説明

マクロラクトン、ポリマーおよびタンパク質性物質を含む殺虫剤組成物

殺有害生物剤活性レベルの増強を示す有害生物防除組成物が開示される。一実施形態では、組成物は、少なくとも1種の殺有害生物剤、少なくとも1種のタンパク質性物質および少なくとも1種のポリマー物質を含む。この実施形態では、組成物は、少なくとも1種のタンパク質性物質および少なくとも1種のポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較して殺有害生物剤活性レベルの増強を示す。さらに、活性レベルの増強を示す代替実施形態の殺有害生物剤組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が全体で参照により本明細書に組み込まれる、2009年4月30日に出願された米国仮出願第61/214,952号に対する優先権を主張する。
【0002】
本明細書に開示される発明は、殺有害生物剤、および有害生物の防除におけるその使用の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
有害生物は、毎年世界中で数百万人の人の死をもたらしている。さらに、農業で損失をもたらす1万種を超える有害生物が存在する。これらの農業損失は、毎年数十億米ドルに達する。シロアリは、住宅などの様々な構造物に損害をもたらす。これらのシロアリの損害による損失は、毎年数十億米ドルに達する。最後に注目すべき点として、多くの貯蔵食物の有害生物が貯蔵食物を食べ、かつその品質を落としている。これらの貯蔵食物の損失は、毎年数十億米ドルに達するが、より重要なことは、人々から必要な食物を奪うことである。
【0004】
有害生物を破壊し、それらがもたらす損害を軽減するために、多くの殺有害生物剤組成物が長期にわたって開発されてきた。これらの組成物はしばしば、昆虫もしくは他の有害生物が生息するまたはそれらの卵が存在する環境に、それらを取り囲む空気、それらが食べる食物、またはそれらが接触する対象を含めて、施用される。これらの組成物のいくつかは、これらの環境に施用される場合、化学的および物理的分解を受けやすい。これらの種類の分解が起こる場合、殺有害生物剤の殺有害生物剤活性は、悪影響を受けることがあり得、一般に、殺有害生物剤が施用される濃度の増加および/または殺有害生物剤のより頻繁な施用が必要となる。結果として、使用者のコストおよび消費者に対するコストは、上昇し得る。したがって、例えば、殺有害生物剤組成物が、有害生物を防除するために環境に施用される場合、既存の殺有害生物剤組成物と比較して、安定性の増加および活性の増強を示す新規な殺有害生物剤組成物に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、新規な殺有害生物剤組成物ならびに昆虫および特定の他の無脊椎動物の防除におけるその使用に関する。一実施形態では、組成物は、少なくとも1種の殺有害生物剤、少なくとも1種のタンパク質性物質および少なくとも1種のポリマー物質を含む。この実施形態では、組成物は、少なくとも1種のタンパク質性物質および少なくとも1種のポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較して殺有害生物剤活性レベルの増強を示す。一形態では、少なくとも1種の殺有害生物剤は、光不安定な殺有害生物剤である。別の形態では、少なくとも1種の殺有害生物剤は、大環状ラクトン殺虫剤である。
【0006】
より特定の形態では、少なくとも1種の殺有害生物剤は、スピノシン、例えば、スピネトラムまたはスピノサドであり、少なくとも1種のタンパク質性物質は、ウシ血清アルブミン、卵アルブミン、乳漿、ゼラチンまたはゼインの少なくとも1種を含み、少なくとも1種のポリマー物質は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ラテックスまたはテルペンポリマーの少なくとも1種を含む。しかし、少なくとも1種の殺有害生物剤、タンパク質性物質およびポリマー物質に対する代替物が企図されることが理解されるべきである。
【0007】
別の実施形態では、組成物は、約2重量%から約25重量%のスピネトラム、約15重量%から約75重量%のタンパク質性物質、および約5重量%から約70重量%のポリマー物質を含む。この実施形態の一態様では、タンパク質性物質は、卵アルブミンを含み、ポリマー物質は、ポリビニルアルコールを含む。
【0008】
他の一実施形態では、組成物は、約15重量%から約60重量%のスピネトラムおよび約30重量%から約75重量%の少なくとも1種のポリマー物質を含む。この実施形態では、組成物は、少なくとも1種のポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較して殺有害生物剤活性レベルの増強を示す。この実施形態の一形態では、少なくとも1種の殺有害生物剤は、光不安定な殺有害生物剤である。特定の形態では、少なくとも1種の殺有害生物剤は、スピノシン、例えば、スピネトラムまたはスピノサドである。
【0009】
さらに別の形態では、方法は、防除が望まれる部位に、殺有害生物剤組成物の昆虫不活性化量を施用する段階を含む。
【0010】
なお、本発明のさらなる実施形態、形態、特徴、態様、利益、目的および利点は、提供される詳細な説明および実施例から当然明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書を通して、特に断らない限り、すべての温度は、セルシウス度で示され、すべてのパーセントは、重量パーセントである。
【0012】
安定性の増加および殺有害生物剤活性の増強を示す殺有害生物剤組成物は、本明細書で詳述される。さらに特定すると、一または複数の実施形態で、殺有害生物剤組成物は、残留殺有害生物剤活性の増強を示す。殺有害生物剤は、いくらかの殺有害生物剤活性もしくは殺生剤活性を示す、またはそうでなければ、有害生物集団の防除もしくは制限に関与する任意の化合物と本明細書で定義される。このような化合物には、殺真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺シロアリ剤、殺鼠剤、殺軟体動物剤、殺節足動物剤、除草剤、殺生剤、ならびにフェロモンおよび誘因物質などが含まれる。
【0013】
本明細書で記載される組成物中に含まれ得る殺有害生物剤の例には、抗生物質殺虫剤、大環状ラクトン殺虫剤(例えば、アベルメクチン殺虫剤、ミルベマイシン殺虫剤、およびスピノシン殺虫剤)、ヒ素殺虫剤、植物性殺虫剤、カルバメート殺虫剤(例えば、ベンゾフラニルメチルカルバメート殺虫剤、ジメチルカルバメート殺虫剤、オキシムカルバメート殺虫剤、およびフェニルメチルカルバメート殺虫剤)、ジアミド殺虫剤、乾燥殺虫剤、ジニトロフェノール殺虫剤、フッ素殺虫剤、ホルムアミジン殺虫剤、燻蒸殺虫剤、無機殺虫剤、昆虫成長調節剤(例えば、キチン合成阻害剤、幼若ホルモン類似物質、幼若ホルモン、脱皮ホルモンアゴニスト、脱皮ホルモン、脱皮阻害剤、プレコセン、および他の未分類昆虫成長調節剤)、ネレイストキシン類似体殺虫剤、ニコチノイド殺虫剤(例えば、ニトログアニジン殺虫剤、ニトロメチレン殺虫剤、およびピリジルメチルアミン殺虫剤)、有機塩素殺虫剤、有機リン殺虫剤、オキサジアジン殺虫剤、オキサジアゾロン殺虫剤、フタルイミド殺虫剤、ピラゾール殺虫剤、ピレスロイド殺虫剤、ピリミジンアミン殺虫剤、ピロール殺虫剤、テトラミン酸殺虫剤、テトロン酸殺虫剤、チアゾール殺虫剤、チアゾリジン殺虫剤、チオ尿素殺虫剤、尿素殺虫剤、ならびに他の未分類殺虫剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書に記載される組成物中に用いられ得る特定の殺虫剤の一部には、1,2−ジクロロプロパン、1,3ジクロロプロペン、アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アセチオン、アセトプロール、アクリナトリン、アクリロニトリル、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレトリン、アロサミジン、アリキシカルブ、アルファ−シペルメトリン、アルファ−エンドスルファン、アミジチオン、アミノカルブ、アミトン、アミトラズ、アナバシン、アチダチオン、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス−エチル、アジンホスメチル、アゾトエート、六フッ化ケイ酸バリウム、バルトリン、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベータ−シフルトリン、ベータ−シペメトリン、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ボラックス、ホウ酸、ホウ酸、ブロムフェンビンホス、ブロモシクレン、ブロモ−DDT、ブロモホス、ブロモホスエチル、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルブ、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトネート、ブトキシカルボキシム、カズサホス、ヒ酸カルシウム、多硫化カルシウム、カンフェクロール、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルビシクレン、クロルダン、クロルデコン、クロルジメホルム、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロホルム、クロロピクリン、クロルホキシム、クロルプラゾホス、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、シネリンI、シネリンII、シスメトリン、クロエトカルブ、クロサンテル、クロチアニジン、アセト亜ヒ酸銅、ヒ酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、クマホス、クミトエート、クロタミトン、クロトキシホス、クルホメート、クリオライト、シアノフェンホス、シアノホス、シアントエート、シクレトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シチオエート、DDT、デカルボフラン、デルタメトリン、デメフィオン、デメフィオン−O、デメフィオン−S、デメトン、デメトン−メチル、デメトン−O、デメトン−O−メチル、デメトン−S、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、珪藻土、ダイアジノン、ジカプトン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジクレシル、ジクロトホス、ジシクラニル、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジロール、ジメフルトリン、ジメホックス、ジメタン、ジメトエート、ジメトリン、ジメチルビンホス、ジメチラン、ジネックス、ジノプロップ、ジノサム、ジノテフラン、ジオフェノラン、ジオキサベンゾホス、ジオキサカルブ、ジオキサチオン、ジスルホトン、ジチクロホス、d−リモネン、DNOC、ドラメクチン、エクジステロン、エマメクチン、EMPC、エンペントリン、エンドスルファン、エンドチオン、エンドリン、EPN、エポフェノナン、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エタホス、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトエート−メチル、エトプロホス、ギ酸エチル、エチル−DDD、二臭化エチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、エトフェンプロックス、エトリムホス、EXD、ファムファー、フェナミホス、フェナザフロル、フェンクロルホス、フェネタカルブ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンピリトリン、フェンプロパトリン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオン−エチル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルコフロン、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホルモチオン、ホルムパラネート、ホスメチラン、ホスピレート、ホスチエタン、フラチオカルブ、フレトリン、ガンマ−シハロトリン、ガンマ−HCH、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド、HCH、HEOD、ヘプタクロル、ヘプテノホス、ヘテロホス、ヘキサフルムロン、HHDN、ヒドラメチルノン、シアン化水素、ヒドロプレン、ヒキンカルブ、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードメタン、IPSP、イサゾホス、イソベンザン、イソカルボホス、イソドリン、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソチオエート、イソキサチオン、イベルメクチン、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ジョードフェンホス、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、幼若ホルモンIII、ケレバン、キノプレン、ランバ−シハロトリン、ヒ酸鉛、レピメクチン、レプトホス、リンデン、リリムホス、ルフェヌロン、リチダチオン、マラチオン、マロノベン、マジドックス、メカルバム、メカルホン、メナゾン、メホスホラン、塩化第一水銀、メスルフェンホス、メタフルミゾン、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトホス、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、臭化メチル、メチルクロロホルム、塩化メチレン、メトフルトリン、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、メクサカルベート、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシム、ミパフォックス、ミレックス、モノクロトホス、モルホチオン、モキシデクチン、ナフタロホス、ナレド、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジド、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリラカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトン−メチル、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、パラ−ジクロロベンゼン、パラチオン、パラチオン−メチル、ペンフルロン、ペンタクロロフェノール、ペルメトリン、フェンカプトン、フェノトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、ホスニクロル、ホスファミドン、ホスフィン、ホキシム、ホキシム−メチル、ピリメタホス、ピリミカルブ、ピリミホス−エチル、ピリミホス−メチル、亜ヒ酸カリウム、チオシアン酸カリウム、pp’−DDT、プラレトリン、プレコセンI、プレコセンII、プレコセンIII、プリミドホス、プロフェノホス、プロフルトリン、プロマシル、プロメカルブ、プロパホス、プロペタンホス、プロポキスル、プロチダチオン、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンブテ、ピラクロホス、ピラフルプロール、ピラゾホス、ピレスメトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリフルキナゾン、ピリミジフェン、ピリミテート、ピリプロール、ピリプロキシフェン、クアッシア、キナルホス、キナルホスメチル、キノチオン、ラフォキサニド、レスメトリン、ロテノン、リアニア、サバジラ、シュラーダン、セラメクチン、シラフルオフェン、シリカゲル、亜ヒ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、六フッ化ケイ酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ソファミド、スピネトラム、スピノサド、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルコフロン、スルフルラミド、スルホテップ、フッ化スルフリル、スルプロホス、タウ−フルバリネート、タジムカルブ、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、TEPP、テラレトリン、テルブホス、テトラクロロエタン、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、シータ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チクロホス、チオカルボキシム、チオシクラム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオスルタップ、チューリンゲンシン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルトリン、トランスペルメトリン、トリアラテン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリクロルメタホス−3、トリクロロナート、トリフェノホス、トリフルムロン、トリメタカルブ、トリプレン、バミドチオン、バニリプロール、XMC、キシリルカルブ、ゼータ−シペルメトリン、ゾラプロホス、およびα−エクジソンが含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
