説明

マイクロ波整流器を備えた腹腔鏡ポート

【課題】気体で膨らませた腹部内の意図しない場の曝露を受信するためにマイクロ波用放射線検出器を提供する。
【解決手段】放射線検出器50は、腹部内でマイクロ波アンテナの外面に取り付けられた少なくとも2つの金属片で構成された受信アンテナを含み、腹部内で共振する乱れたマイクロ波エネルギーを受信する。整流器は2つの金属片の間に接続されており、金属片は、ストリップ、リング、パッチまたは他の幾何学的な組み合わせである。整流器は、乱れたマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を整流するように構成されている。フィルタは整流器に接続されており、整流されたマイクロ波エネルギーを検出信号に変換するように構成されている。膨張可能な止め具は、マイクロ波アンテナの遠位端に配置されており、腹部内に挿入されると、膨張可能な止め具は膨張する。膨張した止め具は、マイクロ波アンテナの不注意による取り出しを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年6月19日に出願された「マイクロ波焼灼アンテナ用放射線検出器(Microwave Ablation Antenna Radiation Detector)」という発明の名称の米国特許出願第12/487,917号の一部継続出願であり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、マイクロ波アンテナに関する。より詳細には、本開示は、マイクロ波焼灼アンテナ用放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0003】
特定の疾患の治療では、悪性の組織増殖(例えば腫瘍)を破壊する必要がある。腫瘍細胞は、周囲の健康な細胞に有害な温度よりも僅かに低い高温で変性することが知られている。従って、温熱療法などの公知の治療方法は、不可逆的な細胞の損傷を回避するために隣接する健康な細胞をより低い温度に維持しながら、腫瘍細胞を41℃超の温度に加熱する。そのような方法は、組織を加熱するために電磁放射線の照射を伴い、組織の焼灼および凝固を含む。特に、マイクロ波エネルギーを使用して、組織を凝固および/または焼灼し、癌細胞を変性または死滅させる。
【0004】
マイクロ波エネルギーは、組織を貫通して腫瘍に到達するマイクロ波焼灼アンテナから放射される。マイクロ波エネルギーが導体の軸から垂直に放射されるモノポールおよびダイポール型などのいくつかの種類のマイクロ波アンテナがある。モノポールアンテナは単一の細長いマイクロ波導体を含み、ダイポールアンテナは2つの導体を含む。ダイポールアンテナでは、導体は、誘電性部分によって分離された内側導体と外側導体とを含む同軸構成であってもよい。より具体的には、ダイポールマイクロ波アンテナは、アンテナの長手軸に沿って延在しかつ外側導体によって取り囲まれた細長い内側導体を有していてもよい。特定の変形形態では、外側導体の一部もしくは複数部分を選択的に除去して、エネルギーのより有効な外向きの放射を得てもよい。この種のマイクロ波アンテナ構造は通常、「漏洩導波管」または「漏洩同軸」アンテナと呼ばれている。
【0005】
マイクロ波焼灼中に、誤った装置の使用により、健康な組織に対する意図しない場の曝露が生じる場合がある。例えば、焼灼を行っている間に外科医が不十分な深さにプローブを挿入したり、外科医のミスや疲労によりプローブが抜けたり、あるいは、プローブを組織内に配置する前にプローブを作動させたりした場合に、健康な組織への損傷が生じ得る。また、共振マイクロ波空胴として機能する気体で膨らませた腹部による高い場強度が原因で、腹腔鏡処置中に、意図しない場の曝露の影響が増加する場合もある。これらの要因により、装置/プローブの挿入路に沿って腹壁に火傷が生じたこともある。
【発明の概要】
【0006】
放射線検出器は、気体で膨らませた腹部内の意図しない場曝露を受信するために、マイクロ波アンテナアセンブリ上に配置されている。放射線検出器は、腹部内にあるように遠位端でマイクロ波アンテナの外面に取り付けられた少なくとも2つの金属片で構成された受信アンテナを含む。放射線検出器は、腹部内で共振する乱れたマイクロ波エネルギーを受信するように構成されている。整流器は2つの金属片の間に接続されており、金属片は、ストリップ、リング、パッチまたは他の幾何学的な組み合わせである。整流器は、乱れたマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を整流するように構成されている。フィルタが整流器に接続されており、整流されたマイクロ波エネルギーを検出信号に変換するように構成されている。膨張可能な止め具がマイクロ波アンテナの遠位端に配置されており、腹部内に挿入されると、止め具は膨張する。膨張した止め具は、マイクロ波アンテナの不注意による取り出しを防止する。
