と、第2色光であるG光と、第3色光であるB光とに分離する。
【0083】
色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112は、2つのダイクロイック膜112a、112bをX字型に直交して配置して構成されている。ダイクロイック膜112aは、B光を反射し、G光を透過する。ダイクロイック膜112bは、R光を反射し、G光を透過する。このように、クロスダイクロイックプリズム112は、R光用液晶光変調装置110R、G光用液晶光変調装置110G、及びB光用液晶光変調装置110Bでそれぞれ変調されたR光、G光及びB光を合成する。
【0084】
投写光学系114は、クロスダイクロイックプリズム112で合成された光をスクリーン116に投射する。これにより、スクリーン116上でフルカラー画像を得ることができる。
【0085】
以上のように、本実施形態によれば、所期の品質を備えた安価な液晶装置120R、120G及び120B(液晶装置120、320又は420)を備えるので、所期の表示品質を備えた安価なプロジェクター100を得ることができる。
【0086】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、第一レンズ層201(第一マイクロレンズML1)と保護層204との間で光屈折率が揃うように形成する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、第一レンズ層201と保護層204との間で光屈折率が異なるように構成するようにしても構わない。
【符号の説明】
【0087】
ML1…第一マイクロレンズ ML2…第二マイクロレンズ 120、320、420(120R、120G、120B)…液晶装置 200…基材 200a…第一面 200b…第一凹部 201…第一レンズ層 201a…第二面 201b…第二凹部 202…第二レンズ層 203…遮光部 203b…開口部 204…保護層 205…共通電極 206…配向膜 210…対向基板 220…TFTアレイ基板 221a…第一面 222…遮光部 222a…開口部 223…絶縁層 224…TFT 225…絶縁層 226…遮光部 226a…開口 227…絶縁層 228…画素電極 229…配向膜 230…マイクロレンズ基板 250…液晶層 251…第一材料層 251a…表面 252…第二材料層 252a…表面 100…プロジェクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を透過させる基板の第一面に、曲面状の底部を有する複数の第一凹部を形成する第一凹部形成工程と、
前記基板の前記第一面及び複数の前記第一凹部の底部に対して、前記基板とは光屈折率が異なる第一材料を所定の厚さに積層させることで、前記第一凹部の内部を前記第一材料で埋め込むと共に、積層された前記第一材料のうち前記基板とは反対側の第二面において前記第一凹部に沿った形状の第二凹部を形成する第一材料積層工程と、
前記第一材料とは光屈折率が異なる第二材料を、複数の前記第二凹部を埋めるように前記第二面に積層させる第二材料積層工程と、
少なくとも積層された前記第二材料のうち前記第一材料とは反対側の第三面を研磨する研磨工程と
を含むマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項2】
前記研磨工程は、前記第二材料を前記第二面の一部が露出するまで研磨することを含む
請求項1に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項3】
前記研磨工程は、前記第二材料を前記第二面が露出するまで研磨した後に、さらに前記第一材料の前記基板と反対側の一部を第一材料を研磨することを含む
請求項2に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項4】
前記第一材料の前記第二面のうち研磨された部分に、遮光部を形成する遮光部形成工程を更に含む
請求項3に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項5】
前記第二材料及び前記遮光部を覆うように、前記第二面に保護層を形成する保護層形成工程を更に含む
請求項4に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項6】
前記第一材料として、前記基板よりも光屈折率の高い材料を用いる
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項7】
前記第二材料として、前記第一材料よりも光屈折率の低い材料を用いる
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項8】
光を透過可能に形成され、曲面状の底部を有する複数の第一凹部を第一面に有する基板と、
前記基板とは光屈折率が異なる第一材料を用いて前記基板の前記第一面に形成され、前記第一凹部の内部にそれぞれ設けられた第一マイクロレンズを有し、前記基板とは反対側の第二面において前記第一凹部に沿った形状の第二凹部を有する第一材料層と、
前記第一材料とは光屈折率が異なる第二材料を用いて形成され、複数の前記第二凹部を埋めるように形成され、前記第二凹部の内部に第二マイクロレンズを有する第二材料層と
を備え、
各々の前記第二マイクロレンズは、前記第二面に対する傾斜が、中央部から外周部へ向けて徐々に小さくなるように形成されている
マイクロレンズ基板。
【請求項9】
光を透過可能に形成され、曲面状の底部を有する複数の第一凹部を第一面に有する基板と、
光を透過させる第一材料を用いて前記基板の前記第一面に形成され、前記第一凹部の内部にそれぞれ設けられた第一マイクロレンズを有し、前記基板とは反対側の第二面において前記第一凹部に沿った形状の第二凹部を有する第一材料層と、
光を透過させる第二材料を用いて形成され、複数の前記第二凹部を埋めるように形成され、前記第二凹部の内部に第二マイクロレンズを有する第二材料層と、
光屈折率が前記第一材料とほぼ等しい第三材料を用いて形成され、前記第二材料層の前記第二面を覆うように設けられた保護層と
を備える
マイクロレンズ基板。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のマイクロレンズ基板を備える電気光学装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電気光学装置を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−57781(P2013−57781A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195737(P2011−195737)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】