さらに、上記殺虫剤の任意の組合せが、本明細書で記載される組成物中に用いられ得ることが企図される。詳細については、http://www.alanwood.net/pesticides/index.htmlにある「殺有害生物剤一般名の大要(COMPENDIUM OF PESTICIDE COMMON NAMES)」を参照されたい。また、British Crop Production Councilによる2006年著作権のCDS Tomlin編、「殺有害生物剤マニュアル(THE PESTICIDE MANUAL)」第14版も参照されたい。
【0016】
様々な殺有害生物剤は、特定の環境の影響、例えば、熱および/または光の存在下で化学的および物理的分解を受けやすい。これらの影響の後者に関して分解を受けやすい殺有害生物剤は一般に、「光不安定な」と呼ばれる。少なくとも一部の光不安定な殺有害生物剤に関して、それらの分解は、一重項酸素との反応に起因し得ると考えられる。一重項酸素と反応性である殺有害生物剤の例は、ある種のオレフィン類、芳香族類、フェノール類、ナフトール類、フラン類、ピラン類および酸素を含有する他のヘテロ環類;ピロール類、オキサゾール類、イミダゾール類、インドール類および窒素を含有する他のヘテロ環類;脂肪族、脂環式および芳香族のアミン類;アミノ酸類、ペプチド類およびタンパク質類;ならびにメルカプタン類およびスルフィド類などの硫黄含有化合物などが含まれるが、これらに限定されない。殺有害生物剤が、一重項酸素と反応性であるかどうかの確認に関するさらなる詳細は、国際特許公開第WO2007/053760号で提供されている。上記の光不安定な、一重項酸素反応性殺有害生物剤のいずれか1つまたは組合せは、本明細書で記載される組成物中に含まれ得ることが理解されるべきである。
【0017】
本明細書で記載される組成物中に単独でまたは互いに組み合わせて含まれ得る光不安定な、一重項酸素反応性殺有害生物剤のより特定の例には、微生物、微生物産物、および植物、動物、またはミネラル保有岩石に由来するもしくはそれらから抽出される物質である天然産物が含まれるが、これらに限定されない。これらの天然産物には、放線菌類などの天然由来の土壌中にすむ生物由来の産物、例えば、大環状ラクトン殺虫剤などが含まれる。1つの例示的な大環状ラクトン殺虫剤には、アベルメクチンおよびその誘導体、例えば、アバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチンおよびセラメクチンが含まれる。別の例示的な大環状ラクトン殺虫剤には、ミルベマイシンおよびその誘導体、例えば、レピメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシムおよびモキシデクチンが含まれる。さらに別の例示的な大環状ラクトン殺虫剤には、スピノサドなどのスピノシン、およびその誘導体、例えば、それらのそれぞれが、参照によりその全体でこれによって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,227,295号;同第5,670,364号;同第5,591,606号;同第6,001,981号;同第6,143,526号;同第6,455,504号;同第6,585,990号;同第6,919,464号;同第5,362,634号;同第5,539,089号;および同第5,202,242号に開示されたとおりの合成的に製造されたスピネトラムが含まれる。他の天然産物には、サバジラまたはベラトリン、除虫菊またはピレトリン、ニームオイルまたはアザジラクチン、ロテノン、リアニアまたはリアノジン、Bacillus thuringensis(B.t.)、枯草菌、フェロモン、天然誘因物質などが含まれる。本明細書で記載される組成物中に含まれ得る他の殺有害生物剤は、一重項酸素に対して反応性である合成的に製造された殺有害生物剤を含み得る。例には、インドキサカルブ、イマザリルおよびフェンプロピモルフが含まれるが、これらに限定されない。上記に加えて、本明細書で記載される組成物は、一重項酸素と反応性である少なくとも1種の殺有害生物剤、および一重項酸素と反応性でないまたはそうでなければ光不安定である他の少なくとも1種の殺有害生物剤も含み得ることが理解されるべきである。
【0018】
一実施形態では、組成物は、上記の殺有害生物剤の少なくとも1種または混合物、少なくとも1種のタンパク質性物質および少なくとも1種のポリマー物質を含む。この実施形態では、組成物は、タンパク質性物質およびポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較して殺有害生物剤活性の増強を示す。例えば、組成物の活性または半減期が延び、したがって、タンパク質性物質およびポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較する場合、同じ活性がより低い量の組成物で達成され得ることが企図される。さらにまたは代わりに、タンパク質性物質およびポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較する場合、長期にわたって改善された殺有害生物剤防除が、タンパク質性物質およびポリマー物質を含む組成物で達成されることが企図される。
【0019】
本明細書で用いられる場合、「タンパク質性物質」という用語は、タンパク質によって定義される、少なくとも1種のタンパク質を含むまたはタンパク質の基本要素である、物質、組成物または化合物を記載するために用いられる。一形態では、タンパク質性物質は、水溶性タンパク質であり得る。タンパク質性物質のさらなる非限定的な例には、少しの可能性を挙げるだけでも、アルブミン(卵アルブミンまたはウシ血清アルブミン(BSA)など);カゼイン;ゼラチン;ゼイン;乳漿組成物(ラクトースおよび乳漿タンパク質の混合物など);乳漿タンパク質およびアミノ酸(システイン、メチオニン、トリプトファン、ヒスチジン、およびチロシンなど)が含まれる。上記の非限定的なタンパク質性物質の例の2種以上の混合物は、本明細書に記載される組成物の1種または複数に含まれ得ることも企図される。
【0020】
本明細書で用いられる場合、「ポリマー物質」という用語は、少なくとも1種のポリマーまたはその誘導体で定義されるまたはそれらを含む、物質、化合物または組成物を記載するために用いられる。非限定的な一例では、ポリマー物質にはポリビニルアルコールが含まれる。他の例では、ポリマー物質には、ポリビニルアルコールの誘導体;ポリビニルピロリドンおよび/またはそれらの1種もしくは複数の誘導体;天然または合成ラテックス;多糖あるいはテルペンポリマーが含まれ得る。具体的な一例では、ポリマー物質は、高分子量ビニル−アクリルラテックス、例えば、Dow Chemical Company(2030 Dow Center,Midland,Michigan 48674)から市販されているUCAR(商標)Latex 379Gである。別の具体的な例では、ポリマー物質は、テルペンポリマー、例えば、Miller Chemical and Fertilizer Corporation(P.O.Box 333,120 Radio Road,Hanover,Pennsylvania 17331)から市販されているNU FILM 17(登録商標)である。上記の非限定的なポリマー物質の例の2種以上の混合物も、本明細書で記載される組成物の1種または複数に含まれ得ることが理解されるべきである。
【0021】
タンパク質性物質およびポリマー物質は典型的には、本明細書で記載される組成物内に活性増強量で存在する。活性増強量は、組成物の半減期を増加させ、あるいは組成物が、タンパク質性物質およびポリマー物質の非存在下で、組成物の同じ殺有害生物剤防護または防除に必要とされる量より少ないレベルで有害生物の同じ防除を達成することを可能にする量である。言い換えれば、タンパク質性物質およびポリマー物質は、組成物の防護に必要とされる割合を減少させ、またはその残留性を伸ばす。
【0022】
一実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の間の重量比を、約1:100から約100:1、約1:50から約50:1、約1:25から約25:1、約1:5から約15:1、約1:2から約12:1、約1:1から約10:1、または約2:1から約8:1で含み得る。別の実施形態では、組成物は、ポリマー物質と殺有害生物剤の間の重量比を、約1:100から約100:1、約1:50から約50:1、約1:25から約25:1、約1:8から約15:1、約1:4から約12:1、約1:2から約10:1、または約1:1から約8:1で含み得る。さらに別の実施形態では、組成物は、タンパク質性物質とポリマー物質の重量比を、約1:100から約100:1、約1:50から約50:1、約1:25から約25:1、約1:12から約12:1、約1:8から約10:1、約1:6から約8:1、または約1:4から約5:1で含み得る。なお、組成物が、タンパク質性物質と殺有害生物剤、ポリマー物質と殺有害生物剤およびタンパク質性物質とポリマー物質の間の、上に示された1つまたは複数の重量比の組合せを含み得ることも企図される。
【0023】
より特定の一実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の重量比を約3:1から約10:1、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:4から約5:1、およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比を約1:1から約7:1で含む。別のより特定の実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の重量比を約2:1から約8:1、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:2から約3:1、およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比を約2:1から約5:1で含む。なお、さらに別のより特定の実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の重量比を約4:1から約7:1、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:1から約2.5:1、およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比を約2:1から約5:1で含む。
【0024】
別の特定の実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の重量比を約1:4から約8:1、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約2:1から約12:1、およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比を約1:10から約2:1で含む。さらに別のより特定の実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の重量比を約1:2から約4:1、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約4:1から約10:1およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比を約1:8から約1:1で含む。別の特定の実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の重量比を約1:1から約2:1、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約6:1から約8:1、およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比を約1:6から約1:2で含む。
【0025】
しかし、タンパク質性物質と殺有害生物剤の間、ポリマー物質と殺有害生物剤の間およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比に対する代替値が企図されることも理解されるべきである。例えば、一実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の重量比を約1:100から約100:1、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:10から約100:1およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比を約1:100から約100:1で含み得ることが企図される。別の実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の重量比を約1:50から約50:1、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:50から約50:1およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比を約1:50から約50:1で含み得ることが企図される。なお、別の実施形態では、組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤の重量比を約1:25から約25:1、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:25から約25:1およびタンパク質性物質とポリマー物質の重量比を約1:25から25:1で含み得ることが企図される。
【0026】
さらに別の実施形態では、組成物は、約1重量%から約35重量%の殺有害生物剤、約5重量%から約85重量%のタンパク質性物質および約2重量%から約80重量%のポリマー物質を含む。別の実施形態では、組成物は、約1重量%から約30重量%の殺有害生物剤、約10重量%から約80重量%のタンパク質性物質および約3重量%から約75重量%のポリマー物質を含む。さらに別の実施形態では、組成物は、約2重量%から約25重量%の殺有害生物剤、約15重量%から約75重量%のタンパク質性物質および約5重量%から約70重量%のポリマー物質を含む。
【0027】
より特定の一実施形態では、組成物は、約1重量%から約35重量%の殺有害生物剤、約10重量%から約85重量%のタンパク質性物質および約1重量%から約35重量%のポリマー物質を含む。別のより特定の実施形態では、組成物は、約1重量%から約30重量%の殺有害生物剤、約15重量%から約75重量%のタンパク質性物質および約3重量%から約30重量%のポリマー物質を含む。さらに別の特定の実施形態では、組成物は、約2重量%から約25重量%の殺有害生物剤、約20重量%から約70重量%のタンパク質性物質および約5重量%から約25重量%のポリマー物質を含む。さらにより特定の実施形態では、組成物は、約10重量%から約20重量%の殺有害生物剤、約40重量%から約60重量%のタンパク質性物質および約5重量%から約20重量%のポリマー物質を含む。他の一実施形態では、組成物は、約5重量%から約25重量%の殺有害生物剤、約60重量%から約80重量%のタンパク質性物質および約5重量%から約25重量%のポリマー物質を含む。別の実施形態では、組成物は、約5重量%から約15重量%の殺有害生物剤、約65重量%から約75重量%のタンパク質性物質および約10重量%から約20重量%のポリマー物質を含む。
【0028】
なお、別のより特定の実施形態では、組成物は、約2重量%から約25重量%の殺有害生物剤、約5重量%から約30重量%のタンパク質性物質および約55重量%から約85重量%のポリマー物質を含む。別のより特定の実施形態では、組成物は、約3重量%から約20重量%の殺有害生物剤、約5重量%から約25重量%のタンパク質性物質および約60重量%から約80重量%のポリマー物質を含む。さらに別の特定の実施形態では、組成物は、約5重量%から約15重量%の殺有害生物剤、約10重量%から約20重量%のタンパク質性物質および約65重量%から約75重量%のポリマー物質を含む。
【0029】
なお、殺有害生物剤、タンパク質性物質およびポリマー物質の重量パーセントの代替値が、企図されることが理解されるべきである。例えば、一実施形態では、組成物は、約0.1重量%から約50重量%の殺有害生物剤、約2重量%から約90重量%のタンパク質性物質および約1重量%から約90重量%のポリマー物質を含み得ることが企図される。さらに、別の実施形態では、組成物は、約0.1重量%から約75重量%の殺有害生物剤、約0.1重量%から約95重量%のタンパク質性物質および約0.1重量%から約95重量%のポリマー物質を含み得ることが企図される。
【0030】
別の実施形態では、組成物は、前記殺有害生物剤の少なくとも1種または混合物、および少なくとも1種のポリマー物質を含む。この実施形態では、組成物は、ポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較して殺有害生物剤活性の増強を示す。例えば、組成物の活性または半減期は延び、したがって、ポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較した場合、同じ活性が組成物のより低い量で達成され得ることが企図される。さらにまたは代わりに、ポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較した場合、長期にわたって改善された殺有害生物剤の防除が達成されることが企図される。
【0031】