【0007】
本開示の一態様によれば、マイクロ波アンテナアセンブリ上に配置された放射線検出器が開示される。放射線検出器は、マイクロ波エネルギーを受信するように構成された受信アンテナを含む。受信アンテナは、マイクロ波アンテナアセンブリのマイクロ波アンテナの外面に取り付けられた2つの金属片で形成されている。放射線検出器は、マイクロ波エネルギーの少なくとも一部を整流するように構成された金属片の間に接続された少なくとも1つの整流器と、少なくとも1つの整流器に接続され、かつ整流されたマイクロ波エネルギーを検出信号に変換するように構成されたフィルタとをさらに含む。
【0008】
本開示の別の態様によれば、マイクロ波アンテナアセンブリが開示される。マイクロ波アンテナアセンブリは、マイクロ波アンテナアセンブリをマイクロ波発生器に接続するように構成されたハブと、給電路を介してハブに接続された放射部とを含む。マイクロ波アンテナアセンブリは、給電路を取り囲む膨張可能な止め具をさらに含む。給電路が患者の腹部内に配置されると膨張可能な止め具は膨張して、放射部が腹部から不注意で引き抜かれるのを防止する。さらに、マイクロ波アンテナアセンブリは、放射部の近傍に、マイクロ波アンテナアセンブリ上に配置された放射線検出器を含む。放射線検出器は、マイクロ波エネルギーを受信するように構成された受信アンテナを含む。受信アンテナは、腹部内の給電路の外面に取り付けられた2つの金属片で形成されている。受信アンテナは、腹部内で共振するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を整流するように構成された金属片の間に接続された少なくとも1つの整流器をさらに含む。さらに、受信アンテナは、少なくとも1つの整流器に接続され、かつ整流されたマイクロ波エネルギーを検出信号に変換するように構成されたフィルタを含む。
【0009】
乱れたマイクロ波エネルギーを検出する方法も本開示によって想定される。本方法は、受信アンテナによって、気体で膨らませた腹部からの共振マイクロ波エネルギーを受信する工程と、受信アンテナに接続された少なくとも1つの整流器によってマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を整流する工程とを含む。さらに、本方法は、整流されたマイクロ波エネルギーを、少なくとも1つの整流器に接続されたフィルタで処理して、整流されたマイクロ波エネルギーを検出信号に変換する工程を含む。
【0010】
本開示の上記および他の側面、特徴および利点は、添付の図面を参照しながらなされる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の一実施形態に係るマイクロ波焼灼システムの概略図である。
【図2A】図2Aは、本開示の異なる実施形態に係るマイクロ波検出器の概略図である。
【図2B】図2Bは、本開示の異なる実施形態に係るマイクロ波検出器の概略図である。
【図2C】図2Cは、本開示の異なる実施形態に係るマイクロ波検出器の概略図である。
【図3】本開示の一実施形態に係る、マイクロ波を検出する際に使用される線形アンテナの概略図である。
【図4】本開示に係る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の特定の実施形態について説明する。以下の説明では、不要な詳しい説明によって本開示を曖昧にするのを避けるために周知の機能または構成については詳細に説明しない。
【0013】
本開示は、マイクロ波アンテナ上に配置された放射線検出器を提供する。一般に、検出器は、腹部内のマイクロ波エネルギーのあらゆる意図しないおよび/または乱れた放射線が検出されるような位置に配置される。放射線検出器は、検出された放射線を検出信号に変換し、次いで、電力供給を停止し、かつ/または使用者に警告するために、この信号を制御システム(例えば、マイクロ波発生器)に伝送する。
【0014】
図1は、柔軟な同軸ケーブル16を介してマイクロ波発生器14に接続されたマイクロ波アンテナアセンブリ12を含むマイクロ波焼灼システム10を示す。発生器14は、約500MHz〜約10,000MHzの動作周波数でマイクロ波エネルギーを供給するように構成されている。図示の実施形態では、アンテナアセンブリ12は、給電路20(またはシャフト)によってケーブル16に接続された放射部18を含む。より具体的には、給電路20はハブ22に接続されており、ケーブルコネクタ19を介してケーブル16に接続されている。ハブ22は、例えば、円筒状、長方形などの様々な好適な形状を有していてもよい。さらに、アンテナアセンブリ12は、給電路20の遠位端に先端48を有する放射部18を含む。