ポリマー物質は、上記のポリマー物質の1種、または2種以上の混合物であってもよく、典型的には組成物内に活性増強量で存在する。活性増強量は、組成物の半減期を増加させ、あるいは組成物が、ポリマー物質の非存在下で、組成物の同じ殺有害生物剤の防護または防除に必要とされる量より少ないレベルで有害生物の同じ防除を達成することを可能にする量である。言い換えれば、ポリマー物質は、組成物の防護に必要とされる割合を減少させ、またはその残留性を伸ばす。
【0032】
この実施形態の一形態では、組成物は、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:4から約10:1で含む。別の形態では、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比は、約1:4から約8:1である。より特定の形態では、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比は、約1:2から約4:1である。さらにより特定の形態では、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比は、約1:1から約2:1である。ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比の代替値が企図されることが理解されるべきである。例えば、一形態では、組成物は、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:100から約100:1で含み得ることが企図される。別の形態では、組成物は、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:50から約50:1で含み得ることが企図される。さらに別の形態では、組成物は、ポリマー物質と殺有害生物剤の重量比を約1:25から約25:1で含み得ることが企図される。
【0033】
この実施形態の別の形態では、組成物は、約5重量%から約75重量%の殺有害生物剤、約20重量%から約90重量%のポリマー物質を含む。より特定の形態では、組成物は、約10重量%から約70重量%の殺有害生物剤および約25重量%から約80重量%のポリマー物質を含む。別の形態では、組成物は、約15重量%から約60重量%の殺有害生物剤および約30重量%から約75重量%のポリマー物質を含む。なお、別の形態では、組成物は、約20重量%から約50重量%の殺有害生物剤および約40重量%から約70重量%のポリマー物質を含む。さらに別の形態では、組成物は、約20重量%から約45重量%の殺有害生物剤および約45重量%から約65重量%のポリマー物質を含む。別の形態では、組成物は、約25重量%から約40重量%の殺有害生物剤および約50重量%から約65重量%のポリマー物質を含む。殺有害生物剤およびポリマー物質の重量比とともに、ポリマー物質と殺有害生物剤の間の代替重量比が企図されることが理解されるべきである。
【0034】
上記の組成物は、任意の適当な仕方で調製および提供しまた他の成分を含むことができ、それらのさらなる詳細は以下に与えられる。例示的な一形態では、殺有害生物剤、ポリマー物質、タンパク質性物質(存在する場合)、水および任意の他の成分(存在する場合)は、一緒に混合され、均質化され、液体組成物として提供される。次いで、液体組成物は、スプレー乾燥させて、少しの可能性を挙げるだけでも、粉末または顆粒形態であり得る固体組成物を提供し得る。スプレー乾燥の間、液体組成物は、少なくとも部分的に脱水または乾燥され、このような脱水または乾燥は、液体組成物よりも少ない重量パーセントの水を含む固体組成物への液体組成物の変化をもたらす。一または複数の形態では、液体組成物が、固体組成物へ変わるにつれて、スプレー乾燥により、液体組成物から水のすべてまたは実質的にすべてが除去される。しかし、残留水が、固体組成物の一または複数の形態で存在し得ることが理解されるべきである。
【0035】
例えば、一形態では、固体組成物は、スプレー乾燥後に約0.001重量%から約20重量%の水を含む。さらに別の形態では、固体組成物は、スプレー乾燥後に約0.001重量%から約15重量%の水を含む。なお別の形態では、固体組成物は、スプレー乾燥後に約0.001重量%から約10重量%の水を含む。別の形態では、固体組成物は、スプレー乾燥後に約0.001重量%から約5重量%の水を含む。さらに別の形態では、固体組成物は、スプレー乾燥後に約0.001重量%から約4重量%の水を含む。なお、別の形態では、固体組成物は、スプレー乾燥後に約0.001重量%から約2重量%の水を含む。別の形態では、固体組成物は、スプレー乾燥後に約0.001重量%から約1重量%の水を含む。しかし、スプレー乾燥後の固体組成物中の水の重量パーセントの代替値が、企図されることが理解されるべきである。
【0036】
したがって、一実施形態では、方法は、少なくとも1種の殺有害生物剤、少なくとも1種のタンパク質性物質、少なくとも1種のポリマー物質および水を含む液体組成物を提供する段階、ならびに該液体組成物をスプレー乾燥させ、固体組成物を提供する段階を含む。別の実施形態では、方法は、少なくとも1種の殺有害生物剤、少なくとも1種のポリマー物質および水を含む液体組成物を提供する段階、ならびに該液体組成物をスプレー乾燥させ、固体組成物を提供する段階を含む。これらの実施形態の特定の一形態では、スプレー乾燥は、液体組成物が固体組成物に変わるにつれて、液体組成物から水のすべてを実質的に除去することを含む。前に検討されていないが、水以外の任意の他の揮発性物質は、液体組成物中に存在する場合、液体組成物がスプレー乾燥の間に固体組成物に変えられるにつれて、通常、完全にまたは実質的に除去される。しかし、水以外の残留揮発物質は、スプレー乾燥後に固体組成物中に存在し得ることが企図される。さらに、殺有害生物剤ならびにタンパク質性物質およびポリマー物質は一般に、揮発性ではなく、一般に、スプレー乾燥によって影響されない。したがって、スプレー乾燥後の固体組成物は、タンパク質性物質と殺有害生物剤、ポリマー物質と殺有害生物剤、およびタンパク性物質とポリマー物質の間の、液体組成物中のこれらの成分間の重量比と同じまたは実質的に同じである重量比を、必要に応じて含むことが理解されるべきである。
【0037】
有害生物
一または複数の追加の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、有害生物を防除することができる。
【0038】
一実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、線形動物門の有害生物を防除することができる。
【0039】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、節足動物門の有害生物を防除することができる。
【0040】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、鋏角亜門の有害生物を防除することができる。
【0041】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、クモ綱の有害生物を防除することができる。
【0042】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、多足亜門の有害生物を防除することができる。
【0043】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、コムカデ綱の有害生物を防除することができる。
【0044】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、六脚亜門の有害生物を防除することができる。
【0045】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、昆虫綱の有害生物を防除することができる。
【0046】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、甲虫目(カブトムシ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Acanthoscelides spp.(ゾウムシ)、Acanthoscelides obtectus(インゲンマメゾウムシ)、Agrilus planipennis(アオナガタマムシ)、Agriotes spp.(コメツキムシ)、Anoplophora glabripennis(ツヤハダゴマダラカミキリ)、Anthonomus spp.(ゾウムシ)、Anthonomus grandis(ワタミハナゾウムシ)、Aphidius spp.、Apion spp.(ゾウムシ)、Apogonia spp.(ウジ)、Ataenius spretulus(Black Turgrass Ataenius)、Atomaria linearis(pygmy mangold beetle)、Aulacophore spp.、Bothynoderes punctiventris(beet root weevil)、Bruchus spp.(ゾウムシ)、Bruchus pisorum(エンドウゾウムシ)、Cacoesia spp.、Callosobruchus maculatus(ヨツモンマメゾウムシ)、Carpophilus hemipteras(クリヤケシキスイ)、Cassida vittata、Cerosterna spp.、Cerotoma spp.(ハムシ)、Cerotoma trifurcata(bean leaf beetle)、Ceutorhynchus spp.(ゾウムシ)、Ceutorhynchus assimilis(cabbage seedpod weevil)、Ceutorhynchus napi(cabbage curculio)、Chaetocnema spp.(ハムシ)、Colaspis spp.(soil beetle)、Conoderus scalaris、Conoderus stigmosus、Conotrachelus nenuphar(スモモゾウムシ)、Cotinus nitidis(Green June beetle)、Crioceris asparagi(アスパラガスクビナガハムシ)、Cryptolestes ferrugineus(サビカクムネヒラタムシ)、Cryptolestes pusillus(カクムネヒラタムシ)、Cryptolestes turcicus(トルコカクムネヒラタムシ)、Ctenicera spp.(コメツキムシ)、Curculio spp.(ゾウムシ)、Cyclocephala spp.(ウジ)、Cylindrocpturus adspersus(sunflower stem weevil)、Deporaus marginatus(mango leaf−cutting weevil)、Dermestes lardarius(オビカツオブシムシ)、Dermestes maculates(ハラジオカツオブシムシ)、Diabrotica spp.(ハムシ)、Epilachna varivestis(インゲンテントウ)、Faustinus cubae、Hylobius pales(pales weevil)、Hypera spp.(ゾウムシ)、Hypera postica(アルファルファタコゾウムシ)、Hyperdoes spp.(オサゾウムシ)、Hypothenemus hampei(コーヒーノミキクイムシ)、Ips spp.(キクイムシ)、Lasioderma serricorne(タバコシバンムシ)、Leptinotarsa decemlineata(コロラドハムシ)、Liogenys fuscus、Liogenys suturalis、Lissorhoptrus oryzophilus(イネミズゾウムシ)、Lyctus spp.(キクイムシ/ヒラタキクイムシ)、Maecolaspis joliveti、Megascelis spp.、Melanotus communis、Meligethes spp.、Meligethes aeneus(blossom beetle)、Melolontha melolontha(common European cockchafer)、Oberea brevis、Oberea linearis、Oryctes rhinoceros(date palm beetle)、Oryzaephilus mercator(オオメノコギリヒラタムシ)、Oryzaephilus surinamensis(ノコギリヒラタムシ)、Otiorhynchus spp.(ゾウムシ)、Oulema melanopus(クビアカクビホソハムシ)、Oulema oryzae、Pantomorus spp.(ゾウムシ)、Phyllophaga spp.(May/June beetle)、Phyllophaga cuyabana、Phyllotreta spp.(ハムシ)、Phynchites spp.、Popillia japonica(マメコガネ)、Prostephanus truncates(オオコナナガシンクイムシ)、Rhizopertha dominica(コナナガシンクイムシ)、Rhizotrogus spp.(コフキコガネ)、Rhynchophorus spp.(ゾウムシ)、Scolytus spp.(キクイムシ)、Shenophorus spp.(オサゾウムシ)、Sitona lineatus(アカアシチビコフキゾウムシ)、Sitophilus spp.(コクゾウムシ)、Sitophilus granaries(グラナリアコクゾウムシ)、Sitophilus oryzae(イネゾウムシ)、Stegobium paniceum(ジンサンシバンムシ)、Tribolium spp.(flour beetle)、Tribolium castaneum(コクヌストモドキ)、Tribolium confusum(ヒラタコクヌスドモドキ)、Trogoderma variabile(キマダラカツオブシムシ)、およびZabrus tenebioidesが含まれる。
【0047】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、革翅目(ハサミムシ)を防除することができる。
【0048】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、網翅類(ゴキブリ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Blattella germanica(チャバネゴキブリ)、Blatta orientalis(トウヨウゴキブリ)、Parcoblatta pennylvanica、Periplaneta americana(ワモンゴキブリ)、Periplaneta australoasiae(コワモンゴキブリ)、Periplaneta brunnea(トビイロゴキブリ)、Periplaneta fuliginosa(クロゴキブリ)、Pyncoselus suninamensis(オガサワラゴキブリ)、およびSupella longipalpa(チャオビゴキブリ)が含まれる。
【0049】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、双翅目(ハエ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Aedes spp.(カ)、Agromyza frontella(alfalfa blotch leafminer)、Agromyza spp.(ハモグリバエ)、Anastrepha spp.(ミバエ)、Anastrepha suspensa(カリブカイミバエ)、Anopheles spp.(カ)、Batrocera spp.(ミバエ)、Bactrocera cucurbitae(ウリミバエ)、Bactrocera dorsalis(ミカンコミバエ)、Ceratitis spp.(ミバエ)、Ceratitis capitata(チチュウカイミバエ)、Chrysops spp.(アブ)、Cochliomyia spp.(ラセンウジバエ)、Contarinia spp.(タマバエ)、Culex spp.(カ)、Dasineura spp.(タマバエ)、Dasineura brassicae(ダイコンタマバエ)、Delia spp.、Delia platura(タネバエ)、Drosophila spp.(ショウジョウバエ)、Fannia spp.(filth fly)、Fannia canicularis(ヒメイエバエ)、Fannia scalaris(コブアシヒメイエバエ)、Gasterophilus intestinalis(ウマバエ)、Gracillia perseae、Haematobia irritans(ノサシバエ)、Hylemyia spp.(ネクイムシ)、Hypoderma lineatum(キスジウシバエ)、Liriomyza spp.(ハモグリバエ)、Liriomyza brassica(マメハモグリバエ)、Melophagus ovinus(sheep ked)、Musca spp.(イエバエ)、Musca autumnalis(face fly)、Musca domestica(イエバエ)、Oestrus ovis(ヒツジバエ)、Oscinella frit(キモグリバエ)、Pegomyia betae(beet leafminer)、Phorbia spp.、Psila rosae(ニンジンサビバエ)、Rhagoletis cerasi(オウトウミバエ)、Rhagoletis pomonella(リンゴミバエ)、Sitodiplosis mosellana(ムギアカタマバエ)、Stomoxys calcitrans(サシバエ)、Tabanus spp.(ウマバエ)、およびTipula spp.(ガガンボ)が含まれる。
【0050】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、半翅目(true bug)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Acrosternum hilare(green stink bug)、Blissus leucopterus(アメリカコバネナガカメムシ)、Calocoris norvegicus(potato mirid)、Cimex hemipterus(ネッタイナンキンムシ)、Cimex lectularius(ナンキンムシ)、Dagbertus fasciatus、Dichelops furcatus、Dysdercus suturellus(cotton stainer)、Edessa meditabunda、Eurygaster maura(cereal bug)、Euschistus heros、Euschistus servus(brown stink bug)、Helopeltis antonii、Helopeltis theivora(tea blight plantbug)、Lagynotomus spp.(カメムシ)、Leptocorisa oratorius、Leptocorisa varicornis、Lygus spp.(メクラカメムシ)、Lygus hesperus(western tarnished plant bug)、Maconellicoccus hirsutus、Neurocolpus longirostris、Nezara viridula(ミナミオアカメムシ)、Phytocoris spp.(メクラカメムシ)、Phytocoris californicus、Phytocoris relativus、Piezodorus guildingi、Poecilocapsus lineatus(fourlined plant bug)、Psallus vaccinicola、Pseudacysta perseae、Scaptocoris castanea、およびTriatoma spp.(オオサシガメ/サシガメ)が含まれる。
【0051】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、同翅目(アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミ、ヨコバイ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Acrythosiphon pisum(エンドウヒゲナガアブラムシ)、Adelges spp.(カサアブラムシ)、Aleurodes proletella(cabbage whitefly)、Aleurodicus disperses、Aleurothrixus floccosus(ウーリーコナジラミ)、Aluacaspis spp.、Amrasca bigutella bigutella、Aphrophora spp.(ヨコバイ)、Aonidiella aurantii(アカマルカイガラムシ)、Aphis spp.(アブラムシ)、Aphis gossypii(cotton aphid)、Aphis pomi(リンゴアブラムシ)、Aulacorthum solani(ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、Bemisia spp.(コナジラミ)、Bemisia argentifolii、Bemisia tabaci(タバココナジラミ)、Brachycolus noxius(Russian aphid)、Brachycorynella asparagi(asparagus aphid)、Brevennia rehi、Brevicoryne brassicae(ダイコンアブラムシ)、Ceroplastes spp.(カイガラムシ)、Ceroplastes rubens(ルビーロウカイガラムシ)、Chionaspis spp.(カイガラムシ)、Chrysomphalus spp.(カイガラムシ)、Coccus spp.(カイガラムシ)、Dysaphis plantaginea(オオバコアブラムシ)、Empoasca spp.(ヨコバイ)、Eriosoma lanigerum(リンゴワタムシ)、Icerya purchasi(イセリアカイガラムシ)、Idioscopus nitidulus(mango leafhopper)、Laodelphax striatellus(ヒメトビウンカ)、Lepidosaphes spp.、Macrosiphum spp.、(Macrosiphum euphorbiae(ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、Macrosiphum granarium(ムギヒゲナガアブラムシ)、Macrosiphum rosae(イバラヒゲナガアブラムシ)、Macrosteles quadrilineatus(aster leafhopper)、Mahanarva frimbiolata、Metopolophium dirhodum(rose grain aphid)、Mictis longicornis、Myzus persicae(モモアカアブラムシ)、Nephotettix spp.(ヨコバイ)、Nephotettix cinctipes(ツマグロヨコバイ)、Nilaparvata lugens(トビイロウンカ)、Parlatoria pergandii(chaff scale)、Parlatoria ziziphi(ebony scale)、Peregrinus maidis corn delphacid、Philaenus spp.(アワフキムシ)、Phylloxera vitifoliae(grape phylloxera)、Physokermes piceae(spruce bud scale)、Planococcus spp.(コナカイガラムシ)、Pseudococcus spp.(コナカイガラムシ)、Pseudococcus brevipes(パイナップルコナカイガラムシ)、Quadraspidiotus perniciosus(サンホーゼカイガラムシ)、Rhapalosiphum spp.(アブラムシ)、Rhapalosiphum maida(corn leaf aphid)、Rhapalosiphum padi(oat bird−cherry aphid)、Saissetia spp.(カイガラムシ)、Saissetia oleae(black scale)、Schizaphis graminum(ムギミドリアブラムシ)、Sitobion avenae(English grain aphid)、Sogatella furcifera(セジロウンカ)、Therioaphis spp.(アブラムシ)、Toumeyella spp.(カイガラムシ)、Toxoptera spp.(アブラムシ)、Trialeurodes spp.(コナジラミ)、Trialeurodes vaporariorum(オンシツコナジラミ)、Trialeurodes abutiloneus(bandedwing whitefly)、Unaspis spp.(カイガラムシ)、Unaspis yanonensis(ヤネノカイガラムシ)、およびZulia entrerianaが含まれる。
【0052】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、膜翅目(アリ、スズメバチ、およびミツバチ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Acromyrrmex spp.、Athalia rosae、Atta spp.(ハキリアリ)、Camponotus spp.(オオアリ)、Diprion spp.(ハバチ)、Formica spp.(アリ)、Iridomyrmex humilis(アルゼンチンアリ)、Monomorium spp.、Monomorium minumum(little black ant)、Monomorium pharaonis(ファラオアリ)、Neodiprion spp.(ハバチ)、Pogonomyrmex spp.(シュウカクアリ)、Polistes spp.(アシナガバチ)、Solenopsis spp.(カミアリ)、Tapoinoma sessile(odorous house ant)、Tetranomorium spp.(pavement ant)、Vespula spp.(スズメバチ)、およびXylocopa spp.(クマバチ)が含まれる。
【0053】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、シロアリ目(シロアリ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Coptotermes spp.、Coptotermes curvignathus、Coptotermes frenchii、Coptotermes formosanus(Formosan subterranean termite)、Cornitermes spp.(nasute termite)、Cryptotermes spp.(カンザイシロアリ)、Heterotermes spp.(desert subterranean termite)、Heterotermes aureus、Kalotermes spp.(カンザイシロアリ)、Incistitermes spp.(カンザイシロアリ)、Macrotermes spp.(fungus growing termite)、Marginitermes spp.(カンザイシロアリ)、Microcerotermes spp.(harvester termite)、Microtermes obesi、Procornitermes spp.、Reticulitermes spp.(subterranean termite)、Reticulitermes banyulensis、Reticulitermes grassei、Reticulitermes flavipes(eastern subterranean termite)、Reticulitermes hageni、Reticulitermes hesperus(western subterranean termite)、Reticulitermes santonensis、Reticulitermes speratus、Reticulitermes tibialis、Reticulitermes virginicus、Schedorhinotermes spp.、およびZootermopsis spp.(rotten−wood termite)が含まれる。
【0054】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、鱗翅目(ガおよびチョウ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Achoea janata、Adoxophyes spp.、Adoxophyes orana、Agrotis spp.(ヨトウムシ)、Agrotis ipsilon(タマナヤガ)、Alabama argillacea(cotton leafworm)、Amorbia cuneana、Amyelosis transitella(navel orangeworm)、Anacamptodes defectaria)、Anarsia lineatella(モモキバガ)、Anomis sabulifera(jute looper)、Anticarsia gemmatalis(velvetbean caterpillar)、Archips argyrospila(fruittree leafroller)、Archips rosana(rose leaf roller)、Argyrotaenia spp.(ハマキガ)、Argyrotaenia citrana(ミカンコハマキ)、Autographa gamma、Bonagota cranaodes、Borbo cinnara(コブノメイガ)、Bucculatrix thurberiella(cotton leaf perforator)、Caloptilia spp.(ハモグリムシ)、Capua reticulana、Carposina niponensis(モモシンクイガ)、Chilo spp.、Chlumetia transversa(マンゴーフサヤガ)、Choristoneura rosaceana(ハスオビハマキ)、Chrysodeixis spp.、Cnaphalocerus medinalis(grass leafroller)、Colias spp.、Conpomorpha cramerella、Cossus cossus(carpenter moth)、Crambus spp.(Sod webworm)、Cydia funebrana(スモモヒメハマキ)、Cydia molesta(ナシヒメシンクイ)、Cydia nignicana(pea moth)、Cydia pomonella(コドリンガ)、Darna diducta、Diaphania spp.(stem borer)、Diatraea spp.(stalk borer)、Diatraea saccharalis(sugarcane borer)、Diatraea graniosella(southwester corn borer)、Earias spp.(ワタキバガ)、Earias insulata(Egyptian bollworm)、Earias vitella(rough northern bollworm)、Ecdytopopha aurantianum、Elasmopalpus lignosellus(モロコシマダラメイガ)、Epiphysias postruttana(light brown apple moth)、Ephestia spp.(flour moth)、Ephestia cautella(スジマダラメイガ)、Ephestia elutella(チャマダラメイガ)、Ephestia kuehniella (スジコナマダラメイガ)、Epimeces spp.、Epinotia aporema、Erionota thrax(トガリバナナセセリ)、Eupoecilia ambiguella(ブドウホソハマキ)、Euxoa auxiliaris(army cutworm)、Feltia spp.(ネキリムシ)、Gortyna spp.(stemborer)、Grapholita molesta(ナシヒメシンクイ)、Hedylepta indicata(bean leaf webber)、Helicoverpa spp.(ヤガ)、Helicoverpa armigera(オオタバコガ)、Helicoverpa zea(bollworm/corn earworm)、Heliothis spp.(ヤガ)、Heliothis virescens(タバコガ)、Hellula undalis(ハイマダラノメイガ)、Indarbela spp.(root borer)、Keiferia lycopersicella(トマトギョウチュウ)、Leucinodes orbonalis(ナスノメイガ)、Leucoptera malifoliella、Lithocollectis spp.、Lobesia botrana(grape fruit moth)、Loxagrotis spp.(ヤガ)、Loxagrotis albicosta(western bean cutworm)、Lymantria dispar(マイマイガ)、Lyonetia clerkella(キンモンホソガ)、Mahasena corbetti(oil palm bagworm)、Malacosoma spp.(テンマクケムシ)、Mamestra brassicae(ヨトウガ)、Maruca testulalis(マメノメイガ)、Metisa plana(ミノガ)、Mythimna unipuncta(true armyworm)、Neoleucinodes elegantalis(small tomato borer)、Nymphula depunctalis(rice caseworm)、Operophthera brumata(winter moth)、Ostrinia nubilalis(アワノメイガ)、Oxydia vesulia、Pandemis cerasana(ヤマトビハマキ)Pandemis heparana(brown apple tortrix)、Papilio demodocus、Pectinophora gossypiella(ワタキバガ)、Peridroma spp.(ヨトウムシ)、Peridroma saucia(ニセタマナヤガ)、Perileucoptera coffeella(white coffee leafminer)、Phthorimaea operculella(ジャガイモキバガ)、Phyllocnisitis citrella、Phyllonorycter spp.(ハモグリムシ)、Pieris rapae(imported cabbageworm)、Plathypena scabra、Plodia interpunctella(ノシメマダラメイガ)、Plutella xylostella(コナガ)、Polychrosis viteana(ブドウヒメハマキ)、Prays endocarpa、Prays oleae(olive moth)、Pseudaletia spp.(ヤガ)、Pseudaletia unipunctata(ヨトウムシ)、Pseudoplusia includens(soybean looper)、Rachiplusia nu、Scirpophaga incertulas、Sesamia spp.(stemborer)、Sesamia inferens(イネヨトウ)、Sesamia nonagrioides、Setora nitens、Sitotroga cerealella(バクガ)、Sparganothis pilleriana、Spodoptera spp.(アワヨトウ)、Spodoptera exigua(シロイチモンジョトウ)、Spodoptera fugiperda(fall armyworm)、Spodoptera oridania(southern armyworm)、Synanthedon spp.(root borer)、Thecla basilides、Thermisia gemmatalis、Tineola bisselliella(コイガ)、Trichoplusia ni(イラクサギンウワバ)、Tuta absoluta、Yponomeuta spp.、(Zeuzera coffeae(コーヒーゴマフボクトウ)、およびZeuzera pyrina(leopard moth)が含まれる。