【0015】
給電路20は同軸であってもよく、内側絶縁体によって取り囲まれ、次いで、外側導体17(例えば、円筒状の導電性外装)によって取り囲まれた内側導体を含んでいてもよい。内側導体および外側導体17は、銅、金、ステンレス鋼または同様の導電率値を有する他の導電性金属で構成されていてもよい。これらの金属は、それらの特性を向上させる(例えば、導電率を向上させる、またはエネルギー損失を減少させるなど)ために、他の材料(例えば、他の導電材料)でメッキされていてもよい。一実施形態では、給電路20は、定格50オームの0.047インチの外径を有する電線を有する半剛性もしくは柔軟な同軸ケーブルで形成されていてもよい。
【0016】
アンテナアセンブリ12は、腹壁70のちょうど内側に給電路20に沿って配置された放射線検出器50を含む。さらに、放射線検出器50は、膨張可能な止め具30の近傍に配置されていてもよい。放射線検出器50は、図2A〜図2Cに詳細に示されている。放射線検出器50は、フィルタ58を介して電線71に接続されている。電線71がアンテナアセンブリ12の放射効率に対して最小の影響を与えるように、電線71は、アンテナアセンブリ12に沿った任意の場所に配置されていてもよい。電線71は、発生器14内の発光ダイオード(LED)60、スピーカ65および/または制御装置(図示せず)に接続されていてもよい。
【0017】
膨張可能な止め具30は、給電路20を取り囲むバルーンまたは他の膨張可能な材料である。止め具30は、好適な機械的特性(穿刺抵抗、ピンホール抵抗(pin hole resistance)、引張強度、膨張の際の形状適応性など)、化学的特性(給電路20に対して好適な結合を形成することなど)および生体適合性を有する材料で形成されていてもよい。別の実施形態では、膨張可能な止め具30の壁は、好適なポリ塩化ビニル(PVC)で形成されていてもよい。他の好適な材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PETP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、シリコーン、ネオプレン、ポリイソプレンまたはポリウレタン(PU)が挙げられる。
【0018】
膨張可能な止め具30は、腹壁70もしくは体腔壁内にあるように、給電路20の遠位端に配置されている。膨張可能な止め具30の位置は、手術を行うのに必要な腹部の大きさおよび/または深さに基づいて調整してもよい。
【0019】
放射部18および給電路20を患者の腹部もしくは体腔内に挿入する前には、膨張可能な止め具30は折り畳まれた形態にある。放射部18および給電路20を患者の腹部内に挿入した後、導管またはカテーテル(図示せず)を用いて膨張可能な止め具30を膨張させる。所望どおりに膨張媒体を、膨張可能な止め具30に導入しかつ/またそこから抜き出し得るように、膨張可能な止め具30を選択的な方法で、気体もしくは流体の膨張媒体(例えば、空気、水、食塩水など)で充填してもよい。膨張可能な止め具30が一旦膨張すると、放射部18の不注意による取り出しが防止される。不注意による取り出しによって、誤った組織への焼灼が生じる場合がある。次いで、処置終了後に、膨張可能な止め具30を収縮させて、放射部18および給電路20の取り出しを可能にする。
【0020】
図2Aは、放射線検出器50の第1の実施形態を示す。放射線検出器50は、給電路20の周囲に巻きつけられた2つの金属リング52aおよび52bを含む。金属リング52aおよび52bは、間隙51を跨ぐ整流素子54によって互いに接続されている。整流素子54は、ツェナーダイオード、ショットキーダイオードおよびトンネルダイオードなどの任意の種類の好適なダイオードであってもよい。1つの金属リング52aは、インダクタL1を介してLED60および接地回路(並列したR2とC2およびG)に接続されている。LED60は、ノード57からDC信号71を受信するものであり、接地Gに接続されている。あるいは、LED60は、発生器14内のスピーカおよび/または制御装置であってもよい。あるいは、両方の金属リング52aおよび52bは、RFインピーダンス/低DCインピーダンス素子Lおよび接地Gを含む接地回路に接続されていてもよい。DC接地接続は、低RF電圧位置になされている。
【0021】