【0055】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、ハジラミ目(ハジラミ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Bovicola ovis(ヒツジハジラミ)、Menacanthus stramineus (ニワトリオオハジラミ)、およびMenopon gallinea(common hen house)が含まれる。
【0056】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、直翅目(バッタ、イナゴ、およびコオロギ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Anabrus simplex(モルモンコオロギ)、Gryllotalpidae(ケラ)、Locusta migratoria、Melanoplus spp.(バッタ)、Microcentrum retinerve(angular winged katydid)、Pterophylla spp.(キリギリス)、chistocerca gregaria、Scudderia furcata(fork tailed bush katydid)、およびValanga nigricorniが含まれる。
【0057】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を、シラミ目(シラミ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Haematopinus spp.(cattle and hog lice)、Linognathus ovillus(sheep louse)、Pediculus humanus capitis(アタマジラミ)、Pediculus humanus humanus(コロモジラミ)、およびPthirus pubis(ケジラミ)が含まれる。
【0058】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、ノミ目(ノミ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Ctenocephalides canis(イヌノミ)、Ctenocephalides felis(ネコノミ)、およびPulex irritans(ヒトノミ)が含まれる。
【0059】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、アザミウマ目(アザミウマ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Frankliniella fusca(tobacco thrips)、Frankliniella occidentalis(ミカンキイロアザミウマ)、Frankliniella shultzei、Frankliniella williamsi(corn thrips)、Heliothrips haemorrhaidalis(greenhouse thrips)、Riphiphorothrips cruentatus)、Scirtothrips spp.、Scirtothrips citri(citrus thrips)、Scirtothrips dorsalis(チャノキイロアザミウマ)、Taeniothrips rhopalantennalis、およびThrips spp.が含まれる。
【0060】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、シミ目(シミ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Lepisma spp.(シミ)およびThermobia spp.(マダラシミ)が含まれる。
【0061】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、ダニ目(ダニおよびマダニ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Acarapsis woodi(tracheal mite of honeybees)、Acarus spp.(食品ダニ)、Acarus siro(コナダニ)、Aceria mangiferae(mango bud mite)、Aculops spp.、Aculops lycopersici(トマトサビダニ)、Aculops pelekasi、Aculus pelekassi、Aculus schlechtendali(リンゴサビダニ)、Amblyomma americanum(アメリカアムブリオマ)、Boophilus spp.(マダニ)、Brevipalpus obovatus(privet mite)、Brevipalpus phoenicis(red and black flat mite)、Demodex spp.(ヒゼンダニ)、Dermacentor spp.(カタダニ)、Dermacentor variabilis (アメリカイヌカクダニ)、Dermatophagoides pteronyssinus(チリダニ)、Eotetranycus spp.、Eotetranychus carpini(yellow spider mite)、Epitimerus spp.、Eriophyes spp.、Ixodes spp.(マダニ)、Metatetranycus spp.、Notoedres cati、Oligonychus spp.、Oligonychus coffee、Oligonychus ilicus(southern red mite)、Panonychus spp.、Panonychus citri(ミカンハダニ)、Panonychus ulmi(リンゴハダニ)、Phyllocoptruta oleivora(citrus rust mite)、Polyphagotarsonemun latus(チャノホコリダニ)、Rhipicephalus sanguineus(クリイロコイタマダニ)、Rhizoglyphus spp.(ネダニ)、Sarcoptes scabiei(ヒゼンダニ)、Tegolophus perseaflorae、Tetranychus spp.、Tetranychus urticae(ナミハダニ)、およびVarroa destructor(ミツバチヘギイタダニ)が含まれる。
【0062】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、線虫類(線虫)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Aphelenchoides spp.(bud and leaf & pine wood nematode)、Belonolaimus spp.(sting nematode)、Criconemella spp.(ring nematode)、Dirofilaria immitis(犬糸状虫)、Ditylenchus spp.(stem and bulb nematode)、Heterodera spp.(シストセンチュウ)、Heterodera zeae(corn cyst nematode)、Hirschmanniella spp.(root nematode)、Hoplolaimus spp.(lance nematode)、Meloidogyne spp.(ネコブセンチュウ)、Meloidogyne incognita(ネコブセンチュウ)、Onchocerca volvulus(回施糸状虫)、Pratylenchus spp.(ネグサレセンチュウ)、Radopholus spp.(ネモグリセンチュウ)、およびRotylenchus reniformis(kidney−shaped nematode)が含まれる。
【0063】
別の実施形態では、本明細書に開示する本発明を用いて、コムカデ目(コムカデ)を防除することができる。これら有害生物の非網羅的な列挙には、それだけには限定されないが、Scutigerella immaculataが含まれる。
【0064】
より詳しい情報については、Arnold Mallis、「HANDBOOK OF PEST CONTROL−THE BEHAVIOR,LIFE HISTROY,AND CONTROL OF HOUSEHOLD PESTS」、第9版、著作権2004年、GIE Media社を参考にされたい。
【0065】
混合物
本明細書に開示される組成物は、経済性、物理的および化学的安定性ならびに相乗効果の理由によって、殺ダニ剤、殺藻剤、摂食阻害物質、殺鳥剤、殺菌剤、鳥忌避剤、不妊剤、殺真菌剤、除草剤解毒剤、除草剤、昆虫誘因物質、昆虫忌避剤、哺乳動物忌避剤、交尾阻害剤、殺軟体動物剤、他の殺虫剤、他の殺有害生物剤、植物活性化剤、植物成長調節剤、殺鼠剤、共力剤、枯れ葉剤、乾燥剤、消毒剤、信号化学物質(semiochemical)、および殺ウイルス剤(これらのカテゴリーは、必ずしも相互に排他的ではない)と一緒に使用することもできる。
【0066】
製剤
本明細書で記載される組成物は、担体を与えるまたは補完するために、生理学的に許容される不活性な成分と一緒に提供されてもよく、例えば、ベイト剤、濃縮乳剤、粉剤、乳剤、燻蒸剤、ゲル剤、粒剤、マイクロカプセル化剤、種子処理剤、懸濁剤、サスポエマルション剤、錠剤、水溶性液剤、水和性粒剤またはドライフロアブル剤、水和剤、および超微量散布用液剤に製剤化され得る。
【0067】
製剤タイプに関するさらなる情報には、「CATALOGUE OF PESTICIDE FORMULATION TYPES AND INTERNATIONAL CODING SYSTEM」、Technical Monograph、2号、第5版、CropLife International(2002年)を参照されたい。
【0068】
殺有害生物剤組成物は、このような組成物の濃縮製剤から調製された水性懸濁剤または乳剤として頻繁に適用することができる。このような水溶性の、水に懸濁性の、または乳化性の製剤は、水和剤もしくは水に分散可能な顆粒剤として通常知られている固体、または乳化性の濃縮物、水性懸濁液もしくは油性懸濁液として通常知られている液体のいずれかである。水に分散可能な顆粒剤を形成するように凝縮されることがある水和剤は、殺有害生物剤組成物、担体、および界面活性剤の均質な混合物を含んでいる。担体は、アタパルジャイト粘土、モンモリロナイト粘土、珪藻土、または純粋なケイ酸塩の中から通常選択される。約0.5%から約10%までの水和剤を含むことができる有効な界面活性剤は、硫酸化リグニン、濃縮ナフタレンスルホネート、ナフタレンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、およびアルキルフェノールのエチレンオキシド付加物などの非イオン性界面活性剤の中に見出される。
【0069】
乳化性の濃縮物は、水混和性の溶媒、または水不混和性の有機溶媒および乳化剤の混合物のいずれかである担体中に溶解する、好都合な濃度の殺有害生物剤組成物を含んでいる。有用な有機溶媒には、芳香族、特にキシレンおよび石油留分、特に石油の高沸点ナフタレンおよびオレフィン部分、例えば芳香族のヘビーナフサが含まれる。他の有機溶媒、例えば、ロジン誘導体、脂肪族ケトン(例えば、シクロヘキサノン)、および複合アルコール(例えば、2−エトキシエタノール)を含むテルペンの溶媒も用いてもよい。乳化性の濃縮物に適する乳化剤は、従来の陰イオン性および非イオン性の界面活性剤から選択される。
【0070】
水性懸濁液は、水性の担体中に分散している水不溶性の殺有害生物剤組成物の懸濁液を含んでいる。懸濁液は、殺有害生物剤組成物を細かく粉砕し、水および界面活性剤からなる担体中に勢いよく混合することによって調製される。無機塩および合成または天然のゴムなどの成分も、水性の担体の密度および粘度を増大するために加えることができる。混合水溶液を調製し、サンドミル、ボールミル、またはピストンタイプのホモジナイザーなどの器具中でホモジナイズすることによって、殺有害生物剤組成物を同時に粉砕および混合するのが最も有効であることが多い。
【0071】
殺有害生物剤組成物を、土に適用するのに特に有用である顆粒の組成物として適用してもよい。顆粒の製剤は、粘土または類似の物質を含む担体中に分散した殺有害生物剤組成物を含んでいる。このような製剤は、殺有害生物剤組成物を適切な溶媒中に溶解し、約0.5mmから3mmまでの範囲の好適な粒子サイズに予め形成された顆粒の担体にそれを適用することによって通常調製される。このような製剤は、担体および殺有害生物剤組成物の生地またはペーストを作成し、押し砕き、乾燥して所望の顆粒の粒子サイズを得ることによっても調合され得る。
【0072】
殺有害生物剤組成物を含むダストは、粉末の形態の殺有害生物剤組成物を、カオリン粘土、粉砕した火山岩などの適切なダスト状の農業用担体と均質に混合することによって調製される。ダストは、種子粉衣として、または葉の適用として、ダストブロワー機器で適用することができる。
【0073】
好適な有機溶媒中(通常、農業化学において広く使われている、スプレーオイルなどの石油)の溶液の形態の殺有害生物剤組成物を適用することは同程度に実用的である。
【0074】
殺有害生物剤組成物を、エアロゾル製剤の形態で適用してもよい。このような製剤において、殺有害生物剤組成物は、圧力発生性の噴射剤混合物である担体中に溶解または分散している。エアロゾル組成物は、そこから混合物が噴霧弁を通して分散される容器に包装される。
【0075】
殺有害生物剤の餌は、殺有害生物剤組成物を食品もしくは誘引剤、または両方と混合する場合に形成される。有害生物が餌を食べるときに殺有害生物剤組成物も摂取する。餌は、顆粒、ゲル、フロアブルパウダー、液体、または固体の形態をとることができる。これらは有害生物の生息場所において、または生息場所の周囲で用いられ得る。
【0076】
燻蒸剤は、比較的高い蒸気圧を有し、したがって土または囲まれたスペースにおいて有害生物を死滅させるのに十分な濃度のガスとして存在することができる殺有害生物剤である。燻蒸剤の毒性は、その濃度および暴露時間に比例する。これらは拡散能力が良好であること、および有害生物の呼吸器系に浸透し、または有害生物の角皮を通して吸収されることによる作用を特徴とする。燻蒸剤は、ガス密封されている部屋もしくは建物において、または特別な室において、ガスを透過しないシートのもとで、貯蔵製品有害生物を防除するために適用される。
【0077】
油剤濃縮物は、殺有害生物剤組成物を溶液中に保持する溶媒中に殺有害生物剤組成物を溶解することによって作成する。殺有害生物剤組成物の油剤は、溶媒自体が殺有害生物作用を有し、外皮のロウ様の被覆の溶解が殺有害生物剤の取込みの速度を増大することにより、通常、他の製剤よりも速やかに有害生物を打ち倒し、死滅をもたらす。油剤の他の利点には、貯蔵安定性がより良好で、間隙への浸透がより良好で、脂肪の多い表面への付着がより良好であることが含まれる。
【0078】
別の実施形態は水中油型乳剤であり、乳剤は各々層状の液晶コーティングを備え水相に分散される油状小球を含み、各々の油状小球は農業上活性である少なくとも1つの化合物を含み、(1)少なくとも1つの非イオン性の親油性表面活性剤、(2)少なくとも1つの非イオン性の親水性表面活性剤、および(3)少なくとも1つのイオン性の表面活性剤を含む単層またはオリゴ多重層で個々にコーティングされており、小球の粒子直径の平均は800ナノメートル未満である。この実施形態に対するさらなる情報は、特許出願第11/495,228号を有する、2007年2月1日公開の米国特許出願公開第20070027034号に開示されている。使用を容易にするために、この実施形態を「OIWE」と呼ぶ。
【0079】
さらなる情報には、D.Dent、「INSECT PEST MANAGEMENT」、第2版、著作権CAB International(2000年)を参考にされたい。さらに、より詳しい情報には、Arnold Mallis「HANDBOOK OF PEST CONTROL−THE BEHAVIOR,LIFE HISTROY,AND CONTROL OF HOUSEHOLD PESTS」、第9版、著作権、2004年、GIE Media Inc.を参考にされたい。
【0080】
他の製剤成分
一般に、本明細書に開示する組成物を製剤において用いる場合、このような製剤は他の成分も含むことができる。これらの成分には、それだけには限定されないが(これは非網羅的で、相互に排他的ではない列挙である)、湿潤剤、展着剤、固着剤、浸透剤、バッファー、金属イオン封鎖剤、ドリフト低減剤、相容化剤、消泡剤、洗浄剤、レオロジー剤、安定剤、分散剤、および乳化剤が含まれる。少数の成分を即刻記載する。
【0081】
湿潤剤は、液体に加えた場合、液体とそれが広がる表面との間の界面張力を低減することによって、液体の拡散および浸透の力を増大する物質である。湿潤剤は、農芸化学的製剤において2つの主な機能のために用いられる:処理加工および製造の間に水中の粉末の湿潤の速度を増大して可溶性液体または懸濁性濃縮物に対する濃縮物を作成するために、ならびに圧搾空気タンクにおいて生成物を水と混合する間に水和剤の湿潤時間を低下させて水分散性顆粒中への水の浸透を改善するために。水和剤、懸濁性濃縮物、および水分散性顆粒の製剤に用いられる湿潤剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルフェノールエトキシレート、および脂肪族アルコールエトキシレートである。
【0082】
分散剤は、粒子の表面上に吸着し、粒子の分散の状態を保存するのを助け、それらが再凝集するのを防ぐ物質である。分散剤は、製造の間の分散および懸濁を促進し、圧搾空気タンク中で粒子が確実に水中に再分散するように農芸化学的製剤に加えられる。これらは水和剤、懸濁性濃縮物、および水分散性顆粒において広く用いられる。分散剤として用いられる界面活性剤は、粒子表面上に強力に吸着し、粒子の再凝集に対する荷電した、または立体的なバリアを提供する能力を有する。最も一般的に用いられる界面活性剤は、陰イオン性の、非イオン性の、または2タイプの混合である。水和剤製剤では、最も一般的な分散剤は、リグノスルホン酸ナトリウムである。懸濁性濃縮物では、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物などの高分子電解質を用いて、非常に良好な吸着および安定化を得る。トリスチリルフェノールエトキシレートホスフェートエステルも用いられる。アルキルアリールエチレンオキシド縮合物およびEO−POブロック共重合体などの非イオン性物質は、懸濁性濃縮物用の分散剤として陰イオン性物質と組み合わされることがある。近年、新しいタイプの、非常に高分子量のポリマー性界面活性剤が分散剤として開発されている。これらは、非常に長い疎水性の「バックボーン」、および界面活性剤の「くし」の「歯」を形成する多数のエチレンオキシド鎖を有する。疎水性のバックボーンは粒子表面上に対して多くの繋留点を有するので、これら高分子量のポリマーは懸濁性濃縮物に非常に優れた長期間の安定性をもたらすことができる。農芸化学製剤で用いられる分散剤の例は、リグノスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物、トリスチリルフェノールエトキシレートホスフェートエステル、脂肪族アルコールエトキシレート、アルキルエトキシレート、EO−POブロック共重合体、およびグラフト共重合体である。
【0083】
乳化剤は、ある液相の液滴の、別の液相における懸濁を安定化する物質である。乳化剤がないと、2つの液体は2つの不混和性の液相に分離してしまう。最も一般的に用いられる乳化剤のブレンドは、12個またはそれを超えるエチレンオキシド単位およびドデシルベンゼンスルホン酸の油溶性のカルシウム塩と共に、アルキルフェノールまたは脂肪族アルコールを含んでいる。親水親油バランス(「HLB」)の範囲が8から18までの値であれば、通常安定性の良好な乳剤がもたらされる。乳剤の安定性は、少量のEO−POブロック共重合体の界面活性剤を加えることによって改善されることがあり得る。
【0084】
可溶化剤は、臨界ミセル濃度を超えた濃度の水中でミセルを形成する界面活性剤である。次いで、ミセルは、ミセルの疎水性部分の内側で水不溶の材料を溶解し、または可溶化することができる。可溶化に通常用いられる界面活性剤のタイプは非イオン性物質:モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンエトキシレート、およびオレイン酸メチルエステルである。
【0085】
界面活性剤は、時に、単独で、または標的に対する殺有害生物剤の生物学的性能を改善するために圧搾空気タンク混合物に対する補助剤として鉱物油または植物油などの他の添加剤と一緒に、のいずれかで用いられる。バイオエンハンスメントに用いられる界面活性剤のタイプは、一般的に殺有害生物剤の性質および作用機序に依存する。しかし、これらは、アルキルエトキシレート、直鎖脂肪族アルコールエトキシレート、脂肪族アミンエトキシレートなど、非イオン性物質であることが多い。
【0086】
有機溶媒は、主に、乳化性濃縮物の製剤、ULV製剤において、より低い程度で顆粒製剤において用いられる。溶媒の混合物が用いられることがある。溶媒の第1の主なグループは、灯油または精製パラフィン蝋などの脂肪族パラフィン油である。第2の主なグループで最も一般的なものは、キシレン、およびC9およびC10芳香族溶媒の高分子量分画などの芳香族溶媒を含んでいる。製剤を水中に乳化する場合は、殺有害生物剤の結晶化を防ぐための共溶媒として塩素化炭化水素が有用である。アルコールは、溶媒の強度を増大するために共溶媒として用いられることがある。
【0087】
増粘剤またはゲル化剤は、液体のレオロジーまたは流動の性質を改変し、分散した粒子または液滴の分離および沈降を防ぐために、主に懸濁性濃縮物、乳剤、およびサスポエマルジョンの製剤において用いられる。増粘剤、ゲル化剤、および抗沈降剤は、概ね2つの分類、すなわち水不溶性粒子および水溶性ポリマーに分けられる。粘土およびシリカを用いて懸濁性濃縮物の製剤を生成することが可能である。これらのタイプの材料の例には、それだけには限定されないが、モンモリロナイト(例えば、ベントナイト)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびアタパルジャイトが含まれる。水溶性多糖は、長年、増粘−ゲル化剤として用いられている。最も一般的に用いられる多糖のタイプは、種子および海藻の天然抽出物、または合成のセルロース誘導体である。これらのタイプの材料の例には、それだけには限定されないが、グアーゴム、ロカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸塩、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)が含まれる。他のタイプの抗沈降剤は、加工デンプン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、およびポリエチレンオキシドをベースにしたものである。別の良好な抗沈降剤はキサンタンガムである。
【0088】
微生物は調合した生成物の損傷を引き起こす。したがって、保存剤を用いてこれらの効果を除去または低減する。このような薬剤の例には、それだけには限定されないが、プロピオン酸およびそのナトリウム塩、ソルビン酸およびそのナトリウムまたはカリウム塩、安息香酸およびそのナトリウム塩、p−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム塩、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、および1,2−ベンズイソチアザリン−3−オン(BIT)が含まれる。
【0089】
界面張力を低減する界面活性剤が存在すると、生成における、および圧搾空気タンクを通した適用における混合操作の間に、水ベースの製剤に泡立ちをもたらすことが多い。泡立つ傾向を低減するために、生成段階の間に、またはボトル中に充填する前に、のいずれかに消泡剤を加えることが多い。一般的に、2つのタイプの、すなわちシリコーンおよび非シリコーンの消泡剤が存在する。シリコーンは、通常ジメチルポリシロキサンの水性乳剤であり、非シリコーンの消泡剤は、オクタノールおよびノナノール、またはシリカなどの水不溶性油である。両方の場合において、消泡剤の機能は、界面活性剤を空気−水界面から置換することである。
【0090】
さらなる情報には、D.A. Knowles編集、「CHEMISTRY AND TECHNOLOGY OF AGROCHEMICAL FORMULATIONS」、著作権1998年、Kluwer Academic Publishersを参照されたい。また、A.S.Perry、I.Yamamoto、I.Ishaaya、およびR.Perry、「INSECTICIDES IN AGRICULTURE AND ENVIRONMENT−RETROSPECTS AND PROSPECTS」著作権1998年、Springer−Verlagも参照されたい。
【0091】
適用
有害生物の部位に適用する殺有害生物剤組成物の実際の量は、一般的に決定的ではなく、当業者は容易に決定することができる。一般的に、1ヘクタールあたり約0.01グラムの殺有害生物剤から1ヘクタールあたり約5000グラムの殺有害生物剤の濃度が、良好な防除をもたらすと予想される。
【0092】
それに対して殺有害生物剤組成物を適用する部位は有害生物が生息するあらゆる部位、例えば、野菜作物、果実および堅果をつける木、ブドウのツル、観賞植物、家畜、建物の内面または外面、および建物周囲の土であってよい。有害生物の防除は一般に、有害生物集団、活動、または両方が部位で減少することを意味する。これは、有害生物集団が部位から撃退される場合、有害生物が、部位の中または周辺で、無能力化されるか、または有害生物が、部位の中または周辺で、全体的または部分的に根絶される場合に明らかとなる。当然、このような結果の組合せも起こり得る。一般に、有害生物集団、活動、または両方は望ましくは、50%を超えて、好ましくは90パーセントを超えて減少する。
【0093】
一般的に、餌では、餌は、例えば、シロアリが餌と接触することがある地面に配置される。餌は、また、例えば、アリ、シロアリ、ゴキブリ、およびハエが餌と接触することがある建物の表面(水平面、垂直面、または斜面の表面)に適用することもある。
【0094】
有害生物の卵には、殺有害生物剤組成物に抵抗する独特の能力のあるものがあるので、新たに現れる幼虫を防除するために繰り返し適用することが望ましいことがある。
【0095】
植物の異なる部分に殺有害生物剤組成物を適用することによって、植物における殺有害生物剤の全体的な動きを利用して、植物の一部分における有害生物を防除してもよい。例えば、葉面補給の昆虫の防除は、点滴灌漑もしくは畦間散布によって、または植え付け前に種子を処理することによって、防除することができる。種子処理は、特殊化された形質を発現するように遺伝的に形質転換された植物がそれから発芽するものを含めて、すべてのタイプの種子に適用することができる。代表的な例には、無脊椎動物の有害生物に毒性であるタンパク質を発現するもの(例えば、Bacillus thuringiensisもしくは他の殺虫性の毒素)、除草剤抵抗性を発現するもの(例えば、「ラウンドアップレディー(Roundup Ready)」種子)、または殺虫性毒素、除草剤抵抗性、栄養増強、もしくはあらゆる他の有益な形質を発現する「積み重なった(stacked)」外来遺伝子を有するものが含まれる。さらに、本明細書に開示する本発明で処理した種子は、ストレスの多い成長条件により良好に持ちこたえる植物の能力をさらに増強することができる。これにより、収穫期により高い収量を得ることができる、より健康でより活気のある植物がもたらされる。
【0096】
本発明は、Bacillus thuringiensisもしくは他の殺虫性の毒素などの特殊化された形質を発現するように遺伝的に形質転換された植物、または除草剤抵抗性を発現するもの、または殺虫性毒素、除草剤抵抗性、栄養増強もしくはあらゆる他の有益な形質を発現する「積み重なった」外来遺伝子を有するものと共に使用することができることは容易に明らかなはずである。
【0097】
本明細書に開示する本発明は、獣医学の部門において、または動物の維持の分野において、内部寄生虫および外部寄生虫を防除するのに適する。組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、飲料、顆粒剤の形態における経口投与、例えば、浸漬、噴霧、注入、スポッティング、およびダスティングの形態における皮膚適用、および例えば注射の形の非経口投与などによる知られている様式で適用される。
【0098】
本明細書に開示する本発明は、ウシ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、およびガチョウなどの家畜の維持に有利に使用され得る。適切な製剤を、飲料水または餌と一緒に動物に経口投与する。適切である投与量および製剤は種によって決まる。
【0099】
殺有害生物剤組成物を使用し、または市販することができる前に、このような組成物は様々な(地方、地域、州、国、国際的)政府機関による冗長な評価プロセスを受ける。監督機関によって多量のデータの必要性が明記され、多量のデータの必要性は製品の登録者または製品の登録の担当の他者によるデータの生成および提出によって是正されなければならない。次いで、これらの政府機関は、このようなデータを見直し、安全性の決定が結論付けられる場合は、潜在的なユーザまたは販売者に製品の登録の認可を提供する。その後、製品の登録が承諾され支持される地方において、このようなユーザまたは販売者は、このような殺有害生物剤を使用し、または販売することができる。
【実施例】
【0100】
以下の実施例は、説明のためのものであり、本明細書で開示される本発明をこれらの実施例で開示される実施形態のみに限定すると解釈されるべきではない。
【0101】
実施例組成物
以下に記載される実施例組成物A〜Iはそれぞれ、スピネトラムを含む。スピネトラムは、50〜90%の(2R,3aR,5aR,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bR)−2−(6−デオキシ−3−O−エチル−2,4−ジ−O−メチル−α−L−マンノピラノシルオキシ)−13−[(2R,5S,6R)−5−(ジメチルアミノ)テトラヒドロ−6−メチルピラン−2−イルオキシ]−9−エチル−2,3,3a,4,5,5a,5b,6,9,10,11,12,13,14,16a,16b−ヘキサデカヒドロ−14−メチル−1H−as−インダセノ[3,2−d]オキサシクロドデシン−7,15−ジオンおよび50〜10%の(2R,3aR,5aS,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bS)−2−(6−デオキシ−3−O−エチル−2,4−ジ−O−メチル−α−L−マンノピラノシルオキシ)−13−[(2R,5S,6R)−5−(ジメチルアミノ)テトラヒドロ−6−メチルピラン−2−イルオキシ]−9−エチル−2,3,3a,5a,5b,6,9,10,11,12,13,14,16a,16b−テトラデカヒドロ−4,14−ジメチル−1H−as−インダセノ[3,2−d]オキサシクロドデシン−7,15−ジオンの混合物である。スピネトラムは、天然産物から合成的に誘導され、通常は種々の不純物を伴う。したがって、実施例A〜Iで以下に調製される組成物のそれぞれについて、不純物の存在を決定するために、実施例を作製するために用いたスピネトラムに対してアッセイを行った。
【0102】
それぞれのアッセイについて、較正用原液試料は、約43mgの分析標準形態のスピネトラムを10.0mLの精製水とともに125mLのガラスジャーに添加することによって調製した。スピネトラムが精製水中に分散するまでガラスジャーを穏やかに旋回させた。次いで、100.0mLのメタノールをガラスジャー中水/スピネトラム混合物に添加した。10mLの精製水および約50mgの実施例A〜Iのそれぞれに用いたスピネトラム生成物を125mLのガラスジャー中に添加することによって、第2の溶液を調製した。スピネトラムが精製水中に分散するまで、ガラスジャーを穏やかに旋回させた。次いで、この混合物に、100.0mLのメタノールを添加した。各試料を、以下の機器および以下の条件下で行う液体クロマトグラフィーを用いて分析した:
クロマトグラフ:Agilent(正式にはHewlett Packard)モデル1100または同等物
カラム:Phenomenex Luna、C8(2)3μm、150m×4.6mmカラム
移動相A:2g/Lの酢酸アンモニウムを有する水、pHは酢酸で5.5に調整
移動相B: アセトニトリル/メタノール(80:20、v:v)
定組成溶離:20%A/80%B
流量:1.0mL/分
注入量:10.0μL
検出器:UV(250nmにおける)
実行時間:20分
積分器:Agilent EZ Chrom Eliteデータ収集システム、または同等物
【0103】
液体クロマトグラフィーの結果に基づいて、実施例A〜Iで用いたそれぞれのスピネトラム生成物の純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算した。次いで、不純物の重量パーセントは、100から純粋スピネトラム成分の重量パーセントを引くことによって計算した。これらの計算に基づく、実施例A〜Iのそれぞれにおけるスピネトラム不純物の重量パーセントは、以下に示す。
【0104】
実施例A:
他の成分の中でも、スピネトラム、卵アルブミンおよびポリビニルアルコールを含む液体組成物を、以下に従って調製した。25〜50重量%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁剤を与える、スピネトラム、Reax(登録商標)88A(MeadWestvaco Corporation(P.O.Box 118005,Charleston,SC29423)から市販されている分散剤)、Geropon(登録商標)SDS(Rhodia,Inc.(8 Cedar Brook Drive,Cranbury NJ,08512)から市販されている界面活性剤)および残余の水を一緒に混合した。得られた混合物を、粒径1〜10μm(体積加重平均粒径)にEiger Mini Motormill媒体ミル(Eiger Machinery,Inc.(888 East Belvidere Road,Grayslake,Illinois,60030)製)中で摩砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.(Enigma Business Park,Grovewood Road, Malvern,Worcestershire WR141XZ,United Kingdom)製)を用いて測定した。摩砕後、この混合物に撹拌下で、グレードIIニワトリ卵白(Sigma Aldrich Corporation(3050 Spruce St.,St.Louis,MO,63103)製)由来の卵アルブミンおよびCelvol(登録商標)205ポリビニルアルコール(Celanese Corporation(1601 West LBJ Freeway,Dallas,Texas,75234)製)の15重量%(w/w)水溶液を添加した。Celvol(登録商標)205ポリビニルアルコールの15重量%(w/w)水溶液は、製造業者の説明書に従って調製した。この混合物の全固形分濃度を、水を添加することによって、20〜50重量%の範囲で調整した。次いで、混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.(355 Chestnut St.,East Longmeadow,MA,01028)製)で約15〜30分間均質化した。組成物の全重量に対して各それぞれの成分の重量を比較することによって計算した、上記の成分の重量パーセントを表1に示す。表1は、上記のアッセイ手順によって決定した値に基づく、組成物中のスピネトラム不純物の重量パーセントも示す。