放射線検出器50は、放射線検出器50が患者の腹部もしくは体腔内にある限り、給電路20および/または放射部18に沿った任意の場所に配置されていてもよい。放射線検出器50は典型的に、間隙51が高RF電圧位置にあるように給電路20に沿って配置されている。
【0022】
金属リング52aおよび52bは、銅、金、ステンレス鋼または同様の導電率値を有する他の導電性金属などの導電性材料の形状適応シートで形成されていてもよい。各リングの幅は約0.10インチ〜約2.5インチであってもよく、厚さは約0.001インチ〜約0.010インチであってもよい。金属リング52aおよび52bは、分離を提供する誘電体絶縁を有する接地平面の上に配置されていてもよい。誘電体絶縁R2は、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリシロキサンおよびそれらの組み合わせなどの非導電性形状適応材料で形成されていてもよい。
【0023】
図2の1つの整流素子54の使用によって、半波整流が可能となる。図2Bは、2つの整流素子54および56を含む放射線検出器50の他の実施形態を示す。整流素子54および56は、逆極性で金属片52aおよび52bに半田付けされている。整流素子54および56を一緒に用いると、全波整流が可能となる。
【0024】
図2Cは、3つのリング52a〜52cを含む放射線検出器55の別の実施形態を示す。3つのリングは、同じ極性の整流素子54および57によって互いに接続されている。3つのリングの使用により、整流されたマイクロ波エネルギーを検出するためのアンテナ開口部および帯域幅をより広げることができる。あるいは、リング52a〜52cは、逆極性の整流素子54および57によって互いに接続されていてもよい。さらに、整流素子(例えば、54および56)の2つは、図2Bに示す構成と同様に、各間隙51および53内で逆極性で接続されていてもよい。
【0025】
図3は、2つの金属片92aおよび92bから線形アンテナに形成された他の放射線検出器90を開示する。マイクロ波焼灼アセンブリ12の動作周波数に応じて、その2つの金属片92aおよび92bは、約0.005インチの厚さを有していてもよく、約0.1インチ〜約2インチの範囲の長さおよび幅を有していてもよい。金属片92aおよび92bは、整流素子54によって互いに接続されていてもよい。あるいは、金属片92aおよび92bは、図2Bに示す構成と同様に、全波整流を可能にするように、逆極性の2つの整流素子(例えば、54および56)によって互いに接続されていてもよい。整流素子54は、信号をDC信号に変換するためにフィルタ58に接続されている。DC信号は、電線71によって発生器14内のLED60、スピーカ65および/または制御装置に送られる。DC信号が設定限界値を超えている場合、使用者は、LED50で視覚的に、かつ/またはスピーカ65で聴覚的に知らされる。あるいは、DC信号が設定限界値を超えている場合、制御装置は、アンテナアセンブリへの電気信号の送信を自動的に停止してもよい。この限界値は、マイクロ波焼灼アセンブリ12の動作周波数に基づいて、約0.5ボルト〜約3ボルトの間で変動してもよい。また、線形アンテナ放射線検出器90をパッチ整流器またはダイポール整流器として使用してもよい。
【0026】
金属片92aおよび92bは、絶縁誘電体を間に挟んで接地平面(図示せず)に取り付けられていてもよい。金属片92aおよび92bと接地平面は、銅、金、ステンレス鋼または同様の導電率値を有する他の導電性金属などの導電性材料で作られていてもよい。絶縁誘電体は、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリシロキサンおよびそれらの組み合わせなどの非導電性形状適応材料であってもよい。
【0027】
図4は、放射線検出器50を参照しながら、気体で膨らませた腹部内の乱れたマイクロ波エネルギーを検出する方法400を示す。本方法を放射線検出器90および55などの他の放射線検出器を用いて実施し得ることを理解されたい。方法400は、工程405で始まり、工程410で放射線検出器50をマイクロ波アンテナアセンブリ12に取り付ける最初の工程を有し、工程410は、給電路20の周りに金属片52aおよび52bを巻きつけることを含む。また、本方法は、放射線検出器50を発生器14または別の制御システムに接続させる工程を含んでいてもよい。次に、工程420では、放射線検出器50を有するマイクロ波アンテナ12を、患者の腹部もしくは体腔内に配置する。あるいは、腹壁を通して放射部18および給電路20を挿入した後に、腹腔鏡ポート(lap port)(図示せず)を通して、検出器50を気体で膨らませた腹部内に配置し、放射部18の上および給電路20の周りに摺動させて、装置のゲージサイズを減少させてもよい。検出器50は、給電路20上の1つまたは複数の電極接点(図示せず)に接続している。工程430では、マイクロ波アンテナ12を腹部内の適所に固定する。例えば、工程430では、膨張可能な止め具30を膨張させてもよい。他の種類の固定材料も想定され得る。マイクロ波アンテナ12が固定されるまで(例えば、膨張可能な止め具30が膨張するまで)、発生器14内の制御装置(図示せず)によって、マイクロ波アンテナ12への電気エネルギーの送信を防止してもよい。次に、工程440では、発生器14からマイクロ波アンテナ12までマイクロ波エネルギーを送る。