【0105】
【表1】

【0106】
実施例Aの液体組成物はその後、生物有効性実験に用いたが、その前に、試験のための適切な濃度を調製することができるように、純粋スピネトラムの重量によるその割合を決定するためにアッセイを行った。このアッセイ手順について、約43mgの分析標準形態のスピネトラムを10.0mLの精製水と一緒に125mLガラスジャー中に添加することによって較正用原液試料を調製した。スピネトラムが精製水中に分散するまで、ガラスジャーを穏やかに旋回させた。次いで、100.0mLのメタノールをガラスジャー中水/スピネトラム混合物に添加した。第2の溶液は、10mLの精製水および約130mgの組成物を125mLのガラスジャーに添加することによって調製した。組成物が精製水中に分散するまで、ガラスジャーを穏やかに旋回させた。次いで、この混合物に100mLのメタノールを添加し、混合物を機械的振とう機で少なくとも約5分間振とうした。次いで、混合物のアリコートを0.45μmのナイロンシリンジフィルターを通してろ過し、最初のろ過された数滴は廃棄し、残りのろ液により、液体クロマトグラフィー用試料を得た。次いで、以下の機器および以下の条件下で行う液体クロマトグラフィーを用いて、各試料を分析した:
クロマトグラフ:Agilent(正式にはHewlett Packard)モデル1100または同等物
カラム:Phenomenex Luna、C8(2)3μm、150m×4.6mmカラム
移動相A:2g/Lの酢酸アンモニウムを有する水、pHは酢酸で5.5に調整
移動相B:アセトニトリル/メタノール(80:20、v:v)
定組成溶離:20%A/80%B
流量:1.0mL/分
注入量:10.0μL
検出器:UV(250nmにおける)
実行時間:20分
積分器:Agilent EZChrom Eliteデータ収集システム、または同等物
【0107】
液体クロマトグラフィーの結果に基づいて、実施例Aの組成物について純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算して、3.1%であった。
【0108】
実施例B:
他の成分の中でも、スピネトラム、卵アルブミンおよびポリビニルアルコールを含む液体組成物を、以下に従って調製した。25〜50重量%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁剤を与える、スピネトラム、Reax(登録商標)88A、Geropon(登録商標)SDSおよび残余の水を一緒に混合した。得られた混合物を、粒径1〜10μm(体積加重平均粒径)にEiger Mini Motormill媒体ミル(Eiger Machinery,Inc.製)中で摩砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて測定した。摩砕後、この混合物に撹拌下で、グレードIIニワトリ卵白由来の卵アルブミン(Sigma Aldrich Corporation製)およびCelvol(登録商標)205ポリビニルアルコール(Celanese Corporation製)の15重量%(w/w)水溶液を添加した。Celvol(登録商標)205ポリビニルアルコールの15重量%(w/w)水溶液は、製造業者の説明書に従って調製した。この混合物の全固形分濃度を、水を添加することによって、20〜50重量%の範囲で調整した。次いで、混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.製)で約15〜30分間均質化した。水を除く組成物の全重量に対して各それぞれの成分の重量を比較することによって計算した、上記の成分の重量パーセントを表2に示す。表2は、上記のアッセイ手順によって決定した値に基づく、組成物中のスピネトラム不純物の重量パーセントも示す。
【0109】
【表2】

【0110】
次いで、液体組成物を、Buchi(登録商標)Model 190ベンチトップスプレー乾燥機(Buchi Corporation(19 Lukens Drive,Suite 400,New Castle,DE 19720)製)を用いて、約300〜400ml/時間の供給量、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度および50〜100℃の出口温度でスプレー乾燥させて、固体組成物を得た。スプレー乾燥処理は、液体組成物から、それが固体組成物に変わるにつれて、水および他の揮発性成分のすべてまたは実質的にすべてを除去すると考えられる。水は別として実施例Bにおける成分のいずれも揮発性でないと考えられるので、固体組成物は、表2に示すものと実質的に同様の、それぞれの成分に対する重量パーセントを含むことが企図される。実施例Bの固体組成物はその後、生物有効性試験に用いたが、その前に、試験のための適切な濃度を調製することができるように、純粋スピネトラムの重量によるその割合を決定するためにアッセイを行った。
【0111】
このアッセイ手順について、較正用原液試料は、約43mgの分析標準形態のスピネトラムを10.0mLの精製水とともに125mLのガラスジャーに添加することによって調製した。スピネトラムが精製水中に分散するまで、ガラスジャーを穏やかに旋回させた。次いで、100.0mLのメタノールをガラスジャー中水/スピネトラム混合物に添加した。第2の溶液は、10mLの精製水および約130mgの固体組成物を125mLのガラスジャーに添加することによって調製した。固体組成物が精製水中に分散するまで、ガラスジャーを穏やかに旋回させた。次いで、この混合物に100.0mLのメタノールを添加し、混合物を機械的振とう機で少なくとも約5分間振とうした。次いで、混合物のアリコートを0.45μmのナイロンシリンジフィルターを通してろ過し、ろ過された最初の数滴は廃棄し、残りのろ液により、液体クロマトグラフィー用試料を得た。次いで、実施例Aで上に示した機器およびパラメータによって行う液体クロマトグラフィーを用いて、各試料を分析した。液体クロマトグラフィーの結果に基づいて、実施例Bの固体組成物について純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算して、9.8%であった。
【0112】
実施例C:
他の成分の中でも、スピネトラム、卵アルブミンおよびポリビニルアルコールを含む液体組成物を、以下に従って調製した。25〜50重量%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁剤を与える、スピネトラム、Reax(登録商標)88A、Geropon(登録商標)SDSおよび残余の水を一緒に混合した。得られた混合物を、粒径1〜10μm(体積加重平均粒径)にEiger Mini Motormill媒体ミル(Eiger Machinery,Inc.製)中で摩砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて測定した。摩砕後、この混合物に撹拌下で、グレードIIニワトリ卵白由来の卵アルブミン(Sigma Aldrich Corporation製)およびCelvol(登録商標)205ポリビニルアルコール(Celanese Corporation製)の15重量%(w/w)水溶液を添加した。Celvol(登録商標)205ポリビニルアルコールの15重量%(w/w)水溶液は、製造業者の説明書に従って調製した。この混合物の合計固形分濃度を、水を添加することによって、20〜50重量%の範囲で調整した。次いで、混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.製)で約15〜30分間均質化した。組成物の全重量に対して各それぞれの成分の重量を比較することによって計算した、上記の成分の重量パーセントを表3に示す。表3は、上記のアッセイ手順によって決定した値に基づく、組成物中のスピネトラム不純物の重量パーセントも示す。
【0113】
【表3】

【0114】
実施例Cの液体組成物はその後、生物有効性試験に用いたが、その前に、試験のための適切な濃度を調製することができるように、純粋スピネトラムの重量によるその割合を決定するためにアッセイを行った。アッセイは、実施例Aに関して上記した手順に従って行い、組成物に対する純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算して、4.0%であった。
【0115】
実施例D:
他の成分の中でも、スピネトラム、卵アルブミンおよびポリビニルアルコールを含む液体組成物を、以下に従って調製した。25〜50重量%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁剤を与える、スピネトラム、Reax(登録商標)88A、Geropon(登録商標)SDSおよび残余の水を一緒に混合した。得られた混合物を、粒径1〜10μm(体積加重平均粒径)にEiger Mini Motormill媒体ミル(Eiger Machinery,Inc.製)中で摩砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて測定した。摩砕後、この混合物に撹拌下で、グレードIIニワトリ卵白由来の卵アルブミン(Sigma Aldrich Corporation製)およびCelvol(登録商標)205ポリビニルアルコール(Celanese Corporation製)の15重量%(w/w)水溶液を添加した。Celvol(登録商標)205ポリビニルアルコールの15重量%(w/w)水溶液は、製造業者の説明書に従って調製した。この混合物の全固形分濃度を、水を添加することによって、20〜50重量%の範囲で調整した。次いで、混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.製)で約15〜30分間均質化した。水を除く組成物の全重量に対して各それぞれの成分の重量を比較することによって計算した、上記の成分の重量パーセントを表4に示す。表4は、上記のアッセイ手順によって決定した値に基づく、組成物中のスピネトラム不純物の重量パーセントも示す。
【0116】
【表4】

【0117】
次いで、液体組成物を、Buchi(登録商標)Model 190ベンチトップスプレー乾燥機(Buchi Corporation製)を用いて、約300〜400ml/時間の供給量、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度および50〜100℃の出口温度でスプレー乾燥させて、固体組成物を得た。スプレー乾燥処理は、液体組成物から、それが固体組成物に変わるにつれて、水および他の揮発性成分のすべてまたは実質的にすべてを除去すると考えられる。水は別として、実施例Dにおける成分のいずれも揮発性でないと考えられるので、固体組成物は、表4に示すものと実質的に同様の、それぞれの成分に対する重量パーセントを含むことが企図される。実施例Dの固体組成物はその後、生物有効性試験に用いたが、その前に、試験のための適切な濃度を調製することができるように、純粋スピネトラムの重量によるその割合を決定するためにアッセイを行った。アッセイは、実施例Bに関して上記した手順に従って行い、固体組成物について純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算して、9.6%であった。
【0118】
実施例E:
他の成分の中でも、スピネトラム、卵アルブミンおよびポリビニルアルコールを含む液体組成物を、以下に従って調製した。25〜50重量%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁剤を与える、スピネトラム、Reax(登録商標)88A、Geropon(登録商標)SDSおよび残余の水を一緒に混合した。得られた混合物を、粒径1〜10μm(体積加重平均粒径)にEiger Mini Motormill媒体ミル(Eiger Machinery,Inc.製)中で摩砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて測定した。摩砕後、この混合物に撹拌下で、グレードIIニワトリ卵白由来の卵アルブミン(Sigma Aldrich Corporation製)およびCelvol(登録商標)205ポリビニルアルコール(Celanese Corporation製)の15重量%(w/w)水溶液を添加した。Celvol(登録商標)205ポリビニルアルコールの15重量%(w/w)水溶液は、製造業者の説明書に従って調製した。この混合物の全固形分濃度を、水を添加することによって、20〜50重量%の範囲で調整した。次いで、混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.製)で約15〜30分間均質化した。水を除く組成物の全重量に対して各それぞれの成分の重量を比較することによって計算した、上記の成分の重量パーセントを表5に示す。表5は、上記のアッセイ手順によって決定した値に基づく、組成物中のスピネトラム不純物の重量パーセントも示す。
【0119】
【表5】

【0120】
次いで、液体組成物を、Buchi(登録商標)Model 190ベンチトップスプレー乾燥機(Buchi Corporation製)を用いて、約300〜400ml/時間の供給量、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度および50〜100℃の出口温度でスプレー乾燥させて、固体組成物を得た。スプレー乾燥処理は、液体組成物から、それが固体組成物に変わるにつれて、水および他の揮発性成分のすべてまたは実質的にすべてを除去すると考えられる。水は別として実施例Eにおける成分のいずれも揮発性でないと考えられるので、固体組成物は、表5に示すものと実質的に同様の、それぞれの成分に対する重量パーセントを含むことが企図される。実施例Eの固体組成物はその後、生物有効性試験に用いたが、その前に、試験のための適切な濃度を調製することができるように、純粋スピネトラムの重量によるその割合を決定するためにアッセイを行った。アッセイは、実施例Bに関して上記した手順に従って行い、固体組成物について純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算して、7.1%であった。
【0121】
実施例F:
他の成分の中でも、スピネトラム、卵アルブミンおよびポリビニルアルコールを含む液体組成物を、以下に従って調製した。25〜50重量%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁剤を与える、スピネトラム、Reax(登録商標)88A、Geropon(登録商標)SDSおよび残余の水を一緒に混合した。得られた混合物を、粒径1〜10μm(体積加重平均粒径)にEiger Mini Motormill媒体ミル(Eiger Machinery,Inc.製)中で摩砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて測定した。摩砕後、この混合物に撹拌下で、グレードIIニワトリ卵白由来の卵アルブミン(Sigma Aldrich Corporation製)およびCelvol(登録商標)205ポリビニルアルコール(Celanese Corporation製)の15重量%(w/w)水溶液を添加した。Celvol(登録商標)205ポリビニルアルコールの15重量%(w/w)水溶液は、製造業者の説明書に従って調製した。この混合物の全固形分濃度を、水を添加することによって、20〜50重量%の範囲で調整した。次いで、混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.製)で約15〜30分間均質化した。水を除く組成物の全重量に対して各それぞれの成分の重量を比較することによって計算した、上記の成分の重量パーセントを表6に示す。表6は、上記のアッセイ手順によって決定した値に基づく、組成物中のスピネトラム不純物の重量パーセントも示す。
【0122】
【表6】

【0123】
次いで、液体組成物を、Buchi(登録商標)Model 190ベンチトップスプレー乾燥機(Buchi Corporation製)を用いて、約300〜400ml/時間の供給量、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度および50〜100℃の出口温度でスプレー乾燥させて、固体組成物を得た。スプレー乾燥処理は、液体組成物から、それが固体組成物に変わるにつれて、水および他の揮発性成分のすべてまたは実質的にすべてを除去すると考えられる。水は別として実施例Fにおける成分はいずれも揮発性でないと考えられるので、固体組成物は、表6に示すものと実質的に同様の、それぞれの成分に対する重量パーセントを含むことが企図される。実施例Fの固体組成物はその後、生物有効性試験に用いたが、その前に、試験のための適切な濃度を調製することができるように、純粋スピネトラムの重量によるその割合を決定するためにアッセイを行った。アッセイは、実施例Bに関して上記した手順に従って行い、固体組成物について純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算し、19.6%であった。
【0124】
実施例G:
他の成分の中でも、スピネトラム、卵アルブミンおよびビニルアクリルラテックスを含む液体組成物を、以下に従って調製した。25〜50重量%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁剤を与える、スピネトラム、Reax(登録商標)88A、Geropon(登録商標)SDSおよび残余の水を一緒に混合した。得られた混合物を、粒径1〜10μm(体積加重平均粒径)にEiger Mini Motormill媒体ミル(Eiger Machinery,Inc.製)中で摩砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて測定した。摩砕後、この混合物に撹拌下で、グレードIIニワトリ卵白由来の卵アルブミン(Sigma Aldrich Corporation製)、Min−U−Gel(登録商標)400(Active Minerals International,LLC(6 North Park Drive,Suite 105,Hunt Valley,MD,21030)製ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、およびUCAR(商標)Latex 379G(Dow Chemical Company(2030 Dow center,Midland,Michigan 48674)製)の形態のビニルアクリルラテックスを添加した。この混合物の全固形分濃度を、水を添加することによって20〜50重量%の範囲で調整した。次いで、混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.製)で約15〜30分間均質化した。水を除く組成物の全重量に対して各それぞれの成分の重量を比較することによって計算した、上記の成分の重量パーセントを表7に示す。表7は、上記のアッセイ手順によって決定した値に基づく、組成物中のスピネトラム不純物の重量パーセントも示す。
【0125】
【表7】

【0126】
次いで、液体組成物を、Buchi(登録商標)Model 190ベンチトップスプレー乾燥機(Buchi Corporation製)を用いて、約300〜400ml/時間の供給量、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度および50〜100℃の出口温度でスプレー乾燥させて、固体組成物を得た。スプレー乾燥処理は、液体組成物から、それが固体組成物に変わるにつれて、水および他の揮発性成分のすべてまたは実質的にすべてを除去すると考えられる。水は別として実施例Gにおける成分はいずれも揮発性でないと考えられるので、固体組成物は、表7に示すものと実質的に同様の、それぞれの成分に対する重量パーセントを含むことが企図される。実施例Gの固体組成物はその後、生物有効性試験に用いたが、その前に、試験のための適切な濃度を調製することができるように、純粋スピネトラムの重量によりその割合を決定するためにアッセイを行った。アッセイは、実施例Bに関して上記した手順に従って行い、固体組成物について純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算して、10.5%であった。
【0127】
実施例H:
他の成分の中でも、スピネトラム、卵アルブミンおよびテルペンポリマーを含む液体組成物を、以下に従って調製した。25〜50重量%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁剤を与える、スピネトラム、Reax(登録商標)88A、Geropon(登録商標)SDSおよび残余の水を一緒に混合した。得られた混合物を、粒径1〜10μm(体積加重平均粒径)にEiger Mini Motormill媒体ミル(Eiger Machinery,Inc.製)中で摩砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて測定した。摩砕後、この混合物に撹拌下で、グレードIIニワトリ卵白由来の卵アルブミン(Sigma Aldrich Corporation製)およびNU FILM 17(登録商標)(Miller Chemical and Fertilizer Corporation(P.O.Box 333,120 Radio Road,Hanover,Pennsylvania 17331)製)の形態のテルペンポリマーを添加した。この混合物の全固形分濃度を、水を添加することによって、20〜50重量%の範囲で調整した。次いで、混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.製)で約15〜30分間均質化した。水を除く組成物の全重量に対して各それぞれの成分の重量を比較することによって計算した、上記の成分の重量パーセントを表8に示す。表8は、上記のアッセイ手順によって決定した値に基づく、組成物中のスピネトラム不純物の重量パーセントも示す。
【0128】
【表8】

【0129】
次いで、液体組成物を、Buchi(登録商標)Model 190ベンチトップスプレー乾燥機(Buchi Corporation製)を用いて、約300〜400ml/時間の供給量、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度および50〜100℃の出口温度でスプレー乾燥させて、固体組成物を得た。スプレー乾燥処理は、液体組成物から、それが固体組成物に変わるにつれて、水および他の揮発性成分のすべてまたは実質的にすべてを除去すると考えられる。水は別として実施例Hにおける成分はいずれも揮発性でないと考えられるので、固体組成物は、表8に示すものと実質的に同様の、それぞれの成分に対する重量パーセントを含むことが企図される。実施例Hの固体組成物はその後、生物有効性試験に用いたが、その前に、試験のための適切な濃度を調製することができるように、純粋スピネトラムの重量によるその割合を決定するためにアッセイを行った。アッセイは、実施例Bに関して上記した手順に従って行い、固体組成物に対する純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算して、10.4%であった。
【0130】
実施例I:
他の成分の中でも、スピネトラムおよびポリビニルアルコール含む液体組成物を、以下に従って調製した。25〜50重量%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁剤を与える、スピネトラム、Reax(登録商標)88A、Geropon(登録商標)SDSおよび残余の水を一緒に混合した。得られた混合物を、粒径1〜10μm(体積加重平均粒径)にEiger Mini Motormill媒体ミル(Eiger Machinery,Inc.製)中で摩砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて測定した。摩砕後、この混合物に撹拌下で、Celvol(登録商標)205ポリビニルアルコール(Celanese Corporation製)の15重量%(w/w)の水溶液を添加した。Celvol(登録商標)205ポリビニルアルコールの15重量%(w/w)水溶液は、製造業者の説明書に従って調製した。この混合物の全固形分濃度を、水を添加することによって、20〜50重量%の範囲で調整した。次いで、混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.製)で約15〜30分間均質化した。水を除く組成物の全重量に対して各それぞれの成分の重量を比較することによって計算した、上記の成分の重量パーセントを表9に示す。表9は、上記のアッセイ手順によって決定した値に基づく、組成物中のスピネトラム不純物の重量パーセントも示す。
【0131】
【表9】

【0132】
次いで、液体組成物を、Buchi(登録商標)Model 190ベンチトップスプレー乾燥機(Buchi Corporation製)を用いて、約300〜400ml/時間の供給量、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度および50〜100℃の出口温度でスプレー乾燥させて、固体組成物を得た。スプレー乾燥処理は、液体組成物から、それが固体組成物に変わるにつれて、水および他の揮発性成分のすべてまたは実質的にすべてを除去すると考えられる。水は別として実施例Iにおける成分はいずれも揮発性でないと考えられるので、固体組成物は、表9に示すものと実質的に同様の、それぞれの成分に対する重量パーセントを含むことが企図される。実施例Iの固体組成物はその後、生物有効性試験に用いたが、その前に、試験のための適切な濃度を調製することができるように、純粋スピネトラムの重量によるその割合を決定するためにアッセイを行った。アッセイは、実施例Bに関して上記した手順に従って行い、固体組成物に対する純粋スピネトラム成分の重量パーセントを計算して、27.7%であった。
【0133】
生物有効性試験
実施例I〜Vにおける生物有効性実験は、以下のパラメータによって行った。スピネトラム対照溶液は、スピネトラムの懸濁剤製剤であるRadiant(登録商標)、または水中スピネトラムの水和性粒剤製剤であるDelegate(登録商標)を用いて調製して、125ppmの溶液中スピネトラム濃度を得た。Radiant(登録商標)およびDelegate(登録商標)は、Dow AgroSciences LLC(9330,Zionsville Road,Indianapolis,IN,46268)から市販されている。試験溶液も、実施例Aおよび実施例Cの液体組成物ならびに水中実施例Bおよび実施例D〜Iの固体組成物(総称的に実施例A〜Iの溶液)を用いて調製し、125ppmのそれぞれの溶液中スピネトラム濃度を得た。水のみの対照を加えて、これらの溶液を、200L/Haの当量の散布液を送達するように較正したMandelトラック噴霧器を用いて、鉢植えのトウガラシ植物に施用した。処理した植物を乾燥させ、次いで、自然の太陽光において戸外でまたは自然の太陽光と同程度のレベルの紫外線を放射する一組のランプ下で老化させた。処理後の適当な時間に、すなわち、処理4日、7日および10日後または4日、7日および11日後に、処理した葉から2.5cm径のディスクを切断した。1枚の葉ディスクを、湿気を与えるために寒天の薄層も入っている、32ウェルプラスチックトレーの各ウェルに入れた。処理ごとに8反復ディスクであった。各ウェルに、二齢のシロイチモンジョトウの幼虫3匹をはびこらせ、ウェルをプラスチックフィルムで密閉した。幼虫を、環境室中に25℃/40パーセント相対湿度で保持した。はびこらせて48時間後に、幼虫を死亡率について等級分けした。幼虫は、突っついた後に動くことができない場合死んだとみなし、その死亡率パーセント(防除パーセント)を計算した。
【0134】
実施例I〜Vのそれぞれについて、以下の表10は、未処理標準に対するスピネトラム対照溶液に関連した昆虫の防除パーセントを示す。実施例A〜Iの溶液について、表10は、スピネトラム対照溶液に対する防除パーセントの改善を示す(すなわち、(実施例A〜Iの溶液による防除パーセント)−(スピネトラム対照溶液による防除パーセント))。表10は、対照に対する各日数についての個々の改善を合計し、次いで、測定値の数で除することによって計算した、スピネトラム対照溶液に対する平均の改善も示す。実施例I、IIおよびVについて、スピネトラム対照溶液は、Radiant(登録商標)を含み、実施例IIIおよびIVについて、スピネトラム対照溶液は、Delegate(登録商標)を含んだ。
【0135】
【表10】

【0136】
本明細書における表題は便宜上のものにすぎず、そのあらゆる部分を解釈するためにも用いてはならない。
【0137】
本明細書で述べたいずれの理論、作用の機構、証明、または所見も、本発明の理解をさらに高めることを意味し、本発明をこのような理論、作用の機構、証明、または所見に基づかせることは決して意図しない。上記説明における、好ましい(preferable)、好ましくは(preferably)または好ましい(preferred)という用語の使用は、そのように記載された特徴がより望ましくあり得ることを示すが、それにもかかわらず、それは必要でなくてもよく、それを欠く実施形態が、本発明の範囲(この範囲は、以下に続く特許請求の範囲によって定義される)内と企図され得ることが理解されるべきである。特許請求の範囲を解釈する際に、「1つ(a)」、「1つ(an)」、「少なくとも1つ(at least one)」、「少なくとも一部(at least a portion)」などの用語が使用される場合、特許請求の範囲に特にそれと反対に記載されていない限り、特許請求の範囲を1つの事項のみに限定する意図はないことを意図する。さらに、「少なくとも一部」および/または「一部」という用語が使用される場合、特にそれと反対に記載されていない限り、その事項は、一部および/または全体の事項を含み得る。本発明は、図面および上記説明で詳細に例証および説明してきたが、これらは、特性において例証となるものであって限定的ではないとみなされるべきであり、選択した実施形態だけを示しおよび説明してきたこと、ならびに本明細書でまたは以下の特許請求の範囲のいずれかによって記載されるとおりの本発明の精神の範囲内に入る変更、修正および等価物のすべては、保護されることが望まれることが理解される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の大環状ラクトン殺虫剤、少なくとも1種のタンパク質性物質および少なくとも1種のポリマー物質を含む組成物であって、少なくとも1種のタンパク質性物質および少なくとも1種のポリマー物質を有しない点だけが異なる組成物と比較して殺有害生物剤活性レベルの増強を示す組成物。
【請求項2】
少なくとも1種の大環状ラクトン殺虫剤が、スピネトラムおよびスピノサドからなる群から選択されるスピノシンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1種のタンパク質性物質と少なくとも1種の殺有害生物剤の重量比を約2:1から約8:1、少なくとも1種のポリマー物質と少なくとも1種の殺有害生物剤の重量比を約1:2から約3:1、および少なくとも1種のタンパク質性物質と少なくとも1種のポリマー物質の重量比を約2:1から約5:1で含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1種のタンパク質性物質と少なくとも1種の殺有害生物剤の重量比を約1:2から約4:1、少なくとも1種のポリマー物質と少なくとも1種の殺有害生物剤の重量比を約4:1から約10:1、および少なくとも1種のタンパク質性物質と少なくとも1種のポリマー物質の重量比を約1:8から約1:1で含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1種のタンパク質性物質が、ウシ血清アルブミン、卵アルブミン、乳漿、ゼラチンおよびゼインからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1種のポリマー物質が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ラテックスおよびテルペンポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
約2重量%から約25重量%のスピネトラム、約15重量%から約75重量%のタンパク質性物質および約5重量%から約70重量%のポリマー物質を含む組成物。
【請求項8】
タンパク質性物質が卵アルブミンを含み、ポリマー物質がポリビニルアルコールを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
約5重量%から約15重量%のスピネトラム、約65重量%から約75重量%のタンパク質性物質および約10重量%から約20重量%のポリマー物質を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
約5重量%から約15重量%のスピネトラム、約10重量%から約20重量%のタンパク質性物質および約65重量%から約75重量%のポリマー物質を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
防除が望まれる部位に、請求項7から10のいずれか一項に記載の組成物の昆虫不活性化量を施用する段階を含む、昆虫を防除する方法。
【請求項12】
約15重量%から約60重量%のスピネトラムおよび約30重量%から約75重量%の少なくとも1種のポリマー物質を含む組成物。
【請求項13】
少なくとも1種のポリマー物質が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ラテックスおよびテルペンポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種のポリマー物質がポリビニルアルコールを含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
防除が望まれる部位に、請求項12から14のいずれか一項に記載の組成物の昆虫不活性化量を施用する段階を含む、昆虫を防除する方法。

【公表番号】特表2012−525384(P2012−525384A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508477(P2012−508477)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/001246
【国際公開番号】WO2010/126588
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】