【0028】
操作中、工程450では、所望の放射領域の外側(例えば、放射部18の外側)のあらゆる乱れたマイクロ波放射線が、放射線アンテナ50(すなわち、金属リング52aおよび52b)によって捕捉される。次に、工程460では、検出されたマイクロ波エネルギーを整流器54で整流し、工程470では、整流された信号をフィルタ58で処理して、検出信号(例えば、DC電圧信号)にする。次に、工程480では、検出信号を発生器14、LED60および/またはスピーカ65に伝送する。発生器14および/または他の制御回路(図示せず)は、検出信号を閾値と比較して、マイクロ波エネルギーのレベルが危険であるか否かを決定する。マイクロ波エネルギーのレベルが過剰であるという決定がなされた場合、工程495で方法400を終了する前に、工程490で、発生器14はマイクロ波エネルギーの供給を一時停止し、かつ/またはこの出来事を使用者に知らせてもよい。スピーカ65および/またはLED60を用いて使用者に知らせてもよい。
【0029】
本開示の上記実施形態は、限定的なものではなく例示を目的とするものであり、本開示の全ての実施形態を示すことは意図されていない。以下の特許請求の範囲に記載されている本開示の趣旨または範囲を逸脱せずに、記載通りに、そして法律で認識される等価物として、様々な修正および変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波アンテナアセンブリ上に配置された放射線検出器であって、
マイクロ波エネルギーを受信するように構成され、かつ前記マイクロ波アンテナアセンブリのマイクロ波アンテナの外面に取り付けられた2つの金属片で形成された受信アンテナと、
前記マイクロ波エネルギーの少なくとも一部を整流するように構成された前記金属片の間に接続された少なくとも1つの整流器と、
前記少なくとも1つの整流器に接続され、かつ前記整流されたマイクロ波エネルギーを検出信号に変換するように構成されたフィルタと、
を含む放射線検出器。
【請求項2】
前記受信アンテナは、
上面および底面をそれぞれ有する2つの誘電体基板であって、各金属片が各誘電体基板の上面に配置されている誘電体基板と、
各誘電体基板の前記底面に配置された接地部材と、
をさらに含み、
前記アンテナおよび接地部材が前記誘電体基板によって電気的に絶縁されている、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記誘電体基板は非導電性形状適応材料で形成されており、前記接地部材は導電性形状適応材料で形成されている、請求項2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの整流器はダイオードである、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項5】
前記フィルタに接続され、かつ前記検出信号が所定の閾値信号を超えている場合に動作するように構成された発光素子をさらに含む、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項6】
前記2つの金属片は、幾何学的形状のリング、パッチ、線形ストリップまたは幾何学的形状の組み合わせを有する、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項7】
前記フィルタに接続され、かつ前記検出信号が所定の閾値信号を超えている場合に動作するように構成されたスピーカをさらに含む、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項8】
前記受信アンテナは、前記マイクロ波アンテナアセンブリの前記アンテナの外面に取り付けられ、かつ第2の整流器と共に前記2つの金属片に接続された第3の金属片をさらに含む、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項9】
前記放射線検出器は、患者の腹部内の前記マイクロ波アンテナの前記遠位端に配置されている、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項10】
前記2つの金属片の間に間隙をさらに含み、前記間隙は、高RF電圧位置に前記アンテナに沿って配置されている、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項11】
前記2つの金属片の間に接続された第2の整流器をさらに含み、前記2つの整流器は、逆極性で前記金属片に半田付けされている、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項12】
マイクロ波アンテナアセンブリは、
前記マイクロ波アンテナアセンブリをマイクロ波発生器に接続するように構成されたハブと、
給電路を介して前記ハブに接続された放射部と、
前記給電路を取り囲む膨張可能な止め具であって、前記給電路が患者の腹部内に配置されると前記膨張可能な止め具は膨張して、前記放射部が前記腹部から不注意で引き抜かれるのを防止する止め具と、
前記放射部の近傍で前記マイクロ波アンテナアセンブリ上に配置された放射線検出器と、
を含み、
前記放射線検出器は、
マイクロ波エネルギーを受信するように構成され、かつ前記腹部内の前記給電路の外面に取り付けられた2つの金属片で形成された受信アンテナと、
前記腹部内の共振する前記マイクロ波エネルギーの少なくとも一部を整流するように構成された前記金属片の間に接続された少なくとも1つの整流器と、
前記少なくとも1つの整流器に接続され、かつ前記整流されたマイクロ波エネルギーを検出信号に変換するように構成されたフィルタと、
を含む、マイクロ波アンテナアセンブリ。
【請求項13】
前記受信アンテナはリングアンテナであり、
前記受信アンテナは、
上面および底面をそれぞれ有する2つの誘電体基板であって、各金属片が各誘電体基板の上面に配置されている誘電体基板と、
各誘電体基板の前記底面に配置された接地部材と、
をさらに含み、
前記アンテナおよび接地部材は、前記誘電体基板によって電気的に絶縁されている、請求項12に記載のマイクロ波アンテナアセンブリ。
【請求項14】
前記給電路は外側導体を含み、前記受信アンテナは、前記線形アンテナの長手軸が前記給電路の長手軸に実質的に平行であるように前記給電路の前記外側導体上に配置された線形アンテナである、請求項12に記載のマイクロ波アンテナアセンブリ。
【請求項15】
前記受信アンテナは、前記2つの金属片の間に間隙をさらに含み、前記間隙は、高RF電圧位置に前記給電路に沿って配置されている、請求項12に記載のマイクロ波アンテナアセンブリ。
【請求項16】
前記受信アンテナは、前記膨張可能な止め具の遠位端の近傍に配置されている、請求項12に記載のマイクロ波アンテナアセンブリ。
【請求項17】
受信アンテナによって、気体で膨らませた腹部から共振マイクロ波エネルギーを受信する工程と、
前記受信アンテナに接続された少なくとも1つの整流器によって前記マイクロ波エネルギーの少なくとも一部を整流する工程と、
前記整流されたマイクロ波エネルギーを、前記少なくとも1つの整流器に接続されたフィルタで処理して、前記整流されたマイクロ波エネルギーを検出信号に変換する工程と、
を含む、マイクロ波エネルギーの検出方法。
【請求項18】
前記検出信号を所定の閾値信号と比較する工程と、
前記検出信号と前記所定の閾値信号との比較に基づいてマイクロ波エネルギーの供給を一時停止する工程と、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記検出信号を所定の閾値信号と比較する工程と、
前記検出信号と前記所定の閾値信号との前記比較に基づいて、視覚的もしくは可聴的警告である警告を発する工程と、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
マイクロ波アンテナアセンブリの放射部を患者の腹部内に挿入する工程と、
前記放射部が確実に前記腹部内に配置されるように膨張可能な止め具を膨張させ、それにより、前記放射部が前記腹部から不注意で引き抜かれることを防止する工程と、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−236021(P2012−236021A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−107396(P2012−107396)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(511269510)ヴィヴァン メディカル,インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】